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全国健康関係主管課長会議説明資料 厚生労働省健康局
全国健康関係主管課長会議説明資料 平成28年2月3日(水) 厚生労働省健康局 - 説 明 資 料 目 次 - 【健康課】……………………………………………………………………………… 1 【がん・疾病対策課】……………………………………………………………… 31 【移植医療対策推進室】…………………………………………………………… 56 【原子爆弾被爆者援護対策室】…………………………………………………… 66 【指導調査室】……………………………………………………………………… 68 【難病対策課】……………………………………………………………………… 70 【結核感染症課】…………………………………………………………………… 85 【情報政策担当参事官室】……………………………………………………… 102 全国健康関係主管課長会議 健康局 健康課 健康日本21(第二次) タバコに関する目標設定 項目 ①成人の喫煙率の減少 (喫煙をやめたい人がやめる) ②未成年の喫煙をなくす 現状 ④受動喫煙の機会を有する 者の割合の減少 12% 19.6% (H26年) 中学1年生 男子 女子 高校3年生 男子 女子 ③妊娠中の喫煙をなくす 目標 1.2% 0.8% 5.6% 2.5% (H34年度) ※現在の成人の喫煙率から禁 煙希望者が禁煙した場合の割 合を減じたものを設定 (H25年) 3.8%(H22年) 0% (H34年度) 0% (H26年) 行政機関 9.7% (H25年) 0% (H34年度) 医療機関 6.5% (H25年) 0% (H34年度) 65.5% (H25年) ※全面禁煙+空間分煙をし ている職場の割合 受動喫煙の無い 職場の実現(H32年) 家庭 9.3% (H25年) 3% (H34年度) 飲食店 46.8% (H25年) 15% (H34年度) 職場 -1- 受動喫煙の状況 過去1か月間に、自分以外の人が吸っていたたばこの煙を吸う機会 (受動喫煙)を有する者(現在喫煙者除く)の割合 (%) 70 平成20年 60 平成23年 50 平成25年 40 30 20 10 0 家庭 職場 学校 飲食店 ※ 遊技場 ※ 行政機関 医療機関 ○ 職場、飲食店においては、漸減傾向にあるものの、非喫煙者の4割近くが受動喫煙にあっている。 ○ 行政機関、医療機関においては、非喫煙者の1割近くが受動喫煙にあっている。 ※遊技場;ゲームセンター、パチンコ、競馬場など 行政機関;市役所、町村役場、公民館など (参照) 平成20,23,25年 国民・健康栄養調査 受動喫煙の健康影響 受動喫煙と関連がある疾患 小児 ・中耳疾患 ・呼吸器症状 ・肺機能障害 ・末梢気道疾患 ・乳児突然死症候群 成人 ・脳卒中 ・鼻刺激症状 ・肺がん ・心血管疾患 ・女性の生殖機能 (低出生体重児) 出典)2014年米国公衆衛生総監報告書 世界 日本 喫煙による年間死亡者数 受動喫煙による年間死亡者数 600万人※1 60万人※2 12-13万人※1~3 6,800人※4 年間死亡者数119万人(H22)の約1割 肺がん、虚血性心疾患のみ計上 -2- 出典 ※1.WHO report on the global tobacco epidemic,2015 ※2. WHO report on the global tobacco epidemic,2011 ※1. Katanoda K, et al.2008 ※2. Murakami Y, et al. 2011 ※3. Ikeda N, et al.2011 ※4. 片野田ら、 2010 我が国の受動喫煙防止対策について 平成15年5月 健康増進法施行 第25条 学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店そ の他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙(室内又はこ れに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。)を防止するために必要な措置を 講ずるように努めなければならない。 「受動喫煙防止対策について」健康局長通知(平成22年2月25日 健発0225第2号)概要 ① 受動喫煙による健康への悪影響は明確であることから、公共の場においては原則として全面禁煙 を目指す。 ② 全面禁煙が極めて困難である場合には、施設管理者に対して、当面の間、喫煙可能区域を設定 する等の受動喫煙防止対策を求める。 ③ たばこの健康への悪影響や国民にとって有用な情報など、最新の情報を収集・発信する。 ④ 職場における受動喫煙防止対策と連動して対策を進める。 たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約(FCTC) ○ 平成17年2月に発効した「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」では、締約国に対して、 受動喫煙防止対策の積極的な推進を求めている。 第8条 たばこの煙にさらされることからの保護 1 締約国は、たばこの煙にさらされることが死亡、疾病及び障害を引き起こすことが科学的証拠により明 白に証明されていることを認識する。 2 締約国は、屋内の職場、公共の輸送機関、屋内の公共の場所及び適当な場合には他の公共の場所 におけるたばこの煙にさらされることからの保護を定める効果的な立法上、執行上、行政上又は他の措置 を国内法によって決定された既存の国の権限の範囲内で採択し及び実施し、並びに権限のある他の当局 による当該措置の採択及び実施を積極的に促進する。 第2回締約国会合 ○ 平成19年7月にバンコクで開催された第2回締約国会合において、「たばこの煙にさらされることからの保 護に関するガイドライン」が採択され、締約国には、より一層、受動喫煙防止対策を進めることが求められて いる。 (ガイドラインの主な内容) ○ 100%禁煙以外の措置(換気の実施、喫煙区域の設定)は、不完全であることを認識すべきである。 ○ すべての屋内の職場、屋内の公共の場及び公共交通機関は禁煙とすべきである。 ○ たばこの煙にさらされることから保護するための立法措置は、責任及び罰則を盛り込むべきである。 -3- オリンピックにおける受動喫煙防止に関連するWHOの取組 1.IOCとWHOの合意(2010年) 世界保健機関(WHO)と国際オリンピック委員会(IOC)は、 身体活動を含む健康的な生活習慣を選択すること、すべての 人々のためのスポーツ、たばこのないオリンピック及び子ど もの肥満を予防することを共同で推進することについて合意 した。(2010年7月21日) 2.WHOの『たばこのないメガイベントのためのガイド』(2010年) 多数の人々が関与し、テレビ放映等により巨大な影響を持つスポーツや文化など のメガイベントにおけるたばこ規制等に関して、WHOが定める政策ガイドライン。 受動喫煙の防止が主たる目的。 イベントの施設内を禁煙とすることや、敷地内でのたばこ販売・広告の禁止など についてイベントの主催者や開催地政府に努力を求めている。 2008年以降のオリンピック開催地及び予定地の受動喫煙防止対策 • • • 少なくとも2008年以降、日本を除く全てのオリンピック開催地及び開催予定地が罰則を伴う受動喫煙防止対策(注 1)を講じている。 受動喫煙防止対策は、分煙ではなく屋内禁煙とするのが主流。 屋外であっても運動施設を規制している国は多い。 【参考】 国内(条例) オリンピック開催年 学校、医療機関、官公庁等 の公共性の高い施設 公 鉄軌道車両・鉄軌 共 道駅 主 交 な 通 バス 対 機 象 関 タクシー 施 設 飲食店 宿泊施設 運動施設(屋外) 事業所(職場) 管理者 罰則 国民 日本 2020 中国 2008 (△) ○/△ 注2) カナダ 2010 イギリス 2012 ロシア 2014 ブラジル 2016 韓国 2018 ○/△ 注3) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △ 注6) △注7) (△) △/○ 注5) ○ (△) ○ ○ ○ ○ ○ - (△) (△) (△) (△) × × △ △ ○ △ ◎ ◎ ○ △ ○ ○ ◎ ◎ ○ ○注10) ○ ○ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ◎ × △ △ △注13) △注14) ◎ ◎ (△) (表の見方)1.主な対象施設:(△)禁煙又は分煙等の努力義務 ○屋内完全禁煙の義務 注1)開催時点での規定。国の法律又は開催都市の条例で対応。 注2)学校、医療機関は○、官公庁施設は△ 注3)高校以上は1000㎡以上のみ○、官公庁施設は△ 注4)幼稚園、保育園、小中高校、病院・診療所、官公庁は○、大学、専修学校等は△ 注5)車両は△、駅○ 注6)16人乗以上で有償のもの 注7)子供の輸送用のみ 注8)100㎡以下は努力義務 注9)100㎡以下は努力義務 △ ○/△ 注4) △ △ △ △ △ △ △注8) △注9) △注11) △注12) △ △ -注15) -注15) ◎ ◎ ◎ ◎ △屋内分煙の義務、2.罰則 :◎罰則有り ×罰則無し 注10)客室を除く 注11)700㎡以下は努力義務 注12)100㎡以下は努力義務 注13)観客収容1000人以上のみ 注14)1000㎡以上のみ 注15)事務室等の特定の者が利用する空間を適用除外。 -4- 神奈川県 兵庫県 東京オリンピック・パラリンピックに向けた取組について 東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック 競技大会推進本部(平成27年11月27日)における内閣総理大臣発言 大会は健康増進に取り組む弾みとなるものであり、大会に向け、受動喫煙対策を強化してまいります。 2020年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会の準備及び 運営に関する施策の推進を図るための基本方針(平成27年11月27日閣議決定) 受動喫煙防止については、健康増進の観点に加え、近年のオリンピック・パラリンピック競技大会開 催地における受動喫煙法規制の整備状況を踏まえつつ、競技会場及び公共の場における受動喫煙防 止対策を強化する。 2020年東京オリンピック競技大会・ 東京パラリンピック競技大会に向けた政府の取組 受動喫煙防止対策強化の推進:内閣官房、厚生労働省等 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催を契機として、健康増進の観点に加え、近年 のオリンピック・パラリンピック競技大会開催地における受動喫煙法規制の整備状況を踏まえつつ、幅 広い公共の場等における受動喫煙防止対策を強化するため、2020年東京オリンピック・パラリンピッ ク競技大会関係府省庁連絡会議の下に、 平成28年1月25日に、受動喫煙防止対策強化検討チー ムを立ち上げた。 