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最適な岡山地域医療体制の構築
資料 1 最適な岡山地域医療体制の構築 ~21世紀型の新たな地域医療ネットワークの確立をめざして~ 地域医療の現状と課題 ○比較的恵まれた医療資源(市内は優れた病院群のバランスにより維持) (問題点) ・医療経営環境の悪化による病院経営の変化 ・全国的な医師不足と医療スタッフの流動化 ・高齢化に伴う将来的な患者増とその受け皿に対する懸念 ・救急患者急増と2次∼3次救急病院の機能低下への懸念 ・新型インフルエンザ対策など危機管理体制への懸念 ・急性期から在宅までの施設間の連携や相談体制など患者ニーズに合った 一貫したサービスの不足 ○地域医療の安定的・継続的維持への不安 解決方向 ①医療資源を活かしたネットワーク強化(役割分担・連携体制の確立) ・医療機関同士のネットワーク強化による効率的・効果的な医療体制の確立 ・予防、診療から介護までの切れ目のないサービスの提供 ・相談、情報機能や連携を支援する総合調整機能(コーディネート機能)の強化 ②強化の必要な分野への対応 ・24時間365日急病・急患に対する救急医療体制の強化 ・健康危機管理機能、災害医療機能の強化 ③地域医療を担う医師等の確保 ・教育・人材育成機能の強化等 医療の流れのイメージ(脳卒中を例として) 保健所 急性期病院 健診医療機関 予防 ・生活習慣改善 ・再発予防治療 回復期リハ病院等 急性期 回復期 ・救急医療(早期診断・初期治療) ・専門的治療(急性期リハビリ含む) ・身体等機能回復リハビリ ・再発予防治療等 救急医療 体制強化 健康危機・ 災害対策 強化の必要な分野への対応 介護施設等 維持期 ・生活機能維持向上リハビリ ・再発予防治療等 連携 ネットワーク強化(切れ目のないサービスの提供等) ・ 地域医療を担う医師等の確保 かかりつけ医(在宅) 1 基本的考え方 【21世紀型の新たな地域医療ネットワークの確立】 ①21世紀型の新たな地域医療ネットワークの確立 本市の持つ強みである、優れた医療資源を最大限に活かしながら、各医療機関 の役割分担と連携をさらに促進させ、それらが有機的に結びついた、21世紀型の 新たな地域医療ネットワークを確立し、最適な地域医療体制を構築する。 ②岡山大学と岡山市の全国に類例のない連携体制の構築 高度先進医療、教育、研究を担う岡山大学と地域医療ネットワークの確立に貢献 する新たな医療機関の実現を目指す岡山市は、全国的にも類例のない連携体制を 構築することにより、最適な地域医療体制の構築に貢献する。 ③地域医療ネットワークの確立に貢献する新たな医療機関の実現 各医療機関の連携を促進する総合調整機能(コーディネート機能)や強化が必要 な(手薄な)分野に対応するなど地域医療ネットワークを支える機能(ネットワーク安 定化機能)を担うことにより、地域医療ネットワークの確立に貢献する新たな医療機 関の実現を図る。 現在の地域医療体制 21世紀型地域医療ネットワーク 診療所 診療所 総合 病院 総合 病院 診療所 診療所 総合 病院 市民 診療所 岡大 総合 病院 総合 病院 診療所 診療所 専門 病院 総合 病院 診療所 診療所 市民 診療所 岡大 市民病院 保健所等行政機関・医師会・介護施設等 専門 病院 新たな 医療機関 保健所等行政機関・医師会・介護施設等 ・優れた病院群による体制 ・新たな課題に対し十分とはいえない 体制 ・各機関が有機的に結びついた、新た な地域医療ネットワークを確立 ・岡山大学と岡山市の全国に類例の ない連携体制の構築 ・地域医療ネットワークの確立に貢献 する新たな医療機関の実現 市民の健康と生命を守り、安全・安心を支える 中四国地域における総合福祉の拠点を目指す 2 1 一般 患者 救急 患者 救急医療 救急医療 教育・人材育成 各医療機関 中等症 転院 コーディネート 各医療機関との地域医療ネットワーク構築 岡大・日赤等 一部重症 転送 専門診療部門 (ER支援部門) 