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服地卸からプレタ製造卸、直営販売へ 時代の変化に伴う事業転換に
株式会社ウールン商会 服地卸からプレタ製造卸、直営販売へ 時代の変化に伴う事業転換に合わせ 販売システムの抜本的見直しを図る 導入の狙い 主力であるアパレル品の直営店販売 に対応した販売システムを導入 自社開発したシステムをパッケージ に入れ替えて業務の標準化を図る 導入システム アパレル業向け販売管理システム 『ApaRevo SPA』 統合型グループウェア 『eValue NS』 クライアント運用管理ソフト 『SKYSEA Client View』 大塚商会インターネットデータセンター インターネット調達・購買『たのめーる』 導入効果 全国113直営店のリアルタイムな売 上管理が実現 各直営店が相互の在庫状況を把握 し、欠品を融通し合うことで販売機会 ロスが低減 リアルタイムな販 売 情 報に基づい て、迅速な経営判断が可能に —USER 全国の百貨店テナントを中心に113店舗を直営店として展開。オリジナルとインポートブランドの婦人服を取り扱う 株式会社ウールン商会はオリジナルとインポートブランドの婦人服を取り扱うアパ レル企業だ。60年近い歴史の中で、輸入服地卸から、自社ブランドによるプレタポ ルテ(既製服)の製造卸、インポートブランドを中心とするプレタの直営店販売と、 市場ニーズの変化を先取りしながら事業を拡大してきた。同社は2012年、現在の P R O F I L E ——————————————————— 株式会社ウールン商会 ●業種:アパレル 主力である直営店販売に対応しきれていない販売システムの入れ替えを検討。使い やすくサポート体制も万全な大塚商会の『ApaRevo SPA』 を導入した。全国113 店舗のリアルタイムな売上管理、在庫情報の共有など、大きな成果が表れている。 ●事業内容:婦人服飾の製造販売および 輸入卸売 ●従業員数:77名 (2015年6月現在) 『ApaRevo SPA』 を導入し、 リアルタイムな売上管 理、在庫情報の共有を実現した 2015年6月取材 洋裁やオーダーメイドが主流となった 全国に113の直営店を展開 積極的な出店攻勢で躍進する た欧州のインポート婦人服地を卸して 大阪市に本社を置く株式会社ウー 大きく成長した。 ルン商会(以下、ウールン商会)は、オ 1985年には子会社であったプレ リジナルブランドとインポートブランド タ部門を合併し、一つの会社がテキス の婦人服を取り扱うアパレル企業だ。 タイル(服地) とプレタの二つを取り扱 時代に、高品質でデザインが洗練され 1956年に毛織物の卸売りを目的 うという、アパレル業界においてはユ とする会社として創業。戦後、日本人 ニークな存在となった。また、現在の の衣服が和装から洋装に様変わりし、 代表取締役社長である岩井 泰治氏が 1 株式会社ウールン商会 就任した1999年以降は、主に百貨 流インポートブランドを取り扱えば、百 店での直営店販売を目的として、欧州 貨店の認知は格段に向上します。それ などのインポートブランドを中心とす によって有名百貨店に出店すると、評 るプレタの輸入販売を強化。それまで 判が評判を呼んで次の出店が進めや は、全国の専門店向けにオリジナルブ すくなるのです」 と岩井氏は説明する。 ランドの婦人服を卸す事業が主力で 現在、百貨店テナントだけで全国に あったが、現在の売上比率は、直営店 100以上の直営店を展開するウール での販売と専門店向けの卸売りがほ ン商会は、その存在なくして日本の百 ぼ2対1となっている。 貨店のインポートゾーンが成り立たな 現在の主力商材であるインポートブ いと言われるほど重要な地位を確立し ランドは「MOSCHINO」 「ALBERTA ている。2016年3月期にも、新たに8 FERRETTI」 「Blumarine」など。自 直営店の新規出店を計画しており、売 社生産から卸までを行うオリジナル 上高は前期比2ケタ増の88億円とな ブランドは「DANAPARIS」 「Blanc る見通しだ。景気回復によるファッショ Vert」 「ANTENNE」 「MANO ン消費の拡大も追い風となって、ウー MANO」など。いずれもファッションに ルン商会の躍進は続きそうである。 代表取締役社長 岩井 泰治氏 「『ApaRevo SPA』 のおかげで、直営店の 売上データがリアルタイムに把握できるよう になり、タイムリーな経営判断が可能となり ました」 敏感な女性たちに人気の高いブランド ばかりである。 