喫煙率(20歳以上)の年次推移 50 男性 45 46.8 女性 43.3 40 総数 39.3 35 39.9 39.4 38.2 36.8 30 25 27.7 26.4 20 24.2 23.8 24.1 11.3 12 5 11.3 10 11 32.4 19.5 20.1 20.7 9.7 9 32.2 32.2 19.3 19.6 8.2 8.5 23.4 21.8 15 10 34.1 32.2 10.9 9.1 8.4 0 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 出典:厚生労働省「平成26年国民健康・栄養調査」 -5- たばこ対策促進事業 (平成28年度 39,781千円) ○ 事業概要 都道府県において、地域での連携を図り、未成年者の喫煙防止対策、受動喫煙防止対策及び禁煙・節煙を 希望する者に対する支援体制の整備を図る等、地域の実情にあわせた施策を実施する経費に対する国庫補 助事業(補助先:都道府県、保健所設置市、特別区、補助率:1/2) 〈事業内容〉 ○ 未成年者や子どもへの影響の大きい父母等の喫煙防止に関する事業 ・ 学校保健担当者等を対象とした未成年者の喫煙防止に効果的な教育方法等を指導する講習会の 実施など ○ 娯楽施設等における受動喫煙防止に関する事業 ・ 娯楽施設等の事業者を対象とした受動喫煙防止対策に関する講習会の実施など ○ 若年女性に対する普及啓発に関する事業 ・ 喫煙と健康問題に関するチラシ・ポスター等(美容所等へ配布)の作成など ○ 「禁煙普及員」に関する事業 ・ 禁煙成功者等による「禁煙普及員」による草の根的な禁煙・受動喫煙に関する普及啓発活動や、飲食店に おける分煙を推進など ○ たばこ対策関係者で構成される協議会等の設置 ・地域の保健医療関係者を含めたたばこ対策関係者で構成される協議会を設置して事業計画策定、推進及び 評価の実施 「禁煙支援マニュアル」の策定について (1)背 景 平成15年の調査によると、現在習慣的に喫煙している人の割合は、男性で46.8%、女性で11.3%となって おり、このうち「たばこをやめたい」又は「本数を減らしたい」と回答している人が、全体で男女とも約7割にも及ん でいる。 (2)マニュアル策定の目的 禁煙、節煙を希望する者に対する禁煙支援については、厚生労働科学研究において、その手法の研究や参考 となるデータ収集等を行ってきていたが、先般、これまでの成果を基に、効果的な禁煙支援を推進するための「禁 煙支援マニュアル」を平成18年5月に策定した。平成25年4月に改訂し、禁煙支援の推進についての記載が充 実した。 (3)禁煙支援マニュアルの内容等 ① 保健医療の専門職だけでなく、職場の衛生管理者や地域の保健事業担当者の方々も対象とし、「喫煙と健 康」に関する健康教育を行うための必要な基礎知識や、実施方法、留意事項等を解説。 ② 附属のCD-ROM教材により、音声や動画を組み合わせ、具体的にわかりやすく学習できるよう工夫。 ③ 平成18年4月から、禁煙治療に対する保険適用が開始され、たばこをやめるための支援体制が整ってきて いる状況にあることから、各地方自治体や多くの職場等で本書が活用され、受動喫煙も含めたたばこによる健 康被害の減少に役立てられることを期待。 -6- 「喫煙の健康影響に関する検討会報告書」作成のスケジュール 平成27年 11月 平成28年 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 喫煙の健康影響に関する検討会 ● 第2回検討会 (2/24) ● 第1回検討会 (11/30) ● 第3回検討会 (5月を予定) 健康課 助 言 執筆要領等を 決定し、委託 事業に対し助 言を行う。 原 案 た た き 台 提 出 健康課 助 言 委託事業か らの原案た たき台を受 け、委託事 業に対し助 言を行う。 検討会報告書を、 とりまとめる。 原 案 提 出 国立がん研究センター委託事業 (たばこ情報収集・分析事業) 委託事業の協力者が、執筆及び編集査読作業等を行い、「喫煙の健 康影響に関する検討会報告書」原案を、厚労省健康局健康課に提出 する。 予防接種基本計画(平成26年3月厚生労働省告示第121号)の概要 第1 第4 予防接種に関する施策の総合的かつ計画的 な推進に関する基本的な方向 ○「予防接種・ワクチンで防げる疾病は予防すること」を基本的な 理念とすること。 ○予防接種の効果及びリスクについて、科学的根拠を基に比較衡量 する。 第2 国:定期接種の対象疾病等の決定及び普及啓発等。 都道府県:関係機関等との連携及び保健所等の機能強化等。 市町村:適正かつ効率的な予防接種の実施、健康被害の救済等。 医療関係者:予防接種の実施、医学的管理等。 製造販売業者:安全かつ有効なワクチンの研究開発、安定的な供給 等。 被接種者及び保護者:正しい知識を持ち、自らの意思で接種するこ とについて十分認識・理解。 その他(報道機関、教育関係者、各関係学会等):予防接種の効果 及びリスクに関する普及啓発等。 第3 ○ワクチンの価格に関する情報の提供。 ○健康被害救済制度については、客観的かつ中立的な審査を実施。 制度の周知等を実施。 ○接種記録については、母子健康手帳の活用を図る。国は、予防接 種台帳のデータ管理の普及及び活用について検討。 第5 国、地方公共団体その他関係者の予防接種 に関する役割分担に関する事項 予防接種に関する施策の総合的かつ計画的 な推進に係る目標に関する事項 予防接種の研究開発の推進及びワクチンの供給の 確保に関する施策を推進するための基本的事項 ○6つのワクチン(MRワクチンを含む混合ワクチン、DPT-I PVを含む混合ワクチン、改良されたインフルエンザワクチン、ノ ロウイルスワクチン、RSウイルスワクチン及び帯状疱疹ワクチ ン)を開発優先度の高いワクチンとする。 ○危機管理の観点から、ワクチンを国内で製造できる体制を整備す る必要。 第6 予防接種の有効性及び安全性の向上に関する 施策を推進するための基本的事項 ○科学的根拠に基づくデータを収集。有効性及び安全性を向上。 ○定期接種の副反応報告については、審議会において定期的に評価、 検討及び公表する仕組みを充実。 第7 ○当面の目標を「ワクチン・ギャップ」の解消、接種率の向上、新 たなワクチン開発、普及啓発等とする。 ○おたふくかぜ、B型肝炎及びロタウイルス感染症について、検討 した上で必要な措置を講じる。 ○予防接種基本計画は少なくとも5年毎に再検討。必要があるとき は、変更。 予防接種の適正な実施に関する施策を推進 するための基本的事項 予防接種に関する国際的な連携に関する事項 ○WHO等との連携を強化。 ○諸外国の予防接種制度の動向等の把握に努める。 第8 その他予防接種に関する施策の総合的かつ 計画的な推進に関する重要事項 ○同時接種、接種間隔等について、分科会等で検討。 ○衛生部局以外の部局との連携を強化。 -7- 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会での審議内容 【引き続き検討となったワクチン】 ワクチン名 委員からの主な意見・審議内容等 ○ おたふくかぜ 仮に広く接種をするに当たっては、より高い安全性が期待出来るワク チンの承認が前提であり、新たなMMRワクチンの開発が望まれる。 ○ 仮にそのようなワクチンが開発・承認された場合には、生後12月から 生後24月に至るまでの間にある者を対象に1回接種し、小学校就学の始 期に達する日の1年前の日から当該始期に達する日の前日までの間にあ る者を対象に2回目の接種をすることが望ましい。 ○ ロタウイルス感染症発症者数(入院者数)や腸重積症のベースライン データ、ワクチン導入後の腸重積症患者数など追加データを収集し、有 効性・安全性の評価や医療経済学的な評価等が引き続き必要。 ロタ 日本脳炎の定期の予防接種について【平成28年度 特例対象者対応案】 ●定期接種の対象年齢 1期・・・生後6か月以上7歳6か月未満 2期・・・9歳以上13歳未満 ●積極的勧奨を実施する期間(標準的な接種年齢) 1期(2回接種)・・・3歳 1期追加(1回接種)・・・4歳 2期(1回接種)・・・9歳 ・マウス脳由来ワクチン接種後の重症のADEM(急性散在性脳脊髄炎)の発生を踏まえ、平成17年5月30日から、積極的勧奨を差し控 え、特に希望する者のみに接種することとした。 ・平成21年2月に「乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン」が薬事承認されたことから、積極的勧奨の差し控えは平成22年3月31日に終了し、 ワクチンの供給状況を踏まえつつ、順次、積極的勧奨を再開している。 ※生まれた年度/平成28年度に迎える年齢(歳) 標準的な接種年齢 政令上の接種対象年齢 【積極的勧奨の実施】 23・ 1期追加 24・ 1期追加 25・1期追加 26・1期追加 27・ 2期 28・ 2期 生年度 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 年齢 19 18 17 16 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 23・ 1期 25・1期 B A 平成17~21年度に9 歳。 2期の積極的勧奨を中止 24・1期 平成17年度に4 歳。1期追加の積 極的勧奨を中止 C 平成17~21年度に3歳。 1期・1期追加の積極的勧奨を中止 平成28年度の対応(予定) ・2期接種の積極的勧奨 → Aの18歳(H10年度生) → Bのうち積極的勧奨の差し控え期間中に1期・1期追加の接 種を完了した者(ただし市町村が実施可能な範囲で実施) ・2期接種の積極的勧奨の再開 → Cの者のうち9歳の者 平成25年度 【政令改正】 ・ 20歳まで接種可能とする者に、平成7年4月2日~5月31日生まれの者を追加(25年度) 【積極的勧奨の実施】 ・1期接種の積極的勧奨 → Bの25年度時に7歳(H18年度生) 、8歳(H17年度生)の者 ・1期追加接種の積極的勧奨 → Bの25年度時に9歳(H15年度生)、10歳(H16年度生)の者 ・2期接種の積極的勧奨 → Aの当時18歳(H7年度生)の者 → Bのうち積極的勧奨の差し控え期間中に1期・1期追加の接種を完了した者 (ただし市町村が実施可能 な範囲で実施) -8- 通常のスケジュールで実施 平成22年度~:3歳児の積極的勧奨を再開 (通常の接種スケジュールで実施) 平成28年度~:9歳児の積極的勧奨を実施予定 平成27年度の対応 ・2期接種の積極的勧奨 → Aの18歳(H9年度生) → Bのうち積極的勧奨の差し控え期間中に1期・1期追加の接 種を完了した者(ただし市町村が実施可能な範囲で実施) 平成26年度 ・1期追加の積極的勧奨 → Bの8歳(H18年度生)、 9歳(H17年度生) ・2期接種の積極的勧奨 → Aの18歳(H8年度生) → Bのうち積極的勧奨の差し控え期間中に1期・1期追加 の接種を完了した者(ただし市町村が実施可能な範囲で 実施) 平成24年度:8歳、9歳(1期)、10歳(1期追加)接種の積極的勧奨 平成23年度:9歳(1期)、10歳(1期追加)接種の積極的勧奨 HPVワクチンに関する最近の動向(平成27年度) 時期 事項 平成27年8月19日 医師会・医学会が「HPVワクチン接種後に生じた症状に対する診療の手引き」発刊 