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リラクサーおよびスピングラスを利用した 生体機能模倣素子の研究

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リラクサーおよびスピングラスを利用した 生体機能模倣素子の研究
The Murata Science Foundation
リラクサーおよびスピングラスを利用した
生体機能模倣素子の研究
A81137
代表研究者 田 畑 仁東京大学 大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 教授
Hitoshi Tabata
Professor, Department of Bioengineering and Electronic Engineering,
School of Engineering , The University of Tokyo
共同研究者 関 宗 俊 東京大学 大学院工学系研究科 電気系工学専攻 助教
Munetoshi Seki
Assistant Professor, Department of Electronic Engineering,
School of Engineering, The University of Tokyo
共同研究者 松 井 裕 章 東京大学 大学院工学系研究科 電気系工学専攻 特任助教
Hiroaki Matsui
Project Assistant Professor, Department of Electronic Engineering,
School of Engineering, The University of Tokyo
We have demonstrated a preliminary works on creating new-type electronics (Biotronics)
which is learned from bio fluctuation. As one of examples of controllable physical fluctuation system, we will fabricate superlattices of spin and dipole frustrated materials. Based
on new physical properties coming form co-existence of competed phases and “Yuragi”
(frustration system), it will be develped that flexible and adaptable information system and
devices originated from bio-inspired system. And academic discipline of new type devices
will be constructed.
A general characteristic of a computer is its generous use of power in comparison to ther-
mal noise, which suppresses the error rate and allows high-speed logic calculation. But
such high speed processing is accompanied by enormous electric power consumption. In
addition, software that stipulates the operation is separated from the hardware, leaving the
system vulnerable in a fluctuating environment. Biological information processing, on the
other hand, which uses thermal (organic) “Yuragi” to operate stochastically, is characterized
by its energy consumption level that is the same as thermal noise; speed being sacrificed.
When elements governed by stochastic “Yuragi” are systematized, one can produce a brain-
like information processing system that is indigenous to biological systems. For example,
while individual neuron cells are influenced by noise, as a group they are able to create a
highly reliable information processing system. Moreover, they are able to create new algo-
rithms independently, leading to a robust system even in a fluctuating environment. Our
study`s originality and significance stems from the application of biological “Yuragi” based
information processing towards the creation of novel devices that are equipped with biological functions, represented by brain functions.
─ 347 ─
Annual Report No.23 2009
制御可能な物性ゆらぎ系として、スピン相や
研究目的
双極子相の拮抗から誘導されるフラストレー
現在のC-MOS型FETに代表されるエレクト
ション系人工格子を創製する。相共存と“ゆ
ロニクスデバイスにおいては、スケーリング則
らぎ”が引き起こす新規物性を活用する事で、
に沿って微細化を突き進め、如何に集積度を
柔軟でしなやかなバイオ固有の情報処理機能
上げ、高速情報処理を実現するかに注力され
との類縁性に着想したデバイス学理を構築す
てきた。従ってこれまで、膨大なエネルギー
るとともに、新しい情報処理に資する生体機
を投入することで「厳密制御」、「秩序構造維
能模倣素子を創製する。
持」を実現してきた。しかし、デバイスサイ
そこで本申請研究は、申請者が阪大在職中
ズの極限微小化に伴い、物理的限界に近づく
より文科省プロジェクト(ゆらぎPJ)に関連
と同時に、様々な“ゆらぎ/ばらつき”の問
して進めてきた研究を発展させ、生体におけ
題が顕在化してきている。
る「ゆらぎ」を強誘電体材料の一つであるリ
本研究申請は、“生体に学び”これまでとは
ラクサー誘電体に依って模倣する事で「情報
異なる原理:従来“悪者”であった“ばらつ
処理」へ展開し、脳機能に代表される生体機
き、ゆらぎ”を積極的に活用した新しいデバ
能を備えた、従来には無い新しい情報処理シ
イス(情報処理素子、メモリ素子)の実現を
ステムを構築と生体に学んだデバイス(生体
目指すものである。生体が生来備え、巧妙に
機能模倣素子)を創製する事を目指したもの
活用している“情報のゆらぎ:確率共鳴現象
である。
による情報処理原理”を利用するという、従
現在のC-MOS型FETに代表されるエレクト
来とは、逆の発想(アプローチ)により、生
ロニクスデバイスにおいては、スケーリング則
体機能模倣素子:確率共鳴デバイスを創製す
に沿って微細化を突き進め、如何に集積度を
る事を目的としている。
上げ、高速情報処理を実現するかに注力され
生物における情報処理のダイナミクスを、
てきた。従ってこれまで、膨大なエネルギー
準安定なポテンシャル中での状態変化として
を投入することで「厳密制御」、「秩序構造維
捉え、スピンや、双極子物性で模倣し、
「確率
持」を実現してきた。しかし、デバイスサイ
共鳴現象」を活用することで、生物の情報処
ズの極限微小化に伴い、物理的限界に近づく
理機構の具現化を狙う。具体的には“スピン
と同時に、様々な“ゆらぎ/ばらつき”の問
ゆらぎ”および“双極子ゆらぎ”を実現する
題が顕在化してきている。
材料として、リラクサー材料を用いた生体機
本研究申請は、
“生体に学び”これまでとは
能模倣素子を創製する事を目指し、Ba(Ze,Ti)
異なる原理:従来“悪者”であった“ばらつ
O 3 系材料に於いて、大変興味深い非線形メモ
き、ゆらぎ”を積極的に活用した新しいデバ
リ現象を得る事に成功した。
イス(情報処理素子、メモリ素子)の実現を
目指すものである。生体が生来備え、巧妙に
概 要
活用している“情報のゆらぎ:確率共鳴現象
生命に特有の“ゆらぎ”物性を模倣するこ
による情報処理原理”を利用するという、従
とで、バイオに学んだ新しいエレクトロニクス
来とは、逆の発想(アプローチ)により、生
分野(バイオトロニクス)の創成を目指す。
体機能模倣素子:確率共鳴デバイスを創製す
─ 348 ─
The Murata Science Foundation
る事を目的としている。
生物における情報処理のダイナミクスを、
準安定なポテンシャル中での状態変化として
捉え、スピンや、双極子物性で模倣し、
「確率
共鳴現象」を活用することで、生物の情報処
理機構の具現化を狙う。具体的には“スピン
ゆらぎ”および“双極子ゆらぎ”を実現する
材料として、リラクサー材料を用いた生体機
能模倣素子を創製する事を目指し、Ba(Ze,Ti)
O 3 系材料に於いて、大変興味深い非線形メモ
リ現象を得る事に成功した。
−以下割愛−
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