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第5回吹上・釜蓋遺跡整備活用委員会 [PDFファイル/354KB]

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第5回吹上・釜蓋遺跡整備活用委員会 [PDFファイル/354KB]
会
議
録
1.会議名
第5回 吹上・釜蓋遺跡整備活用委員会
2.議題
整備活用基本計画(案)の説明
3.開催日時
平成24年3月28日(水)9:30~11:30
4.開催場所
教委プラザ中会議室
5.傍聴人の数
なし
6.非公開の理由
なし
7.出席した者(傍聴したものを除く)とその氏名
委
員:大島委員、岡村委員、東條委員、小島委員長、五島副委員長、平澤委員、八木委員
オブザーバー:澤田氏、滝沢氏(以上新潟県)、木島氏(糸魚川市)、佐藤氏(妙高市)
事
務
局:中野教育長
生涯学習推進課:上野課長、中西副課長、小島係長、新保主任、中村主任、 草間主任
新幹線・交通政策課、観光振興課
8.発いの内容
以下のとおり
中野教育長
お早うございます。年度末の忙しい中お集まり頂きありがとうございます。前回、第4回の委員会の中で具
体性が見えない、どのような整備なのか判らない、といった厳しい指摘を頂きました。今回は史跡整備の原
点に立ち戻って、内容の見直しを図りまして、専門である平澤委員、並びに岡村委員に御相談をさせて頂き
ながら、小島委員長に御指導を頂きながら作業を進めて参りました。本日は前回からの修正と整備イメージ
の御説明を致しますので、御意見を頂きたいと思います。新幹線開業に合わせて、市民に愛される史跡とな
るような整備を進めていきたいと思いますのでどうぞ宜しくお願いします。委員の皆様には8ヶ月間、5回に
渡り御協力頂きました。来年度からも引き続き御指導、御意見賜りたいと考えます。どうぞ宜しくお願い致
します。
小島委員長
年度末のお忙しいところありがとうございます。今回の修正案を読ませて頂きましたが、糸魚川市の木島
さんには、なんだか叱られそうな文章もありますけど、前回6日から事務局の中村さんと一緒に作業して参り
ました。改めて感じましたが本当に夢が膨らむ内容なんですね、私が学生時代に糸魚川市の青木先生が仰ら
れました「奴奈川姫は色が黒かったんだ。3つの黒姫山に囲まれた範囲が奴奈川だったんだ」この様ない葉を
鮮明に覚えています。今回の計画でこういった事柄を具体的に解明していく、いいきっかけになればいいと
思います。また、今日の委員会で終わりという訳ではありませんので、これからも委員の皆様には宜しくお
願いしたいと思います。
それでは議事に入ります。整備活用基本計画の説明を事務局からお願いします。
事務局(中村)
前回の委員会で頂いた委員の皆様の貴重な御意見を参考にさせて頂きまして、今回内容を再編集して参り
ました。それでは御説明致します。
先ず全体の構成からお伝えします。目次の第1章、2章は計画の目的と背景です。ここでは目的を明確にし、
これまで実施してきた事を整理する為、1-1目的、2-2-2「弥生のムラ」コミュニティーパーク事業に文章
を追加しました。次に第3章、第4章は計画の前提です。17頁、3-1 3遺跡の概要と遺跡群としての評価、21
頁、4-1 斐太遺跡群の現状を今回新たに書きました。続く第5章が今回の計画で最も大切なところです。前回
を踏まえて具体的に、この遺跡ならでは、という計画になる様な再編集をして参りました。全体を通して内
容を見直し、必要な部分だけを洗い出してスリム化を図りました。またページの入れ替えを行う中で内容の
整理も致しました。それでは内容について御説明します。
1頁、こちらの真ん中部分の段落を位置分追加しました。新幹線開業に合わせて駅前に立地する釜蓋遺跡、
吹上遺跡の整備活用の必要性があることを銘記しました。次に15頁を御覧下さい。
第2章では、まちづくり、文化財保護施策ともに吹上遺跡、釜蓋遺跡を重視している中で、弥生のムラコミ
ュニティパーク事業は平成19年に着手し、吹上遺跡では古代米づくりや釜蓋遺跡では土地の公有化、発掘調
査などを行っている。この様な内容を書きくわえました。続きまして17頁を御覧下さい。第3章の3-1 3遺跡
