Comments
Description
Transcript
1. 家庭・小規模事業者における CO2 削減 電力会社 ガス会社 制度運営
2010 年 2 月 3 日 平成 21 年度第 4 回地球温暖化対策推進委員会 提案資料 (有)ひのでやエコライフ研究所 鈴木靖文 条例改正案の中に、「推進力」が十分盛り込まれていないことを危惧します。 1. 家庭・小規模事業者における CO2 削減 ・省エネ機器導入で、今後 10 年間で 3 割程度の削減は可能です。 ・家庭・事業者が満足する形で、導入を誘導する仕組みができていません。 参考例)省エネコンシェルジュ制度(WWF 提案、2009 年 11 月) エ ネ ル ギ ー 価格上乗せ 自主実施分へ の 補助 成果報酬 電力会社 ガス会社 診断企業・NPO 報告 雇用 報告 成果報酬 家庭 診断 対策実施 コンシェルジュ 報告 購入補助 削減成果報告 育成 成果検証 制度運営協議会 ポイント ・エネルギー供給業者が、家庭の CO2 削減の義務を負う。 ・コンシェルジュ(診断員)が、家庭に効果的で導入可能な対策提案を行う。 ・診断ノウハウの競争が促され、効率的な削減提案をするレベルが向上していく。 ・診断員として全国で 1 万人程度の雇用確保。 ・エコポイント程度の社会負担(価格転嫁)で、2020 年までに CO2 を 40%削減。 参考:WWF 発表資料 http://www.wwf.or.jp/activities/2009/11/775427.html ○京都市条例に対する提案 ・ 診断技術をもったベンチャー企業を、社会実験として至急育成していくことが必要です。 ・ 条例においては「市内家庭・小規模事業者の CO2 削減について責任を負う協議会の設置」 「京都市が協力して実施する省エネ診断への協力の義務化」などが入ると、大規模な社会 実験として推進ができると思われます。 2. 大規模事業者における CO2 削減 ・排出量取引など国の施策に頼る部分は大きいと思われます。 ・環境パフォーマンスを伸ばすことを、真剣に取り組む組織が必要になります。 ESCO 事業の部門別受注額の推移(ESCO 推進協議会:http://www.jaesco.gr.jp/esco/) 図 ※ESCO 推進協議会の会員リスト 126 件中、京都府内の事業者はありません。 ○京都市条例に対する提案 ・ 学校、工場、病院、ホテル、小売店などそれぞれごとに省エネ診断・提案技術があり、専 門家を育てる必要があります。診断技術をもったベンチャー企業を、社会実験として至急 育成していくことが必要です。 ・ 条例においては「京都市が協力して実施する省エネ診断への協力の義務化」などが入ると、 大規模な社会実験として推進ができると思われます。 ・ 事業者にとってもメリットであり、より競争力をつけることにつながります。 3. 社会像の経済の視点として「住んでいる地域で働ける」視点を 不況でのリストラは従業員削減のことであり、技術革新による事業者のメリットは従業員削減 です。このままいくと、経済が発展しても市内で働けない事態にもなりかねません。働く場所も 含めて、地域で生活ができることが、低炭素型まちづくりの重要な要素です。 ○京都市条例に対する提案 ・ 特定事業者への総合評価制度の評価項目に「雇用従業員数あたりの CO2 排出量改善」を含 めるのが望ましいです。 4. その他の提案 4.1. 「省エネラベル制度」とセットで「エネルギー消費増加警告表示制度」の導入 省エネとは逆に、エネルギー消費量を増加させる危険がある製品については、その旨表示をす ることを義務づけます。 (たばこへの警告掲示と同様に) 対象品目については、市民・事業者等を含めた検討会で議論することも大切です。 4.2. 「エネルギー供給事業者への義務づけ」の中で、テナント事業者ごとのエネルギー消費量 測定の義務化 自分でどれだけ使っているのかわからないと、対策が進みません。 4.3. 「エネルギー供給事業者への義務づけ」の中で、電気・ガスの検針票でのわかりやすい表 示 エネルギー供給業者の検針票で、 「前年同月」との消費量の比較が、省エネ達成の成果をはかる 重要な要素になるが、非常に小さい字でかかれていて、わかりにくくなっています。検針票のも っとも大きな部分に、消費量・前年消費量・前年同月からの増減を記載することで、市民の対策 も進みやすくなります。 特に、削減量がわかりやすく表示されていれば、商店街でのポイント制度への利用など、使い やすくなります。 4.4. 「公共交通優先の歩いて楽しいまちづくり」の中で、無免許証制度の創設 自動車の免許を持っていない人は、身分証明がなく困っています。一方、自動車を運転しない ことは、交通における CO2 負荷を減らすことに貢献していると評価することもできるでしょう。 具体的には、現在の「住民基本台帳カード」のデザインに、自己申告により「無免許証」とい う表記を加えて利用できるようにしてはいかがでしょうか。