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教育長室“窓辺の風景”
教育長室“窓辺の風景” 平成 26 年1月 (2014.1.11~2014.1.27) 湖西市教育委員会 教育長 山下宗茂 掲 載 内 容 [37] ……「わがまち湖西一文字大賞」発表会・揮毫式でお話ししたこと(2014.1.11) つぶやき「今、あなたに贈りたい漢字コンテスト」 [38] ……応賀寺防火訓練でお話ししたこと(2014.1.19) つぶやき「祖父の思い出~大工の魂~」 [39] ……湖西市教育研究奨励賞表彰式でお話ししたこと(2014.1.21) 参 考「平成 25 年度 湖西市教育研究奨励賞受賞一覧」 [40] ……湖西市少年少女発明クラブ親子凧揚げ大会でお話ししたこと(2014.1.27) つぶやき「凧ひとつ浮かぶ小さな村の上〈飯田龍太〉 」 [41] ……ふたば学級閉講式でお話ししたこと(2014.1.27) -1- 平成 25 年度 [37] 2014.1.11 教育長室“窓辺の風景” 「わがまち湖西一文字大賞」発表会・揮毫式でお話ししたこと 湖西市教育委員会 教育長 山下宗茂 ■はじめに あけましておめでとうございます そして、毎年揮毫してくださる湖西高校書道部の皆さんに感謝申し上げます。 ■これまでの一文字 「わがまち湖西一文字大賞」も4回目を迎えました。 第1回目の平成 22 年は「新」 、新湖西市、新たな出発の「新」 。 第2回目の平成 23 年は「協」 、協力、協働の「協」 。 第3回目の平成 24 年は「選」 、選挙、新たな人が選ばれるの「選」 。 そして、平成 25 年の今回は「防」 、消防、防犯、防災の「防」 。 ■振り返りのとき 一文字を選ぶという過程をとおして、 私も、この一年を振り返ることができました。 この慌ただしい時代に生きて、この一年、 世界では、日本では、そして、湖西市ではどのようなことがあったのか? その基本となっているのが、 この一年は、自分にとってどのような一年だったかという振り返りです。 ■おわりに 私も、仕事としても個人的にも「防災」を念頭に置いて過ごした一年だったと思います。 そして、 「教育」というものについて考えさせられる一年でもありました。 ここにいらっしゃる皆さんお一人おひとりが、そのような思いを振り返り、揮毫をご覧いただければと思い ます。 つぶやき ■今、あなたに贈りたい漢字コンテスト 漢字能力検定協会が、大切な人たちに「漢字一文字」とメッセージを贈る『今、あなたに贈りたい漢字 コンテスト』を企画しました。 「絆」に対する意識が高まっている中、贈る人と贈られる人とがお互いの「絆」 を感じあえる機会となり、 「漢字を贈る」 輪が広がることを期待するというコメントが添えられていました。 絆大賞の高校生部門には、3年生の女子生徒が選ばれました。 母親に贈りたい漢字は「背」でした。 その理由にはこう書かれていました。 「小さい頃、 「仕事に行く母の背中」が大嫌いでした。 「仕事行かないで」って泣きながら母を追いかけ て……。その背中が今も心に残っています。あれから 15 年ほどたち、私は今高校 3 年生になりました。 将来のことを悩んだ時、母の背中を思い出しました。そして、将来の夢として選んだ仕事は、母と一緒の 仕事。その夢を見つけた時、あの頃大嫌いだった母の背中は、今では憧れの背中へ変わっていることに気 がつきました。これからは、母の背中を追って夢へ向っていきます。 」と。 -2- 平成 25 年度 [38] 2014.1.19 教育長室“窓辺の風景” 応賀寺防火訓練でお話ししたこと 湖西市教育委員会 教育長 山下宗茂 ■はじめに 寒い中、早朝からの訓練、お疲れ様でした。 