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当日の記録(PDF形式:1457KB)

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当日の記録(PDF形式:1457KB)
平成 27 年度
ちゃんぽんミーティング
報告書
開催日
平成 27 年 12 月 18 日(金)
テーマ
長崎の海を活かしたまちづくり
長崎市市民協働推進室
ちゃんぽんミーティング
こんにちは。今日はすでにお話しが盛り上がっているようで驚きました。
今回は「海を活かしたまちづくり」というテーマでちゃんぽんミーティン
グを開催します。
海や港は、長崎にとってものすごく大きな財産で、長崎のまちはそうい
ったところから生まれて発展してきたという面があると思います。
早速ですが、今日は皆さんの、長崎の大切な財産を活かす色々な取り組
田上市長
みのことや、それについての皆さんの思い、普段感じていることなどをお
話しいただければと思います。今日はよろしくお願いします。
◆自己紹介・活動紹介◆
野母崎コミュニティカフェ
【菅原 真希 さん】
リップル
「リップル」は、野母崎の南端に近い脇岬海水浴
場の前にあります。通常はカフェとして営業して、
たまに音楽ライブを開いたり、浜辺で、今パネルで
出しているようなイベントを開催しています。
このパネルは、高知県黒潮町の「砂浜美術館」と
いう取り組みを長崎でもやってみようと、今年、黒
潮町のかたと一緒取り組んだときの様子です。野母
崎には美術館はありませんが、こんな素敵な海と浜
がありますので、その浜に作品を展示して、展示物とともに素敵な海や空や風を味わい、自
然と人とのつながりを感じてもらいたいと思って開催しました。
ちゃんぽんミーティング
今年は、軍艦島が世界遺産になりましたので、野母崎にあるもう一つの海水浴場で、軍艦
島も見える高浜海水浴場と同時開催しました。
今日は、他にもパネルを用意してきました。これはカフ
ェの目の前の海です。もともと土のうが大量に積んであっ
た場所でしたが、それを全部取り除いて、ベンチを置いた
ところ、とても絵になる風景になりました。
おおたてがみ
あとは、近くに大立神という灯台がありますが、冬至の
頃、日の傾く時間に上手くタイミングが合うと、ちょうど
ろうそくに火が灯ったような素敵な風景が見られます。
また田の子島という島で、いかだづくりをして遊んでみ
ようというイベントもあります。引き潮の際には、その島
まで歩いて渡れるようになるので、子どもたちが楽しんで
くれます。こういったかたちで、野母崎の魅力を発信しています。
最後に紹介したいのが浜辺の清掃で、今回、30 年ぶりにウミガメの産卵がありました。
砂浜で人間が楽しむだけではなく、他の生き物とも共存したいと考えています。
のもざき伊勢エビまつり実行委員会
【岡部 聖二 さん】
本日は、のもざき伊勢エビまつり実行委員会として参加しています。
私個人は、漁業と水産加工を営む会社の経営と、野母崎・三和漁協の
専務理事として一日を過ごしています。
漁協では、長崎市内で伊勢エビが最も獲れる地域として、16 年前
から伊勢エビまつりに関わっています。開催期間は 1 か月ですが、
経済効果としては 7 千万~8 千万、あるいは 1 億に近い数字も挙が
るほど充実したまつりになりつつあります。まつりの中では、伊勢エ
ビの他に、クルージング、カヌー体験、ペーロン大会、釣り堀など、
色々な海の体験を実施しています。
これから考えていきたいのは、このような地域を盛り上げる取り組みを、特定の期間だけ
のイベントではなく、1 年を通した継続的な活動に展開していくことです。また、漁業との
調整も大切です。海を最もよく利用しているのが漁業生産活動です。今、私も漁協という組
織の中心で動いていますので、地域のかたの声と漁業者の声を両方とも聞きながら、より良
い形で海を利用していく方法を考えていかなければならないと思っています。
野母崎地区カヌー振興協議会
【内野 経久 さん】
私は高校の頃カヌーを始め、地域の方に育てられオリンピックまで出場させていただくこ
とができました。その恩返しとして、カヌー振興協議会で、子どもたちへの指導や、体験活
動を実施しています。
ちゃんぽんミーティング
最近は長崎の子どもたちも、海に親しむ機会が少なくなっているのでは
ないかと感じます。いくら近くに海があっても、プールの方が人気のよう
で、少し残念ですね。
ですが、普段から海を楽しんでいれば、大切に守っていこうという気持
ちも生まれてくると思います。海をむやみに怖がらず、長崎の海を本当に
楽しんで愛してくれる子どもたちを育てたいと思っています。
やったろう de 高島
【小村 秀蔵 さん】
主な活動内容としては、今年はもうシーズンは終わっていますが、
シュノーケリングピクニックといって、シュノーケルとフィン(足ひ
れ)を着け、観光客の皆さんに高島の海を楽しんでもらう取り組みを
行っています。
活動は順調ですが、課題も多いので、皆さんのご意見を参考にでき
ればと思っています。
ながさき海援隊
【尾崎 健史 さん】
ながさき海援隊は長崎大学の学生団体で、2 年前に発足したばかり
の団体です。近年、全国的にも、漂着ゴミが大きな問題になっていま
す。また、別の観点から長崎の海に目を向けてみると、シュノーケリ
ング、釣り、サーフィン、地引網など、魅力的な海のレジャーが数多
くありますが、大学生などの若い世代でそれを満喫している人たちと