の概要と遺跡群としての評価はこれまでの調査成果をもとに新たに書きました。3遺跡の概要と、遺跡群とし
ての評価を書いております。先程小島委員長よりお話があったとおり、奴奈川姫は色が黒くその統治範囲は3
つの黒姫山に囲われた範囲だ。とするお話を聞いたことが私もあります。今回の斐太遺跡群は丁度その真ん
中に位置します。このクニと遺跡群の間に関係はあるのか、もしかしたらこの遺跡軍がこのクニを解明でき
るのではないか、そのようなイメージを持って書いたものです。
それでは26頁、吹上遺跡と釜蓋遺跡の整備活用を御覧下さい。本計画の策定にあたり、新幹線新駅前とい
う立地から、委員からは賑わいを生む様な整備活用を、という御意見を頂きました。しかしながら現状では
史跡の詳細は不明であり未だに解明の途上にあります。日本一知名度の低い史跡と岡村委員から御指摘を受
けているとおり、この現状を打ち破る方法を事務局の中で話し合いました。そこで遺跡からの様々な情報を
発信したら、それを知った人から楽しんでもらおう。という意見が出ました。それならば積極的に情報を発
信して、それを知って、楽しんでもらい、その人から発信してもらえば、尐しずつでも遺跡の知名度を上げ
る事ができ、遺跡に関わりを持つ人が増え、賑わいが生まれるのではないか、そのように考えました。知名
度を上げる為、遺跡が持っている魅力を「発する」ことが「知」ってもらい、それをもとに「楽」しんでも
らうことに繋がる。それが賑わいを生む。このことから、「発する」を重視し、「ひたすら史跡を有名にし
たい」とう思いから、吹上遺跡・釜蓋遺跡の魅力の発見と普及を目標に掲げました。ちなみにただ発するだ
けでは力が足りないと考えています。元気に頑張ってハッスルして発するという気持ちもこのい葉に込めて
みたつもりです。
それでは、その賑わいを生む為に遺跡のどんな魅力を発見し普及していくか、次の頁、5-2の基本方針では、
キーワードに「米」「ヒスイの玉」「2200年続く史跡の技」という特色を選び「奴奈川の謎」「賑わい」を
加えた5つの基本方針を立て、それを発信することを整備活用の基本方針としました。5つの柱はキーワード
を整理して、「賑」「米」「交」「技」「謎」と致しました。具体的な活動は其々の柱の下に書き込んであ
りますのでお読み頂ければと思います。私からはここに込めた事務局の思いを説明させて頂きます。
柱のひとつめ「賑」:「市民と遺跡を結び「にぎわい」を発する」は、その次の賑わいを生む為の第一歩
と考えています。人を呼ぶ呼び水として、人が集まる仕掛けとします。普段から人がいるようにするために
学校教育との連携や、日常的に使う中で、先ず地域の人がそこにいる事、集う事、そして子どもたちを呼び
込むことを狙っています。
2つ目は「米」:「コメどころ越後の「米作り発祥」を発する」です。上越市の基盤といえば農業、それも
コシヒカリです。古代米づくりや商品化をする中で、現代のコシヒカリを前面に押し出してうまい上越米の
ブランド力を高める事が狙いです。
3つ目は「交」:「東西日本文化の「交差点」を発する」です。これは上越市の地域特性であり交差点とし
てヒスイの流通実験を通して糸魚川、長野、更には佐渡も入れることで交流人口を増やす事を狙いとしてい
ます。
4つ目は「技」:「「新幹線」の駅前で積み重ねられた2200年間の技を発する」です。里山や扇状地で弥生
時代から培われた生活の知恵や技が、新幹線を降りたら5分で弥生時代という便利さを体感できることから新
幹線を乗り降りする人を増やす事を狙っています。
5つ目が「謎」:「「奴奈川のクニ」を解き明かす活動を発する」は、発掘調査や奴奈川討論を通して、弥
生時代から古墳時代の上越の物語をつくり、日本の神話の迫る想像力や知的好奇心を満たす事で史跡の知名
度を上げる狙いです。
こうした仕掛けにより知名度を上げ、賑わいを生む事をめざすこの5つの柱を通していえる事は、遺跡だ
けでは賑わいを生むことが難しいという事です。その為に様々な仕掛け、取組の中で他分野の方々や市民の
皆さん、また糸魚川市さんや妙高市さん新潟県さん、と手を取ってみんなで奴奈川のクニ、斐太遺跡群応援
団となってお互いに盛り上がっていかなければならないと考えています。
その為の具体的な取組が 38 頁、5-7-2 活用の内容です。こちらは今年度おこないましたワークショップの
