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リコードキュメントハイウェイ
リコードキュメントハイウェイ リコーが、デジタルネットワークオフィ 格を用いた環境でネットワークを活用し業 ことができます。1つは、お客様がブロー スの構築に着手したのは、80年代中盤のデ 務を進めることができます。また、すべて ドバンド技術をフルに活用できるというこ ジタル複写機開発プロジェクトを立ち上げ のシステムアプリケーションをモジュール とです。世界のどこからでも、インターネ た時でした。それ以来培ってきた技術は今、 化することにより、お客様は共通の操作コ ットや他のネットワークを通じて、あるい リコードキュメントハイウェイ構想に結実 マンドを使用でき、さらにシステムの拡張 はワイヤレス通信を通じての情報のやりと しています。リコードキュメントハイウェ も簡単に行うことができます。 りが可能となります。2つめは、XML の採 イのコンセプトとは、リコー製品とアプリ このアーキテクチャー開発にあたって、 用により、お客様はさまざまな形態の情報 ケーションをシームレスにネットワーク 2つの目標を定めました。1つは、作成した 端末―メインフレームやグループウェア、 し、オープンアーキテクチャーの環境でア インターフェースのソースコードを外部に ドキュメントマネジメントシステムなどか プライアンス*1を実現させるというもので 公開するということです。これによりお客 ら、いつでもどこでも必要に応じて情報に す。これにより、企業内のドキュメントの流 様は必要に応じてインターフェースのカス アクセスすることが可能となります。 れを効率化させることを目標としています。 タマイズが可能です。また、システム変更 このように、リコードキュメントハイウ このユーザーフレンドリーなオープンア やバージョンアップの際の複雑な手順も簡 ェイは、お客様の望むドキュメントマネジ ーキテクチャーを採用することで、リコー 素化します。2つめは、インターネットの メントに対するパワフルなソリューション の企業スローガンである「イメージコミュ 世界で業界標準となっているマークアップ として開発されました。このコンセプトは ニケーション」を真の意味で具現化するこ ランゲージ、XML に基づいてお客様がデ 現在、単なる開発段階ではなく、すでに製 とができます。 *2 ータを共有できるということです。シーム 品化に反映させています。リコーは、この リコーではすでに、パーソナルビジネス レスなコミュニケーションを望むお客様に インフラをフルに活用し、ドキュメントハ 機器からスタンドアロンあるいはマルチフ とってXMLの採用は不可欠といえます。さ イウェイをさらに拡張していきます。私た ァンクションの事務機器までを含む画像機 らにXMLにより、競争力のあるシステムを ちの挑戦は、ドキュメントの渋滞を解決し、 器すべてに共通のアーキテクチャーを採用 迅速に提供できるため、サードベンダーの それによって技術的障壁のない使い勝手の することにより、家電製品のような使い勝 皆様は顧客の要望をとり入れたシステム設 良いシステムを、お客様に活用していただ 手の良いアプライアンス製品の開発を推し 計が容易になります。 くことにあります。 進めています。これによりお客様は追加で また、リコードキュメントハイウェイの 高価な製品を導入することなく、共通の規 活用により、新たに2つの価値を提供する *1 「アプライアンス・Appliance」はリコーの登録商 *2 XML(eXtensible Markup Language)はインターネット 標。 「作業のしやすさ」 、 「管理のしやすさ」 、 「情報 活用のしやすさ」をめざしたリコーの、お客様へ の価値提供の考え方です。 上で扱うデータを記述するための新しいデータフ ォーマット。文書処理からeコマースにいたる、ネ ットワーク上でのデータ処理のあらゆる面で活用 されています。 Easing the Way to an Open Road 6 Input 入力 Desktop document creation and information use Distribution 配信 Network, device, and system management デスクトップ 管理 Intranet/Internet Distribution イントラネット/インターネット 配信 Storage and retrieval Output 保管・検索 出力 Input 入力 Applications integration アプリ統合 7 リコードキュメントハイウェイ リコーはソリューションプロバイダーと が開発でき、それにソフトウェアやサポー スリープモードからの高速復帰を可能にす して、ドキュメントハイウェイ構想に基づく トなどを組み合わせることで、際立ったソ るため、当社従来機に比べ1/7 の薄さとな 製品開発を推し進めるとともに、その基盤 リューションを提供できるからです。