いうのは、実はなかなか少ないのではないかと思っています。
その両方の問題をどちらも解決しようと、海浜清掃をしつつ、長崎各地での海の楽しみか
たを考えていこう、というのがながさき海援隊の活動です。今回は、長崎市内の色々な団体
のかたがいらっしゃるということで、新しい情報や知識を得たいと思い参加しています。
(個人参加)
【山田 秀道 さん】
市役所の近くで、山田屋という飲食店を営んでいます。
私の家が、茂木の先のほうの大崎という地域にありますが、ここで
はビワを盛んに作っています。しかし、ビワ農家も高齢化が進んでい
て、家と畑を往復するのも大変になってきているという状況です。今
後、茂木の色々な人の協力をもらって、茂木の「もぎたて新鮮市」の
ような直売所なども利用して、何か始められないかと考えています。
ちゃんぽんミーティング
(個人参加)
【高原 大輔 さん】
諫早市に在住していますが、勤務先は長崎・稲佐山のふもとのあた
りにあります。
今、団体として何かに取り組んでいるというわけではありませんが、
長崎を元気づけていく上において、どういったことをプロジェクトと
して進めていくのが良いのだろうかということを、今日、皆さんにお
話しをお聞きするところから始めたいと思い、参加しています。
(個人参加)
【田口 道子 さん】
小さい頃は港の近くでもかけっこ・鬼ごっこをしていたことを覚えて
います。ちょっとしたお手紙を出したばかりにこんな場に出ることにな
って、少し恥ずかしく思っています。
長崎フレンドシップグリーンツーリズム協議会
【大島 徹也 さん】
私たちは、東長崎から茂木にかけての地域で活動している団体です。
去年立ち上がりましたので、しっかり活動されている野母崎などと比
べると、まだまだこれからです。
ちょっと話は逸れますが、私個人としては、茂木で「ゲストハウス・
ぶらぶら」という交流型の宿泊施設を運営しています。地域のかたと
一緒に協力してやる中で、グリーンツーリズム協議会というものがあ
ると知って、参加させてもらったということです。
れいほく
一つ、やってみたいこととしては、今、茂木から天草の苓北町にフェリーが通っています
が、この活性化です。このフェリーはいわゆる地元の足なんですが、人口減と高齢化で利用
者数も減っていて、経営的に厳しい状況にあります。ということで今日は、皆さんに教えて
いただくことが多くなると思いますが、よろしくお願いします。
ちゃんぽんミーティング
田上市長
今日のテーマは「海を活かしたまちづくり」ですが、地域的に見ると、
野母崎・茂木・高島といったように、南部でそれぞれ拠点が出来ています
ので、連携しやすい面はあるかもしれないな、と思いながら、皆さんの活
動紹介を聞かせていただきました。
冒頭でも言いましたが、海や港は
長崎の財産で、そこから生まれ育っ
てきたまちです。ただ、それが今、
まだ十分に活かせてないんじゃな
いかということも感じています。で
すが、この 10 年間を見ていると、
今は、皆さんのようなかたがたが、
新しい動きを作り始めてくれてい
る時期ではないかとも思っていま
す。
私も、ちゃんぽんミーティングを長い間続けていますが、私が部屋に入
ってくる前からすでに会話が盛り上がっているのは結構珍しくて、今日は
特に良い雰囲気だなと思いました。ちゃんぽんミーティングは良いところ
は、新しい人と知り合うところだと思いますので、ぜひ、次につなげるよ
うな気持ちで、最後まで参加してほしいと思います。
そういう意味で、まず最初に皆さんに尋ねたいのは、今、それぞれの活
動紹介を聞いていて、「もっと連携できる」「こんな連携できたら良いな」
ということがあれば、ヒントとして、ぜひこの場で出してもらいと思いま
す。
普段から考えていることでも、今、思い付いたことでもどちらでも構い
ません。こういうネットワークがあったら良いな、というものがある人が
いたら、そこを切り口にして今日のテーマを考えたいんですが、どなたか
いませんか。もう、既にやっているということでも良いですよ。
【やったろう de 高島:小村さん】
私たちの活動のシュノーケリングですが、同じマリ
ンスポーツというジャンルでは、例えばシーカヤッ
ク・カヌー・ジェットスキーなどに取り組んでいると
ころがありますが、今のところ、それらはあくまでも、
個々の取り組みになってると思います。
では、どういう方法で連携できるのかなという話に
なりますが、これには難しい面があって、例えばジェ
ットスキーは非常に人気ですが、これは危険性も大きく、安全面で注意しなければならない
面がたくさんあるので、一緒にやるといった考えは、なかなか思い浮かばないんですよね。
どういった場所を拠点として使えるかというのが確立していないと、なかなか連携は難しい
と思います。
ちゃんぽんミーティング
【田上市長】
一言に連携と言っても、イベントのような機会に一緒の場所でする連携と、それぞれ活動
場所は違うんだけれども、互いに教えあったり、紹介し合ったりといったような、いろんな
かたちがあると思います。
ばらばらにやるよりも、それぞれの活動がより強くなったり、お客さんが喜んだりするこ
方法が、どこかにもっとないのかなという考え方なんですよね。
【野母崎コミュニティカフェ リップル:菅原さん】
そうですね。野母崎の話で最近面白かったこととしては、この夏、ヨットで世界中を旅し
ている人が来たことです。
その時は、ヨットで旅している人が、クルーズ船のように、茂木に行って、高島に寄って、
また野母崎に行って、というように、色々な港を廻れるようにしたりするのも面白そうだな、
