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齋藤 裕子静岡がんセンター 副看護師 - 公益社団法人日本医師会 治験
参考資料 2 治験情報IT化検討チームにおける 専門家等からの意見聴取時資料 z z 医療機関の立場から ¾ 齋藤 裕子 静岡がんセンター 副看護師長 ¾ 古川 裕之 金沢大学附属病院 臨床試験管理センター 171 准教授 治験依頼者の立場から ¾ 小原 教仁 ファイザー株式会社 デベロップメント・オペレーション統括部 クリニカル・スタディ・マネジメント部 ¾ 前北 峰成 アストラゼネカ株式会社 ビジネスオフィス z 研究開発本部 木内 貴弘 190 臨床統括部 部長 193 東京大学医学部附属病院大学病院医療情報ネットワーク 研究センター ¾ 木村 通男 浜松医科大学 教授・センター長 教授、附属病院 196 医療情報部長 附属情報処理センター長 199 電子カルテと EDC の連携を試行した立場から ¾ z 部長 医療情報標準化の立場から ¾ z 181 石川 洋一 国立成育医療センター 薬剤部 主任薬剤師 202 規制当局の立場から ¾ 独立行政法人医薬品医療機器総合機構 信頼性保証部 209 (敬称略) 169 静岡がんセンター概要 2002年9月開院 治験情報のIT化に関する 現状と今後の展望 2003/3/31 第1回IRB開催 2003年5月~臨床試験開始 557床(615床の予定) -医療機関の立場から- マネージメントセンター、病院、研究所 開院当初より、電子カルテを全面的に導入 静岡がんセンター臨床試験支援室 したペーパーレス、フィルムレスの病院 がん領域の治験の受託件数が年々増加 (がん領域では国内第3位?) 齋藤裕子 1 2 臨床試験におけるEDCの動向 使用しているシステムの種類 静岡がんセンターの場合 年度 EDC利用 新規承認 内訳 2003 0(0%) 20 - 2004 1(5%) 21 国内 22 グローバル 1件(P2) 国内 2件(P1・P3 各1件) 29 グローバル 2件(P3) 国内 5件 ・BA 1件 ・P1/2 1件(市販後) ・P3 3件(すべて研究者主導) 33 P1~P3、国内・グローバル、治験・ 研究者主導など多種多様な試験に利用 2005 2006 3(14%) 7(24%) 2007 17(52%) 自社システム RAVE InForm EDMS ClinPraNet 1件(P1) すべて外資系企業(AZ社、 C社、N社、P社、 W社) その他 タクトシステムズ 電助 Wan station *上記には、製造販売後調査の件数は含まない 3 4 医療機関にとって大変なこと EDCはこんなに素晴らしいと いわれるけれど・・・ いわれるけれど Web環境の整備 各社各様のシステムへの対応(トレーニングの時間) ID、パスワード管理 CRF作成に当たってPCが必要 電子カルテの病院では、二度入力の手間 検査データも手入力が必要(伝票の貼付が不可能) 報告書の内容を時系列に確認することができない 入力ミスの可能性 保存に時間がかかる システムダウンなどシステムトラブルがある ロジカルチェックによるデータの質向上 データ収集のスピードアップによる開発促進 etc. 5 専用端末の場合、PCの使える場所に、カルテを運ばなければな らない 紙に書くほうが楽 外注検査の場合は入力が不要となっているものが少なくない 前のVisitのデータが参照しにくい 6 171 試験依頼者/データセンター にとってのメリット 長期的には経費削減? 