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レアメタル回収モデル事業の現状と課題

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レアメタル回収モデル事業の現状と課題
題目:レアメタル回収モデル事業の現状と課題
講演者:環境省 廃棄物・リサイクル対策部
リサイクル推進室長 上田康治
要旨
平成20年度から環境省と経済産業省が共同で実施して
きた使用済小型家電からのレアメタルの回収及び適正処
理推進事業について、その目的とこれまでに得られた成
果を紹介するとともに、平成22年度事業として着手した経
済性評価の目的と実施状況を報告する。
1
1.事業の目的・検討体制等
2
使用済小型家電からのレアメタルの回収及び適正処理
推進事業の全体像と目的
使用済小型家電の回収・レアメタルリサイクルのイメージ
消費者使用
小型
家電
小型家電回収
廃
棄
○自治体のスキーム
○小売店等の店頭
○イベント 等
中間処理
レアメタル回収
レアメタルを効率的に
回収するための分離
○分 別
○解 体
○破 砕
○選 別
製錬所等における
レアメタルリサイクル
特定
部品
レアメタル
有害物質の管理
残
渣
【使用済小型家電からのレアメタルの回収及び適正処理推進事業】
<環境省・経済産業省の連携事業>
使用済小型家電の回収モデル事業
の実施と効率的回収方法の検討等
レアメタルの含有実態の把握等
使用済小型家電のリサイクルに
係る有害性の評価等
3
モデル事業の実施地域
・・・ 平成21年度新規モデル地域
(平成20年度~)
・・・ 平成20年度事業からの拡充地域
秋田県( 全域※ )
京都市
茨城県(日立市、
北茨城市、高萩市 )
福岡県(大牟田市、
筑後市、大木町 )
東京都(江東区、八王子市)
名古屋市、津島市
水俣市
※秋田県はH21年度は大館市・能代市・山本郡で実施、H22年度から全県に拡充
4
事業の検討体制と検討事項
<検討体制>
研究会
レアメタルWG
環境管理WG
<検討事項>
リサイクルシステムWG
【レアメタルワーキンググループ】
①小型家電に含有される(あるいは回収可能な(レアメタルの情報整理
②対象となる小型家電の品目、あるいは特定の部品・部位の情報整理
③レアメタルのリサイクル、回収技術等の現状整理
④使用済小型家電の中間処理方法及び分析・試験等の検討
⑤分析・試験等結果の評価
【環境管理ワーキンググループ】
①小型家電のリサイクルにおいて管理対象となりうる有害物質の整理
②小型家電のリサイクルにおける環境'有害物質(管理技術の整理
③小型家電のリサイクルにおけるリスクアセスメント、シナリオ評価等手法の整理
【リサイクルシステムワーキンググループ】
①リサイクルシステムの経済性の評価
②リサイクルシステム構築に向けた課題の整理
5
研究会・WGのメンバー
研究会
レアメタル 環境管理
WG
WG
◎
◎:座長
システム
WG
◎
細田衛士
慶應義塾大学 経済学部教授
○
中村 崇
東北大学 多元物質科学研究所教授
委員
所属
○
◎
○
○
浅井一宏
日本鉱業協会 技術部次長
○
○
井上勝利
佐賀大学 名誉教授
○
○
大木達也
○
○
大和田秀二
産業技術総合研究所環境管理技術研究部門
リサイクル基盤技術研究グループ 研究グループ長
早稲田大学理工学術院教授
○
貴田晶子
国立環境研究所 循環型社会・廃棄物研究センター 特別客員研究員
小林幹男
石油天然ガス・金属鉱物資源機構 特別顧問
○
酒井伸一
京都大学 環境保全センター教授
○
佐々木五郎
○
佐竹一基
電子情報技術産業協会環境戦略連絡会 代表
○
白鳥寿一
東北大学大学院 環境科学研究科教授
○
○
下井康史
新潟大学大学院 実務法学研究科教授
○
○
新熊隆嘉
中島賢一
関西大学 経済学部教授
国立環境研究所 循環型社会・廃棄物研究センター 国際資源循環研究
室長
早稲田大学 環境総合研究センター客員研究員
原田幸明
物質・材料研究機構 元素戦略センター長
村上進亮
東京大学大学院 工学系研究科 講師
○
中島謙一
国立環境研究所 国際資源循環研究室NIES特別研究員
○
山本玲子
物質・材料研究機構 生体材料センター
金属生体材料グループ グループリーダー
○
○
○
○
◎
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
寺園 淳
○
○
○
全国都市清掃会議 専務理事
6
各地域における使用済小型家電の回収対象品目と回収方式
自治体
事業実施状況
秋田県
'全域にて実施(
回収品目
回収方式
ボッ ピック ステー 集団
クス アップ ション 回収
イベ
ント
種類を特定しない
ボックス投入口'15cm×25cm(を通過する大きさの使用済小型家電及び付属品
●
●
●
①デジタルカメラ②ビデオカメラ③携帯電話④携帯音楽プレーヤー⑤ゲーム機器⑥電子
手帳⑦卓上計算機⑧カーナビ⑨ワープロ⑩ACアダプタ
●
●
●
福岡県'大牟田市、
筑後市、大木町(
①デジタルカメラ②ビデオカメラ③ポータブル音楽プレーヤー④ポータブルDVDプレーヤー
⑤携帯用ラジオ⑥携帯用テレビ⑦小型ゲーム機⑧電子辞書、電卓⑨HDD⑩リモコン⑪電
子機器付属品'ACアダプタ、充電機器、コードケーブル類等(⑫携帯電話
・その他福岡県が指定する品目 等
●
●
東京都'江東区・
八王子市(
種類を特定しない'15cm×25cm以下の小型家電製品(
①携帯電話②デジタルカメラ③ビデオカメラ④ポータブル音楽プレーヤー⑤小型ゲーム機
⑥電子辞書⑦電卓⑧カーナビ⑨ポータブルDVD プレーヤー⑩携帯用ラジオ⑪携帯用テレ
ビ⑫付属品類 など
●
茨城県'日立市、高
萩市、北茨城市( 平成20、21年度
モデル事業実施
名古屋市・津島市
京都市
水俣市
種類を特定しない'30cm角以下の小型家電製品(
①デジタルカメラ②ビデオカメラ③ポータブル音楽プレーヤー④ポータブルDVDプレーヤー
⑤ゲーム機⑥電子辞書⑦携帯電話⑧アダプター⑨充電器⑩各種メモリー⑪電気シェー
バー⑫電動ハブラシ⑬電卓⑭携帯液晶テレビ⑮ポータブルラジオ⑯オーディオ⑰ビデオデ
ッキ⑱カーナビ⑲HDD⑳ワープロ 21 電子レンジ 22 電磁調理器 23 その他電気調理器
平成21年度モデル 24 おもちゃ 25 ヘアードライアー 26 リモコン 27 パソコン付属品 28 その他
事業実施
①IC レコーダー②USB メモリー③携帯電話・PHS④家庭用ゲーム機ソフト'カセット(⑤家
庭用ゲーム機本体'携帯用,据置用(⑥デジタルカメラ⑦電子辞書⑧電子手帳⑨ポータ
ブル式音楽プレーヤー⑩ポータブル式ラジオ⑪パソコン用外付けディスクドライブ'HDD 等
(⑫携帯液晶テレビ⑬電卓⑭ビデオカメラ⑮ポータブルDVD プレーヤー
※縦×横が15×25cm以下のもの
①携帯電話②キーホルダーゲーム機③ポータブル液晶テレビ④モデム⑤カーナビ⑥ポータ
ブルゲーム機⑦電子辞書⑧デジタルカメラ⑨ビデオカメラ'ハンディ(⑩ポータブルMDプレ
ーヤー⑪電話機⑫家庭用ゲーム機⑬電話子機⑭ポータブルCDプレーヤー⑮ゲームソフト
'CD-ROM等除く(⑯ゲームコントローラー⑰リモコン⑱カーオーディオ
※25センチメートル×15センチメートル以内のものに限る。
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
7
各地域における使用済小型家電の回収方式の詳細
自治体
ボックス回収
・149箇所'約7,400人/箇所(
・回収頻度:月1~2回
秋田県
'全域にて実施(
茨城県
'日立市、
高萩市、
北茨城市(
・49箇所'約5,600人/箇所(
・回収頻度:月2回程度
・37箇所'約5,100人/箇所(
福岡県'大牟田
・回収頻度:月1~2回
市、筑後市、
'大牟田市のみ(
大木町(
・江東区70箇所'約6,400人/箇所(
東京都'江東区 ・八王子市52箇所'約10,600人/箇
・八王子市( 所(
・回収頻度:月2回
名古屋市・
津島市
京都市
水俣市
ピックアップ回収
○大館市
・丌燃ごみを月1回排出
・粗大ごみを2ヶ月に1回'奇数月
(排出
・持ち込みについては随時受付
○潟上市
・丌燃ごみを週1回排出
○日立市・高萩市
・粗大ごみ'小(を月に1回排出
・持ち込みについては随時受付
○北茨城市
・持ち込みについてのみ、随時受
付
・丌燃ごみを隐週で排出
・持ち込みについては随時受付
'大牟田市のみ(
-
ステーション回収
集団回収
市民参加型回収
あきたエコ&リサ
イクルフェスティ
バル等4回実施
-
-
ステーションに小型家電回
収コンテナを設置し、回収を
実施'筑後市116箇所、大
木町50箇所(
-
-
-
-
ひたち環境都市
フェスタ等6回実
施
環境フェア等6回
実施
資源集団回収を行って 江東区民まつり
いる町会・自治会及び地 等14回実施
域子ども会が回収'八王
子市のみ(
・名古屋市12箇所'約188,000人/
箇所(
・津島市4箇所'約16,700人/箇所(
・回収頻度:週1回程度
-
・22箇所'約66,600人/箇所(
・回収頻度:月1~2回
-
-
-
-
ステーションに小型家電回
収コンテナを設置し、回収を
実施'71箇所(
-
・5箇所'約5,500人/箇所(
・回収頻度:月2回
イベント回収
ステーションにて専用袋にて リサイクルステーションに
回収を実施'津島市のみ: て対面式回収
41箇所(
-
市役所前フリー
マ等25回実施
環境モデル都市
フェスタにて実施
8
2.事業実施により得られた結果
