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肉用牛(牛肉)をめぐる情勢
資料6 肉用牛(牛肉)をめぐる情勢 (3)新たな需要の開拓・・・23 ・低需要部位の利用促進・・・23 (業務用・加工需要の獲得) ・国産牛肉の輸出促進・・・24 1 肉用牛(牛肉)生産の推移・・・1 (1)肉用牛の生産構造・・・1 (2)畜種別飼養戸数・頭数の推移・・・2 (3)牛肉の需給動向・・・14 (参考)牛肉の貿易動向・・・15 3 経営安定対策・・・25 2 国産牛肉の消費・需要の動向と課題・・・16 (1)消費者ニーズの多様化への対応・・・16 ・消費者ニーズの現状・・・16 ・消費者ニーズの多様化に対応した生産・・・17 (参考)牛肉の格付けの仕組み、格付け状況 の推移・・・18 ・牛肉の「美味しさ」に影響を及ぼす要素・・・19 ・牛個体識別システムを活用した生産履歴情報 及び飼養管理等情報の提供・・・20 ・産地銘柄化の状況・・・21 (2)消費拡大の取組・・・22 (1)肉用牛経営における収益性・・・25 (2)肉用子牛生産者補給金制度の概要・・・26 (3)肉用牛肥育経営安定対策・・・28 4 生産段階におけるコスト縮減や省力化の推進・・・29 (1)肥育経営、繁殖経営、育成経営の生産コストの 推移・・・29 (2)繁殖経営における生産性の現状・・・33 (3)肥育経営における生産コストの現状・・・34 5 処理・流通・加工の状況・・・35 (1)家畜市場の再編・整備・・・35 (2)食肉処理施設の再編・整備・・・36 (3)部分肉加工割合・・・37 平成21年5月 注:吹き出しは本資料のページを示す 1 肉用牛(牛肉)生産の推移 (1) 肉用牛の生産構造(平成20年度) 和牛生産 繁殖農家 子取り用めす牛頭数 (H15→20) 628 →667千頭 P14 牛肉供給量 約833千㌧ (部分肉ベース) 和牛経産牛 P5 肥育農家 肥育もと牛 P2 P7 繁殖・肥育一貫農家 育成・肥育一貫農家 肥育牛 約770千頭 と畜頭数 約473千頭 受精卵移植産子 酪農家 ヌレ子 交雑種( F 1)生産 ( 和牛♂×乳用種♀) P11 P12 育成農家 と畜頭数 約284千頭 P13 肥育もと牛 乳用種生産 P8 国産 約363千㌧ 肥育農家 F1 約636千頭 育成・肥育一貫農家 2歳以上頭数 (H15→20) 1,180 →1,075千頭 和牛 約144千㌧ (17%) F1・乳用種 約211千㌧ (25%) (43%) その他 約8千㌧ (1%) P9 乳用種経産牛 ヌレ子 育成農家 肥育農家 肥育もと牛 乳用種 約432千頭 育成・肥育一貫農家 と畜頭数 約445千頭 P10 肥育もと牛 生体輸入 輸入牛肉 肥育もと牛輸入 海外繁殖農家 肥育農家 輸入 約470千㌧ (57%) と畜頭数 約25千頭 冷蔵・冷凍 約470千㌧ (部分肉ベース) ※その他には、子牛を含む 資料:農林水産省「畜産統計」、「食肉流通統計」、財務省「日本貿易統計」、(独)家畜改良センター「牛個体識別全国データベースの集計」 1 (2) 畜種別飼養戸数・頭数の推移 ①子取り用めす牛 ア 子取り用めす牛の飼養戸数・頭数(平成15年と平成20年の比較) ・子取り用めす牛の飼養戸数は約15千戸減少(84,500→69,700戸)。頭数は約24千頭増加(642,900→667,300頭)。 ・規模拡大が進展しているものの、1戸当たりの飼養頭数は9.6頭と依然として零細規模。 子 取 り 用 めす 牛 飼 養 戸 数 ・頭 数 84.5 24,400頭増加 667.3 80.0 80 76.2 642.9 628.0 623.2 69.7 70 14,800戸減少 65 H16 H17 H18 H19 8 7.9 7.6 1戸 当 た り頭 数 7 H15 H16 H17 H19 H20 縄 沖 州 九 国 ・四 畿 中 国 近 海 東 関 東 陸 北 北 東 縄 沖 州 九 国 ・四 畿 中 資料:農林水産省「畜産統計」 H18 子 取 り 用 めす 牛 飼 養 頭 数 (地 域 別 ) (千 頭 ) 334 350 314 関東 H 15 九州 300 H 20 +23% +6% 250 200 119 118 150 64 100 63 35 47 49 37 35 12 28 50 19 18 11 3 3 0 国 近 海 東 東 関 陸 北 北 東 道 8.5 8.2 資料:農林水産省「畜産統計」 H 15 子 取 り 用 めす 牛 飼 養 戸 数 (地 域 別 ) (千 戸 ) H 20 45 40.3 東北 九州 40 33.6 △21% △17% 35 30 24.9 中国・四国 25 19.8 20 △24% 15 6.54.9 10 2.5 2.4 3.4 2.9 0.8 2.6 3.3 3.1 5 2.0 0.30.3 0.8 0 海 8.9 9 H20 資料:農林水産省「畜産統計」 北 9.6 道 H15 (頭 ) 10 海 75 頭数 戸数 73.4 635.9 71.1 621.5 (千 頭 ) 680 670 660 650 640 630 620 610 600 北 (千 戸 ) 85 1戸 当 たり の 子 取 り 用 めす 牛 飼 養 頭 数 資料:農林水産省「畜産統計」 2 イ 子取り用雌牛の飼養頭数の目標と実頭数の推移 (千頭) 800 H4年度 744,700頭 S57年度 742,800頭 H27年度目標 733千頭 750 H19年度 (H20.2.1現在) 667,300頭 700 650 H19年度目標 648千頭 H9年度 649,100頭 H19年度における 実数と目標の差 H15年度 628,000頭 600 H17年度 621,500頭 550 55 56 57 58 59 60 61 62 63 1 2 3 4 5 6 7 8 9 約2万頭 (増頭運動の予想以上の成果!) 年度 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 資料:農林水産省「畜産統計」 3 ウ 子取り用めす牛飼養頭数規模別の飼養戸数・頭数(平成15年と平成20年の比較) ・子取り用めす牛10頭未満の飼養戸数は15千戸減少(68,300→53,300戸)したが、飼養戸数は全体の8割弱を占め る。 50頭 以 上 20~ 49頭 10~ 19頭 10頭 未 満 子 取 り用 めす牛 規 模 別 飼 養 戸 数 (千 戸 ) 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 84.5 1.2 5.1 9.9 76.2 1.2 1.1 4.7 8.8 68.3 H15 80.0 4.4 8.7 65.2 62.0 H16 H17 73.4 71.1 1.2 1.4 4.7 8.7 58.9 H18 5.0 8.5 56.3 H19 69.7 1.6 5.5 9.3 53.3 H20 資料:農林水産省「畜産統計」 (千 頭 ) 1,650 1,450 1,250 1,050 850 650 450 250 50 1,262 1,242 1,266 322 424 280 275 296 299 282 283 287 298 338 246 229 236 237 238 245 438 451 450 445 464 416 H15 H16 H17 H18 H19 H20 10頭 未 満 10~ 19頭 20~ 49頭 50頭 以 上 50頭以上が2% 76.5% 資料:農林水産省「畜産統計」 1,321 1,243 1,422 注:総飼養頭数とは子取り用めす牛以外も含む 子 取 り 用 めす 牛 規 模 別 総 飼 養 頭 数 の シ ェア (H20) 10頭未満が8割弱 7.9% 13.4% 50頭 以 上 20~ 49頭 10~ 19頭 10頭 未 満 280 資料:農林水産省「畜産統計」 子 取 り 用 めす 牛 規 模 別 飼 養 戸 数 の 階 層 ご との シ ェア (H20) 2.3% 子 取 り 用 めす 牛 規 模 別 総 飼 養 頭 数 10頭 未 満 10~ 19頭 20~ 49頭 50頭 以 上 10頭未満が3割 29.8% 23.8% 29.2% 50頭以上が3割 17.2% 資料:農林水産省「畜産統計」 注:総飼養頭数とは子取り用めす牛以外も含む 4 ②肉専用種肥育牛 ア 肉専用種肥育牛の飼養戸数・頭数(平成15年と平成20年の比較) ・肉専用種肥育牛の飼養戸数は2,500戸減少(14,400→11,900戸)。頭数は約40千頭増加(729,800→770,100頭)。 ・規模拡大は着実に進展し、 1戸当たりの飼養頭数は64.7頭。 肉 専 用 種 肥 育 牛 の 飼 養 戸 数 ・頭 数 H17 資料:農林水産省「畜産統計」 H18 H19 H20 資料:農林水産省「畜産統計」 肉 専 用 種 肥 育 牛 飼 養 頭 数 (地 域 別 ) 北海道 +54% 近畿 +8% H15 H20 122 122 99 93 中 資料:農林水産省「畜産統計」 縄 6 沖 州 九 国 ・四 6 国 6 7 畿 61 58 46 47 37 40 44 近 28 355 325 九州 +9% 海 (千 頭 ) 350 300 250 200 150 100 50 0 縄 沖 州 九 国 ・四 畿 H15 中 国 近 海 東 東 関 陸 北 北 東 北 海 道 肉 専 用 種 肥 育 牛 飼 養 戸 数 (地 域 別 ) (戸 ) 5,000 中国・四国 4,190 4,500 4,140 3,490 東北 △28% 4,000 3,360 △20% 3,500 3,000 H15 2,190 2,500 1,560 H20 1,910 2,000 1,120 1,500 640 560 650 225 270 1,000 614 428 498 252 230 500 0 H16 50 東 九州 △16% 52.7 50.7 東 資料:農林水産省「畜産統計」 54.7 53.3 関 H16 55 陸 H15 59.4 60 北 719.2 64.7 65 北 729.8 8 6 4 2 0 1戸 当 たり 頭 数 東 13.5 (頭 ) 70 海 14.4 道 (千 頭 ) 780 770.1 13.6 13.1 770 12.4 11.9 760 頭数 750 737.1 740 戸数 730 716.4 716.2 720 710 700 2,500戸減少 690 680 H17 H18 H19 H20 40,300頭増加 北 (千 戸 ) 16 14 12 10 1戸 当 たり の 肉 専 用 種 肥 育 牛 飼 養 頭 数 5 イ 肉専用種肥育牛飼養規模別の飼養戸数・頭数(平成15年と平成20年の比較) ・肉専用種肥育牛200頭以上の飼養戸数は133戸増加(780→913戸)。 ・肉専用種肥育牛50頭未満の飼養戸数は全体の約7割を占める。 (千 戸 ) 16 14 12 10 8 6 4 2 0 肉専用種肥育牛規模別飼養戸数 14.4 0 .8 1 .3 1 .5 13.5 13.6 13.1 0 .8 1 .1 1 .7 0 .8 0 .8 1 .1 1 .5 1 .1 1 .6 12.4 200頭 以 上 100~ 199頭 50~ 99頭 1~ 49頭 (千 頭 ) 1,500 11.9 1,300 0 .8 0 .9 1 .1 1 .5 1,100 1 .1 1 .5 900 700 1 0 .9 9 .9 1 0 .2 9 .7 9 .0 8 .3 500 300 200頭 以 上 100~ 199頭 50~ 99頭 1~ 49頭 肉専用種肥育牛規模別総飼養頭数 1,200 1,212 419.1 432.3 228.5 217.7 175.9 170.7 376.5 390.9 H15 H16 1,259 438.3 208.5 161.2 1,297 1,201 500.4 479.9 199.3 190.2 150.8 149.8 1,237 535.6 180.8 161.0 450.8 381.3 446.1 359.9 H17 H18 H19 H20 100 H15 H16 H17 H18 H19 H20 資料:農林水産省「畜産統計」 資料:農林水産省「畜産統計」 肉専用種肥育牛規模別 飼 養 戸 数 の 階 層 ご と の シ ェア (H20) 1~ 49頭 50~ 99頭 100~ 199頭 200頭 以 上 注:総飼養頭数とは肥育牛以外も含む 肉専用種肥育牛規模別 総 飼 養 頭 数 の シ ェア (H20) 50頭未満が7割 7.7% 9.3% 200頭以上が1割弱 12.9% 1~ 49頭 50~ 99頭 100~ 199頭 200頭 以 上 50頭未満が3割 29.1% 43.3% 70.1% 200頭以上が4割 13.0% 14.6% 資料:農林水産省「畜産統計」 資料:農林水産省「畜産統計」 注:総飼養頭数とは肥育牛以外も含む 6 ③肉専用種一貫経営(経営タイプ別)における子取り用めす牛規模別の飼養戸数・頭数(平成15年と平成20年の比較) ・肉専用種一貫経営の飼養戸数は320戸減少(2,560→2,240戸)。総飼養頭数は約42千頭増加(200,500→242,800頭)。 ・総飼養頭数は、子取り用めす牛100頭以上が68%増の約77千頭。 経 営 タイプ別 (子 取 り 用 めす 牛 規 模 別 ) 肉用種一貫経営戸数 (戸 ) 2,600 2,400 2,560 75 2,390 250 61 173 2,200 2,000 1,800 100頭 以 上 50~ 99頭 1~ 49頭 2,230 2,260 2,110 2,130 56 169 86 225 2,240 129 130 224 196 2,152 1,882 1,600 1,816 1,906 H 18 H 19 1,913 1,400 H 15 H 16 H 17 H 20 資料:農林水産省「畜産統計」 (頭 ) 120 115 110 105 100 95 90 85 80 75 70 経 営 タイプ別 (子 取 り 用 めす 牛 規 模 別 ) 肉専用種一貫経営総飼養頭数 (千 頭 ) 250 230 210 190 170 150 130 110 90 70 50 100頭 以 上 50~ 99頭 1~ 49頭 242.8 219.9 200.5 198.6 181.3 45.8 76.7 180.0 51.5 73.3 40.3 34.5 51.9 31.1 34.0 45.0 50.0 102.8 110.0 111.6 102.0 96.6 111.5 H 15 H 16 H 17 H 18 H 19 H 20 資料:農林水産省「畜産統計」 54.7 注:総飼養頭数とは子取り用めす牛以外も含む 肉専用種一貫経営における 1戸 当 たり の 総 飼 養 頭 数 108.4 1戸 当 た り頭 数 93.2 97.3 85.3 78.3 H15 75.9 H16 資料:農林水産省「畜産統計」 H17 H18 H19 H20 7 ④乳用種経営タイプ別飼養戸数・乳用種飼養頭数 ア 乳用種育成経営 ・乳用種育成経営は、飼養戸数・頭数ともに減少傾向。1戸当たり飼養頭数も減少傾向。 ・乳用種育成経営における飼養戸数の階層ごとのシェアのうち、50頭未満が約6割。 ・乳用種育成経営における乳用種飼養頭数は200頭以上規模が約9割。 乳 用 種 育 成 経 営 の 飼 養 戸 数 ・頭 数 (戸 ) 600 510 500 (千 頭 ) 120 頭数 戸数 1戸 当 た り頭 数 416 363 400 100 390 80 322 318 300 200 60 221.0 254.6 224.0 254.7 230.0 40 205.0 100 0 20 112.7 105.9 81.3 81.0 89.7 66.0 H15 H16 H17 H18 H19 H20 資料:農林水産省「畜産統計」 0 注:飼養頭数は、育成以外の乳用種を含む 乳用種育成経営規模別 飼 養 戸 数 の 階 層 ご との シ ェア (H20) 1~ 49頭 50~ 99頭 100~ 199頭 200頭 以 上 乳用種育成経営規模別 乳 用 種 飼 養 頭 数 の シ ェア (H20) 1~ 49頭 50~ 99頭 100~ 199頭 200頭 以 上 2.6% 1.7%6.5% 25.2% 8.4% 58.4% 8.1% 89.3% 資料:農林水産省「畜産統計」 資料:農林水産省「畜産統計」 注:飼養頭数は、育成以外の乳用種を含む 8 ④乳用種経営タイプ別飼養戸数・乳用種飼養頭数 イ 乳用種肥育経営 ・乳用種肥育経営は、飼養戸数・頭数ともに減少傾向。1戸当たり飼養頭数は増加傾向。 ・乳用種肥育経営における飼養戸数の階層ごとのシェアのうち、50頭未満が約5割。 ・乳用種肥育経営における乳用種飼養頭数は、200頭以上規模が8割弱。 