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浦河町人口ビジョン
浦河町人口ビジョン 平成28年2月 北 海 道 浦 河 町 目 次 Ⅰ 人口の現状分析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 1 人口動向分析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 (1)時系列による人口動向分析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 ① 年齢3区分別人口の推移と将来推計 ② 自然増減(出生・死亡)の推移 (ⅰ)出生数・死亡数の推移 (ⅱ)出生数・合計特殊出生率の推移 ③ 社会増減(転入・転出)の推移 ④ 年齢階級別の人口移動の状況 ⑤ 地域別の人口移動の状況 ⑥ 字別の人口の推移 ⑦ 振興局別の転出入の状況 (2)年齢階級別の人口移動分析 ① 性別・年齢階級別の人口移動の最近の状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・6 ② 20~39歳女性の移動の状況 ③ 有配偶者率の推移 (3)雇用や就労に関する分析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9 ① 各産業別就業者数の推移 ② 浦河管内有効求人倍率の推移 ③ 浦河町有効求人倍率の推移 ④ 浦河管内職業別有効求人倍率の推移 ⑤ 浦河町職業別有効求人倍率の推移 ⑥ 高校新卒者の求職・求人・就職状況 ⑦ 浦河高校新卒者の進学状況 2 将来人口の推計と分析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18 (1)将来人口推計・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18 ① 総人口推計 Ⅱ 将来の人口推計と人口減少による影響分析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19 1 将来人口に及ぼす自然増減・社会増減の影響度の分析・・・・・・・・・・・・・・・19 (1)総人口の分析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19 ①自然増減、社会増減の仮定を設定した場合のシミュレーション (2)人口構造の分析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20 (3)老年人口比率の長期推計・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21 2 人口の変化が地域の将来に与える影響の分析・考察・・・・・・・・・・・・・・・・22 (1)経済・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22 ①就業者数 ②消費 (2)医療・介護・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23 ①医療 ②介護 (3)財政・税・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25 ①歳入 ②歳出 ③個人町民税 Ⅲ 人口の将来展望 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27 1 目指すべき将来の方向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27 (1)現状の課題と整理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27 ①浦河町の現状 ②自然減と社会減の現状 ③人口減少が地域へ与える影響 (2)取り組みの基本方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28 (3)目指す姿とその実現に向けた取り組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28 ①地域の資源や特性を活かし、生き生きと働くことのできる就業の場の確保 ②結婚、出産の希望の実現と地域全体による子育て環境づくり ③将来にわたって暮らし続けることのできる生活環境の確保 2 人口の将来展望・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29 (1)町の人口の独自推計と長期的な見通し・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30 (2)町の高齢化率の独自推計と長期的な見通し・・・・・・・・・・・・・・・・・・31 Ⅰ 人口の現状分析 1 人口動向分析 総人口や年齢構成がどのように変化してきたか、その要因はどのようなものか等を分析しま す。 (1)時系列による人口動向分析 ① 年齢3区分別人口の推移と将来推計 人口のピーク 昭和35(1960)年 25 年齢3区分別人口の推移 推計値 推計値 20 ( 人 15 口 千 人 10 ) 老年人口が年少 高齢者人口が年 人口を上回る 少人口を上回る 5 0~14歳 総人口 15~64歳 2060年 2055年 2050年 2045年 2040年 2035年 2030年 2025年 2020年 2015年 2010年 2005年 2000年 1995年 1990年 1985年 1980年 1975年 1970年 1965年 1960年 1955年 0 65歳以上 出典:2010 年まで 国勢調査 :2010 年~2060 年 国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」に基づき浦河町 企画課地方創生推進室で推計 (単位:人) 2010 年 2020 年 2030 年 2040 年 2050 年 2060 年 (H22 年) (H32 年) (H42 年) (H52 年) (H62 年) (H72 年) 総人口 14,389 12,320 10,378 8,518 6,779 5,261 0~14 歳 (年少人口) 1,794 1,194 876 697 521 370 15~64 歳 (生産年齢人口) 8,979 7,179 5,744 4,345 3,345 2,561 65 歳以上 (老年人口) 3,616 3,947 3,758 3,476 2,913 2,330 浦河町では、戦後、1960(昭和 35)年に最も多い 21,915 人に達して以降、現在まで、人口減 少が続いています。 年齢3区分別の人口については、1970 年まで生産年齢人口(15~64 歳)の増加が続き、1970 年代後半から減少に転じています。 年少人口(15 歳未満)は、1950 年代まで増加を続けた後減少に転じ、1990 年代後半には、高 齢者人口を下回りました。 