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複数の秘密画像を暗号化可能な 視覚復号型秘密分散法
複数の秘密画像を暗号化可能な 視覚復号型秘密分散法 会津大学コンピュータ理工学部 会津大学コンピュータ理工学部 准教授 渡邊 曜大 1 技術の概要 秘密分散法 秘密情報から複数の分散情報を生成し,あらかじめ 定まった分散情報の集合のみから秘密情報が復元 できる暗号技術 2 技術の概要 視覚復号型秘密分散法 ◊ 秘密情報:画像 ◊ 分散情報:画像,透明なシートに印刷 ◊ 人間の目を使って復号(秘密画像を復元) 簡単な例: しきい値型視覚復号型秘密分散法 分散情報1枚ではノイズと区別がつかない しかしこれらを重ねると… 3 技術の概要 視覚復号型秘密分散法 ◊ 秘密情報:画像 ◊ 分散情報:画像,透明なシートに印刷 ◊ 人間の目を使って復号(秘密画像を復元) 簡単な例: しきい値型視覚復号型秘密分散法 秘密画像が復元! 4 技術の概要 しきい値型視覚復号型秘密分散法 個の分散情報のうち 個以上集まると秘密情報が復元 ⇒すべての分散情報が対等 ◊ 分散情報は対等でなくてもかまわない ⇒「アクセス構造」によりアクセス制御を記述 ◊ 秘密分散法のアクセス構造 「有資格集合」と「禁止集合」からなる 有資格集合 「秘密情報を復元できる分散情報の集合」の集合 禁止集合 「秘密情報が一切漏れない分散情報の集合」の集合 5 技術の概要 アクセス構造の例,分散情報 = {❶,❷,❸} ◊ しきい値型視覚復号型秘密分散法 有資格集合 禁止集合 ◊ = {{❶,❷,❸}} = { ,{❶},{❷},{❸},{❶,❷},{❶,❸},{❷,❸}} しきい値型視覚復号型秘密分散法 有資格集合 禁止集合 = {{❶,❷},{❶,❸},{❷,❸},{❶,❷,❸}} = { ,{❶},{❷},{❸}} ◊ しきい値型でない例: ❶ が“偉い”場合 有資格集合 = {{❶,❷},{❶,❸},{❶,❷,❸}} 禁止集合 = { ,{❶},{❷},{❸},{❷,❸}} さまざまなアクセス構造を考えることができる 6 従来技術とその問題点 複数の秘密画像を暗号化できる視覚暗号 ◊ 秘密画像 ごとにアクセス構造 が存在 秘密画像ଵ 秘密画像ଶ アクセス構造(ଵ , ଵ ) アクセス構造 ଶ , ଶ 秘密画像 アクセス構造 , 従来技術:扱えるアクセス構造に制限あり ◊ Extended visual cryptography schemes (EVCS)方式 ◊ VSS schemes for plural secret images (VSS-q-PI)方式 ◊ Threshold multi-secret visual cryptographic schemes (MVCS) 方式 7 従来技術とその問題点 EVCS方式 ◊ 各分散画像に秘密画像が付与されていなければならない アクセス構造の例 ଵ ଶ ଷ = = = = *( ) = , , 制限 各分散画像自体が秘密画像 , , , ( ≠ 0) 等は選べない :極小有資格集合 8 従来技術とその問題点 VSS-q-PI方式 ◊ すべての禁止集合が同一でなければならない アクセス構造の例 ଵ ଶ = = = , , , , = ∅, , ଵ = ∅, , ଶ = ∅, , 制限 同一 *有資格集合は任意にとれるが, *禁止集合は同一( = ଵ = ଶ )でなければならない :極小有資格集合 9 従来技術とその問題点 MVCS方式 ◊ すべてのアクセス構造がしきい値型でなければならない アクセス構造の例 ଵ ଶ = = = , , , , , , , , , = 2 ,, − 制限 ଵ = 2 ,, − ଵ しきい値型 ଶ = 2 ,, − ଶ *各 , はしきい値型でなければならない.すなわち, = ≥ and = < . :極小有資格集合 10 新技術の特徴・従来技術との比較 従来技術 ◊ どれも非常に限られたアクセス構造しか扱えない 新技術 ◊ 複数の秘密画像を扱うあらゆるアクセス構造に対応 さらに, ◊ 真の乱数を用いれば無限の計算資源をもつ攻撃者に対 しても(情報理論的に)安全 ◊ 利用者が暗号計算に直接参加するため、技術に対する 興味や信頼を得やすい 11 新技術の特徴・従来技術との比較 新技術の実現例:加法混色に対応するアクセス構造 R R+G G R+B B G+B R+G+B 12 想定される用途・業界 想定される用途・業界 安全性が厳密に(数学的に)証明された暗号技術 ◊ 特に,暗号化において(疑似乱数でなく)真の乱数を用い た場合,無限の計算資源をもつ攻撃者に対しても安全 情報セキュリティ分野での利用(例:印鑑よりも信頼性お よび自由度の高い認証) 人間の目で秘密情報が復元可能 計算機が使えない環境(たとえば災害時)でも利用可能 重ね合わせる分散画像の組合せ方により異なる秘密 画像が復元可能 ◊ ユーザーの興味を惹きやすい 娯楽・教育分野での利用(例:楽しみながら漢字を学ぶ) 13 想定される用途 セキュリティ用途の例:不正が検出可能な割印 ◊ 印鑑:認証はしたいが計算機を使うほどではない 書類1用 書類2用 確認用 1+2 1+確 2+確 14 想定される用途 娯楽・教育用途の例:楽しみながら漢字を学ぶ ◊ (書いて覚える代わりに)重ねて覚える ◊ 意外性 + 一手間 ⇒ 記憶に残りやすくなることを期待 + = + = 15 実用化に向けた課題 暗号技術としてはすでに完成 ◊ 査読(専門家による審査)付きの国際会議にて発表済み ◊ 疑似乱数を利用するものについては実装済み(デモによ る実演可能) ただちに利用可能です 課題 ◊ 利用先の開拓 ◊ 利便性の向上 復号(分散画像の重ね合わせ)を簡単に OHPシートから紙へ 16 企業への期待 技術の利用に関して ◊ 本技術の利用に興味・関心のある企業の方,利用に向け て要望のある企業の方 ◊ 具体的な利用先・利用の仕方についてアイデアのある企 業の方 ぜひご連絡ください 技術の改良に関して ◊ 利便性の向上(たとえば,分散画像の重ね合わせを簡単 にする方法)に関する技術やアイデアのある企業の方 ぜひご提案ください 17 本技術に関する知的財産権 発明の名称: 出願番号: 出願人: 発明者: 視覚復号型秘密画像分散法、及び これを実行するプログラム 特願2014-87842 公立大学法人会津大学 渡辺 曜大 18 産学連携の経歴 2002年-2004年 三菱電機株式会社と共同研究(量子暗号技術に関し て)実施 成果:登録特許 ◊ [日本2件] 特許番号:特許第4346929号,特許第4290401号 ◊ [米国2件] United States Patent: 7,461,323, 7,609,839 19 お問い合わせ先 会津大学産学イノベーションセンター 教授 石橋 史朗 TEL 0242-37-2776 FAX 0242-37-2778 e-mail [email protected] 20