と漠然と思いました。茂木や高島も、同じ長崎市ですが、やはりそれぞれ違った魅力がある
んですよね。
【田上市長】
野母崎には 8 年前にも、スターナビゲーションといって、機械を使わず、風の様子や星
空を頼りに航海する人たちがハワイからヨットで来たことがありました。野母崎の人から歓
迎されて、とても喜んでいたのを覚えています。野母崎にはそういう素養があるのかもしれ
ませんね。
そのときやってきた人は、ハワイと野母崎がどこか似ているとか、何かを感じたんだ、と
か、そういったことも言っていました。
【野母崎コミュニティカフェ リップル:菅原さん】
今回はオーストラリアから来られていました。
観光については、市街地は市街地で面白いんです
が、茂木や高島や野母崎は、瓦屋根の民家が並んで
いたり、漁港の風景が残っていたりするのがまた違
った魅力があって面白いところだと思っています。
ですから、例えば大型客船が入ってきたとき、観光地をバスで巡るのも良いですが、もう
少し、野母崎などまで来てもらうことが出来ないかなと思っています。そういう風景も、彼
らにとってはすごく魅力的だと思ってもらえるんじゃないかということです。
【田上市長】
外国から来る人というところでは、茂木で新しい動きがあっていますよね。外国のかたが
茂木にやって来ているお話を紹介してください。
ちゃんぽんミーティング
【長崎フレンドシップグリーンツーリズム協議会:大島さん】
私のところでは、料亭だった建物を改修してゲストハウスを
運営しています。外国人も、アジアだけでなく色々なところか
ら来ていただいています。
アジアからの観光では、まだどちらかと言えばショッピング
や観光地巡りがメインですが、欧米からの観光について考える
と、確かに、市街地の観光地巡りだけでなく、地方の昔ながら
の風景とか、そこに暮らす人との交流を求める人が増えている
のを感じています。
これからも、欧米からの個人のお客さんがどんどん増えてくるのは間違いないと思います。
そういった人たちが旅に求めるのは、やはり人との出会いです。世界遺産も、当然、呼び水
にはなりますが、それだけじゃないということをアピールできれば、もっと長崎に滞在する
期間も伸びるし、満足度も上がって、リピーターを増やすことにつながるのではないかと思
っています。
連携という面で言えば、結局、外国から来るかたは、わざわざ茂木や高島や野母崎を目指
して来るわけではないですよね。九州ならばおそらく、まず福岡を目指して、そこから長崎
にも行ってみようという流れが多いと思うので、長崎として、海を活用していく上での連携
というのは、必要不可欠な取り組みだと思っています。
【田上市長】
大島さんがやっているゲストハウ
スは 8 月にオープンしたということ
ですが、そこに、中崎さん峰さんはど
ういうふうに関わっているんでしょ
うか。それとも、今からですか。
【長崎フレンドシップグリーンツーリズム協議会:中崎さん】
今からやろうとしています。まずは来ていただいたかたに、茂木での漁業体験をしてもら
って、
「長崎の魚にはこんなものがあるんだ」
「こういう食べかたをするんだ」ということを
知ってもらいたいと思っています。外国人ばかりでなく、長崎県内・福岡など近くのかたに
も来ていただいて、茂木の良さを知ってほしいと思います。
【田上市長】
前日から宿泊して、朝から漁業体験をするような流れを、茂木で作りたいということです
ね。峰さんはどうですか。
ちゃんぽんミーティング
【長崎フレンドシップグリーンツーリズム協議会:峰さん】
私は基本的に、海のまちの美しさを皆さんに知ってほしいと思っ
ています。特に茂木は、漁業だけでなく農業の体験もできますので、
例えば一日目は漁業、二日目は農業の体験のようなプログラムも提
案することが出来ます。それこそ長期滞在されるかたには、一泊目
は茂木で、二泊目からは高島や野母崎にも行ってもらうようなコー
スもできれば、もっとお客さんも流れますし、楽しんでもらえるの
ではないかとは思います。
【田上市長】
今までの話にあったように、いわゆる観光地を見て回るのではなく、地方の本物の生活に
触れたいという感覚は、アジアの人たちにはまだあまり無いようですが、ヨーロッパやアメ
リカの人たちの中には確実に生まれてきていていると感じます。そしてアジアの人たちも、
やがてそういう方向に向かってくるだろうと思います。
これからの長崎市としても、例えば目的については、グラバー園に行きたい人、くんちが
観たい人、教会に興味がある人、田舎でゆっくり生活してみたい人などがいますし、宿泊に
ついても、高級ホテルから民泊まで、様々な観光のニーズに対応した用意をして、色々な人
が来るまちにしようということを大きな方向性として目指しています。ただ、根本的には、
長崎の人の暮らしや人間性に触れてもらうというところが基本になるだろうと思います。
今までは、観光地や歴史のある場所がメインでしたが、それに加えて今後、今日話題にな
った部分がもっと充実してくると、新しい人たちも来るようになって、もっと長崎が面白く
なるはずです。その中で、できれば経済もしっかり回っていくようなかたちを作っていく必
要もあります。
今はまだ、始まったばかりの段階ですが、そういう意味では皆さんはパイオニアなので、
苦労も多いと思うし、大事な種火でもあるわけです。
今、茂木での新しい動きについてのお話しがありましたが、野母崎でも色々、住人の皆さ
んでしている話がありますよね。そのあたりを、どなたか紹介してもらえませんか。
【野母崎コミュニティカフェ リップル:山本さん】