老年人口(65 歳以上)は、平均余命が延びたことから、一貫して増加を続けています。 1 ② 自然増減(出生・死亡)の推移 (ⅰ)出生数・死亡数の推移 350 300 250 ( 単 位 d 百 人 200 人 ) 150 出生 死亡 100 50 0 (出典:住民基本台帳) 自然増減については、出生率の低下や母親世代の人口減少により出生数が減少傾向にある中、 1996(平成 8)年に死亡数が出生数を初めて上回り「自然減」に転じました。 その後、一進一退を繰り返していましたが、2003(平成 15)年以降は、一貫して「自然減」に転じまし た。 (ⅱ)出生数・合計特殊出生率の推移 1.6 1.49 1.49 1.49 1.4 1.33 1.33 1.19 1.2 1.33 1.2 1 1.19 1.15 1.18 1.19 1.33 1.26 1.51 1.25 1.33 1.33 1.26 1.28 160 140 120 100 0.8 80 0.6 60 0.4 40 0.2 20 0 0 2004年 2005年 2006年 出生数(浦河町) 2007年 2008年 2009年 2010年 合計特殊出生率(浦河町) 2011年 2012年 2013年 合計特殊出生率(北海道) 本町の合計特殊出生率は全道平均より高く推移していますが、2012(平成 24)年時点で、日 高管内では最下位(7番目)となっています。 2 ③ 社会増減(転入・転出)の推移 2,000 1,800 1,600 1,400 1,200 ( 人 1,000 ) 転出 800 転入 600 400 200 0 (出典:住民基本台帳) 社会増減については、一貫して転出超過(=「社会減」 )の状況が続いています。 ④ 年齢階級別の人口移動の状況 (出典:住民基本台帳) 3 年齢階級別の人口移動の状況をみると、全ての世代で転出超過傾向にありますが、特に転出超 過数に占める割合は 20~24 歳が最も高く、若年層は転出超過が著しい傾向にあります。 近年は 15~19 歳の転出超過も増加しており、就職や大学等への進学のため、札幌を中心とし て町外に転出する者が多いことが主な理由であると考えられます。 ⑤ 地域別の人口移動の状況 (出典:住民基本台帳) 2010(平成 22)年以降では、転出超過の割合は石狩振興局管内、特に札幌市への割合が高 く、日高振興局管内では新ひだか町への割合が高くなっています。 4 ⑥ 字別の人口の推移 区分 堺町 緑町 向が丘 向別 上向別 築地 昌平町 潮見町 大通 常盤町 旭町 入船町 浜町 東町 絵笛 井寒台 小計 月寒 白泉 西幌別 東幌別 西舎 杵臼 上杵臼 小計 荻伏町 東栄 富里 姉茶 瑞穂 野深 小計 合計 1995 年 (H7 年) 4,504 271 406 152 313 283 249 519 721 386 268 147 121 2,741 366 433 11,880 134 218 769 117 356 220 259 2,073 1,597 537 83 218 107 691 3,233 17,186 (単位:人) 2000 年 (H12 年) 4,250 449 536 244 214 162 205 477 667 390 250 112 107 2,599 332 381 11,375 119 220 777 119 519 205 232 2,191 1,514 547 74 205 95 633 3,068 16,634 2005 年 (H17 年) 3,890 447 600 257 232 154 177 470 609 318 204 100 95 2,424 301 365 10,643 107 197 780 114 529 188 198 2,113 1,514 514 70 185 89 570 2,942 15,698 2010 年 (H22 年) 3,699 445 571 240 193 137 175 396 503 339 177 71 81 2,266 267 291 9,851 93 166 727 112 533 185 155 1,971 1,333 451 59 167 79 478 2,567 14,389 1995 年⇒2010 年 増減 ▲ 805 174 165 88 ▲ 120 ▲ 146 ▲ 74 ▲ 123 ▲ 218 ▲ 47 ▲ 91 ▲ 76 ▲ 40 ▲ 475 ▲ 99 ▲ 142 ▲ 2,029 ▲ 41 ▲ 52 ▲ 42 ▲ 5 177 ▲ 35 ▲ 104 ▲ 102 ▲ 264 ▲ 86 ▲ 24 ▲ 51 ▲ 28 ▲ 213 ▲ 666 ▲ 2,797 減少率 ▲ 17.9% 64.2% 40.6% 57.9% ▲ 38.3% ▲ 51.6% ▲ 29.7% ▲ 23.7% ▲ 30.2% ▲ 12.2% ▲ 34.0% ▲ 51.7% ▲ 33.1% ▲ 17.3% ▲ 27.0% ▲ 32.8% ▲ 17.1% ▲ 30.6% ▲ 23.9% ▲ 5.5% ▲ 4.3% 49.7% ▲ 15.9% ▲ 40.2% ▲ 4.9% ▲ 16.5% ▲ 16.0% ▲ 28.9% ▲ 23.4% ▲ 26.2% ▲ 30.8% ▲ 20.6% ▲ 16.3% (出典:国勢調査) 人口が集中している堺町、東町、荻伏町を始め多くの地区で人口減少が進んでいます。 緑町、向が丘等は他の地区と比較すると人口減少が横ばい若しくは緩やかに推移していま す。これは新興住宅地であるために町内移動が主な要因と考えられます。 農家が多い幌別等は、人口減少が他の地区と比較し人口減少が緩やかになっています。 西舎、杵臼等の町の西部地区は、他の人口減少地区と比較して、軽種馬育成調教センター のオープンに伴う育成調教牧場が増えたこともあり人口が増加していると考えられます。 井寒台、月寒等の漁村集落は、他の地区と比較して、人口減少が進んでいます。 5 ⑦ 振興局別の道内転出入の状況(平成 26(2014)年1~12 月) (出典:北海道総合政策部「住民基本台帳人口移動報告(H26.1~12)」) 2014(平成 26)年における振興局間の転出入状況では、札幌市を含む石狩振興局管内の みが転入超過で、他の全ての管内で転出超過となっており、札幌圏への人口集中が進んでい ます。 (2)年齢階級別の人口移動分析 ① 性別・年齢階級別の人口移動の最近の状況 (出典:国勢調査及び住民基本台帳) 6 (出典:国勢調査及び住民基本台帳) ほぼ全ての世代で社会減となっています。若い世代は進学及び就職により町外へ移動すること が大きな要因となっていると考えられます。 また、若い世代の女性の減少が著しくなっていますが、これは希望する職種等が少ないことか ら就職等のため札幌圏や道外へ移動することが大きな要因になっていると考えられます。 ② 20~39 歳女性の移動の状況 7 ③ 有配偶者率の推移 年齢 20~24歳 25~29歳 30~34歳 35~39歳 40~44歳 合計 2000年 有配偶 有配偶 総数 者数 者率 509 651 493 532 572 2,757 56 220 272 372 443 1,363 11.0% 33.8% 55.2% 69.9% 77.4% 49.4% 男性 2005年 有配偶 有配偶 総数 者数 者率 415 508 599 466 521 2,509 26 164 310 288 369 1,157 6.3% 32.3% 51.8% 61.8% 70.8% 46.1% 2010年 有配偶 有配偶 総数 者数 者率 2000年 有配偶 有配偶 総数 者数 者率 301 379 478 536 434 2,128 550 587 522 517 464 2,640 29 105 206 315 276 931 9.6% 27.7% 43.1% 58.8% 63.6% 43.8% 75 295 380 389 381 1,520 13.6% 50.3% 72.8% 75.2% 82.1% 57.6% 女性 2005年 有配偶 有配偶 総数 者数 者率 397 493 510 497 454 2,351 43 234 344 363 332 1,316 10.8% 47.5% 67.5% 73.0% 73.1% 56.0% 2010年 有配偶 有配偶 総数 者数 者率 358 318 400 454 452 1,982 (出典:国勢調査) ※有配偶者とは死別・離別による独身者を除いたもの 本町における婚姻の状況について、国勢調査における有配偶者の状況を見ると、2000 年と比 べ、2010 年では男女とも下がっています。 出産とのかかわりの大きい 20~44 歳の女性をみると、2000 年 57.6%が配偶者を持っていたの に比べ、2010 年では 53.2%と 4.4 ポイント低くなっています。 40 代になっても、男女ともに有配偶者率は高まらず、晩婚化、未婚化が進行している状況と なっています。 8 41 130 257 306 320 1,054 11.5% 40.9% 64.3% 67.4% 70.8% 53.2% (3)雇用や就労に関する分析 ① 各産業別就業者数の推移 (単位:人) 1990 年 (H2 年) 1995 年 (H7 年) 2000 年 (H12 年) 2005 年 (H17 年) 2010 年 (H22 年) 第1次産業 2,711 2,370 2,285 2,122 1,834 農業 1,763 1,620 1,630 1,561 1,367 95 87 66 43 34 853 663 589 518 433 1,775 2,032 1,586 1,256 921 10 5 3 3 4 建設業 1,225 1,535 1,132 884 648 製造業 540 492 451 369 269 第3次産業 4,799 4,966 5,151 5,025 4,353 卸売・小売業 1,486 1,438 1,383 1,194 905 金融・保険・不動産業 247 226 212 194 164 運輸・通信業 348 274 273 211 197 林業・狩猟業 漁業・水産養殖業 第2次産業 鉱業 電気・ガス・水道業 サービス業 公務 39 38 44 32 37 1,983 2,260 2,541 2,756 2,436 696 730 698 638 614 (出典:国勢調査) 1990(平成 2)年から 2010(平成 22)年の 20 年間の各産業の就業者数は、第1次産業では全 ての産業で減少しており、農業は 22.5%、林業で 64.3%、漁業で 49.3%の減となっており、第 1 次産業全体では 32.4%の減となっています。 第 2 次産業も全ての産業で減少しており、鉱業で 60%、建設業で 47.2%、製造業で約 50.2%の 減となっており、第 2 次産業全体では 48.2%の減となっています。 第 3 次産業は介護・福祉分野等の影響でサービス業で 22.8%増となっている他は減少してお り、第 3 次産業全体で 9.2%の減となっています。 産業全体では第 2 次産業の減少が一番大きくなっています。 9 10 ② 浦河管内有効求人倍率の推移 浦河管内 (単位:倍) 全道 全国 2011 年 4 月(H23 年 4 月) 0.50 0.40 0.52 2011 年 10 月(H23 年 10 月) 0.62 0.49 0.65 2012 年 4 月(H24 年 4 月) 0.52 0.49 0.66 2012 年 10 月(H24 年 10 月) 0.72 0.61 0.77 2013 年 4 月(H25 年 4 月) 0.72 0.61 0.74 2013 年 10 月(H25 年 10 月) 0.88 0.79 0.91 2014 年 4 月(H26 年 4 月) 0.89 0.76 0.90 2014 年 10 月(H26 年 10 月) 1.12 0.90 1.02 2015 年 4 月(H27 年 4 月) 0.99 0.85 0.98 (出典:ハローワーク浦河「一般職業紹介状況」) ※浦河管内とはハローワーク浦河所管の新冠町、新ひだか町、浦河町、様似町、えりも町 ③ 浦河町有効求人倍率の推移 (単位:倍) 浦河町 2011 年 4~ 6 月(H23 年 4~ 6 月) 0.68 2011 年 10~12 月(H23 年 10~12 月) 0.69 2012 年 4~ 6 月(H24 年 4~ 6 月) 0.58 2012 年 10~12 月(H24 年 10~12 月) 0.91 2013 年 4~ 6 月(H25 年 4~ 6 月) 0.79 2013 年 10~12 月(H25 年 10~12 月) 1.00 2014 年 4~ 6 月(H26 年 4~ 6 月) 0.93 2014 年 10~12 月(H26 年 10~12 月) 1.20 2015 年 4~ 6 月(H27 年 4~ 6 月) 1.13 (出典:ハローワーク浦河調べ) 11 ④ 浦河管内職業別有効求人倍率の推移 (単位:倍) 2011 年 (H23 年) 2012 年 (H24 年) 2013 年 (H25 年) 専門的・技術的職業 1.63 1.62 2.88 2.78 2.39 事務的職業 0.27 0.24 0.29 0.26 0.22 販売の職業 0.41 0.65 1.09 1.03 1.14 1.2 1.04 1.27 1.40 1.19 保安の職業 0.36 1.36 1.11 3.50 4.5 農林漁業の職業 1.89 3.27 2.69 3.80 3.66 生産工程の職業 - - 1.51 2.20 2.41 運輸・機械運転の職業 - - 0.69 0.81 0.78 建設・採掘の職業 - - 0.21 0.81 0.87 運搬・清掃・包装等の職業 - - 0.27 0.27 0.36 サービスの職業 (出典:ハローワーク浦河「一般職業紹介状況」) 12 2014 年 (H26 年) 2015 年 (H27 年) ⑤ 浦河町職業別有効求人倍率の推移 (単位:倍) 2014 年 10~12 月 (H26 年 10~12 月) 2015 年 1~3 月 (H27 年 1~3 月) 2015 年 4~6 月 (H27 年 4~6 月) 専門的・技術的職業 4.26 2.96 2.04 事務的職業 0.27 0.35 0.23 販売の職業 1.03 0.97 1.59 サービスの職業 1.49 1.58 1.16 保安の職業 3.50 3.40 2.33 農林漁業の職業 5.29 3.60 5.66 生産工程の職業 0.43 0.73 1.24 運輸・機械運転の職業 0.83 0.85 0.58 建設・採掘の職業 0.95 0.38 0.81 運搬・清掃・包装等の職業 0.54 0.56 0.85 (出典:ハローワーク浦河「一般職業紹介状況」) 13 農林漁業、保安の職業、生産工程の職業や専門的・技術的職業の有効求人倍率が高く、事務的 職業や運搬・清掃・包装等の職業が有効求人倍率が低くなっており、これらの職業は求人と求職 のニーズが一致しない、いわゆる「雇用のミスマッチ」が生じています。 