成果も踏まえた具体的な内容です。こうした具体的な取組を何時仕掛けるのか、こちらは 29 頁、新幹線開業
迄の整備活用の展開に記しております。こうして見るとこれだけで充分やることが多いです。とても重いも
のになっております。事務局だけではなかなかできないものだと思っていますので、是非、委員の皆様から
御協力をお願いしたいと思います。
こうした活動を行っていく場所のゾーニング、それを 31 頁に載せました。先程の 5 本柱のうち、米に関し
てはおもに吹上遺跡での展開を考えています。釜蓋遺跡では用地を 4 つにゾーニングしまして、環濠の内側
は発掘調査を継続して謎の解明を図る、釜蓋を体感するゾーン。環壕の外側は花で賑わいを生む季節を表現
するゾーン。東側は舟運に使われた川だったと想定されるところなので人々が交流するゾーン。オレンジ色
のところは新幹線を降りたゲートウェイとなりますので遺跡を発信するゾーン。です。ゾーニングに従いま
して必要な施設を配置したのが次の頁の整備平面配置図です。平成 27 年度の姿はこのようなイメージで考え
ています。
以上、吹上・釜蓋遺跡整備活用基本計画の内容につきまして説明をさせて頂きました。御議論宜しくお願
い致します。
小島委員長
前回の委員会では平澤委員さんから具体的な内容が見えないという厳しい指摘を頂きました。今回は要ら
ないところが無くなり、具体性も見えてきました。それと中村さんの思いも見えてきたのかなとも感じてお
ります。先ず前回御指摘頂いた平澤委員さんから印象をお聞きしたいと思います。
平澤委員
文章の構成や方向性だとかは基本的に示せていて問題なのかなと思います。27 頁のところなどはここに並
べている言葉より今の中村さんのお話の方がよっぽど分かりやすいと思いました。また細かなところはちょ
っとありますが、それはまたあとで構わないと思います。
小島委員長
はい分かりました。ということです。中村さんの思い入れが、そのい葉を具現化する方法を考えていかね
ばならないと思います。前回いらっしゃらなかった東條委員から尐しご意見頂けますか。
東條委員
前回から整理された中で具体的な話が出てきていますので、これに乗っ取ってやっていけばいいのかなと
思います。先に余計なことで申し訳ないですけど、これの財源的な裏付けは如何お考えですか。
事務局(中村)
市の総合計画、第 5 次総合計画の中でこちらの吹上・釜蓋遺跡の整備活用が重点項目として上げて頂いて
おりますので、そちらの方で担保されているとの認識です。
東條委員
そうすると、こちらは実際には大きなお金が必要になると思いますけど、そういった点も含めてやってい
ける作戦なのですね、はい、了解しました。
小島委員長
はい、ありがとうございました。次に岡村委員さん、印象などお聞かせ頂けますか。
岡村委員
概ねこないだの議論を踏まえてうまくまとまっていると思いますけど、ちょっとこれは県の方にもお聞き
したいのですが、史跡の評価の部分ですね、上手にまとめられていると思いますが、このような仮説の立て
方で宜しいのか、ちょっと分かりやすく書きすぎていて、まだ分からないとされる部分も書き込んである。
例えば各遺跡が変遷するというくだりを並行してあったと表現されている、とか、ですね。
澤田オブザーバー(新潟県)
そうですね、事前に読ませて頂いてちょっと気になったのが例えば 17・18 頁の評価の部分ですね、細かい
ところは滝沢さんから話していただきましょう。
滝沢オブザーバー(新潟県)
非常に分かりやすく書いて頂いたと思うのですが、すこし、こう調査報告を上回るといいますか、そうい
ったところがあるのかなあ、と思います。例えば 17 頁のところの「信州系集団によって成立した吹上遺跡が
北陸系集団によって取り戻された」というようなことがいえるのかどうか、そういった箇所がやや見受けら
れます。その後の 18 頁に、先程の岡村委員の御指摘とおりの部分があり、ここに書いてある事に対して 26・
27 年の活動に結び付けたいが為かなと思わせるようなところもあります。
岡村委員
基本方針に掲げている「謎とき」の謎があまりにも強烈なのかな、と思います。ただこういった視点が非
常に重要な訳で、話題になるという事になると思います。つまり書き方の問題であって、現状判明している