厚生労働省から各都道府県を通じて、全国の市区町村及び医療機関に対して情報提供 平成27年9月17日 第15回予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会 → 副反応追跡調査について結果公表 また、非特異的対応で回復した症例の分析を含めた臨床的研究や、HPVワクチン接種の有無によらない 機能性身体症状の頻度等に関する疫学的研究によって得られる知見も含め検討継続が必要であり、現時 点では積極的勧奨の一時差し控えは継続することが適当とされた 【副反応検討部会での議論を踏まえ厚生労働省として以下の方針を打ち出し】 ①救済に係る速やかな審査、②救済制度間の整合性の確保、③医療的な支援の充実、④生活面での支援 の強化、⑤調査研究の推進 平成27年9月18日 疾病・障害認定審査会 感染症・予防接種審査分科会において定期予防接種対象者に係る審査開始 平成27年9月24日 薬事・食品衛生審議会 副作用・感染症等被害判定部会において基金事業対象者に係る審査開始 平成27年9月30日 「ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に症状が生じた方に対する相談・支援体制の充実について」 (厚生労働省健康局長、文部科学省スポーツ・青少年局長連名通知)発出 平成27年10月22日 「「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業」に基づく接種に係る医薬品副作用被害救済制度の請求期限の 周知について」(厚生労働省健康局健康課、医薬・生活衛生局安全対策課連名事務連絡)発出 平成27年11月16日 各都道府県等の衛生部門及び教育部門に相談窓口を設置・公表 平成27年12月1日 「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業による健康被害の救済について」(厚生労働省健康局健康課事務 連絡)発出 HPVワクチン接種後に生じた症状に対する当面の対応 【 基 本 方 針 】 ◆寄り添う姿勢 ⇒◇速やかな個別救済、◇医療支援の充実、◇生活に寄り添う支援の強化 ◆科学的知見の尊重⇒◇機能性身体症状が要因である可能性が高いものの、更なる知見充実が必要 ◇積極的接種勧奨の差し控えは継続 1.救済に係る速やかな審査 我が国の従来からの救済制度の基本的考え方「厳密な医学的な因果関係までは必要とせず、接種後の症状が 予防接種によって起こることを否定できない場合も対象とする」に則って、速やかに救済に係る審査を実施。 個々の審査は、合同会議の議論を参考とし、症例の全体像を踏まえて個々の患者の方ごとに丁寧に評価。 2.救済制度間の整合性の確保 定期接種化以前に基金事業で行われたヒブ、小児用肺炎球菌を含めた3ワクチンの救済について、接種後に 生じた症状で、因果関係が否定できないと認定されたが「入院相当」でない通院は、予防接種法に基づく接種と 同等の医療費・医療手当の範囲となるよう、予算事業による措置を講じる。 3.医療的な支援の充実 協力医療機関の医師向けの研修等の実施により、引き続き、診療の質の向上を図る。 診療情報を収集し知見の充実を図るフォローアップ研究について、協力医療機関に加え、協力医療機関と連携し 積極的な診療を行う医療機関にも拡大し、協力いただける方は調査協力支援金の対象に。 かかりつけ医等の一般医療機関に対し、日本医師会等の協力を得て、「HPVワクチン接種後に生じた症状に対 する診療の手引き」を周知し、適切な医療の提供を促す。 4.生活面での支援の強化 患者・保護者からの多様な相談に対応するため、厚生労働省と文部科学省が連携し、相談・支援体制を整備。 • 各都道府県等の衛生部局に「ワンストップ相談窓口」を設置 • 各都道府県の教育部門に設置された相談窓口等と連携し個別具体的な相談の対応。 • 衛生部門、教育部門の相談窓口の担当職員対象に、厚労省・文科省合同で説明会を実施。 5.調査研究の推進 従来の臨床的観点からの研究に加え、疫学的観点からの研究の実施を検討する。 -9- 子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業による健康被害の救済について 平成27年12月1日付 各都道府県衛生主管部(局)宛 健康局健康課事務連絡 基金事業※1により実施したヒトパピローマウイルスワクチン、ヒブワクチン及び小児用肺炎球菌ワクチンの接種後に生じた症状 について、PMDA法※2に基づく救済の審査の結果、支給決定又は不支給決定通知書(以下「通知書」という。)において当該症状 が医薬品の副作用(副反応)によるとして、疾病・症状の名称が示された場合であっても、入院治療を必要とする程度の医療(以下 「入院相当」という。)に該当しない場合には、PMDA法に基づく医療費・医療手当は不支給となることから、予防接種法に基づく救済 と同等に、通院についても、予算事業による措置(医療費・医療手当の支援)を講じる旨をお知らせしてきたところです。 今般、当該者に対して、(公財)予防接種リサーチセンターにおいて、下記のとおり、医療費・医療手当相当額を健康管理支援手当 として支給することとしましたので、お知らせします。つきましては、管内市町村(保健所を設置する市及び特別区を含む。)に対し、 基金事業による被接種者に対し、この取扱いを周知していただきますようお願いするとともに、その請求に遺漏なきよう、引き続き 周知方よろしくお取り計らい願います。 記 1.基金事業による接種後の症状について、PMDA法による判定の結果、医薬品の副作用(副反応)による疾病の名称が通知書に 示されたが、「入院相当」に該当しない医療費・医療手当相当額の請求について、健康管理支援手当の支給の対象とします。 2.基金事業に基づく接種により生じた症状に関する医療費・医療手当の給付を求める被接種者は、入院治療の有無にかかわら ず、給付に係る請求書をPMDAに対して提出します。 3.1に記載の該当者に対しては、PMDAからの通知書と併せて、予算事業に関する事業概要・請求様式等が同梱される予定です。 ※1 「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業の実施について」(平成22年11月26日付け健発1126第10号厚生労 働省健康局長、薬食発1126第3号厚生労働省医薬食品局長通知)に基づく子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事 業をさす。 ※2 医薬品医療機器総合機構法 子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業による健康被害の救済について 子宮頸がん等 ワクチンによる 副作用(副反応) 健康被害者 ①給付請求 ②判定の申出 ① ② ⑥ (独)医薬品医療機器 総合機構 ⑥決定通知及び医療費等の 給付制度のお知らせと申請 書類を同封 ⑦ ⑧ ⑤ ③諮問 厚生労働大臣 厚生労働省 ⑤判定結果 の通知 ③ ④ ④答申 薬事・食品 衛生審議会 補助金の交付 予算事業による措置 (医療費・医療手当の支援) ⑦給付申請※ (公財)予防接種リ サーチセンター ⑧書類審査、医療費等の支給 ※ 関連性は否定できないとされたが、「入院相当」に 非該当であることから、PMDA法に基づく救済では 支給されないものが予算事業の対象 - 10 - ワクチン・血液製剤産業タスクフォースについて ◆ 目 的 今般の一般財団法人化学及血清療法研究所における事案を契機として明らかになった、 ワクチン、血液製剤の安定的な供給に関する課題に対処するため、ワクチン・血液製剤産 業のあり方を含め抜本的な対応を検討することとし、事務次官を本部長とする「ワクチン・血 液製剤産業タスクフォース」(副本部長:医政局長、健康局長、医薬・生活衛生局長、技術 総括審議官)を立ち上げ、省を挙げて今後の対応を検討する。 ◆ 検討事項 ワクチン・血液製剤産業のあり方について ・ ワクチン・血液製剤供給体制のあり方(企業規模、市場構造、価格設定、国際展開) ・ 製造販売事業者におけるガバナンスやコンプライアンスのあり方について 【検討における留意点】 ・ パンデミック等の危機管理体制 ・ 一部の血液製剤や抗毒素等、希少疾病用製剤の取扱い ・ 善意の献血の確保対策、適正使用 ◆ 組 織 ・ 事務次官を本部長とし、顧問に有識者を5名、副本部長に医政局長、健康局長、医 薬・生活衛生局長及び技術総括審議官、本部員に大臣官房審議官(健康、生活衛生担 当)及び大臣官房審議官(医薬担当)を始めとして関係課長等で構成する。 ・ 個別具体的な議論を行うため、本タスクフォースは非公開とする。 ◆ 設 置 平成27年12月25日設置 予防接種センター機能推進事業について 事業の内容 予防接種センター機能を有する医療機関は、次に掲げる事業の全部又は一部を実施するものとする (1)予防接種の実施等 平日、休日・時間外において、慎重に予防接種を実施する必要のある予防接種要注意者等に対する予防接種を市町村 からの委託により実施すること。 また、健康被害が発生した場合に迅速かつ的確な対応を図るものであること。 (2)国民への予防接種に関する正しい知識や情報の提供 副反応を含む予防接種に関する正しい知識や情報、さらには感染症に関する知識等の提供を行うこと。 (3)医療相談事業 予防接種要注意者に対し、予防接種の事前・事後における医療相談事業を実施すること。 また、地域における予防接種に対する支援機関として、地域の医療機関等からの相談等にも応ずるものとすること。 (4)医療従事者向け研修の実施 医療従事者において、予防接種の手技、器具の取扱い、感染防止策、感染事例、感染症の正確な知識等を学び続ける ため、国が例示する最新の知見を踏まえたカリキュラムやテキストを使用するなどして、地域の医師会等と連携しつ つ、医療従事者を対象とする研修を実施すること。 *予防接種センター機能推進事業 地方自治体での予防接種要注意者や情報提供、医療相談等を実施するための機能病院の設置に必要 な経費について、補助を実施。 ○補助先:都道府県 ○補助率:1/2 ○補助額:1県あたり326万円(平日※)× 1/2 ※ 休日・時間外は120.4万円 現時点において19県31カ所の設置にとどまっており、地域での予防接種の中核機能として、予防 接種センターの機能の全都道府県設置及び機能強化について、ご理解とご協力をお願いしたい。 - 11 - 健康日本21(第二次)の概要 ○ 平成25年度から平成34年度までの国民健康づくり運動を推進するため、健康増進法に基づく「国民の健康の増進の総合 的な推進を図るための基本的な方針」(平成15年厚生労働大臣告示)を改正するもの。 ○ 第一次健康日本21(平成12年度~平成24年度)では、具体的な目標を健康局長通知で示していたが、目標の実効性を高 めるため、大臣告示に具体的な目標を明記。 健康の増進に関する基本的な方向 ① 健康寿命の延伸と健康格差の縮小 ・生活習慣の改善や社会環境の整備によって達成すべき最終的な目標。 ・国は、生活習慣病の総合的な推進を図り、医療や介護など様々な分野における支援等の取組を進める。 ② 生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底(NCD(非感染性疾患)の予防) ・がん、循環器疾患、糖尿病、COPDに対処するため、一次予防・重症化予防に重点を置いた対策を推進。 ・国は、適切な食事、適度な運動、禁煙など健康に有益な行動変容の促進や社会環境の整備のほか、 医療連携体制の推進、特定健康診査・特定保健指導の実施等に取り組む。 ③ 社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上 ・自立した日常生活を営むことを目指し、ライフステージに応じ、「こころの健康」「次世代の健康」「高齢者の健康」 を推進。 ・国は、メンタルヘルス対策の充実、妊婦や子どもの健やかな健康増進に向けた取組、介護予防・支援等を推進。 ④ 健康を支え、守るための社会環境の整備 ・時間的・精神的にゆとりある生活の確保が困難な者も含め、社会全体が相互に支え合いながら健康を守る 環境を整備。 ・国は、健康づくりに自発的に取り組む企業等の活動に対する情報提供や、当該取組の評価等を推進。 ⑤ 栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙、歯・口腔の健康に関する生活習 慣の改善及び社会環境の改善 ・上記を実現するため、各生活習慣を改善するとともに、国は、対象者ごとの特性、健康課題等を十分に把握。 平均寿命と健康寿命の推移 平均寿命 (年) (年) 85 85 85.59 85.99 86.30 86.61 84.93 72.65 72.69 73.36 73.62 74.21 平成13年 平成16年 平成19年 平成22年 80 80 78.07 78.64 79.19 69.40 69.47 平成13年 平成16年 79.55 80.21 75 70 65 女性 90 男性 90 75 健康寿命 70.33 70.42 平成19年 平成22年 71.19 70 65 平成25年 平成25年 【資料】平均寿命:平成13・16・19・25年は、厚生労働省「簡易生命表」、平成22年は「完全生命表」 - 12 - 健康寿命とは:日常生活に制限のない期間 男性 ○平成25年の健康寿命は 男性71.19年、女性74.21年 79.55 平成22年 70.42 9.13年 80.21 平成25年 71.19 ○健康寿命は 男性0.78年、女性0.59年延伸 (対平成22年) 9.02年 ○日常生活に制限のある期間は 男性0.11年、女性0.28年短縮 (対平成22年) 女性 86.30 平成22年 73.62 12.68年 平成25年 86.61 74.21 平均寿命 【資料】 ○平均寿命:厚生労働省「平成22年完全生命表」 「平成25年簡易生命表」 ○健康寿命:厚生労働省「平成22年/平成25年簡易生命表」 厚生労働省「平成22年/平成25年人口動態統計」 厚生労働省「平成22年/平成25年国民生活基礎調査」 総務省「平成22年/平成25年推計人口」 より算出 12.40年 健康寿命 ※健康日本21(第二次)の目標:平均寿命の増加分を上回る健康寿命の増加(平成34年度) 日本再興戦略及び健康・医療戦略の目標:「2020年までに国民の健康寿命を1歳以上延伸」(平成32年) 国民や企業への健康づくりに関する新たなアプローチ <スマート・ライフ・プロジェクト> ○背景:高齢化の進展及び疾病構造の変化を踏まえ、特定健診等により生活習慣病等を始めとした疾病を予 防・早期に発見することで、国民の健康寿命の延伸と健康格差の縮小を図り、健やかで心豊かに生 活できる活力ある社会を実現することが重要である。 ○目標:健康づくりに取り組む企業・団体・自治体を支援する「スマート・ライフ・プロジェクト」を推進 し、個人や企業の「健康意識」及び「動機付け」の醸成・向上を図り、社会全体としての国民運動 へ発展させる。 <事業イメージ> 厚生労働省 <立命館大学父母教育後援会に 厚生労働大臣最優秀賞を授与> ○スマート・ライフ・プロジェクトへの参画の呼びかけ ○社員・住民の健康づくりのためのリーフレットやポスターの提供 ○大臣表彰「健康寿命をのばそう!アワード」 ○いきいき健康大使の任命、各種イベントでの健康づくりの呼びかけ ○健康日本21推進全国連絡協議会との連携 団体 企業 自治体 ・メディア ・外食産業 社内啓発や消費者への啓発活動に利用するロゴ マーク の使用(商品パッケージなど) → 企業等の社会貢献と広報効果 ・フィットネスクラブ ・食品会社 等 社員・住民の健康づくりや健診促進のためのポ スター等による啓発 → 社員・住民の健康意識の向上・促進 社会全体としての国民運動へ - 13 - 平成26 健康寿命をのばそう!アワード 受賞取組 第4回(H27.11.16) ○厚生労働大臣賞 表彰名 最優秀賞 企業部門 優秀賞 団体部門 優秀賞 自治体部門 優秀賞 事業者・ 団体名 応募対象名 立命館大学 父母教育後援会 100円朝食による学生の健康管理、生活リズムの維持活動 株式会社デンソー/デンソー健康保険組合 データDEコラボヘルス ~社員と家族の健康づくり活動への取り組み~ 全国健康保険協会 広島支部 ヘルスケア通信簿で「今」を知り、「未来」を創れば健康経営危うからず~コラボヘルスで目指せ長寿企業~ 茨城県 『シルバーリハビリ体操指導士』による住民参加型の健康づくり・介護予防事業 ○厚生労働省健康局長賞 表彰名 企業部門 優良賞 団体部門 優良賞 自治体部門 優良賞 事業者・ 団体名 応募対象名 アクロクエストテクノロジー株式会社 全社員で考えた禁煙への取り組み JFEスチール㈱西日本製鉄所(倉敷地区) 生涯を通じて運動器の低下を防ぐロコモ予防 ~2つの職場体操と体力レベルの見える化~ 塩澤信用組合 いきいき健康特別金利定期預金 株式会社 広島銀行 地元中小企業の『健康経営』促進に向けた『〈ひろぎん〉健康経営評価融資制度』の創設 独立行政法人都市再生機構 UR賃貸住宅における「健康寿命サポート住宅」の取り組み 特定非営利活動法人 日本サスティナブル・コミュニティー・センター 『ポケットカルテ』及び地域共通診察券『すこやか安心カード』 山県食生活改善推進員連絡協議会 塩分摂取量全国1位からの脱却! 『私達の健康は私達の手で』健康づくりのボランティア活動の取り組み 青森県 「『だし活』で減塩推進!減塩の普及啓発を目的とした、青森生まれのだし商品『できるだし』の商品開発と販促活動」 蒲郡市(愛知県) 全庁的に取り組むPDCA健康戦略 メタボ率1位脱却!市民が意識し市が動いた『体重測定100日チャレンジ めざせ1万人』 新潟県 健康寿命の延伸に向けて取り組む県民運動『にいがた減塩ルネサンス運動』 久山町(福岡県) 将来の糖尿病発症を予測する「健康みらい予報」を活用した糖尿病予防対策~福岡県久山町の官学連のとりくみ~ 大和市(神奈川県) 『健康都市やまと』の取り組み ~『外出したくなるまちづくり』と『保健師・管理栄養士の地域訪問活動』を事例として~ ○厚生労働省保険局長賞 表彰名 優良賞 事業者・ 団体名 応募対象名 オートバックス健康保険組合 『事業主との協働』~健康リスクの『見える化』による生活習慣病の発症予防と重症化防止活動の実践~ 全国健康保険協会 兵庫支部 GISを活用した健診受診率向上事業 栄養対策について ○多様な課題やニーズに応える多機関参画型の環境づくりや人材育成・人材の確保 ○栄養特性の違いに着目したエビデンスの収集・整理による効果的な栄養・食生活支援の実現 ○自治体や関係機関等との協働による、地域における栄養ニーズへの対応の強化 【現 状】 食事の選択が多様 となり、バランスのと れた食事の普及が 必要 栄養・食生活につい て、国民や社会の栄 養に関する課題や ニーズが多様化し、 個人の努力だけでは 改善が困難な状況も みられる。 【対策の方向性】 【目 的】 特性や地域の違い に着目した栄養に 関するエビデンスの 収集・整理が必要 医療や介護におい て多様なニーズに 対応できるもった人 材の育成・確保が 必要 地域の栄養ニーズ に対応できる体制 づくりが必要 Ⅰ.健康な食事を入手しやすい環境づくり (1)食品産業、関係学会等を巻き込んだ「健康な食事」の普及促進 (2)減塩に取り組む食品企業を増やし、「おいしく減塩」を推進 (3)食生活改善普及運動(9月):引き続き野菜の摂取量の増加と共に 減塩など健康な食事の普及に資する内容として展開 Ⅱ.栄養特性の違いに着目したエビデンスの収集・整理 (1)栄養・食生活の地域格差の実態把握 (平成28年国民健康・栄養調査において拡大調査実施) (2)栄養と食品価格との関連の検証 (3)高齢者の低栄養予防のための基準づくりの検討 Ⅲ.重点領域での人材育成・確保 (1)がんや摂食嚥下などを専門とする管理栄養士の育成システムの構築 (2)増大する在宅療養者の栄養ケアを担う管理栄養士の確保の促進 (3)管理栄養士の国家試験の早期化(H29年度)に向けた対応 Ⅳ.地域における栄養ニーズへの対応 (1)自治体等との協働・提案による効果的な取組の推進 (2)食品関連産業等との協働による糖尿病予防対策の推進 - 14 - Ⅰ.「健康な食事」を入手しやすい環境づくり(1) ○食品産業、関係学会等を巻き込んだ「健康な食事」の普及促進 毎日主食・主菜・副菜を揃えて食べる者 の割合の現状と目標 (%) 平成27年9月に健康な食事に関する通知を 自治体及び関係団体宛てに発出 100 80 80.0 68.1 67.8 63.3 60 40 20 0 平成23年度 24年度 26年度 健康日本21 目標 (第二次) 目標 ①健康な食事の普及について、 ・ 健康な食事の考え方を整理した リーフレットを作成。 ・ 栄養バランスの確保のため、 主食・主菜・副菜を組み合わせた 食事の推奨を図るためにシンボル マークを作成。 ②生活習慣病予防や健康増進の観点から、事業者 等による栄養バランスのとれた食事の提供のため に、主食・主菜・副菜ごとの目安を提示。 出典:内閣府「食育に関する意識調査」 ①厚生労働省健康局長通知「『健康な食事』の普及について」 (平成27年9月9日健発0909第3号) ②厚生労働省健康局長通知「生活習慣病予防その他の健康 増進を目的として提供する食事の目安の普及について」(平 成27年9月9日健発0909第6号) Ⅰ.「健康な食事」を入手しやすい環境づくり(2) ○減塩に取り組む食品企業を増やし、「おいしく減塩」を推進 食塩摂取量の現状と目標 スマート・ライフ・プロジェクトに参画する食品企業 数の増加の促進 (g/日) 15 12 10.6 10.4 10.4 10.2 食品中の食塩や脂肪の低減に取り組む食品企業数の推移 10.0 8.0 9 (社) 120 91 100 6 80 100 67 60 3 40 20 0 平成 22年 23年 24年 25年 出典:厚生労働省「国民健康・栄養調査」 26年 健康日本21 (第二次) 目標 14 0 平成24年 25年度末 26年度末 目標 「食塩または脂肪の含有量の低減を行っている」企業の登 録については、食塩や脂肪の含有量について従来品と比 べ10%以上の低減を行っていることを要件とする事を本年 度中に周知し、来年度から新たな要件での登録を開始予 定。 - 15 - Ⅰ.