14 ⑥ 高校新卒者の求職・求人・就職状況 (単位 就職内定率:%、求人倍率:倍) 2011 年 (H23 年) 2012 年 (H24 年) 2013 年 (H25 年) 2014 年 (H26 年) 2015 年 (H27 年) 就職内定率 98.6 100 100 99.7 100 求人倍率 1.33 0.87 1.38 1.37 1.48 1.7 1.37 1.7 1.7 2.18 管内求人倍率 (出典:ハローワーク浦河「一般職業紹介状況」) ※ ・「管内」とはハローワーク浦河所管の新冠町、新ひだか町、浦河町、様似町、えりも町 ・「就職内定率」は道外、道内、管内の就職希望者数に対する就職内定率 ・「求人倍率」は道外、道内、管内の求人数に対する求人倍率 ・「管内求人倍率」は管内の求人数に対する求人倍率 浦河管内の高校新卒者の就職内定率は 2012 年以降ほぼ 100%で推移しています。 求人倍率及び管内求人倍率ともに上昇傾向にあります。 なお、浦河高校新卒者の進学状況はP16~P17 に掲載しています。 15 ⑦ 浦河高校新卒者の進学状況 区分 種別 分野 文化・地理・歴史 法律・政治・経済 社会・マスコミ 国際・語学 芸術・文学・表現 家政・生活 卒業年月 H23 年 3 月 歴史学 文化人類学 日本文化学 法学 経済学 経営学 商学 社会学 情報学 コミュニケーション学 1 1 メディア学 2 1 2 2 スポーツ・健康・ 医療 生物 地球・環境・エネ ルギー 工学・建築・技術 1 1 1 H25 年 3 月 H26 年 3 月 H27 年 3 月 1 2 3 1 1 1 1 2 3 1 3 1 1 1 2 1 国際関係学 国際文化学 語学 美術 デザイン 栄養・食物学 心理学 1 1 1 2 1 1 1 2 3 1 健康科学 薬学 看護学 リハビリテーション学 医療技術学 生物学 バイオ・生命科学 森林科学・水産 獣医・畜産学 1 1 2 2 2 環境科学 1 航空・船舶・自動車工学 情報工学 通信工学 電気工学 電子工学 建築学 環境工学 1 2 2 1 1 1 1 1 1 2 人間・心理・教育・ 教育学 福祉 保育・児童学 福祉学 スポーツ学 大学 H24 年 3 月 1 2 4 1 1 2 3 1 2 1 2 1 1 4 1 1 3 2 2 1 1 2 1 1 2 1 1 2 1 2 応用化学 2 1 1 1 1 1 経営工学 1 2 1 1 1 1 医用工学 1 その他不明 1 30 計 16 1 22 34 1 26 29 区分 種別 卒業年月 分野 社会・マスコミ 看護 学校 H25 年 3 月 1 人間・心理・教育・ 教育学 福祉 保育・児童学 工学・建築・技術 航空・船舶・自動車工学 計 浦河赤十字看護専門学校 その他看護専門学校 1 6 1 9 3 2 計 情報・マルチメディア 航空・自動車 金属加工 建築・環境土木 第一次産業分野 医療分野 衛生分野 教育・社会福祉 分野 5 4 3 1 1 科学 電気・電子工学 生産技術 その他・不明 漁業 動物管理・看護 1 服飾・家政分野 歯科衛生・技工 理学・作業療法 言語・視覚・聴覚 救急救命 はり・きゅう・柔道整復 臨床工学 補装具 製菓・調理 1 2 1 1 7 美容・理容 介護 保育・幼児教育 ビジネス 3 5 1 2 1 1 3 3 6 1 1 2 3 2 5 4 2 1 7 3 3 1 6 4 6 1 1 10 3 3 2 1 1 1 1 1 1 2 1 1 ゲーム・漫画・イラストレ ーション 文化・教養分野 H27 年 3 月 1 1 2 会計・税理 観光・ホテル ブライダルプランナー 医療事務 その他・不明 ファッションデザイン デザイン・インテリア 音楽・ダンス 商業実務分野 H26 年 3 月 1 2 栄養・食物学 工業分野 専門 学校 H24 年 3 月 社会学 語学 国際・語学 家政・生活 短大 H23 年 3 月 公務員 社会教育 トリマー (出典:浦河高校調べ) 17 4 4 2 2 2 7 2 1 4 1 2 1 5 4 6 5 1 1 3 2 5 6 1 4 1 2 2 1 4 1 1 1 4 2 2 2 2 2 3 1 1 1 4 1 9 1 1 2 1 2 1 4 1 3 4 1 2 40 57 36 41 1 40 計 2 2 1 2 1 1 2 将来人口の推計と分析 様々な仮定の下で将来人口推計を行って比較することで、人口に関する今後の課題を分析し ます。 (1)将来人口推計 社人研準拠推計:人口の純移動率が、今後一定程度縮小すると仮定した推計であり、国立社 会保障・人口問題研究所(社人研)による 2040(平成 52)年までの推計 を延長したもの 日本創成会議 :社人研の推計による 2010(平成 22)年~2015(平成 27)年の純移動率が 準拠推計 縮小しないことを基本とした、民間機関である日本創成会議による 2040 (平成 52)年までの推計 ■社人研準拠推計及び日本創成会議準拠推計に用いた出生率、社会増減数(人) ~2010 ~2015 ~2020 ~2025 ~2030 ~2035 ~2040 ~2045 ~2050 ~2055 ~2060 1.33 1.30 1.27 1.25 1.25 1.25 1.25 1.25 1.25 1.25 1.25 社人研 -1,057 -689 -421 -377 -349 -321 -280 -243 -209 -189 -166 創生会議 -1,057 -689 -641 -636 -607 -580 -525 出生率 社 会 増 減 数 ※出生率については小数点第3位以下を四捨五入した概数 ① 総人口推計 社人研準拠推計によると、2040(平成 52)年の人口は 8,500 人、2060(平成 72)年の人口は 約 5,200 人にまで減少すると見込まれます。 また、日本創成会議準拠推計では、2040(平成 52)年の人口は約 7,200 人と見込まれます。 18 Ⅱ 将来の人口推計と人口減少による影響分析 1 将来人口に及ぼす自然増減・社会増減の影響度の分析 (1) 総人口の分析 ①自然増減、社会増減の仮定を設定した場合のシミュレーション ○ 社会増減の仮定は社人研準拠推計とします。 