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人口減少の影響と課題に対する府民意見等と大阪府の考え方
府民等からの意見
大阪府の考え方
人口減少全般【潮流含む】
1
白書は、人口減少社会の到来による影響・課題・対応の方向性を明らかにするために策定し
大阪府として白書を策定する目的は何か。それは、府全体で対応 ました。人口減少が及ぼす影響は、府民をはじめ市町村・企業など多岐にわたることから、こ
するものなのか。
れらの影響・課題・対応の方向性をオール大阪で共有し、それぞれの役割分担のもと、オー
ル大阪が一体となって取り組むことが重要と考えています。
2
府が重点的に取り組む方針としては府政運営方針があるが、これ
個別の分野別計画の中で、白書を踏まえた中長期の方向性や具体の取組などについて明
は単年度なので、白書の中で5年から10年の取組をもっと強く打ち
らかにしていきます。
出すべき。
3
社会増減について、現状はどうなっているのか。
「人口減少の潮流」の中で、社会増減の現状を分析し、記載しました。
最近の状況は、府内からの転出者が減っており、近隣府県からは転入超過傾向にありま
す。今後は緩やかな社会増で推移すると予測されます。
4
白書に記載の取り組みの優先順位はあるのか。また、財政的な
担保、あるいは財政的な長期シミュレーションはあるのか。
白書では、考えられる影響や課題を幅広い分野にわたって記載しており、優先順位はつけて
いません。今後、具体化に向けた取組み、分野別の行政計画や毎年度の府政運営方針に
反映し、毎年度の予算編成を通じて様々な取組を進めていきます。
5
国が行っている人口施策とのリンクはしているのか。
社会保障制度など、国の施策の動向も踏まえつつ、大阪として必要な取組を、施策のあり方
も含めて記載しました。これらは、国に対して要望や働きかけを行っていきます。
6
府民の役割はどのように考えているのか。
人口減少社会の中で、定住・発展を目指すためには、今までの府民一人ひとりのライフスタ
イルを見直す必要があると考えています。白書では、高齢者の見守りや地域コミュニティの
再生など、府民が主体となって取り組んでいただきたい事項も多く記載しました。
7
今、府で取り組んでいる施策を盛り込んだほうがわかりやすいの 白書では、人口減少社会における影響、課題、対応の方向性を示すこととし、個別施策につ
ではないか。ミュージアム構想は入っているが、その他は入ってい いては、原則として記載していません。今後、行政計画などにおいて具体的な施策を明らか
にしていきます。
ない。
8
高齢者対策は、例えば今後ITリテラシーの高い高齢者が増えてい 人口減少社会に対する対策は、時間軸で考えていくことが重要です。中長期の目標や方向
くなどの要因もあり、10年後と、20年後・30年後では必要となる施 性を定める行政計画等を策定する際には、白書を踏まえて、時間の経過に即した取組方向
を明らかにしていきます。
策も全く異なるのではないか。
9
白書では、国と同じ15~64歳を生産年齢人口としていますが、国の研究会においても、長寿
今後元気高齢者が増えていく中、生産年齢人口の考え方は直す 命化が進む中、年齢区分が実態に合わなくなってきていると指摘しています。こうした実態に
即して生産年齢人口を定義しようとする考え方を、コラム「生産年齢人口の考え方」(P17)に
べきではないか。
おいて紹介しました。
10
潮流で、他地域(3大都市)との比較があるが、大阪が最も早く減
少するという特徴の分析は行うのか。
11
分野ごとに、かなり詳細に影響や課題を整理・分析しているが、こ 人口減少が及ぼす様々な影響や課題を網羅的に整理し、対応の方向性を明らかにするた
れをすべて白書として取りまとめるのか。
め、白書を作成しました。
12
人口減少社会における課題や方向性を記載されているが、これら
白書は、影響や課題・対応の方向性までを示しております。具体的な取組などは、分野別の
