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FOREX WEEKLY
2005 年 7 月 8 日発行 FOREX WEEKLY 市場営業統括部 調査グループ 来週のポイント <担当:宇野> ドル/円 113 ドル/円:高値ステイと見る。 次週発行まで 週末 14:30 ドル/円 112.35 円 宇野大介 111.00 ∼ 112.85 円 3ヵ月後 112.00±2 円 ・ドル買い要素の剥落と円売り要素の台頭を見込む。 113 111 111 109 109 107 107 105 105 103 103 101 ・日銀、展望レポ−ト中間レビュ−は強気に成りきれな 101 04/10 11 12 05/1 いことがポイントと見る。 が多く散見される。 ユーロ/円:引き続き、ユ−ロの戻りを予想。 次週発行まで 週末 14:30 3ヵ月後 134.10 円 133.00 ∼ 136.00 円 140±2 円 ユ−ロ/ドル 1.1935ドル 1.1875 ∼ 1.2150ドル 1.250±0.025ドル 4 5 6 7 年/月 1.38 1.35 1.35 1.32 1.32 1.29 1.29 1.26 1.26 1.23 1.23 1.20 1.20 1.17 04/10 ユ−ロ/円 3 ユーロ/ドル 1.38 ・チャ−ト的には、一旦のスピ−ド調整を示唆するもの 2 1.17 11 12 05/1 2 3 4 5 6 7 年/月 ユーロ/円 ・ユ−ロ買い要素の出現ではなく、ドル買い材料の一服 142 142 140 140 138 138 136 136 134 134 132 132 を予想する。 ・ECB の利下げ観測の後退に伴う、ユ−ロ買戻し・円売り の経路を見立てる。 130 ・方向感に欠ける展開。但し、6/23 の 130.62 円でのボト 04/10 130 11 12 05/1 2 3 4 5 6 7 年/月 ムアウトは確実な状況。 本資料は情報の提供を目的としており、何らかの行動を喚起するものではありません。投資や資金運用に関する最終決定は、お客様 ご自身で判断されるようお願い申し上げます。 1 FOREX WEEKLY 調査グループ 足元のマーケット動向、及び来週の見通し <担当:宇野> ドル/円 今週の動向 小幅上昇。約 11 カ月振りの 112 円台に乗せる場面も見られた。内容としては、仕掛け 的なドル買いと、それを正当化する強めの米経済指標を背景としたドル買い。主要通貨 でのドル買いもあり、なかなか波及しないドル買いがドル/円にもそれが届いた格好。 7/7 に英国同時爆弾テロがあったものの、ドル売りは一時的に留まった。 来週の見通し ドル買い要素の剥落を見込む。結局、一旦はスピ−ド調整をした商品相場は再び切り (本日の海外も 返しての展開となっている。やはり原油高による悪影響を被る国ということでは、エネ 含む) ルギ−効率の悪い米国に行き着くと判断。住宅バブルを抱えたままで走り、インフレリ スクに敏感な米国にとっては、アゲンストな環境であろう。加えて、間接的には米株の 下げという反応を通じてのドル売りという経路も考えておくべきであろう。 今晩の雇用統計は、そこそこ強めの+15∼+20 万人程度の N.F.P.が見込まれるが、一 時的に良好な米経済指標に振らされて、事前にドル買いとなっていたため、今晩は、そ の反動が出よう。もしくは、弱めの数字が出てきた場合は、テロによるセンチメント悪 化が時間差で形成されていくことも想定され、いずれの場合でも、ドル売りという帰結 を予想する。一方、予想比弱い 5 月機械受注に見られる通り、日本経済の陰りについて はテロリスク再燃と併せて、円売り要素の台頭をイメ−ジさせる。