医療機関にとってのメリット 症例報告書が読みやすい 医療機関にCRF回収に行かなくて良い SDV実施前にCRF記入内容の確認がで きるため SDVが効率的に実施可能 きるため、SDVが効率的に実施可能 データ入力が不要 Hpでの入力とSDVにより二度入力が不要 タイムリーにデータ収集 SAEや逸脱の早期発見 きれいな症例報告書の作成 保管スペースの削減 最近のVisit型CRFは厚い (例:10cm ×3冊/症例) adaptive designに有用 データの質向上 DB(データベース)とCRF(入力フォーム) との一体化により、必要以上のデータが 要求されなくなった例がある でも、紙CRFでもできたはず・・・ 7 8 「第7回CRCと臨床試験のあり方 を考える会議」参加者調査 EDCについて思うこと 試験依頼者はEDCについて、医療機関のスタッフが どのように感じるかを誤解している 試験依頼者内でも、EDCについて感じていることは 異なる 試験依頼者も苦労している EDC経験者 EDC未経験者 CRCがサポートしない研究者主導研究で医師がタイム リーにEDC入力することについては、無理だろうと思っ ている人がほとんど ¾ つまり、CRCは積極的にEDCに取り組もうという意識 を持っているが、使い易いものとは感じていない 試験依頼者の説明 グロ グローバル企業本社の責任者との話 バル企業本社の責任者との話 DMに関する研究会 「できれば使いたくない」と思っている人の方が多い 「EDCを使ってみたい」と思っている人の方が多い DM、モニターのバトルが!? SOPの整備、開始前の準備、医療機関の理解を得ることetc. 9 10 海外でのEDCに対する意識 あるUSのDM 医療機関から見た EDCの短所と改善策 使いにくくても、私の仕事だから良い あるUKの医師 CRC あるUKの医師、CRC I hate EDC ! 言うこときかない、遅い、入力できない期間 が長いから! 11 12 172 システムの種類 セキュリティ 自社開発、パッケージ利用など様々 各社各様のシステムへの対応が必要 現状では、同じシステムでも依頼者が異なれ 定期的にパスワードの変更が必要 デジパス、マトリクスパスワードを利用するものもあり ば試験毎にトレーニングを受けることが求め られており、時間がかかる(平均2-4時間) すべてのシステムがID、パスワード管理 大半がWEB(利用端末の事前特定が必要なものも)、 が が 一部専用の電話回線の利用 WEB入力なら自前のPCが利用可能であり、場所をとら なくて良い 専用回線の利用は入力場所が限定されるため避けたい 内資系企業のシステムは自己学習で可能 システムの標準化がなされ、トレーニン グがある程度簡略化されると良い 同じパスワードが二度と使えないものも少なくない 13 14 デジパス 入力・保存、表示 VISIT毎が基本で、AE・併用薬だけ全コースまとめて、 ないしコース毎のものが多い(pCRFと同様) 保存に時間がかかるものがある 保存する度に1つ前の画面に戻ってしまうものがある どこまで入力が進んでいるのかがページを開いてみない と か な も があ とわからないものがある 速やかな入力、HISとの連携のためには、原則として VISIT毎が良い( AE・併用薬はケースバイケース) 反応が遅い・保存に時間がかかるものは、イライラだけ ではなく、入力先延ばしの原因になる ロジカルチェックは最低限に CRFの入力状況が分かり易く表示されると良い 15 16 レポート メンテナンス pCRFと同様の出力が可能なものが多いが、未 入力ページの見出しも含めて3ヶ月間分入力し ただけで200頁に及ぶものもある。また、プリ ントアウトがまったくできないもの(専用端末 を利用した自社システムの場合など)もある 最低限、pCRFと同程度に見易い出力が可能で あると良い VISIT毎の入力でも時系列にデータを並び替え て見られると良い トラブル、メンテナンスが頻回なものがある。 また、突然メンテナンスの連絡が入り、使えな くなることがある メンテナンスは深夜帯のみにしてほしいが、グ ローバル試験の場合は仕方ない・・・ 頻回なトラブルはもっての他 事前にメンテナンスの時期の連絡があると良い 17 18 173 EDCをより良いものとするために CRCにできること 最初に確認すべきこと 即時入力を心がける 短所や長所、癖や裏ワザをよく理解する 使いにくい点を伝え続ける タイムアウトの仕方、時間 入力を続けていたのに、保存しようとした らタイムアウトに! コミュニケーションが鍵! 