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知っていますか?子どもの育ちNo3
東京成徳大学 子ども学部教授 今井和子氏より引用 ~~~~赤ちゃんの笑い~~~~ 取り戻そう大人と子どもの豊かなコミュニケーション 笑いは人と人とのかかわりを気持ちよく成立させる最も有効な手段です。 にこにこキャッキャッ、さっき泣いたからすがもう笑った。昔から「よく泣く子どもほどよく笑う子どもに育 つ」と言われてきましたが、最近どうも乳児の笑いが乏しくなっているように思えてなりません。もし育児に あたる人が子育てに対し不安やストレスを抱えていたとしたら、育てられる子どもも不安になり双方に笑い が生れるはずがありません。 生後1~2 ヶ月頃までは、生理的微笑と言われるいわゆる対象のない笑みを浮かべることがありますが、 2 ヶ月頃からは、周りの大人の笑顔に祝福されて、人の顔に対して最もよく笑うようになります。この時期に 乳児の笑いを引き起こすものは人の顔、つまりは「あなたが笑えば、私も笑う」、自分の世話をしてくれる大 人の笑顔に触発されて赤ちゃんの笑顔が生れます。『あなたが生れてきたこと、何よりの喜びよ』という大 人の笑みは乳児に『私は愛されている』という喜びの感情を育みます。それは相手と融合した関係の中で 生じてくる、いわば感情や気持ちが繋がりあう劇的な出来事を意味します。このような快感情の共有こそ 『人っていうものはいいものだ』『人と一緒にいることは楽しい』というコミュニケーションや『私は周りの人に 祝福されている』『生れてきてよかった』と自分の存在の意味や喜び、さらには自尊感情を育むことになりま す。アメリカの心理学者エリクソンはこの時期の笑いを「社会的微笑」と呼び、乳児期の重要な発達課題とし ています。さらに乳児の首のすわりが安定してくると笑い声がでてきます。この時期はあやしたり、おはし ゃぎ遊びをいっぱいしてあげましょう。あやされ笑うことによって手足の動きが活発になり声がよくでるよう になります。言うまでもなく言葉の習得、つまり笑うことで発生力が促されるので す。さらに機嫌のよいときだからこそ相手への親愛が深まります。人は喜びや感 情を共有しあう経験なしには自分をつくりあげていくことはできないのではない でしょうか。