一連の消化活動を見学させていただきました。 計画通りに、迅速に手際よく活動され、とても安心いたしました。 ■実践するための訓練 計画はしっかりできていても、計画通りに実践するためには、繰り返し訓練が必要です。 定期的にきちんと訓練して初めて、実践できるものだと思います。 地域の人たちが中心となって、今日のような訓練を重ねてきたからこそ、 長い間、この貴重な文化財を守り続けてこられたのだと思います。 ■おわりに 応賀寺は地域の宝であり、市の宝でもあります。 今後も、訓練を重ねて、貴重な文化財を守り続けてくださることを期待しています。 本日の訓練、誠にありがとうございました。 つぶやき ■祖父の思い出~大工の魂~ 奈良薬師寺の西塔をよみがえらせたことで有名な斑鳩の宮大工西岡常一さんの本を手にしています。 『木のいのち木のこころ(天) 』 。その中に、 「道具と大工の魂」というタイトルの作品があります。 私の母方の祖父が宮大工だと教えられたのは、小学生の時でした。いつもにこにこと孫に接する祖父が 好きで仕方がありませんでした。 私は祖父の仕事ぶりを見たことはありませんが、第一線を退いてから、祖父がものをつくる姿を目にす るようになりました。土蔵の扉を開け放した入口の土間に茣蓙を敷いて作業場にし、一日中好きな彫り物 細工をしたり、屋内に飾る社をこしらえていました。いつも祖父の周りには木屑が散乱していました。様々 な道具を傍に置いて、楽しそうに作業する祖父の姿を忘れることはできません。特に社づくりは、6人の 子どもたちの幸せを祈るものでした。宮大工のころの図面をもとに、縮尺された社を見事にこしらえてい ました。細部にも気を遣い、様々な道具を使いこなしていました。 その中にいくつもの鉋がありました。手のひらにすっぽりと収まるほどの小さな鉋でした。中には、研 いで刃が擦り減り、木も手垢で黒ずんだ鉋もありました。が、祖父はどの鉋も大切にしていました。祖父 が作業のために自分でつくった鉋もありました。一つでも欠ければ、満足のゆく出来映えにならないので しょう。自分の思い描くものを思い通りにこしらえるためには、どのような道具も粗末に扱うことなどで きない。そんな祖父の思いをよみがえらせてくれた作品です。 「飛鳥や白鳳の工人にできたことが、時代が進むにしたがってできんようになるというのは、道具や腕 のせいもありますが、それを使う工匠の心構えが違ってきたり、木の癖をつかむことを忘れてしまったり したからですな。道具だけやなくてそれを扱う以前の問題ですが、これは道具にあらわれるんです。道具 の質が落ちたら技術も心も落ちますな。そういうもんでっせ。 (中略)道具が衰えていくということは、そ れを使う大工の魂も衰えていくということですな。 」 -3- 平成 25 年度 [39] 2014.1.21 教育長室“窓辺の風景” 湖西市教育研究奨励賞表彰式でお話ししたこと 湖西市教育委員会 教育長 山下宗茂 ■野村克也さんの言葉 プロ野球の監督であった野村克也さんにこんな言葉があります。 いまの選手はあまり努力をしない。 彼らは憧れだったプロ選手になったことで満足してしまっているんです。 本当はようやく出発点に立ったに過ぎないというのに、そこがゴールと勘違いしてる。 だから、チームから与えられたメニューしかやらない。 それで一流の結果なんて出せるはずがないじゃないですか。 ■研究に取り組む姿勢 受賞者の皆様、本日は誠におめでとうございます。 本年度の教育研究奨励賞の応募状況は、幼稚園2点、小学校6点、中学校8点の計 16点でした。 それらすべての研究内容と添付資料を拝見しました。 どの研究も時間をかけて丁寧にまとめられており、 日々の業務に追われながらも、研究に取り組むその姿勢に頭が下がります。 