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大判プリントでのバンディング問題
ONYX® ホワイトペーパ 大判プリントでのバンディング問題 2011年7月 序文 このホワイトペーパでは、大判プリントでのバンディング問題について述べます。ONYXはバンディングの様々な原因を調べ、バンディ ング問題の解決を皆様に提供します。 バンディング(帯状の濃度のムラ) バンディング、または一般にパスバンディングと呼ばれる問題は、大判プリントにおいては重要な問題といえます。バンディングは、通 常メディアの幅全体に見られる縞模様のことです(図1を参照)。バンディングの原因とその問題解決を特定することは、バンディング の様々な原因により時間のかかるプロセスとなります。 バンディングの原因には以下のことがあります。 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. ノズル、または目詰まり/ヘッドの調整がオフとなっている ドットゲイン(網点の太り)バンディング メディア調整 メディアのゆがみ プレヒータの設定が高すぎる インク制限 タテのバンディング 図1 - 横線が画像全体にバンディングされている ノズル、 または目詰まり/ヘッドの調整がオフとなっている バンディング問題の原因を特定する前に、まず最も明らかな原因を取り除きます。ノズルが見当たらない場合(使用のプリンタパネ ルでノズルチェック、またはノズルテストを実行して確認)、またはプリントヘッドがずれている場合は、バンディングが認められます。ノズ ルがあるのは、白線または間違った色の線として現れます(インクカラーが正しく混合していない)。ノズルテストは、朝一で行うか、ま たはプリンタを一時期使用していなかった後に行う必要があります。同様にヘッドの調整も時々確認する必要があります。すべての プリンタはノズルチェックとヘッド調整のためのテストプリントがあるので、これをプリンタパネルで行います。ノズルチェックとヘッド調整の 詳細は、プリンタのマニュアルを参照するか、プリンタメーカにお問合せください。 ドットゲインバンディング ドットゲイン(網点の太り)バンディングはソルベントプリンタで発生し、ソルベント(溶剤)が早く蒸発していない場合や、ピグメント(顔 料)の「拡散」が原因です。現在のプリントパスの先端は、バンディング問題の原因となる先行パスにブリードして、ムラやぼやけたフ チとなる1-3mmのブリードを作ります。最も一般的な問題の原因は、誤ったヒータの設定です。通常、この原因は低すぎる温度に 設定したプリントヘッドの直接下にある”プリント”ヒータにあります。このヒータは、溶剤を蒸発させるために高く設定しますが、メディア のバックリングまたはノズルが乾燥する原因となるので、あまり熱くならないように設定する必要があります。 メディア調整 メディア補正、補正係数、送り補正などとして知られるメディア調整は、正(前方)または負(後方)の方法でメディアの進行を補正 するためのソフトウェアおよびプリンタの機能です。パス間にあるとても小さな、ヘアライン(細い線)の白ギャップは、メディアが進まな い、或いは十分に動いていないということを示します。多くのプリンタには、メディアが進まない、あるいは十分に動いているかどうかを 見極めるために、プリントテストがあります。ONYXは、多くのメディ用にメディア設定内にある[モードオプション]を介して、コントロール されたソフトウェアの補正をすることができます。このオプションはすべてのプリンタで利用できるわけではなく、通常、プリンタパネルで 調整機能があるプリンタで使用できます。ONYXの設定は、プリンタの設定 > メディアタブ > [オプション]または[モードオプション]で行 うことができます。 ヘアライン(細い線)バンドリングがプリントの幅を通して最後まである場合、その結果はメディアの幅全体を通して小さなヘアライン ギャップを作るので、メディア調整には考慮する必要があります。バンディングが1色のみで起きる場合は、すべてのノズルが点火して いることをチェックします。メディア調整は、ロール紙の重さ(ロール紙は使用するごとに軽くなります)、湿度(べとべとしたメディア)、メ ディアの重さまたは厚さによって影響を受けるので、継続的な調整が必要です。プリンタによっては、異なるメディアの種類のために 補正係数を保管しています。 メディアのゆがみ メディアのロールが幅全体にぴったりロードされていない場合に、メディアの歪みが起きます。これは、一般的にメディアの片方の下で 部分的に重なるヘアラインとして現れ、またメディアがピンチローラを介して均等に、また均一に進んでいないことを含めて、他の上で オーバラップする場合に現れます。通常これは、メディアのロールが適切ににロードされていないことが原因です。正しくロードするため の1つの方法は、床に届いたメディアをプリンタを介して引っ張り、そしてピンチローラを閉じる前に開始点に戻ってメディアを”巻き戻 す”ことです。これでメディアをプリンタで正しく配置することができます。 歪みのもう1つの理由は、メディアの角が平らでなく丸まっているためです。これはメディアロールが緩く、または未使用で保管されてい る場合、もしくはメディアをプリンタの心棒に置く前にテープが取り外された場合に起きます。覚えておくべき重要な点は、メディアがプ リンタの心棒を介して均一に進む必要があるということと、バンディングが起きる場合があるということです。 プレヒータの設定が高すぎる プレヒータが高く設定されている場合、メディアのサイズの歪みを柔らかくするために、熱くなっているプリンタのプラテンにメディアが置か れることになります。これは、メディアが柔らかい間にメディアにインクが打たれ、冷めた時にサイズが変わっているということを意味しま す。サイズの変化はプリントが冷めるまで現れないので、バンディングが発生する可能性があります。 インク制限 ONYXメディプロファイルの作成プロセスの一部は、プリンタで定められたインクを制限する最初の基幹である「インク制限」を設定す ることです。インク制限があまりに高く設定されている場合は、過剰なインクが原因でバンディングが発生することがあります。これは インク量に関係なくインクをどこで改善するかということで、特にUVプリンタで判断することが難しい場合があります。またUVプリンタで のバンディングの過剰なインクは、インクコーミング(画像の端がギザギザに見える)としても知られます。これはUVインクのプロファイル の作成において最初のインク制限が高すぎる設定をすることから生じる、よくある間違いです。インク制限スウォッチでパッチ間の違い が見られない場合は、インクのムダを止めるのを確実にするために、低いインク量の値に設定することを覚えておいてください。これは 可能な限り少量のインクを使うことで、コストをかなり節約できることになります。 タテのバンディング タテのバンディングは、高すぎるヒータ設定をした場合に発生します。これはピンチローラの間で「リップル」をメディアに引き起こしま す。これはまた移動するインクの距離(ローラの間でメディアに打つインクの短い移動距離)を変更する原因、タテのバンディングの原 因となるインク濃度の変更を引き起こす原因となります。ヒータを低く設定することにより、タテのバンディングに「リップル」による影響 を取り除くことができます。