(平成20・21年度事業の成果)
9
各地域での使用済小型家電の回収結果①
 回収品目、回収対象自治体数、回収期間に差があるため、一概に評価することはできないが、ボックス回収、
ピックアップ回収における回収個数が多かった。また、ピックアップ回収の回収重量が多い結果となった。なお、
ステーション回収については、回収対象人口に比して回収個数が多く、効率的な回収方式との示唆を得ること
ができた。
回収方式
自治体
ボックス回収
回収個数
(回収重量)
ピックアップ回収
期間
箇所
回収個数
(回収重量)
期間
ステーション回収
集団回収・市民参加型回収
回収個数
(回収重量)
期間
回収個数
(回収重量)
期間
合計
回収個数
(回収重量)
秋田県
14,730個
'5,654kg(
215日間
149箇所
6,338個
'8,756kg(
215日間
-
-
-
-
21,068個
'14,410kg(
茨城県
8,920個
'2,046kg(
153日間
49箇所
15,815個
'5,234kg(
153日間
-
-
-
-
24,735個
'7,280kg(
福岡県
7,184個
'1,109kg(
184日間
37箇所
4,572個
'580kg(
184日間
-
-
18,607個
'2,990kg(
東京都'江東区・
八王子市(
8,609個
'1,701kg(
92日間
江東区70箇所
八王子市52箇所
-
-
-
名古屋市・津島市
名古屋市73日間
2,370個
津島市61日間
'1,234kg( 名古屋市12箇所
津島市4箇所
-
-
613個
'661kg(
-
6,851個 筑後市153日間
'1,301kg( 大木町184日間
京都市
3,017個
'717kg(
92日間
22箇所
-
-
水俣市
175個
'55kg(
62日間
5箇所
-
-
291個
'86kg(
-
7,755個
'2,048kg(
合計
45,005個
'12,516kg(
-
26,752個
'14,570kg(
-
61日間
-
67日間
-
536個
'139kg(
92日間
9,145個
'1,840kg(
4,178個 名古屋市73日間
'2,922kg(
津島市61日間
7,161個
'4,817kg(
-
-
3,017個
'717kg(
-
-
466個
'141kg(
-
84,226個
'32,195kg(
4,714個
'3,061kg(
※ 「-」は、「実施せず」を示す。
10
各地域での使用済小型家電の回収結果②
 平成21年度のモデル事業の回収状況(回収台数、回収重量)を人口(1,000人当たり)・回収期間(1月)当たり
にて原卖位化したものは下表のとおり。
 回収品目、回収対象人口、回収期間に差があるため、一概に評価することはできないが、ステーション回収
の回収原単位が他の回収方式と比較すると大きく、効率的な回収方式との示唆を得ることができた。
回収方式
ボックス回収
ピックアップ回収
ステーション回収
集団回収・市民参加型回収
秋田県
全域:1.88
'0.72(
大館市、潟上市:7.60
'10.51(
-
-
茨城県
日立市、高萩市、北茨城市:6.41
'1.47(
日立市、高萩市:13.76
'1.91(
-
-
福岡県
大牟田市:9.36
'1,44(
東京都'江東区・
八王子市(
江東区:3.28 八王子市:2.44
'0.73(
'0.41(
-
津島市:2.12
'1.20(
-
京都市
0.67
'0.16(
-
水俣市
3.10
'0.97(
-
名古屋市・津島市
名古屋市:0.38
'0.47(
大牟田市:2.77 筑後市:12.69 大木町:34.92
'0.35(
'2.64(
'5.85(
八王子市:0.32
'0.08(
-
津島市:50.84 名古屋市:0.75 津島市:0.39
'54.85(
'0.52(
'0.34(
-
-
17.84
'5.29(
-
※卖位:数値上:回収個数(個)/1,000人・月、数値下:回収重量(kg)/1,000人・月
※ 「-」は、「実施せず」を示す。
※北茨城市は自己搬入ごみのみを対象としていたため、回収原卖位の集計には含めていない。
11
使用済小型家電回収方式毎の整理
 これまでのモデル事業における回収実験の成果として、回収手法毎に次の特徴を有することが明らかとなった。
・ピックアップ回収、ステーション回収、イベント回収はアクセスが容易。一方、ボックス回収は、設置場所により、
アクセスの容易性に差があり。
・ボックス回収だけでなく、無人の回収の場合は、セキュリティ面への配慮が必頇となる。
・ボックス回収では、稀にトラブル事例が報告されており、注意が必要。また、その他の回収方式でも無人の場
合はトラブルの可能性があることに留意が必要。
 地域毎にどの方式が優位であるかが異なるが、地域のこれまでの回収方法を踏襲した方式が優位である傾
向が見えてきている。引き続き、モデル事業を継続することによりデータを収集し、地域特性に応じた
効率的・効果的な回収の在り方を整理することが必要である。
アクセスの容易性
物理的・心理的排出の
し易さ
盗難等のトラブルの
可能性
ボックス回収
店舗、公共施設での回収量が多い
常時排出可能であるため、排出はし易い
駅、学校、企業での回収量は比較的少ない との評価がある一方、セキュリティ面への
施設内にて人目に付きやすい場所の回収量 配慮が必頇
が多い
人目の届かない所で、異物の混入、盗難、ボッ
クスの破損等の事例が報告
ピックアップ回収・
ステーション回収
通常のごみの収集時にも利用している排出 通常のごみの収集時にも利用している排
場所であり、アクセスは容易である
出場所であり、大きな障害なし
有人の場合、盗難等のトラブルの可能性は低
い
ただし、無人の場合は盗難等の可能性がある
イベント回収
イベントは、車や電車での来場が可能な場 盗難などの心配なし'有人の場合(
有人の場合、盗難等のトラブルの可能性は低
所にて開催されるため、アクセスは容易であ イベント時に限定されるため排出し易さに い
る。
課題
ただし、無人の場合は盗難等の可能性がある
回収方式横断的な ピックアップ回収、ステーション回収、イベン ボックス回収だけでなく、無人のピックアッ
評価
ト回収は、アクセスは容易である。
プ回収、ステーション回収、イベント回収で
一方、ボックス回収は設置場所によってアク はセキュリティ面への配慮が必頇となる。
セスの容易性に差が見られる'店舗、公共
施設は比較的アクセスが容易であると考え
られる(。
ボックス回収は稀にトラブル事例が報告され、
注意が必要。
ピックアップ回収、ステーション回収、イベント回
収では有人の場合、トラブルの可能性は低いが
、無人の場合、トラブルの可能性があることに
留意が必要。
12
使用済小型家電の回収可能量の推計
 モデル事業における回収データ及び統計データに基づき、回収ポテンシャル(モデル事業回収実績から拡大推
計)及び排出ポテンシャル(既存統計より使用済小型家電の賦存量を推計)を推計した。これらを比較すると、
すべての品目について回収ポテンシャル≪排出ポテンシャルとなっている。このような傾向を示している要因とし
ては、以下のような点が考えられる。
・排出ポテンシャルには業務用への出荷台数も含まれている。
・事業者による自主回収や下取り等の既存回収ルートが存在する製品については、そのルートへ流れる量が
影響し、回収ポテンシャルを押し下げている可能性が考えられる。
 引き続きデータを収集することで、回収ポテンシャル及び排出ポテンシャルの精緻化を図る必要がある
ものの、現状の回収ポテンシャルは、排出ポテンシャルの1%~20%程度にとどまっており、効果的・効率的な
回収方式を検討することで、更なる小型家電の回収を見込むことが可能である。
品目
携帯電話
回収ポテンシャル
千個/年 'a(
排出ポテンシャル
千個/年 'b(
比率
'a/b(
6,919
54,860
12.6%
ゲーム機'小型以外(
343
3,057
11.2%
ゲーム機'小型(
536
4,776
11.2%
ポータブルCD・MDプレーヤー
113
1,347
8.4%
ポータブルデジタルオーディオプレ
ーヤー
544
6,484
8.4%
デジタルカメラ
511
30,143
1.7%
カーナビ
139
2,409
5.8%
ビデオカメラ
103
10,625
1.0%
49
7,873
0.6%
9,257
121,574
7.6%
DVDプレーヤー
合計'9品目(
 回収ポテンシャル
≪排出ポテンシャ
ルとなっている。
 現状の回収ポテ
ンシャルは、排出
ポテンシャルの
1%~20%程度に
とどまっている。
→更なる回収を見
込むことが可能。
13
中間処理及びレアメタル回収段階での検討事項
1(使用済小型家電に含まれるレアメタル及びそれらを含有する部位・部品 の検討
収集・集積(ボックス、ピックアップ、イベント・・・)
収
集
機器選別 →計数・計量
①
金
金
属
属
含
含 b(選別・濃縮試験
有
有
状
状  各モデル事業においてそれぞれ
況
の処理フローに則した選別・濃縮
況
調
調
試験を行い、レアメタル等の分配
成分分析
査
査
状況について情報を収集・整理。
選
溶出試験
別
・
c(回収可能性検討
濃
 各モデル事業において選別・濃縮された産物を対
縮
象にレアメタルを取り扱う事業者が自らの施設で
試
験
処理等してレアメタルを回収することが可能か否か
選別済み収集物
選
②
選
別
別
・
濃
濃
縮
縮
試
試
験
験
手解体
・
中
間
処
理