その研究に費やした時間は、今振り返っても、きっと充実したものだったに違いありません。 ■常に求められる努力 教員は、教壇に立ち続けるために、常に努力することが求められています。 今日の子どもたちとの触れ合いはどうだったか? 今日の授業はどうだったか? 質問はどうだったか? 子どもの解答に対する対応はどうだったか? 学級活動は? 特別活動は? ノートへのコメントは? 考えれば、きりがないほどの振り返りがあります。 そうやって、明日に向けての努力が毎日なされています。 研究もその一つです。研究は、日々の教育活動と密接にかかわっています。 研究が研究で終わらずに、日々の教育活動と結びついて初めて、教える側にとっても、学ぶ側にとっても有 意義なものになります。 ■今回の研究の特徴 今回の研究の特徴は、 子どもたちが主体的に、意欲的に取り組むことを目指した内容が多かったことです。 先生方が普段からどれほど子どもたちの気持ちに寄りそっているかが分かる研究テーマでした。 ■優秀賞1 ・隅田 静香(岡崎中学校)教科指導(図画工作・美術) 研究題目「自分の思いをもち、意識的に作品づくりに関わる生徒」 岡崎中学校の隅田静香先生の研究「自分の思いをもち、意識的に作品づくりに関わる生徒」は、生徒一人 一人の思いを大切にし、それを制作意欲につなげていく授業研究でした。 実習教科として技術を向上させることだけに終始するのではなく、 “いかに物を見つめる子どもたちの視 線を磨くか”と問い続けたすばらしい研究であったと思います。 生徒一人一人の作品が輝いている研究でした。 -4- ■優秀賞2 ・竹内 大樹(東小学校)学習指導(評価) 研究題目「自らの考えを意欲的に伝えようとする子を育てる授業づくり」 東小学校の竹内大樹先生の研究「自らの考えを意欲的に伝えようとする子を育てる授業づくり」は、様々 な学習活動をとおして、 「伝えよう」とする意識を持たせる研究でした。 「伝えよう」とすることが、いつの間にか“他の人への心を配る自分を見つける”すばらしい研究であっ たと思います。 児童の熱心な話し合いが見えるような研究でした。 ■優秀賞3 ・野田 秀平(岡崎幼稚園)幼児教育 研究題目「体を動かすことが好きになる子を目指して」 岡崎幼稚園の野田秀平先生の研究「体を動かすことが好きになる子を目指して」は、幼児の年齢に応じた 運動遊びをとおして、体を動かすことが好きになり、知らない間に身体能力を向上させる研究でした。 “子どもたちが明るく、楽しく、頑張る”工夫を凝らしたすばらしい研究であったと思います。 園での運動遊びを、家で親御さんと共にしている子どもたちの笑顔が思い浮かぶ研究でした。 ■優秀賞4 ・高須 宏美(知波田小学校)特別支援教育 研究題目「生活力の向上と言葉の習得をめざして」 知波田小学校の高須宏美先生の研究「生活力の向上と言葉の習得をめざして」は、支援を必要とする子ど もたちに寄り添い、一人一人の向上を目指した研究でした。 生活を安定させるための工夫を積み重ね、 “気持ちを大切にする手立てを確認する”すばらしい研究であ ったと思います。 「できた」と目を輝かせる子どもたちの姿が想像される研究でした。 ■研修の完結に向けて どの研究もこれで完結したわけではありません。 どの研究においても、さらに工夫・改善を重ね、さらによりよく子どもたちを導いていくことが求められて います。 今回の研究を参考にして、市内の先生方全員が、目の前にいる子どもたちの気持ちに寄りそい、子どもが主 体的に、意欲的に学ぶために、どのように工夫していくかを第一に考え、子どもたちを育んでほしいと思いま す。 ■おわりに 昨年も言いましたが、先生方にもっとも必要なことは、自信を持って子どもたちを育てることだと考えます。 明日に向けての努力は、子どもたちのためだけではなく、実は先生方自身のためなのです。 