一部重症、中等症 軽症 紹介 技術的 協力等) (人的・ 連携 体制 市民 教育・研究 高度先進 医療 岡山大学 【関係機関】 医師会等関係団体 保健所・福祉事務所・消防 ふれあい公社 こども総合相談所(仮称) 県精神科医療センター 各福祉施設など ○総合調整機能(コーディネート機能) 医療・福祉施設等の連携調整 など ○医療・保健・福祉の総合相談・情報提供 (ワンストップサービス) 予防、診療から介護まで切れ目のない サービスの提供に貢献する連携機能 医療・保健・福祉連携機能 かかりつけ医 ○24時間365日すべての症状の患者を受入 ○地域医療を担う医師等の育成 ○地域医療を担う医師等の育成 ○24時間365日すべての症状の患者を受入 休日夜間 急患診療所 連携 自力 受診 救急車 岡 山 E R (仮称)岡山総合医療センター構想 (仮称)岡山総合医療センター構想のイメージ(案) 資料2 ○(仮称)岡山総合 医療センター構想のイメージのうち、救急医療体制 の強化をめざす岡山ERの構想について、以下に示す。 1 岡山ER構築の目的 本 市 の救 急 医 療 体 制 は、初 期 (休 日 夜 間 急 患 診 療 所 、在 宅 当 番 医 制 等 )、 二 次 (病 院 群 輪 番 制 病 院 等 )、三 次 (救 命 救 急 センター)の救 急 医 療 機 関 、救 急 告 示 施 設 により整 備 されている。 しかし、全 国 的 には救 急 患 者 の急 増 、医 療 訴 訟 の増 加 などにより救 急 現 場 の 疲 弊 が危 惧 される状 況 にある。特 に、二 次 、三 次 救 急 医 療 機 関 においては、軽 症 患 者 が大 幅 に増 加 し、手 術 ・入 院 を要 する患 者 を受 け入 れるという本 来 の機 能 を十 分 発 揮 できない状 況 に陥 ることが懸 念 されている。この要 因 として、患 者 自 身 で症 状 の程 度 や診 療 科 の判 断 ができないことや、患 者 がより高 度 な医 療 機 関 を受 診 する傾 向 があることなどが考 えられる。 このような状 況 から、市 民 が安 心 できる最 適 な救 急 医 療 体 制 を実 現 していくこ とが課 題 となっ ており 、この解 決 に貢 献 するとともに、地 域 医 療 を担 う医 師 等 の 安 定 的 ・継 続 的 確 保 にも貢 献 する新 たな仕 組 みとして、以 下 により「岡 山 ER」を 構 築 するものとする。 ア 24時 間 365日 、症 状 の程 度 ・診 療 科 にかかわらず、すべての症 状 の救 急 患 者 を受 け入 れ、ER型 救 急 医 (※) が初 期 診 療 を行 う、ER型 救 急 システム を取 り入 れた「岡 山 ER」を(仮 称 )岡 山 総 合 医 療 センターに設 置 し、他 の 医 療 機 関 等 との連 携 を進 めながら、市 民 が安 心 できる最 適 な救 急 医 療 体 制 の実 現 に貢 献 する。 イ 「岡 山 ER」を教 育 ・人 材 育 成 の場 として活 用 することにより、地 域 医 療 を担 う医 師 等 の安 定 的 ・継 続 的 確 保 に貢 献 する。 ウ 「岡 山 ER」を岡 山 大 学 と岡 山 市 の医 療 ・教 育 連 携 に基 づ き構 築 すること により、最 適 な地 域 医 療 体 制 の実 現 に貢 献 する。 ※「 ER型 救 急 医 」とは、すべての救 急 患 者 の救 急 初 期 診 療 を行 う能 力 を 有 する医 師 2 2 岡山ERの機能 (1) 岡山 ERの基 本 機能 ① 救 急初 期診療 機能 ER型 救 急 システムにおいては、すべ ての症 状 の救 急 患 者 を受 け入 れ、ER 型 救 急 医 が救 急 初 期 診 療 を行 う救 急 外 来 部 門 (ER)がその中 心 となる。 「岡 山 ER」においては、このシステムを導 入 して適 切 な救 急 初 期 診 療 を行 う ことにより、市 民 が安 心 して受 診 できる救 急 医 療 の提 供 を目 指 す。 (岡 山 ERの救 急 初 期 診 療 機 能 ) ア 救 急 初 期 診 療 部 門 であるER(救 急 外 来 )において、24時 間 365日 、症 状 の程 度 ・ 診 療 科 に かかわらず、すべ ての症 状 の 救 急 患 者 を受 け入 れ る。 イ E R型 救 急 医 を中 心 としたER部 門 が、すべての救 急 患 者 の救 急 初 期 診 療 (診 断 ・初 期 治 療 ・方 向 性 の決 定 (advanced triage))を行 う。 ウ 入 院 治 療 、手 術 が必 要 な患 者 は、各 専 門 科 に振 り分 ける。 (ER部 門 は救 急 患 者 の入 院 治 療 や手 術 を行 わない。) エ 自 力 受 診 (walk in)の患 者 については、ER型 救 急 医 の救 急 初 期 診 療 前 にトリアージナースが緊 急 性 の判 断 を行 う。 ② コーディネート機能 本 市 の救 急 医 療 体 制 は、初 期 、二 次 、三 次 の救 急 医 療 機 関 、救 急 告 示 施 設 により整 備 されているが、救 急 患 者 の急 増 等 により救 急 現 場 の疲 弊 や二 次 、 三 次 救 急 医 療 機 関 の機 能 低 下 が危 惧 される状 況 にある。一 方 、多 発 外 傷 、 広 範 囲 熱 傷 、周 産 期 救 急 、小 児 救 急 など救 急 医 療 の集 約 化 が進 んでいる分 野 がある。このような状 況 から、本 市 においては、各 医 療 機 関 の特 性 を活 かし ながら役 割 分 担 と連 携 を進 め、地 域 医 療 ネットワーク全 体 で救 急 医 療 を支 える 体 制 をつくっていくことが必 要 と考 えられる。 したがって、「岡 山 ER」における救 急 初 期 診 療 後 の対 応 については、院 内 各 診 療 科 に振 り分 けるほか、適 切 な処 置 後 に各 医 療 機 関 に振 り 分 けるコーディ 3 ネートを積 極 的 に行 うものとし、医 療 連 携 を重 視 したERを目 指 すものとする。 特 に、特 殊 な重 症 疾 患 等 については、岡 山 大 学 との医 療 連 携 を強 化 するこ とにより、最 適 な救 急 医 療 の実 現 を図 るものとする。 (コーディネートの例 ) ・軽症患者 かかりつけ医を紹介して帰宅させる。 ・中等症患者 院内各診療科に振り分けるほか、一定の治療後転院 可能な状態になれば、各医療機関を紹介する。 ・重症患者 院内各診療科に振り分けるほか、一部の重症患者等 は、必要な処置後に速やかに岡山大学病院、岡山赤 十字病院(救命救急センター)等、適切な医療機関 に引き継ぐ。 4 (2) 岡山 ERを支える専 門診 療機 能 ER型 救 急 システムには、ERで振 り分 けられた救 急 患 者 の入 院 治 療 ・手 術 等 を行 い、ERを後 方 で支 援 する専 門 診 療 部 門 が不 可 欠 である。したがって、ER 支 援 部 門 としての観 点 から必 要 な専 門 診 療 機 能 について、基 本 的 な考 え方 を 示 すものとする。 ① 基 本的な考 え方 すべての症 状 の救 急 患 者 を 受 け入 れるE Rの支 援 部 門 として機 能 するため には、少 なくとも、中 等 症 以 上 の救 急 患 者 数 が多 い、外 傷 、脳 疾 患 、心 疾 患 、 消 化 器 系 疾 患 、呼 吸 器 系 疾 患 の入 院 治 療 ・手 術 を一 定 レベルで実 施 できる 専 門 診 療 部 門 が必 要 である。これらの疾 患 の中 でも、高 齢 者 において救 急 搬 送 率 や死 因 順 位 が高 い脳 疾 患 、心 疾 患 、呼 吸 器 疾 患 (肺 炎 等 )は、高 齢 化 に 伴 い患 者 数 の増 加 が予 測 されることから、特 に対 応 が求 められる分 野 である。 