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JIS T 8127 高視認性安全服 が発行され ました

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JIS T 8127 高視認性安全服 が発行され ました
2015.10.30
ニ ッ セ ン ケ ン 分 室 「 思 い つ き ラ ボ 」 No.51
JIS T 8127 高 視 認 性 安 全 服 が発 行 され
ました・・・
2015 年 10 月 26 日 に正 式 に“JIS T 8127 高 視 認 性 安 全 服 ”の規 格 が発 行 されました。思 いつきラボ
でもたびたび取 り上 げている規 格 ですが
制 定 されたことであらためて今 回 のテーマといたします。
“ J IS T 8 1 27 高 視 認 性 安 全 服 ” カ テゴリーは 医 療 安 全 用 具
まず JIS T の分 類 になっていて普 段 から馴 染 んでいる JIS L 繊 維 の分
類 ではないことに気 をつけていただきたいのですが JIS 規 格 は JIS の
後 につづくアルファベットで業 種 の分 類 がなされています。 JIS A の土 木
及 び建 築
械
から始 まって B の一 般 機 械
C の電 子 機 器 及 び電 気 機
と業 種 ごとに区 分 がされていてこの JIS T は医 療 安 全 用 具 という分
類 になります。
医 療 の機 械 類 の安 全 性 を図 る規 格 が中 心 になりますが その作 業 に携 わる人 たちの衣 服 についても規
格 が作 られています。具 体 的 にいえば熱 や炎 から身 を守 る衣 服 や鳥 インフルエンザ消 毒 作 業 者 用 や放
射 性 物 質 除 染 作 業 者 などの化 学 物 質 防 護 を目 的 にする作 業 着 などが対 象 になります。今 回 の高 視 認
性 安 全 服 も身 を守 る保 護 衣 扱 いとなりますので JIS L 繊 維 ではなく JIS T 医 療 安 全 用 具 になったと
理 解 してください。JIS L は一 般 衣 料 ですので洗 濯 性 や耐 久 性 などを考 慮 して造 られますが JIS T は
安 全 性 が優 先 しますので耐 久 性 や配 色 の ことなどはあまり考 慮 されていません。JIS L の感 覚 でいると
ちょっと違 和 感 を覚 えるかもしれません。
この規 格 の特 徴 ですが基 本 的 な部 分 は ISO 20471 高 視 認 性 衣 服 と同 じで
デザイン
使 用 面 積 によってクラス分 けがあり デザイン性 にもル-ルが設 けられ
ています
蛍光生地
蛍 光 生 地 を使 用 する必 要 があり 色 は蛍 光 レッド 蛍 光 オレンジレッド
蛍 光 イエローの 3 色 に規 定 されています
再帰性反射材
再 帰 性 反 射 材 を使 用 する必 要 があり 耐 久 性 試 験 前 と耐 久 性 試 験
後 ともに 適 合 が条 件 となります
となっています。要 は再 帰 性 反 射 材 と蛍 光 生 地 は必 ず使 いなさいという規 格 でその素 材 の面 積 が多 い
方 が安 全 性 は高 まりますよということなのです。それぞれについてもう少 し説 明 しておきます。
一般財団法人ニッセンケン品質評価センター 〒111-0051 東京都台東区蔵前 2-16-11 (本部) TEL: 03-3861-2341 FAX: 03-3861-4280 WEB: www.nissenken.or.jp
2015.10.30
基 本 項 目 に 関 する 詳 細 で す
デザインではどこからの角 度 でも視 認 できるように蛍 光 生 地
再 帰 性 反 射 材 とも胴 部 を一 周 してい
なけれ ば なら ないこ とや 反 射 材 は 巾 5 0 m m 以 上 の も の を使 用 す る ことや 平 行 に 2 本 の 反 射 材 を
取 り付 ける場 合 はその間 が 50mm 以 上 の間 隔 をあける必 要 があるというような細 部 の規 定 も設 け
ら れ て い ま す 。ク ラ ス 分 け は 3 つ に 分 類 さ れ てい て ク ラ ス 3 が 一 番 面 積 が 多 く ク ラ ス 2 ク ラス 1
と使 用 面 積 は少 なくなっています。ベストタイプはもともとの生 地 使 用 量 が少 ないのでクラス 1 に分
類 さ れ る も の が 多 く な り ま す 。 面 積 計 算 は 平 置 き メ ジ ャ ー 測 定 で は 測 定 差 が 大 き す ぎ る の で CA D
に よ る 計 算 を実 施 し ま す 。
蛍 光 生 地 の 色 は 蛍 光 レ ッ ド 蛍 光 オレ ン ジ レ ッ ド 蛍 光 レ ッ ド と 3 色 に 限 定 され ている の です が 蛍
光 グリーンや蛍 光 ピンクもよく目 立 つのになぜ高 視 認 に含 まれないのかという質 問 を受 けることがあ
り ます が 高 視 認 性 以 前 に 色 の 国 際 基 準 と し て 赤 は 禁 止 黄 は 注 意 緑 は 安 全 青 は 案 内 と いう
