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ドイツの Verein(フェアアイン)についてのヒアリング概要 ※以下、非営利
参考資料 ドイツの Verein(フェアアイン)についてのヒアリング概要 訪問先: ポツダム大学地方自治研究所[19年2月6日(火) ]@ポツダム フェアアイン(市町村連盟) [19年2月8日(木) ]@ベルリン 当方: 大阪市立大学中原助教授、自治行政局行政課徳岡 ○ フェアアインの定義 ・ 7人以上の構成員がおり、登記されているもの(法人格を持つ) 。 ・ 営利と非営利のものがある。 ※以下、非営利のフェアアインについての記述。 ○ フェアアインの歴史・現状(概況) ・ 歴史は古く、数百年の歴史がある。 ・ ドイツ全体で20万ほどある。 ・ 多いのは、スポーツのフェアアイン、ついで社会的事業を行うもの。防災 活動を行うものもある(日本の消防団のようなもの)。 ・ ヨーロッパにおいて、ドイツが、最も多くの国民がフェアアインに入って いる国。1人平均4つ程度のフェアアインに入っている。 ・ ドイツ国民の1/3程度は、非常に積極的に活動をしているとの統計があ る。 ・ 一般に、小規模な市町村において、活動が盛ん。 ・ 大都市では、長期的に同一のフェアアインに所属し活動しようという人が 減ってきている。 ・ これは、大都市に住む独身の人あるいは若者のメンタリティにもよるが、 彼らの求めるものをフェアアインが提供していないということも言える。 ○ ドイツにおいて、人々が複数のフェアアインに参加し、活発に活動してい る背景等 ・ ドイツにおいて、人々が多くのフェアアインに参加し、活発に活動してい る主な理由は以下の2つ。 ① フェアアインは、歴史があるものであり、フェアアインには当然入るも のであるという意識が定着しており、フェアアインに入ることの敷居が 低い。 ② 市民活動を行うことの意義が社会に広く浸透している。 ・ 最近は、価値観の変化があり、人々は「プロジェクト志向」でフェアアイ ンに入るケースもある。この場合、社会のためというより、自己実現のた めであり、目的を達成した構成員は退会する。 ○ フェアアインの財政面等 ・ ①市町村等からの助成、②寄付金、③州の貯蓄銀行(公的な機関)の配当、 により財源を確保。 ・ フェアアインは、その活動に公共性がないと市町村から助成金をもらうこ とができない。 ・ フェアアインが公共性を持つものであり、かつ、収入(寄付等)が3万ユ ーロ以内であれば、払われた会費及び寄付金について、それを支払った主 体が税額控除を受けられる。 ・ フェアアインの公共性については、税務当局が厳しくチェックしている。 なお、3万ユーロを超えると、非営利であっても、そのフェアアインは公 共性がないものとみなされる。 ○ フェアアインと地方公共団体の関係 ・ 市町村等の財政が厳しいなかにあって、フェアアインに社会活動等を担っ てもらいたいという市町村等の事情もある(スポーツのフェアアイン(青 少年の育成)、社会福祉を行うフェアアイン等) 。総じて、市町村等は、こ うしたフェアアインを、財政面を含め積極的に支援。 ・ もともと市町村の担っていた事務を、フェアアインが担っている例もある。 (フェアアインによる子供の遊び場の管理)。 ・ 地方公共団体の立場としては、このようなフェアアインが存在しないと困 る。 ・ しかしながら、地方公共団体がフェアアインに過度に頼りすぎることはな い。 ・ 地方公共団体がフェアアインの活動を非活性化してしまったケースもあ る(例:地方公共団体によるプールの建設により、 (人々がそちらに流れ) スポーツのフェアアインの活動が非活性化)。 ○ フェアアインの地域性 ・ 地域に根ざしたフェアアイン(特に、スポーツ、文化活動のフェアアイン) と、全国的なもの(例:ロビー活動をするもの)とが存在する。 ・ 地域が限られており規模が小さいと、構成員の数が少ないことなどにより 財源の確保が難しくなる。財源の確保の観点から、大型化・全国化するも のもある。 ・ 参加はあくまで任意のもの。日本の町内会のような、一定の地域に居住す る住民が半強制的に加入するものではない。 ○ フェアアインに関する問題 ・ 過激派の集団がフェアアインとして登録されていることがある。 (市町村 が助成金を出してしまったケースまであり。) ○ 個々のフェアアイン成功の秘訣 ・ ①財源が充実していること、②構成員が問題と目標を共有していること、 が重要。 ・ 明確な目標が共有されていることが重要。例えば、市町村連盟もフェアア インであるが、市町村連盟は市町村の主張を代弁するという明確な目標が ある。 ・ 具体的成功事例: - 託児所がなかった地区において、親がフェアアインを立ち上げ、託児所 を運営。(問題と目標を明確に共有している例) (以 上)