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私を変えた友人 高川学園中学校 一年 浅木 菜々美(あさき ななみ
私を変えた友人 高川学園中学校 一年 浅木 菜々美(あさき ななみ) 買い物に行くと、時々障害を持った方を見かけることがあります。その時、周りに いる買い物客の中には、子供でも大人でも障害者の方もにらむようにして通り過ぎる 人がいることに気付きます。特に子供は、指を差してその人のことを悪く言っている ことがあります。 私はその光景を見ると、いつも不思議な気持ちになります。なぜなら、障害者の方 も誰もが持っている人権を持っているのだし、その人たちも一人の人間として何も変 わらないと思っているからです。 私がこのような考えを持つことになったのは、ある一人の同級生がきっかけでした。 その人とは、小学校一年生の時から、六年生までずっと一緒だった自閉症の男の子で す。出会った時はどうコミュニケーションを取ったら良いのかわからず、話しかけて もなかなか返事が返ってこなくて困ったことがありました。 「おはよう。」 と明るく声をかけても、ちらっと私の顔を見た後、何も言わずにどこかへ行ってしま った時は、とても悲しい気持ちになったことを覚えています。 けれども、相手の気持ちを理解したいと思い、相手の目を見て、少し間を空けてゆ っくりと話してみたり、いつか自分を受け入れてくれると信じて、毎日あいさつを続 けたりしているうちに、いつの間にか返事をしてくれるようになっていました。それ からは、私の名前を覚えてくれ、むこうから話かけてくれるようになりました。私を 受け入れ始めてくれたのかなと感じ、とてもうれしかったです。 その男の子とは、今では普通に話をすることができます。言葉が少なくても、なん だか言いたいことが伝わってくるような気がしています。コミュニケーションが取れ るように、がんばってよかったと思うのは、やはり話が出来たことで、相手の気持ち が分かったことです。その男の子とは、全校で縦割り班になる時に一緒の班になった り、六年生の時の修学旅行でも同じ班だったりしたので、私には任せられると信頼さ れているのかなと思うと、これもとてもうれしくなりました。 私は六年間その男の子と一緒に小学校生活を送ってきた中で、たくさんの事を学ぶ ことができました。特に、相手の気持ちを理解すること、ねばり強くがんばること、 この二つの大切さがわかったので、これからも続けていきたいです。 この男の子と出会えたことで、家族からも、人の気持ちが理解できるようになった ねと言われるようになりました。私も、自分自身がすごく成長出来たなと思っていま す。そして、毎日話をする中で、私だけでなく、男の子も少しずつ明るくなったよう な気がします。男の子と出会えたこと、一緒に色々な経験ができたことに感謝し、こ れからも人を見た目や最初の印象で決めつけずに、しっかりと向き合って人間関係を 築いていきたいと思います。