意 味 合 いになっているので 高 視 認 性 安 全 服 という性 質 上 “警 告 色 ”である赤 色 とオレンジ色 と黄
色 の み が 高 視 認 性 安 全 服 で は 使 用 可 能 とい う 規 定 に な っ てい ます 。 試 験 方 法 は I S O 2 0 4 7 1 では
4 5 / 0 ° 方 式 の み でした が J I S T 8 1 2 7 では J I S 規 格 に 定 めら れ てい る 条 件 を満 たせ ば 積 分 球 方 式
でも よ いことに なり ました 。
再 帰 性 反 射 材 は I S O 2 0 4 7 1 と 同 じ で CI E ( 国 際 照 明 委 員 会 ) に よ っ て 定 め ら れ て い る 規 定 CI E
5 4 . 2 に そっ て 測 定 を行 います 。光 源 と 試 料 台 が 1 5 m 以 上 離 れ て いる 暗 室 内 で入 射 角 と観 測 角 を
設 定 して 反 射 係 数 を測 り ます 。先 ほ ど 説 明 した 蛍 光 生 地 の 測 色 試 験 も CI E 1 5 に よ る 検 査 方 法 で
CI E の 規 格 で試 験 方 法 が 定 めら れ ている の も 繊 維 関 連 の 試 験 では あ まり ないことなの です 。ニ ッ セン
ケ ン では も とも と 防 災 ・ 安 全 評 価 グ ル ー プ で 安 全 素 材 であ る 再 帰 性 反 射 材 や 蛍 光 素 材 や 蓄 光 素 材
など の 測 定 を 行 っ ている の でこ れ ら の 設 備 が 備 わ っ ている の です 。誘 導 標 識 や 交 通 標 識 と 同 様 に 高
視 認 性 安 全 服 も 遠 く か ら の 視 認 性 や 暗 所 での 見 え方 を 考 慮 したも の に なっ ている の です 。
この 他 にも 安 全 服 とは いえ衣 料 品 なの で堅 牢 度 試 験 や 物 性 試 験 に つい ての 基 準 もあり ます。 ISO
2 0 4 7 1 高 視 認 性 衣 服 に 規 定 され ている 試 験 方 法 と基 準 値 は その ま ま J I S T 8 1 2 7 高 視 認 性 安 全
服 に も 取 り 入 れ ら れ てい ます が 国 内 事 情 に 合 わ せ た 形 で 加 えら れ た 試 験 も いく つ か あ り ます 。 蛍 光
測 色 の 積 分 球 方 式 も そ うです が 耐 光 試 験 も I S O は キ セ ノン 耐 光 の みでしたが J I S では カ ー ボ ン ア
ー ク 耐 光 も 有 効 に な っ て い ま す 。 国 際 標 準 に 合 わ せ たも の です が 国 内 標 準 に も 考 慮 し た 規 格 に な っ
ています 。
ニッセンケンの保 有 する各 種 試 験 設 備 。左 から CAD(素 材 の面 積 測 定 )、45/0°方 式 蛍 光
測 色 計 、15m 暗 室 と再 帰 性 反 射 性 能 測 定 機 、キセノン耐 光 試 験 機
カーボンアーク耐 光 、その他 規 定 されている試 験 にも対 応 い たします。
一般財団法人ニッセンケン品質評価センター 〒111-0051 東京都台東区蔵前 2-16-11 (本部) TEL: 03-3861-2341 FAX: 03-3861-4280 WEB: www.nissenken.or.jp
2015.10.30
JIS T 8127 高 視 認 性 安 全 服 の規 格 は作 業 従 事 者 の身 の安 全 を守 るためのもので従 来 は運 転 サイド
の人 が注 意 を払 いなさいよという考 え方 だったのが 作 業 者 の事 故 が減 らないことで作 業 者 も自 ら身 を
守 るようにしなさいということなのです。この規 格 ができたことで作 業 服 にとどまらず学 童 の通 学 服 や高 齢
者 の外 出 着
夜 のジョギングウェアなどにも取 り入 れられる検 討 も始 まっています。 JIS 規 格 ができたこと
で今 後 は高 視 認 性 安 全 服 の普 及 にも協 力 していきたいと考 えております。
おま け ・・ ・ JIS の 分 類 につい て
原 稿 の冒 頭 で JIS の分 類 に触 れたので 業 種 分 類 を掲 載 しておきます。
A
土 木 及 び建 築
M
鉱山
B
一般機械
P
パルプ及 び紙
C
電 子 機 器 及 び電 気 機 械
Q
管 理 システム
D
自動車
R
窯業
E
鉄道
S
日用品
F
船舶
T
医療安全用具
G
鉄鋼
W
航空
H
非鉄金属
X
情報処理
K
化学
Z
その他
L
繊維
こうやって書 き出 してみると一 覧 で見 る機 会 はあまりないような気 がします。参 考 にしてください 。
原 稿 担 当 :竹 中
直 (チョク)
JIS T 8127 ま た は 防 災 ・ 安 全 に 関 す る 試 験 等 の お 問 合 せ は こ ち ら
東京事業所 立石ラボ 防災・安全評価グループ
Tel. 03 -58 75 - 6055 Mail. [email protected]
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