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第8回かんぞう教室(放射線)
平成23年9月22日 第8回 かんぞう教室 技術部診療放射線科 CT レントゲン 放射線治療 放射線科 MRI 血管造影 核医学 本日の内容 1.CT 2.MRI 3.血管造影 CT レントゲン 放射線治療 放射線科 MRI 血管造影 核医学 当院のCT装置 CT検査とは • CTとはComputed Tomographyの略称。 • X線を用いて撮影を行い、コンピュータで処 理することで輪切り画像(断層画像)を得ま す。 • 連続して画像の収集ができるため病変の見 落としが少ない検査です。 腹部の検査の流れ お腹 右 左 背中 線と線の間隔を変え ることで画像の枚数 を増減させています。 CT検査とは • 胸部の検査や腹部の検査では息を止めて 頂く場合があります。 • X線を用いるので被爆します。 CT検査の2つの撮影方法 • 単純CT撮影 • 造影CT撮影 単純CT撮影と造影CT撮影のちがい • 単純CT撮影 造影剤という薬剤を使用 しないで撮影する • 造影CT撮影 造影剤という薬剤を使用 して撮影する 造影剤は自動注入器 という機械を用いて静 脈に注入します。 腫瘍はなぜ染まるのか? 腫瘍は成長するために血液 から栄養を取り込みます。そ のため、血流が豊富となり血 液と混ざった造影剤が流れ 込むことでこのように染まり ます。 造影剤とは • 造影剤はヨードを主成分としており、血管や臓器にコント ラストを付けたり、特定の組織を強調してより詳しく調べる 目的で使用する薬剤です。 副作用は極めて少ない薬ですが検査中に万一、気分が 悪くなった場合は必ずお知らせください。 • 造影剤は尿として排泄されます。 排泄を促進させるために検査終了後は水分(お茶、水、 ジュース等)を多めにおとりください。なお、水分を制限さ れている方はお知らせください。 • 数時間から数日後に、頭痛、吐き気、かゆみ、蕁麻疹な どの副作用があらわれることがあります。なにか症状が みられましたら遠慮なく病院までご連絡ください。 造影CT撮影による画像の経時的変化 0秒 30秒後 50秒後 造影剤注入開始 造影CT検査では造影剤の注入開始後から 一定時間をおいて動脈相(30~50秒後)、門 脈相(70秒後) 、平衡相(180秒後)の撮影を3~ 4回行います。⇒ダイナミック撮影 これは血液と混ざった造影剤が腫瘍に流れ 込み、染まり、流れ出ることを確認するため です。このことから腫瘍の血流情報が得ら れます。造影剤の使用量は体重や検査目 的によりことなりますが50~100mlです。 腕の静脈 心臓(右房・右室) 70秒後 肺 心臓(左房・左室) 180秒後 全身(動脈) 肝臓などの臓器 単純CT画像と造影CT画像からわかること ①肝臓の形・大きさ 肝臓の腫大‥‥膨らむ 肝臓の萎縮‥‥縮む 単純CT画像と造影CT画像からわかること ②染まるor染まらない ③腫瘍の染まりかた(全体or一部) 造影剤なし 造影剤あり 単純CT画像と造影CT画像からわかること ④腫瘍の数 ⑤腫瘍の大きさ 数mm 数cm 十数cm 単純CT画像と造影CT画像からわかること ⑥腫瘍の形 お腹 ⑦腫瘍の位置 ⑧門脈への浸潤 右 左 ⑨血管の走行 背中 これらの情報を得ることで今後の 検査や治療の方針を決定します。 次の方は事前にお知らせください • 過去に造影剤を使用した検査を受けたことがあり、その際 に気分が悪くなられた方 • アレルギー(気管支喘息、花粉症、食物、薬などによる蕁 麻疹、アトピー体質)がある方 • 心臓病、肝臓病、腎臓病、糖尿病、甲状腺などの病気が ある方 • 妊娠中もしくは妊娠している可能性のある方および授乳中 の方 • ペースメーカを挿入されている方 植え込み型心臓ぺースメーカに連続的にエックス線が4秒 以上照射された場合、電気的リセットなどが起きる可能性 があります。 CT レントゲン 放射線治療 放射線科 血管造影 MRI 核医学 当院のMRI装置 MRI検査とは • MRIとはMagnetic Resonance Imagingの略称。 • 強い磁場と電波を利用して、体内から返ってく る信号をコンピュータで処理することで断面像 得ます。 • 胸部の検査や腹部の検査では息を止めて頂 く場合があります。 • 放射線被ばくが無い。 特徴 • 組織のコンラスト分解能が高い。