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1998(日本語Pdfファイル)
1999E3.1.4 製造現場用自動試験システムの研究開発 1.試験研究の内容 平 成 7 年 度 末 の 特 石 法 廃 止 に よ り 、輸 入 製 品 は よ り 多 様 化 す る こ と が 予 想 さ れ た 。 現状では試験に時間がかかり、迅速、簡便な対応方法の開発が必要となる。また工 程管理の試験においても迅速化が要求され、試験に係わる人のロ−ドの軽減も望ま れている。 本研究では小型で、誰でも確実に試験ができる製造現場用自動試験システム(自 動 試 験 シ ス テ ム )を 開 発 す る 。試 験 対 象 油 種 は ガ ソ リ ン か ら C 重 油 ま で と し 、種 々 の物性推定方法を開発して、少ない試験器で、短時間に多項目試験を同時に可能に する。また試験デ−タは中央試験室及び計器室で把握・管理できるシスムを構築す ることにより、石油製品の入出荷及び工程管理試験の試験業務の迅速化・効率化を はかることを目的とする。本システムによる試験項目と対象油種を表1−1に示し た。 表1−1 試験項目と対象油種 対 象 油 種 試 験 項 目 ガソリン 灯油 軽油 A重 油 C重 油 蒸留性状 GC GC GC GC - 蒸 気 圧 (R V P ) N IR - - - - オ ク タ ン 価 (R O N ) N IR - - - - 組成 GC - - - - 引火点 - GC GC GC - 煙点 - N IR - - - セタン指 数 - - N IR (蒸 留 と 密 度 ) - 実在ガム HPLC - - - - 色 目視 セ-ボルト ASTM - - 流動点 - - (曇 り 点 計 ) - - 動 粘 度 (3 0 、 5 0 、 7 5 ℃ ) - - 動粘度計 動粘度計 動粘度計 硫黄分 硫黄分計 硫黄分計 硫黄分計 硫黄分計 硫黄分計 密度 密度計 密度計 密度計 密度計 密度計 は推定 G C : ガ ス ク ロ マ ト グ ラ フ 、 N IR : 近 赤 外 分 光 光 度 計 、 H P L C : 高 速 液 体 ク ロ マ ト グ ラ フ 1.1 自動試験システムの総合評価 計 算 機 か ら の 制 御 信 号 に よ り 自 動 試 験 シ ス テ ム を 運 転 し 、各 試 験 器 の 測 定 結 果 の 精 度を確認した。また新規導入するネットワーク接続装置の仕様の検討、設置後その 性能を確認した。 1.2 多項目同時試験方法の検証及び推定精度の向上 (1)NIRによる多項目同時試験方法の検証 ガソリンのRON(リサーチ法オクタン価)、RVP(リード法蒸気圧)、 灯油の 煙 点及 び 軽油のセ タ ン 指 数の推 定方 法の検証 及び推定精度の向上を 検 討 した。 (2)GCによる多項目同時試験方法の検証 ガ ソ リ ン 、灯 油 、軽 油 、 A 重 油 の 蒸 留 性 状 、 灯 油 、軽 油 、重 油 の 引 火 点 の 推 定 方法を検証及び推定精度の向上を検討した。 1.3 迅速試験方法の確立と検証 ( 1 ) G C に よ る ガ ソ リ ン の 組 成 分 析 方 法 を 確 立 し 、市 販 ガ ソ リ ン へ の 適 用 性 を 把 握した。 (2)HPLCによるガソリンの実在ガムのスクリーニング方法を確立し、市販 ガソリンへの適用性を把握した。 2.試験研究の結果と解析 2.1 自動試験システムの総合評価 各種試験器・装置が計算機からの制御信号で正常に作動すること及び試験結果 がネットワーク接続装置を通して計器室でも表示されることを確認した。本シス テムの外観を図2.1−1に示した。 