来週、展望レポ−ト レビュ−も強気にはなれまい。つまりドル/円はステイの公算が高いと見積もる。 一方チャ−ト的には、一旦のスピ−ド調整を示唆するものが多く見られ、こうしたこ とからも、ドルの一旦の調整を予想する。先週指摘した上値の目処であった 112 円台に も到達し、110 円、111 円とは異なり、過去のチャ−トからすると値段に意味があること も重要な水準。来週も含めて、目先は高値圏での揉み合い、高止まりと見る。 ユーロ/円 今週の動向 132円ハ−フを背にして切り返し。週初はユ−ロの戻り売りがきつく、132.50円まで値 を下げる場面も見られたが、その後はユ−ロ自律反発に伴い、133円台まで回復。7/7の 英国同時多発テロを受けて、一時的にドル売りとなる場面もあり、その後は概ね134円台 をキ−プしての切り返しとなった。 ユ−ロ買いを促す材料の出現というより、ドル買い材料の一服という見方。上記のよ 来週の見通し うに商品相場高は米ドルにとっては嬉しくない前提。また、今晩の雇用統計については (本日の海外も 強めの内容を想定するものの、英国テロを遠因とした悲観センチ拡大、または原油高騰 含む) 持続の影響で米個人消費のシュリンク、雇用アウトソ−シングの、過去の流れが再認識 される方向性の示現を想定。従って、過剰な利下げ期待が剥落してきている欧州対比、 米国での利上げストップ期待が7/20のFed議長議会証言に向けて高まる可能性を見込む。 ECBの利下げ観測の後退については、足元までのところで、ZEW、Ifoの改善と来て、ユ −ロ圏PMIもしっかりとした数字となっていること、7/5の報道ではECB関係者の発言とし て、ユ−ロ安は利下げと同様の効果を与えるとしていること、などを考慮すると、市場 の行き過ぎた期待を剥がして行こう。 値動き的には、確かに方向感に欠ける嫌いはあるものの、6/23の130.62円でのボトム アウトの可能性が高まっており、また、直近では132.50円が重要なサポ−トラインと考 えられる。上値の目処としては、5/26の136.03円からの下げ相場の0.618戻しも達成。6/30 の戻り高値にも面合わせしたため、全値戻しの136円前後を指摘しておく。 2 調査グループ FOREX WEEKLY ファンダメンタルズ・こう見る 日 本 (担当:五十嵐) 5 月現金給与総額は前年比+0.4%と 2 ヶ月連続のプラスで、所得環 境は改善傾向。また、日銀の地域経済報告では、設備投資計画の上 積み・雇用情勢の改善・IT 関連分野の調整進捗等を背景に、9 地域 今 週 来 週 3 ヵ月後 景 況 感 → ↑ ↑ がら回復を持続していることが窺えた。来週は金融政策決定会合で、 短期金利 → → → 展望レポートの経済・物価見通しに対する中間レビューが行われる。 長期金利 → ↑ ↑ 中 6 地域で総括判断が前回よりやや上方修正され、景気は緩やかな 上述の所得環境や、地域経済の動向を踏まえると、日銀は 4 月より 米 国 (担当:山下) も景気に対し前向きな判断を下す可能性が高いと考える。 製造業 ISM(51.4→53.8)および非製造業 ISM(58.5→62.2)はい ずれも予想以上の改善となり、米国景気の減速が年後半にかけて継 続するとの見方は後退。利上げ継続長期化の可能性が意識され始め 今 週 来 週 3 ヵ月後 景 況 感 → → → まれるが、関連統計からは雇用情勢に著しい改善は認められず、3 短期金利 → → ↑ ヶ月平均では+15 万人程度の緩やかな雇用増加という構図となろ 長期金利 → → → ている。本日の雇用統計は前月よりは非農業雇用者数の増加が見込 う。来週は、CPI、PPI が落ち着いた動きとなる一方、鉱工業生産等、 ユーロ圏 (担当:大内山) 企業関連データに改善方向が出ると予想される。 