百貨店テナントを中心に113店舗を展 直営店販売の強化と共に それに適したシステムを導入 開する直営店をメインとしている。 ウールン商会は2012年、それま 直営店での販売を拡大し、相対的に で使用していた自社開発の販売管理 専門店向け卸売りの比率を下げた経 システムを、大塚商会の『ApaRevo 緯について、岩井氏は「アパレル量販 SPA』 に入れ替えた。その経緯につい チェーンの躍進などと共に、全国の専 て、同社専務取締役 社長補佐の中嶋 門店の販売が低迷していることも理由 健蔵氏は、 「当社は長い間、専門店向 のひとつですが、アパレル品の卸売り けの卸売りに注力してきましたが、主 インポートブランドの販売は、全国の は返品処理や請求処理などのオペレー 力が直営店販売に入れ替わったこと ションが複雑で、余分な在庫を抱え込 で、従来のシステムでは業務に対応し むリスクも大きいのが難点です。そこ 切れなくなったのです」 と説明する。 で売り上げや在庫の管理がしやすく、 卸売りの販売管理に特化して開発 戦略的に業績を伸ばしていける直営店 されたシステムには、各直営店の担当 販売に軸足を移したのです」 と語る。 者が個別に売り上げを入力する仕組 また、インポートブランドの輸入販売 みが備わっていなかった。売上データ を強化したのは、主な出店先である百 は全てファクスで本社に送られ、本社 貨店の認知度を高め、直営店の展開を の担当者が一括入力して集計すると 加速させる狙いがあった。 「専門店向 いう業務フローになっていたのだ。 けに卸してきた自社ブランドだけでは 「それでも直営店が少ないころは何 認知度に限界がありますが、パリコレ とか回っていましたが、急速な多店舗 やミラノコレクションの常連である一 化と共に処理が追いつかなくなりまし 2 専務取締役 社長補佐 中嶋 健蔵氏 「導入後、ユーザーからの強い要望で追加 のカスタマイズを施してもらいましたが、無 理なお願いにも真摯に対応してくださった 大塚商会さんには本当に感謝しています」 た。また、ハンディターミナルに対応し 売上データは、大阪本社と東京支社、 ていないので、リアルタイムな売上管 各ブランドの担当部署がばらばらに表 理ができず、店舗によっては2〜3日 計算ソフトで管理するなど、情報の一 分の売上データをまとめて送ってくる 元化が全く図られていなかった。 こともありました。これでは日々の売 社 長 の 岩 井 氏は、 「 新たな主 力で 上管理や過去にさかのぼっての販売 ある直営店販売の業務を効率化する 分析は不可能なので、直営店販売に には、何としても業 界 標 準に合った 対応したシステムに変えるべきだとい システムへの入れ替えが不可欠だと う結論に達したのです」 (中嶋氏) 考えました。そこで、3社のソリュー また、旧システムでは直営店ごとの ションベンダーからの 提 案を詳細に 在庫がリアルタイムに把握できず、品 検 討し、使 いやすさやメンテナンス 切れによる販売機会ロスが生じやすく サポートの安心感などから、最終的に なっていたことも大きな課題だった。 『A p a R e v o S P A』の導入を決定し もう一つ、ウールン商会が販売管理 たのです」 と語る。 システムの入れ替えを決断した大きな 理由は、業務の標準化を目指すことに リジナルブランド婦人服の製造卸、イ 追加カスタマイズにも柔軟対応 大塚商会のサポート力に感謝 ンポートブランド婦人服の輸入販売と 大塚商会のアパレル業向け販売管 新たな事業を始め、そのすべてを同時 理システム『ApaRevo SPA』は、卸 に展開してきたウールン商会は、全事 売りや直営店販売などのマルチチャネ 業に対応する販売管理システムを自 ルに対応し、リアルタイムな売上・在 社開発せざるを得なかった。結果とし 庫管理ができるのが大きな特長だ。岩 て同社のシステムはアパレル業界の 井氏が指摘するように、ユーザーイン 標準から大きくかけ離れ、独自の進化 ターフェイス(画面)が分かりやすく、 を遂げてしまっていたのだ。例えば、 使いやすいという点でも評判が高い。 各直営店からファクスで送られてくる しかも導入企業の要望に応じて、柔軟 あった。時代の変化と共に、服地卸、オ にカスタマイズすることもできる。 データセンター利用による販売管理システムのネットワーク図 中嶋氏は、 「業務標準化のため、な 大阪本社 Internet ドのアイテム数が多く、卸売りについ 各 拠 点 ては与信管理を強化する必要があっ 各 拠 点 たので、それらに関する最低限のカス タマイズを施しました」 と説明する。 