通信回線 ネ ッ ト ワ ー ク 接 続 装置 自動試験システム本体 (中央試験室) 試験結果確認端末 (計器 室) 図2.1−1 自動試験システムの外観 2.2 多項目同時試験方法の検証及び推定精度の向上 (1)NIRによる多項目同時試験方法の検証 ガソリンのRON、RVP、灯油の煙点及び軽油のセタ ン指数の推定方 法 の検証及び推定精度の向 上検討を行った。 ( イ ) ガ ソ リ ン の R O N 、 R V P の 推 定 方 法通 の信 検回 証線 ガソリンのRON、RVP推定用のNIR測定条件を表2.2−1に示し た 。検 量 線 用 の 試 料 と し て レ ギ ュ ラ ー ガ ソ リ ン 1 2 0 種 、プ レ ミ ア ム ガ ソ リ ン65種で表2.2−1に示した性状範囲のものを調製した。 表2.2−1 ガソリンのRON、RVP推定用のNIR測定条件 項 条 目 R O N R V P 件 (k P a ) 性 状 範 囲 8 7 .0 ~ 9 2 .7 測 定 温 度 1 5 .0 ℃ 波 長 範 囲 1100~ 1500nm 、 341nm 幅 、 2nm ス テ ッ プ 統 計 手 法 部 分 最 6 3 .5 ~ 9 0 .0 小 自 乗 法 ( P L S ) これらの試料 のNIRスペクトルを測定、解析後検量線を 作成し、製品、試 作 レ ギ ュ ラ − ガ ソ リ ン 、プ レ ミ ア ム ガ ソ リ ン の そ れ ぞ れ 1 9 、1 5 種 の R O N、RVPを推定した。それぞれの推定結果を図2.2−1、図2.2−2 に示した。図中の数値は検証試料数を示 し、以降も同様。レギュラーガソリ ン、プ レ ミア ム ガソ リ ン の RO N 、R VP い ず れ も 規 格試 験 方法( J I S K 2280、2258)の室間再現許容差内で推定できた。 レ ギュ ラ ーガ ソ リ ン の R O N プレ ミ ア ム ガ ソ リ ン の RO N 9 2.0 1 0 1 .0 N=15 N=19 9 1.5 JI S再 現 許 容 差 1 0 0 .5 J IS 再 現 許 容 差 NIR法 NIR法 9 1.0 9 0.5 1 0 0 .0 9 0.0 9 9 .5 8 9.5 J IS 併 行 許 容 差 8 9.0 8 9.0 8 9.5 9 0.0 9 0.5 9 1.0 規格試験法 JI S併 行 許 容 差 9 1.5 9 2.0 9 9 .0 9 9 .0 9 9 .5 1 0 0 .0 規格試験法 1 0 0 .5 1 0 1 .0 図2.2−1 ガソリンのRONの推定精度 レ ギ ュ ラ ー ガ ソ リ ン の R VP プ レ ミ ア ム ガ ソ リ ン の R VP 85 90 N=19 N=15 85 NIR法(kPa) 80 NIR法(kPa) J IS 再 現 許 容 差 80 JIS再 現 許 容 差 75 70 75 70 65 J IS 併 行 許 容 差 JIS併 行 許 容 差 65 60 60 65 70 75 80 規 格 試 験 法 ( kP a ) 図2.2−2 85 90 65 70 75 80 規 格 試 験 法 ( kP a ) ガソリンのRVPの推定精度 85 (ロ)灯油の煙点、軽油のセタン指数推定方法の検証 灯油の煙点、軽油のセタン指数推定用のNIR測定条件を表2.2−2に示 した。 検量線 は 表 2 .2− 2 に示 した 性 状 範 囲 の もの で 、灯 油 1 2 0種 、軽 油 1 1 5 種 を 調 製 し 、N I R ス ペ ク ト ル を 測 定 後 、そ れ ぞ れ の 検 量 線 を 作 成 し た 。こ の 検 量 線 を 用 い 、製 品 灯 油 の 煙 点 及 び 製 品 軽 油 の セ タ ン 指 数 を 推 定 した。図2.2−3に灯油の煙点の推定精度を、図2.2−4に軽油のセタ ン 指 数 の 推 定 精 度 を 示 し た 。