事柄と仮説とをどう切り分けるか、ということだと思います。一番大事なのは、そんなことも考えることが
できる祖先の歴史ストーリーがここには埋もれていること、その事が基盤だと思います。遺跡の整備活用に
はその遺跡の重要性という面も根っこにあって、その重要性を考える事で今と昔を対比させる面白さが出て
くるのではないでしょうか。
そういった一番根っこの重要性を踏まえずに、ただ表面的な、商売根性の様なものだけではダメですね、
ここでの発掘は整備の為だけのものなのか、それとも発掘すること自体も地域の解明に繋がる活用の一手段
と考えるのか、その事の整理が必要ではないでしょうか、祖先の歴史を感じさせるというワンフレーズでも
いいのですが、そこが重要だと思います。なんで発掘するのか、発掘をやる立場からもその意味付けの必要
性を感じます。
平澤委員
今、岡村委員が仰ったことと同様に、ちょっと文章の流れに不自然なところがあります。一度話した内容
がもう一度出てくるとか。
岡村委員
その辺の整理は有ります。それと中にはきわめて具体的な名称が出てくる。植物の名前とか。これは基本
計画だからそこまで書かなくてもいいではないか。
平澤委員
そういった部分での具体性は構わないと思います。そこで考えられたことが皆さんの協力を得て、できる
のか、できないのか、その取捨選択の中で最終的な姿が出てくるんだと思います。
小島委員長
今出た御意見は非常にいいお話であって、ただ新幹線が通るから、開業が 27 年度だからそれに合わせてと
いうのではなくて、もっと根っこの部分で大切なことですね。
五島副委員長
前回まで、あまり良く見えてこなかった部分が徐々に見えてきたのかなあと思います。良く見えてきたか
らこそ、また次の議論が生まれる。そういった感じがします。
また、とりあえずこの計画書の段階では姿が見えてきて良かったなあと思います。それとちょっとお願い
したいのですが、5 つの方針で一番下の発掘調査の部分の扱いが他より尐し熱いのだと思います。位置もこ
の 5 つの中で真ん中あたりに入るのではないでしょうか。是非、日本一駅から近い遺跡という事をうまくア
ピールしてもらえたらと思います。
大島委員
前回より分かり易くなったと思います。文意等の整理がまだ尐しあるのかなと思います。それと一番にで
すね、地元の人の熱意が必要なんだと思うのですが、それがやや足りないのかなと思います。稲荷だと地元
の方々のそういった面が感じられますが、地域差を感じますね。今回の整備では例えばこの賑わいの中にあ
る出前講座とかですね、これを地域毎に積極的にやってもらうなどして、この素晴らしさというものを地域
全体に知らしめる。そういう事も必要だと思います。地域の人たちに知ってもらって誘客にも繋げる。この
様な取組をお願いしたいと思います。
小島委員長
今のお話は中村さんの話にも通じると思うのですが、遺跡は地元のものなんですよね、もちろん国の指定
を受けた史跡ではありますが、そもそも地元があってこそのものですよね。ですのでこうした整備も地元の
方々と共有する時間が大切だと思いますので、是非、地元に入ってもらいたいですね、先程岡村がいわれた
事と、今大島委員がいわれた事を重く受け止めて地元にどんどん入っていく、これが賑わいの出発点だと思
いますので、この辺りの御理解をお願いしたいと思います。
八木委員
前回の厳しい御指摘を受けて、分かり易い基本計画がまとまったと思います。やはり一般的にあまり知ら
れていないという点がありますね。それと遺跡の内容として分かっていることもあると思いますが、また新
しい想定もしなかったことが新たに見つかるかもしれない。そういった事も含めて知名度を上げる事は重要
だと思います。
岡村委員
地域の歴史という話に関連しますが、よく考古学者は自分たちの研究成果、分かった事を発表する特徴が
あります。しかしこれが地域の人たちが知りたい事かというと全くそうでない極めて専門的な話だったりす
る訳です。例えば土器の系統とかね、今回はそうでなくて、この地域の歴史は地域の人が知りたい事柄に焦
点を当てている部分が画期的なんでね、そうでなくて専門家が全然違う事を発信するなんてやると、いくら
シンポジウムとか講座とかやっても意味が無いですよね。おそらく地域の人が知りたい歴史というのは、も
