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祖先の痕跡手掛かり

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祖先の痕跡手掛かり
第3部画
皮(きょくひ)動物」
と「半索動物」という
海の動物たちですo錬
皮・半索動物を調べる
ことで、私たちの祖先
ょうか?
の姿が見えてくるでし
「薄皮動物」にはウ
ニやヒトデなど、おな
じみの動物が含まれま
特徴は「五放射相称」。
す.棟皮動物の1番の
ウニのとげを取り除
しょう(写真左上)..
き、殻を観察してみま
ましょう。
たちの祖先がどんな動
ません.1方、われわ
前後左右の区別があり
五放射相称の体には
れの体には前後左右が
下を縦走する棒状で弾 あります。頼皮動物と
力のある組織=という 脊索動物は体の基本構
器官を持つことでまと 造から異なっているわ
められた「脊索動物」
の三貝です。その脊索
動物と近縁なのは「頼
ヒトは脊索-脊髄の
物だったのか考えてみ
同じ構造が五つ(lか
ヒトも含めた地球上 ら5)、放射状に並ん
でいます。この対称性
のさまざまな動物は、
同じ祖先に由来する親 を五放射相称といいま
類同士です。今回は私 す。
東奥日報夕刊 平成23年2月23日(水)
祖先の痕跡手掛かり
けです.
もう一方の蕪、「半
索動物」をご存じの方
は少ないでしょうo半
索動物の代表ギポシム
シは体長数琴から数十
誓程度の比較的大きな
動物ですが、海底の砂
に深く潜って生活して
つかりません。
いるため、めったに見
ギボシムシには脊索
動物と同様、ロのある
前側、虹門のある後側、
左右の区別があります
(写真左下)oしかし、
S
シの幼生です。外形は
脊索を持たないなど、
重要な点で脊索動物と
異なりますが、体の真
物の共通祖先は太古の
海にすんでいましたo
このご先祖様がどんな
物はそれぞれ独特な形
をしていますが、それ
親の姿からはウニと ん中を食道・胃。腸か 動物だったかば謎です でも同じ祖先に由来す
ギポシムシが葉同士 らなる消化管が貫いて が、もしかすると、ギ る以上、ご先祖様の持
ボシムシのような姿だ っていた特徴を残して
とは思えませんが、幼 いる点は似ていますo
生をみれば、彼らの親 神経系や運動器官など ったかもしれません。 いるはず。私たち研究
類関係を納得できるで にも共通点がたくさん その子孫のうち、脊索 者は、現生の動物に残
あります。棟皮動物と を発明したものが脊索 る祖先の痕跡を手掛か
しょう。
右上の写真はウニの 半索動物を親類同士と 動物に、五放射相称の りに、ご先祖様の姿や、
幼生、右下はギボシム 考える根拠の一つは幼 体を発明したものが頼 私たちがたどってきた
皮動物に進化したと考 進化の歴史を解き明か
生の類似性なのです。
そうとしています。
頼皮・半索・脊索動 えられています。
頼皮・半索・脊索動 (准教授・美濃川拓哉)
違いますo
ウニの親の穀(左」ニ)と触(右上)。ギポシ
ムシの親(左下)と触(右下)。地を見れ
ば、ウニとギポシムシが楓だと雛招尋できる
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