い ず れ の 推 定 精 度 も 規 格 試 験 方 法( J I S K 2537、2280)の室内併行許容差内で推定できた。 表2.2−2 灯油の煙点、軽油のセタン指数推定用のNIR測定条件 油 種 項 条 目 件 灯 油 軽 油 煙 点 セ タ ン 指 数 ( m m ) 性 状 範 囲 測 定 温 度 波 長 範 囲 統 計 手 法 2 2 .0 ~ 3 2 .0 5 2 .6 ~ 1 5 ℃ 1 1 0 0 ~ 部 1 5 0 0 n m 、 1 0 1 n m 幅 分 最 小 自 乗 法 、 4 n m ス テ ッ プ ( P 34 N=19 32 JIS再現許容差 NIR法(mm) 30 28 26 24 JIS併行許容差 22 20 20 22 24 26 28 30 32 34 規格試験法(mm) 図2.2−3 灯油の煙点の推定精度 65 N=20 J IS 再 現 許 容 差 NIR法 60 55 J IS 併 行 許 容 差 50 50 6 2 .5 55 60 規 格 試 験 法 65 図2.2−4 軽油のセタン指数の推定精度 L S ) (2)G C に よ る多 項 目 同時 試 験 方 法 の 検証 (イ)GC測定条件の検討 ガ ソ リ ン 、灯 油 、軽 油 、A 重 油 の 蒸 留 性 状 お よ び 灯 油 、軽 油 、A 重 油 の 引 火 点 点 の 推 定 の た め 、G C の 測 定 条 件 を 種 々 検 討 し た 。そ れ ぞ れ の 測 定 条 件 を 表 2 . 2−3に示した。 表2.2−3 各油種の蒸留性状、引火点推定用のGC測定条件 ガ ソ リ ン 灯 油 軽 油 ・A 重 油 3 w t% - シ リ コ ン O V - 1 / ク ロ モ ソ ル ブ . W .A W .D M C S 、 S U S 3 m m Φ x 1 m F ID 器 口 3 5 0 ℃ 器 3 5 0 ℃ 0 ℃ 2 0 ℃ 2 0 ℃ 1 0 ℃ / m in . 1 4 0 ℃ 2 0 0 ℃ 3 4 0 ℃ ー ガ ス 窒 素 3 0 m l/ m in . 油 種 カ ラ ム 検 出 注 入 温 検 出 初 期 度 昇 温 最 終 キ ャ リ ア (ロ)各油種の蒸留性状推定方法の検証 推 定 式 確 立 に は 各 油 種 の 2 0 試 料 を 用 い 検 討 し 、そ の 推 定 精 度 を 確 認 し た 。 そ の 結 果 、レ ギ ュ ラ − ガ ソ リ ン 、プ レ ミ ア ム ガ ソ リ ン お よ び 軽 油 は 夏 場 用 と 冬 場 用 に 分 け な け れ ば 推 定 精 度 が 規 格 試 験 方 法( J I S K 2 2 5 4 )の 室 間 再 現 許 容 差 内 に 収 ま ら な い こ と が わ か っ た 。し た が っ て ガ ソ リ ン 、軽 油 の 場 合 は 夏 場 用 、冬 場 用 そ れ ぞ れ 2 0 試 料 を 用 い 推 定 式 を 確 立 後 、推 定 式 の 検 証 を 行 った。 既存の推定 式としては、規格試験方法(JIS K 2254)に記載され ている2種の変換式のFord&Miller式(F−M式)とRiazi &Daubert式(R−D式)がある。R−D式での検討結果、推定精度 がF−M式より悪いことがわかったため、検討から除外した。 説 明 変 数 を 固 定 し 、偏 回 帰 係 数 と 定 数 を 変 え た 修 正 F − M 式 と 新 規 な 重 回 帰 式を検討した。各油種で上記2種の推定式を確立後、検証用試料により、そ の精度を2σ(残差の標準偏差の2倍)で比較した。精度が悪い場合は再度 推定式を見直し、検証用試料に適用することを繰り返した。各油種の各推定 式での推定精度を図2.2−5に示した。 