また、ERを中 心 に教 育 ・人 材 育 成 機 能 を担 うためには、臨 床 研 修 病 院 、救 急 科 専 門 医 指 定 施 設 、ER型 救 急 専 門 医 後 期 研 修 プログラム等 で必 要 とされ る診 療 科 (部 門 )を設 けることが求 められる。 救 急 医 療 機 関 としては、このような条 件 を満 たす専 門 診 療 部 門 (診 療 科 )を すべて揃 え、かつすべての患 者 の入 院 治 療 や手 術 に対 応 する体 制 が望 ましく、 ERの先 進 事 例 では、一 次 から三 次 までの救 急 医 療 を行 う自 己 完 結 型 の体 制 をとっている。しかし、「岡 山 ER」は地 域 での医 療 連 携 を重 視 していることから、 多 発 外 傷 、広 範 囲 熱 傷 、周 産 期 救 急 、小 児 救 急 など医 療 機 能 の集 約 化 が進 んでいる分 野 については他 の医 療 機 関 との連 携 を前 提 として、現 在 の許 可 病 床 数 を勘 案 しながら、最 大 の効 果 を発 揮 できるように運 営 することを目 指 し、必 要 な専 門 診 療 機 能 を設 定 するものとする。 5 (3) 岡 山ERを中 心とする教育 ・人材 育成 機能 ERは、救 急 初 期 診 療 部 門 であるとともに、研 修 医 をはじめ医 師 の教 育 ・人 材 育 成 部 門 として位 置 づけられる。また、地 域 の医 療 関 係 者 の救 急 医 療 に関 する研 修 の場 としても活 用 が可 能 である。 このような教 育 ・人 材 育 成 機 能 を岡 山 大 学 との教 育 連 携 に基 づき構 築 し、 地 域 医 療 を担 う医 師 等 の安 定 的 ・継 続 的 確 保 に貢 献 する。 ① 初 期臨 床研修 様 々な症 例 を学 べるERは、医 師 の教 育 ・研 修 の場 として有 効 であり、ERでの 研 修 を初 期 臨 床 研 修 のひとつの柱 と位 置 づけ、研 修 医 がER型 救 急 医 の指 導 の下 で、充 実 した救 急 総 合 診 療 研 修 を受 けることができる体 制 を整 える。 また、岡 山 大 学 との教 育 連 携 に基 づき、ERでの教 育 を中 心 に同 大 学 の初 期 臨 床 研 修 医 を受 け入 れることにより、地 域 医 療 を担 う医 師 の教 育 ・人 材 育 成 に 貢 献 する。 ② 後 期臨 床研修 救 急 科 専 門 医 指 定 施 設 として、救 急 科 専 門 医 を養 成 する。これにより、将 来 の「岡 山 E R」を担 う 救 急 医 を育 成 するととも に、地 域 医 療 を担 う 救 急 医 、総 合 医 の育 成 に貢 献 する。 後 期 臨 床 研 修 コースは、岡 山 大 学 と連 携 しながら、ER型 救 急 医 コース、ICU 型 救 急 医 コース 、総 合 医 コー スなど複 数 のコースを 設 け、多 様 な人 材 を 育 成 するものとする。 ③ 医療 関係者 への救 急医療 に関する研修 地 域 の医 師 、看 護 師 、救 急 救 命 士 等 医 療 関 係 者 の救 急 医 療 に関 する研 修 会 、講 習 会 を積 極 的 に行 う。このため、岡 山 大 学 と連 携 しながら、一 次 救 命 処 置 (BLS)、二 次 救 命 処 置 (ACLS)などの教 育 訓 練 コースを開 催 できる体 制 を 整 える。 6 (4) 救急 医療 における地域 医療 ネットワーク構 築への貢 献 本 市 の救 急 医 療 においては、各 医 療 機 関 の特 性 を活 かしながら役 割 分 担 と連 携 を進 め、地 域 医 療 ネットワーク全 体 で救 急 医 療 を支 える体 制 をつくって いくことが必 要 である。 