機械破砕・物理選別
その他の部位・部品
レアメタル濃縮物
回
収
適正な処分
回収可能性検討
③回収可能性検討
ユーザー評価
2(レアメタル回収の現状
 我が国の主要非鉄製錬及びレアメタル専門メーカーに
よる回収状況一覧及び地理的分布を整理。
 既存の選別・濃縮技術について実態の一例を整理。
 鉱種ごとの製錬回収技術の現状について整理。
a(金属含有状況調査
 小型家電のプリント基板、その他
の部位・部品に含有されるレアメタ
ル等の量について、ある程度網羅
的に情報を収集・整理
等、原料を利用する側からレアメタル回収可能性
を検討。
3(既存レアメタル回収システムの使用済小型家電
への適用可能性
 7地域でそれぞれ任意対象とした機器、鉱種について
選別・濃縮試験を行いレアメタル回収可能性を検討。
 当該事業におけるレアメタルの想定回収量等を算定。
14
モデル事業における金属含有状況調査結果
全体
機器
品目
部位・
部品
Mn、Ni、Sb、Ba、Nd、Taはどの地域でもほぼコンスタントに含有率0.1%以上
の値を多く示し、そのうちNi、Ba、Taは1.0%以上の値も多い。
その他は、Ti、Cr、Co、W、Biが0.1%以上の値を多く示す。
Ga、In等の有益な鉱種は含有率が低い。
Ni、Baは機器を選ばずいずれの品目にも比較的高い含有率で含まれる。
Mn、Sb、Nd、Taは品目の違いによる含有率のばらつきが比較的大きい。
秋田県で対象品目としたビデオデッキ、ラジカセ等の中型家電は小型家電と比較
し相対的にレアメタル含有率が低い。
基板に関するデータを多く取得することができ、その他の部位よりもレアメタル含
有率が高いことを確認。
基板は特にNi、Ba等の特定の鉱種を多く含有する。
液晶は、コンスタントにNi、Ba、Ta、Wの含有率が比較的高い。
秋田県における篩分け選別'粗・中・細(では中サイズ及び細サイズにおいて比較
的高濃度のレアメタルが抽出される。
その他 茨城県における高品位物と準品位物との比較では10倍前後の違いが示される。
15
モデル事業における中間処理の状況
 モデル事業にて収集された使用済小型家電の一部を手解体もしくは、各種の機械破砕・物理選別で処理し、
金属全般または特定のレアメタルの含有部分を選別抽出する選別・濃縮試験を実施。
 得られた産物の一部(例:秋田県では、タングステン含有部品)は次ページにて示すレアメタル回収可能性
の検討のための対象物とした。
対象物
秋田県
茨城県
福岡県
手解体
機械破砕・物理選別
収集物全般
'分別済みのもの(
破砕、機械選別、手解体を併用し、タングステン含有部品を抽出
ハードディスク
破砕、機械選別、手解体を併用し、ボイスコイルモーター中のネオジム磁石を抽出
デジタルカメラ、携帯音楽プレーヤ、携帯
手解体により基板を抽出
電話'→高品位物(
上記以外の回収機器'→準品位物(
デジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯音楽
プレーヤー、携帯電話3分類
携帯電話'2001年以降カメラ有り(、
デジタルカメラ
東京都'江東 回収物全体'分別済みのもの(
区・八王子市( 携帯電話
機械破砕→磁力選別→篩い分け→静電選別/
手解体により電池を分離し、そ 渦電流選別/分級器で9種類の産物に分類
の他機器全体を抽出
カッティングミルで粉砕し、3粒度に区分け
手解体により基板を抽出
横型剥離装置で電子部品をプラスチック基板から分
離→渦電流選別/磁力選別→4粒度に区分け
機器全体を機械破砕→渦電流選別/磁力選別→4粒度に区分け
手解体により基板を抽出
電気炉で焙焼→酸溶解→溶媒抽出
名古屋市・
津島市
回収物全体'分別済みのもの(
高品位物と低品位物とに分類 機械破砕→磁力選別/静電選別→二次破砕→
・統合
磁力選別
京都市
回収物全体'分別済みのもの(
条件を変え何通りかの破砕処理
水俣市
携帯電話、デジタルカメラ等
5種類の機器
解砕型破砕機により部位・部位品に分解→手選別/篩い分け
16
モデル事業におけるレアメタル回収可能性の検討
 選別・濃縮試験で得たレアメタル濃縮物について、レアメタルを取り扱う事業者が自らの施設で処理等してレアメ
タルを回収することが可能か否か等、原料を利用する側からレアメタル回収可能性の検討を行った。
・簡易検討:試料を施設に投入することはせず、選別・濃縮試験で得た濃縮物の分析値と、産物の状態を確認した結果を根拠
として机上で評価する(秋田、名古屋市・津島市、福岡)
・詳細検討:試料を実際の操業施設に投入し、その際に必要となった前処理や問題点を根拠として評価する(茨城、東京(江東
区・八王子市)、京都)
地域
検討
実施者
秋田県
日本新金属(株)
'タングステン生産者(
茨城県
日鉱金属(株)
日立工場
'非鉄製錬(
福岡県
三井金属鉱業(株)
大牟田レアメタル工場
'タンタル生産者(
東京都
'江東区・
八王子市(
京都市
検討対象
レアメタル濃縮物
簡易
タングステン含有
酸処理による
部品
抽出の可能性
'振動モーター(
詳細
金属濃集物'ミッ
クスメタル(
簡易
詳細
(株)ハチオウ
'湿式回収業者(
簡易
携帯電話基板の
マット融解試料
簡易
詳細
三菱マテリアル(株)
直島製錬所
'非鉄製錬(
水俣市
※「-」は、「実施せず」を示す。
前処理
-
レアメタル濃縮物
のうちタンタル濃
-
度が最も高いも
の
手解体された基
板、液晶等の部 破砕、二次選別
品など 計18品 の必要性等
目
三井金属鉱業(株)
神岡製錬所
'非鉄製錬(
名古屋市・ DOWAホールディングス(株)
津島市
'非鉄製錬(
検討内容
検討
方法
化学分析
施設投入
検討結果
独自の確認分析
-
• 振動子'分銅(を分離抽出することでW原料とし
て利用可能。
• 混入するCo、Cu、SmがW回収を阻害しないこと
を確認する必要あり。
独自の確認分析
鉛電気炉に投入
'生成物の組成
変化を測定(
• 処理に支障は無かったが、施設への投入量が少
なく回収される金属量の実測は出来ず。
• 既存データや理論計算から、Ni、Sb、Bi、Pt、Pd
等の回収率を推定。
独自の確認分析
-
• Ta精製工程への投入は可能だが、Ta濃度が低
いため有価買取は困難。
• 物理選別により純度を更に上げる必要あり。
提供データを参照
鉛製錬炉に投入
-
独自の確認分析
-
金属濃集物'ミッ
クスメタル(
-
提供データを参照
-
収集物から電池
、鉄、アルミ等を
除去した残り全
て
破砕、二次選別
の必要性等
提供データを参照
銅製錬炉に投入
• 鉛精錬工程に投入する上で問題は無く、貴金属
品位が高いので有価買取りが可能。
• 基板類全般からはPdが、携帯電話の電池からは
Co回収が可能。
• 選択浸出でTa、W濃縮を目指したが元試料中の
量が少なく濃縮できず、元試料中に多いBa、Sr
が多少濃縮されたのみ。
• 金属濃度が丌十分で、回収出来るのは貴金属と
共に抽出されるSb、Bi、Se、Teのみ。
• 原料としては基板だけの方が好ましい。
• 炉への投入には支障は無い。
• 貴金属濃度が評価基準を超えるので有価買取り
出来るが、理論上回収可能なPt、Pd、Ni、Bi、Sb
は濃度低く価値は見込めない。
-
17
レアメタル回収施設の現状(主要非鉄製錬施設)
MAP
企業・工場名
1
DOWA ホールディング
ス小坂製錬㈱
2
日比共同製錬㈱
玉野製錬所
3
所在地
秋田県鹿
角郡小坂
町
岡山県
玉野市
BASE
処理プロセス
TSL 炉、銅電
解、鉛電解、貴
金属製錬
主な原料
精鉱、金銀含有酸化鉱、製錬工程副産物、銅系
廃棄物、含鉛・亜鉛ダスト、鉛銀残渣、鉄スクラッ
プ、酸化鉄、酸化銀電池、電子基板、等
Ni
Cu
自溶炉、電解
銅精鉱、電子基板、スクラップ
○
三井金属鉱業 G
鹿児島県
三井串木野鉱山㈱ 串木野市
Cu
乾留ガス化炉、
電解
貴金属スクラップ、基板・部品屑(固形)、含金銀
めっき廃液、酸アルカリ
○
○
4
住友金属鉱山㈱
東予工場
愛媛県
新居浜市
Cu
乾式自溶炉・電
解(銅)
精鉱、銅滓、銅スクラップ
●
●
●
●
5
日鉱製錬㈱
佐賀関製錬所
大分県
大分市
Cu
自溶炉、電解
銅精鉱、銅スクラップ、スクラップ焼却残渣
○
○
○
○
○
6
日鉱製錬㈱
日立精銅工場
茨城県
日立市
Cu,Ni
電解
アノード(佐賀関製錬所より調達)
○
○
○
○
○
7
三菱マテリアル G
小名浜製錬㈱
福島県
いわき市
Cu
反射炉、電解
精鉱、銅滓、銅スクラップ、シュレッダーダスト、飛
灰、廃タイヤ
○
8
三菱マテリアル㈱
直島製錬所
香川県香川
Cu,Ni
郡直島町
三菱連続製銅
炉、電解
精鉱、金銀銅滓、スクラップ、シュレッダーダスト、
廃基板類、飛灰
○
○
○
○
○
9
三井金属鉱業㈱
竹原製煉所
広島県
竹原市
Pb
鉛熔鉱炉
廃バッテリー、廃プリント基板、鉛滓、産業廃棄
物、脱銅スライム(玉野製錬所より)
○
○
○
○
10
三井金属鉱業 G
八戸製錬㈱
青森県
八戸市
Pb,Zn
ISP 方式の熔鉱
炉
亜鉛精鉱、鉛精鉱、バルク鉛、リサイクル原料
11
三井金属鉱業 G
神岡鉱業㈱
岐阜県
飛騨市
Pb,Zn
亜鉛焙焼炉、鉛
溶解炉
亜鉛精鉱、亜鉛焼鉱、鉛バッテリー、鉛銀残渣
12
三井金属鉱業 G
彦島製錬㈱
山口県
下関市
Zn
亜鉛焙焼炉、鉛
溶解炉
亜鉛精鉱、亜鉛焼鉱
13
秋田製錬㈱
飯島製錬所
秋田県
秋田市
Zn
湿式製錬、電解
精鉱、産業廃棄物、ITOターゲット
14
住友金属鉱山㈱
播磨事業所
兵庫県加古
Pb,Zn
郡播磨町
亜鉛・鉛熔鉱炉
