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公務員の労働基本権制約の代償措置を踏みにじる
埼玉県地方公務員共闘会議 組織団体 埼玉県職員組合 埼玉県教職員組合 埼玉県高等学校教職員組合 事務局 埼玉県職員組合 担当 秋葉一雄 県庁内線 7771 公務員の労働基本権制約の代償措置を踏みにじる 埼玉県人事委員会報告に対する声明 埼玉県人事委員会(県人事委)は、10月17日、知事及び県議会議長に対し実質的な公民較 差7.91%29,633円を無いものとして、「本年の職員及び民間給与がおおむね均衡しているこ とから月例給、特別給(ボーナス)とも改定を行わないこととする。」とした「職員の給与 等に関する報告(意見)」をおこないました。県職員・教職員の給与改善に関する県人事委 勧告は3年間おこなわれていません。 埼玉県地方公務員共闘会議(地公労:埼玉県職員組合、埼玉県教職員組合、埼玉県高等学 校教職員組合)は、県人事委に、特例減額については、「当局が県人事委勧告制度に基づか ない改定を地公労との交渉も打ち切って強行した状況」 「県職員や教職員の生活悪化の状況」 「交渉時に示された地方交付税の当局試算と実際の地方交付税との乖離の問題」などの不当 性を説明し、特例減額の即刻中止又は廃止を行うことを要請してきました。 また、再任用制度については、「今年度の定年退職者から年金支給が行われない期間が生 じるにも関わらず、再任用職員の収入を大幅に減少となる当局提案の内容」「年金受給者と 無年金者との勤務時間の問題」「それに伴う年収(年金含む)の問題」「職場運営上の問題」 など、国人事院勧告のように、先送りをせずに、4 月からの再任用者に対しての責任を果た すため、賃金水準等の勧告を行うことも要請してきました。 これらの要請にあたり、地公労は、県職員・教職員などの 12,234 筆の署名と切実な声を 要請行動などで明らかにしてきました。 しかし、県人事委は、特例減額の措置を、「地方公務員法に定める給与決定の諸原則とは 異なることから、誠に遺憾である。」としながらも、特例減額の中止又は廃止に言及しませ -1- んでした。また、無年金期間が生じる再任用者の給与水準や手当の見直しは、国人事院報告 を引用し、「本委員会でも国等の動向を注視しつつ、適正な調査を行い、見直しを検討して いく」とし、国同様に先送りを行いました。これら喫緊で切実な課題に対応しなかった県人 事委は、労働基本権制約の代償機関としての機能と役割を放棄したといわざるをえません。 県職員は、県民人口当たり職員数が都道府県として最少で業務に取組んでいます。また、 教職員は、長時間過密労働の中、ゆきとどいた教育ために努力をしています。しかし、最少 人員での業務や長時間過密労働は、県職員・教職員が健康と私生活の犠牲を前提にしており、 その犠牲は、限界に達しています。このため、早急な改善を要請しましたが、従来の方策を 示すのみで実効ある方策は示されませんでした。しかも、「適切な給与制度の確立」として 「昇給昇格制度」「勤務実績の給与への反映」「職務・職責に応じた給与の推進」「給与制 度の総合的見直し」などを掲げていますが、これらは、職場のチームワーク等の破壊を助長 するものです。 今年4月1日には、県職員で41名の欠員が発生しました。報告では、「人事管理に関する報 告(意見)」で「人材の確保」を掲げています。しかし、その内容は、民間初任給との較差 を解消するものではなく、受験者の確保や採用試験の内容を示すものであり、合格者の確保 を行うものではありません。しかも、特例減額や退職手当の大幅な切り下げなどが行われた 公務員給与の不安定な状況を作り、不安定雇用である臨時的任用教職員も増加させています。 このような中で、今回の報告は、人材確保のための方策としては、的外れで不十分な内容で す。 県職員の賃金は、県関連労働者はもとより、県内の中小零細企業で働く労働者の賃金水準 に大きな影響を与え、県内経済に与える影響は大きなものです。今回の報告は、国会で「全 ての国民が景気回復が実感できるようにしたい。労働者の賃金を引き上げたい。」という政 府の経済対策に負の効果を与えるものと言わざるをえません。 地公労は、当局に要求書を提出し、賃金確定交渉等において、特例減額の中止を含む賃金 改善、均等待遇原則に基づく非常勤職員等の賃金・労働条件の改善、福利厚生水準の引き上 げ、休暇制度改善、メンタル疾患対策強化などの要求を掲げ、県に働く職員の生活改善をは じめ、県下全ての労働者・県民の生活改善にむけ、全力あげ奮闘することを表明します。 2013年10月17日 埼玉県地方公務員共闘会議 議長 関原 正裕 (埼玉県職員組合、埼玉県教職員組合、埼玉県高等学校教職員組合) -2-