...

平成21年度予算

by user

on
Category: Documents
7

views

Report

Comments

Transcript

平成21年度予算
第1 平成21年度公園緑地・景観・歴史環境等関係予算のポイント
【1.基本方針】
良好な景観と緑豊かな都市環境の形成を推進するため、景観緑三法の的
確な推進、都市公園事業や緑地保全事業等の一体的実施や、民間事業者が
行う緑化等との協働等により、総合的・効率的・効果的に緑とオープンス
ペースの確保と良好な景観の形成を図るとともに、我が国固有の歴史的風
致の維持向上を目的とした歴史まちづくり法に基づく歴史・文化資産を保
全活用したまちづくりの支援による地域の活性化を図る観点から、以下の
点に重点的に取り組む。
① 持続可能なまちづくりへの対応
地球温暖化の防止、ヒートアイランド現象の緩和、生物多様性の保全、
自然再生等に資する公園緑地の保全・創出
② 安全・安心な都市の形成への対応
地震災害時の避難地・避難路、復旧・救援活動の拠点、延焼防止等
となる防災公園の整備、都市公園バリアフリー化対策等への緊急的な
支援
③ 歴史と文化に根ざした美しい地域づくりへの対応
歴史的建造物等の復原・修理等や歴史まちづくり法に基づくまちな
み形成、城跡・古墳等の歴史的・文化的資源と一体となった都市公園
の整備、景観法の活用などハード・ソフト一体の取組への支援
④ 参画社会への対応
地域住民やボランティア、民間事業者等の多様な主体の参画・協働
による緑とオープンスペースの確保と活用
【2.平成21年度予算のポイント】
①
低炭素型都市の実現を支援する緑地環境整備総合支援事業の拡充
地球温暖化対策の一層の推進を図るため、温室効果ガス吸収源対策と
なる公園緑地の整備に先駆的かつ意欲的に取り組む都市等について、緑
地環境整備総合支援事業を拡充し、総合的な公園緑地の保全・創出のた
めの取組を推進する。
② 都市公園安全・安心対策緊急総合支援事業の創設
市街地の防災性や公園施設の安全性の向上に係る対策が遅れている地
方公共団体について、都市公園の防災機能の向上、バリアフリー化、公
園施設の安全確保等、総合的な安全・安心対策を一括して緊急かつ計画
的に推進する。
③ 地域活性化に資する多様な主体による公園整備の推進
個性豊かで魅力ある地域づくりを促進するため、公園管理者以外の者
による質の高い公園施設整備に対する支援を行う。
④
ロ号国営公園維持管理業務における新たな国庫債務負担行為の措置
国家的記念事業等として閣議の決定を経て設置されたロ号国営公園の
維持管理業務について、一層の効率化を図りつつ、安定的なサービスを
提供するため、平成21年度より、企画競争による契約手続きを導入す
るとともに、国庫債務負担行為を活用した複数年度契約を行う。
⑤
総合的な景観・歴史まちづくりの推進
景観まちづくり・歴史まちづくりをハード・ソフト両面にわたって支
援するとともに、歴史的建造物を将来的に保全していくため、新たに歴
史的環境形成総合支援事業に歴史的建造物に係る防災施設の整備を追加
する。
第2 平成21年度公園緑地・景観・歴史環境等関係予算概要
【1.費目別予算概算要求概要】
(1)公園緑地関係予算
(単位:百万円)
21 年度(A)
区
前年度(B)
倍率(A/B)
分
事業費
国費
事業費
国費
事業費
国費
国営公園
32,736
32,736
34,644
34,644
0.94
0.94
整備
21,147
21,147
23,112
23,112
0.91
0.91
維持管理
11,589
11,589
11,532
11,532
1.00
1.00
329
329
458
458
0.72
0.72
84,127
34,485
92,241
37,721
0.91
0.91
―
1
―
1
―
1
9,189
4,405
9,827
4,711
0.94
0.94
67,666
27,657
67,035
27,250
1.01
1.01
―
―
―
5
―
―
194,047
99,613