今後も研究を継続され、どんなときにも自信を持って子どもたちの目の前に立たれることを期待し、私の講 評といたします。 -5- 平成 25 年度 湖西市教育研究奨励賞受賞一覧 【優秀賞】 ◆隅田 静香(岡崎中学校)教科指導(図画工作・美術) 研究題目「自分の思いをもち、意識的に作品づくりに関わる生徒」 ◆竹内 大樹(東小学校)学習指導(評価) 研究題目「自らの考えを意欲的に伝えようとする子を育てる授業づくり」 ◆野田 秀平(岡崎幼稚園)幼児教育 研究題目「体を動かすことが好きになる子を目指して」 ◆高須 宏美(知波田小学校)特別支援教育 研究題目「生活力の向上と言葉の習得をめざして」 【優良賞】 ◆中村 礼美(鷲津中学校)教科指導(理科) 研究題目「理科学習における「化学」 「生物」分野の興味・関心を高める手立て」 ◆大脇 一宏(鷲津中学校)教科指導(理科) 研究題目「理科授業における興味・関心を高めるための導入の工夫」 ◆石野 竜史(湖西中学校)教科指導(社会) 研究題目「生徒が主体的に取り組み、自分の思いを表現できる社会科授業」 ◆津根 史恵(鷲津小学校)教科指導(国語) 研究題目「友達と関わる楽しさに気付き、より良いコミュニケーションを図る子を目指して」 ◆太刀岡優美(湖西中学校)教科指導(国語) 研究題目「 「生徒が意欲的に学び、自分の考えや思いを表現する国語科の授業」を目指して」 ◆青木都喜子(白須賀小学校)養護・保健 研究題目「自分の体は、自分で守ることができる子どもの育成を目指して」 ◆河野 仁(岡崎小学校)教科指導(算数・数学) 研究題目「 「自らの考えをもち、表現することのできる子」の育成」 ◆白井 伸明(鷲津中学校)教科指導(社会) 研究題目「論理的思考力をはぐくむ社会科学習」 【努力賞】 ◆藤田 礼香(新居小学校)学校・学年経営、学級経営 研究題目「子どもが自分の考えを進んで発表できる環境をつくるために」 ◆木村 一輝(新居中学校)教科指導(理科) 研究題目「生徒の興味・関心を引き出す理科の授業の工夫」 ◆佐原 正俊(新居幼稚園)幼児教育 研究題目「人とかかわる力を育てる」 ◆平等 正基(新居中学校)教科指導(算数・数学) 研究題目「生徒が数学の有用性を実感する授業の工夫」 -6- 平成 25 年度 [40] 2014.1.27 教育長室“窓辺の風景” 湖西市少年少女発明クラブ親子凧揚げ大会でお話ししたこと 湖西市教育委員会 教育長 山下宗茂 ■よき文化・すばらしい風習 今日は、朝から心配な天候でしたが、風もあり、絶好の凧揚げ日和になりました。 参加者の皆さんの凧もよく揚がっており、すばらしい日になりました。 凧を作り、凧を揚げるのは、日本のよき文化であり、すばらしい風習でもあります。 ぜひ皆さんも、この大会を機会にこのよき文化と風習を伝承してほしいと思います。 ■シンプルな遊び 今日は十分楽しみましたか。満足できる日でしたか。 2時間半という時間も、夢中になって凧を作り、あれこれと工夫しながら、少しでも高く揚げようとしてい るうちに、あっという間に過ぎてしまったのではないでしょうか。 凧揚げはとてもシンプルな遊びです。でも、きちんと作らないと、うまく揚がらないのです。 ■凧を作る 大会に参加された皆さんの様子を拝見し、いくつか思うところを述べさせていただきます。 まず、凧を作ることについてです。作る作業の中心はお父さんですが、子どもと一緒に作るという気持ちが 大切です。急ぐあまりに、お父さんだけで作ってしまったりしてはいませんか。うまく作り、より高く揚げる ことも大切ですが、子どもと一緒に作るという時間を共有することの方がもっと大切だと思います。 いつの日か、子どもが自分一人で凧を作ることができるようになるといいですね。 