今、野母崎では海岸活用計画に基づいて、海岸線
の再開発が進んでいます。高浜地区、田の子地区、
脇岬地区の沿岸の 3 つの地区が対象になっています
が、高浜地区の整備はもう終了しています。ここで
は、既存の民間の桟敷を移して、そこに市の建物を
建てるという話でしたが、出来た後になって、「地元の意見が全然反映されていない」とブ
ーイングをする人が出てきたんですよね。軍艦島がせっかく見えるのに、実際に完成してみ
ちゃんぽんミーティング
ると、浜にあるカフェの手摺が邪魔になってしまうということだそうです。カフェのような
建物を作って交流の場にしようということ自体は地元側の意見だったのでしょうけれど、そ
ういう都合の悪い面も出てしまったわけです。
ですから田の子地区では、その同じ轍を踏まないために、再開発に向けて 1 か月から 2
か月に一回、田の子をどういうふうにするか考えるワークショップを開催しています。毎回
50 人くらい地元の人が集まって話しますが、それでも時間が足りませんので、皆が自分の
時間を使って別の機会にも集まって、積極的に話し合いをしています。
参加者は全員が素人ですし、野母崎は歴史をさかのぼれば、それぞれ治めていた藩が違う
というところから始まっているそうで、これまで、こういうふうに各地区の人たちが一緒に
何かをやるということは、ほとんど無かったそうなんですね。ですから今、スムーズに結果
が出ている状況ではありませんが、この再開発計画によって野母崎の気持ちが 1 つに集ま
ってきたということは、これから野母崎が未来に踏み出す良いきっかけだと思っています。
【野母崎コミュニティカフェ リップル:菅原さん】
今日、この場に野母崎、茂木、高島の 3 つの地区の団体が集まっていますが、どこも、
限界集落になると言われているところです。この危機感は 3 地区とも同じなんですよね。
ですが、
「高齢化率が高くなるばかりでどうしよう」
「移住者を呼び込みたいけど、そこだけ
に力を入れることも出来ない」という具合に、なかなかアイデアは出てこない状況です。
ここで、私の意見ですけど、まず楽しむことが大事だと思います。楽しそうなところには
人が集まってきますよね。逆に暗ければ、誰もそこに行きたい、住みたい、とは思いません。
もちろん課題はたくさんあって、それだけでは難しいと思いますが、「高島のシュノーケリ
ング楽しいですよ!」と言われるとやっぱり行ってみたいし、「茂木の漁港って素敵だよ」
と言われると「どんな感じなんだろう」と思いますよね。
【のもざき伊勢エビまつり実行委員会:岡部さん】
今、野母崎では「住民がやる」という機運が少しずつ高まってきていま
す。田の子の開発は、1 つのきっかけになっていると思います。
ここで、この雰囲気に乗って地域活性化について皆で考えたとき、野母
崎ではだいたい「海と魚を活かしたいよね」という話になります。ただ、
海といえば、どうしても夏のイメージです。つまり海での活動は、山と比
べて、一年中継続して活動することが難しいのではないかということです。
これは産業・事業として成立させていくのが難しいということでもあると思います。このあ
たりについて、今日、色々なお話しをお聞きしながら考えていました。
ところで、今日は茂木からもいらっしゃってますが、茂木では、野母崎の魚を使った魚捌
き体験をしていただいています。「今、こちらではあまり食材が無いので、よそから取り寄
せる」ということですね。こういう小さな連携もできますので、海を活かした活動というこ
とでしたら、色んな機会に水産業、漁業の方面にも声をかけていただきたいと思います。そ
れぞれの港には、必ず漁協がありますので、ぜひ活用してください。
ちゃんぽんミーティング
【田上市長】
漁協はほんとに大事なポイントですね。茂木ではどういう付き合い方をしていますか。
【長崎フレンドシップグリーンツーリズム協議会:大島さん】
個別の漁師のかたとは話をしますが、漁協と
はまだ話をしたことがないんです。正直なとこ
ろ、少し近寄りがたいところを感じてしまうん
ですよね。やはり、まず漁業権との兼ね合いが
最初に出てくると思いますので。
ですが、
「海を活かしたまちづくり」というか
らには、それを進めていく上で、漁協さんの協
力なくしてはあり得ないのかな、という思いは常にもっています。
岡部さんにお尋ねしたいんですが、漁協同士でのつながりはあるんですか。
【のもざき伊勢エビまつり実行委員会:岡部さん】
はい、つながっていますよ。勉強会も一緒にしていますし。ぜひ、諦めずに頑張ってくだ
さい。ご相談いただければ、協力もしたいと思います。
【田上市長】
何か活動しようというときには、地域の色々な団体との連携が欠かせませんが、海の活動
の場合は、特に漁協との連携が必要ですよね。その新しいパターンを、野母崎で作ってもら
い、それが他のところに広がっていくような感じになると良いですね。
山田さんは、地域との連携はどうですか。今、茂木の大崎にいらっしゃるんですよね。
【個人参加:山田さん】
農業・漁業と連携した活動というのが考えられ
ると思いますが、もう農業も漁業も、高齢者ばか
りになっているんですね。日々の作業も、はかど
らなくなってしまっています。
私も農業で、ビワづくりをやっていましたが、
もうそれだけを続けていこうとは思っていません。
具体的には、ビワを加工して、何かをやってみよ
うと考えています。
最初のアイデアでは、ミツバチを飼ってビワの蜜を採取して、それでお菓子を作ろうとい
うことを考えました。ですが、ミツバチを飼う環境を作るのが難しいとか、加工品は衛生面