乳 用 種 肥 育 経 営 の 飼 養 戸 数 ・頭 数 (戸 ) 2,000 1,830 1,660 1,660 1,380 1,500 1,000 500 頭数 戸数 1戸 当 た り頭 数 255.7 154.0 248.9 262.4 136.0 158.1 (千 頭 ) 300 250 1,260 200 1,130 150 246.5 233.1 210.7 100 178.6 185.0 186.5 50 0 0 H15 H16 資料:農林水産省「畜産統計」 H17 H18 H19 H20 注:飼養頭数は、肥育以外の乳用種を含む 乳用種肥育経営規模別 飼 養 戸 数 の 階 層 ご と の シ ェア (H20) 1~ 49頭 50~ 99頭 100~ 199頭 200頭 以 上 乳用種肥育経営規模別 乳 用 種 飼 養 頭 数 の シ ェア (H20) 1~ 49頭 50~ 99頭 100~ 199頭 200頭 以 上 5.4% 20.5% 3.3% 13.9% 48.4% 17.4% 13.7% 資料:農林水産省「畜産統計」 77.4% 資料:農林水産省「畜産統計」 注:飼養頭数は、肥育以外の乳用種を含む 9 ④乳用種経営タイプ別飼養戸数・乳用種飼養頭数 ウ 乳用種一貫経営 ・乳用種一貫経営は、飼養戸数・頭数ともに直近ではやや増加傾向。 ・乳用種一貫経営における飼養戸数の階層ごとのシェアのうち、50頭未満が約6割。 ・乳用種一貫経営における乳用種飼養頭数は、200頭以上規模が9割弱。 乳 用 種 一 貫 経 営 の 飼 養 戸 数 ・頭 数 (戸 ) 800 700 6 71 600 500 頭数 戸数 1戸 当 た り 頭 数 (千 頭 ) 160 140 4 47 120 100 403 400 300 200 260 209.2 100 0 5 4.4 65.3 150 .4 H15 H16 H17 22 4.1 217.0 80 60 40 51 .4 72.6 9 7.0 20 0 H18 H19 H20 324 313 2 08.6 224 .1 1 27.5 資料:農林水産省「畜産統計」 乳用種一貫経営規模別 飼 養 戸 数 の 階 層 ご と の シ ェア ( H 20) 1~ 49頭 50~ 99頭 100~ 199頭 200頭 以 上 乳用種一貫経営規模別 乳 用 種 飼 養 頭 数 の シ ェア (H20) 1~ 49頭 50~ 99頭 100~ 199頭 200頭 以 上 2.4% 4.4% 7.4% 24.6% 10.1% 6.9% 資料:農林水産省「畜産統計」 58.4% 85.8% 資料:農林水産省「畜産統計」 10 ⑤交雑種経営タイプ別飼養戸数・交雑種飼養頭数 ア 交雑種育成経営 ・交雑種育成経営は、飼養戸数は減少、頭数は増加傾向。1戸当たり飼養頭数は増加傾向。 ・交雑種育成経営における飼養戸数の階層ごとのシェアのうち、50頭未満が6割弱。 ・交雑種育成経営における交雑種飼養頭数は、200頭以上規模が約8割。 交 雑 種 育 成 経 営 の 飼 養 戸 数 ・頭 数 (戸 ) 600 550 頭数 戸数 1戸 当 た り頭 数 513 500 400 67.6 65.5 374 403 447 66.7 76.8 380 53.6 300 44.0 200 202.1 100 119.1 131.8 143.3 H15 H16 H17 109.2 149.2 0 資料:農林水産省「畜産統計」 H18 H19 (千 頭 ) 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 H20 注:飼養頭数は、育成以外の交雑種を含む 交雑種育成経営規模別 飼 養 戸 数 の 階 層 ご と の シ ェア (H20) 1~ 49頭 50~ 99頭 100~ 199頭 200頭 以 上 交雑種育成経営規模別 交 雑 種 飼 養 頭 数 の シ ェア (H20) 1~ 49頭 50~ 99頭 100~ 199頭 200頭 以 上 2.1% 3.8% 21.6% 15.8% 6.1% 資料:農林水産省「畜産統計」 11.8% 56.6% 82.3% 資料:農林水産省「畜産統計」 注:飼養頭数は、育成以外の交雑種を含む 11 ⑤交雑種経営タイプ別飼養戸数・交雑種飼養頭数 イ 交雑種肥育経営 ・交雑種肥育経営は、飼養戸数・頭数ともに減少傾向。1戸当たり飼養頭数は横ばい。 ・交雑種肥育経営における飼養戸数の階層ごとのシェアのうち、50頭未満が約5割。 ・交雑種肥育経営における交雑種飼養頭数は、200頭以上規模が約7割。 交 雑 種 肥 育 経 営 の 飼 養 戸 数 ・頭 数 (戸 ) 4,000 370.4 352.6 342.2 3,500 319.0 328.8 3,000 3,420 2,500 2,850 2,500 2,000 1,000 500 108.3 123.7 127.6 350 296.3 300 250 2,610 頭数 戸数 1戸 当 た り頭 数 1,500 (千 頭 ) 400 126.0 2,210 200 2,030 150 100 154.8 146.0 50 0 0 H15 H16 資料:農林水産省「畜産統計」 H17 H18 H19 H20 注:飼養頭数は、肥育以外の交雑種を含む 交雑種肥育経営規模別 飼 養 戸 数 の 階 層 ご と の シ ェア (H20) 1~ 49頭 50~ 99頭 100~ 199頭 200頭 以 上 交雑種肥育経営規模別 交 雑 種 飼 養 頭 数 の シ ェア (H20) 1~ 49頭 50~ 99頭 100~ 199頭 200頭 以 上 7.2% 6.0% 19.9% 17.2% 49.2% 16.4% 69.6% 14.4% 資料:農林水産省「畜産統計」 資料:農林水産省「畜産統計」 注:飼養頭数は、肥育以外の交雑種を含む 12 ⑤交雑種経営タイプ別飼養戸数・交雑種飼養頭数 ウ 交雑種一貫経営 ・交雑種一貫経営は、飼養戸数・頭数ともにやや増加傾向。 ・交雑種一貫経営における飼養戸数の階層ごとのシェアのうち、50頭未満が5割。 ・交雑種一貫経営における交雑種飼養頭数は、200頭以上規模が約7割。 交 雑 種 一 貫 経 営 の 飼 養 戸 数 ・頭 数 (戸 ) 700 600 500 頭数 戸数 1戸 当 た り 頭 数 557 544 528 78.8 75.6 125.9 144.9 143.2 153.9 H15 H16 H17 H18 490 537 400 300 200 100 61.7 (千 頭 ) 100 90 80 70 60 50 88.6 40 30 20 140.2 10 0 H20 632 85.7 65.7 122.3 0 H19 資料:農林水産省「畜産統計」 交雑種一貫経営規模別 飼 養 戸 数 の 階 層 ご との シ ェア (H20) 1~ 49頭 50~ 99頭 100~ 199頭 200頭 以 上 交雑種一貫経営規模別 交 雑 種 飼 養 頭 数 の シ ェア (H20) 1~ 49頭 50~ 99頭 100~ 199頭 200頭 以 上 6.3% 6.2% 22.9% 15.9% 50.0% 14.9% 12.2% 資料:農林水産省「畜産統計」 71.6% 資料:農林水産省「畜産統計」 13 (3)牛肉の需給動向 ○ 牛肉の消費量(推定出回り量)は、我が国や米国でのBSEの発生後、大幅に低下して推移し、特に輸入量が減 少。 ○ 国内生産量は35万トン前後で推移しており、19年度以降は、出荷頭数及び枝肉重量の増加等から増加傾向。 ○ この結果、牛肉の自給率(重量ベース)は、40%をやや上回る水準で推移。 牛肉需給(部分肉ベース)の推移 品種別牛肉生産量(部分肉ベース)の推移 (千トン) 1088 1200 1100 1000 900 800 700 1200 1000 913 400 200 0 推定出回り量 903 809 738 937 898 608 534 39 873 520 39 34 26 36 25 25 23 9 10 10 10 806 802 826 806 450 44 806 458 43 814 467 43 822 463 832 470 43 400 100 90 70 25 25 25 25 12 12 11 11 89 93 129 122 124 118 134 134 138 144 17 18 19 20 346 91 86 85 79 107 125 129 132 164 145 143 133 133 12 13 14 15 73 128 150 30 20 10 329 364 353 356 348 346 359 363 12 13 14 15 16 17 18 19 20 0 -10 資料 : 農林水産省 「畜産物流通統計」 「食料需給表」 、 財務省 「日本貿易統計」、 (独)農畜産業振興機構 「食肉の保管状況調査」 注1 : 推定出回り量 = 生産量 + 輸入量 + 前年度在庫量 - 当年度在庫量 84 348 69 (%) 200 50 363 356 329 300 250 359 353 350 60 364 365 80 40 365 年度 (千トン) 826 輸入量 生産量 牛肉の自給率(重量ベース) 飼料自給率 牛肉の自給率(カロリーベース) 1103 800 600 933 その他 交雑種 乳用種 和牛 100 50 0 16 年度 資料:農林水産省統計部 「食肉流通統計」 注2 : 自給率は重量ベースで表示。 