「水の惑星に住む限り」（PDF形式 80 キロバイト）

水の惑星に住む限り
上越市立柿崎中学校
３年
松﨑 心
水の惑星、地球。テレビで画像を見て感じた。
私は今まで、蛇口をひねれば安全でおいしい水
言葉では表せないほど、
美しく、
透き通っている。
が出てくること、その水を好きなだけ使えること
その水の惑星に住んでいること。それは私達の誇
ができる。そう思っていた。しかし、私達が健康
りである。
的で衛生的な生活を送れるのは、豊富できれいな
朝、学校へ行く途中に柿崎川がある。見るたび
に思う。汚い。水は茶色く濁っており、岸にはゴ
水のおかげである。私達は水に感謝しなければな
らない。
ミがたくさん落ちている。地球の一部であるとは
また、東日本大震災の時の津波は、高い高い壁
思えなく、残念だ。以前は魚も泳いでいたのに。
となって日本を襲い、多くの人命を一瞬にして飲
汚いのは川である。しかし、汚くしているのは
み込んだ。私はその時、水の恐ろしさを感じ、水
私達だ。また、川の水が汚くなって、困っている
への感謝の気持ちを失いかけた。津波による被害
のは、虫や魚や動物達、そして私達人間である。
を受けた様子が中継されるたびに、悲惨な状況を
私は考えた。この汚染された水を、このゴミだ
目の当たりにし、水が汚濁され、水不足のために
らけの川を、消えてしまいそうな生物を、どうす
病気になった子供達の姿が映し出される。かわい
れば、地球のように美しく、豊かな自然環境に戻
そうで、それなのに何もしてあげられない自分の
すことができるのかを。
無力さに心が痛んだ。私達が、水道の蛇口をひね
その答えは案外単純なもので身近な所にあった。
それは、ゴミ拾いなどをする事だ。もっと身近な
るだけで使えるきれいな水を分けてあげることが
できたらいいのにと。
事だと、汚れのひどい物はふいてから洗ったり、
水は、自然界の中に絶えず存在し、私達に必要
洗剤は石鹸や無リンなど環境に配慮した物を使っ
な生活用水を供給してくれる。しかし、水は決し
たりすることだ。
とても小さな事かもしれないが、
て無限ではないのだ。きれいな水を好きなだけ使
小さな事も積み重なれば大きな力となるように、
える私達はそれだけでとても幸せだ。
一日を一ヶ月に一年に変えていきたい。
「継続は力
なり」
中学一年生の遠足。
平坦な田園地帯を過ぎると、
このことは、私達が生きていくためにどれほど
大切であり、ありがたいものなのか。
これからは、
日常生活上つねに水に感謝して、水を美しくする
目的地である巨大な柿崎川ダムの堤体が姿を表し
ことを心がけるよう、自分に強く言い聞かせた。
た。ダムの役割は主に三つに分けられ、そのどれ
世の中には、汚くしていい水、無駄な水などどこ
もが私達の生活と密接に関わっていた。一つ目は
にもないのだから。
洪水を防ぐこと。大雨などで水量が増加した時に
人間の生命である「水」
。水がなくなれば、人の
調節をする。二つ目と三つ目は特に重要だ。二つ
命もなくなり、水が美しくなれば、人々の生活も
目は農作物を育てるための水を蓄え、川の水が少
美しくなる。そして、その「水」を汚くしている
なくなった時に流して必要な水を補給する。三つ
人の手を止めなければならない。一滴の水を大切
目は水道用水の供給である。後に私達の元へ届く
にしていかなければならない。私達は、
「地球にあ
であろう水が蓄えられているのだ。ダムは水不足
る尊い水を使っている」ということを忘れてはな
や災害などあらゆる面から私達を救ってくれる。
らない。水に対する感謝の気持ちを忘れることな
三年生になった今、再び遠足で行くダム。遠足で
く、水と一緒に生きなければならない。水の惑星
はあるが、安全な水の源であることを頭に置いて
に住む限り。
行きたい。