この る0.4mm以下の定着ローラーを搭載。この となるスタンドアロン機器、あるいはネッ 実現のために、ソフトウェア技術に、処理 新開発の定着ローラーは単に薄さを追求し トワーク接続機器分野も強化しています。 技術や生産技術、システム開発技術を組み ただけでなく、従来性能と同等の耐久性も 合わせた総合的な開発を行っています。 実現しています。さらに、低融点のトナー 当社では事業領域を4 つの階層に分け、 段階的にレベルアップを図っています。1 こうしたリコーの取り組みは、たとえば の開発により省エネ化も実現しています。 つめの階層は、スタンドアロンの画像機器 画像機器のアナログからデジタルへ、ある より良い製品を開発することは重要で です。2 つめの階層はネットワーク接続機 いは近年のモノクロからカラーへ、という す。それと同時に、より価格競争力のある 器であり、この中にはマルチファンクション 事業転換に結実しています。そして価格競 商品を投入することもまた重要です。この プリンターやレーザープリンター、スキャナ 争力があり、他社にアドバンテージを持つ 考え方は、ミドルウェアとして機能する超 ーなどが含まれます。3 つめはプリンティン 製品開発を可能にしているモノづくりの技 並列エンジン搭載の画像処理用LSI を生み グソリューションであり、4 つめはドキュ 術は、現在の製品群に活かされています。 ました。このLSI は画像処理能力において たとえば、ガラスよりも低コストで、か 汎用プロセッサーの約100倍程度の価格性能 ドキュメントソリューションの階層にま つ画像処理の柔軟性を実現したプラスチッ を実現しています。さらに画像機器の開発 でレベルアップすることによりお客様がシ クレンズの開発があります。また、ミクロ 段階で、画像特性を随時修正することが可 メントソリューションです。 ステムによって業務改善を成し遂げ、TCO ンレベルの化成品技術により、高耐久性を 能であり、その結果、開発期間の大きな短 (Total Cost of Ownership) 削減ができること ドラムを、さまざ 実現した光半導体 (OPC) 縮が図れます。新たに市場に投入したデジ を目標としています。そのためには私たち まな複写機やプリンターのサイズ、仕様に タル複写機 imagio Neo 220/270は、このミ の企業としての努力や経営資源をそこに集 あわせて開発しました。トナーを用紙面に ドルウェア LSI を搭載した世界初のデジタ 中させなければなりません。 転着させるトランスファーベルトの開発 ル複写機です。 しかしそれには、基盤となる1つめのス は、エネルギー消費量の大きいコロナ放電 材料から先進のデバイス分野まで、今日 タンドアロン機器、2 つめのネットワーク を排除し、コストのかかるファンの排除も の、そしてこれからのオフィスシステム機 接続機器の開発が大切となってきます。な 可能にしました。 器を強化する先進の技術を、リコーは開発 ぜでしょうか?それはメーカーとして、コ 最近では、環境保全型製品imagio Neo 350(海外名称:Aficio 1035) が最新技術を搭 しつづけます。 アコンピタンス技術を用いたものづくりを 強化することによりすぐれたハードウェア 載したものとしてあげられます。たとえば、 Solidifying Our Foundations 8 imagio Neo 350(写真上)が待機時モードから高速 で復帰できるよう、当社比約1/7の0.4mmながら、 当社独自のミドルウェアLSIは、開発期間の短縮やコスト削減ばかりで なく、機器特有の画像処理を飛躍的な早さで向上させます。デジタル 複写機 imagio Neo 220/270は、ミドルウェアを搭載した世界初のオ 高耐久性を実現した超薄形の定着ローラーを開発し ました。さらに、従来より低い温度で軟化する低融 点トナーも開発し、省エネ化に対応しています。 フィス機器です。 9 リコードキュメントハイウェイ 談が成立しました。この契約により、シャ リコーのプリンティングソリューション 当期は、たくさんのプリンティングソリ は、マルチファンクションプリンターやレ ューションの納入成功事例があります。米 ロント・マリチム・ドゥ・セーブル地区 ーザープリンターなどのハードウェアと、 国販売関連会社リコーコーポレーションは (大西洋地域) の各支社に計1,500台、シャロ ソリューションソフトウェア、コンサルテ United States Postal Serviceと、デジタル複 ントペリゴール地域に計1,100 、ノルマン ーション、そして導入後のサポートやサプ 写機、関連消耗品、保守サービスを供給す ディー地域に計1,500 台のレーザープリン ライの供給から構成されています。