「健康な食事」を入手しやすい環境づくり(3) 平成28年度食生活改善普及運動(予定) 【概要】 ○「健康日本21(第二次)」の目標の達成に向けて、毎年9月に実施 ○平成28年度は、「健康日本21(第二次)」における栄養・食生活の目標の一つである「野菜と果物の摂 取量の増加」、「食塩の摂取量の減少」など、健康な食事の実践につながる運動として重点的に展開。 ○具体的には、「スマート・ライフ・プロジェクト」における企業協働の取組の一環として、実施予定。 【平成27年度の実施例】 【平成28年度の実施方法】 ○毎日プラス一皿の野菜や1日当たりマイナス1gの食塩摂取量を目 指した取組が円滑に進むよう、小売店での具体のメニューの紹介や 飲食店等で活用可能なPOP類及び活用方法のリーフレットについ て、27年度と同様「スマート・ライフ・プロジェクト」のHP※上からダウン ロード・印刷できるように検討 ※ http://www.smartlife.go.jp/plus1tool ○各自治体及び主要事業者団体等にその旨を周知 普及運動の実施にあわせ、重点課題に関する新たな情報を 整理し、発信していくことも検討。 Ⅱ.栄養特性の違いに着目したエビデンスの収集・整理 国民健康・栄養調査の実施 【平成28年度予算(案) 296百万円】 平成25年~28年国民健康・栄養調査 調査計画 「国民健康・栄養調査企画解析検討会(平成25年4月17日)」において決定。 調査テーマ 調査項目 H24 大規模年 身体計測 身 体 状 況 問診 血圧 血液検査 栄養・食生活 身体活動・運動 休養 地 域 格 差 喫煙 飲酒 歯の健康 その他(高齢者、所得等) H25 各 種 基 準 に 関 わ る 実 態 把 握 詳細については下記URL掲載の資料より、資料4をご参照ください。 (URL : http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000300cg-att/2r985200000300h3.pdf) - 16 - H26 H27 所 得 格 差 社 会 環 境 の 整 備 状 況 H28 大規模年 地 域 格 差 ○平成28年国民健康・栄養調査では拡大調査を実施 《調査規模の拡大》 健康日本21(第二次)の中間評価に向けて、地域ごとに把握、比較分析し、健康づくり施策を展開していく ための資料とするため、調査地区を拡大した国民健康・栄養調査(拡大調査)を実施する。 【背景・目的】 ○健康日本21(第二次)において、基本的な方向性 として健康の地域格差等の縮小を設定 ○健康日本21(第二次)の開始時の現状把握とし て、平成24年国民健康・栄養調査において拡大調査 を実施 ○健康日本21(第二次)の中間評価として、平成28 年に拡大調査を実施予定 地域格差の例 (前回拡大調査:平成24年国民健康・栄養調査結果) 【拡大調査の概要】 〈調査地区〉 通常年:約6,000世帯、約15,000人 →平成28年(予定):約20,000世帯、約50,000人(平成24年調査と同規模、通常年の約4倍) 〈調査項目〉 1)身体状況調査票(身長、体重、腹囲、血圧測定、血液検査等) 2)栄養摂取状況調査票(食品摂取量、栄養素等摂取量、食事状況(欠食・外食等)) 3)生活習慣調査票(食生活、身体活動・運動、休養(睡眠)、喫煙等に関する生活習慣全般を把握) ※調査地区の抽出方法については、本年度中に周知予定。 ○平成26年国民健康・栄養調査では、所得と生活習慣等に関する状況について把握。 平成26年調査・所得の低い世帯では、所得の高い世帯と比較して、穀類の摂取量が多く野菜類や肉 類の摂取量が少ない、習慣的に喫煙している者の割合が高い、健診の未受診者の割合が高い、歯の 本数が20歯未満の者の割合が高いなど、世帯の所得の違いにより差がみられた。 割合また は平均* 世帯所得 200万円以上~ 600万円未満 割合また は平均* 穀類摂取量(男性) 535.1g 520.9g 494.1g ★ 穀類摂取量(女性) 372.5g 359.4g 352.8g ★ 野菜摂取量(男性) 253.6g 288.5g 322.3g ★ ★ 野菜摂取量(女性) 271.8g 284.8g 313.6g ★ ★ 肉類摂取量(男性) 101.7g 111.0g 122.0g ★ ★ 肉類摂取量(女性) 74.1g 78.0g 83.9g ★ ★ 現在習慣的に喫煙している者の割合(男性) 35.4% 33.4% 29.2% ★ ★ 現在習慣的に喫煙している者の割合(女性) 15.3% 9.2% 5.6% ★ ★ 未受診者の割合(男性) 42.9% 27.2% 16.1% ★ ★ 未受診者の割合(女性) 40.8% 36.4% 30.7% ★ 20歯未満の者の割合(男性) 33.9% 27.5% 20.3% ★ ★ 20本未満の者の割合(女性) 31.2% 26.5% 25.8% ★ ★ 世帯所得 200万円未満 1.食生活 2.たばこ 3.健診 4.歯の本数 引き続き、栄養と食品の価格との関連を検証。 - 17 - 世帯所得 600万円以上 割合また は平均* 200万円 200万円 以上~ 未満** 600万円 未満** ★ 健康日本21(第二次)分析評価事業 【平成28年度予算(案) 30百万円】 目 的 平成25年度より開始した「健康日本21(第二次)」で設定された目標達成に向け、主要な項目につい ては継続的に数値の推移等の調査や分析を行い、都道府県における健康状態や生活習慣の状況の 差の把握に努める必要があることから、独立行政法人国立健康・栄養研究所に委託事業として実施。 事業内容 ○ 健康日本21(第二次)に関する目標項目について、現状値を更新し、グラフ化。 ○ 「健康日本21(第二次)」の目標設定などに用いられている国民健康・栄養調査における主要な データの経年変化と諸外国との比較に関する分析。 ○ 健康格差に関する基本データとして、国民健康・栄養調査における都道府県別の状況や、都道府 県等健康増進計画の目標及び取組の進捗状況についての整理。 ○ 平成28年3月に、諸外国における栄養調査の状況及び食事摂取基準で目標量を定めている栄養 素のファクトシートを掲載予定。 ○平成28年度は、さらに国民健康・栄養調査の精度向上に向けた基盤整備や食環境の整備に必要と なる情報収集及びデータベースを構築し、専用のホームページに掲載予定。 ・都道府県健康増進計画一覧 http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kenkounippon21/zoushinkeikaku/t odoufuken.html Ⅲ.重点領域での人材育成・確保(1) 管理栄養士専門分野別育成事業 【平成28年度予算(案) 20百万円】 ○ 高度な専門性を発揮できる管理栄養士の育成を図るため、厚生労働省の委託事業(委託先:日本栄養士 会)として、平成25年度から「管理栄養士専門分野別育成事業」を実施。 ○ 特定の専門分野で一定年数の実務に従事し、自己研鑽に努め、栄養の指導に関する実績を有する者を、 生涯教育の一環として認定していくことをねらい。 ○ 高度な専門技術の獲得のために、学会との協働でシステム構築を図るもの。 日本栄養士会 関係学会 管理栄養士 在宅訪問栄養専門管 理栄養士(仮称) 在宅領域 摂食嚥下リハ専門 管理栄養士(仮称) 摂食嚥下領域 CKD領域 がん領域 - 18 - 日本在宅栄養管理学会 (予定) 日本摂食嚥下リハビリ テーション学会 腎臓病病態栄養 専門管理栄養士 日本腎臓学会・日 本病態栄養学会 がん病態栄養 専門管理栄養士 日本病態栄養学会 【平成26年度予算 40百万円】 Ⅲ.重点領域での人材育成・確保(2) 栄養ケア活動支援整備事業 【平成28年度予算(案) 40百万円】 〈背景・課題〉 2011年から2025年に在宅療養者が17万人から29万人、居宅介護者が335万人から510万人と増加することが推計されており、現状の医療 施設等に勤務する管理栄養士・栄養士では、対応することができないため、栄養ケアを担う人材の確保が急務である。 〈事業の目的・概要〉 増大する在宅療養者に対する食事・栄養支援を行う人材が圧倒的に不足していることから、潜在管理栄養士・栄養士の人材確保、関係機関・関係 職種と連携した栄養ケアの先駆的活動を全国単位又は地域単位で行う公益法人等の民間の取組の促進・整備を行う。 今後、地域での栄養ケアの安定的かつ継続的な展開を目指し、地域の実情にあわせた多様な主体による取組の促進も図る方向。 平成26年度採択(9団体) 平成27年度採択(6団体) 茨城県栄養士会 医療機関や地域包括ケアセンターと連携した栄 養ケア 茨城県栄養士会 医療機関や地域包括ケアセンター、地域ボラン ティアと連携した栄養ケア 埼玉県栄養士会 地域包括ケアシステムと連動する栄養ケア 埼玉県栄養士会 地域包括ケアシステムと連動する栄養ケア(地 域栄養ケアユニット)の設置 新潟県栄養士会 医療・福祉の垣根を越えた在宅訪問栄養ケア 京都府栄養士会 地域の医療・介護関係者と連携した栄養ケア 京都府栄養士会 地域の医療関係者と連携した栄養ケア 兵庫県栄養士会 「My お食事メモ」を活用した在宅での栄養ケア 福岡県栄養士会 地域における訪問歯科診療と連携した栄養ケア 大分県栄養士会 訪問看護ステーションを活用した栄養ケア 佐賀県栄養士会 サテライトケアステーションを活用した栄養ケ ア 駒沢学園 地域かかりつけ医師と大学の連携による栄養ケ ア 大分県栄養士会 調剤薬局を活用した栄養ケア 沖縄県栄養士会 離島・過疎地域に対する栄養ケア 駒沢学園 地域と大学の連携による栄養ケア Ⅲ.重点領域での人材育成・確保(3) ○管理栄養士国家試験の早期化に伴う事務手続について 管理栄養士国家試験は、例年、 試験日を3月下旬、合格発表日を5月上旬に行って いるところであるが、平成29年度(平成30年3月)実施の国家試験より、試験日を3月上 旬、合格発表日を3月中に行う予定に変更したところである。 (参考)「管理栄養士国家試験の実施時期等の変更について」(平成24年2月9日健発0209第5号) この変更に伴い、各都道府県におかれては、管内管理栄養士養成施設との調整の 下、受験に係る事務手続を遅延無く行っていただくよう準備方お願いする。 12月 1月 2月 3月 4月 5月 現行 試 験 日 願書 配布 H29年度以 降(予定) 試 験 日 願書 配布 - 19 - 合格 発表 日 合格 発表 日 Ⅳ.地域における栄養ニーズへの対応(1) 行 政 栄 養 士 数 の 推 移 (人) 前年度より、117名増加 7,000 総数 6,000 5,451 5,241 4,311 6,178 5,980 5,608 5,468 5,000 4,000 6,061 5,877 市町村 4,585 4,043 3,820 3,882 3,000 2,000 2,241 2,296 都道府県・保健所設置市、 特別区 1,000 0 H16 H17 H19 H20 H21 H22 H23 H24 資料:厚生労働省健康局がん対策・健康増進課栄養指導室調べ H25 H26 H27 ※H18は調査実施なし ○ 主要施策別 自治体等との意見交換会の実施 〈趣旨〉 健康日本21(第二次)の推進に当たり、自治体等と国の協働による効果的な取組を目指す仕組みが 求められることから、2年目にあたる平成28年度は、主要施策について、具体の取組が充実している 自治体の担当者のほか、事業者や関係機関等との意見交換を通して、協働・提案型として取組を進め る。 