に対する具体的な方策や、すでに対策を講じている取組事例を挙
行政計画などで明らかにしていくこととしています。
げてはどうか。
13
白書では、「大阪における人口減少の潮流」の中で、「生産年齢人口」については、その減少
の要因として、「出生数の減少といった全国的な状況に加え、大阪府固有の要因として高度
成長期に流入した団塊の世代および団塊ジュニア世代が今後高齢期に突入すること、25~
なぜ大阪の人口が減少しているのか、という原因分析はなされて
39歳の若者の首都圏等への流出が続いていること」を挙げました。
いるのか。例えば、若年層の非婚・晩婚化が原因であれば、「大
また、「年少人口」については、出生率低下の背景として「未婚化・晩婚化や、若者を取り巻く
阪において、何が原因で非婚化・晩婚化が発生しているのか?」
厳しい経済状況、核家族の増加による子育てへの不安などにより、子どもを産みたくても産
の把握が必要ではないか。
めない環境など」を挙げました。
「未婚化・晩婚化」については、「結婚・子育て」の項の中で、「未婚者・晩婚者の増加」を取り
上げ、その中で未婚の理由について分析を行いました。
14
「基本的な考え方」の観点の一つの「変革のチャンス」において、
「人口減少社会の到来は、こうした制度疲労を起しているこれまで
の制度や仕組み・考え方を、成熟社会にふさわしいものへと大きく
変革するチャンス」とあるが、これは順番が逆ではないか。「変革
のチャンス」と位置づけると同時に、「本来であれば団塊の世代の
大量退職を予見し、20年前に着手しておくべきことであり、“今とい
う機会”を逃すと、大阪、日本の長期的衰退に直結する」的な表現
のほうが腑に落ちる。
白書では、大阪の人口減少要因の特徴として、高度成長期に大量に流入した団塊の世代の
高齢化などについて記載しました。
人口増加、人口ボーナスを前提としたこれまでの制度・仕組みが、既に現状にあわなくなって
きており、もはや放置が許されない状況にあるということは、ご指摘のとおりです。そのため、
「今という機会を逃さず、あるべき姿を求め、これまでの制度・仕組み・考え方を大胆に転換
することが必要です」との表現に修正いたしました。
府民等からの意見
大阪府の考え方
15
人口減少社会に対応し、暮らしの安心が保障された自治体へは、
白書では、「対応の方向性」において、大阪の目指すべき方向性として「府民が安全で安心し
長期的に人口流入が発生する、ということであれば、その旨を今
て暮らせる定住都市・大阪」を掲げ、「定住人口・交流人口(昼間人口)を含め、内外から人が
回の白書にも記載し、人口増加方策に対する大阪府のスタンスを
集まる魅力あふれる都市づくりを進めていく」という、大阪府としてのスタンスを記載しました。
示す必要があるのではないか。
16
「住みやすい・住みたくなる・成長する」まちづくりのためには、市
町村だけでなく、国と地方公共団体の役割分担、府と市町村の役
白書で示した人口減少社会における影響や課題、対応の方向性などについて、府民をはじ
割分担・連携、府内各市町村間の機能分担、企業との連携などが
め、府、市町村、経済界などオール大阪で共有した上で、それぞれの役割分担のもと、オー
重要。
ル大阪が一体となって、効果的・効率的に取組を進めることが重要と考えています。
また、対策や施策を検討するにあたり、現実の実態がどのように
なっているかを正しく把握し、タイムリーな対応をすることが重要。
17
人口減少期においては、労働力人口も減少。現状の経済力を維
白書では、「対応の方向性」において、「行政改革や自治体間の連携により『効率化・スリム
持していくためには、労働生産性の3割向上が必要であり、民間
化』を図ること」など、行政のあり方を人口減少社会にふさわしい形へと見直していくことが必
のみならず、行政でも同様。大阪府の行政においても、生産性向
要との認識を示しました。
上の取組、実現をお願いしたい。