や安全面の管理について、農作物と違った難しさがあるなど、色々な問題に突き当たってし
まいました。頑張っていますが、こういうことも、どこかからアイデアをいただいたり出来
れば、もう少しどうにかなるかもしれないと思うことがあります。
ちゃんぽんミーティング
【田上市長】
漁協や農協は本当に大事な連携相手ですが、他にも、地域の色々な団体と連携して一緒に
やっていくことも必要ですね。自分たちだけ浮いたようなかたちでは、絶対に上手く行きま
せん。そういう点で、高島の地域の中での連携はどんな感じになっていますか。
【やったろう de 高島:小村さん】
事業を始めた当初は、やはり私たちを知らない
地域の人たちから、非常に変な目で見られました。
「何ばしよっとやろうか、あん人たちは」
「海ん中
に、勝手に入って」というように。でも、やがて、
地域の中で浮いた存在から、地域に根ざした存在
になっていきました。
ここで今、高島は、そろそろ別の手を打たなければいけない状況になっています。先ほど、
野母崎は人口 5,000 人だとおっしゃいましたよね。私はこれを聞いた瞬間、羨ましいと思
いました。うちは 500 人ほどです。高島から出てくる人を減らして、やって来る人を増や
すために、この 500 人の中から、そういう人材を育てる取り組みがすごく大事だと思って
いるんです。この部分が一番今の課題で、高島全体で考えたいところです。
【田上市長】
人材を育てるというのは、例えばどんなことですか。
【やったろう de 高島:小村さん】
具体的に、私たちの事業のシュノーケリングについて言えば、これは、単に海に入って中
を見てもらうということだけではないんですよね。必ずインストラクションの部分があって、
安全に楽しんでもらえるように、分かりやすく教えなければなりません。それに加えて、こ
の時間を、単に説明の時間ではなく、楽しい時間に出来ればもっと良いですよね。そのあた
りは、私のように口下手だと、なかなか難しいところがあります。そういうことができる人
を育てていくというのは、とても大変な作業だと思っています。
【田上市長】
インストラクターの人材養成ということですか。
【やったろう de 高島:小村さん】
そうですね。今年度の目標としては、シュノーケリングライセンスを全日本潜水連盟と連
携して発行しようとしています。シュノーケリングは気軽にできるものですが、やはり正し
くやらないと危険で、去年は全国で 22 人が亡くなっています。少なくとも、命を落とさな
い教育をやって、ライセンス発行へ結びつける取り組みをやっていこうと思います。
ちゃんぽんミーティング
【田上市長】
そういうインストラクターだったり、あるいはガイドだったり、魚のさばき方を教えたり
という、そういう人材が地域にいるのはやはり必要なことですよね。それが今の課題である
ということですよね。
それぞれ皆さん、こういった課題を意識しながら取り組んでいらっしゃいますが、その話
はまた後でしたいと思います。
地域との連携という部分は、すごく大事だと思うんですよね。今、茂木、野母崎、高島そ
れぞれの話を聞きましたが、海援隊の活動はどうでしょうか。地域と直接つながって調整し
ながら活動する、という感じではなくて、海援隊の方から、好きな地域を選んで入っていく
という感じでしょうか。
【ながさき海援隊:尾崎さん】
海援隊の活動は、清掃活動だけではなく、地域に入って地域の魅力を
満喫することも目的ですので、大学生が地域の人たちとつながるきっか
けを作っていきたいと思っています。
野母崎の団体であれば「ノモッち」と一緒に活動したりしました。
【ながさき海援隊:岩永さん】
他には、先月は高島に行って、高島の自治会のかたにお世話になり、
小学生と一緒に海岸清掃を行いました。やはり、子どもが海に接する機
会も減っているそうですので、こういう機会に体験してもらえたらと思
って活動しています。
【田上市長】
具体的にはどういう体験ですか。清掃活動を、地域の人たちや子どもたちとずっとやって
いくという感じでしょうか。
【ながさき海援隊:岩永さん】
そうです。ただし、海岸清掃ごとにプログラムを決めて、たとえば炭鉱があったところに
行けば、少し体験をさせたりということも考えます。レジャーを楽しんで、ゴミを拾ってき
れいにして帰ろうというかたちです。
【田上市長】
それだと、茂木とかとの連携もできるかもしれませんね。
ちゃんぽんミーティング
【長崎フレンドシップグリーンツーリズム協議会:大島さん】
最近、長崎大学では、学生と地域との交流を進める取り組みがスタートしたんですよね。
これは、地域でまちづくりの活動を考えようとしても、そもそも高齢化が進んでいて、行動
力や発想力のある若い人がそもそも少ないという現状があるので、学生の力を活用していこ
うということだと思います。
地域には、情報収集力があって、新しい発想のできる若い人材を必要としてる団体は、絶
対に多いと思うんですよね。茂木でも、そういう力を持っている人が少ないので、まちづく
り、地域のコミュニティづくりに入っていきたいという学生がいるのであれば、積極的にや
ってほしいと思います。むしろ、こちらとしても、どうにか来てほしいというのが本音です。
【野母崎コミュニティカフェ
リップル:菅原さん】
漂流物という観点で言えば、実は野母崎にある亜熱帯植物園の名誉館長をされている先生
が、漂流物に関しては日本一というくらい詳しい先生なんです。その先生と一緒に、ゴミの
中に混じっている面白いものを発見しながら、先生の話を聞くのも楽しいんじゃないかな、