っと広い意味での生きた歴史というかね、そういう物語性とか、まさに歴史文化とか風土とか、そういった
事だと思います。そういう事も踏まえて情報の発信をする必要があると思います。
事務局(中村)
先程事務局の思いという内容で、基本方針の内容をどうしても誘客とかそういう効果の部分を強調してし
まったと思います。ただ遺跡は地元の人たちに愛してもらわないとこの方針の一番目にある賑わいは作れな
いと考えていますので、地元の方がどの様に遺跡に関わりたいか、例えばそれが歴史であったりすると思う
のですが、それをどうの様に汲み取るか、どの様に分かっていけるのかが重要だと思いますので、そういう
意味においても、もっともっと地元に入っていきたいと思います。
小島委員長
奴奈川の事について、糸魚川市の木島さんから何かありますか。
木島オブザーバー(糸魚川市)
かつて糸魚川でヒスイシンポジウムというのをやって、市民の方に参加して頂いて奴奈川で地元が盛り上
がった経緯がありました。また今回こちらでこうした取り組みの中から、上越対糸魚川という構図では無く
ですね、奴奈川の話題で盛り上がる事には期待があります。ただヒスイといことについて、吹上はそうでし
ょうが、釜蓋はどうなのかなと思うところがあります。遺跡群としては当てはまると思うのですが、だから
といって全ての遺跡にいえる訳でないと思いますので、その辺りを上手にいえた方がいいと思います。
小島委員長
仰るとおりで釜蓋の時にはヒスイは糸魚川に集約されると思います。その中でこの地域が担ったものは何
なのか、それが知りたいという事だと思います。
木島オブザーバー(糸魚川市)
謎は謎という事にして、逆にまたそれを売りにしていければいいと思います。
小島委員長
斐太の事についてもお聞きしたいと思います。佐藤さん如何ですか。
佐藤オブザーバー(妙高市)
斐太遺跡は吹上・釜蓋遺跡に比べると圧倒的に調査の量が尐なくて、掘っている遺構などもごく限られた
僅かです。その中で、そこから出た土器がおよそこの辺りの時期なので、遺跡全体としてもその辺りの年代
だろうと、まあその部分でしか分からない訳ですから、実際に吹上・釜蓋と比べると其々の最盛期のちょう
ど真ん中あたりに斐太遺跡が入ると思います。その大まかなイメージは変わらないと思いますが、ただ斐太
遺跡がどのくらい古くから何時まで続くのかというのは分かっていないのです。おそらく吹上・釜蓋遺跡を
解明する上で、斐太遺跡を知ることがとても重要になると考えます。両遺跡の評価をする上で、斐太遺跡の
存続時期を知ることは大事なことだと思います。おそらく斐太遺跡の理解なしには吹上・釜蓋遺跡が定まっ
た様で定まっていないことになるのだと思います。環壕の特徴が良くわかっていないので実は近いうちに調
査をする動きがあります。
斐太遺跡は 10 万㎡程度の集落域が判明して指定範囲になっていますが、実は両脇に古墳群があってその麓
に同じ様な竪穴が見つかっています。時期が弥生であれば合計 20 万㎡程度になりますので、そこと釜蓋との
関連性も考えるところがあると思います。
岡村委員
具体的にいつ発掘するのか、行政課題としてあるのでしょうか。
佐藤オブザーバー(妙高市)
斐太歴史の里整備事業というのがありまして、ここ 10 年程度、様々な事をやっています。一般整備として
遊歩道や案内板の整備なども一通り済みましたので、ここ最近は体験や活動といった要素が増えています。
発掘調査は 25 年度辺りを考えています。
小島委員長
事務局の方に申しておきたいのですが、やはりこの整備は単独では難しいですよね。この遺跡の重要な点
だと思うんですが、もっと大きな範囲で考えて、頸城というイメージで考える必要があると思います。そう
した中から地域の知りたい歴史が浮かび上がるんだと思います。
事務局(中西)
今、糸魚川市の木島さんと妙高市の佐藤さんから非常に心強いメッセージを頂きました。奴奈川姫が古事
記という文献に初めて現れると聞いていますが、今年 2012 年は古事記が完成して丁度 1300 年という年にあ
たるかと思います。それを 3 市が奴奈川のクニを解明していくスタートの年という形に位置付けて手を携え
て進めていけるだろうと思っております。
小島委員長