14 (参考) ○牛肉の貿易動向 ○ 牛肉の輸入量は、米国でのBSEの発生や最近の景気の影響もあり、近年は約45万トン前後で推移。 ○ 国別の輸入状況については、18年度の米国産牛肉の輸入再開後、徐々に米国産牛肉の輸入量が増えてきて いるものの、約8割を豪州産が占めている。 ○ 牛肉の輸出量は、18年度以降、米国への輸出再開等により年々増加しており、20年度は551トン(対前年比+ 60%)となっている。 牛肉の国別輸出量の推移 牛肉の国別輸入量の推移 (千トン) 800 738 700 600 500 400 300 200 100 0 608 534 338 285 359 285 (トン) 600 その他 豪州 アメリカ 458 450 263 467 463 470 400 201 406 0 0.66 410 12.2 380 13 14 15 資料 : 財務省 「日本貿易統計」 16 年度 17 18 19 84 99 36.6 56.4 20 338 121 200 366 100 70 0 12 345 300 295 410 240 500 520 551 その他 ベトナム 香港 アメリカ 51 61 36 12 13 49 24 48 40 14 15 92 16 49 18 15 17 100 70 18 113 19 132 19 86 20 年度 資料 : 財務省 「日本貿易統計」 15 2 国産牛肉の消費・需要の動向と課題 (1)消費者ニーズの多様化への対応 ①消費者ニーズの現状 図-1 仕入れ金額における国産銘柄牛肉の構成比 30%未満 合計 30%以上60%未満 47.0 60%以上 無回答 25.2 25.8 仕入れ金額における国産銘柄牛肉の構成比 ○ 百貨店の過半数では、銘柄牛肉の仕入れ割合が60%を超 えており、有力な銘柄牛肉の販売先。 ○ 一方、スーパーの過半数では、銘柄牛肉の仕入れ割合が3 0%未満と低く、また、6割では、今後、銘柄牛肉の中でも 低価格帯のものの割合を増やそうと考えている。 百貨店 24.4 24.3 スーパー 51.3 55.3 0% 20% 25.4 40% 16.6 60% 80% 100% 図-2 アンケート回答者数全体に占める回答割合(複数回答) 0 消費者が考える肉質判断基準 10 20 30 40 50 60 ○ 多くの消費者は「肉の色と光沢」、「脂身が少ないこ と」を重視している。 一方、判断基準における「霜降り」の位置づけは高くな いものの、「霜降りが少ないこと」よりは「霜降りが多い こと」を重視する消費者が多い。 脂身が少ないこと 肉汁の有無 肉のしまり 霜降りが多いこと 霜降りが少ないこと 脂身が多いこと その他 豪州産牛肉の肥育形態別シェアの推移 25.3 28.6 7.1 6.4 4.0 2.6 1.7 1.4 一般的に穀物肥育牛肉は、適度な脂肪を含んでおり、日本 人の嗜好に適している。 47.2 44.0 18.6 21.7 13.9 12.5 平成18年度 平成20年度 図-3 豪州から日本への牛肉輸出量に占める肥育形態別シェア 穀物肥育牛(冷蔵) ○ 80(% 67.6 69.3 肉の色と光沢 ○ 70 穀物肥育牛(冷凍) 牧草肥育牛 H20年 H18年 ○ 豪州産輸入牛肉のうち、穀物肥育牛肉のシェアは着実に増 加。 H16年 H14年 H12年 資料:(株)日経リサーチ「国産ブランド牛肉に関するバイヤー調査」(2009年4月) (財)日本食肉消費総合センター「季節別消費動向調査報告(平成20年度)」 MLA(豪州食肉家畜生産者事業団)、AFFA(豪州農漁林業省) H10年 0% 20% 40% 60% 80% 100% 16 ② 消費者ニーズの多様化に対応した生産 ○ 肉専用種肥育経営については、飼料費の上昇、もと畜の導入時の高価格等の影響により、生産コストが増加している 一方、枝肉価格が低下している。 ○ 生産コストの低減に加え、肉質の向上や枝肉重量の増加により、収益の確保を図らざるを得ない状況。 ○ 今後、A3規格でも経営が成り立つような生産構造を目指し、生産コストの削減を進める必要。 肉専用種肥育経営における生産コストと粗収益の関係(試算) (千円) 1,200 1,196千円(2,513円/㎏) 1,000 1,118千円(2,349円/㎏) A5 規格の枝肉 価格の場合 924千円(1,942円/㎏) A4 規格の枝肉 価格の場合 利潤 1,051千円(2,207円/㎏) 938千円(1,970円/㎏) 763千円(1,603円/㎏) 800 利潤 A 3 規格の枝肉 価格の場合 物財費割れ 600 費用合計 999千円 費用合計 400 879千円 A3規格でも経営が成り立つよう生 産コストの低減が必要! 労働費 そ の他経費 飼料費 もと畜費 200 0 平成18年度 資料:農林水産省「畜産物生産費」、「食肉流通統計」 その 他 20% 平成20年度(推計) 和牛去勢の格付状況 (平成20年次) A5 18% A3 27% A4 35% 資料:(社)日本食肉格付協会 17 (参考)牛肉の格付けの仕組み、格付け状況の推移 1 格付けの仕組み ① 牛肉は、「枝肉」(図-1)の状態で、「牛枝肉取引規 格」に基づき、 (社)日本食肉格付協会が評価。 ② 「歩留等級(A~C、表-1)」と「肉質等級(5~1)」を 組み合わせた15段階で格付。 表-1 歩留等級区分 歩留 基準値 等級 歩 留 A 72以上 部分肉歩留が標準よ り良いもの B 69以上7 2未満 部分肉歩留の標準の もの C 69未満 部分肉歩留が標準よ り劣るもの 図-2 3等級と判定された枝肉 図-1 枝肉 図-3 5等級と判定された枝肉 2 格付けの状況の推移 近年、黒毛和種(去勢)で肉質等級上位比率(5等級+4 等級)がやや高まる 100% 90% ③ 「肉質等級」は4項目について判定し、その項目別 等級のうち、最も低い等級に決定(表-2)して格付 。 80% 表-2 肉質等級判定 60% 70% 50% 肉質等級 3 40% 脂肪交雑 4 30% 肉の色沢 4 肉の締まり及びきめ 3 脂肪の色沢と質 4 20% 10% 0% H16 H17 5等級 4等級 H18 H19 3等級 2等級 H20 1等級 図-4 年次別黒毛和種(去勢)の格付結果の分布 資料:(社)日本食肉格付協会 18 ○ 牛肉の「美味しさ」に影響を及ぼす要素 牛肉の「食味特性」(脂肪の量や質、脂肪の物理性、香気成分、呈味 成分等からなる) 食感 におい 味 (やわらかさ、多汁性等) (香り・臭い) (うま味等) 個々人の環境要因 (喫食のシチュエーション、 体調、食習慣等)に 起因する「嗜好」 「美味しさ」 ・肉の食感は、筋線維の大きさ、品種、脂肪交 雑により違いがあり、においや味とともにおい しさに影響 ・グルタミン酸とイノシン酸が味の中心を形 成しており、特に、グルタミン酸の多少が味 に大きく影響 ○粗脂肪含量の測定 ○剪断力価の測定 ○アミノ酸量・組成の測定 ・不飽和脂肪酸は飽和脂肪酸に比べて融点が低 いことから、この割合が高いと脂肪融点が低く なり、食味としての口どけが良い ○脂肪酸組成の測定 ○脂肪融点の測定 ・和牛肉にはコクのある脂の甘い香り(和牛 香)があり、おいしさの一要因 ・牛肉の香り、臭いは脂肪酸組成と関連 ○脂肪酸組成の測定 19 ○ 牛個体識別システムを活用した生産履歴情報及び飼養管理等情報の提供 ・ 牛トレーサビリティ法に基づき、消費者等は食肉小売店等で販売される国産牛肉に表示された個 体識別番号によりインターネットを通じて当該牛肉の生産履歴情報を随時確認することが可能。 ・ また、消費者等の提供要望及び牛肉に対する更なる信頼性を確保するため、牛個体識別システ ムを活用し、給与飼料や投薬情報などの飼養管理等情報を提供する取組を一部で実施。 ○牛トレーサビリティ法に基づく生産履歴情報の公表と 飼養管理等情報の提供 ○牛トレーサビリティ法に基づく 個体識別番号の表示 飼養管理情報とは。。。 ①農家情報、②牛(個体)情報 、 ③給与飼料情報、④ワクチン接種 情報、⑤疾病情報 など 個体識別番号からイ ンターネットを通じて 検索 さらに 飼料の製造元や原材料等の検索 が可能 注 飼養施設所在地及び氏名または名称は公表に同意した者のみ掲載 20 ○ 産地銘柄化の状況 ○ 延べ281銘柄のうち半数以上は黒毛和種であり、各品種とも6割~8割は商標登録(名称)済。 ○ 銘柄化した産地では、「販売量の確保、品質向上」、「販売店の新規開拓」、「推進組織の強化」が主な課題。 ○ 地域資源と品種特性を武器に安全性や高品質をアピールした産地銘柄化が健闘中。 1 産地銘柄化の現状 3 産地銘柄化の事例 (1)日本短角種での取組:いわて短角和牛 100% 70% 80% 79% 乳用種 38 61% 62% 乳用種 その他 60% 銘柄の総数281件 (品種別延数) 黒毛和種 155 40% 交雑種 66 20% 生産・流通・消費 その他 22 0% 黒毛和種 交雑種 図-1 品種別銘柄数 図-2 品種別商標登録割合 ○ 岩手県内約40農場で年間9百頭を出荷。 ○「いわて短角和牛認証制度」に基づき、国産粗飼料を多給 し、岩手県内で生産、放牧、肥育した牛。 ○ 人気部位は生協、プロショップへ直接販売し、不需要部 位は惣菜等加工販売。 ○ 自給粗飼料を70%以上給与した「プレミアム牛肉」生産 による販売価値向上。 ○ 赤身主体でカルニチン(脂肪燃焼促進成分等)を多く含 むヘルシーでエコロジーな牛肉。 ○ 日本短角種を文化遺産とし認知してもらい、スローフー ド協会国際本部より「味の箱舟」に登録。 資料:(財)日本食肉消費総合センター調べ 2 産地銘柄が抱える課題 地域資源と品種特性を安全・安心・エコロジーでPR 1 生産販売量の確保、品質向上 71% 2 販売店の新規開拓 生産・流通・消費 3 推進組織の強化 37% 22% 21% 4 流通・卸の新規開拓 5 外食産業や中食産業への新規開拓 15% 14% 6 説明責任への対処 7 通信販売、インターネット販売 10% 9% 8 ハードユーザー作り 9 海外輸出 ○ 宮崎県乳肥農協管内33農場で年間55百頭を出荷。 ○「宮崎ハーブ牛肥育体系」に基づき、「ハーブ飼料」で約 21ヵ月齢まで肥育した宮崎県産牛。 ○ 最低保障枝肉価格を設定し、再生産と安定供給を確保。 ○ 生産側からの積極的な商品提案。 ○ 脂はあっさり、肉質は柔らか、ビタミンEを多く含むヘ ルシーな肉。 ○ 噛んで食べるユーザーの嗜好にマッチ。 7% 10 新たなブランド商品の開拓 (複数回答) (2)国産若牛等での取組:宮崎ハーブ牛 45% 0% 資料:(財)日本食肉消費総合センター調べ 20% 40% 60% 80% 宮崎ハーブ牛の特徴を理解した流通チャネル確立 21 (2)消費拡大の取組 ○ 「国産食肉需要構造改善対策事業」(平成21年度予算額18億円)において、従来の①国産食肉の需要及び販路の 拡大、②国産食肉の機能性や安全性等にかかる理解醸成の推進に加え、③国産牛肉販売強化の支援(新規)を重点に 取組を展開。 ○ この他、各都道府県においても、生産者団体等が中心となり独自の国産牛肉需要拡大対策を展開。 平成21年度の取組(予定) 国産食肉の需要 及び販路の拡大 国産食肉の機能 性や安全性等に 係る理解醸成の 推進 国産牛肉販売強 化の支援 (新規) 国産食肉の需要や販路の拡大を図るため、以下の取組を支援 ○ ○ ○ ○ ○ 乳用種牛肉(交雑種を含む)のブランド化の推進 国産食肉と地域の食材を組み合わせた創作料理発表会の開催等 国産食肉と地域の食材を組み合わせた食肉加工品の開発 牛肉を中心とした国産食肉の輸出の促進 全国の食肉専門店や量販店において国産牛肉のキャンペーンを展開 国産食肉の機能性や安全性等に関する消費者の理解醸成を推進するため、 以下の取組を支援 ○ 大学等研究機関への調査研究委託による基本データの収集 ○ 食肉の機能・栄養面や安全性をシンポジウムや地域のイベント等において普及 ○ 生協会員等の消費者や都市部の商店街店主と、生産者との交流会等の開催 生産者団体等による国産牛肉の販売強化を図るため、以下の取組を支援 ○ 生産者団体と販売・外食事業者との商談会や産地交流会の開催等 ○ アンテナショップ等における直接販売の実施、外食店等と連携した国産 牛肉フェアの開催等による、国産牛肉販売ルートの新規開拓・拡大等 22 (3)新たな需要の開拓 ・低需要部位の利用促進(業務用・加工需要の獲得) ○ 牛肉の消費に占める家計消費、加工仕向、外食等その他の割合は、それぞれ34%、9%、57%。そのうち国産の占め る割合は、家計消費が77%、外食等その他では29%となっている一方、加工仕向では5%と著しく低い水準。 ○ 国産牛肉を加工品原料として利用するにあたっては、輸入品や豚肉や鶏肉に比べ①価格が高いこと、②斉一性が乏し いこと等が課題。 ○ 国産の加工仕向け需要の拡大のためには、消費者ニーズにマッチした付加価値の高い商品開発等により、フルセット (平均)に比べ価格が低い低需要部位の加工向け利用の促進を図る必要。 ○ このため、国産食肉と地域の食材を組み合わせた食肉加工品の開発や国産食肉の新規用途開発のための機械・装置 の貸付けに対する助成を実施。 ○部分肉等の卸売価格 (円/kg) フルセット かたロース サーロイン 19年度 かたバラ ○牛肉の消費構成割合に対する国産の割合(H19) もも 国産 (乳オス) 1,348 1,600 2,844 896 1,138 豪州産 (冷蔵品) 987 655 1,401 605 671 家計消費 農畜産業振興機構調べ 加工仕向 ○牛肉の消費構成割合(H19) その他 (外食等) 家計消費 加工仕向 その他 (外食等) 牛肉 34 9 57 豚肉 鶏肉 44 36 25 9 31 55 生産局畜産部推計 生産局畜産部調べ 23 ・国産牛肉の輸出促進 ○ 平成20年は北米及びアジア向け輸出が本格化してきたこともあり、平成20年度の輸出量は550.7トンと、19年度(345.1トン) と比べ1.6倍に増加。 米 国 : 平成17年12月の輸出解禁後、18年度69.9トン, 19年度131.6トン, 20年度に86.0トンを輸出 (過去の年間最大輸出量:14.0トン(平成11年度)) 香 港 : 平成19年4月の輸出解禁後、20年度末までに197.0トンを輸出 カナダ : 平成19年8月に第1便を出荷後、20年度末までに4.0トンを輸出 UAE : 平成20年11月にハラールと畜証明書発行機関(2機関)とハラールと畜施設(2施設)が認定 シンガポール: 平成21年5月に輸出解禁(3施設) ○ 今後、さらなる国産牛肉の輸出拡大に向け、①需要が見込まれる国(タイ、ロシア等)への輸出解禁に向けた働きかけ、② 相手国の衛生条件等に対応した食肉処理施設整備への支援、③和牛統一マークを活用した和牛肉のPR等を実施。 トン 日本産牛肉の輸出実績 米国、香港、カナダへの輸出状況 (貿易統計ベース) (貿易統計ベース) 18年度 国名 数量 (単位:トン、百万円) 19年度 金額 数量 20年度 金額 数量 金額 米国 69.9 562.4 131.6 1,111.8 86.0 776.0 香港 - - 84.4 597.1 112.6 715.0 カナダ - - 1.8 20.4 2.2 22.6 <対米、対香港輸出認定施設名> (所在地) ・㈱群馬県食肉卸売市場 〈群 馬〉 ・㈱ミヤチク 〈宮 崎〉 ・南九州畜産興業株式会社(末吉と畜場) 〈鹿児島〉 ・サンキョーミート株式会社 有明ミート第二工場 〈鹿児島〉 和牛統一マーク 24 3 経営安定対策 (1) 肉用牛経営における収益性 ・繁殖経営では、13年度のBSE発生以後、子牛価格が堅調に推移したことにより、収益性が回復。19年度は子牛価格の下 落等により、収益性は悪化。 ・肥育経営では、13年度のBSE発生により、枝肉価格が低下し、収益性が悪化していたが、米国におけるBSE発生による 輸入停止の影響等により、16年度に収益性は回復。18年度は子牛価格の上昇により、前年度に比べ収益性が悪化し、19年 度は、飼料価格高騰等により、さらに収益性が悪化。 (円) 250,000 200,000 150,000 繁殖経営(繁殖雌牛1頭当たり) 100,000 所 得 肉用種肥育経営(肥育牛1頭当たり) 50,000 交雑種肥育経営(肥育牛1頭当たり) 0 乳用種肥育経営(肥育牛1頭当たり) ▲ 50,000 ▲ 100,000 ▲ 150,000 13 14 15 16 17 18 19 年度 区分/年度 繁殖経営 繁殖雌牛1頭当たり所得 (繁殖雌牛1頭当たり) 1日当たり家族労働報酬 肉用種肥育経営 肥育牛1頭当たり所得 (肥育牛1頭当たり) 1日当たり家族労働報酬 交雑種肥育経営 肥育牛1頭当たり所得 (肥育牛1頭当たり) 1日当たり家族労働報酬 乳用種肥育経営 肥育牛1頭当たり所得 (肥育牛1頭当たり) 1日当たり家族労働報酬 13 14 15 118,186 154,420 180,921 3,524 5,630 7,234 ▲ 66,819 16,761 154,210 518 22,052 ▲ 18,341 ▲ 13,063 68,014 17,821 ▲ 63,161 ▲ 99,156 ▲ 25,304 - (円) 16 220,515 9,458 148,296 20,602 92,190 24,333 57,178 21,429 17 241,187 10,899 170,001 25,412 117,711 31,493 65,056 29,047 18 19 250,542 199,676 11,338 8,266 127,512 39,812 18,554 4,402 58,095 ▲ 43,272 14,518 43,431 ▲ 44,783 16,659 - 資料:農林水産省「畜産物生産費調査」 注1:所得には、肉用子牛生産者補給金、肉用子牛肥育経営安定対策事業、配合飼料価格安定制度の補てん金は含まない。 25 (2)肉用子牛生産者補給金制度の概要 ○肉用子牛生産者補給金制度は、牛肉の輸入自由化による影響(価格低落)が最終的に転嫁される肉用子牛にかかるセーフ ティーネットとして創設。 ○最近、肉用子牛の価格は低下傾向で推移。平成20年度は、「褐毛和種」、「乳用種」、「交雑種」において保証基準価格を下回っ た場合に生産者補給金を交付。 ○保証基準価格については、配合飼料価格の高騰等を踏まえ、平成20年度に引き上げを行ったことに加え、同7月に改訂を行い 再度の引上げを実施。 平均売買価格の推移 目的 (黒 毛和 種) (百円/頭) 5,302 4,959 5,000 肉用子牛の価格が低落し、保証基準価格を下回った場合 に生産者補給金を交付することにより、肉用子牛生産の安 定を図る 4,018 4,000 3 ,6 88 3,000 保証基準価格 (3, 04 0) 合理化目標価格 (2 ,6 70 ) (3, 05 0) 2,909 2,881 ( 3, 10 0) (2 ,6 80 ) 2,000 仕組み 1,000 注: 4年度までは黒毛和種及び 褐毛和種の価格、5年度以降は黒毛和種 の価格。 保証基準価格 0 ×10/10 生 産 者 補 給 金 ×10/10 生 産 者 補 給 金 肉用子牛の平均売買価格 平成2 年度 0 4 3 年度 8 4 年度 1 2 5 年 度16 6 年 度20 7 年 度 24 8 年 度 2 8 9 年 度 3 1 2 0 年 度 361 1 年 度 401 2 年 度 441 3 年 度481 4 年 度5 21 5 年 度561 6 年 度601 7 年 度64 1 8 年 度68 1 9 年 度7 2 2 0 年 度76 (褐 毛和 種) (百円/頭) 4,500 3,92 2 4,000 合理化目標価格 3,500 ×9/10 3,25 0 国((独)農畜産業振興機構) から交付される生産者補給 交付金を財源 指定協会にあらかじめ積み立 てた生産者積立金を財源 保証基準価格 (2 ,81 0) (2 ,8 00 ) ( 2,8 50 ) (2 ,47 0 ) 合理化目標価格 ( 2,4 60 ) 2,500 負担割合 国の助成 1/2 県の助成 1/4 生産者 1/4 2,61 3 2 ,9 70 3,000 2,000 1,931 1,500 1 ,812 注: 5年度以降新たな褐毛和 種の品種区分を設定。 1,000 平 成 2 年 度 0 4 3年 度 10 年 度 1 1年 度 12年 度 13 年 度 14 年 度 1 5年 度 16年 度 17 年 度 18 年 度 1 9年 度 2 0年 度 8 4 年 度12 5 年 度 1 6 6 年 度 2 0 7 年 度 248 年 度 289 年 度 32 36 40 44 48 52 56 60 64 68 72 76 26 (その 他の 肉専 用種 ) (百円/頭) 3,000 2,277 2,500 (2, 14 0) 2,000 (2 ,11 0) (2 ,08 0) (1 ,88 0 ) ( 1, 83 0) ( 1,7 30 ) ( 1,6 30 ) (2 ,04 0) ( 2,0 3 0) (2 ,02 0) 保証基準価格 (1 ,53 0) 1,500 (2 ,0 40 ) (2 ,0 10 ) (2 ,0 00 ) (1, 50 0) (1, 47 0) ○子牛生産拡大奨励事業 合理化目標価格 (1, 41 0) (1 ,42 0 ) 1,000 562 500 0 【参考】その他の肉用子牛関係対策の概要 肉用子牛生産者補給金制度と連動して、肉用子牛の平均売買価格 が発動基準価格を下回った場合に、繁殖雌牛頭数の増頭者及び維持 者に対し、販売又は自家保留された子牛1頭当たり奨励金を交付する。 421 単価(子牛 1頭 当たり ) 平 0 成 2 年 度4 3 年 度8 4 年 度12 5 年 度16 6 年 度20 7 年 度 2 4 8 年 度 28 9 年 度 32 1 0 年 度 36 1 1 年 度 40 1 2年 度 41 4 3 年 度 481 4 年 度 521 5 年 度 561 6 年 度 601 7 年 度 6 41 8 年 度 681 9 年 度722 0 年 度76 品種 (乳 用種 ) 発 動基準 増頭者 維持者 (拡大奨励 金) (生産奨励金 ) 35万 円を下 回った場合 10千円 7千円 34万 円を下 回った場合 20千円 15千円 33万 円を下 回った場合 30千円 22千円 32万 円を下 回った場合 40千円 30千円 32万 円を下 回った場合 25千円 - 29万 円を下 回った場合 〃 16千円 23万 円を下 回った場合 19千円 - 21.1万円を 下回っ た場合 〃 12千円 (百円/頭) 2,000 保証基準価格 (1, 57 0) 1,637 ( 1,5 6 0) 1,500 (1, 29 0) (1 ,3 10 ) (1 ,1 40 ) 1,155 (1 ,10 0) 1,060 合理化目標価格 1,000 黒 毛和種 9 26 (8 0 0) 918 ( 83 0) 654 787 500 ( 1,1 60 ) (1, 13 0) (1 ,10 0) 950 973 1 ,2 16 601 注: 「乳用種」の平 均売買価 格につ い ては、 12 年度 第1 四半期よ り 「肉専 用種以外 の品種」から分 離し たた め 、1 1年 度までの価 格と は 連続し ない 。 褐 毛和種 384 171 0 平0 成 7 年 度 4 8年度 8 9 年 度 12 1 0 年 度 16 1 1 年 度20 1 2 年 度2 4 1 3 年 度28 14年度 32 15 年 度 36 1 6年 度 40 1 7 年 44 度 1 8 年48 度 1 9 年5度 2 2 0 年56度 (交 雑種 ) (百円/頭) 3,000 そ の他の 肉 専用種 2,70 7 2,500 2,173 1,866 2,000 (1 ,5 70) 1,637 1,680 (1 ,7 50 ) 保証基準価格 (1, 78 0) (1, 56 0) 1,500 (1, 35 0) (1 ,1 40 ) 973 500 0 合理化目標価格 ( 1, 38 0) 1,155 (1, 10 0) 1,000 918 867 注 : 「 交雑 種」の 平均 売買 価格 につ い ては 、1 2年 度第 1四 半期 より 「肉専 用種 以外 の 品種 」から分 離し たた め 、1 1年 度ま での価 格と は連 続し ない 。 平 0 成 7 年度 4 8年 度 8 ○肉用子牛資質向上緊急支援事業(黒毛和種) (1 ,81 0) 家畜市場における肉用子牛の取引価格が40万円/頭又は都道府 県の平均売買価格を下回った場合、当該肉用子牛を生産した繁殖雌 牛に対して優良な種雄牛の精液による人工授精又は繁殖雌牛の更新 を実施することを条件に、交付金を交付する。 9 年 度 12 1 0 年 度16 1 1 年 度20 1 2 年 度2 4 1 3 年 度28 1 4 年度32 1 5 年 度36 1 6 年 度40 1 7 年 度4 4 1 8 年 度48 1 9 年 度5 2 2 0 年 度56 27 (3)肉用牛肥育経営安定対策 ○ 肉用牛肥育経営の安定を図るため、平成13年度から、生産者の拠出と国の助成(生産者:国=1:3)により基金を造 成し、四半期ごとの推定所得が基準家族労働費を下回った場合にその差額分の8割を補てんする肉用牛肥育経営安定 対策事業(マルキン事業)を実施。 ○ 平成19年度後半から配合飼料価格等が高騰する中、枝肉価格の低下や導入時のもと畜価格高の影響が加わり、収 益性が低下していることから、平成20年度から21年度の時限的緊急対策として、物財費割れの状況になった場合に、 物財費割れの6割を補てんする肥育牛生産者収益性低下緊急対策事業(補完マルキン事業)を実施。 1頭当たりの補てん金単価の推移 <事業の仕組み図> 国 (単位 :円 /頭 ) 生産 者 3 1 差額の8割を 補てん 差 額の6割を 補てん 補てん 金 家族 労働費 【補完マ ルキン】 補てん 金 粗 収 益 【マ ルキン】 物 財 費 期 間 H 第1四半期 15 第2四半期 年 第3四半期 度 第4四半期 H16年度 ~18年度 H 第1四半期 19 第2四半期 年 第3四半期 度 第4四半期 第1四半期 事業名 マルキ ン マルキ ン マルキ ン マルキ ン マルキ ン 肉専用種 交雑種 - - - - - - - - - マルキ ン - マルキ ン - マルキ ン - マルキ ン - マルキ ン - 補完 マルキ ン - 小計 - 第2四半期 マルキ ン 36,700 H 補完 マルキ ン - 小計 20 36,700 年 第3四半期 マルキ ン 59,500 補完 マルキ ン 度 18,200 小計 77,700 マルキ ン 第4四半期 59,500 補完 マルキ ン 32,400 小計 91,900 注:平 成2 0年 度第 4四 半期 は交 付予 定金 額。 - - 6,900 29,500 28,700 33,000 2,300 35,300 33,000 34,400 67,400 33,000 58,400 91,400 33,000 55,200 88,200 乳用種 28,300 28,300 28,300 - - 4,400 22,700 22,700 22,700 22,700 6,200 28,900 22,700 19,000 41,700 22,700 12,100 34,800 22,700 11,800 34,500 28 4 生産段階におけるコスト縮減や省力化の推進 (1) 肥育経営、繁殖経営、育成経営の生産コストの推移 ① 肥育経営 その1 ○ 肥育経営については、物財費が各品種とも約9割を占める。 ○ 各品種とも物財費のうち約9割をもと畜費と飼料費が占めるが、肉専用種ではもと畜費の割合が約6割と高く、逆に乳 用種では飼料費が約6割、交雑種はもと畜費と飼料費がほぼ同じ割合という状況。 ○ コスト低減を図るためには、エコフィード等安価な飼料を利用して飼料費を抑えることが重要。 (千円 ) 1,000 800 600 400 200 肉専用種肥育牛生産費(1頭当たり) 965 879 822 801 890 804 770 763 713 745 720 688 679 633 543 508 463 438 430 434 364 280 233 198 209 222 221 193 13 14 15 費用合計 物材費 16 17 もと畜費 18 19 飼料費 (年度) 600 400 200 800 600 347 400 200 313 177 101 410 366 333 333 383 330 339 333 298 305 299 221 196 188 192 194 189 108 127 81 111 72 69 365 657 586 614 549 534 543 498 505 459 490 439 456 416 396 289 258 237 223 218 196 209 278 241 221 223 157 204 151 0 15 物材費 資料:農林水産省「畜産物生産費」 15 物材費 16 17 もと畜費 18 飼料費 19 (年度) 費用合計に占める物財費と労働費の割合(平成19年度) (%) 交雑種肥育牛生産費(1頭当たり) 13 14 費用合計 13 14 費用合計 資料:農林水産省「畜産物生産費」 資料:農林水産省「畜産物生産費」 800 乳用種肥育牛生産費(1頭当たり) 0 0 (千円) 1,000 (千円) 1,000 16 17 もと畜費 18 19 飼料費 (年度) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 8 飼料費 29 (31) 労働費 物財費 飼料費 44 (47) 93 92 もと畜費 (100) 56 (61) 7 7 もと畜費 42 (45) 飼料費 54 (58) (100) 93 (100) もと畜費 31 (33) 肉専用種 交雑種 乳用種 資料:農林水産省「畜産物生産費」 注:( )は物財費に対する割合 29 (1) 肥育経営、繁殖経営、育成経営の生産コストの推移 ① 肥育経営 その2 ○ 肥育経営においては、経営規模の拡大に伴い労働費は着実に低減。 ○ 労働費以外の物財費については、肉専用種では経営規模にかかわらずほぼ同水準。 (千円) 1,200 (千円) 肉専用種肥育牛生産費(H19年度、頭数規模別) 100% 182 93% 108 労働費 91% 89% 85% 88 63 49 600 400 800 その他 乳用種肥育牛生産費(H19年度、頭数規模別) 100% 96% 80 59 101% 45 98% 32 労働費 その他 飼料費 88% 19 飼料費 200 400 もと畜費 もと畜費 0 0 1~9頭 50~99頭 100~199頭 200頭~ 1~9頭 20~29頭 50~99頭 100~199頭 200頭~ 資料:農林水産省「畜産物生産費」 資料:農林水産省「畜産物生産費」 注:グラフ中の割合の数字は1~9頭を100とした場合の割合。その下の数字 は労働費の金額。 注:グラフ中の割合の数字は1~9頭を100とした場合の割合。その下の数字 は労働費の金額。 (千円) 900 20~29頭 交雑種肥育牛生産費(H19年度、頭数規模別) 100% 112 87% 91% 労働費 67 57 600 その他 95% 44 94% 33 100~199頭 200頭~ 飼料費 300 もと畜費 0 1~9頭 20~29頭 50~99頭 資料:農林水産省「畜産物生産費」 注:グラフ中の割合の数字は1~9頭を100とした場合の割合。その下の数字 は労働費の金額。 30 (1) 肥育経営、繁殖経営、育成経営の生産コストの推移 ② 繁殖経営、育成経営 その1 ○ 繁殖経営(子牛)では物財費が約6割を占めるが、育成経営では肥育経営と同程度の約9割を占める。 ○ 繁殖経営(子牛)及び乳用種育成経営では、物財費のうち飼料費が約5割、交雑種育成経営は飼料費が約3割を占め る。 (千円) 500 子牛生産費(1頭当たり) 442 441 440 432 425 (千円) 300 466 443 乳用おす育成牛生産費(1頭当たり) 400 300 225 237 248 250 252 109 112 119 122 123 129 200 100 289 259 125 150 0 15 16 17 物材費 飼料費 18 19 (年度) 資料:農林水産省「畜産物生産費」 (千円) 300 194 198 242 239 224 228 209 127 128 140 50 52 51 210 177 175 159 50 92 50 215 194 226 157 141 53 65 0 13 14 15 費用合計 物材費 資料:農林水産省「畜産物生産費」 109 115 48 46 13 14 費用合計 100 139 131 129 129 127 118 116 111 115 46 39 48 48 125 15 物材費 50 49 16 17 もと畜費 53 48 51 61 48 49 18 19 飼料費 (年度) 資料:農林水産省「畜産物生産費」 交雑種育成牛生産費(1頭当たり) 111 100 100 0 13 14 費用合計 200 200 16 17 もと畜費 18 飼料費 19 (年度) 費用合計に占める物財費と労働費の割合(平成19年度) (%) 100 6 9 労働費 90 38 80 飼料費 27 70 (29) 飼料費 60 44 50 (48) 94 91 物財費 もと畜費 40 59 (100) (100) 62 もと畜費 30 (63) 飼料費 35 (100) 20 32 (39) (52) 10 0 子牛 交雑種育成牛 乳用種育成牛 資料:農林水産省「畜産物生産費」 注:( )は物財費に対する割合 31 (1) 肥育経営、繁殖経営、育成経営の生産コストの推移 ② 繁殖経営、育成経営 その2 ○ 飼養規模の拡大に伴い、繁殖経営(子牛)及び育成経営においても、労働費は着実に低減。 