7 レ キ ゙ュ ラ ー カ ゙ソ リン ( 冬 場 用 ) レ キ ゙ュ ラ ー カ ゙ソ リン ( 夏 場 用 ) 7 N= 36 残差の標準偏差(σ)x2(℃) 残差の標準偏差(σ)x2(℃) N=33 6 6 5 4 3 2 1 5 4 3 2 1 0 0 IB P 10 30 50 70 留 出 量 (vo l% ) 90 97 IB P 10 30 50 70 留 出 量 (vo l% ) 図2.2−5 各油種の各推定式での推定精度 90 97 1A重 油 (共 用 ) 6 J IS 再 現 許 容 差 J IS 併 行 許 容 差 重回帰式 修 正 F-M 式 残差の標準偏差(σ)x2(℃) N=17 5 4 3 2 1 0 10 50 留 出 量 (vo l% ) 90 図2.2−5 つづき 新 規 の 重 回 帰 式 で は 全 留 出 点 が 規 格 試 験 方 法( J I S K 2 2 5 4 )の 室間再現許容差内で推定できた。 (ハ)各油種の引火点の推定方法の検証 蒸留 性状推 定 に 用 いた ガ スク ロ マト グ ラ フ より 、灯油 、軽 油 、A 重 油 の引 火 点 推 定 の 推 定 式 を 検 討 、確 立 し 、検 証 用 試 料 に よ り そ の 精 度 を 2 σ( 残 差 の標準偏差の2 倍)で検討した結果を表2.2−4に示した 。その結果をい ず れ の 油 種 も 規 格 試 験 方 法( J I S K 2 2 6 5 )の 室 間 再 現 許 容 差 内 で 推定できた。 表2.2−4 各油種の引火点の推定精度 油 種 検 証 試 料 数 残 差 の 標 準 偏 差 (σ )X 2 J IS 室 内 併 行 許 容 差 ( ℃ ) J IS 室 間 再 現 許 容 差 ( ℃ ) 灯 油 38 1 .9 1 .0 2 .0 A重 油 軽 油 夏 場 用 23 2 .3 2 .0 3 .5 冬 場 用 38 1 .6 2 .0 3 .5 17 2 .0 2 .0 3 .5 2.3 迅速試験方法の確立と検証 (1)ガソリンの組成分析方法の確立と検証 組 成 分 析 用 の G C( タ ン デ ム 法 )の 測 定 条 件 を 表 2 .3 − 1 に 示 し た 。目 的 成 分 で あ る ベ ン ゼ ン 、メ タ ノ − ル 、M T B E 及 び 灯 油 分 の 定 量 精 度 は 規 格 試 験 方 法(JIS K 2536)の室内併行許容差内であることを確認した。 表2.3−1 ガソリンの組成分析用のGC測定条件 G C 番 号 測 定 成 分 G C - 1 M T B E 、 ベ ン ゼ ン 、 メ タ ノ ー ル カ 島 津 K M - 2 ( 2 5 w t % .T C E P + 2 w t % .多 価 ア ル コ ー ル ) S U S 3 m m Φ x 3 m T C D (8 0 m A ) 2 2 0 ℃ 2 2 0 ℃ 1 2 0 ℃ ラ ム 検 出 器 注 入 連 結 検 出 温 恒 温 初 期 昇 温 中 間 度 昇 温 中 間 昇 温 最 終 キ ャ リ ア ー カ 口 部 器 槽 1 1 2 2 3 ゙ス 4 6 1 8 1 2 4 ヘ 5 ℃ ( 4 m in .保 持 ) ℃ / m in . 0 0 ℃ ( 7 m in .保 持 ) ℃ / m in . 2 0 ℃ ( 1 1 m in .保 持 ) 0 ℃ / m in . 5 ℃ / m in .( 7 m in .保 持 ) リ ウ ム 3 7 m l/ m in . G C - 2 灯 油 ( n - C 1 3 + n - C 1 4 ) C B P 1 ( メ チ ル シ リ コ ン 0 .5 μ m ) キ ャ ヒ ゚ラ リ 0 .3 3 m m Φ x 2 5 m T C D (1 0 0 m A ) 1 8 0 ℃ 5 0 ℃ ( 1 m in .保 持 ) 4 ℃ / m in . 1 7 0 ℃ ( 2 m in .