と、今、考えました。ぜひ、つながってみてください。
【野母崎コミュニティカフェ リップル:山本さん】
ゴミがゴミに見えなくなりますよ。
【野母崎コミュニティカフェ リップル:菅原さん】
はい、宝物みたいに見えてきます。
【野母崎コミュニティカフェ リップル:山本さん】
これは、もうゴミ拾いそのもの、海岸清掃そのものが、レジャーになり得るんじゃないか
ということなんですね。実際に浜辺を歩くと、ゴミがいっぱいありますよね。割合としては
プラスチックが多いんですが、その合間にウミガメの骨が浮いているとか、珍しい貝殻があ
るとか、この前は、ヤシの実が流れ着いていました。そういう発見があるんですね。それを、
知識がある人に解説してもらいながら歩くと、多分、ゴミ拾いだけでもすごく楽しい体験に
なると思います。
【ながさき海援隊:岩永さん】
ゴミという観点であれば、どこの地域も同じ問題を抱えてて、地域間の連携ができるんじ
ゃないかと思います。
【やったろう de 高島:小村さん】
海上交通がもう少し出来ると、本当に連携が取りやすくなるんですけどね。今一つなんで
すよね。アクセスの問題もあると思うんです。
ちゃんぽんミーティング
【野母崎コミュニティカフェ
リップル:山本さん】
高島は野母崎から見えるほど、距離的には近いんですけどね。
【野母崎コミュニティカフェ リップル:菅原さん】
オリンピック選手の講習を受けたら、カヌーで行け
そうなくらい近そうですね。
【野母崎コミュニティカフェ リップル:山本さん】
高島までカヌーで行って、軍艦島にもカヌーで行っ
て……
【野母崎コミュニティカフェ リップル:菅原さん】
茂木まで行くというような。本当にやったら面白そうですよね。
【野母崎地区カヌー振興協議会:内野さん】
カヌーマラソンというのは、実際にあるんですよ。今、九十九島でやっています。
そういったことをやるには、やはり漁協さんと連携をとらなければ全く無理なことだと思
いますが、もしそういうことができると、地域同士が非常につながるし、交流も増えてくる
んじゃないかと思います。
【野母崎コミュニティカフェ リップル:菅原さん】
応援する人たちが、海岸にも集まって来そうですよね。
【田上市長】
野母崎では、今はシーカヤックはやっていないんですか。
【内野さん】
シーカヤックは、今はやっていません。艇自体は、伊王島から回してもらった分があるの
で、15 艇くらいあります。
【田上市長】
モノはあるけど、教える人がいないという状況でしょうか。
【野母崎地区カヌー振興協議会:内野さん】
そうですね。実際の指導では、私を中心に教えていますが、メンバーは私も含めて現役で仕
事をしている人ばかりなので、年間を通してじっくり指導するということになれば、なかな
か難しいんです。ピンポイントで 1 日だけとかの体験イベントなら、協力できる人も増え
ると思うんですが。
ちゃんぽんミーティング
【のもざき伊勢エビまつり実行委員会:岡部さん】
先ほどは、海援隊から海浜清掃について聞かせてもらいました。海援隊の皆は知っている
と思いますが、海では、漂着ゴミの他にも磯焼けという問題があります。今、野母崎の海岸
では、スキューバダイビングをするのは原則として認めていないんですが、唯一、長崎大学
のスキューバサークルには、ゴールデンウィークの春合宿のときに受け付けてます。ただし
条件として、ただ楽しむスキューバではなく、海底清掃もやってもらってるんですよね。
ここで今、もう一歩踏み込んで、藻場づくりあたりに大学生のエネルギーをいただきたい
という気持ちがあります。そして先々では、大学生だけじゃなく、やっぱり海を楽しむ全国
のダイバーの人たちのエネルギーも、その地域と一緒になって藻場づくり、海の環境づくり
に取り組めないものかと思っています。
この、ダイバーに協力してもらって海底清掃を行う取り組みを始めるときも、漁業者との
調整が必要でした。よその人を海の中に潜らせるというのは、それまでやったことがありま
せんでしたので、抵抗感を覚える向きもありました。ただし、そこで諦めることなく、未来
の豊かで美しい海をどうやって作っていくかということを第一に考え、今よりも一歩踏み込
んだのが、この試みでした。次の春合宿の時期も、大学生と調整しながら、より良い方法で
実施していきたいと思っています。
【田上市長】
もし藻場づくりまで出来たら、大学生にも良い経験になると思います。
【のもざき伊勢エビまつり実行委員会:岡部さん】
そうですね。自分たちもここに関わったという大きな喜びや自信につながると思いますし、
海を見る視点も、一味違ったものになっていくんじゃないかと思ってます。
【田上市長】
素晴らしいと思います。
【ながさき海援隊:尾崎さん】
実は私は、そのスキューバダイビングのサークルのOBなんです。今度、新年会がある時
に提案してみます。
【田上市長】
つながったみたいですね。
ここまで話してきて、高原さん、田口さんにも感想も含めて意見があったら聞きたいんで
すけど。どうぞ高原さんから。
ちゃんぽんミーティング
【個人参加:高原さん】
皆さんのお話を聞かせていただきましたが、まだ、海をテーマにしたまちづくりというイ
メージを十分に描けていない状態です。でも、皆さんは海辺の地域で「どうしたら活気づく
か」ということを熱心に考えて、具体的な活動として取り組んでおられるということがすご
く印象的で、こういった取り組みがあったのかと新鮮な思いを抱きました。
こうした取り組みをもっと多くの方に知っていただくというのが、今後より充実させてい