このためには、医 師 会 や各 医 療 機 関 等 の協 力 が必 要 であり、岡 山 ERは、岡 山 市 の機 関 として、岡 山 大 学 と連 携 しながら、調 整 機 能 の一 翼 を担 うとともに、 救 急 医 療 機 関 として、救 急 患 者 を適 切 な処 置 後 に他 の医 療 機 関 に振 り分 ける コーディネートを積 極 的 に行 い、救 急 医 療 における地 域 医 療 ネットワーク構 築 に貢 献 する。 また、岡 山 市 休 日 夜 間 急 患 診 療 所 については、岡 山 ERとの効 果 的 な連 携 方 法 について医 師 会 と協 議 する。 (5) 災害 医療 機能 、健康 危機 管理 機能 (仮 称 )岡 山 総 合 医 療 センターにおいては、岡 山 ERを中 心 に災 害 医 療 体 制 を構 築 するものとする。医 療 救 護 については、ER救 急 医 を中 心 に専 門 的 な訓 練 を受 けた災 害 派 遣 医 療 チーム(DMAT)を編 成 するとともに、災 害 医 療 研 修 及 び災 害 医 療 救 護 訓 練 を積 極 的 に実 施 する。 また、新 型 インフルエンザ発 生 など健 康 危 機 時 の対 応 については、関 係 機 関 と連 携 しながら、伝 染 性 の強 い感 染 症 が疑 われる患 者 の救 急 受 診 時 の対 応 が適 確 にできる体 制 を構 築 する。 7 3 岡山ERの運営体制 (1) 運営 方針 ・いつでも、どのような症 状 の患 者 さんも決 して断 らず受 け入 れ、適 切 な救 急 医 療 を提 供 することを目 標 とする。 ・救 急 医 療 は病 院 全 体 で行 うという共 通 認 識 を持 ち、チームワークによりこれを 実 践 する。 ・ERを医 師 等 の教 育 ・人 材 育 成 の場 として積 極 的 に活 用 する。 ・適 切 な処 置 後 に各 医 療 機 関 に振 り分 けるコーディネートを積 極 的 に行 う。 ・ERを中 心 に病 院 全 体 として、災 害 医 療 体 制 を構 築 する。 ・新 型 インフルエンザ発 生 など健 康 危 機 時 の救 急 医 療 が適 確 に実 施 できる体 制 を構 築 する。 (2) 診療 体制 等 ① 診 療体 制 ・24時 間 365日 体 制 で救 急 患 者 を受 け入 れるものとし、ER診 察 室 は、1∼3室 体 制 で運 用 する。特 に、患 者 数 の多 い準 夜 勤 帯 の体 制 を充 実 させる。 ・ER部 門 (救 急 科 )には、救 急 科 専 門 医 を少 なくとも3名 配 置 し、ER専 任 後 期 研 修 医 (又 は各 専 門 科 医 )を含 め、3交 替 制 が可 能 な人 員 体 制 とする。 ・救 急 科 専 門 医 を中 心 に、充 実 した臨 床 研 修 (初 期 ・後 期 )が行 える体 制 を整 える。 ・ER部 門 (救 急 科 )にトリアージナースほか専 任 看 護 師 を配 置 する。 ・ER部 門 (救 急 科 )には、診 察 室 、処 置 室 、経 過 観 察 床 、陰 圧 床 など必 要 な 施 設 ・設 備 を整 備 する。 ・各 専 門 科 医 師 は、ICU当 直 、病 棟 当 直 (内 科 系 ・外 科 系 )のほか、各 科 オン コール体 制 を整 える。 ・検 査 ・薬 剤 部 門 は、24時 間 365日 体 制 で、単 純 X線 、CT、MRI、血 液 検 査 などの必 要 な検 査 、調 剤 を行 うことができるようにする。 8 ② 診 療の流れ 1 受付 2 自 力 受 診 (walk in)の患 者 はトリアージナースが緊 急 性 の判 断 を行 う。また、 救 急 搬 送 患 者 は原 則 としてER救 急 医 が対 応 する。 3 ER診 察 室 で初 期 診 療 (診 断 ・初 期 治 療 ・方 向 性 の決 定 ) (他 院 より紹 介 など専 門 科 が明 らかな場 合 は状 況 に応 じて各 専 門 科 対 応 ) 4 方 向 性 の決 定 ①かかりつけ医 を紹 介 して帰 宅 させる。 ②入 院 治 療 ・手 術 が必 要 な場 合 は、各 専 門 科 に引 き継 ぎ (各 専 門 科 は、病 棟 当 直 又 はオンコール対 応 ) ③一 部 の重 症 患 者 は、必 要 な処 置 後 速 やかに適 切 な医 療 機 関 に引 き 継ぎ ④初 診 で判 断 がつきにくい場 合 は、経 過 観 察 床 に収 容 し、一 定 時 間 後 再 診 する。翌 朝 、入 院 が必 要 と判 断 された場 合 、院 内 各 専 門 科 に引 き 継 ぎするか、他 の医 療 機 関 へ紹 介 するかを決 定 する。 岡山ERの救急システム (仮称)岡山総合医療センター 岡山ER 一部重症 ー による初期診療 ー 1 診断 2 初期治療 3 方向性の決定 (advanced triage) ス 救急車 救 急 患 者 コ デ ネ ー ジ ナ ER救急医 ィ (walk in) ー 自力受診 ト リ ア ト 岡大・日赤等 転送 中等症 各医療機関 転院 軽症 紹介 一部重症 中等症等 ER支援部門 各専門科 ICU (集中治療部門) 協力 (一般病棟) 連携 自力受診 休日夜間急患診療所 9 かかりつけ医 資料3 岡 山 大学 と岡 山市 の 連携 事項 (案 ) 1 最 適な 地域 医療 提 供体 制の 構築 ・岡山大学と岡山市は、21世紀型の新たな地域医療ネットワークを確立 し、岡山地域における最適な地域医療体制を構築することにより、市民 の安全・安心を支え、中四国における総合福祉の拠点を目指すという目 標を共有し、これを推進するため、全国に類例のない強力な連携体制を 構築する。 ・このため、医療・保健等幅広い分野の連携協議を継続的に進め、可能な 事項から実行するとともに、関係機関の協力を得ながら目標を達成でき るよう、双方が努めるものとする。 2 岡 山E Rの 構築 ・ 岡 山 市 は 、 (仮 称 )岡 山 総 合 医 療 セ ン タ ー に 岡 山 E R を 設 置 し 、 岡 山 大 学 は、岡山ERの構築に必要な人的・技術的協力を行う。 ・岡山大学が岡山ERから高度な専門治療を要する重症救急患者を受け入 れるなど、双方による救急医療連携体制を強化する。 3 教 育・ 人材 育成 ・ (仮 称 )岡 山 総 合 医 療 セ ン タ ー は 、 岡 山 E R で の 教 育 を 中 心 と し て 岡 山 大 学の研修医を受け入れる。 ・地域医療に関する研究及び教育を推進するため、岡山市は岡山大学に一 定期間寄付を行い、岡山大学は寄付講座を開設する。 ・岡山大学は、岡山ERにおける救急医、総合医の養成や医療関係者・医 学生の教育・人材育成に関し、必要な人的・技術的協力を行う。 資料 4 教育・人材育成機能の強化について(案) ∼地 域 医 療 を担 う医 師 等 の確 保 をめざして∼ 1 目的 医 師 不 足 問 題 については、国 の「安 心 と希 望 の医 師 確 保 ビジョン」(平 成 20年 6 月 )において、現 状 では総 数 が不 足 しているとの認 識 が示 され、医 師 養 成 数 の増 加 など対 策 の必 要 性 が提 示 された。また、平 成 16年 度 から始 まった新 臨 床 研 修 制 度 によって、医 師 の偏 在 が加 速 し、全 国 的 に地 方 の医 師 不 足 が深 刻 化 している。 さらに、高 齢 化 に伴 う患 者 数 の増 加 が予 測 される中 、岡 山 地 域 においても、これ からの地 域 医 療 を担 う医 師 等 を安 定 的 ・継 続 的 に確 保 していくことが重 要 な課 題 と なっている。 この課 題 解 決 のためには、中 長 期 的 な視 点 から地 域 医 療 を担 う人 材 を養 成 して いく必 要 があり、岡 山 地 域 において医 師 等 の教 育 ・人 材 育 成 の中 心 的 存 在 である 岡 山 大 学 と岡 山 市 は共 同 して教 育 ・人 材 育 成 機 能 の強 化 を図 るものとする。 