精鉱、リサイクル原料(鉄鋼ダスト等)
15
東邦亜鉛㈱
小名浜製錬所
16
東邦亜鉛㈱
契島製錬所
17
東邦亜鉛㈱
安中製錬所
福島県
いわき市
広島県豊
田郡大崎
上島町
群馬県
安中市
18
住友金属鉱山㈱
ニッケル工場
愛媛県
新居浜市
Cu
Zn
焙焼炉(亜鉛)、
キルン(ニカドド電池) 亜鉛精鉱、亜鉛焼鉱、電池
Cu,Pb
熔鉱炉
精鉱、廃バッテリー、鉛リサイクル原料
Zn
焙焼炉(亜鉛)、
キルン(ニカド電池)
精鉱、亜鉛焼鉱(小名浜製錬所より)、使用済乾
電池
Ni
電気分解
ニッケルマット、ニッケル-コバルト混合硫化物
Pd
Pt
Se Te
Bi
Sb
○
○
○
○
○
○
○
○
Co Cd
Ge
In
Mg
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
注)●=初生原料の精製のみ行っている場合、○=リサイクル原料も受け入れている場合、△=施設はあるが回収するかどうかは原料次第という場合。
18
レアメタル回収施設の現状(主要レアメタル専門メーカー①)
MAP
ティーエムシー㈱
所在地
滋賀県甲
賀市
3
日興リカ㈱
館林工場
東邦金属㈱
門司工場
群馬県館
林市
福岡県北
九州市
4
新興化学工業㈱
堺臨海工場
堺市西区
筑港新町
東邦金属㈱
寝屋川工場
田中貴金属工業㈱
市川工場
大阪府寝
屋川市
千葉県市
川市
7
アサヒプリテック㈱
北関東事務所
埼玉県北
葛飾郡杉
戸町
素材毎の前処理、
精製、熔練
8
小島化学薬品㈱
埼玉県狭
山市
回収精製、電解回
収法
9
横浜金属㈱
製錬精製工場
神奈川県
相模原市
貴金属スクラップ(工業
材、宝飾材、歯科材)
10
㈱大阪チタニウムテ
クノロジーズ
兵庫県尼
崎市
熔解炉(乾式製
錬)、溶解槽(湿式
製錬)
クロール法(塩化・
蒸留、還元・分離、
電解、破砕)
11
DOWA ホールディン
グス G エコシステ
ムリサイクリング㈱
東日本工場
埼玉県本
庄市
湿式(剥離・溶解、
電解)
金銀スクラップ、金メッキ
廃液、廃電子部品
12
アジア物性材料㈱
インジウム製錬設
備、レアメタル精製
使用済メッキ液、洗浄液
等
13
㈱アサカ理研
神奈川県
横浜市緑
区
福島県郡
山市
溶媒抽出方法
基板屑等
兵庫県養
父市
三酸化アンチモン
製造炉
アンチモン地金
岡山県岡
山市
湿式(剥離・溶解、
電解)
金銀スクラップ、金メッキ
廃液、廃電子部品
愛媛県新
居浜市
煤焼炉
石油精製用使用済触媒
1
2
5
6
14
15
16
企業・工場名
日本精鉱㈱
中瀬製錬所
DOWA ホールディン
グス G エコシステ
ムリサイクリング㈱
西日本工場
住友金属鉱山G 日
本キャタリストサイク
ル㈱
処理プロセス
Ni
Pd
Pt
電解
主な原料
電子部品屑、基金属含有
滓、廃触媒
○
△
△
再生炉(水素化触
媒技術等)
使用済触媒等
○
熱分解、水素還元
鉱石
焼成炉、イオン交換
装置、抽出装置、
分離装置、精製装
置
重油燃焼残渣、石油精製
触媒、希尐金属スクラッ
プ、銅製錬副産物
熱分解、水素還元
鉱石
乾式、湿式、粉砕、
焼成処理
白金族系貴金属化合物、
触媒
歯科用合金、プリント基
板、メッキ液、剥離液、フィ
ルム、宝飾、レントゲンフィ
ルム
使用済メッキ廃液、洗浄
液、電子部品スクラップ、
使用済触媒
Se
Te
Sb
Co
W
○
△
V
Mo
Ge
△
In
Nb
Ta
Ti
△
△
△
○
Mg
Ga
Zr
△
△
○
●
△
△
△
△
○
△
△
△
△
△
●
○
○
○
○
○
○
○
○
チタン原料
●
○
●
○
○
○
●
○
○
○
○
○
●
○
○
○
○
○
注)○=初生原料の精製のみ行っている場合、●=リサイクル原料も受け入れている場合、△=施設はあるが回収するかどうかは原料次第という場合。
19
レアメタル回収施設の現状(主要レアメタル専門メーカー②)
MAP
所在地
静岡県沼
滋賀県甲
津市
賀市
3
19
企業・工場名
住友金属鉱山G
エヌ・イーケムキャ
ティーエムシー㈱
ット㈱
日興リカ㈱
中外鉱業㈱
館林工場
持越工場
東邦金属㈱
アサヒプリテック㈱
門司工場
福岡工場
4
20
新興化学工業㈱
㈱日本ピージーエ
堺臨海工場
ム
秋田県鹿
堺市西区
角郡小坂
筑港新町
町
アサヒプリテック㈱
東邦金属㈱
愛媛工場
寝屋川工場
田中貴金属工業㈱
中外鉱業㈱
市川工場
東京工場
愛媛県西
大阪府寝
条市
屋川市
千葉県市
東京都大
川市
田区
埼玉県北
秋田県鹿
葛飾郡杉
角郡小坂
戸町
町
埼玉県狭
秋田県秋
山市
田市
神奈川県
福岡県大
相模原市
牟田市
兵庫県尼
崎市
福島県い
わき市
埼玉県本
福岡県飯
庄市
塚市
神奈川県
秋田県秋
横浜市緑
田市
区
神奈川県
福島県郡
平塚市
山市
福岡市博
兵庫県養
多区
父市
福島県会
岡山県岡
津若松市
山市
兵庫県加
古川市
愛媛県新
神奈川県
居浜市
茅ヶ崎市
17
1
2
18
21
5
6
22
28
12
DOWA ホールディ
アサヒプリテック㈱
ングス G エコシス
北関東事務所
テムリサイクリング
㈱ 北日本工場
DOWA ホールディ
小島化学薬品㈱
ングス G 秋田レア
メタル㈱
横浜金属㈱
三井金属鉱業㈱
製錬精製工場
三池レアメタル工
場
㈱大阪チタニウムテ
三菱マテリアル G
クノロジーズ
マテリアルエコリフ
ァイン㈱
小名浜事
DOWA
ホールディン
業所G エコシステ
グス
日本タングステン
ムリサイクリング㈱
㈱ 飯塚工場
東日本工場
日本新金属㈱
アジア物性材料㈱
秋田工場
29
13
田中貴金属工業㈱
㈱アサカ理研
湘单工場
7
23
8
24
9
25
10
26
11
27
30
14
31
15
32
16
33
太陽鉱工㈱
日本精鉱㈱
福岡鉱業所
中瀬製錬所
DOWA
ホールディン
キャボットスパーメ
グス
G エコシステ
タル㈱
会津工場
ムリサイクリング㈱
日清鋼業㈱
西日本工場
加古川事業所 日
住友金属鉱山G
本キャタリストサイク
東邦チタニウム㈱
ル㈱
群馬県館
静岡県伊
林市
豆市
福岡県北
兵庫県尼
九州市
崎市
処理プロセス
燃焼、粉砕、精製
電解
再生炉(水素化触
焼成、熔練、電
媒技術等)
解、王水溶解
素材毎の前処理、
熱分解、水素還元
精製、熔練
焼成炉、イオン交換
装置、抽出装置、
電気炉、酸化炉、
分離装置、精製装
鋳造炉
置
素材毎の前処理、
熱分解、水素還元
精製、熔練
乾式、湿式、粉砕、
王水溶解、硝酸液
焼成処理
処理、分解・回
収、溶媒抽出
素材毎の前処理、
湿式(剥離・溶解、
精製、熔練
電解)
主な原料
使用済メッキ廃液、洗浄
電子部品屑、基金属含有
液、電子部品スクラップ、
滓、廃触媒
使用済触媒
宝飾品、貴金属スクラップ
使用済触媒等
等
Ni
Pd
Pt
Se Te Sb Co
W
●
○
○
△
○
△
●
○
△
○
○
○
○
V
鉱石
ITO他貴金属スクラップ
重油燃焼残渣、石油精製
触媒、希尐金属スクラッ
使用済触媒、廃電子部品
○
プ、銅製錬副産物
貴金属メッキ廃液、ペースト
類、各種電子部品スクラッ
鉱石
プ、希尐金属ターゲット材
白金族系貴金属化合物、
触媒
金宝飾品
歯科用合金、プリント基
板、メッキ液、剥離液、フィ
金銀スクラップ、金メッキ廃
ルム、宝飾、レントゲンフィ
液、廃電子部品
ルム
使用済メッキ廃液、洗浄
液、電子部品スクラップ、
鉱石、使用済ITOター
使用済触媒
ゲット
回収精製、電解回
インジウム回収
収法
設備
熔解炉(乾式製
貴金属スクラップ(工業
錬)、溶解槽(湿式 材、宝飾材、歯科材)
溶媒抽出
鉱石
製錬)
クロール法(塩化・
蒸留、還元・分離、 チタン原料
貴金属、電材、半田等のス
電解、破砕)
乾式、湿式
クラップ
湿式(剥離・溶解、 金銀スクラップ、金メッキ
精製、
電解) 還元、混合、 鉱石
廃液、廃電子部品
成形、焼結、加工
湿式製錬(化学処
インジウム製錬設 精鉱、超硬合金スクラッ
使用済メッキ液、洗浄液
理法)
備、レアメタル精製 プ、廃触媒
等
白金族金属含有銅合金、
乾式、湿式、粉
廃電子部品、廃メッキ・蒸
溶媒抽出方法
基板屑等
砕、焼成処理
着治具、廃触媒
三酸化アンチモン 使用済脱硫触媒
焙焼、精製
アンチモン地金
製造炉
△
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
△
△
△ ○
Mo Ge
In
Nb Ta
Ti
Mg Ga
Zr
△
△
△
△
○
△
△
●
○
△
○
△
△
△
△
○
○
●
○
●
●
●
○
△
○
Ka2TaF7(輸入)
金銀スクラップ、金メッキ
廃液、廃電子部品
タングステンスクラップ
○
電解、還元分離・
煤焼炉
破砕
石油精製用使用済触媒
精鉱、チタンスクラップ
○
○
●
○
●
○
○
○
○ △
○
●
○
○
○
○
○
○
○
○
Na
還元
湿式(剥離・溶解、
電解)
精錬
●
○
●
○
○
○
○
○
○
○
注)○=初生原料の精製のみ行っている場合、●=リサイクル原料も受け入れている場合、△=施設はあるが回収するかどうかは原料次第という場合。
20
レアメタル回収可能量の推計
 小型家電の基板に含有されるレアメタルの含有量を排出ポテンシャルから推計すると、レアメタル31鉱種合計で、約530t
であった。
 小型家電に含有されるレアメタルについて、既存施設、技術を利用した場合に、どの程度回収できるか等を検討。7つのモ
デル地域ごとに、収集された機器を、ア( 手解体、械破砕等により選別濃縮し、イ( 得られた濃縮物を原料について、レアメ