ちなみに越後の成立からも 1300 年ですね。それから古事記も 1300 年、こういった事も計画の根幹にして
もっともっと「発する」に繋げていきたいですね。この委員会のオブザーバーで入って頂いて、新潟県さん
も糸魚川市さんも妙高市さん居られる訳ですから、是非、上越市単体という事でなくて広い範囲で考えて頂
ければなと思います。
平澤委員
計画書の書き方として、技術的な話として、この計画書は上越市さんがお書きになる訳ですから、今の話
題のような事に対して、全体の中で上越市がどの様な役割と使命を持っているか、何処かにきっちりと書か
ないと、みんないろんな話がごっちゃになってまとまらなくなります。
この計画そのものが事業的に何をターゲットにしているか曖昧になってします。おそらく 21 頁からが、上
越市のその使命と役割を書き出す境目だと思います。斐太遺跡がやってこられている取組や上越市の歴史文
化基本構想とかの整理が合ってですね、この計画書上の中身としては釜蓋遺跡の事が最後に具体的に書かれ
る訳ですからその構成をきちんと組み立てることが必要ですね、5 章の内容は差し当たり 27 年度迄の間どう
するのかに焦点を当てている訳ですよね、それと 27 年で終わりという事でない訳ですから、そこも最後に描
き入れる必要があります。
小島委員長
事務局にお聞きします。本日欠席の委員さんから何か預かっていたりしますか。
事務局(中村)
片岡委員からのメッセージです。「この計画書を読ませて頂いて分かり易くなり内容も具体的になって何
をして行くかがわかりやすくなった。こちらの計画書に賛成します。」というおい葉を頂いています。
小島委員長
非常に夢のある話が出ております。何かほかにございますか。
大島委員
遺跡の好奇心の喚起というところに私も非常に興味を持っていますが、もうひとつ観光商業といった匂い
がこの背景に感じられるのですがその辺りはどのようにお考えですか。
事務局(中村)
例えば 38 頁に 3 遺跡を巡る周遊コースの商品化、JR や旅行エージェントに売り込む、といった具体的な
内容も書き込んでいますが、教育委員会だけでは難しい部分もありますので業者さんですとか、本日は欠席
されておりますが片岡委員の観光コンベンション協会ですとか東條委員からも御協力頂きましてこういった
とこにも積極的に売り込んでいきたいと思います。
五島副委員長
周遊コースとかいろいろ出ていますが、やはりそれだけでは来ないのではないかと思います。それに付随
するものだとかがたくさんあると思いますし、今、何気ない町でも「おもてなし」とか地元の人たちが来訪
者を招きいれたりするので、併せてそういった事例も参考にしてもらいたいと思います。地元の方々もそう
ですが、日本中には時間的にもゆとりがある方もいらっしゃいますので、新幹線から降りたら人が集まって
いる様なそういうイメージでもってやって頂きたいです。
岡村委員
糸魚川市さんは新幹線に合わせた取組はあるのでしょうか。
木島オブザーバー(糸魚川市)
平成 21 年に認定された世界ジオパークを全面的に出していろんな取り組みをしています。文化財に関して
も 23・24 年度で動いている計画もあります。観光の面ではやはり単独の行政区域という事でなく、例えば糸
魚川を見た後に上越市に寄ってもらう。とかですね、広域的な動きを大事にして行きたいと思います。
意外と知られてないのが直江津から続いているサイクリングロードがあります。ここは勾配も無いしいい
と思います。自転車に乗る人の中ではそれなりに有名だと聞いています。
平澤委員
今回、整理された中で 3 章の 3 遺跡の概要の部分ですね、ここの書きぶりが他のところとだいぶ違うので
ね、ちょっと気になります。それからここに黒姫山の位置を示す図が入るのですが、地図のスケールが大き
いですね、何も滋賀県の範囲まで入れる事はない。この右の頁の植生図、これは 3 遺跡の範囲ですね、そし
て 13 頁には上越市全域のスケールになっている。この辺りの整理もされた方が良いかもしれません。それと
27 年度以降の取組についても最後の頁を使って書き込んだ方がいいですよね。もう一つ、27 頁の基本方針、
これと 29 頁、38 頁の内容が重複しています。こちらも整理が必要ですね。
