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1‐ 地域再生計画 1 地域再生計画の名称 多様性のある森里川湖の
地域再生計画 1 地域再生計画の名称 多様性のある森里川湖のつながりを生かした地域おこし計画 2 地域再生計画の作成主体の名称 東近江市 3 地域再生計画の区域 東近江市の全域 4 地域再生計画の目標 東近江市は、滋賀県の南東部に位置し、緑あふれる鈴鹿山脈から美しい琵琶湖に広がる 面積388㎢の広大な市域を有し、古くから、この多様な生態系が持つ自然資本を持続的に活 用することによって、豊かな生活と多様な文化などの地域資源を育んできた。また、豊か な生態系サービスと街道が結ぶ交通の要衝としての地の利を生かしてまちが発展してきた。 このような条件を生かし、時代に合わせた商品やサービスの提供に長けた市民や企業人が まちを支えてきた。特にろくろを使って碗や盆をつくる木地師や、三方よしで有名な近江 商人は、本市を発祥の地として全国に広がり、そのネットワークを生かして仕事を創出し、 文化を育んできたが、こうした歴史文化は脈々と現在まで引き継がれている。 しかし、そうした恵みを与えてきた本市の56%を占める森林は、社会やライフスタイル の変遷を通じ、その利用・管理の縮小等により本来有する機能を弱めるなど、森里川湖の 大きな恵みを現在の暮らしやまちづくりに生かし切れていない。この恵みを最大限に生か していくためには、次のような構造的な課題の解決が必要となる。 ・森が育んできた森里川湖と地域の新しい関係、つながりの構築による自然資源の持続的 な保全・育成・活用 ・林業事業者・製材所・加工・販売に係る関係者が連携したサプライチェーンの構築によ る林業の6次産業化や木材製品のブランド化 ・新たな取組を資金的に支える仕組み(森里川湖ファンド)の構築と適切な運用 ・木地師や近江商人などが構築した、いにしえのネットワークの地域経済やまちづくりへ の活用 ・森里川湖のつながりを次世代につなぐ人材の育成 こうした課題に対応して地方創生を図るため、地域資源のブランド化と創出支援、一次 産業の再生と高付加価値化の推進、豊かな自然資源や奥深い歴史文化を生かした観光振興、 鈴鹿から琵琶湖に広がる東近江市ライフの魅力発信などの取組を推進して、「働きたい住 み続けたい活力ある東近江市の創生」、「行きたくなる住みたくなる魅力ある東近江市の 創生」を目指す。 ‐1‐ 【数値目標】 平成29年3月末 平成30年3月末 平成31年3月末 エコツーリズム実施事業者数 4社/累計 7社/累計 10社/累計 エコツーリズム参加観光客数 500人/年間 1,100人/年間 2,000人/年間 地域材を活用した木製品の商品開発数 0件/累計 2件/累計 5件/累計 5 地域再生を図るために行う事業 5-1 全体の概要 本市の有する豊かな生態系サービスやネットワークを活用した地方創生による仕事の創 出を具体化するために、①森里川湖文化の保全と創造、②新たな木の産業創出、③森里川 湖のつながりの継承・発信の3つの取組に統合的にアプローチして、多種多様な生態系サ ービス(資源)と先人の知恵や技術等に基づく歴史的な理念を軸とした、環境・経済・社 会の三方よしのローカルビジネスにより、資源の確保と保全・育成、仕事の創出、人材育 成と地域連携を実現する。 5-2 第5章の特別の措置を適用して行う事業 地方創生推進交付金【A3007】 1 事業主体 東近江市 2 事業の名称及び内容:多様性のある森里川湖のつながりを生かした森おこしプロジェク ト~森の仕事創出~ 本市の有する様々な資源を生かして仕事の創出を図るために、大きく3つの事業を展 開する。 ①森里川湖のつながりの保全と創造 ・森里川湖エコツーリズム推進事業 東近江市エコツーリズム推進協議会(観光協会、旅行関係事業者等で構成)や民 間事業者等と連携した自然資源を生かした観光事業の実施、県境(鈴鹿山脈)を介 し関西圏と中部圏をつなぐ広域観光の取組を進める。 ②新たな木の産業創出 ・地元産木材製品ブランド化事業 高質な地元材の付加価値の向上として、林業事業者・製材所・加工・販売に係る 関係者が連携して、琵琶湖を潤す森の木を家具材として活用した「三方よし家具」 等木製品をブランド化する。 ・近江商人三方よしの販路開拓事業 地域経済や資源の分析し、近江商人のネットワークを活用して、「三方よし家具」 等木製品の都市部や海外への販路開拓を行う。 ③森里川湖のつながりの継承・発信 ・平成の氏子駈・氏子狩復活事業 近江商人と木地師のネットワークを再構築し、その人材やネットワークの活用や ‐2‐ 特に関連性の深い市町や地域との事業連携について取り組む。また、こうした歴史 文化資源の拠点を整備する。 3 事業が先導的であると認められる理由 【官民協働】 ・新たな木の産業、エコツーリズムに係わる民間事業と、その創業支援を行う金融も含 めた三方よし基金、文化・自然保全・人材育成を行う専門家・NPO・教育機関など様々な 関係者がそれぞれの事業に関わり推進する一方、それらをつなぐ仕組みづくりや拠点整 備に行政が取り組む等、役割分担を行いながら事業を推進していく。 