タル抽出精製した場合のレアメタルの回収可能量を試算。
→平成21年度にモデル地域ごとに収集された対象機器(重量:0.1~10t程度)を選別・濃縮し(濃縮物:3~340㎏程度)、既存
の金属回収工程において抽出精製した場合に得られるレアメタルの量'回収可能量(は、多い金属で数kg程度と試算された。
小型家電(主な9品目)の基板に含有されるレアメタルの
排出ポテンシャルの推計結果(主要レアメタルのみ抜粋)
元素
Li
Be
Cr
Mn
Co
Ni
Ga
Se
Pd
In
Sb
Te
Nd
Ta
W
Pt
Bi
リチウム
ベリリウム
クロム
マンガン
コバルト
ニッケル
ガリウム
セレン
パラジウム
インジウム
アンチモン
テルル
ネオジム
タンタル
タングステン
プラチナ
ビスマス
・
・
・
レアメタル31鉱種合計
含有量
kg/年
277
147
20,468
37,819
2,227
135,180
859
4
2,467
804
17,934
989
7,378
34,381
6,634
57
78,895
・
・
・
531,035
※ 「排出ポテンシャル×平均基板重量」に各レアメタル等の濃度を乗じて算出。
各レアメタル等の濃度は、モデル事業及び既存調査結果等から平均値を算出
平成21年度 7地域でのレアメタル回収結果総括表(一部抜粋)
対象機器・対象金属
地
域
対象機器
秋 ハードディスクドライブ
田
県 携帯電話
茨
城
県
福
岡
県
携帯電話、
デジタルカメラ、
携帯音楽プレーヤー
(HDD,フラッシュメモリ,MD型)
⇒「高品位物」
ビデオカメラ、他の携帯音楽
プレーヤー、電子手帳、ゲーム機、
電卓、カーナビ、ワープロ、
ACアダプタ
⇒「準品位物」
デジタルカメラ
ビデオカメラ
ポータブル音楽プレーヤー
携帯電話
携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメ
東 ラ
京 携帯音楽プレーヤー、携帯ゲーム機、電
都 子手帳、電卓、カーナビ、携帯DVDプ
レーヤー、携帯ラジオ、携帯テレビ
携帯電話、デジタルカメラ、ビデオ
カメラ、DVDデッキ、携帯音楽
/映像プレーヤー、電子辞書/手帳
/電卓、HDD、ゲーム機、プリンター、
ビデオデッキ、ワープロ、パソコン付属品
(プリンタ以外)、ACアダプタ・ケーブル・コード
ラジカセ・携帯ラジオ、電気調理器、
おもちゃ、カーナビ、電動歯ブラシ、
携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメ
京 ラ、電子辞書、電卓、携帯音楽プレー
都 ヤー、
市 携帯ラジオ、家庭用ゲーム機、家庭用
ゲームソフト、
名
古
屋
市
・
津
島
市
全収集量
選別・濃縮
回収対象
金属
選別
部位・部品
225kg
ボイスコイルモー
ネオジム
(426個)
ター中の磁石
183kg
振動モーター
タングステン
(1732個)
中の振動子
アンチモン
金属
ニッケル
濃集物
928.6kg ビスマス
(ミックス
インジウム
メタル)
パラジウム
アンチモン
金属
ニッケル
濃集物
8228.4kg ビスマス
(ミックス
インジウム
メタル)
パラジウム
92.1kg
タンタル
61.5kg タンタル
濃縮物
182kg
570kg
パラジウム
インジウム
プラチナ
844.4kg ビスマス
基板
ニッケル
アンチモン
テルル
アンチモン
セレン
1287kg
金属
ビスマス
濃集物
パラジウム
(ミックス
アンチモン
セレン
メタル)
3122kg
ビスマス
パラジウム
パラジウム
プラチナ
破砕
1000kg ニッケル
混合物
ビスマス
アンチモン
テルル
濃縮物
重量
回収可能性検討
金属
回収率
回収量
(推定値)
28kg
60%
3.4kg
1.8kg
85%
1.4kg
70%
40%
80%
60%
80%
70%
40%
80%
60%
80%
1.5g
39g
2.3g
0.021g
2.0g
182g
168g
18g
4.7g
5.5g
8.5g
38g
78g
8.6g
0.86g
78g
4.32kg
270g
8.9g
94g
0.13g
1.1g
284g
0.4g
1.2g
9.6g
1.5kg
6.4g
205g
29g
1.76kg
72.4kg
433g
289g
546g
1767g
60%
450kg
60%
98kg
60%
225kg
60%
535kg
60%
21
事業全体の環境管理の観点からの検討事項
1(金属・難燃剤等のハザードの評価
使用済小型家電に使用されている
レアメタルやその他の金属のハザード情
報等及び最近の国際的な関連規制の
動向について、網羅的に情報を収集・
整理した。
2(小型家電中の金属、難燃剤等の測定手法の標準化
含有量試験、溶出試験、精度調査を行い、分析結
果・分析精度等について考察するとともに、今後の検
討課題を整理した。
最終処分
消費者
使用
小型家電
回収
破砕
選別
焼却
再資源化
手解体
製錬
3( リサイクル施設でのリスクイベント評価と適正管理技術の考え方
 モデル事業における回収・中間処理・レアメタル回収・残渣の管理の各段階において想定されるリスクイベント
を整理するとともに、実際に起こったリスクイベント・実施したリスク回避対策に関する情報を収集・整理した。
 使用済小型家電の処理に伴う環境影響ポテンシャル(環境影響の可能性)の検討に資するため、全国の廃棄
物処理施設で一年間に処理され得る小型家電の総量を、処理方法(破砕、焼却、埋立処分)別に推計した。
22
金属・難燃材等のハザードの評価結果
調査対象物質
レアメタル31鉱種、主要なベースメタル、主要な難燃剤等
整理したハザード情報
急性毒性、遺伝毒性、発がん性、生殖毒性、残留性・非分解
性、生体蓄積性、慢性毒性、水生毒性、土壌移動性
当該毒性に関して注意が
必要である元素
毒性
急性毒性
ベリリウム、クロム、コバルト、ニッケル、テルル、バリウム、タリ
ウム、ビスマス、銅、カドミウム、水銀、臭素
遺伝毒性
バナジウム、クロム、コバルト、ニッケル、モリブデン、アンチモン
、タリウム、鉄、銅、亜鉛、カドミウム、水銀、鉛
発がん性
ベリリウム、クロム、コバルト、ニッケル、モリブデン、アンチモン
、砒素、カドミウム、鉛
生殖毒性
ベリリウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、セレン、アン
チモン、テルル、タンタル、タリウム、銅、亜鉛、銀、カドミウム、
水銀、鉛
残留性・非分解性
モリブデン、インジウム、セシウム、ルテニウム
生体蓄積性
亜鉛、砒素、銀
23
小型家電中の金属・難燃材等の測定と測定手法の標準化
<含有量試験>
 小型家電のプリント基板を対象に、レアメタルや臭素系難燃剤等について含有量試験を実施。
 ハザード情報に基づき注意が必要と整理された元素については、ベリリウム、クロム、アンチモン等、水銀以
外の全ての元素が、多くの品目で数百ppm~パーセントオーダーで含有されていることを確認。
<溶出試験>
 小型家電のプリント基板、部位・部品及びそれらの中間処理産物を対象に、溶出量試験を行い、参考として、
金属等を含む産業廃棄物に係る判定基準と数値の比較を実施。
 カドミウム、鉛、砒素、水銀について、一部の分析対象から一定量が検出。
<精度調査>
 標準物質(焼却主灰、パソコン基板破砕物)を用いて、含有量試験の精度調査を実施。
 ベースメタル及びPbについては分析結果のばらつきは概ね小さく、レアメタルについては、元素によって分
析結果のばらつきに相違が見られた。また、貴金属については、Agが他の元素と比較し特にばらつきが大き
い結果となり、分析方法の検討が望まれる。
最終処分
消費者
使用
小型家電
回収
破砕
選別
焼却
再資源化
手解体
製錬
24
各段階で想定されるリスクイベントとリスク回避対策
段階
小型
家電
回収
分類
・ごみの混入
・たばこの混入
・雤水の浸入
・雤水浸入による有害物質の漏出
・電池の混入
・有害物質の混入の可能性及び腐食による有害物質の漏出/電池ショートによ
る火災の発生
・内蔵電池からの液漏れ
・液漏れによる有害物質の漏出
・液晶部の破損
・液晶の漏出による腐食による有害物質の漏出
・火災の発生
・火災の発生による有害物質及び副次的な有害物質の発生
・電池の混入、液漏れ
・有害物質の混入の可能性及び腐食による有害物質の漏出/電池ショートによ
る火災の発生
・内蔵電池からの液漏れ
・火災の発生
・液漏れによる有害物質の漏出
・有害物質の発生
・作業者への暴露
・蛍光管の破損による水銀暴露
・電池の液漏れによる皮膚等への影響
・粉じんの発生及び有害成分の生成
・飲料等液体混入
中間
処理
・粉じんの発生
・粉塵爆発の発生'破砕機(
・ごみの混入
・飲料等液体混入
・廃水の発生
レアメタル ・回収に伴う有害物質の発生
回収
・飛灰、スラグ中への有害物質混入
残渣の
管理
想定されるリスクイベント
・有害物質の混入の可能性
・臭気の発生
・害虫の発生
・腐食による有害物質の漏出
・臭気の発生
・害虫の発生
・火災の発生による有害物質及び副次的な有害物質の発生
・廃水の発生
・有害物質の混入
・リサイクルでの副次生成物発生
・産物の飛散、有害物質の漏出、火災の発生による有害物質の発生
・有害物質混入の可能性
・腐食による有害物質の漏出
・プリンタトナーなどの発生と火災予防のための散水による汚水の発生
・排ガスへの有害物質の移動の可能性
・スラグへの有害物質の混入の可能性