204,205
104,790
0.95
0.95
13,484
5,458
13,128
5,314
1.03
1.03
207,531
104,071
217,333
110,104
0.95
0.95
都市公園事業調査費等
都市公園事業費補助
補助率差額
古都及び緑地保全
都市公園防災事業費補助
補助率差額
小
計
緑地環境整備総合支援
事業費補助
合
計
(注)
都市公園防災事業補助の事業費には、防災緑地に係る都市開発資金に用地取
得費 1,416 百万(前年度 241 百万円)を含む。
(2)景観・歴史環境等予算
(単位:千円)
区
分
21 年度 (A)
前年度(B)
倍率(A/B)
1
景観形成総合支援事業
200,000
200,000
1.00
2
歴史的環境形成総合支援事業
800,000
730,000
1.10
【2.新規事項及び重点事項】
(1)低炭素型都市の実現を支援する緑地環境整備総合支援事業の拡充
① 目
的
「京都議定書目標達成計画(平成 20 年3月改定)」に基づく地球温
暖化対策の一層の推進を図るため、緑の確保が極めて困難な大都市等
のうち、特に温室効果ガス吸収源対策となる公園緑地の整備に先駆的
かつ意欲的に取り組む都市について、緑地環境整備総合支援事業を拡
充し、総合的な公園緑地の保全・創出のための取組を推進する。
② 概
要
緑地環境整備総合支援事業について、以下の拡充を行う。
1)対象都市の追加
対象都市として、環境モデル都市(候補都市含む)及び、緑化地域、
緑化率の最低限度を定めた地区計画、歴史的風土特別保存地区、近郊
緑地特別保全地区、特別緑地保全地区、又は緑地保全地域の指定によ
り緑の保全・創出を積極的に行っている都市(以下「重点都市」とい
う。)を追加する。
2)要素事業の追加等
これまで要素事業であった緑化重点地区総合整備事業の採択要件
に「高木を含む緑化率80%以上であるもの」を加え、温室効果ガス
吸収源対策として有効な500㎡以上の公園緑地の整備や公共公益
施設の緑化を支援する「吸収源対策公園緑地事業」を新たに要素事業
として追加する。(重点都市における採択要件については、箇所数及
び事業費を設定しないこととする。)
また、採択要件が2ha となっている市民緑地等整備事業について、
重点都市に限り面積要件を2,500㎡以上とする。
なお、緑化重点地区総合整備事業については廃止することとし、平
成 21 年度以降新規採択を行わない。
環境モデル都市等に対する緑の確保の総合的支援
緑地環境整備総合支援事業
(現行)
緑地環境整備総合支援事業(現行)
緑地保全地域
特別緑地保全地区
特別緑地保全地区
管理協定
管理協定
都市公園
都市公園
市民緑地
市民緑地
緑化地域等
都市公園
都市公園
公共公益施設の緑化
都市公園の整備
市民緑地の整備
拡充事項
(2)都市公園安全・安心対策緊急総合支援事業の創設
① 目
的
生活者の視点に立った安心で質の高い暮らしを実現するため、大規
模地震に備えた市街地の防災性の向上や、公園施設の戦略的な機能保
全・向上対策による安全性の確保等、都市公園における総合的な安全・
安心対策事業を緊急かつ計画的に実施し、子どもや高齢者をはじめ誰
もが安全で安心して利用できる都市公園の整備を推進する。
② 概
要
1) 都市公園安全・安心対策緊急総合支援事業の創設
「都市公園安全・安心対策緊急総合支援事業計画」において、市街
地の防災性や公園施設の安全性の確保に係る改善目標を定めた地方公
共団体に対して、複数の都市公園における安全・安心対策のための施
設整備を一括採択することにより緊急かつ重点的に支援する。
(平成2
1年度から5箇年間に限定)
(1)事業主体
都道府県、市町村
(2)対象事業
ⅰ. 地域防災計画又は地震防災緊急事業五箇年計画に位置付けのあ
る都市公園における災害応急対策施設の整備
ⅱ. 地域防災計画又は地震防災緊急事業五箇年計画に位置付けのあ
る都市公園における建物又は橋梁等の耐震改修
ⅲ. 都市公園における公園施設のバリアフリー化