さらに、導入後もユーザーの要望に 応じて追加のカスタマイズを行った。 VPNのみ インターネット たのですが、当社はインポートブラン 東京支店 各 拠 点 SSL-VPN るべくパッケージのまま導入したかっ 「以前のシステムには、表計算ソフ 店舗および外出先 トで作 成したインポート品 の 品 番 表 を自動で取り込む機能があったので 3 株式会社ウールン商会 すが、 『ApaRevo SPA』では手入力 で、何が売れているのかということを する必要がありました。要件定義の段 正確に把握するまでに時間が掛かりま 階では『仕方がないね』とユーザーた したが、 『ApaRevo SPA』のタイム ちも納得してくれたのですが、実際に リーなデータがあれば、機会を逃すこ 使ってみるとやはり不便だという声が となく、迅速に経営判断ができます」 強かったので、追加をお願いしました。 と岩井氏は会心の笑みを浮かべる。 無理なお願いにも真摯に対応してくだ さった大塚商会さんには本当に感謝し 『A p a R e v o S P A』の導入によっ なるべく人を増やさず 業務効率化で切り抜けたい て、ウールン商会の直営店事業は格段 ウー ルン商会はこのほかにも、大 に合理化したようだ。 塚商会に依頼して『ApaRevo SPA』 まず、全国113の直営店からハン と連携する独自の生産管理システム ディターミナルを経由した売上データ を構築。オリジナルブランド品の製造 がリアルタイムで送られ、集計される仕 管理と販売管理のプロセスをシーム 組みが出来上がった。店舗ごとの日々 レスに結合させた。また、震災などの の売り上げや売れ筋が正確に把握でき 災害時におけるB C P対策として、自 るようになったことで、タイムリーな仕 社運用していたサーバーを大塚商会 入れが可能となったのだ。しかもそれ のインターネットデータセンターに移 ぞれの直営店が、自分たちの店だけで 行した。このほかにも、情報漏えい対 なく、ほかの直営店の在庫状況までリ 策として、クライアント運用管理ソフト アルタイムに把握できるようになった 『SKYSEA Client View』を導入。 ので、欠品が生じた場合は互いに融通 また、社員同士の情報共有を図るた し合うことができる。これによって、販 め、統合型グループウェア『e V a l u e 売の機会ロスは大幅に低減された。 NS』を活用し、スケジュール管理や経 また、業務効率化としては、セール 費承認のためのワークフロー機能も 時の上代価格の変更作業が大幅にス 業務効率化に役立っているという。 ています」 (中嶋氏) ピードアップしたことが特筆に値する。 中嶋氏は「今後はインポートブラン 「従来のシステムでは、いちいち手 ド品の貿易業務もシステムによって合 入力で上代価格を設定し直していたの 理化を図りたいと考えています。大塚 ですが、 『ApaRevo SPA』なら、あら 商会さんには、ぜひ有益なご提案をお かじめセール単価項目を設定しておく 願いしたいですね」 と期待を寄せる。 と、自動的に切り替えることができま また岩井氏は、 「当社は時代の変化 す。余分な作業がなくなった分、接客 と共に新しい事業に積極的に取り組ん など生産性の高い仕事にマンパワー できましたが、業務が複雑化しても人 を投入することができます」 (中嶋氏) をなるべく増やさず、業務の効率化に 岩井氏にとっては、何より全国にあ よって切り抜けたいと考えています。 る直営店の日々の売り上げが “見える その意味でも、大塚商会さんの省力 化” したことが大きな成果だった。 化に役立つソリューションにはとても 「今までは、どのブランドの、どの店 期待しています」 と語った。 全国113の直営店からハンディターミナルを経由した売 上データがリアルタイムで集計され、店舗ごとの日々の売 り上げや売れ筋が正確に把握できるようになった 株式会社ウールン商会 http://woollen.co.jp/ ・会社名、製品名などは、各社または各団体の商標もしくは登録商標です。 ・事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものであり、配付される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。 ・この記事は2015年6月に作成されました。 Copyright©2015 OTSUKA CORPORATION All Rights Reserved. 4