く上で必要になっていくのではないかなと感じました。積極的に発信していくことで皆さん
に知っていただいて、「遊びに行ってみよう」とか「自分たちも関わりたい」といった気持
ちを持っていただけたら良いと思いました。
【田上市長】
確かに、
「長崎に遊びに行こう」というときに、色々なメニューが選べるのは大事ですよね。
田口さんは何か。
【個人参加:田口さん】
夜景を見に来る観光客が多いですよね。港の散歩道も、もっと灯りが増えて明るくなると
とても素敵だと思います。
【田上市長】
夜景が人気ですよね。海に映える光、海に揺らぐ光もまた長崎の独特なところで、稲佐山
から眺めると、海に光が映っている様子が特にきれいに見えるんです。今は、市と県でずっ
と話をしていて、海の部分は県が、まちなかの街灯は市を中心に、役割分担してやりましょ
う、という話をしています。
それでは、残り 20 分ほどになりましたが、今までの話の中で、漁協や地域との連携が大
切だという話がありました。
高島については、連合自治会長は島全体を見てくれている人ですが、会長からも、地域で
の活動をすごく応援している気持ちがあるんだということをよく聞きます。しっかり連携し
ながら、活動を続けていただきたいと思います。
茂木でも、地域づくりが盛り上がってきている雰囲気を感じました。こういう新しいこと
を始めようとしている動きが、地域にとってもすごく刺激になると思います。今やっている
ことが単につながるだけではなく、新しい動きが伴うと、地域全体が活気づいていきます。
ぜひ、茂木全体を盛り上げるためにも、活発に、積極的に情報提供や協力依頼をやっていっ
てください。そうすると、応援する人も自然と増えてくると思います。
野母崎も、ワークショップが良いかたちで動いているので、ぜひ、進めていってほしいで
す。地域の皆でワークショップをやるという流れが出来ていると、行政からの応援もしやす
くなりますので、ぜひお願いしたいと思います。
ちゃんぽんミーティング
それから、課題がいくつかあるという中では、やったろう de 高島のインストラクターの
養成といった話がありましたね。他に皆さん、ここが課題だとか、ここがクリア出来ればい
いのにな、というところがあれば、教えてください。
【長崎フレンドシップグリーンツーリズム協議会:大島さん】
今、個々人では、それぞれ漁業、農業、食やスポー
ツなど、生業や趣味としてずっと続けてきた経験を活
かして、地域づくりの活動につなげている人が多いと
思いますが、それを軌道に乗せて広げていくという段
階では、やはりある程度、まちづくり・地域づくりの
視点で専門的な知識を持った人が必要になるのではな
いかと思っています。
自分の経験を活かして活動をやりたい人は増えてきていると思いますが、やはりまちづく
りの理論的なところを知っている人がいるのといないのとでは、展開のスピードに差が出て
くると思うんですよね。何か上手い方法があるのなら、皆さんに聞いてみたいです。
私たちのメンバーの中には、正直なところ、活動の進め方が分からない人ばかりなんです。
それぞれでの取り組みはしっかり出来るんですが、それをつなげて、広げていくにはどうし
ていけばいいのか、考えるのが難しい状況です。
【田上市長】
相談したり、定期的にアドバイスをもらったりとか、時には一緒に動いたりとか、そうい
う感じの人でしょうか。外から連れて来るのは簡単なことではないと思いますので、最終的
には、その地域の人が育っていってほしいというところですね。
【長崎フレンドシップグリーンツーリズム協議会:大島さん】
そうですね。アドバイザーとかコーディネーター的な人がいると動きやすいです。素人同
士で話し合っても進まないことが多いので、地域の素人の考えを集めて、プロに見てもらう
というイメージです。他の皆さんは、どう思っていらっしゃるんでしょう。
【田上市長】
では、今の意見に賛成とか、うちはこうやっていますという例はありませんか。
【やったろう de 高島:小村さん】
気付いた人がまず動くことが、スタートの段階では必要だと思います。例えば、私たちの
活動は、高島の「さるく」のパンフレットに載っているんですが、これ以前には、パンフレ
ットはありませんでした。
つまりこれを作るときには、初めての試みですから、「誰がこれをやるんだ」という話に
なったわけです。ですが、ここで動かなければ絶対に進んでいかないと思いましたので、ど
ちゃんぽんミーティング
んどん積極的にやりました。パンフレットのキャッチフレーズが「コバルトブルーの海の楽
園」なので、「海の写真はもっと青々としたものにしよう」というような感じでさるくの事
務局などにも積極的に提案していくと、相手の反応も変わってくるんですよね。そういうア
プローチを、誰か気付いた人がやっていくという中で、リーダーが自然と生まれてきたよう
に思います。
【田上市長】
自分で動いていくうちに経験が積み重なって、ネットワークも広がっていくと、やがて立
場がはっきりして、リーダーが生まれてくるというパターンがありますよね。
他にも色々なパターンがあると思うんですけど、今のようなことは、私たちも少し考えて
いるところです。「この人はよその地域で実績があって、長崎にも合うんじゃないか」とい
う人に手伝ってもらったり、アドバイスをもらったりして、時には地域に実際に行ってもら
うといったことができないかと、今、考えています。
確かに、そういうことが必要な場面はあると思うんですよね。地域の中だけで考えている
と、どうしても普段の関係を気にして議論しづらいとか、逆に感情的になってしまうとか、
