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BY についての詳細はこちら
Brachyspina(BY)とは?
Brachyspina(BY)とは、2006 年にデンマークで発見されたホルスタイン種における劣性遺
伝子です。ラテン語で、短い(Brachy)背骨(spine)を意味し、日本語では牛短脊椎症と
呼ばれています。
当時の業界基準となっていた 95%以上の正確性を持つ遺伝子マーカーテストによって検査
が行われ、2011 年 8 月以降キャリア(正常な遺伝子と異常な遺伝子の両方を保持)
・ノンキ
ャリア(正常な遺伝子のみ保持)の表記が各ウェブページや赤本に行われる様になりました。
その後、BY 遺伝子そのものを特定する正確性 100%の検査方法が開発されています。
表記方法は以下の通りです。
<アメリカ> BY:キャリア TY:ノンキャリア
<カナダその他> BYC:キャリア BYF:ノンキャリア
BY がもたらす影響とは?
BY は劣性遺伝子の為、その因子が二つ揃った時に初めて発現します。その場合に BY がもた
らす影響として、以下 2 つのパターンがあります。
1.多くの場合、妊娠初期(妊娠後約 40 日)の流産という結果
2.稀に、短い背骨、異常に長い肢、もしくは内臓奇形を持った形で死産という結果
キャリア自身に健康上の問題は全くありません。
BY が影響を与える確率は?
米国ホルスタイン協会は、アメリカのホルスタイン種の約 6%がこの BY 因子を持つキャリ
アであるとしています。それらを無作為に交配させた場合 1000 回の交配のうち 1 回以下の
確率で BY による流産が発生する予測となります。
CVM や BLAD 同様に、ノンキャリア(BB)とキャリア(Bb)が交配された場合、その子孫の
50%がノンキャリア、50%がキャリアという結果になり、BY(bb)は発現しません。
B
B
BB:ノンキャリア(50%)
B
BB
BB
Bb:キャリア(50%)
b
Bb
Bb
bb:BY(0%)
BY はキャリア(Bb)同士が交配された場合に初めて 25%の確率で発現します。
B
b
BB:ノンキャリア(25%)
B
BB
Bb
Bb:キャリア(50%)
b
Bb
bb
bb:BY(25%)
BY の発現を避けるためにはキャリア同士を交配しないことが勧められています。
BY 因子はどこに起因するか?
BY はもともと数十年前に存在した種雄牛 スイート ヘブン トラディションが持っていた遺
伝子が突然変異を起こしたものに起因し、その息牛メイ トラディション クレイタス及びロ
スロック トラディション リードマンに伝達されました。これを踏まえ、カナダ シーメッ
クス アライアンス社(200H)、アメリカ セレクト サイアーズ社(7H)及びアクセルレイテ
ッド ジェネティックス社(14H)はキャリアの疑いのある其々の種雄牛及び種雄牛候補を積
極的に検査しています。
どのように対応するか?
BY は交配によって管理可能なものであるため、過度に警戒する必要はありません。特にト
ップクラスの種雄牛がこうした劣性遺伝子を持つ場合、交配プログラムからその種雄牛を排
除するのは賢明な対応ではありません。BY のキャリア同士の交配を避けることにより、こ
うした成績優秀な種雄牛が持つ遺伝的優位性を利用することが可能です。
ワールド ワイド サイアーズ社が提供する交配プログラム ワールド メイティング サービ
ス(WMS)には BY キャリアの情報が組み込まれている為、キャリア同士の交配を避ける
よう管理することが可能です。
また上記人工授精所は、BY キャリアでないものに限らず成績優秀な種雄牛をサイアーオブ
サンとして継続的に使用することにより、それら種雄牛が持つ遺伝的優位性を将来的に顧客
の皆様に利用してもらえるよう努めていきます。
株式会社 野澤組
畜産部
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