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アフガニスタン女性センター(afgan 98KB)

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アフガニスタン女性センター(afgan 98KB)
アフガニスタンからの報告
2007 年 3 月 10 日
女性に役立つ融資
資生堂クラブは、ユニフェム・アフガニスタンを通して、アフガニスタン、ガズニ州の NGO 組織「パルワズ」が実施を
担当する小額融資と貯蓄プログラムの資金を提供しています。このうち、小額融資は、貧しい女性とその家族が
現在の状況で暮らしを成り立たせるため、小規模な自営業を始めたり維持する資金を提供します。貯蓄プログ
ラムは、草の根レベルでの資本の蓄積を可能にする手段であり、不意の出費にも充てられます。
プログラムの目的
プログラムの目的は社会的かつ経済的で、貧しい顧客に働きかけ、自分達で連帯責任組織を作るように仕向
け、こうしたグループが独立して機能するよう、能力をつけさせます。言い換えれば、パルワズは触媒として機能し、
ガズニの女性たちの社会的脆弱性を改善し、経済的・社会的エンパワーメントをもたらすよう、小額融資システ
ムを促進しています。
方法論
小額融資と貯蓄のプログラムは、関心のある女性たちがグループを結成することに対して貸し付けを行う、連帯責
任グループが基盤になっています。担保を持たない女性たちにとって、グループで相互のローン返済を保証し合う
この方法は、経済活動のための借り入れを可能にします。近所に住む女性たち 10 人から 12 人を集めてグルー
プを作り、毎月ミーティングを開き、貯金を集めたりローンを支払ったりします。貸し付けは、メンバーの保証に基づ
いて、小さな金額を少しずつ増やす形で行われます。
連帯責任グループの毎月のミーティングは、女性たちが集まって意見を出し合い、交流し、健康や保健といった
社会経済的、対人的問題などに、幅広く団体活動を始めるきっかけも作っています。
対象グループ
対象グループは、ガズニ州の 2 つの地域、都市部と農村部に住む、貧しく、弱い立場の女性たちです。こうした女
性受益者たちは、何世代にもわたって伝えられた生業の技術を持っていながら、事業を始める資金がありません。
このプログラムに参加するには、女性たちは何か技術を持っているか、それを証明するか、簡潔で現実的な事業
計画を提示しなければなりません。
女性たちが従事している経済活動の多くは家内事業で、主婦が娘たちと一緒に生産に当たり、夫、父親、兄弟
達が販売を行うといったものです。ある女性によれば、以前は敷物、ソックス、手袋などの生産業に雇われていた
のが、ローンを借り入れることができて、自分で材料や道具を購入し、事業を始めることができました。
今日まで、ローン貸し出し件数は 370 件、合計貸付け準備金額は 70,656 ドルになっています。ローンの平均金
額は 139 ドル。女性たちはローンを、畜産、カーペット織り加工、羊毛紡ぎ、仕立て業、美容院、自家製パン屋
など、様々な事業経営に投資しています。
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コージャ・オマリー・地域
ハイダルバッド地域
(利用者人数 215 人)
( 利用者人数 153)
畜産従事者 123 人 (夫婦)
商店経営の夫の手伝い89人
商店経営の夫の手伝い 16 人
家内ベーカリーと美容院経営 2 人
未亡人 5 人。カーペット織り加工、仕立て業、
仕立て業 44 人
畜産業に従事
未亡人 4 人。カーペット織り加工、仕立て業、
ベーカリー、養鶏に従事
利用者
カメラさんは、100 ドルのローンを受取り、娘や息子たちとともに、カーペット織りの事業に使っています。ローンは、
カーペットを織るのに必要な原料を買うのに充てられます。事業の利益から、子どもたちの健康管理に備え、牛
も1頭買い、一部は事業資金に戻し入れしました。
このプログラムで気に入っていることは、最初の返済が始まるまで、1ヶ月の猶予期間が与えられていることです。
この間に、カーペットを織って売ることができます。今では、近所の人々も、カーペット織りを覚えるために子どもを
彼女のところへ通わせるようになり、近所でも一目置かれるようになったと感じています。
また、グループを通して受けるビジネス研修からも、カーペットの材料や色について新しい技術が学べます。今では、
自分のカーペット織り事業の収支計算がよく理解できるようになりました。、
カージャさんは、乳牛を飼っています。プログラムに加入したのは、ローンを借りて、乳牛が草を食べる牧草地を借
りるためでした。彼女は、家族と一緒にこの事業をやっています。いま2度目のローンを借り入れ、利益の一部を
家の建材を買うのに使い、動物も新たに買い入れて、事業拡張を図っています。
ハミダさんは2005年にプログラムに加入し、いまは3回目のサイクルに入っています。彼女はローンを、夫と一緒
にやっている畜産事業に使いました。その収益で、一家は自宅にカーペットを購入し、一部は事業のために再投
資しました。ハミダさんも、家族や近所の人たちから尊敬されるようになったのを感じています。
畜産の仕事を始めたい近所の知人も、ハミダさんのところに相談に来ます。彼女は、買った家畜からヨーグルトや
バター、チーズなどを作ることも覚え、酪農生産をやれる自信を持ちました。乳製品は一家により多くの収入をも
たらし、家族の利益につながります。夫も、家畜の飼育に関しては、以前より商売が上手くなった、とのことです。
サキナさんは未亡人で、4 人の子どもがいます。彼女は、市場に行って殻つきのアーモンドを買い、家で殻をむき、
息子にそれを市場で売らせて生計を立てています。サキナさんは、多数の市場の商人と契約をしていますが、地
元の市場より大きな市場を探したいと考えています。
今後の発展
パルワズは、100 パーセントの返済率とローン資本のリスク0(ゼロ)パーセントを誇り、今年もその成績を維持した
いと考えています。利用者たちは、他の小額融資組織にくらべ、パルワズの柔軟でシンプルな方式が気に入って
いる、と語っています。パルワズは、支援が必要な地方の女性へのサービスをさらに拡大し、保険や消費といった分
野のニーズに対応するローン商品の開発も始めたいと考えています。
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