・有害物質の生成の可能性
・廃水中への有害物質の混入
・リサイクル物への有害物質の混入の可能性
・有害物質の飛散、漏出等
・有害物質の飛散、漏出、曝露 等
想定されるリスク回避対策
・監視
・回収対象品目の掲示
・分別'手選別(
・監視
・回収対象品目の掲示
・分別'手選別(
・監視
・回収対象品目の掲示
・火災予防措置
・回収ボックスの屋内設置
・蓋付きコンテナの使用
・屋内保管、雤水防止
・屋根付トラックでの輸送
・電池の事前分別
・電池の抜き取り
・分別、火災予防措置
・分別'手選別(
・保護パーツの設置
・液晶部分別回収、破損防止
・保護パーツの設置
・分別'手選別(
・火災予防措置
・電池の事前分別
・電池の抜き取り
・分別、火災予防措置
・保護パーツの設置
・アース接地
・火災予防措置
・作業手順の確認
・作業手順の確認
・保護具マスクの着用
・集塵機の設置
・作業手順の確認
・分別の徹底'ライター、スプレー缶、電池類の誤投入の防止(
・分別'手選別(
・分別'手選別(
・廃水処理装置の設置
・排ガス処理装置の設置
・飛灰、スラグからの有害物質の拡散防止対策
・飛灰、スラグからの有害物質の溶出対策
・廃水処理装置の設置
・分別及び事前分析'溶出試験による確認(
・残渣物の適正保管'容器保管、養生など(
・屋内保管、輸送中の飛散防止対策
・溶融処理による無害化
・公害防止装置、曝露防止
25
環境影響ポテンシャル
 使用済小型家電の中間処理、再資源化、レアメタル回収の各段階における環境影響の可能性'環境影
響ポテンシャル(を把握し、その環境影響をどのように管理し、最小化していくかといった観点から、リスク
管理の考え方を検討する必要がある。
 検討対象とする元素'ハザード情報や得られた情報に基づき設定(、プロセスフローにおける分配傾向、各
プロセスの制御状況、移動・拡散・曝露経路'大気、水域、作業環境等(を特定し、ケーススタディ的に環
境影響の可能性について検討を行い、リスク管理上注意すべき工程、段階を特定する。
元素のハザード
元素の含有量
各プロセスにおける元素
含有量の分配状況
各プロセスの制御状況
【検討事項】
• 環境影響ポテンシャルの把握'元素のハザード、元素の含有量'製
品全体の含有を念頭に(、各段階における元素含有量の分配状況、
各プロセスの制御状況、元素の移動・拡散・曝露状況の情報収集・
整理(
• リスク管理上注意すべき工程、段階の特定
• リスク管理の考え方'環境影響を管理し、最小化する方策(の検討
環境影響
ポテンシャル
'環境影響の
可能性(
元素の移動・拡散・曝露状況
各段階における元素含有量の
分配状況のイメージ
消費者
使用
(100)
小型家電
回収
(100)
※1 ()内の数値は元素含有量の分配状
況を示す(数値もイメージである)
※2 赤字:リスク管理上注意すべき行程、
段階の例
制 御
破砕・
選別
(70)
手解体
(30)
曝露・放出
(作業環境、大気、水域)
排ガス(30)
ダスト(10)
可燃残渣(5)
中間処理産物(5)
不燃残渣(20)
制 御
焼却
排ガス(10)
不燃残渣(5)
制 御
再資源化
回収資源(Fe等)(10)
製錬
回収メタル(10)
可燃残渣(1)
不燃残渣(6)
制 御
スラグ(5)
不燃残渣(3)
最終処分
26
3.平成22年度事業の実施状況
(リサイクルシステムの経済性評価)
27
リサイクルシステムの経済性評価の方法
 リサイクルシステムの経済性評価は以下の内容について実施する。
①システム全体の費用対効果分析(費用便益分析含む)
②段階別の採算性評価
 システム全体の評価及び段階別の評価にあたっては、以下の点に留意する。
費用便益分析については、調達コストの差から計測するアプローチで計測するが、補足的に段階別の利益を合算す
るアプローチも併用する。
便益として計上できない効果(定量的・定性的)も含めて検討する。
段階別の採算性評価は、システム全体の構造・課題を整理するために必要
①システム全体の費用対効果分析(費用便益分析+定量・定性的効果)
費用便益分析
便益
(事業者の利益合計
+社会的便益)
効果
(事業者の利益合計
+社会的便益
+社会的効果)
②段階別の採算性評価
【小型家電回収】
収益
(回収費用+社会的費用)
○レアメタルリサイクルシステム全体としての
経済性を評価する。施策評価となるため、
社会的費用・便益も含め検討する。
○有害物質管理は社会的費用と想定
○鉱山からの調達とリサイクルとの調達コス
ト差が便益(それを誰が享受するかは別)
費用
(回収費用+社会的費用)
○システム全体の費用便益分析に金額
換算できない社会的効果も加味した評
価を実施する。
○社会的効果としては、リサイクルによ
るレアメタルの供給安定化や環境影響
等の改善効果等を想定
費用
採算性は?
費用
採算性は?
費用
【中間処理】
収益
費用
採算性は?
【金属回収】
収益
○関係主体別の収益・費用を分析することを
念頭に段階別の採算性を評価する。
○例えば、レアメタルの回収費用に中間処
理、小型家電回収費用の一部を含めた場
合の損益計算等も実施可能。
○損益からみた必要回収量の試算も可能
28
経済性評価にあたって把握すべき費用・便益等の一覧
 小型家電の回収から中間処理、金属回収までの各段階において把握する費用・便益等は以下のとおり。
費用
社会的費用
収益
社会的便益
○管理人件費
○維持・補修費
○収集運搬費
※回収方式毎に整
理
●有害物質管理
費用
※回収方式毎に
整理
○最終処分量の
減尐による最終処
分費用の削減
●最終処分量の
減尐による埋立処
分場の延命
○準備人件費
○設備費(新規・追
加)
○選別解体作業人件費
○保管ヤード費
○破砕費
○残渣・廃棄物処理費
●製錬施設への運搬費
●有害物質管理
費用
※回収方式毎に
整理
○有価物(ベース
メタル等)の売却
収入
●準備人件費
●設備費(新規・追
加)
●作業人件費
●製錬費
●残渣・廃棄物処理
費
●有害物質管理
費用
※回収方式毎に
整理
●有価物(レアメタ
ル・貴金属等)の
売却収入
'イニシャルコスト(
小
型
家
電
回
収
中
間
処
理
金
属
回
収
○準備人件費
○資材(ボックス
等)購入費
○資材運搬費
○周知費用
'ランニングコスト(
※回収方式毎に整理
費用把握が困難な場合は、製
錬における受入価格をもって
製錬段階の評価に替える
効果
●レアメタルリサイク
ルによる資源の安定
供給
●有害物質の適正処
理の推進による環境
影響・健康影響の改
善
など
注)○:昨年度データを収集した項目、●昨年度データを収集できなかった項目
29
リサイクルシステムの経済性評価のシナリオ
 技術的・採算的な観点から、レアメタルだけを回収対象とするのではなく、ベースメタルや貴金属の
回収と併せてレアメタルの回収を行うことを想定。
 システムの経済性評価については、 「リサイクル対象とする金属」 、 「レアメタルの回収にどれだけ重点
を置くか」によって、結果が大きく変わりうると想定される。
 評価シナリオの設定の考え方は以下に示すとおりである。精緻な経済性評価のためには、シナリオの
具体化、不足データの収集が不可欠となるため、リサイクルシステムWGにおいて関係主体へヒアリン
グを行う。
評価シナリオ
リサイクル対象とする金属
回収対象とする小型家電
副産物として
レアメタルを回収
①従来型レアメタル回収
シナリオ
ベースメタル・貴金属回収を主体とし
つつ、既存の製錬施設で回収可能
なレアメタルを回収
レアメタル
を狙って回収
+
副産物として
レアメタルを回収
②レアメタル重点回収
シナリオ
中間処理において徹底した事前選
別・濃縮を実施し、資源戦略上の重
要性等の観点から可能な限り多くの
レアメタルを回収
ベースメタル・貴金属の濃縮度があ
る程度高く、回収対象とするレアメタ
ルも一定程度含有した小型家電
→潜在的回収見込量、レアメタル含
有量、リサイクル対象とする鉱種によ
って、回収対象とする品目の範囲を
決定する
30
経済性評価にあたっての各段階における前提条件
①従来型レアメタル回収シナリオ
回収品目
小
型
家
電
回
収
中
間
処
理
回収対象地域
②レアメタル重点回収シナリオ
携帯電話、ゲーム機(小型以外)、 ゲーム機(小型)、ポータブルCD・MDプレーヤー、 ポータブルデジタルオー
ディオプレーヤー、デジタルカメラ、 カーナビ、ビデオカメラ、DVDプレーヤー
※比較的金属含有濃度が高く、昨年度排出ポテンシャルを推計した9品目を選定
日本全国を対象
回収率
潜在的回収可能台数の5%、10%、20%、30%
回収方法
ステーション回収(資源ごみ回収と同時実施)
中間処理
方法
分解により基板・ボディ等を抽出し、残りを破砕・選別
分解により基板・特定部品・ボディ等を抽出し、残りを
破砕・選別。基板から更にタンタルコンデンサを選別。
生成物
基板、ボディ等、鉄等、アルミ等、プラスチック等、その他
基板、タンタルコンデンサ、特定部品(偏心モーター、
マイクスピーカー、液晶パネル) 、ボディ等、鉄等、ア
ルミ等、プラスチック等、その他
使用データ
モデル事業における選別・濃縮試験データや製品の素材構成データ等を参考に設定
リサイクル施設・
方法
※()内は重量の
分配率
基板
→ 銅製錬、鉛・亜鉛製錬(100%)
基板
→ 銅製錬、鉛・亜鉛製錬(100%)
タンタルコンデンサ、特定部品
→ レアメタル専門メーカー(100%)
銅製錬、鉛・亜鉛製錬
→ Cu・Pb・Au・Ag:90%
→ Zn・Pd・Sb・Bi :60%
銅製錬、鉛・亜鉛製錬
