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生理化学講座 卒業演習報告書(2009 年度) 学籍番号 PC2004

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生理化学講座 卒業演習報告書(2009 年度) 学籍番号 PC2004
生理化学講座
卒業演習報告書(2009 年度)
学籍番号
PC2004-074
所属講座
生理化学講座
演習テーマ
にきび(アクネ桿菌)についての考察
氏
名
黒澤
匡
私がアクネ桿菌を調べようと思ったきっかけは薬局実習に行ったときにニキビに悩んで薬
局に来る人が多かったからです。その時、薬剤師がビタミン剤等を患者さんに薦めているのを
見て、ニキビなら患者さんの症状を抑えることができるのではと思い詳しく調べてみようと思
いました。
ニキビは、皮脂を分泌する毛穴が詰まるところから始まります。詰まった毛穴の中に乾いた
皮脂や角質がたまり、この状態が黒ニキビまたは白ニキビと呼ばれるものです。黒ニキビ、白
ニキビの状態から赤いニキビを作り出すのは、ブドウ球菌と同様に皮膚に非常に多く存在する
皮膚常在菌のアクネ桿菌です。
赤ニキビが最も酷い状態であるため、白ニキビや黒ニキビを赤ニキビに悪化させないことや
赤ニキビになってしまった場合、症状を改善して目立たなくすることが治療の目的であると考
えられます。しかし、アクネ桿菌のすべてがニキビの問題になるわけではありません。アクネ
桿菌は他の細菌に対して殺菌力のある脂肪酸を作り、私達の皮膚につく病原性の強い細菌の増
殖を抑える役割を担っています。
アクネ桿菌は、嫌気性の細菌のため酸素のない脂腺の奥に生息し、また、皮脂を好むため、
詰まった毛穴の中で皮脂を栄養として過剰に増殖し、脂肪分解酵素のリパーゼを分泌し、皮脂
を遊離脂肪酸にしてコメドとなります。また紫外線や空気中の酸素が皮脂を過酸化脂質に変化
させます。このように皮脂が遊離脂肪酸へ変化し酸化され過酸化脂質へと酸化された結果、炎
症が起きて赤くなったり、膿がたまって黄色い部分ができるという症状が出ます。
ニキビ治療は、ニキビができた部位を、日に 1~2 回低刺激性のせっけんで洗うのが最も望
ましいです。皮膚科で処方されるニキビ治療には外用の局所抗菌剤として、クリンダマイシン、
ナジフロキサシンなどが使われています。また抗生物質内服薬としては、ミノサイクリン、ロ
キシスロマイシンなどが使用されますが、長期服用が必要で重い副作用を引き起こす場合があ
るため使用には細心の注意が必要です。
私は皮膚の保湿としてヒルロイドソフトや皮膚の炎症抑制としてステロイド剤を使ってい
るため毛穴に脂がたまりやすくニキビが出来やすいです。なので、その都度これらの薬を使っ
て症状を抑えてきました。しかし、それは私の場合であって全ての人がこの方法で直るとは限
りません。ニキビは人によって症状やできる経緯が違うと再認識しました。ですから今回調査
して初めて触れた知識とともに、社会に出て人と接することでもっとニキビについて勉強して
いきたいと思います。
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