【地域間連携】 ・県境のトンネル開通を契機に交流の機運が高まり、加速化交付金事業「琵琶湖~鈴鹿 ~伊勢湾にわたる広域観光圏形成事業」の実施をはじめ、関連を深める隣接の三重県い なべ市との連携により、中部圏と関西圏の交流窓口として交流人口の増加を図る。 【政策間連携】 ・林業振興、観光振興、地域ブランド創出、資金調達の仕組みの構築等、様々な分野で の仕事を創出する具体的な政策と、仕事創出の基盤となる自然保全、歴史文化の発掘や PR、教育による人材育成等の政策に、それぞれの部局が地域資源の活用と保全の方針 を共有し、連携して統合的にアプローチすることで、事業効果をより高める。 【自立性】 ・民間が持続的自立的に活動を展開していくため、歴史的なネットワークの再構築や製 品のPR活動による販路開拓を行う一方、基盤となる森林資源の価値の再認識や保全、 仕事を支える人材の育成等に総合的に取り組むとともに、森里川湖ファンド( (仮称)三 方よし基金)設立による資金面での支援の仕組みづくり等を行い、販路開拓等の努力に よる事業収益と社会的収益を期待する市民や企業からの社会的投資により事業の自立を 図る。 【その他の先導性】 ・地域のまちづくりや起業に取り組む団体や民間企業、また全国的に有名な企業と連携 した雇用創出、販路開拓の取組、さらに大学や金融機関、経済団体等の協力による資金 調達の仕組みづくり等、様々な主体が同事業の推進に関わっている。また、木地師や近 江商人のネットワークを再構築することで、新たな地域間の連携による事業展開を図る ことが可能となる。 4 重要業績評価指標(KPI)及び目標年月 平成29年3月末 平成30年3月末 平成31年3月末 エコツーリズム実施事業者数 4社/累計 7社/累計 10社/累計 エコツーリズム参加観光客数 500人/年間 1,100人/年間 2,000人/年間 地域材を活用した木製品の商品開発数 0件/累計 2件/累計 5件/累計 5 評価の方法、時期及び体制 ‐3‐ 毎年度事業に係るKPI等の達成状況を取りまとめて外部委員会等の第三者機関に おいて効果検証する。今回の事業の検証は、平成 29 年度第1四半期を目途に実施する。 また、議会に報告をし、意見を求める。 検証結果はホームページで公表するとともに、必要に応じて総合戦略の改定や今後の 事業計画や予算、事業運営に反映させる。 外部委員会(産官学金労言等の関係者で構成) ・商工会議所、商工会、農業協同組合、森林組合、大学、金融機関、労働組合、報道 機関、まちづくり協議会、民生委員他を予定 6 交付対象事業に要する費用 ① 法第5条第4項第1号イに関する事業【A3007】 ・総事業費 122,000 千円 7 事業実施期間 地域再生計画認定の日から、平成 31 年3月 31 日(3ヵ年度) 8 その他必要な事項 ・該当なし 5-3 その他の事業 5-3-1 地域再生基本方針に基づく支援措置 該当なし 5-3-2 支援措置によらない独自の取組 多様性のある森里川湖のつながりを生かした森おこしプロジェクト(交付金対象外) ①森里川湖のつながりの保全と創造 事業概要:森里川湖エコツーリズム推進事業 エコツアーの検討・試行・実施 事業主体:東近江市、民間事業者等 事業期間:平成 28 年4月~平成 31 年3月末 ②新たな木の産業創出 事業概要:地元産木材製品のブランド化事業 地元木材の調達、商品(家具等)開発、木材乾燥・加工施設整備、事 業所誘致等 三方よし基金による創業支援事業 森里川湖ファンド創設、資金活用セミナー開催、社会的ローカル投資 商品化の検討、ICカードを活用した地域循環の仕組みづくり 事業主体:東近江市、民間事業者等 事業期間:平成 28 年4月~平成 31 年3月末 ③森里川湖のつながりの継承・発信 ‐4‐ 事業概要:平成の氏子駈・氏子狩復活事業 木地師のふるさと発信イベントの開催 幼小中向け森里川湖のつながり継承支援事業 里山保育や体験学習の実施、保育士や教師向けセミナーの実施、体験 メニューや教材の商品化 森林・林業講座の設置事業 地元高校等との連携による担い手育成カリキュラムの作成、大学生や 社会人向けe-ラーニング等研究機関や大学等との連携による育成体制 の構築と事業実施 事業主体:東近江市、幼稚園等、小・中学校、高等学校、民間事業者等 事業期間:平成 28 年4月~平成 31 年3月末 6 計画期間 地域再生計画認定の日から平成 31 年3月 31 日 7 目標の達成状況に係る評価に関する事項 7-1 目標の達成状況に係る評価の手法 毎年度事業に係るKPI等の達成状況を取りまとめて外部委員会等の第三者機関におい て効果検証する。また、議会に報告をし、意見を求める。 外部委員会(産官学金労言等の関係者で構成) ・商工会議所、商工会、農業協同組合、森林組合、大学、金融機関、労働組合、報道機 関、まちづくり協議会、民生委員他を予定 7-2 目標の達成状況に係る評価の時期及び評価を行う内容 外部委員会等による事業の評価検証は、毎年度第 1 四半期を目途に実施する。KPI等 から事業の効果を分析し、必要に応じて総合戦略の改定や今後の事業計画、予算や事業運 営に反映させる。 7-3 目標の達成状況に係る評価の公表の方法 検証結果は議会に報告するとともにホームページで毎年度公表する。 ‐5‐