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生産の拡大・商品力強化
【生産の拡大・商品力強化】 ∼葉たばこの廃作農地の利活用に向けた取組み∼ 1 地域の概要 田村地域は、福島県中通りの中部、阿武隈高地の西部∼中央部に位置し、東西距離 約 38km、南北距離約 38km の地域です。 地域の大部分が、標高 350∼550mの起伏の大きい中山間地にあり、年平均気温 10℃ と、夏は涼しく冬は寒い気候です。 当地域は、従来から、葉たばこ、水稲、野菜、畜産等が基幹作物として栽培・飼養 され、中山間地域の特徴を生かしながら、これらを組み合わせた複合経営が主体であ りますが、近年は高齢化が進んでいます。 2 組織の概要 名称:JAたむら 夏秋ネギ部会 生産者数:30 名 作付面積:12ha 3 取組みの契機、内容 平成 23 年、 東日本大震災に伴う原発事故により、 県内全域で葉たばこの作付が中止され、同年8月、 日本たばこ産業が生産農家に廃作を募集しまし た。 田村地域の耕作放棄地は約 2,200ha あり(2010 農林業センサス) 、当地域で葉たばこの廃作に伴 う遊休農地の面積増加を危惧したJAが、遊休農 地対策及び経営の補完的作物として、ピーマン等の 既存の品目に加え、土地利用 栽培希望者を対象とした研修会 型野菜の夏秋ネギを新たに選定し、栽培希望者を対象とした研修会の開催や廃作農家 の全戸訪問により、作付希望者を募りました。 夏秋ネギの選定にあたっては、以下の点を重視しました。 (1)経営面 ア 機械化一貫体系が確立している品目で、省力化による規模拡大が可能。 イ 受託組織を中心に、規模拡大の事例が多い。 (2)流通・販売面 ア 夏秋ネギの産地が限られている イ 京浜地区を中心とした市場からの作付要望が強い ウ 業務加工用野菜としての需要も多い また、作付希望者や田村地域の関係機関、JAで、先進地視察を実施し、導入に対 する認識を共有しました。 作付にあたっては、以下のように共同・機械化体系を基本とし、個々の生産者は軽 40 微作業のみと、生産者の作業負担を軽減させる形をとることにしました。 (1)JAによる共同育苗 (2)移植機の貸出し (3)収穫機による収穫作業の委託 (4)調製、選別作業のJA全農福島への委託 栽培面では、定期的な巡回・集合指導会、出荷目揃え会、先進地研修などを実施す るとともに、機械化体系実証ほを設置することにしました。 4 取組みの効果 平成 24 年3月に、 「JAたむらネギ部会」が発足し、24 年度は、生産者 30 名、約 12ha で作付される見込みです。 5 国、地方公共団体等の施策支援との関わり 葉たばこ廃作に伴う園芸品目への転換や、遊休農地対策に関連した各種事業を活用 し、生産機械等の導入や、JA独自の事業による助成を行います。 (1)国:葉たばこ作付転換緊急対策事業 (2)県:園芸作物緊急転換対策事業 (3)JA:農家応援団事業 41