凧はただ揚がればいいというものではありません。少しでも高く、少しでも安定させるようにするには、微 妙に修正しながら工夫していかなければなりません。何年もかけて、工夫を積み上げていく必要があります。 ■凧の絵 凧の絵は、どれも丁寧にきれいに描かれていました。 でも、残念なことに、高く揚がってしまうと、絵が細かすぎて、インパクトに欠けるものがあったことです。 凧の絵は、高く揚がったときのことを想定して、大きく、シンプルに、かつ大胆に描いてください。 ■おわりに 工夫しながら、子どもと一緒に凧を作り、揚げる体験を続けてほしいと思います。 ぜひ来年も参加してくださることを期待して、私の講評といたします。 つぶやき ■凧ひとつ浮かぶ小さな村の上〈飯田龍太〉 「凧が浮かんだ村はいくつも通り過ぎたたくさんの村々とは違った親しみを抱かせる。村があればそこ に暮しがあり、人々の営みがあり、子らには遊びがある。それら仔細をばっさりと省略し、凧ひとつで 人間の息遣いを表した。人への懐かしさやそこから受けるほのぼのとした温もりが伝わってくる」 ■凧(いかのぼり)きのふの空のありどころ〈与謝蕪村〉 「空を見上げても何もない。けれどもその空のあのあたりに、いや、そこに、昨日は凧が上がっていた」 この句をそう詠み、それを「蕪村には不在の存在学がある」と評した人がいます。 -7- 平成 25 年度 [41] 2014.1.27(1.10~1.27) 教育長室“窓辺の風景” ふたば学級閉講式でお話ししたこと 湖西市教育委員会 教育長 山下宗茂 ■もう閉講式 5月から始まった「ふたば学級」も終わりを迎えました。 お子さんも親御さんも、友達がたくさんできましたか。 開講式でもお話ししたように、その友達は長い長い時間を共有する友達です。 このふたば学級で見つけた友達を大切にしてください。 ■託児ボランティアの存在 この1年、多くのボランティアの方に協力していただいたおかげで、こうして修了することができました。 多くの方に支えられていたことを忘れないでください。 これからも、多くの方に支えられていくことも忘れないでください。 ■赤ちゃんの視線 生まれてからしばらくの間、赤ちゃんは視力が弱く、周りの物がぼんやりとしか見えない状態だそうです。 だからこそ、周りの物をしっかり観察するのだそうです。 物を口に入れるのも、確かめるためです。 そんな赤ちゃんは、お母さんが自分自身をきちんと見守ってくれているか確認するのだそうです。 赤ちゃん自身が指差す方向をお母さんがきちんと見てくれたかどうか。 そこに自分への愛情を見るのです。 ■これからが本当の家庭教育 3歳になっても、子どもの確認作業は続きます。 自分への愛情を様々な形で確認することになります。 そういう意味では、これからが本当の家庭教育だと思います。 是非これまで通り、子どもに愛情を注いでやってください。 ■子どもの時間、大人の時間 この一年は長かったでしょうか、短かったでしょうか。 子どもの時間間隔と大人の時間間隔は、大きく異なると言われています。 皆さんも自身のこれまでを振り返ってみると、 様々な時間の感覚を感じたのではないでしょうか。 同じことをするにも、長く感じたり、短く感じたりした経験が思い浮かぶのではないですか。 お母さんの「ちょっと待っててね」は、子どもにとって「長い長い時間」なのです。 大人は「ちょっと」という言葉から、数分とか30分以内とか生活経験から割り出し、これくらいだなと考 えることができます。先が見えると時間の経過が短く感じるものです。 ですが、子どもはお母さんの「ちょっと」がどのくらいの時間なのか見当がつきません。 いつまでも待つように長く感じられます。だから、素直に待てないのです。 子どもと時間を共有することから親子関係は始まります。 -8-