保 持 ) 5 0 ℃ ヘ リ ウ ム 1 6 m l/ m in . 本 法 に よ り 、市 販 ガ ソ リ ン 7 2 試 料 を 測 定 し た 結 果 の 一 例 を 表 2 .3 − 2 に示した。 表2.3−2 市販ガソリンの組成分析結果の一例 レ ギ ュ ラ ー ガ ソ リ ン 試 料 M T B E 1 1 > (N D ) 2 1 > (N D ) 3 1 > (N D ) 4 1 > (N D ) 5 1 > (N D ) 6 1 > (N D ) 7 1 > (N D ) 8 1 > (N D ) 9 1 > (N D ) ( プ レ ミ ア ム ガ ソ リ ン 試 料 M T B E 1 6 .7 ( 6 .6 ) 2 1 > (N D ) 3 2 .6 ( 2 .7 ) 4 1 > (N D ) 5 1 > (N D ) 6 6 .5 ( 6 .4 ) 7 2 .1 ( 2 .3 ) 8 6 .0 ( 5 .9 ) 9 1 > (N D ) ベ 0 0 0 0 0 2 0 0 0 ( ( 単 位 v o l% ) ベ ン ゼ ン メ タ ノ ー ル 灯 油 分 1 > ( 0 .4 ) N D (N D ) N D (N D ) 3 .6 ( 3 .7 ) N D (N D ) N D (N D ) 1 > ( 0 .6 ) N D (N D ) 1 > ( 0 .6 ) 2 .0 ( 2 .0 ) N D (N D ) 1 > ( 0 .5 ) 2 .0 ( 2 .0 ) 0 .1 > ( N D ) 1 > ( 0 .4 ) 1 .4 ( 1 .4 ) 0 .1 > ( N D ) 1 > (N D ) 1 > ( 0 .7 ) N D (N D ) 1 > (N D ) 1 > ( 0 .6 ) N D (N D ) N D (N D ) 1 > ( 0 .2 ) N D (N D ) 1 > (N D ) )内 は 従 来 の 全 組 成 G C 法 に よ る 値 (単 位 v o l% ) ン ゼ ン メ タ ノ ー ル 灯 油 分 .3 ( 0 .3 ) N D (N D ) N D (N D ) .4 ( 0 .4 ) N D (N D ) N D (N D ) .3 ( 0 .3 ) N D (N D ) N D ( 0 .6 ) .4 ( 0 .4 ) N D (N D ) N D ( 0 .6 ) .4 ( 0 .4 ) N D (N D ) 1 > ( 0 .4 ) .7 ( 2 .8 ) N D (N D ) 1 > (N D ) .9 ( 1 .0 ) N D (N D ) N D (N D ) .5 ( 0 .5 ) N D (N D ) N D (N D ) .3 ( 0 .4 ) N D (N D ) N D (N D ) )内 は 従 来 の 全 組 成 G C 法 に よ る 値 い ず れ の 成 分 も 従 来 の 全 組 成 G C 法( 測 定 時 間 約 6 0 分 )で の 値 と 良 く 一 致 しており、本法により約45分で試験ができることを確認した。 (2)HPLCによるガソリンの実在ガムのスク リ −ニング方法の検証 ガ ソ リ ン の 実 在 ガ ム の ス ク リ − ニ ン グ 方 法 を 、全 国 石 油 協 会 で 提 案 さ れ た H PLCによる酸化生成物指数を用いて検討した。HPLCの測定条件を表2. 3−3に示した。 表2.3−3 ガソリンの実在ガムスクリーニング用のHPLC測定条件 カ ラ ム 検 検 恒 移 流 出 出 温 動 量 器 波 長 槽 温 度 相 5μ m シ リ カ ゲ ル / O D S 結 合 4m m Φ 、150m m 吸 光 光 度 検 出 器 260nm 40℃ 水 / ア セ トニ トリ ル 1 m l/ m in レギュラ−ガソリンをガソリン酸化安定度試験方法(JIS K 2 28 7)の酸化処理条件(酸素圧680∼703kPa、99.5℃∼100. 