それと 27 頁の基本方針の文章の整理も必要だと思います。例えば「技」という表現です。釜蓋遺跡におい
て何かきわめて特徴的な「技」があるのであればいいのですが、それが後々に活かされる要素になるのでね、
おそらくその「技」の具体的な何かは見いだせないと思います。2200 年前のくらしぶりが想像できるといこ
とと、現代も暮らしているという事の繋ぎがうまく表現できればいいんだと思います。全体的にその辺りの
整理が必要かなと思います。
それと 38 頁の内容も、本当にそんな全部できるのかなって感じる部分もあります。先程中村さんが冒頭で
仰ったことを数行で 3 つ位にまとめるというところから作業を初めて見てはいかがですか、後はもう作業の
問題です。ちょっと気になる点をもう一つ。新幹線の事を大きく取り上げていておられる、やもすると何か
この事業が新幹線の為に行うとでも思われる部分がありますが、そうではなくて、それは今回の事業に密接
に関連してくる訳ですが、相乗効果を狙うとかね、そういったかみ合わせを整理された方がよいですね。基
本方針のレベルであちこちに出てくるのは違和感があります。どこかで最初にその意味付けをすればいいと
思いますよ。
澤田オブザーバー(新潟県)
文章の作り方でお願いです。今の基本方針の柱の部分ですね、やはりこの内容と実情が合ってないところ
もありまして、例えば米作りとかは釜蓋で炭化米が出て来ていますが、吹上の方がより米づくりのイメージ
合う。しかし一方でコメ作りの発祥かというと、それこそが謎の一つの要素になってしまう。もうひとつ、
この基本方針で取り上げる内容も最初の 3・4 頁の斐太遺跡群の概要の内容から取り出すとか、整理された方
が良いかと思います。
岡村委員
今回の整備にあたってその根本の意義といいますか、先程からの話にありますとおり地域の方々にとって
の歴史の解明という点はあると思います。それと一方で国の指定を受けた史跡でもある訳ですね、そういっ
た意味では、この日本国における弥生の時代の様々な遺跡の中での意味付けといいますか、そういった視点
からの情報発信も実は非常に重要なんですね、それは弥生時代の特徴から表現すると、クニが生まれ出した
時期ですね、立地から考えると当時の最も北の外れに位置していたんです。そういった情報も踏まえて、踏
まえていると思うんですが、分かるように書いてもらいたいですね。
小島委員長
岡村委員が仰られた国の史跡であること、この視点での理解は計画書の中で表現すべきですね。弥生時代
の全体像を把握する上では必要なことですし、それが地域の歴史の理解にも繋がる内容です。さて、だいぶ
時間も過ぎて参りました。何かこれだけはいっておかないと、といった事などおありでしょうか。
佐藤オブザーバー(妙高市)
すみません、細かいところですが 21 頁の斐太遺跡の現状の部分です。4 行目に宿泊体験施設とありますが、
宿泊はできませんので削除して下さい。宿泊はたまに地元の小学校が竪穴建物を復元してその時に泊まると
いった事はしていますが、常に泊まれるということではありません。次の行に「小学校から校外学習の場」
という文章がありますが、こちらは小学校だけでなく中学校、高校もあの場所に来ますので、それと保存管
理に関しては地元の保存会が主にやっているという事と小学校に文化財尐年団があるという事をスペースが
ある場合は書きいれて欲しいです。現在斐太遺跡はほぼ行政の手というよりは、地元の市民団体といいます
か、そういった方々がボランティアやガイドとして主体的にかかわって下さっていますので、そうした下地
があるという事を御紹介頂ければと思います。
小島委員長
具体的に今後の流れとして、県の方にも御協議頂きながら尐し日数が掛かると思います。作業の方は私と
事務局で内容を詰めていきながら五島副委員長にも御確認を頂きたいと思います。この様な形でお預かりさ
せて頂きたいと思いますので、皆様宜しいでしょうか。(一同賛同)それでは本日は長い時間に渡りありが
とうございました。来年度からもどうぞ宜しくお願い致します。
9.問合せ先
教育委員会生涯学習推進課
℡025-545-9269(内線 616-1241)
10.その他
別添の会議資料も合わせてご覧ください。
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