修正履歴の取り方 小まめに保存していたら、たくさんの修正 履歴リストに記入を求められた! 19 20 必要なだけ入力スペースを増やせる EDCの使用経験より 採血日が増えても項目名は参照可能 時系列にデータが見られる Sample 21 22 繰り返し入力が不要 必要なデータの自動計算(ex.好中球%→数値) Sample Sample 23 24 174 フリーコメント欄 見易いレポート(印刷可能) Sample Sample 25 26 進捗状況が確認できる CRF作成状況がわかりやすい Sample Sample 27 28 見やすく変更(変更前) 見やすく変更(変更後) Sample Sample 29 30 175 検査データのインポート 自動補填機能 Sample Sample 31 32 異常・AEグレードの機械判定 検査データのインポート Sample Sample 33 34 データの一時保存が可能 入力候補のコピー&ペーストが可能 Sample Sample 35 36 176 どこに違いを感じるか? EDCならではの機能 保存や画面展開速度 繰り返し入力の要否 一時保存の可否 時保存の可否 未入力箇所がすぐにわかるかどうか レポート出力の可否、見やすさ コメント入力欄の有無 臨床検査データのアップロード 施設の出力形式(CSV)にあわせた自動補填機能 自動計算機能:好中球数など 繰り返し入力の省略 有害事象・併用薬の自動補填機能 Visit毎・コース毎入力の場合 進捗状況確認機能 カスタマイズしてもらった点がほとんど! データとして取り扱われなくても、レポート ¾ には反映 DM担当者・システム担当者・ CRC等のコミュニ ケーションが鍵!(その後のシステムにも一部反映) 37 38 SCCにおける外来診察の流れ 患者さんの来院(病院に到着) 各科受付から治験管理室(CRC)に連絡 検査結果などの確認 CRCによる面談 医師の診察(CRC立ち会い) 電子カルテにおける 治験のための診療記録 問診・検査結果の確認、AE評価、VS測定、記録 テンプレート(入力フォーム) の作成と利用 問題点等があれば伝える CRCが行ったAE評価等、記録の確認を得る 医師の署名で記録を残す 次回の診察予約・パス貼り付け等の依頼をする 39 40 テンプレート入力画面 CRC名 医師名 診療記録 観察項目のリマインドと タイムリーな記録 入力が楽 例:Visit毎のテンプレート は検査日の項に自動的に 当日の日付が入るなど 標準化 ・有害事象フォーム ・併用薬フォーム ・効果判定フォーム etc. CRFに近いデザイン →SDVが楽 Sample Sample 41 177 42 記録の修正(変更履歴) 電子カルテのSDV モニターさん1個人1アカウントを発行 アクセス権限の付与条件 患者の同意(説明同意文書への記載) 契約(守秘契約を含む) 依頼者のモ 依頼者のモニターとして認知されていること(プロト タ として認知されていること(プ ト コールへの氏名の記載) 誓約書の提出 誰がいつ修正したか全て記録 修正前後の文書が比較可能 対象・範囲 試験への登録患者さんに限定 閲覧権限のみ EDC利用試験のSDVの際には、電子カルテ とインターネット端末との2台を用意 Sample 43 44 システム概要 臨床試験で必要なデータを、汎用的なツールを利用して記録・保存 し、なるべく人手を介さないで電子症例報告書(e-CRF)を作成し、 依頼者/データセンターへ報告する 1.汎用性 ・様々なベンダの電子カルテに診療記録として連携可能 ・紙カルテの病院でも運用可能 ・受け取り側が共通で利用できるフォーマットで情報を出力 2.セキュリティ ・記録の原資料としての担保が可能(履歴採取も含む) ・e-CRFに対する保証 3.