18
泉州地域は国土軸から離れており、持続的成長から取り残されて
いくのではという不安がある。医療資源の偏在などが既に存在し
地域別の具体的な取組などは、分野別の行政計画などでの検討が必要と考えています。
ている。泉州は出生率が高いという特性を踏まえ、教育や子育て
分野の重点投資が必要ではないか。
生活
19
働きたいという意思があっても雇用できていない高齢者も多く、無理やり働いていただくので
全体的に高齢者のマンパワーに期待する文面が多い。現在でも
はなく、元気な高齢者を前向きに活用していくという考えに立っています。地域社会において
既に子どもの見守りなどで高齢者の活用は行っている。現実的に
もさらに活躍の場を広げることが必要と考えています。また、介護予防や健康づくりなどによ
どれほど活用できるのか疑問である。
り、元気に高齢期を迎えられるようにすることも重要な視点と考えています。
20
高齢者数の増加による影響・課題と考えられる項目が多く、人口
減少そのものが起因する影響・課題について精査が必要。
21
出生率を上げるためには、税制優遇など、結婚・出産へのインセ
ンティブが必要。
白書では、高齢化など、人口構成の変化だけでなく、人口減少についても分析しました。今
後の人口減少、少子高齢化は、空き地や空き家の増加やコミュニティの弱体化など、府民の
生活や経済、都市構造へ様々な影響を及ぼすことが考えられるため、幅広く影響や課題に
ついて整理しました。
「未婚者・晩婚者の増加」の取組の方向性の中で、結婚して子どもを持っても働き続けるため
の仕組みづくりなどを記載しました。
22
「未婚者・晩婚者の増加」の課題で、自己表現力、コミュニケーショ
本文や課題・取組の方向性など、できるだけ分かりやすい表現で記載しました。
ン能力の低下にかかる取組内容が分かりにくい。
23
「未婚者・晩婚者の増加」の取組の方向性の中で、大学の立地促 大学は若い人が集まる拠点やまちづくりの核として期待されるところですが、具体的な場所
進とあるが、具体的な場所等想定しているのか。
を想定しているものではありません。
24
コミュニティの再生ということが最も重要になるのではないか。
白書の中では、地域コミュニティの再生や新たなコミュニティの創出・連携、地域の絆の再認
識などの必要性について記載しました。
25
血縁でない新たなつながり(コミュニティ)が重要だと考える。
白書では、「既存コミュニティの減少と新たなコミュニティの増加」において、同じ目的・趣味を
有するコミュニティや、SNS(ソーシャルネットワークサービス)を活用したコミュニティなど、新
たなコミュニティの再構築の必要性の高まりを記載しました。
26
社会保障・年金・生保・介護保険など、府が独自で見直すことは難 白書では、府が主体となるものだけでなく、さまざまな主体が取り組むべき方向性を幅広く記
しい。「国に働きかける」という記載に改めた方がよいのでは。
載しました。社会保障等は、国が主体となった制度構築が必要と考えています。
経済
27
高齢者向けのサービスやノウハウが、外国に売れるというイメー
ジがわかない。経済成長にはやはり技術力が重要なのではない
のか。
将来的には日本だけでなく、韓国、中国、インドなどについても高齢化が進むと予測され、例
えば、大阪の強みである医療関連産業等は、海外での市場拡大が見込まれます。あわせ
て、労働力減少・国内市場縮小の中で、生産性向上の必要性が高まると考えており、技術力
の向上、イノベーションの創出は引き続き重要と認識しています。
府民等からの意見
大阪府の考え方
28
ものづくりでは、技術革新以外にも、ブランド力向上やサービス等を付加した付加価値向上
“生産性を高める”というイメージがわかない。成長産業として記 が考えられます。また、日本の強みであるきめ細かなサービス(例えば、介護や塾産業など)
載のある福祉や介護分野は労働集約的な産業であって、生産性 などは付加価値産業として期待されます。医療や介護分野においては、職員の能力向上や
