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成田 良一
教員の自己点検・自己評価報告書 所属学部 所属学科 人間学部 地域ビジネス学科 職 位 氏 教授 最終学歴 成田良一 学 東京大学大学院 理学系研究科 相関理化学専攻 博士課程 単位取得満期退学 名 位 理学修士 専門分野 数学、コンピュータ科学 Ⅰ 教育活動 ○目標・計画 (目標)学生の授業内容の理解度を上げる。 (計画)講義形式の授業にアクティブ・ラーニングの要素を取り込む。 ○担当科目(前期・後期) (前期)入門コンピュータ、数理の世界 (後期)基礎コンピュータ、インターネット社会論 ○教育方法の実践 「数理の世界」では、構成を一部見直し、理解しやすいものとした。 「インターネット社会論」では、資料を配布するとともに、Web やビデオを使った教材を用意 して説明にあたった。 ○作成した教科書・教材 「数理の世界」では練習問題集を作成した。「インターネット社会論」では、毎回、講義資料 を配布した。 ○自己評価 「入門コンピュータ」「基礎コンピュータ」は過去にも担当したことがあり、円滑に授業がす すめられた。「数理の世界」については理論的な側面の理解を促進するために、理論を補強す る教材を用意する必要がある。「インターネット社会論」については、初めて担当する科目で あり、また講義内容をゼロから構成することが必要であったが、試行錯誤しながらも大学の講 義としてある程度の質の高さを確保できたと考える。 Ⅱ 研究活動 ○研究課題 1. 数学的アルゴリズムとその応用 2. 携帯情報機器の教育利用 3. リメディアル教育 ○目標・計画 1. 数学的アルゴリズムとその応用 (目標)数論などで扱われる数学的対象を、コンピュータによる数値実験によって分析・解明す る。逆に、問題の数学的性質を理論的に追及して、数値計算の新たな効率的アルゴリズムを開 発する。 古くからオペレーションズ・リサーチと総称される数理計画法・最適化などの分野では数学 と工学が融合して研究されてきた。古典的な分野であってもさらに発展の余地がある。また、 現代のコンピュータセキュリティ技術では、暗号システムなどにおいて数論が大きい役割を果 たしている。安全性は計算の困難さに基礎を置き、他方で攻撃においては計算の困難さを克服 する理論的な解明が有効であり、このような分野においても新しい知見を得る。 (計画)凸最適化問題の一部である距離総和最適化問題に過去三年にわたって取り組んできた。 評価として距離や総和を一般化した Lp ノルムを用いた数学的解析を行う。また暗号理論への 取組みとして、整数論・楕円曲線論・計算量理論に関する文献調査を行って、暗号への応用を 1 探る。 ○過去の研究業績(特許等を含む) (著書) なし (学術論文) ・Hideki Sato, Ryoichi Narita, Regular Polygon Based Search Algorithm for Processing Maximum Range Queries in “Knowledge-Based Information Systems in Practice”, Smart Innovation, Systems and Technologies, Volume 30, Chap.7, 2015 Springer. ・Hideki Sato, Ryoichi Narita, Approximately processing aggregate range queries on remote spatial databases, Int. J. Knowledge and Web Intelligence, Vol. 4, No. 4, 2013, 314-335. ・ Hideki Sato, Ryoichi Narita, Approximate Search Algorithm for Aggregate k-Nearest Neighbor Queries on Remote Spatial Databases, International Journal of Knowledge and Web Intelligence, Vol.4, No.1, 2013, 3-19. (学会発表) ・成田良一, 「携帯情報機器の数学教育利用」, リメディアル教育学会『学士力を育成する数学教育』 研究会, 2014 年 8 月 23 日 ・成田良一, 「大学におけるモバイル情報端末の活用とセキュリティ」, 国立情報学研究所 平成24年度 第 1 回学術情報基盤オープンフォーラム, 2012 年7月4日 <国際学会での発表> ・Hideki