〈取組方法〉 平成28年度は、3つの施策について意見交換会を行う予定(年度当初の1回と、施策の企画・実施 に反映できる時期に1~2回の計2~3回程度を予定) ①行政栄養士の人材育成(市町村について) ・自治体の担当者(市町村中心)との意見交換会を想定。 ②健康な食事の普及(事業者との協働) ・食品産業関係の事業者との意見交換会を想定。 ③地域の栄養ケア体制 ・自治体の関係者や医療機関の関係者等との意見交換会を想定 ※平成27年度に実施した4つの施策についての取組や進捗状況について年度内にとりまとめ、都道 府県栄養施策担当者会議(7月下旬又は8月上旬に開催)で報告を行う予定。 ①国民健康・栄養調査 ②特定給食施設の指導・支援 ③健康な食事のマークの普及 ④行政栄養士の人材育成(主に都道府県について) - 20 - Ⅳ.地域における栄養ニーズへの対応(2) 健康的な生活習慣づくり重点化事業[糖尿病予防戦略事業]【平成28年度予算(案) 37百万円】 【平成27年度予算(案)37百万円】 〈事業目的〉 糖尿病の発症を予防するために、生活習慣を改善し、適切な食生活や適度な運動習慣 など、糖尿病予防に取り組みやすい環境を整備することを目的とする。 〈事業内容(予定)〉 ① 地域特性を踏まえた糖尿病予防対策 ・糖尿病予防対策として優先的な課題や対象者の把握 ・優先的な課題を解決するために、地域の特性を踏まえた疾病の構造と食事や食習慣 の特徴を明確にし、民間産業や大学等と連携した糖尿病予防対策に向けた効果的な取組を 推進 ② 飲食店、食品関連企業や運動施設等を活用した肥満予防対策 ・中食や外食等による主食・主菜・副菜を組み合わせた食事や食塩の低減などのヘルシー メニューの提供等、「健康な食事」の普及 ・飲食店や運動施設等を活用し、「健康な食事」の目安や「食事バランスガイド」、「身体活動基 準」 などを取り入れた肥満・糖尿病予防のための具体的な体験の機会の提供等の促進 〈実 施 主 体〉都道府県・保健所を設置する市・特別区 〈平成27年度実績(内示)〉 37百万円 、47自治体(都道府県、保健所設置市、特別区) 〈平成28年度予算(案)〉 37百万円※ 【補 助 率】 1/2 ※申請が多数あった場合は、事業内容を精査し、予算額内で補助する予定。特に、委託費の割合の高い事業 は、査定の対象とする。 平成27年の地方からの提案等に関する対応方針(閣議決定) 地域保健法(昭22 法101) (1) 医師以外の保健所長については、施行令に定める期間(最大4 年)が満了する時点においてもなお、一地方公共団体の全ての保健 所長に医師を充てることが著しく困難であると当該地方公共団体の 長が判断した場合に、同一保健所で4年を超えない限り、当該地方 公共団体の他の保健所において引き続き保健所長に充てることがで きるとともに、この場合であっても公衆衛生医師確保の計画を作成 するなど当該地方公共団体による一層計画的な取組が必要であるこ とを、地方公共団体に平成27年度中に通知する。 (2) 公衆衛生医師確保の先行事例を収集し、地方公共団体へ平成27 年度中に情報提供するなど、地方公共団体における公衆衛生医師の 確保に係る支援を行う。 - 21 - 保健所長の兼務状況 ○ 公衆衛生医師の確保は依然として厳しい状況 兼務率 12% 保健所数 600 500 10% 保健所数 兼務率 400 8% 300 6% 200 4% 100 2% 0 0% 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 年度(平成) 公衆衛生医師の採用計画作成の有無 ○ 全自治体に対して、公衆衛生医師の採用計画作成の有無を調査 ○ 公衆衛生医師の確保に向けた採用計画は、ほとんど作成されていない 6 13% 作成している 作成していない 41 87% - 22 - 公衆衛生医師確保のための取組状況 ○ 全自治体に対して、公衆衛生医師確保のための取組状況を調査 ○ 「公衆衛生医師確保策を検討するための会議の開催」や「就職説明会等でのPR」、 「地元の公立病院に出向いてのPR」など、通常、求人活動として考えられるような取 組は、ほとんど行われていない 0 公衆衛生医師は充足しているため、特に活動していない 厚労省の公衆衛生医師確保推進登録事業への登録 自治体のホームページに求人情報を掲載 全国保健所長会のホームページに求人情報を掲載 自治体の広報誌に求人情報を掲載 民間の求人サイトに求人情報を掲載 医学雑誌に求人情報を掲載 地元の医科大学でのポスター掲示 保健所長等の個人的人脈を活用 公衆衛生医師確保策を検討するための会議の開催 就職説明会等でのPR 地元の公立病院に出向いてのPR 地元の医科大学に出向いてのPR 奨学金の貸与 医師手当の充実 調査研究時間の保障 自治医科大学卒業生の優先的な確保 地元の公衆衛生学講座との連携 自治体病院等との人事交流 その他 5 10 15 20 25 2 35 27 6 9 9 7 3 3 3 3 2 17 7 11 7 保健師に係る研修のあり方等に関する検討会 中間とりまとめ(平成26年12月)概要 【経緯】 「地域における保健師の保健活動について」 (平成25年4月19日付け健発0419第1号)の 中で、地方公共団体(以下「自治体」とい う。)に所属する保健師について、日々進展す る保健、医療、福祉、介護等に関する専門的な 知識及び技術、連携・調整に係る能力、行政運 営や評価に関する能力を養成するよう努めるこ ととされており、自治体は研修等により体系的 に人材育成を図っていくこととされている。 しかし、国や自治体等が実施している保健師 の研修については、必ずしも系統的に行われて いないこと等が課題とされていることから、こ れらの課題を解決するため、本検討会では平成 26年5月より5回にわたり保健師に係る今後の 研修のあり方等について検討を重ねてきた。 【構成員】(50音順・敬称略、○は座長) 清田 啓子 北九州市保健福祉局地域支援部 佐藤 アキ 熊本県山鹿市福祉部長寿支援課課長 座間 康 富士フイルム株式会社人事部 曽根 智史 高橋 郁美 全国保健所長会 田中 美幸 宮崎県延岡保健所健康づくり課 中板 育美 永江 尚美 藤原 啓子 全国保健師長会 ○村嶋 幸代 全国保健師教育機関協議会 地域包括ケア推進担当課長 統括マネージャー 国立保健医療科学院 企画調整主幹 総務常務理事 課長 公益社団法人日本看護協会 常任理事 公立大学法人島根県立大学看護学部 看護学科 中間とりまとめでは、本検討会におけるこれ までの議論を踏まえ、課題の整理と今後の検討 の方向性を示した。 - 23 - 40 38 7 4 2 2 30 准教授 常任理事 会長 保健師に係る研修のあり方等に関する検討会 中間とりまとめ(平成26年12月)概要 保健師の研修をめぐる現状と課題 ○:現状、⇒:課題 (1)保健師の人材育成に係る背景及び系統的な研修の必要性について ○地域保健関連施策等の変化に伴い、施策が分野ごとに実施される中、総合的に施策を推進す る上で、保健師には一層の連携調整能力の習得が求められている。 ⇒連携調整能力を習得するための系統的な研修体制の構築 ○自治体内の保健師の年齢構成の偏りや配置人数の規模によっては、保健師の指導者の確保や 系統的な研修の実施、ジョブローテーションによる人材育成の体制づくりが難しい。 ⇒人材育成を進める上で、保健師の研修やジョブローテーション等に対する自治体としての理 解及び必要性に対する合意を得ること (2)各期の考え方や保健師に求められる能力について ○新任期:個別支援や地区診断に基づく地区管理等の能力を醸成し、保健師としての基本的な 視点及び実践能力を獲得する時期である。 ⇒事例管理、健康危機管理等の管理機能を管理期に発揮できるようにするため、管理能力の育 成についても新任期から系統的に進めること ⇒各保健師の基本的能力の習得状況を確認しつつ、個別性に着目した人材育成のあり方を検討 ○中堅期:管理職を志向する者もいれば、現場での実践能力を高めてより専門性を発揮してい きたいと考える者もおり、出産・育児の時期と重なるため、産休や育休を取得する 保健師も多い。 ⇒多様性を踏まえた対応を検討するとともに、主体的に自らの目指すべき方向を考えることが できるよう、人材育成を推進すること 保健師に係る研修のあり方等に関する検討会 中間とりまとめ(平成26年12月)概要 保健師の研修をめぐる現状と課題 ○:現状、⇒:課題 ○管理期:定義が様々である。また、健康危機管理、組織運営管理等の管理機能の発揮が求め られる。近年、部長職や課長職に就く保健師が徐々に増えている。 ⇒定義を明らかにすることや管理能力の習得 ⇒職位に就くまでに必要な能力を系統的に習得することができる人材育成体系を構築すること ○統括的な役割を担う保健師:保健師活動指針に役割や位置づけが明記されたこともあり、自 治体においてその重要性が認知され、配置が進んできている。 ⇒このような役割を担う保健師の配置と継続的な確保に向けた各自治体における育成 (3)関係機関等との連携について ○関係機関等との研修実施における連携状況について実態把握が十分ではない。 ⇒どのような連携・活用が効果的なのか、留意点等を含めた実態を把握すること (4)自治体組織における研修の意義の明確化について ○各自治体にある係員、係長、課長、部長といった職位ごとの研修に加え、保健師には専門職 としての資質向上を図ることが重要であり、職種別の研修体系を用意している自治体もある。 ⇒各研修の対象や目的、キャリア形成上の位置づけ等の明確化 (5)現行の研修事業について ○全国レベルの保健師の研修事業は、国立保健医療科学院、日本看護協会、全国保健師長会等 の実施主体により実施されており、一定の効果をあげている。 ⇒研修の対象者や到達目標等について実施主体ごとの役割分担の整理 - 24 - 保健師に係る研修のあり方等に関する検討会 中間とりまとめ(平成26年12月)概要 今後の検討の方向性 (1)体系的な研修体制の構築 本検討会の議論や厚生労働科学研究の報告書のほか、「新人看護職員研修ガイドライン~保健師編~」 の到達目標や「看護師等養成所の運営に関する手引き」の保健師に求められる実践能力も参考に、標準 的なキャリアラダーを示すため、さらなる検討を行う。 行政職及び専門職の両側面からの保健師の人材育成が体系的に推進されるよう、既に人材育 成の仕組みを構築している自治体や厚生労働科学研究等の成果を参考に、キャリアラダーや キャリアパス等を整理して示す。 一般企業の取組等も参考に産休・育休取得者のキャリア継続支援の充実策の検討を行う。 (2)既存の研修事業のあり方 研修派遣の必要性が自治体に理解されるよう、研修の成果がどのように業務に生かせるのかを明確に するため、関係機関・団体が実施する研修の役割分担の調整及び各研修間の関係性について検討を行 う。 個々の研修については、研修自体の改革、補助金の活用、大学院との連携、遠隔教育システムの併用 など多角的に、かつ自治体の現状に配慮した方向で検討する。 (3)関係機関等との連携体制の構築 都道府県の取組や都道府県と市町村との連携状況等の事例を集約し、連携の促進方策を検討する。 