特に、繁殖経営(子牛)においては、労働費低減による生産費の低下が顕著。 (千円) 600 (千円) 子牛生産費(H19年度、頭数規模別) 100% 95% 90% 70% 500 400 150 249 242 労働費 120 206 115 300 200 100 180 その他 乳用種育成牛生産費(H19年度、頭数規模別) 100% 24 労働費 その他 93% 17 101% 15 93% 95% 16 11 100~199頭 200頭~ 飼料費 90 60 もと畜費 30 飼料費 0 0 2~4頭 5~9頭 10~19頭 20頭~ 5~19頭 20~49頭 50~99頭 資料:農林水産省「畜産物生産費」 資料:農林水産省「畜産物生産費」 注:グラフ中の割合の数字は2~4頭を100とした場合の割合。その下の数字は 労働費の金額。 注:グラフ中の割合の数字は5~19頭を100とした場合の割合。その下の数字 は労働費の金額。 (千円) 300 250 200 150 交雑種育成牛生産費(H19年度、頭数規模別) 100% 38 労働費 95% 97% 97% 100% 26 23 17 11 100~199頭 200頭~ その他 飼料費 100 もと畜費 50 0 5~19頭 20~49頭 50~99頭 資料:農林水産省「畜産物生産費」 注:グラフ中の割合の数字は5~19頭を100とした場合の割合。その下の数字は 労働費の金額。 32 (2)繁殖経営における生産性の現状 ○ 初産分娩月齢は着実に早期化しているものの、分娩間隔の短縮が課題 分娩間隔の推移 ヶ月 月齢 14.0 初産分娩月齢の推移 26.5 26.0 低下傾向 13.5 25.5 13.0 横ばい傾向 25.0 24.5 12.5 24.0 23.5 12.0 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19H20※ H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19H20※ 年 年 資料:全国和牛登録協会調べ(H20は参考) 資料:全国和牛登録協会調べ(H20は参考) 繁殖性向上に向けた取組のポイント ○ 確実な発情発見 ○ 適期授精 ○性周期にあわせた個体監視、確実な発情発見や適期授精 等繁殖性向上につながる技術やモデル的な取組の普及 ○ 子宮回復の早期化 ○ 繁殖障害牛の減少 ○放牧の活用等適度な運動、土づくり・草づくりや飼料の成 分管理等も考慮した飼養管理 ○ 優良雌牛の活用 ○発育性に優れた雌牛の活用 33 (3)肥育経営における生産コストの現状 ・肥育期間の短縮により、生産コストの低減が可能であるが、市場性(脂肪交雑等)を高めるため、肥育期間は横ばい傾向。 ・市場ニーズを見極めつつ、生産の効率化を図る必要。 H14年度 ・市場出荷月齢 9.5 → ・1kg単価 1262 → ・平均体重 282.5 → 繁殖の現場 ・血統、資質、見栄えのよい子牛 ・濃厚飼料多給による過肥気味の子牛 (出荷月齢は横ばい) 家畜市場 ・過肥気味のもと牛の飼い直し ・一頭当たりの販売額の増加を狙う傾向 ・銘柄化、高付加価値化のため、 脂肪交雑志向が強い H19年度 9.4ヶ月齢 1654円/kg 283.0kg 資料:農林水産省「畜産生産費(子牛生産費)」 H14年度 ・肥育期間 20.5 → ・出荷月齢 30.0 → ・一日平均増体重 0.66 → 肥育の現場 (肥育期間は横ばい) H19年度 20ヶ月 29.2ヶ月 0.73kg/日 資料:農林水産省「畜産生産費(去勢若齢肥育牛生産費)」 kg ○枝肉重量、日齢枝重、脂肪交雑の推移(去勢) 480 460 6 0 .5 6 0 .5 5 440 0 .4 4 日齢枝重(kg/日) 420 5 4 3 枝肉重量は28ヶ月以降ほぼ横ばい 400 2 枝肉重量 脂肪交雑 380 1 0 360 24 25 26 27 28 29 30 31 32 資料:(独)家畜改良センター調べ「枝肉成績とりまとめ(平成19年度)」 33 34 ○枝肉販売価格と生産コストの推移 No. 千円 7 1,200 35 と畜月齢 1,000 800 600 400 200 0 200 400 600 800 1,000 1,200 生産コスト 956 979 940 899 837 736 枝肉販売価格 差額 長期化するほど、差額はマイナス 100 98 110 108 81 55 32 -7 636 24 727 25 26 818 27 28 909 29 30 -44 -76 -112 -176 999 31 32 資料:農林水産省「平成19年度 畜産生産費」 (独)家畜改良センター調べ「枝肉成績とりまとめ(平成19年度)」から試算 1,090 33 34 35 と畜月齢 34 5 処理・流通・加工の状況 (1)家畜市場の再編・整備 ○ 家畜市場は、肉用牛の公正な取引及び適正な価格形成の確保という重要な役割を担っており、十分な取引頭数と購買者 が確保されることにより市場としての機能が発揮されるよう、地域の肉用牛の生産や交通の状況を踏まえて家畜市場の再 編・整備を推進。 ○ 年間取引頭数については、酪肉近の目標水準を概ね達成しているが、1開催日当たりの平均取引頭数は酪肉近の目標数 量を下回る水準で推移。 ○ 引き続き、出荷者の輸送コストの増大等地域の実情に留意しつつ比較的小規模な市場の統廃合が必要。更に、個体識別 制度に対応したセリシステムの導入、個体情報の収集・情報発信体制の整備等の機能高度化を図ることが重要。 ○家畜市場数の推移(全国) (ヵ所) 200 192 188 190 186 178 180 173 170 170 160 150 平成14年 15年 16年 17年 18年 19年 資料:農林水産省食肉鶏卵課調べ (頭) ○ 家畜市場の取引頭数の目標及び達成状況 (頭) 4,000 350 年間取引頭数 3,500 年間取引頭数の目標 (3,500頭以上) 開催日一日当たり平均取引頭数 3,222 3,076 3,044 3,039 3,000 300 3,257 3,079 250 開催1日当たりの平均取引頭数の目標 (250頭以上) 2,500 200 177 2,000 150 1,500 100 14 15 資料:農林水産省食肉鶏卵課調べ 16 17 18 19 27 年度 (目標) 年間取引頭数が1万頭以上の基幹的市場を除く) 35 (2)食肉処理施設の再編・整備 ○ 国際化の進展に伴う食肉輸入の増大等に対処し、食肉の自給率を向上するため、食肉処理施設の再編整備による1ヵ所 当たりの処理頭数の増加・稼働率の向上により、処理・流通コストを削減し、適正な価格で国産食肉を安定供給していくこと が必要。 ○ 食肉処理施設については、各地域における再編が進展し、平成元年当時と比較すると、約半数まで減少。 ○ 1日当たりの処理能力は目標値を上回って着実に増加しているが、処理能力に見合った処理頭数の確保が進んでいない ことから、稼働率は横ばいで推移。 ○と畜場数・1ヵ所当たりのと畜頭数の推移 450 120 408 と 400 畜 場 350 数 300 ○と畜場の1日当たりの処理能力と稼働率 800頭 千 695 700頭 371 100 318 80 240 250 203 60 200 40 150 と 畜 頭 数 一 日 当 た り の 処 理 能 力 625 605 600頭 500頭 稼働率の目標 (80%以上) 0 H元 H5 と畜場数 H9 H14 H19 1ヵ所当たりの年間と畜頭数 注:頭数は豚換算頭数である 資料:農林水産省「畜産物流通統計」 70% 60% 50% 400頭 40% 300頭 稼 働 率 30% 200頭 20% 100頭 10% 50 0 80% 470 100 20 90% 0% 0頭 H9 H 14 H 19 1日 当たりの 処 理能 力 H 27 (目標) 稼働率 資料:農林水産省「畜産物流通統計」 36 (3)部分肉加工割合 ○ と畜解体から部分肉加工までを一貫して行う産地食肉センターの整備の推進により、産地における部分肉処理・加工の割 合を高め、流通コストの低減と実需者ニーズへのきめ細やかな対応を図ることが必要。 ○ 産地食肉センターにおけると畜シェアは、近年着実に増加しており、H19年度において50.6%となっている。 ○ 産地食肉センターにおける部分肉仕向率は、豚については順調に増加しているが、牛については、やや減少傾向で推移。 食肉センターにおけると畜頭数シェア 部分肉仕向割合 % 頭 % 全国食肉センター協議会調べ 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