Sato, Ryoichi Narita, Efficient Maximum Range Search on Remote Spatial Databases Using kNearest Neighbor Queries, KES-2013 17th International Conference on Knowledge-Based and Intelligent Information & Engineering Systems, 2013, 836-845. ・Hideki Sato, Ryoichi Narita, Supporting Sum Range Queries on Remote Spatial Databases Using kNearest Neighbor Search, The 6th International Conference on Intelligent Interactive Multimedia Systems and Services, 2013, 1-10. ・Hideki Sato, Ryoichi Narita, Multistep Search Algorithm for Sum k-Nearest Neighbor Queries on Remote Spatial Databases, 5th International Conference on Intelligent Interactive Multimedia Systems and Services, 2012, 385–397. (特許) なし (その他) なし ○科学研究費補助金等への申請状況、交付状況(学内外) なし ○所属学会 日本数学会、情報処理学会、日本応用数理学会、日本リメディアル教育学会、日本デジタル教 科書学会、グローバル人材育成教育学会 ○自己評価 2 距離最適化問題については特に進展がなかった。「数学的アルゴリズムとその応用」全般に 関しては、今年度は部分集合生成アルゴリズム及び自然数分割に関して基礎理論を調査し、最近 のプログラミング言語によるその実装を行って比較することができた。 Ⅲ 大学運営 ○目標・計画 (目標)各種委員会委員として職務を全うする。 (計画)各委員会年次計画に従う。 ○学内委員等 ・委員会 研究活動委員会、研究倫理委員会、紀要編集委員会、入試問題作成委員会の委員として活動し た。 研究活動委員会は新しく組織された委員会であり、科研費などの外部研究資金について研修会 を行い、また、各種外部研究資金申請の予備審査を行った。新たな課題としては、研究費助成の 制度の改定が大きいものであった。個人研究費や共同研究費などの制度を見直し、関連する規程 の改定を行った。 研究倫理委員としては、「研究活動に関わる不正行為防止等に関する規程」に基づき、研究倫 理・コンプライアンス教育プログラムについて、他大学の動向などを調査した上で、今年度は学 内で教育プログラムを実施した。 紀要編集委員として、要項などの見直しを行った。また、2 回の発行に伴い、論文原稿の手直 し確認を行った。 入試問題作成委員として、良質な入試問題となるように腐心した。 ・就業力育成支援事業総括 学長からの諮問により、2010 年度の準備段階から 2014 年度までの 5 年間にわたる就業力育成 支援事業の総括を行った。総括作成の WG を組織して、総括文書の担当部分を執筆し、過去の膨 大な根拠資料を収集した。WG の長として全体を統括整理し、最終稿全 26 ページを完成し、根拠 資料をつけて学長に報告書を提出した。 ○自己評価 委員としては特に問題なく業務を遂行できた。就業力育成支援事業の総括については、短期間 で膨大な作業であったが、十分な仕事ができたと評価する。 Ⅳ 社会貢献 ○目標・計画 (目標)自らの教育活動、研究活動、大学運営などで得た知見を社会に還元する。 (計画)学会運営に携わる。講演活動を行う。 ○学会活動等 なし ○地域連携・社会貢献等 なし ○自己評価 2015 年度は積極的な社会貢献はできなかった。 Ⅴ その他の特記事項(学外研究、受賞歴、国際学術交流等) 3 Ⅵ 総括 退職後再雇用という契約で、特別任用教員として教育・研究・学務などの諸活動に取り組 んだ。過去 7 年にわたり学長補佐・副学長・学長として大学運営に携わってきたが、その後 の初年度にあたる年であった。この間の研究分野やコンピュータ技術の進展は著しく、まず はそれに追いつくことが必要であった。まだそのギャップは埋まっていないが、地道に研究 活動を続けたい。教育に関しては、新しい科目の設計と実施は少々難しかったものの、標準 的なレベルには達したと考える。学務についても、担当業務を全うすることができた。 4