ⅳ. 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律に基づく国土
交通省所管補助金等交付規則において定められた処分制限期間
を超えるもの、又は危険度判定調査等で改善が必要と判断された
もので、地方公共団体が策定する「公園施設長寿命化計画」に基
づき適切に維持管理されている施設の改築
※
今後、全ての都市公園事業における公園施設の改築・更新に対する国の補
助については、地方公共団体が策定する「公園施設長寿命化計画」に基づ
き適切に維持管理されている施設に限ることとし、これ以外の施設の改
築・更新への補助は、平成25年度(一定以上の箇所数又は面積の公園を
有する地方公共団体は27年度)までの措置とする。
(3)事業費要件
事業計画期間中における事業の合計国費が15百万円(都道府県事
業は30百万円)×計画年数以上
2) 公園施設長寿命化計画策定事業費補助制度の創設
事後的な維持管理から、予防保全的な維持管理への転換を推進する
ため、公園施設の長寿命化計画(維持管理方針、改築方針など)の策
定に要する経費を補助対象とし、計画的な長寿命化対策を推進する。
(平成21年度から5年間[一定以上の箇所数又は面積の公園を有す
る地方公共団体は7年間]に限定)
【補助率】 1/2
都市公園安全・安心対策緊急総合支援事業のイメージ
防災トイレの整備
(3)地域活性化に資する多様な主体による公園整備の推進
①
目
的耐震性貯水槽の整備
施設の老朽化に起因する事故を未然に防
個性豊かで魅力ある地域づくりを推進するため、
公園管理者以外の者に
ぎ、快適な利用環境を整備
よる質の高い公園施設の整備を強力に促進し、地域活性化を推進する。
②
概
要
歴史まちづくり法第25条に基づき公園施設の整備を行う認定市町村
を、都市公園事業における補助対象主体に追加し、地域の実情に精通した
認定市町村と公園管理者との協働による、地域活性化に資する効果的な公
園整備の推進を図る。
(4)ロ号国営公園維持管理業務における新たな国庫債務負担行為の措置
① 目
的
国家的記念事業等として閣議の決定を経て設置されたロ号国営公園
(都市公園法第2条第1項第2号ロに基づくもの)の維持管理業務に
ついて、一層の効率化を図りつつ、公園利用者に対する安定的なサー
園路やトイレ等の公園施設のバリアフリー化によ
ビスを提供するため、平成21年度より、企画競争による契約方式に
り、誰もが安心して利用できる都市公園を整備
移行するとともに、国庫債務負担行為を活用した複数年度契約を導入
(3)地域活性化に資する多様な主体による公園整備の推進
①
目
的
個性豊かで魅力ある地域づくりを推進するため、公園管理者以外の者に
よる質の高い公園施設の整備を強力に促進し、地域活性化を推進する。
② 概
要
歴史まちづくり法第25条に基づき公園施設の整備を行う認定市町村
を、都市公園事業における補助対象主体に追加し、地域の実情に精通した
認定市町村と公園管理者との協働による、地域活性化に資する効果的な公
園整備の推進を図る。
(4)ロ号国営公園維持管理業務における新たな国庫債務負担行為の措置
① 目
的
国家的記念事業等として閣議の決定を経て設置されたロ号国営公園
(都市公園法第2条第1項第2号ロに基づくもの)の維持管理業務に
ついて、一層の効率化を図りつつ、公園利用者に対する安定的なサー
ビスを提供するため、平成21年度より、企画競争による契約方式に
移行するとともに、国庫債務負担行為を活用した複数年度契約を導入
する。
② 概
要
植物管理、建物管理・工作物管理、清掃、入園料徴収、巡視・保安
警備、利用者指導、救急、利用促進のための広報・催事をはじめ、行
幸啓への対応や文化的資産の保存など閣議決定の趣旨に応じた特殊
な業務等、多岐にわたる内容を総合的な調整の下で一元的に実施して
いるロ号国営公園の維持管理業務において、一層の効率化を図りつ
つ、維持管理の向上を図るため、企画競争による契約方式に移行する。
また、新たな契約方式によって特定された者による安定的な公園利
用サービスの提供を図るため、国庫債務負担行為を活用した複数年度