シミュレーション1 合計特殊出生率が 2020(平成 32)年までに 1.5、2025(平成 37)年までに 1.8、2030(平成 42)年までに 2.07(人口置換水準(人口を長期的に一定 に保てる水準)まで上昇した場合のシミュレーション シミュレーション2 シミュレーション1と同様の合計特殊出生率の仮定で人口移動がゼロの場 合のシミュレーション シミュレーション3 合計特殊出生率が 2020(平成 32)年までに 1.5、2025(平成 37)年までに 1.6、2030(平成 42)年までに 1.8 まで上昇した場合のシミュレーション シミュレーション4 シミュレーション3と同様の合計特殊出生率の仮定で人口移動がゼロの 場合のシミュレーション ※ 参考 「人口置換水準」は、人口規模が長期的に維持される合計特殊出生率の水準で、2.07 とされていま す。 また、合計特殊出生率 1.8 は、若い世代の結婚・子育ての希望が実現した場合の国民希望出生率です。 なお、国が「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」において示した「2060 年に総人口1億人程度」と の見込みは、シミュレーション1の仮定に基づくものです。 19 各シミュレーションの 2060 年の総人口と社人研準拠推計を比較すると、シミュレーショ ン1では、約 6,400 人と推計され、約 1,130 人多くなります。 シミュレーション2では、約 10,300 人と推計され、約 5,040 人多くなります。 シミュレーション3では、約 6,000 人と推計され、約 750 人多くなります。 シミュレーション4では、約 9,600 人と推計され、約 4,350 人多くなります。 浦河町は自然増減よりも社会増減が総人口に与える影響が大きいと言えます。 (2) 人口構造の分析 2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年 2045年 2050年 2055年 2060年 (H22年) (H27年) (H32年) (H37年) (H42年) (H47年) (H52年) (H57年) (H62年) (H67年) (H72年) 総計 社人研 準拠 推計 10,382 9,441 8,516 7,616 6,779 5,992 5,261 1,446 1,193 1,027 876 777 697 615 521 436 370 12.5% 10.9% 9.7% 9.0% 8.4% 8.2% 8.2% 8.1% 7.7% 7.3% 7.0% 生産年齢人口 8,979 8,012 7,177 6,442 5,746 5,070 4,344 3,759 3,345 2,972 2,561 (15~64歳) 62.4% 60.4% 58.3% 56.8% 55.4% 53.7% 51.0% 49.3% 49.3% 49.6% 48.7% 老年人口 3,616 3,808 3,948 3,878 3,760 3,594 3,474 3,243 2,913 2,583 2,330 (65歳以上) 25.1% 28.7% 32.0% 34.2% 36.2% 38.1% 40.8% 42.6% 43.0% 43.1% 44.3% 6,391 14,389 13,276 12,392 11,551 10,753 9,960 9,174 8,405 7,688 7,011 年少人口 1,794 1,456 1,267 1,231 1,239 1,236 1,184 1,088 983 890 823 (0~14歳) 12.5% 11.0% 10.2% 10.6% 11.5% 12.4% 12.9% 12.9% 12.8% 12.7% 12.9% 生産年齢人口 8,979 8,012 7,177 6,442 5,754 5,130 4,516 4,075 3,791 3,538 3,238 (15~64歳) 62.4% 60.3% 57.9% 55.8% 53.5% 51.5% 49.2% 48.5% 49.3% 50.5% 50.6% 老年人口 3,616 3,808 3,948 3,878 3,760 3,594 3,474 3,243 2,913 2,583 2,330 (65歳以上) 25.1% 28.7% 31.9% 33.6% 35.0% 36.1% 37.9% 38.6% 37.9% 36.8% 36.5% 14,389 14,000 13,569 13,159 12,791 12,403 11,970 11,506 11,070 10,667 10,306 年少人口 1,794 1,613 1,500 1,535 1,644 1,743 1,762 1,703 1,628 1,568 1,541 (0~14歳) 12.5% 11.5% 11.0% 11.7% 12.9% 14.1% 14.7% 14.8% 14.7% 14.7% 15.0% 生産年齢人口 8,979 8,461 7,866 7,381 6,939 6,542 6,116 5,855 5,755 5,664 5,514 (15~64歳) 62.4% 60.4% 58.0% 56.1% 54.2% 52.7% 51.1% 50.9% 52.0% 53.1% 53.5% 老年人口 3,616 3,926 4,203 4,243 4,209 4,118 4,091 3,949 3,687 3,435 3,250 (65歳以上) 25.1% 28.1% 31.0% 32.2% 32.9% 33.2% 34.2% 34.3% 33.3% 32.2% 31.5% 6,014 14,389 13,276 12,392 11,501 10,647 9,806 8,973 8,158 7,396 6,678 年少人口 1,794 1,456 1,267 1,181 1,133 1,082 1,024 930 824 729 658 (0~14歳) 12.5% 11.0% 10.2% 10.3% 10.7% 11.0% 11.4% 11.4% 11.1% 10.9% 10.9% 生産年齢人口 8,979 8,012 7,177 6,442 5,754 5,130 4,475 3,985 3,659 3,365 3,026 (15~64歳) 62.4% 60.3% 57.9% 56.0% 54.0% 52.3% 49.9% 48.9% 49.5% 50.4% 50.3% 老年人口 3,616 3,808 3,948 3,878 3,760 3,594 3,474 3,243 2,913 2,583 2,330 (65歳以上) 25.1% 28.7% 31.9% 33.7% 35.3% 36.7% 38.7% 39.7% 39.4% 38.7% 38.8% 14,389 14,000 13,569 13,098 12,652 12,187 11,671 11,120 10,591 10,088 9,615 年少人口 1,794 1,613 1,500 1,474 1,505 1,527 1,525 1,456 1,365 1,286 1,234 (0~14歳) 12.5% 11.5% 11.0% 11.2% 11.9% 12.5% 13.1% 