ECB 理事会では大方の予想通り政策金利は据置き。理事会後の記 者会見では「現在の金利水準は適切であり、我々は利上げもしくは 利下げの予告は行っていない」と様子見姿勢が強調された。発表さ 今 週 来 週 3 ヵ月後 景 況 感 → → → ーロ圏サービス業 PMI は 53.5→53.1 と前月から若干低下したが内訳 短期金利 → → → では新規ビジネス項目中心に底堅い推移、と指標が一方向に悪化し 長期金利 → → ↓ れた指標では 6 月ユーロ圏製造業 PMI は 48.7→49.9 と改善、6 月ユ ている状況では無くなってきていることもあり、ECB は当面現在の 様子見姿勢を堅持する可能性が高い。 ディーラーに聞きました(来週のドル円相場の方向性∼ブルベア) 月 5月 6月 7月 週 30 日∼ 6 日∼ 13 日∼ 20 日∼ 27 日∼ 4 日∼ 11 日∼ 予想 ▲4 ▲5 ▲1 ▲2 +5 ±0 ±0 実績 中立 中立 ブル 中立 ブル ブル ≪見方≫ 当行の為替ディーラー(マーケット、カスタマー)8 名を対象に、来週の相場予想を聴取。今週の東京市場正午から、ドルブ ル(終値から1円以上のドル高)、中立(終値から上下1円内)、ドルベア(終値から1円のドル安)の三択で、結果を(ドルブル人数 −ドルベア人数)で表記。+(プラス)は円安ドル高、▲(マイナス)は円高ドル安を示す。 3 調査グループ FOREX WEEKLY 今週のプライスアクション (出所:Bloomberg) ① ユ−ロ/ドルのユ−ロ反落に伴い、 ドル買いという帰結 ③ ② ② ④ 112 円乗せに向けて、仕掛け的なド ル買い ⑤ ③ ドル全面高の商状 ④ 英国同時爆弾テロ発生によるドル 売り ⑤ ① その後の巻き返し 来週のチャ−ト分析 <担当:川口> JPY=EBS, 直近値 [ローソク][MA 5][RSI 10] 週足 20Feb04 - 28Jul05 EURJPY=EBS, 直近値 [ローソク] 日足 22Apr05 - 25Jul05 Pr Pr 139 112 110 108 106 104 102 RSI 80 138 134.40 (6/30、7/6) 134 133 134.40 (5/6) 40 132 20 May Jul Sep Nov Jan05 Mar May 136 135 60 Mar04 137 131 07May05 Jul 27May 16Jun 06Jul <ユーロ/円、日足> <ドル/円、上:週足、下:RSI(10 週) 週足> ・RSI は 6/19 以降、買われ過ぎを示す 70%以上に留まっており、 ・6/30 と 7/7 の高値 134.40 円は 5 月に揉み合ったレンジの下限 と一致。ここがレジストとなり、目先は下と見る。 調整が入ると見る。下値の目処は 5 週移動平均線の 110.14 円。 今週の主な材料 7/11(月) (欧)ユーロ・グループ財務相会合 7/12(火) (日)6 月国内企業物価指数、6 月消費者態度指数、7 月月例経済報告 日銀金融政策決定会合(∼13 日) 7/13(水) (欧)EU 財務相会合 (日)日銀展望レポート中間レビュー、5 月経常収支、5 月鉱工業生産(確報) 7 月金融経済月報、日銀総裁定例記者会見 (米)5 月貿易収支、6 月財政収支、行政予算局年央経済改訂見通し アップルコンピュータ等、企業決算発表 7/14(木) (日)6 月企業倒産件数 (米)6 月 CPI、6 月小売売上高 7/15(金) (米)6 月 PPI、7 月エンパイア・ステート・インデックス、5 月企業在庫、6 月鉱工業生産 7 月ミシガン大消費者センチメント(速報) (注)FOREX WEEKLY に関するお問い合わせは、現在お取り引き中の営業部/支店にお願い申し上げます。 4