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大きく伸びる2学期に
大きく伸びる2学期に 校長 古谷 壽朗 届く便りに、もう「秋」という漢字が見られるようになりました。名残の「夏」休みが終 わりました。子どもたちがそろって元気に始業式を迎えられたことを大変嬉しく思います。 札幌は少し涼しくなってきましたが、北京では連日熱い戦いの真っ最中です。選手の戦い は勿論感動がいっぱいですが、テレビに映し出される選手を応援する家族の姿は暑い夏を一 層暑くしてくれます。スタンドや遠い故郷から必死に祈り応援する家族の姿からは、勝ち負 けではなく、我が子、我が孫、我がきょうだいが全力を出し切ることを願う、家族だからこ その絆が伝わってきました。この夏を一番熱くしてくれたのは、他でもありません。オリン ピックを見ていると、時折り映し出されるコーチの姿がまた素晴らしいのです。 柔道のコーチが、試合直前の選手の背中を何度か両手でパンパンとたたきます。選手は今 までの努力の全てを体の芯に集中し、試合に臨みます。背中はコーチの手から伝わる力で熱 いに違いありません。魔法の気合いです。その場におよんではまたとない力水です。 「これぞ名コーチ」と感じたのは大会の初日でした。重量挙げ三宅宏実選手のコーチは父、 義行さんです。義行さんはメキシコオリンピックで重量挙げ銅メダリストです。私は、この オリンピックで心に残る場面は沢山ありますが、中でも一番はこの親子の重量挙げの戦いで す。110キロのバーベルを落とし、涙をこらえ会場から引き上がる娘さんの頭にそっと手 を当てた「あの場面」が忘れられないのです。コーチであってコーチではない姿がそこにあ りました。 それから、また一人のコーチ以上のコーチが登場します。 「気合いだ!オイッ!オイッ!オ イッ!」となりふり構わず娘さんを励ます、アニマル濱口さんです。自分の元気、自分の心 をいっぱいに伝えます。自分に言い聞かせるように、子どもに気合いを入れる。こんなコー チ(親)には、選手どころか他の者まで励まされるのです。 休業中の研修会で「子どもには、学校の先生、家の先生、地域の先生が必要」という話を 聞きました。私たち教職員は学校の先生です。家の先生はご家族のみなさんです。そして地 域の先生は、毎日お世話になっている地域の皆さんです。それぞれにそれぞれでなければで きない役割があります。特に、 「家の先生」には、朝は柔道コーチのように子どもを元気に学 校に送り出して欲しいと思います。家に帰ったら、三宅コーチのように優しく迎えて欲しい と思います。これは家の先生にしかできません。家族にしかできないコーチです。そして、 時には「気合いだ!オイッ!」と子どもを勇気づけて欲しいです。それはまた、子どものみ ならず私たち教職員も励まされることにつながります。熱い手も、優しい手も、気合いも、 子どもの成長に無くてはならない親という名コーチの腕前なのです。 2学期が始まりました。名コーチの手を借りて子どもたちを大きく伸ばしたいと思います。 今学期もよろしくお願いします。