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2012年3月期 第2四半期決算説明会 「経営状況と今後の経営方針
2012年3月期 第2四半期決算説明会 「経営状況と今後の経営方針について」 代表取締役社長 兼 COO 十河政則 1.はじめに(ご挨拶) ○十河でございます。本日はお忙しい中、多数ご出席を賜り誠にありが とうございます。日頃は弊社に対するご理解を賜り、改めて厚くお礼 申し上げます。思い起こせば今年6月の社長就任以来、震災による部 品調達問題、原材料市況の高騰、円高基調、欧州の金融不安など多く の逆風がありましたが、只今、岡野から説明があった通り、おかげさ まで、第2四半期決算につきましては、非常に順調なスタートを切る ことができました。 2.経済状況と課題認識 ○ 新興国に牽引される形で回復を続けてきた世界経済ですが、ここにき て、ギリシャなどの欧州債務不安に伴う景気減速や市場混乱の懸念が 増すなど、期初の見通しよりもますます不透明感が高まっています。 先行きの見通しが立ちにくい経営環境ですが、当社としては、6月に 公表した中期経営計画(FUSION15)で掲げた目標をやりきることに、 何ら変わりはありません。むしろ私はこういう時こそ、ライバルに差 をつけるチャンスだと考えています。 ○ マクロの指標は大局を掴むのに有効ですが、そうした平均値だけで情 勢を判断していては、企業経営はできません。現場の生きた情報の中 から構造的な変化の予兆を見つけ、ライバルに半歩でも一歩でも早く 手を打てば成長のチャンスは広がるものと思っています。 ○ 同時にヨーロッパをはじめとした実体経済への更なる悪影響に備え、 より短期に重点を置いた対応策も検討していく必要性があると思って います。 3.昨今の経営状況と今後の経営方針(FUSION15 の進捗) ○ 変化の予兆の中から半歩でも一歩でも早く手を打つということでは、 例えば、当社の中国空調事業は年率 30%以上で前年を上回るペースで 拡大していますが、いち早く内陸部・中西部の地方都市の成長を見越 し、差別化製品の積極投入や販売網強化を図ったことや、格力との提 携による中国市場のインバータ化への転換をチャンスとしての省エネ 型エアコンの販売拡大など、ライバルに先がけて手を打った結果では ないかと思っています。中国市場のインバータ化は急速で、今年 50% 程度になるとみています。 1 ○ 今後中国では更なる拡大に向けて、蘇州に大工場建設を行い、2012 年 4月には稼動予定です。新工場建設にともなって、上海工場は業務用・ 高機能製品の生産拠点として、蘇州工場は住宅用を中心としたボリュ ームゾーン攻略製品の拠点として拡充します。これにより昨年2月に 設立した R&D センターとあわせて「現地開発」「現地調達」「現地生 産」の一貫体制が整うことになります。 ○ また当社は空調だけではなく、冷媒をはじめとするフッ素化学、アプ ライド、低温コンテナ、油圧機器など、多くの事業を手がけています。 中国華東地域には、上海、蘇州、常熟のトライアングル的な3都市に、 これら事業の製造機能が集中していますが、その動きを加速し、一大 生産拠点化していきます。製造機能集中の有形無形の恩恵を取り込み、 2015 年には中国の事業規模を 5000 億円にしたいと考えています。 ○ 欧州危機がもたらす、実体経済による新興国の成長への悪影響が懸念 されるものの、世界経済の牽引役を新興国が担う構造は変わらないと みています。そういう意味でもインド、ブラジル等へのスピードある 展開が求められると考えており、当社はインドでは、急拡大する住宅 用ボリュームゾーン市場での事業拡大を図るため、現地で 50 万台の生 産ラインを増設、場合によっては 100 万台の増設の検討をし、来期7 月から稼動させます。 ○ インドで重要なことは、インド人のニーズを体現した商品をいかにロ ーコストで作れるかどうかにあります。今年 6 月に FUSION15 を説明さ せていただいた時、皆さんから新興国ボリュームゾーンを拡大すると いうことは収益性が下がることにならないかという懸念をぶつけられ ました。収益性を下げることなく拡大していくには、いかにローコス トで作れるかどうかにあると思います。 ○ そのためには、いかに現地調達率をあげた現地生産ができるかどうか によると考えています。