企業が る唯一のサプライヤーとしての10年におよ ターを納入しました。このほかにも大規模 ネットワークで結ばれ、オフィス機器のよ ぶ契約を交わしました。この総額 2 億米ド な商談として、Michelin グループ、Royal り効率的な活用が求められている現在、こ ル程度になる見込みの契約で、リコーの技 Dutch/Shellグループ、Lear Corporationな のようなソリューションの提供は必要不可 術やサービスによって生産性の改善がもた どと多国間にまたがる規模での契約に成功 欠です。当社にとっても、シェアの向上と、 らされ、それにより同社は年間 7,400 万米 しています。 お客様満足度の向上につながるという点 ドルの経費節減を見込んでいます。リコー リコーの強力な世界規模のサポートネッ で、大変有益なものとなります。 コーポレーションはそのプランニングから トワークは、これらの大企業に大きな信頼 機器の設置、そして保守サービスまでをス を得ています。リコーのネットワークには、 ビジネスは現在、国内で堅調に推移してお ケジュール通り、そして予算通りに行い、 り、海外においても着実に成長しています。 契約を履行していきます。 グループ傘下企業であるGestetner Holdings PLCの60カ国におよぶ販売網も含まれます。 さらに2001 年1月には、米国ジョージア州 リコーのプリンティングソリューション ソリューション提供にはいくつかのキー また、世界規模でビジネスを行うお客様 ポイントがあります。たとえば、お客様そ に対し、多国間にまたがってプリンティン れぞれのプリンティングに対するニーズに グシステムの一括納入を行う、グローバル プに加えました。レニエ社は世界100 ヶ国 基づいてネットワーク環境上で最適な出力 メジャーアカウントプログラムを開始しま に1,600の販売・サービス拠点を有する企業 機器配置を行うことにより、お客様のトー した。このプログラムにより、英国に本拠 で、その強みとして、米国フォーチュン誌 タルな生産性を改善することができるとい を置く世界的なファクトリーオートメーシ の企業500 社ランキングに名を連ねる多数 う点です。また、機器本来の信頼性や高生 ョン・コントロールシステムメーカー、 の大企業顧客を持っています。 産性だけでなく、ネットワークマネジメン トソフトウェアを通じてTCOの削減も実現 Invensys plcと、2,000台のデジタル複合機 を、55カ国の拠点に向けて2003年中盤まで ーション事業をさらに強化し、お客様のニ します。これらのアプローチにより、出力 に納入するという契約を交わすことができ ーズに応えていきます。 する紙の消費量を最少化し、お客様の経費 ました。また、フランスの大手農業系銀行 削減を支援します。 Crédit Agricoleとも大規模なプリンターの商 アトランタに本拠を置くレニエ社をグルー 今後、同社の直接販売網を通じてソリュ Pursuing Printing Solutions 10 リコーコーポレーション社長兼 CEO 吉田勝美 (左) 、United Postal Service社購買・マテリ アルサービスセンターマネージャーRaymond Thompson氏(中)、リコーコーポレーション 。10年にわたる納入・ 上級副社長Jim Ivy(右) 保守契約に含まれるデジタル複写機の前で。 リコーグループは、英国に本拠を置く世界 的な FA・コントロールシステムメーカー リコー社長兼 COO 桜井正光(前列左)、レニエ会長 Invensys社と、2,000台のデジタル複合機 を、55カ国の拠点に向けて2003年中盤ま Wes Cantrell(前列右;役職は当時)と、リコー、リコ ーコーポレーション、レニエ社の役員(後列) 。2001年 1月、レニエ社取得の調印式にて。 でに納入する契約を交わしました。写真は 同社グローバルコモディティーマネージャ ーのSuzanne McAuley氏。 レニエ新会長兼CEO後藤則久(左から2人目)と社長兼 COO Lance Herrin(中央)。本社での経営会議にて。 フランスの大手農業系銀行であるCrédit Agricoleとプリンター機器、サプライ、ソ フトウェアからなる総合的な納入契約を交しました。この契約により、シャロント・ マリチム・ドゥ・セーブル地区(大西洋地区) 、シャロント・ペリゴール地区、ノルマ ンディー地区の各支社に、合計4,100台のレーザープリンターを納入しました。 11 リコードキュメントハイウェイ リコーは、貴重な地球資源を守ることが 報告することが可能です。また、環境経営 務系・工場系の消耗品や使用済み機器、そ 単に地球環境に対してだけでなく、事業を の実績を端的に語るものとして、日本経済 して製造過程で発生する廃棄物などがあり すすめる上でも利益になると考えていま 新聞社が毎年実施する環境経営度調査があ ます。