若者が年長者に対して意見を言いにくい、といったことがどうしても出てきます。そういう
場に第三者がいて、一押ししてくれるたり、整理をしてくれたりすると、上手く動き出した
りする場面は多いと思うんです。
【野母崎コミュニティカフェ リップル:菅原さん】
野母崎では実際に、市長さんのつながりで、九州大学の高尾先生
にワークショップに入っていただいています。他には、小値賀町の
アイランドツーリズムに関わっておられるかたに、勉強会でお話し
をしていただいたこともありました。
あとは、そういうワークショップとか勉強会を開くと、気になる
キーワードがいっぱい出てきますので、皆一生懸命メモを取るんで
すが、それをインターネット検索すると、関連する記事や動画がす
ぐ出てくるんですね。出てきた Youtube の動画を見ながら勉強す
ることもあって、昨日も、野母崎の住人同士で、隠岐の海士町とい
う島の映像を見ながら「こういうことだったらうちでも出来るね」と話し合ったりしていま
した。今は、検索すれば関連する情報がどんどん出てくるので、それを見て勉強するのも良
いと思います。実際に何度も見に行ったり、人を呼ぶのは大変ですからね。
あとは、行政の批判ではありませんが、どうしても行政の場合は、予算を取って次年度か
らですよとか、その額以上は絶対出せませんとか、計画書とか報告書とかたくさん作らなき
ゃいけないとか、色々と難しいですので、もうこれは住民側で進めてしまった方が、楽だし
早いし面白いかな、と最近思っています。
ちゃんぽんミーティング
全国各地の色々な地域のまちづくりも、見たり聞いたりするとすごく興
味が湧いてきますよね。長崎の中でも、どこかの成功事例が他のところに
伝わっていくようになると良いと思います。
例えば琴海では、住民が自分たちで地域づくりをしようという意識がと
ても高くて、地域づくりのグループもいくつかあるんですが、それぞれの
グループが、お互いのイベントにお客さんとして参加したり、協力し合っ
たりするというかたちが定着しています。1 年を通して見ると、イベント
の主役が地域の中で回っていくような状態になっているんですよね。そこ
で小さな成功が生まれて、教え合ったり励まし合ったりしながら広がって
いくような動きは、とても自然な流れだし、そんなに難しくないことだと
思います。
今、長崎伝習所の中でも、「まちコツアカデミー」とか「ファシリテー
ター養成講座」といった、そういう人材を養成する講座をやっていますの
で、伝習所も上手に使ってもらいたいと思います。こういう講座とか研修
会は、もちろん勉強も目的なんですが、仲間が見つかるのも大きな収穫に
なるんですよね。何かあった時に気軽に教え合ったりするような関係の人
が自分の地域以外に見つかると、とても安心できますよね。こういう仕掛
けは、これからも作っていきたいと思っています。実際に現場でやってい
る人が、何か迷った時に相談できるネットワークを作る手伝いとか、先生
を呼んでくる手伝いとか、そういうことをこれからも考えたいです。
今日についても、ぜひ、この時間をきっかけに 3 つの地域がつながっ
て、あとは大学生ともつながって、互いに教えあったり手伝ったりするよ
うな関係をつくっていただきたいですし、そこに他の地区の仲間も入って
くるような動きまで作ることができれば、本当にすばらしいと思います。
本当に、皆さんのそれぞれの地域での動きは、長崎全体にとっても注目
度の高い動きです。私たちが手伝えることもあると思いますので、それを
見つけるためにも、ときどき情報交換をさせてもらいながら進めていけれ
ばと思います。今日は、現場でとても頑張ってる皆さんが具体的な話をし
てくれたので、これからが楽しみな時間になりました。皆さんの動きには
本当に期待しています。ありがとうございました。
ちゃんぽんミーティング
◆終了後のアンケートから◆
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海を活かしたまちづくりを進めて行くときには、やはり地元の漁業関係者や漁協の協力が
不可欠であると改めて感じた。
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地域間交流の場として、カヌーマラソンが実現できたらと考えています。
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新たな協力の糸口が見つかった貴重なミーティングになりました。
もし、今度実施するならば、海を眺めながらやってみるというのはどうでしょうか。
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ぜひ、私たち大学生の力で地域を盛り上げていきたいと思いました。
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気持ちややる気だけではうまくいかない部分もあるので、このようなミーティングで情報
交換が出来ると非常にありがたいです。
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ちゃんぽんミーティング
〒850-0022
長崎市馬町 21-1 市民活動センター「ランタナ」内
長崎市市民協働推進室
TEL:095-829-1125 FAX:095-829-2925
E-mail:[email protected]
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