まずはトヨタさん並みの現地調達率 70%を目 指し、現地サプライヤーの探索と取引の取組みを加速しようとしてい るところです。例えば、サンプルも、現地サプライヤーに図面を引か せ、彼らが提案する材料で部品を作り、それを問答無用で使って商品 開発をしなければなりません。ボリュームゾーン攻略には、そこまで 踏み込む必要があります。 2 ○ またインドでの経験は、新興国全体へ波及する商品開発、モノづくり 能力を構築していくことにもつながると考えています。 ○ ブラジルでは、国家的イベントを控え、急速に進むインフラ需要を取 り込むために、2014 年に予定していた本格工場稼動を1年前倒ししま す。 ○ いずれにしても、グローバル企業である以上、世界経済の影響を受け ることは必至ですが、見通しの立たない状況にも萎縮せず、将来的に 伸びる兆候を見つけ先見性を持って手を打つことが必要です。いたず らに懸念事項を並べ立てるよりも、足元の情勢を見極めて、着実に実 行を積み重ねることが肝要だと思っています。 ○ しかしながら、世界経済全体に減速感が出ており、為替の円高傾向も 定着するなど、ここ数年を見通しても厳しい経営環境が予想されます。 事業環境の変化に対しコンペティターも次々と手を打ってきている中、 空調グローバル№1の維持と収益性の強化、FUSION15 の定量目標の必 達に向けては、テーマの選択と集中による優先順位付けが重要と認識 しています。 ○ 足元では、必達目標を定めている 2013 年度に大きく成果を出せるテー マに経営資源をシフトさせる施策の検討に入っています。厳しい経営 環境の中にあっても FUSION15 でめざす中長期の成長性の維持と短期 利益の確保につなげていきます。 ・ より重点的に加速させるテーマとしては、先ほどお話ししたイン ド・ブラジル、更にはトルコ、インドネシア等の新興国市場向けの 商品開発と現地調達、現地生産によるボリュームゾーンの本格展開。 ・ ヨーロッパでは当社が他社に先駆けて開発し、市場投入したヒート ポンプ給湯暖房「ダイキンアルテルマ」が伸びているが、燃焼暖房 とのハイブリット商品の開発、更には中国、北米などへの展開によ る事業拡大、省エネエアコンの更なる拡大。地域・国ごとに進む環 境規制やエネルギー関連の新ビジネス勃興をチャンスと捉えた、遮 熱塗料や自動車用途のゴム、リチウムイオン電池材料等の化学事業 の環境商品拡大による環境事業の加速。 ・ サービスソリューション事業の強化に加え、今後の柱として育成す べき、節電ソリューションビジネスの加速。 3 ・ 現地ローカルメーカーとの提携も含めた、中国化学事業の拡大。 ・ 新興国・ボリュームゾーンの事業拡大の一方で、新興国でエアコン の普及が急速に進めば、冷媒の使用量も増加の一途をたどると予想 される。空調と冷媒ガスもあわせて生産している唯一の空調メーカ ーとしては、冷媒による環境影響を軽減するため、環境負荷が少な く、安全かつ効率的で経済性にも優れた次世代冷媒探索(R32)も メーカーの責務であると認識している。事業拡大だけでなく、新興 国への環境貢献も積極的に進めていく。 4.おわりに(18 ヶ月予算の考え方について) ○ 今年度の当初予算は、営業利益 850 億円でありますが、社内挑戦目標 としては 900 億円以上を目指すということで重点施策 66 課題に取り組 んできました。第2四半期決算が好調に推移したことを踏まえ、年間 は 900 億円を見込むことができた。更には 18 ヶ月予算の考え方で、次 年度の課題の検討も含め、例年より約2ヶ月前倒しで7月から検討を 進めています。期初から実行してきた 66 課題を 13 の重点課題に絞込 み、来年3月の予算確定までにこの 13 課題を徹底的に取り組み、体質 強化を図ることが6月に公表した FUSION15 の目標達成に近づけるも のと考えています。 ○ 13 課題として主なものは、先ほどの FUSION15 でより重点加速するテ ーマに加え、円高対策の展開、ライバルに打ち勝つ調達力・供給力・ 販売力の構築、FCF の極大化(とくに在庫圧縮に向けた取組み)など であります。 ○ 今後グローバル経済動向に応じて、調達・生産や販売体制を組み変え る柔軟な対応も行い、今後の厳しい経営環境に立ち向かって行きたい と考えています。 以 4 上