またリコーエレクトロニクスでは、 す。そのために現在、 「環境経営」を推し ります。リコーはその調査で、3 年連続で その成果を誰もが見学できるようにしてい 進めています。リコーの製品やサービスを 首位に選ばれています。 ます。 製品分野では、国際エネルギー機関 (IEA) お使いいただくことによって、消耗品の削 さらに、リコーが経済的・環境的費用を 減や省エネルギー化を達成できるだけでな 削減している顕著な例として、ごみゼロ活 の定める複写機のデマンドサイドマネジメ く、生産性も向上し、お客様はTCO削減が 動があります。たとえば国内の沼津工場は、 ントプログラムを世界で初めて満たした 可能となります。 再資源化率100 %のごみゼロを達成したこ imagio Neo 350(海外名称:Aficio 350)を開 同時にリコーは、生産から、販売・サー とにより、廃棄物にかかわる直接・間接の 発し、他社に抜きん出た省エネ型製品を提 ビスまでのすべての事業側面で環境負荷の 費用を約6,300 万円削減することに成功し 供しています。imagio Neo 350は、待機時 低減を図ろうと努力しています。そのため ました。また海外では、2000年6月にリコ 消費電力が当社従来機比1/10 のわずか 7 ワ に環境技術や環境保全に対する施策を、リ ーインダストリーフランスS.A. が、廃棄物 ット、復帰時間は従来機比1/8 の10 秒以内 コー自らが活用し検証しています。そして の埋め立てを全廃したごみゼロを達成しま を実現した製品です。環境対応型の事務機 世界5極の地域で環境経営のプログラムを した。さらに米国リコーエレクトロニクス 器は、同時に高生産性も実現するというこ 実施し、世界各国の環境保全担当者は、年 とを、この複写機によって証明しました。 1回開催される全社環境大会で、それぞれ Inc.は当初の計画から1 年前倒しをした2001 年3 月に、カリフォルニア、ジョージア、 の成果から互いに学び合っています。 そして関連会社のメキシコにおいてごみゼ したばかりでなく、2000年度経済産業大臣 ロを達成しています。これらの工場では、 賞も受賞しました。 環境経営を実践するひとつの例として、 経営上の意思決定の指標となるだけでな R e f u s e( ごみになるものを買わない)、 Return(仕入れ先などに戻せるものは戻す) 、 Reduce (ごみを減らす) 、Reuse (再使用する) 、 Recycle(再資源化する) を合言葉に、活動を く、顧客や株主、地域の住民の方々に対し すすめました。埋め立てを全廃したものに て、環境負荷低減と経済効果のバランスを は、食品、紙、プラスチック、ガラス、事 環境会計システムの導入があります。この 会計システムによって、環境費用と環境保 全の効果が明らかになります。これにより、 同製品はIEAから「未来の複写機賞」を受賞 リコーは環境保全に責任を担うことによ り、事業の上でも製品分野でも廃棄物を低 減し、経済的な無駄も省いていきます。 リコーは世界各国で、環境保全に関する地 域密着型の活動を行っています。例えばフ ィリピンでは、シェラマドレの熱帯雨林保 全活動に取り組んでいるNGOとともに活 動をすすめています。 Wasting Nothing 12 カリフォルニア州、ジョージア州、メキシコに拠点を持つ 米国生産子会社リコーエレクトロニクスでは、廃棄物の埋 め立てを全廃したごみゼロを、当初の計画より1年も早く 2001年3月に達成しました。これらの工場では、Refuse (ごみになるものを買わない) 、Return(仕入先に戻せるも のは戻す) 、 Reduce(ごみを減らす)、 Reuse(再使用する)、 Recycle(再資源化する)からなる、徹底した“5R”計画を 実施しています。ジョージアの工場では、 「ゼロヒーロー」 というキャラクターを設定し、ごみゼロ活動を楽しく進め ました。 リコーエレクトロニクスのタスティン工場 (カリフォルニア州)では、地元の小学生、 保護者、先生とともに、環境保全活動を進 めています。写真はMadison小学校の児 童達。従業員と一緒になって美化運動を行 い、その活動を表す絵を工場の壁面に描き ました。 リコーUKプロダクツでは、環境保全活動の長い歴史を 持ち、事業の中心となる環境経営を推進しています。 環境保全活動では複写機のリサイクルなども含まれて います。同社では2001年9月に、廃棄物の埋め立てを 全廃したごみゼロの達成を予定しています。 リコーインダストリーフランスでは、2000年6月にごみゼロ を達成したばかりでなく、サーマルペーパー生産ラインでの 水使用量を削減しました。またトナーカートリッジ用の箱を、 さらに環境対応型となるように改善しました。 13