使いやすさ ・情報の入力画面および症例報告書との紐付けが容易 電子カルテ-EDC 連携システム 45 46 EDC入力システム概要 管理番号(承認番号)もしくは課題名 (略称)から対象の試験を選択 システム概要 情報収集機能 症例報告確定 原疾患 既往歴 情報の抽出 スクリーニング情報 電子カルテに反映 臨床検査値、処方実績 電子カルテ 症例報告確定・出力機能 エディタの「EDC」メニューから起動 対象治験に登録されている入力フォーム の一覧から、入力するフォームを選択 治験システム ・入力デ タの確認 ・入力データの確認 ・CRFの確定 HL7 合併症 ・ ・ ・ 確定 キャンセル DBソフトによる 試験データの入力 データ入力機能 E-CRF出力 フォーム準備機能 ・入力フォームの作成 ・CRFフォームの作成 ・入力項目とCRF項目の紐付け フォーム下の「展開」ボタンを押下すると、 入力したデータをエディタに反映 CDISC 修正・複写・削除は通常のテンプレートと 同じ操作で実施可能 ファイルメーカーが起動し、入力フォーム が表示 47 178 48 CRFデータ収集画面 試験と被験者を選択 し「CRF作成」押下 収集期間とCRFを選択し 「開く」ボタン押下 Sample 収集されたデータから必要なデータを選択し、CRFへ反映させる。 49 50 電子カルテに記録 された情報がCRF に収集され表示 「異常値判定」、「因果関係の判定」、「コメント」等はこの画面で入力を行う。 また修正等もこの画面で行い、「CDISC出力」した後は、修正・削除はできない。 Sample 51 52 CDISC出力 電子カルテとEDCを連携した場合 のメリット 「CDISC出力」押下 でCRFの内容がXML ファイルに出力 医療機関 試験依頼者 同じ内容を二度入力しなくて良い 原資料(診療記録)とCRFとの整合性の確認がしや すく、SDVが短時間で実施可能 双方 CRFの情報を速やかに共有 研究者主導研究における利用可能性は大 Sample 53 54 179 EDCが目指すべきこと =臨床試験において目指すべきこと 検討課題 標準化への対応 Quality up Speed up Cost down CRF(入力フォーム)・DBの標準化 データの取り扱いの標準化 標準書式(HL-7、CDISC標準) 電子カルテへの展開速度 有害事象や併用薬のカルテへの記載法 コスト・時間・労力の無駄を省いて より良い薬剤・治療法をより早く患者さんへ Visit毎か通期か 修正への対応 55 56 おまけ:治験の効率化のために ~CRCが非効率的と感じること~ 使い易いEDCシステムとするには? EDCの問題よりも大変なのは・・・ 治験準備期間中に、治験依頼者、EDCシ ステムベンダー/CROのシステム担当者、 データマネジメント担当者、医療機関 デ タマネジメント担当者、医療機関 CRCとのミーティング 開始後も、医療機関からの要望を依頼者 を通してEDCシステムベンダーに上げて いく プロトコールに関すること 血圧を2回測定し、5mmHg以上の差があったら1時間後に再検 PK採血にあわせてVS測定のみならずECG検査(試験によっては3回×6 ポイント/日。Baselineを6回、その後day1,5,15,26に各7ポイント など)も実施(E14ガイドライン以上の要求!)し、そのデータを海外へ 送信 データマネジメントに関すること(一見同じフォームであっても・・・) グレードがかわる度に別事象として記載を求められる AEに用いた併用薬をAE消失後に使用していた場合には「予防投与」とし て別途記載を求められる 臨床検査データの異常値の取り扱いが企業毎に異なる SAE報告書に関すること 記録に関すること プロトコール規定の検査を実施するための入院であっても、AEと関係があ ればSAEとして報告 CRFの記載と同一の内容が原データとして記録されていることが求められ る(実際には診療記録からCRFとして報告する際に、何らかの医学的判断 が加わり、加工されることがあるのが普通。また、カルテは本来、事後的 に直すものではないのに・・・) これらは、新治療法の有効性・安全性評価のために本当に必要か? あまり意義がないのに、煩雑な対応を求められることがもっとも非効率なことでは? 58 57 180