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静止摩擦係数と 物質の状態の関係

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静止摩擦係数と 物質の状態の関係
2015 年度・平成 27 年度SSH生徒研究発表会 ポスター
静止摩擦係数と
物質の状態の関係
埼玉県立川越高校 SSH Cグループ 1 年 塩入 匠
指導者 澤野一樹 阿部宏
研究概要
プレート同士の摩擦熱によるプレート境界面の物質の変化によって地震が発生する。そこで、状態変化による摩擦力の変化の測定ため、砂と水、氷を使って
静止摩擦係数の測定を行った。実験の結果、固体のほうが液体よりも静止摩擦係数が大きいという結論に至った。
研究分野
研究開始年月
物理
過去の研究
キーワード
静止摩擦係数の測定
2015 年 12 月
静止摩擦係数 地震の発生
1.研究動機
プレート同士の摩擦熱によって境界面の物質が変化することにより、摩擦力が小さくなり地震が発生するという話を聞き、物質の状態により静止摩擦係数が
変化することを確かめたいと思ったため。
2.仮説
熱による物質の変化によって摩擦力が小さくなることから、固体のほうが液体より静止摩擦係数が大きいと考えた。
3.実験方法
砂の上の木片をばねばかりで引き、木片が動き始めた時の目盛りを読み取り、その結果から静止摩擦係数を求める。
1.砂の上に木片をのせ、ばねばかりで引いて動き始めたときの目盛り(最大静止摩擦力の大きさ)を読み取る。(実験1)
2.砂に水を入れ、水の量を、砂の全体が濡れる程度(少ない場合)と、砂がつかる程度(多い場合)で、1 の作業を行う。
(実験 2)
3.その水を砂と混ぜた状態で凍らせて 2 の作業を行う。
(実験 3)
4.1,2,3 の作業を 20 回行い、その結果から静止摩擦係数の式を使って静止摩擦係数を求める。
静止摩擦係数の式
垂直抗力 N[N]
F=μmg
引く力 F[N]
静止摩擦力 μN[N]
木片の受ける重力 mg[N]
F:木片が動き始めた瞬間のばねばかりの目盛り[N]
μ:静止摩擦係数
m:木片の質量[kg]
2
g:重力加速度[m⁄s ]
2
(g=9.8[m⁄s ]として計算)
使用機材
金属トレー 砂 木片(0.095kg) ばねばかり
実験の様子(実験 1)
実験 2(砂と水)
実験 3(砂と氷)
5.実験結果
下の表は実験での最大静止摩擦力の結果と 20 回の実験で得た平均値の表である。[単位N]
実験 1
回数
実験 2
砂
水が少ない場合
実験 3
水が多い場合
水が少ない場合
水が多い場合
1 回目
55
105
70
100
98
2 回目
55
103
70
80
48
3 回目
51
95
60
90
98
4 回目
53
80
77
85
105
5 回目
60
85
78
102
67
6 回目
58
84
82
101
69
7 回目
60
78
72
87
132
8 回目
57
80
70
98
102
9 回目
55
75
85
110
70
10 回目
51
78
86
92
120
11 回目
51
81
70
102
98
12 回目
50
85
75
90
95
13 回目
54
90
65
65
91
14 回目
48
80
82
80
111
15 回目
62
86
62
77
113
16 回目
60
85
60
121
132
17 回目
53
80
66
93
81
18 回目
60
78
63
116
118
19 回目
60
86
70
122
97
20 回目
53
85
68
82
75
平均値
55.3
84.95
71.55
94.65
96
下の表とグラフは、F=μmgを使って求めた静止摩擦係数をまとめたものである。
実験 1
59.4±4.3
実験 2
実験 3
水が少ない場合
91.3±8.4
101.7±15.8
水が多い場合
76.9±8.4
103.1±23.5
6.考察
結果は、凍らせた場合のほうが静止摩擦係数は大きかった。これは仮説と一致した。だが、グラフから読み取れるように、砂だけで計測した場合より水を入
れた場合、凍らせた場合での結果の誤差が大きいので、改善の必要がある。
7.今後の課題
水を入れて木片を動かした時に砂が木片に掘られて余計な抵抗が生まれたり、水を凍らせたときに表面が粗かったりしてひっかかったりするなどしたため、
誤差が大きくなったと思われる。そのため、実験の時の砂の表面を整える方法や、表面に変化が出にくい方法など、結果を安定させる工夫を考える。
8.結論
固体のほうが液体より静止摩擦係数が大きいという仮説は検証された。今後は実験方法の改善が必要である。
9.謝辞
本校 OB 冨永紘平さん
研究のアドバイスありがとうございました。
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