5℃)にて時間を変えて、実在ガムを変化させた試料を調製した。未処理の試 料 と 酸 化 処 理 し た 試 料 の 液 ク ロ マ ト グ ラ ム を 図 2 .3 − 1 に 示 し た 。こ の 液 ク ロ マ ト グ ラ ム よ り 下 式 に 規 定 し た 酸 化 生 成 物 指 数 を 求 め 、実 在 ガ ム を 推 定 する方法を検証した。 酸化生成物指数(%)=A/(A+B)×100 A:(ベンジルアルコールの保持時間X0.60から安息香酸メチルの保持時間)分の面積値 B:(ベンジルアルコールの保持時間X0.60から安息香酸メチルの保持時間X3.10)分の面積値 実在ガム(㎎/100ml) 図2.3−1 ガソリンの未処理試料と酸化処理試料の液クロマトグラム 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 N= 60 J IS 併 行 許 容 差 J IS 再 現 許 容 差 0 1 2 3 4 5 酸 化 生 成 物 指 数 (% ) 図2.3−2 ガソリンの酸化生成物指数と実在ガム 図 2 .3 − 2 に 酸 化 処 理 し た ガ ソ リ ン 及 び 検 証 用 の 市 販 ガ ソ リ ン の 酸 化 生 成 物指数と実在ガムの関係を併せて示した。 市 販 ガ ソ リ ン の 実 在 ガ ム の ス ク リ − ニ ン グ 結 果 、バ ラ ツ キ を 加 味 し て も 酸 化 生 成 物 指 数 1 . 5 % 以 下 で あ れ ば 、 品 質 確 保 法 で の 基 準 値 ( 5mg/100ml以 下 ) の合否のスクリ−ニング方法として適用できることが確認できた。 3.試験研究の成果 3.1 自動試験システムの総合評価 上位計算機からの制御信号により、各試験器の試験結果の精度を把握及び試験 結果が計器室でも表示できることを確認した。 3.2 多項目同時試験方法の検証及び推定精度の向上 (1)NIRによる多項目同時試験方法の検証 ガソリンのRON、RVP、灯油の煙点 お よ び軽油のセタン 指 数の推定方 法 を 検 証 し た 結 果 、い ず れ も 規 格 試 験 方 法 の 室 間 再 現 許 容 差 内 で 推 定 で き る ことを確認した。 (2)GCによる多項目同時試験方法の検証 ガソリン、灯油、軽油、A重油の蒸留性状、灯油、軽油、A重油の引火点推 定 方 法 を 検 証 し た 結 果 、い ず れ も 規 格 試 験 方 法 の 室 間 再 現 許 容 差 内 で 推 定 で きることを確認した。 3.3 迅速試験方法の確立と検証 (1)GCによるガソリンの組成分析方法の確立と検証 本法により市販ガソリンを分析した結果、従来の全組成GCと良く一致し、 迅速試験方法として適用できることを確認した。 (2)HPLCによるガソリンの実在ガムのスク リ −ニング方法の確立と 検 証 本法により市販ガソリンの実在ガムをスクリ−ニングした結果、迅速試験方 法として適用できることを確認した。 4.まとめ 4.1 自動試験システムの総合評価 システ ム を自動 運 転 し 、各 試 験器 での 試 験 結 果 の 精度 、試験 結 果 の 計器 室 への 転送が正常であることを確認した。 4.2 多項目同時試験方法の検証及び推定精度の向上 NIR,GCに より各油種の各試験項目が、全て規格試験方 法の室間再現許容 差内で推定できることを確認した。 4.3 迅速試験方法の確立と検証 GCによるガソリンの組成分析方法、HPLCによるガソリンの実在ガムのスク リ−ニング方法が迅速試験方法として適用できることを確認した。 Copyright 1999 Petroleum Energy Center all rights reserved.