→ Cu・Pb・Au・Ag:90%
→ Zn・ Pd・Sb・Bi :60%
レアメタル専門メーカー
→ W・Ta・Nd・Dy・In:60%
金
属 回収対象とする金
回 属と回収割合
収
※回収割合は昨年
度検討結果及び既
存文献等より事務
局にて設定
31
潜在的回収可能台数の再検討①
 昨年度までは、使用済小型家電の潜在的回収可能台数(昨年度は「排出ポテンシャル」の表現)を以下のと
おり設定していた。
 以下に示す統計の出荷販売数量を用いて平均使用年数に基づき小型家電が排出されると仮定する
ことで求めた台数。このため機械統計年報を用いた品目については、輸出台数を含まれており、輸
入分は含まれていない。
 この潜在的回収可能台数の考え方について、第1回リサイクルシステムWGにおける指摘事項等を踏まえ、
以下のとおり再検討を実施した。
 正確な国内出荷台数の実態数値(国内に存在する使用済小型家電の台数)を把握するために、以
下に示す業界団体の統計の国内販売量の数値を基準量として用いる。
 この基準量を用いて平均使用年数に基づき小型家電が排出されると仮定することで求めた量を潜在
的回収可能台数とする。
 退蔵分については、潜在的回収可能台数の内数とする。
<使用した統計>
前回WGにて使用したデータの出典
今回WGにて使用したデータの出典
携帯電話
①:携帯電話・PHS
③:携帯電話、公衆用PHS
ゲーム機'小型以外(
②:携帯型以外
②:携帯型以外
ゲーム機'小型(
②:携帯型
②:携帯型
ポータブルCD・MDプレーヤー
③:MDポータブル型、CDプレーヤ
③:MDポータブル型、CDプレーヤ
ポータブルデジタルオーディオプレーヤー
③:デジタルオーディオプレーヤ
③:デジタルオーディオプレーヤ
デジタルカメラ
①:デジタルカメラ
④:デジタルカメラ
カーナビ
①:カーナビゲーションシステム
③:カーナビ
ビデオカメラ
①:ビデオカメラ'放送用を除く(
③:ビデオ一体型カメラ
DVDプレーヤー
①:DVD-ビデオ
③:DVD
【出典】
①経済産業省:機械統計年報 出荷販
売数量
②(社)コンピュータエンターテインメン
ト協会:ゲーム白書
③(社)電子情報技術産業協会:民生
用電子機器国内出荷データ集
④一般社団法人カメラ映像機器工業
会:統計(総出荷(日本向け))
32
潜在的回収可能台数の再検討②
 国内生産、海外生産をパターン分けし、国内に投入される小型家電を特定。
 国内投入量=業界統計における国内出荷量と考え、国内投入量を推定。
 小型家電がn年後に排出される(例えば、平均使用年数が3年の製品については、2009年の潜在的回収可
能台数は2006年の国内投入量となる)と仮定し、潜在的回収可能台数を推定。
<国内生産>
日本
出荷分
海外
出荷分
日本
出荷分
国内
メーカー
生産
日本
出荷分
<国内投入>
海外
メーカー
生産
日本
出荷分
国内
メーカー
生産
日本
出荷分
国内
海外
メーカー メーカー
生産
生産
海外
日本
出荷分 出荷分
海外
出荷分
国内
メーカー
生産
海外
出荷分
海外
メーカー
生産
海外
出荷分
海外
メーカー
生産
海外
出荷分
<国内排出>
n年後に
排出される
と仮定
回収
可能
台数
回収率(=回収可能台
数/潜在的回収可能台
数)を設定して算出
退蔵
その他ルート
(中古利用、譲渡
その他)
潜在的回収可能台数
33
潜在的回収可能台数の再検討結果
 比較的金属含有濃度が高く、昨年度排出ポテンシャルを推計した以下の9製品を対象に2009年の潜在
的回収可能台数を推計。特定部品として、携帯電話の偏心モーター、マイクスピーカーを選定。
 中間処理過程に投入する各部位の金属含有量は下表の通り。
製品
携帯電話
部品
潜在的
回収
可能
台数
基板
製品台数
(千台)
49,397
製品重量
(kg・台)
5,822,410
部品重量
(kg・台)
1,472,031
51,373
製品台数
(千台)
14,819
製品重量
(kg・台)
1,746,723
部品重量
(kg・台)
回
収
量
偏心モーター
金
属
含
有
量
(kg)
Co
Pd
In
Sb
Nd
Dy
Ta
W
Bi
Al
Fe
Cu
Zn
Ag
Au
Pb
マイクスピーカー
723,666
ゲーム機
(小型以外)
ゲーム機
(小型)
ポータブル
CD・MD
プレーヤー
基板
基板
基板
ポータブル
デジタル
オーディオ
プレーヤー
基板
デジタル
カメラ
カーナビ
ビデオカメラ
DVD
プレーヤー
基板
基板
基板
基板
7,240
合計
3,057
4,776
1,404
6,376
8,443
2,223
1,676
84,592
3,218,411
1,604,585
263,950
1,198,678
2,991,314
1,032,200
2,377,128
1,450,363
403,572
35,247
51,858
350,685
709,137
253,244
2,635,360
8,136,536
917
1,433
421
1,913
2,533
667
503
2,172
25,378
965,523
481,375
79,185
359,603
897,394
309,660
713,138
2,384,029
7,936,631
7,946,762 26,455,437
441,609
15,412
217,100
435,109
121,072
10,574
15,557
105,205
212,741
75,973
790,608
2,440,961
238
166
29
335
1,180
25
1,237
1,033
182
6,642
15,587
145,728
2,878
3,649
643
5,671
22
0
0
0
307
0
0
7,814
0
18
4,516
1,174
2
83
0
0
543
2
30
54
5,427
326
7
1,520
50
9,118
132,431
26,052
12,158
347
37
630
43
14
14
1,415
218
7
281
38
167
18,711
38,317
79,551
4,523
386
118
6,009
29
9
5
310
36
2
73
41
7
3,647
6,417
19,953
874
635
31
3,034
1
2
1
13
2
1
54
1
8
504
478
2,554
160
41
7
115
2
2
3
7
0
2
17
3
3
215
1,517
4,608
86
53
15
6
17
20
14
189
35
6
856
73
20
2,872
6,647
26,086
984
733
83
1,697
64
27
21
136
85
21
298
43
43
12,998
21,625
32,826
2,808
406
25
1,649
13
63
9
144
62
5
656
44
25
2,370
5,931
14,612
1,054
673
42
2,028
99
28
42
1,118
133
33
754
141
102
43,574
33,883
151,977
16,512
1,629
116
11,757
1,071
334
167
3,722
7,485
427
4,233
10,750
607
100,669
267,350
505,122
42,039
8,637
1,116
32,596
※この潜在的回収可能台数は、2009年における潜在的回収可能台数であり、毎年、この台数が排出されることを示すものではない。
※回収量=潜在的回収可能台数×回収率(30%と仮定)→昨年度の回収ポテンシャル
34
経済性評価におけるシナリオ毎の中間処理フロー
 各シナリオのマテリアルフローを簡易に示すと以下の通り。どのシナリオでも小型家電回収までは同じ。
 ②では分解により特定部品の抽出を行うとともに、基板からタンタルコンデンサの抽出も行うシナリオとして
いる。
①従来型レアメタル回収シナリオ
②レアメタル重点回収シナリオ
小型家電
小型家電
(100)
(100)
基板、ボディ等以外
解体
基板、特定部品、ボディ等以外
解体
(57)
(49)
基板 (26)
破砕・選別
破砕・選別
磁着物
良導体
ボディ等
鉄等
(鉄)
(26) (18)
(5)
アルミ等
(2)
プラ等
(18)
非磁着・不導体
良導体
その他
(32)
細粒度
粗粒度
細粒度
タンタル
非実装基板 コンデンサ等
(25)
(0.6)
特定 ボディ等
鉄等
部品
(鉄)
(7)
(18)
(3)
アルミ等
(2)
プラ等
その他
(27)
(18)
将来的には湿
式比重選別等
により資源化
最終処分
非鉄製錬
Cu, Zn, Pb,
Au, Ag
Pd, Sb, Bi
破砕・選別
磁着物
非磁着・不導体
粗粒度
実装基板
偏心モーター、マイ
クスピーカー、液晶
パネル等
非鉄製錬
Cu, Zn, Pb,
Au, Ag
Pd, Sb, Bi
レアメタル専門
メーカー
W,Ta,Nd,Dy, In
重金属
最終処分
※ 実装基板とは、ガラス・エポキシ基板上に素子が実装したもの。非実装基板とは破砕等により素子を剥離して特定素子(タンタルコンデンサ等)
を選別したもの。なお、シナリオ②のフロー上は、タンタルコンデンサ等以外の素子は非実装基板に含めている。
※ ( )は重量の分配率を示す。分配率は、有識者ヒアリング等を基づきモデル化した中間処理フローと中間処理対象製品の素材構成比より推計
35
経済性評価(中間処理から金属回収の流れ)
 以下の図の通り配分され、売却あるいは最終処分がなされるものと想定。