(例えば臓器と 脂肪と筋肉などの区別が明瞭にわかる) • 組織の性状が把握できる。(例えば腫瘍に水成 分があるか、脂肪を含んでいるかなどがわかる) CT MRI 特徴 • 多断面撮像が可能で多方向からの臓器観察が できる。 前 右 左 前 後 右 左 後 • 脳血管などの血流を造影剤無しでも描出できる。 次のような方は、MRI検査を受けることができません。 • 心臓ペースメーカ、人工内耳、可動性義眼を体内装着されている方。 次のような方は、MR検査ができなかったり、できても 画像が悪くなったりすることがありますので、必ず事前 にお知らせください。 • • • • • 体内に金属性のものを挿入されている方 脳動脈クリップ、人工関節、ステント、避妊リング、お腹や骨折の手術後の金属 など 閉所恐怖症の方 じっとして寝ていることができない方 小児(眠剤を使うことがあります)、痛みの強い方(鎮痛剤を使うことがありま す)など 妊娠中もしくは妊娠している可能性のある方 その他 大きな入れ墨のある方、磁石で脱着する義歯を入れている方、弾丸の破片な どの金属が体内に入っている方など 造影MRI撮影 • MRI検査では、病変の存在や状態をより詳しく診るために造影 剤を使用することがあります。 MRI用の造影剤はガドリニウム(Gd)や鉄(Fe)を主成分としたもの です。使用量は体重や検査部位によって変わりますが、10ml~ 20mlぐらいで、静脈から注射します。 造影剤は比較的副作用が少ない医薬品ですが、次の方 は注意が必要ですので事前にお知らせください。 • 喘息やアレルギー体質の方 • 過去に造影剤で副作用のあった方 • 妊娠中もしくは妊娠している可能性のある方および授乳中の方 プリモビスト造影剤によるMRI画像の経時的変化 0秒 造影剤注入開始 ダ イ ナ ミ ック 相 ダイナミック相の撮影 静脈に注入後、血管および細胞 外液に分布するため、注入直後 に動脈相、門脈相、平衡相など を繰り返し撮像することにより病 変の血流情報が得られます。こ れにより、腫瘍に造影剤が流れ 込み、染まり、流れ出ることを確 認できます。 プリモビスト造影剤によるMRI画像の経時的変化 造影剤注入後 の時間経過 肝 細 胞 造 影 相 5分後 肝細胞造影相の撮影 このプリモビスト造影剤は特異的に肝細 胞(クッパー細胞)に取り込まれるため、 注入後5、10、15分以降では肝実質と 肝細胞機能を消失あるいは保有してい ない病変(腫瘍)とのコントラストを増強し 、肝細胞機能に基づいた情報が得られ ます。 ⇓ 10分後 15分後 肝臓の正常な細胞にはクッパー細胞が あるので造影剤を取り込んで白く染まり ますが、腫瘍にはクッパー細胞がないの で染まらないため黒いままです。 ダイナミック相と肝細胞造影相の撮影を 行い、画像やより多くの情報を得ることで、 正確な診断を行うことが可能となります。 CT レントゲン 放射線治療 放射線科 MRI 血管造影 核医学 当院の血管造影装置 血管造影検査とは • 血管造影検査では上腕(肘部)や鼠径 (脚の付け根)から直径1~2mm、長 さ70~100cm程度のカテーテルとい う細い管を使用します。 このカテーテルを血管(動脈)に挿入 し、カテーテルの先端を目的の血管ま で進め、カテーテルの先端から血管内 に造影剤という薬剤を注入しながら、 連続的にX線撮影(DSA撮影)を行いま す。 撮影した画像から治療が必要である と診断されれば、そのまま治療を行い ます。 シース ガイドワイヤー カテーテル カテーテルの先端の形状 正面 正面 側面 側面 検査の流れ ①穿刺部位を消毒する ③穿刺用針を動脈に刺す ②穿刺部位に局所麻酔を行う ④針先が動脈内に入ると勢い よく血液が逆流する ⑤ガイドワイヤーを挿入する ⑦ガイドワイヤーを抜去してシース のみを血管内に残す ⑥ガイドワイヤーに沿わせて シースを挿入する ⑧カテーテルを挿入する 治療前の総肝動脈の造影 造影剤による腫瘍(←)の染まりを確認できる 治療前のマイクロカテーテルからの造影 マイクロカテーテル(←)からの造影で腫瘍の染まりを確 認できる 治療後の総肝動脈の造影 治療後のX線画像 治療により腫瘍(←)と栄養血管に塞栓物質と油性造影剤の 混合液が 詰まっているので造影剤による染まりは確認できな い 治療により腫瘍(←)と栄養血管に塞栓物質と油性造影剤 の混合(黒色の部分)液が詰まっていることを確認できる ご清聴ありがとうございました。