13.1% 12.9% 12.7% 12.8% 生産年齢人口 8,979 8,461 7,866 7,381 6,939 6,542 6,055 5,715 5,538 5,367 5,130 (15~64歳) 62.4% 60.4% 58.0% 56.4% 54.8% 53.7% 51.9% 51.4% 52.3% 53.2% 53.4% 老年人口 3,616 3,926 4,203 4,243 4,209 4,118 4,091 3,949 3,687 3,435 3,250 (65歳以上) 25.1% 28.1% 31.0% 32.4% 33.3% 33.8% 35.0% 35.5% 34.8% 34.1% 33.8% 総計 シミュ レーショ ン4 11,347 1,794 総計 シミュ レーショ ン3 12,318 年少人口 総計 シミュ レーショ ン2 13,267 (0~14歳) 総計 シミュ レーショ ン1 14,389 出典:2010 年 国勢調査 :2010 年~2060 年 各シミュレーションは浦河町企画課地方創生推進室で独自に推計 20 年齢3区分ごとにみると、 「年少人口」及び「生産年齢人口」の減少率はシミュレーショ ン2、シミュレーション1、シミュレーション4、シミュレーション3の順に小さくなって いますが、シミュレーション2とシミュレーション4との間及びシミュレーション1とシミ ュレーション3との間でそれほど大きな差はみられません。 「老年人口」はシミュレーション2とシミュレーション4及びシミュレーション1とシミ ュレーション3が同数になっています。 (3) 老年人口率の変化(長期推計) 出典:2010 年 国勢調査 :2010 年~2060 年 各シミュレーションは浦河町企画課地方創生推進室で独自に推計 社人研準拠推計では 2060 年まで老年人口比率は上昇を続けます。 シミュレーション1は 2045 年の 38.6%でピークになって、その後低下します。 シミュレーション2は 2045 年の 34.3%でピークになって、その後低下します。 シミュレーション3は 2045 年の 39.7%でピークになって、その後低下します。 シミュレーション4は 2045 年の 35.5%でピークになって、その後低下します。 各シミュレーションでは人口構造の高齢化抑制の効果が現れ始めて、その後低下するこ とになります。 21 2 人口の変化が地域の将来に与える影響の分析・考察 (1)経済 ①就業者数 全産業就業者数の将来推計 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 100% 100% 93% 91% 86% 79% 83% 73% 75% 67% 2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 66% 59% 2035年 総人口 60% 53% 52% 2040年 45% 2045年 47% 40% 2050年 42% 35% 2055年 37% 30% 2060年 全産業就業者数 出典:2010 年 国勢調査を基に浦河町企画課地方創生推進室で独自に推計 :2010 年~2060 年の人口:国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」に基づき浦河町企画課地方 創生推進室で推計 ※就業者の算出方法、算出条件 2010 年の就業者数=総務省「国勢調査」 2010 年以降の就業者数=2010 年以降の人口×就業者割合 就業者数は【5 歳階級別/男女別人口】と【5 歳階級別/男女別の就業者の割合】より算出 就業者割合(就業者数÷人口)は 2010 年以降においても 2010 年と同じであると仮定 浦河町における将来の全産業就業者数は、就業者割合が変化しないと仮定すると、生産年齢人 口の減少に加え、高齢化の進展による非就業者の増加により、2040 年時点で 2010 年の 52%、 2060 年時点で同 30%となります。 就業者数の減少による人手不足や後継者不足は、第1次産業における耕作放棄地や放置される 森林の増加、漁業生産力の減少、第2次産業における事業所の廃業等を誘発し、浦河町の強みで ある農林水産物の供給力や生産力等の地域活力の低下を招くことが懸念されます。 22 ② 消費 (出典:家計調査を基に浦河町企画課地方創生推進室で独自に推計) ※総消費金額の算出方法、算出条件 一人当たり年間消費額:2014 年家計調査の北海道の消費支出より算出 2010 年の人口:国勢調査 2010 年~2060 年の人口:国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」に基づき浦河町企画課地方創生推 進室で推計 総消費金額=2010 年一人当たりの年間消費額×人口 人口に一人当たりの年間消費額をかけて算出した総消費金額は、総人口と同様に減少傾向が見 込まれます。 消費金額の減少は小売店舗の撤退を誘発することが懸念されます。 このような買い物環境の悪化は高齢者をはじめとする交通弱者の日常生活の利便性を低下さ せ、結果として、地域からの人口流出を招く要因となることが予想されます。 (2)医療・介護 ① 医療 23 (出典:浦河町保険医療課調べ) ※国民健康保険額の算出方法、算出条件 国民健康保険:療養給付費、療養費、高額療養費の給付費の計 2010 年の人口:国勢調査 2010 年~2060 年の人口:国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」に基づき浦河町企画課地方創生推 進室で推計 国民健康保険額=2010 年国民健康保険額/2010 年の 3 区分別人口割合×当該年度の 3 区分別人口 国民健康保険の総額は総人口の減少に伴い減少し、年齢3区分別の人口割合は年少人口及び生 産年齢人口は減少しますが、老年人口は増加します。 こうした傾向により医療施設の撤退や通院時間の増加等、医療環境の悪化が懸念されます。 また、高齢化の進行により若年層や現役世代の負担が増大することが懸念されます。 ②介護 (出典:浦河町保険医療課調べ) ※要支援・要介護総額の算出方法、算出条件 介護費:介護給付費の計 2010 年の人口:国勢調査 2010 年~2060 年の人口:国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」に基づき浦河町企画課地方創生推 進室で推計 認定者の割合:2015 年の介護認定者の実人数の割合 認定者=当該年度の 65 歳以上の人口/2015 年の 65 歳以上の人口×2015 年の介護認定者(実数) 給付費=当該年認定者/2015 年認定者×2015 年給付費 人口 1 人当たりの負担額=給付費/40~64 歳の人口 24 要支援・要介護に係る給付費の総額は介護区分及び一人当たりの介護給付費が変わらないと仮 定すると 2020 年の 11 億 15 百万円をピークに減少することが見込まれますが、人口 1 人当たり の負担額は 2010 年の 184 千円に対し、2040 年では 367 千円、2060 年では 406 千円まで増加しま す。 