小型家電
7,937トン
解体
7,937トン
回収見込量
=潜在的回収可能量
×回収率30%
中間処理
鉄等
270トン
基板以外
3,920トン
磁力選別
3,920トン
実装基板
2,028トン
アルミ等
147トン
渦電流選別
3,650トン
売 プラ等
却 2,112トン
篩選別
3,503トン
非実装基板
1,982トン
非鉄製錬
(採取率60/90%)
Taコンデンサ
46トン
Pd 178kg
Sb 1,978kg
Bi 299kg
Cu 385,442kg
Zn 16,113kg
Ag 6,605kg
Au 867kg
Pb 25,828kg
モーター
14トン
スピーカー
195トン
売
却
その他
1,391トン
最終処分
金属回収
売
却
レアメタル専門メーカー
(採取率60%)
液晶パネル
359トン
ボディ等(鉄)
1,420トン
売
却
売
却
Ta 5,481kg
W 4,161kg
Nd 4,692kg
Dy 586kg
In 13kg
売
却
36
経済性評価の評価項目
 リサイクルシステムの経済性評価は以下の表の項目について実施。経済効率性は費用便益分析、その他
便益で計上できない定量的・定性的効果を総合的に勘案して費用対効果分析を実施。
費用便益分析
定量的評価
定性的評価
資源の安定供給効果
○
○
最終処分場延命効果
○
経済効率性
○
有害物質環境影響改善効果
○
有害物質健康影響改善効果
○
地球環境改善効果
○
37
経済性評価結果(費用便益分析結果)
 費用便益分析結果については以下に示す通り。
 上表は卖年度の便益と費用を比較したもの、下表は初期投資(ステーション設置費用、広報費用)を考
慮し、計算期間20年、社会的割引率4%として分析したもの。
【費用便益分析結果(卖年度)】
シナリオ①
シナリオ②
回収率 5%
B/C=0.39
B/C=0.37
回収率 10%
B/C=0.83
B/C=0.79
回収率 20%
B/C=2.08
B/C=1.98
回収率 30%
B/C=5.10
B/C=4.84
【費用便益分析結果(初期投資込み、計算期間20年間)】
シナリオ①
シナリオ②
回収率 10%
B/C=0.44
B/C=0.42
回収率 30%
B/C=1.81
B/C=1.72
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経済性評価結果(定量的・定性的効果)
 便益として計上できない定量的又は定性的な効果については以下の通り。
資源の安定供給
効果
最終処分場延命
効果
定量的評価
定性的評価
使用済小型家電の潜在的回収可能量
に含まれるレアメタルは350トン(輸入
量に占める割合は0.2%)あり、このうち
の何割かが安定供給可能
・鉱山からの供給を代替する機能となり、国際的な需給の
逼迫や供給障害等が発生した場合、安定供給確保に対す
る補完的貢献となる。
・技術を有することが生産国の貿易政策や供給調整に対
する牽制となる。
・使用済小型家電からレアメタルを回収し一定量を安定的
に確保することで、価格安定に寄与することが期待される。
以下の最終処分場延命効果あり
・679m3/年 (回収率10%)
・2,037m3/年(回収率30%)
有害物質環境
影響改善効果
使用済小型家電中の有害物質の適正処理の一層の推進
による環境影響の改善効果(大気・水域・土壌等を通じた
生態系への有害物質の曝露量の減尐等)が期待される。
有害物質健康
影響改善効果
使用済小型家電中の有害物質の適正処理の一層の推進
による健康影響の改善効果(作業環境における人体への
有害物質の曝露量の減尐等)が期待される。
地球環境改善
効果
使用済小型家電のリサイクルにより天然資源使用量を削
減することで、TMR(物質総需要量)の削減や温室効果ガ
ス排出量の削減等の効果が期待される。
TMR(Total Material Requirement、物質総需要量):一国の経済活動に投入する資源を得るために、国内外の環境から取り出される物質量ないし環境に加えら
れる改変の大きさを表す量。具体的には、国内から採掘される資源量+輸入される物質量+国内外の隠れたフロー量(例えば金属資源を採掘する際に、実際に
使う資源と一緒に掘削される表土・岩石等の量)より算出。
39
経済性評価結果(段階別の採算性)
 小型家電回収段階は損失、中間処理段階及び金属回収段階では利益。
 中間処理に関しては、シナリオ①の方が効率的。ただし、場合によっては金属回収で同様の結果の可
能性あり。
<試算結果:小型家電の潜在的回収可能台数の30%を回収した場合>
卖位:百万円
●卖年度の採算性
小型家電回収 シミュレーションモデルを活用して回収費用を試算
費用
528
収益
313
収益-費用 収益/便益
-214
0.59
(ステーション回収、ボックス回収を併用)
中間処理
①従来型レアメタル回収
②レアメタル重点回収
3,093
3,738
3,903
4,065
810
327
1.26
1.09
金属回収
①従来型レアメタル回収
②レアメタル重点回収
3,732
4,755
3,949
5,032
217
277
1.06
1.06
40
中間とりまとめ(案)
出典:リサイクルシステムワーキンググループ第3回資料
リサイクルシステム構築に向けた論点整理と留意点
(1)リサイクルシステム構築に向けた論点整理
①リサイクルシステムの必要性
②リサイクルシステムが持つべき性格
③対象品目・対象鉱種の設定
④技術的課題
(2)リサイクルシステム構築に向けた留意点
①希少性、代替性、偏在性、輸入依存率、市場規模、価格安定性
等を踏まえた鉱種別のリサイクルの必要性。
②小型家電以外の製品のレアメタル使用量やレアメタル回収量、
既存スキームにおけるレアメタル回収可能性等を見極めた上で
の小型家電以外も含めたレアメタルリサイクルの検討の必要性。
41
中間とりまとめ(案)
①リサイクルシステムの必要性
・リサイクルシステムの構築については、一定の回収率確保を条件に、経済効率
性の面から見て望ましく、環境配慮や資源戦略の観点なども含めた費用対効果を
踏まえると、リサイクルシステム構築の意義は十分にあると考えられる。
・仮にリサイクルを市場原理に委ねた場合には、段階別の採算性では小型家電回
収段階で損失が出ること、また、収益性の高い金属に加えてレアメタルを重点的
に回収することにより中間処理段階又は金属回収段階(あるいは両方)の利益率
が低下することを踏まえると、小型家電の回収がなされないことや、ベースメタ
ル等に併せて副次的に回収されるレアメタル以外については回収がなされないこ
とが想定されるため、こうした問題を解決するリサイクルシステムが必要となる
。
・使用済小型家電が資源として海外に流出している実態や、リサイクルのために
は一定のロットが必要であることに鑑みて、国内における適正かつ効率的な静脈
物流ネットワークを含んだリサイクルシステムが必要となる。
42
中間とりまとめ(案)
②リサイクルシステムが持つべき性格
・使用済小型家電の回収については、システムとしての成立を政策的に担保する
必要性、システムとしての経済的自立性などを踏まえつつ、回収主体や費用負担
に係る法整備の是非を含め、回収率を確保するための回収スキームが論点となる
とともに、回収率を高めるための普及啓発についても検討が必要となる。
・使用済小型家電を廃棄物として回収する場合、回収及び処理を広域的に行うこ
とは効率的な回収に繋がることから、廃棄物処理法上の取扱いについて整理が必
要である。
・事業者による自主的な取組みが行われている携帯電話の回収等、既存の回収ス
キームとの整合について整理が必要となる。
・段階別の採算性で損失が出ることや、レアメタルを重点的に回収することで利
益率が下がる段階があることを踏まえると、できる限り全段階でプラスになるよ
うな効率性とレアメタルを重点的に回収するインセンティブを有したシステムの
構築が必要になる。そのため、広範な関係者の主体的取り組みを基盤とした緊密
な連携と適切な役割分担(各段階で生じる費用をどのような形でまかなうべきか
等)についての議論が必要である。また、必要に応じ、関係主体への適正な支援
方策の検討も必要となる。
43
中間とりまとめ(案)
③対象品目・対象鉱種の設定
・使用済小型家電の回収対象品目については、小型家電とレアメタルの効率的な
回収のため、レアメタルワーキンググループの成果等を活用しつつ、レアメタル
の含有状況等を踏まえて整理する必要がある。なお、製造技術の変化に伴い金属
の使用状況は変化することから、柔軟な対応が必要となる。
・対象鉱種については、レアメタルワーキンググループの成果等を活用しつつ、
産業におけるニーズ、希少性、代替性、遍在性、輸入依存率、市場規模、価格安
定性、回収技術等を踏まえた上で、回収対象とする金属についてある程度想定す
る必要がある。
④技術的課題
・レアメタルの回収には、選別技術等の中間処理技術が大きな鍵となるため、一
定の中間処理技術の確保と更なる効率化に向けた取り組みがなされる必要がある
。
・特定の鉱種(特に、ネオジム・ジスプロシウム等)についてはレアメタルの抽
出技術が確立されていないため、抽出技術の開発・向上が必要である。
・環境管理ワーキンググループの成果等を活用しつつ、有害物質を含有している
小型家電の環境管理の必要性と管理方法や管理費用についての議論が必要である
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