雇用定着の促進、サービス提供の効率化などによって、生産性向上につながると考えてい
が高まるというものではないのではないか。
ます。
29
外国人単純労働者の受入れについては、今後議論が必要と考えており、白書でも、「労働市
海外からの人の呼び込みについては、賛否両論あり課題も多いこ
場等に大きな影響を及ぼすことから、国民的な議論が必要である」旨記載しています。コラム
とから、慎重に考えていただきたい。
でも「外国人単純労働者の受入れ」(P81)について紹介しています。
30
人口減少期においても、一人ひとりの豊かさを維持するための持続的な経済成長が必要で
す。経済のグローバル化が進む中、企業の海外展開が必要ですが、産業の空洞化が懸念さ
海外で生産し、それを輸入するという企業も増えている。そうなる
れるところです。海外需要の積極的な取り込みとその波及による内需の拡大を図り、これら
と、労働力人口を日本で確保する必要がなくなるのではないか。
を通じた持続的な経済成長と、人口減少下でも高齢者・女性等の労働参加や生産性向上を
図ることにより、それに必要な労働力確保を進めることが必要と考えています。
31
「ライフステージを通じた教育の必要性の高まり」の取組の方向性の中で、社会に出てからも
職業訓練を受けていない20~30代が多いのが生産性向上の足
教育を受けられる仕組みづくりなどを記載しました。
かせになっていると思う。それは既に顕在化した問題であり、今か
また、「生産年齢人口減少による労働力の減少」の取組の方向性の中で、若年層の雇用機
ら取り組むことが重要。
会の拡大や、若年層に対するキャリア教育・職業教育の充実などについて記載しました。
32
人口減少社会下において、貴重な社会の担い手としての女性の就労促進が必要であると認
女性の就労率を飛躍的に向上するべき(就労環境の整備、子育
識しています。
て支援の充実、女性を就労させる企業への税制上の優遇措置な
白書では、保育・子育て・介護支援の抜本的な拡充による女性の労働参加、再就職支援、女
ど)。
性のキャリア形成の促進について記載しました。
都市
33
白書では、「都市」分野において、住宅ストックや低未利用地の有効活用や、都市計画等に
住宅ストックや低未利用地の流動化や有効活用策を探るととも
に、それらが増加することを前提として、郊外の適切な縮小・終焉 よる市街地拡大の抑制、高齢者等が歩いて暮らせるコンパクトなまちへの転換などについて
記載しました。
策が必要。
34
公共施設の空きが出てくることが予想されるため、転用なども考
えていくべきではないか。
白書の「都市インフラ」の中で、インフラ・マネジメントや効率的な施設の維持管理、余剰ス
トックの有効活用等について記載しました。
35
空き家や空き地が増えるということが書いてあるが、密集市街地
の問題についても書いてほしい。
密集市街地については、「住宅供給の過剰、需給のミスマッチ」の中で、居住者に高齢者が
多く、災害面で課題が多いことなどについて記載しました。
36
第一次産業を拡大して、経済的、生活環境的、自然環境的に発展 今後の担い手減少による農地・森林の更なる荒廃が懸念されることから、農林業における多
させ、持続可能な自然を回復していくような生活圏を創造すべき。 様な担い手の確保に向けた仕組みづくり、里山保全の推進などについて記載しました。
37
人口減少によるエネルギー消費量の低減を契機として、大阪・関西の新エネルギー関連の
地熱発電を中心として新エネ開発を推進し、原子力発電は廃止。 集積を活かした新たなエネルギー社会づくりが期待されます。
白書では、原子力発電依存度の低下を意識した分散・自立型のエネルギー社会への転換な
スピード感を持って新エネ政策を計画・実施していってほしい。
どについて記載しました。
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