の維持管理業務委託契約を行う。
(国営公園維持管理費のうちロ号公園の公園管理委託費に3箇年国債
を設定)
昭和天皇御在位五十年記念事業の一環として設置
された国営昭和記念公園(東京都立川市・昭島市)
我が国固有の優れた文化的資産である吉野ヶ里遺跡
の保存及び活用を図るため設置された国営吉野ヶ里
歴史公園(佐賀県神埼市・吉野ヶ里町)
(5)総合的な景観・歴史まちづくりの推進
①
目
的
地域の歴史・文化資産を活かしたまちづくりを支援するとともに、歴史的
な建造物を将来的に保全していくという観点から、大規模地震をはじめとし
た災害による焼失・倒壊などの被害を防止するための対策を推進する。
②
概
要
歴史的環境形成総合支援事業に、新たに歴史まちづくり法に基づく歴史
的風致形成建造物に係る防災施設の整備を追加し、放水銃や消火栓等の整
備を支援するとともに、附帯事業要件の見直しを行う。
1)対象事業の拡充
歴史的風致形成建造物に係る防災施設の整備を附帯事業に追加する。
2)附帯事業要件の見直し
附帯事業の「コア事業等の対象施設の活用を促進するための施設の整
備」について、歴史的風致形成建造物の敷地が文化財に選定されている場
合、もしくは敷地が狭小のため歴史的風致形成建造物の改変が必要となる
場合で、かつ、その整備により歴史的風致を損なう恐れがある場合におい
て、「敷地内に限定する」という要件を見直し、その隣接地においても整
備することができることとする。
歴史的風致維持向上計画の重点区域
重要伝統的建造物群保存地区
重要文化財
名勝
歴史的風致
形成建造物
【放水銃の整備】
【消火栓の整備】
(6)都市環境改善支援事業の創設による屋外広告物のマネジメントの推進
①
目
的
意欲ある民間の担い手が総合的、継続的に行う地区の価値・魅力の向上を目指
した都市環境の維持・改善に資する取組の一環として、屋外広告物のマネジメン
トを実施することにより、景観の向上と持続可能なまちづくりを推進する。
②
概
要
民間のまちづくりの担い手による都市環境改善活動の総合的な促進を図る都市
環境改善支援事業(エリアマネジメント支援事業)の一環として、屋外広告物の高質化
等の取組を支援する。
(1)事業主体
地方公共団体、中心市街地活性化協議会、景観協議会、民間事業者等
(2)補助対象
ⅰ)計画コーディネート支援
ⅱ)都市環境維持・改善計画作成支援
ⅲ)社会実験・実証事業等支援(民間事業者等のみ)
屋外広告物の高質化(集約設置、素材を工夫した整備、周囲の景観と整合した整備等)
、
広告物の意匠・形態の事前審査・助言の取組等への支援
【補助率】 1/2(直接補助)(民間事業者等以外)
1/3(間接補助)(民間事業者等)
【都市環境改善支援事業(エリアマネジメント支援事業)のイメージ】
都市環境維持・改善計画
(エリアマネジメント計画)作成支援
(住民意向調査、コンサルタント派遣、
都市環境維持・改善計画作成)
計画コーディネート支援
(まちづくり活動支援、
計画立案・調整)
事業主体
社会実験・実証事業等(例)
・地方公共団体
・中心市街地活性化
協議会
・景観協議会
・民間事業者等
にぎわいの創出のためオープン
カフェの設置
市街地整備によって創出したセット
バック空間の地域の住民団体による
維持・管理
周辺環境に調和した高質な
屋外広告物を掲出
<対象地域・地区>
国として特に推進すべき施策により都市環境が創出される①のいずれかに該当する地区であって、かつ、②のいずれかに該当する地区
① 都市再生緊急整備地域、認定中心市街地活性化基本計画区域、認定歴史的風致維持向上計画の区域、都市再開発方針が定められ
た区域、地区計画の区域、景観計画の区域等
② ⅰ)現にある良好な都市機能及び都市環境を保全する必要があると認められる土地の区域
ⅱ)公共公益施設の整備等に関する事業が行われ、又は行われた土地の区域であって、新たに良好な都市機能及び都市環境を創出
する必要があると認められるもの
ⅲ)地域の土地利用の動向等からみて、都市機能及び都市環境が悪化するおそれがあると認められる土地の区域
Fly UP