国民健康保険負担と同様に高齢化の進行により、若年層や現役世代の介護に要する負担が増大 することが懸念されます。 (3)財政・税 ① 歳入 (出典:浦河町総務課調べ) 一般会計の歳入は 1995(平成 7)年度の 146 億円をピークに減少傾向で、平成 2013(平成 25 年度は 92 億円強となっています。 今後は、生産年齢人口の減少に伴いさらに税収の減少が見込まれます。 ② 歳出 (出典:浦河町総務課調べ) 25 歳出は、1995(平成 7)年度の 142 億円をピークに、ここ数年は 85 億円から 90 億円程 度となっています。 経常経費は増加傾向となっており、その中でも扶助費(社会保障費)は増加しており、 今後も高齢化の進行に伴ってさらに増加することが見込まれます。 ③ 個人町民税 (出典:浦河町税務課調べ) ※個人町民税の算出方法、算出条件 2010 年の人口:国勢調査 2010 年~2060 年の人口:国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」に基づき浦河町企画課地方創生推 進室で推計 個人住民税=当該年度の生産年齢人口/2010 年の生産年齢人口×2010 年個人住民税 個人町民税の推計結果としては、2060(平成 72)年で 1 億 6 千 9 百万と 2010(平成 22) 年に比べて生産年齢人口の減少に伴い約 7 割の減少が見込まれます。 町財政はさらに逼迫し、町民に対する行政サービスの低下を招くことが懸念されます。 26 Ⅲ 人口の将来展望 人口の現状分析と課題を整理し、人口に関して目指すべき将来の方向性を提示するとともに、 将来の人口等を展望します。 1 目指すべき将来の方向 (1)現状と課題の整理 ①浦河町の現状 本町は、自然減と社会減によって、1960(昭和 35)年から人口減少が続いており、2010(平 成 22)年の人口は、ピーク時より約 7,500 人少ない 14,389 人となっています。 人口減少は3つのプロセスを経て進行し、第1段階が老年人口は増加するが、生産年齢・年 少人口は減少する時期、第2段階が老年人口は維持から微減へ転じ、生産年齢・年少人口の減 少が続く時期、第3段階は、老年人口が減少し、生産年齢・年少人口の減少がさらに加速する 時期となります。 本町は、現在は第1段階の後半であり、2020(平成 32)年頃からは第2段階へ入っていくも のと推計されています。 ②自然減と社会減の現状 人口の推移に影響を与える要因として、出生・死亡による自然増減と転出と転入による社会 増減があります。 本町の自然増減は、2003(平成 15)年から一貫して死亡数が出生数を上回る自然減に転じて おり、その差は年々大きくなっています。 また、近年の合計特殊出生率は、北海道平均は上回っていますが全国平均を下回る 1.33 程度 であり、少子化が進む状況となっています。 社会増減は、1965(昭和 40)年以前から転出超過(人口流出)が続いていますが、特に若年 層の転出超過(人口流出)が著しく、主な転出(流出)先は札幌市を中心とした石狩管内とな っています。 このことから、本町の人口減少には若年層の社会減が大きく影響しており、国の地域経済分 析システム(RESAS)でも、将来の自然増減と社会増減の影響度は5段階評価で自然増減 が3、社会増減が5となっています。 ③人口減少が地域へ与える影響 国立社会保障人口問題研究所(社人研)の将来人口推計では、2010 年と 2040(平成 52)年と の比較で 40.8%(▲5,871 人)の減少とされており、20 歳から 40 歳の人口は 56.0%(▲1,807 人)となっており、人口減少の進行に若い世代、子育て世代の流出が加わることで、さらに人 口減少が加速することが見込まれます。 このことにより、就業者数の著しい現象による生産・消費の減少や、高齢者人口比率の上昇 による医療費・介護費負担の増大などにより、町民生活の様々な分野に大きな影響を及ぼすこ とが懸念されます。 27 (2)取り組みの基本方針 現状と課題を踏まえて、人口減少に歯止めをかけるためには町民のみなさんと一体となって 的確かつ実効性のある施策を展開する必要があり、次の2つの基本方針を共有して取り組むこ とが重要になると考えます。 基本方針1 人口減少問題に関する基本的状況を正確かつ冷静に認識し共有する。 人口減少問題については、将来分析を踏まえずに希望的な将来人口の見通しで対応すること は危険であり、まちづくりの方向性を見誤ります。 現在の状況や情報を正確かつ冷静に認識し、町民をはじめ、企業、各種団体等が基本認識を 共有し、それぞれが役割を発揮しながら、人口減少対策に一体的に取り組むことが欠かせませ ん。 基本方針2 これまでの取り組みを見つめ直し、長期的展望に立った対策を総合的に構築する。 人口減少対策は現状の人口構造を変えて行くことであることから、施策の効果が現れるまで には長い期間が必要となります。 このため、即効性のみに捉われることなく、長期的展望に立った対策の展開が必要であり、 各分野・産業における対策を単独で考えるのではなく、各分野・産業間の連動や連携といった 横のつながりを取ることによって事業効果を上げる施策を構築することが重要です。 また、各分野や多くの課題を網羅する形で施策を総花的に実施するのではなく、人口減少対 策として最も有効と判断する分野・課題に対して施策を集中させる必要があると考えます。 (3)目指す姿とその実現に向けた取り組み 人口減少の流れを食い止めるための基本的な方策は、若い世代が町に魅力を感じ、この町に 住み続けたい、住みたいと思えるように、町の魅力と可能性を伸ばし、本町での生活を選択で きるような雇用や生活環境、子育て環境をつくることだと考えます。 このため、以下の3つの取り組みを一体的に進め、 「個性豊かで持続可能な地域社会」の実現 を目指します。 ①地域の資源や特性を活かし、生き生きと働くことのできる就業の場の確保 本町の人口減少の大きな要因は若い世代の流出にあり、このままでは流出は止まらず、将来 のまちづくりに大きな支障がでることは明らかです。 このため、豊かな自然を背景とした農林水産業のまちとして保有する資源や特性を最大限に 活かすとともに、第一次産業の更なる振興によって関連産業の発展も併せて促すことにより、 地元での仕事・雇用の創出に取り組むことが重要であると考えます。 ②結婚、出産の希望の実現と地域全体による子育て環境づくり 多様な生活スタイルと考え方があることから、画一的に結婚・出産を促すものではありませ んが、結婚・出産による人口の自然増はまちづくりにとって大切な要素となります。 このまちに住み続け、結婚をして子どもを産み育てたいという希望をかなえるために必要な 28 環境整備と支援が必要となりますが、本年度実施した浦河町地方創生総合戦略策定のための住 民アンケートによると、未婚の 18 歳から 49 歳の世代の男性の約7割、女性の約5割が結婚し たい希望を持っていますが、一方で未婚・既婚者を含めても出産計画ありは約3割強に留まっ ているという現状があります。 