2 基 本的 方向 岡 山 大 学 と岡 山 市 は、以 下 を基 本 的 方 向 として、共 同 して教 育 ・人 材 育 成 機 能 の強 化 を図 るものとする。 (1) 地 域 医 療 を担 う次 世 代 の医 師 を確 保 するため、魅 力 ある臨 床 研 修 の場 を提 供 する。 (2) 地 域 医 療 を担 う救 急 医 、総 合 医 の育 成 を推 進 する。 (3) 医 療 関 係 者 、医 学 生 の教 育 ・人 材 育 成 を推 進 する。 (4) これらを実 現 するために、(仮 称 )岡 山 総 合 医 療 センターに設 置 する「岡 山 E R」等 を活 用 する。 1 3 具 体的 方策 (1) 初期 臨床研 修 魅 力 ある臨 床 研 修 の場 を提 供 するため、岡 山 ERを活 用 した初 期 臨 床 研 修 を実 施 する。様 々な症 例 を学 ぶことができるERは、医 師 の教 育 ・研 修 の場 とし て有 効 であり、研 修 医 がER型 救 急 医 の指 導 の下 で、充 実 した救 急 総 合 診 療 研 修 を受 けることができる体 制 を岡 山 ERに整 備 し、岡 山 大 学 と(仮 称 )岡 山 総 合 医 療 センター双 方 の研 修 医 教 育 に活 用 する。 (2) 後期 臨床研 修 地 域 医 療 を担 う救 急 医 、総 合 医 の育 成 を推 進 するため、岡 山 大 学 と(仮 称 ) 岡 山 総 合 医 療 センター双 方 が協 力 して岡 山 E Rを活 用 し た後 期 臨 床 研 修 を 実 施 する。 このため、( 仮 称 ) 岡 山 総 合 医 療 センターを救 急 科 専 門 医 指 定 施 設 とし 、 救 急 科 専 門 医 を養 成 できる体 制 を整 えるとともに、岡 山 大 学 と(仮 称 )岡 山 総 合 医 療 センターが連 携 しながら、ER型 救 急 医 コース、ICU型 救 急 医 コース 、 総 合 医 コースなど複 数 のコースを設 け、多 様 な人 材 を育 成 するものとする。 (3) 医療 関係者 ・医学生の教 育・人材 育成 医 療 関 係 者 の人 材 育 成 を推 進 するため、岡 山 ERにおいて、地 域 の医 師 、 看 護 師 、救 急 救 命 士 等 に対 する救 急 医 療 に関 する研 修 会 、講 習 会 を 実 施 する。 また、医 学 生 の卒 前 教 育 の充 実 のため、岡 山 大 学 の要 請 に応 じて、(仮 称 ) 岡 山 総 合 医 療 センターはこれに協 力 するものとする。 2 寄付講座の開設について(案) 1 開設趣旨 岡山地域の医療は、比較的恵まれた医療資源により維持されてきたが、医療経 営環境の悪化、医師不足、救急患者の急増、高齢化に伴う将来的な患者増など様々 な問題が発生し、地域医療の安定的・継続的維持への不安がでてきている。 このため、優れた医療資源を活かした地域医療ネットワークの確立、救急医療 等の強化が必要な分野への対応、地域医療を担う人材の確保により、岡山地域に おける最適な地域医療体制を確立していく必要がある。 一方、岡山大学と岡山市は、最適な地域医療体制の構築を推進するため、連携 協議を進めているが、連携方策のひとつとして、救急医療と教育・人材育成機能 の強化に資する「岡山ER」の構築を目指しており、その実現化が課題となって いる。 岡山市として、これらの諸課題に対応するためには、地域医療ネットワークの 構築やER型救急システムの構築に関する研究及びその成果の普及、救急医等の 人材の教育・養成が必要であり、医療分野における市内唯一の研究教育機関であ る岡山大学に岡山市による寄付講座を設置し、これらの教育・研究を行うことに より、岡山地域における最適な地域医療体制の構築に貢献する。 2 研究教育内容 (1) 岡山における地域医療ネットワークの構築に関する研究 (2) ER型救急システムの構築に関する研究 (3) 救急医、総合医など地域医療を担う医師等の教育・養成及び研修プログラム の開発 3