こうした状況を踏まえ、行政だけでなく、企業と地域や家庭の理解と協力による効果的な取 り組みを進めていくことが重要であると考えます。 ③将来にわたって暮らし続けることのできる生活環境の確保 住み続けたいと思えるまちであるためには、若い世代はもちろんのこと、高齢者の方々も将 来にわたって安心して暮らしていける環境づくりが欠かせません。 そのため、必要な生活基盤の維持や整備と、町民が心身ともに健やかに暮らせる環境や町民 自らが主体となってまちづくりに取り組むことができる環境をつくることが重要であると考え ます。 2 人口の将来展望 国の長期ビジョンで設定されている合計特殊出生率、2020(平成 32)年に 1.6 程度、2030(平 成 42)年に 1.8 程度、2040(平成 52)年に 2.07(人口置換水準)という仮定値と、北海道人口ビ ジョンにおける合計特殊出生率の将来推計等を勘案し、本町の目指すべき将来の方向性を踏まえ て次の考え方により浦河町の将来人口推計を展望します。 ①合計特殊出生率 本町と全国、北海道の合計特殊出生率を比較すると、2010 年以降の平均で全国より 0.1 ポイン ト程度低く、北海道より 0.1 ポイント程度高くなっています。 今後、産業振興等の施策展開による若い世代の雇用・定住と子育て支援策をさらに進めていく ことから、2013(平成 25)年現在の 1.33 から、2020 年に 1.40 程度、2040 年に 1.90 程度、2060 (平成 72)年に 2.07 程度まで上昇させることを目指します。 ②純移動率 本町の人口減少の大きな要因は、生産年齢人口の転出超過(人口流出)となっていることから、 転出者の抑制と転出者が町に戻ってくることができるよう、仕事や雇用の場づくりを進めなけれ ば人口減少に歯止めをかけることはできません。 このため、基幹産業である第一次産業の振興を図り、それによって関連産業の発展にも波及効 果をもたらすことで、町内に仕事・雇用を作りだして行きます。 併せて、安心して結婚し子どもを産み育てていける環境整備を進めることで、転出者の抑制と Uターンをはじめとする町内への就職・起業、新規就農・新規就漁等による転出超過(人口流出) の抑制を目指します。 また、従来から取り組んでいる移住施策をさらに進め、社人研で推計されている転出超過(人 口流出)の状況を、2025(平成 37)年で 0.5 倍縮小し、2030(平成 42)年から 0 にすることを目 指します。 29 (1)町の人口の独自推計と長期的な見通し 社人研の推計では、本町の人口は 2010 年で 14,389 人が、2040 年で 8,516 人、2060 年で 5,261 人にまで減少すると推計されています。 しかし、町の独自推計では、町の施策による効果が現れ、合計特殊出生率と純移動率が目標 とする設定数値に改善されることで、2040 年で 10,162 人、2060 年で 8,282 人と、社人研推計 と比較して、2040 年で 1,646 人、2060 年で 3,021 人の施策効果を見込みます。 〈社人研準拠推計〉 〈浦河町の目標値〉 2040 年 8,516 人 2040 年 10,162 人 2060 年 5,261 人 2060 年 8,282 人 2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年 2045年 2050年 2055年 2060年 (H22年) (H27年) (H32年) (H37年) (H42年) (H47年) (H52年) (H57年) (H62年) (H67年) (H72年) 総計 社人研 準拠 推計 14,389 13,267 12,318 11,347 10,382 9,441 8,516 7,616 6,779 5,992 5,261 年少人口 1,794 1,446 1,193 1,027 876 777 697 615 521 436 370 (0~14歳) 12.5% 10.9% 9.7% 9.0% 8.4% 8.2% 8.2% 8.1% 7.7% 7.3% 7.0% 生産年齢人口 8,979 8,012 7,177 6,442 5,746 5,070 4,344 3,759 3,345 2,972 2,561 (15~64歳) 62.4% 60.4% 58.3% 56.8% 55.4% 53.7% 51.0% 49.3% 49.3% 49.6% 48.7% 老年人口 3,616 3,808 3,948 3,878 3,760 3,594 3,474 3,243 2,913 2,583 2,330 (65歳以上) 25.1% 28.7% 32.0% 34.2% 36.2% 38.1% 40.8% 42.6% 43.0% 43.1% 44.3% 総計 浦河町の 目標値 14,389 13,276 12,363 11,650 11,135 10,654 10,162 9,659 9,166 8,705 8,282 年少人口 1,794 1,456 1,238 1,172 1,159 1,204 1,252 1,283 1,235 1,180 1,143 (0~14歳) 12.5% 11.0% 10.0% 10.1% 10.4% 11.3% 12.3% 13.3% 13.5% 13.5% 13.8% 生産年齢人口 8,979 8,012 7,177 6,559 6,074 5,614 5,108 4,744 4,590 4,479 4,293 (15~64歳) 62.4% 60.3% 58.0% 56.3% 54.6% 52.7% 50.3% 49.1% 50.1% 51.5% 51.8% 老年人口 3,616 3,808 3,948 3,919 3,901 3,836 3,802 3,632 3,341 3,046 2,846 (65歳以上) 25.1% 28.7% 32.0% 33.6% 35.0% 36.0% 37.4% 37.6% 36.4% 35.0% 34.4% 出典:2010 年 国勢調査 2010 年~2060 年 浦河町企画課地方創生推進室で独自に推計 30 (2)町の高齢化率の独自推計と長期的な見通し 社人研の推計では、本町の高齢化率(総人口占める 65 歳以上人口比率)は 2010 年で 25.1% 2040 年で 40.8%、2060 年で 44.3%にまで上昇すると推計されています。 しかし、町の独自推計では、町の施策による効果が現れ、合計特殊出生率と純移動率が目標 とする設定数値に改善されることで、2040 年で 37.4%、2060 年で 34.4%と、社人研推計と比 較して、2040 年で 3.4 ポイント、2060 年で 9.9 ポイントの施策効果を見込んでいます。 出典:2010 年 国勢調査 2010 年~2060 年 浦河町企画課地方創生推進室で独自に推計 31 浦河町人口ビジョン 平成 28 年 2 月 北海道浦河町企画課地方創生推進室 〒057-8511 北海道浦河郡浦河町築地1丁目3番1号 電話:0146-26—9012 FAX:0146-22-1240 E-mail:[email protected]