教育機関や関係団体等と自治体との研修の企画・運営等の連携の実態について全国的なデータや事例 を集約した上で、保健師の現任教育における有効な連携方策等を検討し、提示する。 平成28年度 保健師人材育成関連予算(案) 地域保健従事者現任教育推進事業 平成28年度予算額(案):39百万円 保健師の人材確保・育成対策を推進するため、地域保健従事者に対する人材育成の中核となる保健所等を中心とした現任教育体制を構築 する。 (1)地域保健従事者の現任教育体制の構築 【補助先:都道府県、指定都市 補助率:1/2】 ・人材育成ガイドラインの作成及び評価に係る検討会等開催経費 ・卒後臨地研修を企画・調整する会議のための開催経費 ・教育の中核となる保健所等以外の保健所等の研修体制の把握・評価・助言等を行うための旅費 ・国立保健医療科学院が行う研修に参加する際の旅費及び職員代替経費 (2)中核市等における人材育成ガイドラインの作成及び評価事業 【補助先:保健所設置市(指定都市を除く)、特別区 補助率:1/2】 ・人材育成ガイドラインの作成及び評価のための検討会等開催経費 (3)保健所保健師等育成支援事業 【補助先:都道府県 補助率:1/2】 ・新任保健師が行う家庭訪問等に退職保健師などが育成トレーナーとなって同行し助言等を行うための雇上経費(謝金)等 ・教育の中核となる保健所等が実施する研修に保健所保健師が参加する際の旅費及び職員代替経費 (4)市町村新任保健師等育成支援事業 【補助先:保健所設置市、特別区、市町村 補助率:1/2】 ・新任保健師が行う家庭訪問等に退職保健師などが育成トレーナーとなって同行し助言等を行うための雇上経費(謝金)等 ・都道府県が実施する研修に市町村保健師が参加する際の旅費及び職員代替経費 保健師管理者能力育成研修事業 平成28年度予算額(案):9百万円 市町村の管理的立場にある保健師を対象に、人材及び業務の管理に必要な能力を向上させるため、全国をブロック別に区分し研修事業を実施す る。【本省費】 - 25 - (参考)国立保健医療科学院における保健師の人材育成について 専門課程Ⅱ 地域保健福祉分野 ○対象: (1)国や地方公共団体から派遣された保健・医療・福祉分野に従事している職員 (保健師、助産師、看護師、管理栄養士、福祉職など) (2)将来、地域保健福祉活動分野の職務に就職することを志望し、そのための高度の知識を得ようとする方 ○実施期間:1年間 ○目的:地域保健福祉業務において、指導的立場で実践活動を総合的に推進するために必要な能力を養うことを目的とする 専門課程Ⅲ 地域保健福祉専攻科 ○対象:国や地方公共団体から派遣され保健・医療・福祉分野に従事している職員(保健師、看護師、管理栄養士、福祉職など) ○実施期間:3ヶ月(平成28年4月13日~平成28年7月15日) ○目的:地域保健福祉に関連する業務において、実践活動の質的向上を図るために必要な知識・技術を習得することを目的とする 公衆衛生看護研修(中堅期) ○対象: (1)保健師の免許を有し、保健師として都道府県・政令指定都市等に勤務する実務リーダー(中堅期)の保健師 (2)前記に掲げる方と同等以上の学識及び経験を有すると院長が認めた方 ○実施期間:前期 平成28年6月 6日~平成28年6月14日 7日間 後期 平成29年1月11日~平成29年1月13日 3日間 計10日間 ○目的:公衆衛生看護領域において中堅期の保健師として、期待される役割を総合的に判断でき、実践業務へ応用することが できる知識と能力の習得を目的とする 公衆衛生看護研修(管理期) ○対象:都道府県・保健所設置市・特別区において保健師統括部門あるいは管理的立場にある保健師 ○実施期間:平成28年11月7日~平成28年11月11日 5日間 ○目的:公衆衛生看護領域における統括的な役割を担う管理者的立場の保健師として、施策形成及び人材育成に関する必要な 方策を提言することができる知識、技術の習得を目的とする 国立保健医療科学院ホームページ https://www.niph.go.jp/entrance/h28/index.html 保健師の配置と地方交付税措置について 35,000 平成13~16年 約1300人増員 市町村 保健所設置市・特別区 30,000 平成23年 約1400人増員 平成20年 約1400人増員 33,332人 平成5~11年 約10500人増員 市区町村計 28,381人 都道府県 25,000 合計 19,699人 20,000 平成23年 約70人増員 15,000 平成13~16年 約70人増員 平成5~11年 約30人増員 10,000 8,682人 5,000 4,951人 0 S60 S61 S62 S63 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 S60 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 S61 S62 S63 H1 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 市町村 9,256 9,628 9,990 10,206 10,520 10,826 11,158 11,525 11,982 12,502 13,876 14,586 15,881 16,560 17,358 18,007 18,272 18,555 18,628 18,686 18,325 18,387 18,556 18,831 19,051 19,097 19,031 19,089 19,326 19,513 19,699 保健所設置 市・特別区 2,852 2,906 2,945 3,084 3,108 3,181 3,180 3,241 3,252 3,311 3,459 3,500 4,421 4,731 5,166 5,412 5,579 5,786 6,140 6,180 6,592 6,870 7,064 7,321 7,590 7,697 7,991 8,076 8,261 8,442 8,682 市区町村計 12,108 12,534 12,935 13,290 13,628 14,007 14,338 14,766 15,234 15,813 17,335 18,086 20,302 21,291 22,524 23,419 23,851 24,341 24,768 24,866 24,917 25,257 25,620 26,152 26,641 26,794 27,022 27,165 27,587 27,955 28,381 都道府県 合計 5,180 5,206 5,202 5,184 5,201 5,222 5,204 5,228 5,223 5,215 5,174 5,132 5,915 5,840 5,783 5,871 5,728 5,636 5,565 5,503 5,397 5,304 5,220 5,160 5,058 4,975 4,972 4,959 4,929 4,941 4,951 17,288 17,740 18,137 18,474 18,829 19,229 19,542 19,994 20,457 21,028 22,509 23,218 26,217 27,131 28,307 29,290 29,579 29,977 30,333 30,369 30,314 30,561 30,840 31,312 31,699 31,769 31,994 32,124 32,516 32,896 33,332 出典:H7年までは保健婦設置状況調査、H8年は保健所運営報告、H10年は全国保健師長会調査、H9年,H11-20年は保健師等活動領域調査、H21-27年は保健師活動領域調査 - 26 - 保健師の配置について 平成27年度地方交付税措置人数(試算)と実人員(平成27年度活動領域調査)との比較 交付税措置人数 (試算) A 活動領域調査 (普通会計分) B 差引 (A-B) 道府県分 6,865 4,916 1,949 市町村分 25,451 24,830 621 合計 32,316 29,746 2,570 地方交付税による措置人数が実人員数を大きく上回っている 各自治体におかれては、住民に効果的かつ質の高い保健福祉サービスを提供するため、中長期的な 視点に立った人員配置計画を策定し、必要な人員の確保に努められたい。 人員の確保に当たっては「保健師の確保方策に関する事例集作成検討会報告書(平成 19年地域保 健総合推進事業)」も参考にされたい。 52 被災地健康支援事業(被災者支援総合交付金) 平成23年度第3次補正予算額 29億円 平成26年度予算額 10億円 平成27年度予算額 4億円 平成28年度予算案額 被災者支援総合交付金(復興庁所管) 220億円の内数 <東日本大震災復興特別会計> • 住宅の再建は順次進められているが、完了までにはなお年数を必要とする状況。仮設住宅における生活の長期化 により、生活不活発病や高血圧症の増加、栄養バランス等食生活の乱れや身体活動量の低下などを懸念する指摘 もあり、長期間にわたり仮設住宅での生活を余儀なくされる被災者の方の健康支援は重要な課題。 • 被災自治体における健康支援活動の強化を図るため、仮設住宅等を中心とした保健活動等を支援。 【事業の対象地域】岩手県、宮城県、福島県 (平成27年度までは既設の介護基盤緊急整備等臨時特例基金への積み増しにより対応してきたところ。平成28年度においては、復興庁所管の被災者 支援総合交付金のメニューに追加して対応。) 【事業内容】 県・市町村が、各被災地の実情に応じて実施する以下のような事業を支援。 ○ 仮設住宅入居者等を対象とした多様な健康支援活動の実施及びそれらを担う専門人材の確保 ・全戸訪問等による巡回健康相談などの実施 ・支援が必要な方に対する個別訪問等のフォローアップ ・生活不活発病予防のための体操や健康運動教室の開催 ・歯科医師等による歯科検診・指導 ・管理栄養士等による栄養・食生活指導 ・保健師、管理栄養士等の専門人材の確保 等 ○ ○ 被災者に対する効果的な健康支援方策を検討する協議会の運営 被災者特別健診等事業 特定健診非対象者(18~39歳未満)に対する健康診査等の実施や特定健診の項目追加 - 27 - など 東日本大震災被災自治体における保健師の 確保に向けた取組への協力依頼 ○東日本大震災の被災自治体から、保健師の派遣要望が寄せられていること から、保健師の確保に向けた取組の強化が課題となっているところ。 ○それらを担う専門人材の確保策として、以下のような取組を行ったところ であり、今後も引き続き保健師の確保について支援していく必要がある。 ・平成26年3月末に復興庁と厚生労働省の連名で、関係団体及び全国 の自治体あてに協力依頼通知を発出 ・平成26年8月に、国民健康保険中央会あてに、在宅保健師の会に 所属する保健師への周知を依頼 ・平成26年12月および平成27年12月に、全国の自治体あてに保健師 派遣の協力依頼通知を発出 地域・職域の保健活動の推進について 地域・職域連携推進事業 (平成28年度予算額(案)58百万円) 2次医療圏地域・職域連携推進協議会 都道府県地域・職域連携推進協議会 〈地域〉 〈関係機関〉 ・都道府県 ・保健所 ・福祉事務所 ・精神保健福 祉センター ・市町村 ・医師会 ・歯科医師会 ・薬剤師会 ・看護協会 ・保険者協議会 ・医療機関 等 等 〈地域〉 〈職域〉 ・労働局 ・事業者代表 ・産業保健推進 センター ・メンタルヘルス 対策支援 センター 〈関係機関〉 ・保健所 ・市町村 ・住民代表 ・地区組織 ・医師会 ・医療機関 ・ハロー ワーク 等 等 〈職域〉 ・事業所 ・労働基準監督署 ・商工会議所 ・健保組合 ・地域産業保健 センター 等 等 主な事業内容 ○地域・職域連携により実施する保健事業 等について企画・立案、 実施・運営、評価 等を行う ○事業者等の協力の下、特定健診・特定保 健指導やメンタルヘルス対策等の総合的 推進方策の検討 等 主な事業内容 ○特定健診・保健指導の結果データ等を基 に、管内の事業の評価・分析 ○特定健診・保健指導、各種がん検診等の 受診率向上のための情報収集・共有や、メ ンタルヘルス対策に関する情報収集・共有 ○共同事業の検討・実施 等 - 28 - 保健指導における “オーディット” アルコール使用障害スクリーニング(AUDIT)と その評価結果に基づく 減酒支援(ブリーフインターベンション)の手引き 「危険な飲酒や有害な飲酒に対するスクリーニングおよびブリーフインターベンション」は、 WHOが2011年に採 択した「アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略」において推奨されています。 スクリーニング ブリーフインターベンション Q)アルコール使用障害同定テスト(AUDIT: Alcohol Use Disorders Identification Test)とは? Q)減酒支援(Brief Intervention)とは? A) アルコール問題のスクリーニングの一つ。WHO が問題飲酒を早期に発見する目的で作成したもの で、世界で最もよく使われています。 A) 対象者の特定の行動(この場合は飲酒行動)に変 化をもたらすことを目的とした短時間のカウンセリング。 海外では活発に用いられています。 【資料】厚労省科学研究費補助金 「わが国における飲酒の実態把握およびアルコールに関連する生活習慣病とその対策に関する総合研究」 (研究代表者:樋口 進 国立病院機構久里浜医療センター病院長) <アルコール健康障害対策基本法に示された基本的政策> 第15条 教育の振興等 学校や職場でのアルコール関連問題に関する知識の普及 第16条 不適切な飲酒の誘因の防止 酒類の表示や広告について、事業者の取り組みを尊重しつつ、不適切な飲酒の誘因を防ぐ 第17条 健康診断及び保健指導 健康診断及び保健指導において、アルコール健康障害の発見及び飲酒についての指導 第18条 アルコール健康障害に係る医療の充実等 ・アルコール健康障害の進行を防止するための節酒又は断酒の指導 ・アルコール依存症の専門的な治療及びリハビリテーションの充実 ・専門医療機関とその他の医療機関との連携の確保 第19条 飲酒運転等をした者に対する指導等 飲酒運転、暴力行為、虐待、自殺未遂等をした者に対する支援等 第20条 相談支援等 アルコール健康障害を有する者及びその家族への相談支援 第21条 社会復帰の支援 アルコール依存症にかかった者の社会復帰の支援等 第22条 民間団体の活動に対する支援 民間の団体が行う活動を支援 第23条 人材の確保等 医療、保健、福祉、教育や矯正の分野での人材の育成 第24条 調査研究の推進等 アルコール健康障害、関連問題に関する調査研究 - 29 - 健康な人のための身体活動量の新基準 健康日本21(第二次) に対応 身体活動量 65歳以上 18~64歳 (=生活+運動) 強度を問わない身体活動を毎日40分 (例:ラジオ体操10分+歩行20分+植物水やり10分) 自体重を使った 軽い筋力トレ 3.5メッツ 植物の水やり 2.5メッツ 3メッツ以上の強度の身体活動を毎日60分 普通の歩行 3.0メッツ (例:歩行30分+ストレッチ10分+掃除20分) ボウリング 3.0メッツ 18歳未満 楽しく体を動かすことを毎日60分以上 ※健康診断などでいずれかに異常が見つかった場合は、 自治体の保健指導、又は、かかりつけ医師の指導のもと、 身体の安全に留意して運動を行いましょう。 - 30 - ストレッチング 2.3メッツ 水泳(クロール) 8.3メッツ (健康づくりのための身体活動基準2013より) 全国健康関係主管課長会議 健康局 がん・疾病対策課 1.がん対策について - 31 - がん対策加速化プラン (平成27年12月) がん対策は、「がん対策推進基本計画」(平成24年6月)に沿って進めている。基本計画では、平成19年度から10年でがんの年齢調整死亡率を20%減 少させることを全体目標としているが、このままでは目標達成が難しいと予測されている。このため、平成27年6月1日に開催された「がんサミット」で 内閣総理大臣の指示を受け、厚生労働省が中心となり、基本計画に示されている分野のうち、①遅れているため「加速する」ことが必要な分野、②当該 分野を「加速する」ことにより死亡率減少につながる分野に絞り、短期集中的に実行すべき具体策を明示した「がん対策加速化プラン」を策定することと した。プランの3つの柱は「がんの予防」、「がんの治療・研究」、「がんとの共生」である。 実施すべき具体策 予防(プランの柱①) 治療・研究(プランの柱②) がんとの共生(プランの柱③) がんのゲノム医療 ゲノム医療実現に向けた実態調査 全ゲノム情報等の集積拠点の整備 家族性腫瘍の検査・治療等の検討 標準的治療の開発・普及 高齢者や他疾患を持つ患者への標準 的治療の検証 ③ がん医療に関する情報提供 • 患者視点で簡単に検索できる拠点病 院検索システムの構築 ④ 小児・AYA世代のがん、希少がん • 小児がん医療提供体制、長期フォロー アップ体制等の検討 • AYA世代のがん医療等の実態調査 ⑤ がん研究 • 「健康・医療戦略」・「医療分野研究開 発推進計画」及び「がん研究10か年 戦略」を踏まえた研究の推進 等 ① 就労支援 • 拠点病院における仕事の継続を重視し た相談支援の実施 • ハローワークにおける就職支援の全国 展開、事業主向けセミナー等の開催 • 産業保健総合支援センターの相談員に よる企業等に対する相談対応等の支援 • 企業向けのガイドラインの策定及び普及 啓発 ② 支持療法の開発・普及 • 支持療法に関する研究の推進 ③ 緩和ケア • 緩和ケアチームの実地研修の実施 • 患者の苦痛のスクリーニング方法の事 例集の作成 • 地域連携のための訪問看護師の育成 等 ① • • • ② • ① がん検診 • 精検受診率等の目標値設定 • 市町村、保険者の受診率及び取組事例 等の公表 • 保険者に対する検診ガイドラインの策定 • 検診対象者等へのインセンティブの導入 ② たばこ対策 • FCTCや海外のたばこ対策を踏まえた、 必要な対策の検討 • 厚生労働省としては、たばこ税の税率の 引上げを継続して要望 • ラグビーW杯、東京オリンピック・パラリン ピックに向けた受動喫煙防止対策の強化 ③肝炎対策 • 患者の自己負担の軽減を通じた、重症化 予防の推進 ④学校におけるがん教育 • 「がんの教育総合支援事業」の実施 等 避けられるがんを防ぐ がん死亡者の減少 がんと共に生きる “がん”を克服し、活力ある健康長寿社会を確立 がん対策加速化プラン策定の背景 がん対策は、「がん対策基本法」(平成19年4月施行)に基づき策定した「がん対策推進基本計画」(平成24年6月閣議決定)に沿って進 めている。 がん対策推進基本計画の全体目標(平成19年度からの10年目標) がんによる死亡者の減少 (75歳未満の年齢調整死亡率の20%減少 92.4⇒73.9) ※年齢調整死亡率:死亡率を経年的に比較するため、高齢化など年齢構成の変化の影響を取り除いた場合の、人口10万人あたりの死亡者数 95.0 年 齢 調 整 死 亡 率 92.4 実際の年齢調整後の死亡率 90.0 予測される年齢調整死亡率 85.0 年齢調整死亡率は17%減 にとどまる見込み。 このままでは目標達成が難 76.7 しいと予測されている。 17%減 80.0 ● 75.0 20%減 目標とする年齢調整死亡率 73.9 70.0 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 出典:厚生労働省人口動態統計データに基づく 国立がん研究センターによる推計 「がんサミット」開催(平成27年6月1日) 内閣総理大臣の指示を受け、厚生労働省が中心となり、基本計画に示されている分野のうち、①遅れているた め「加速する」ことが必要な分野、②当該分野を「加速する」ことにより死亡率減少につながる分野に絞り、短期 集中的に実行すべき具体策を明示した「がん対策加速化プラン」を策定することとした。プランの3つの柱は「が んの予防」、「がんの治療・研究」、「がんとの共生」である。 - 32 - プランの柱①:がんの予防 がん検診 乳がん 41 子宮頸がん 77.5 75.4 72.273.4 73.6 75.3 【課題2 市町村間の格差】 84.5 % 80.8 受診勧奨の方法 42.1 個別に郵送で通知 世帯主に郵送等で通知 ホームページで周知 日本 加 ②職域におけるがん検診へのアプローチ ①市町村がん検診へのアプローチ 【課題1 低い検診受診率】 仏 英 【課題3 職域でがん検診を受けている人は多いが、実態 調査もガイドラインもない】 実施している 市町村 48.3% 25.0% 77.5% 出典:平成25年厚生労働省調べ 米 具体策 各市町村の受診率・取組事例等の公表、精検受診率等の目標値設定 かかりつけ医等による受診勧奨、市町村による個別受診勧奨の徹底 検診対象者、市町村に対するインセンティブ・ディスインセンティブの導入 胃内視鏡検査実施の体制整備 等 保険者によるがん検診の実態把握・ガイドラインの策定 各保険者の受診率・取組事例等の公表、精検受診率等 の目標値設定 検診対象者、保険者に対するインセンティブ・ディスイン センティブの導入 等 たばこ対策 肝炎対策 【課題1 喫煙率は近年下げ止まり】 【課題2 受動喫煙の機会を有 する者の割合は未だ高い】 30 25 場所 20 飲食店 遊技場 職場 19.6 % 15 10 2006 2010 2014 受動喫煙者の割合 46.8% 35.8% 33.1% 出典:平成25年国民健康・栄養調査 出典:国民健康・栄養調査 具体策 出典:平成25年国民生活基礎調査 具体策 出典:OECD Health Statistics 2015 2002 職域で受けている者の割合 66.4% 69.9% 64.4% 42.7% 48.9% 胃がん 肺がん 大腸がん 子宮頸がん 乳がん FCTC※や海外のたばこ対策を踏まえた、必要な対策の検討 ※Framework Convention on Tobacco Control (たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約) 厚生労働省としては、たばこ税の税率の引上げを継続して要望 ラグビーW杯、東京オリンピック・パラリンピックに向けた受動喫煙 等 防止対策の強化 具体策 患者の自己負担の軽減を通じ、重症化予防を推進 ウイルス陽性者の受診勧奨・フォローアップ法の開発 身近な医療機関での検査実施等の推進 B型肝炎及び肝硬変の創薬研究の推進 等 学校におけるがん教育 具体策 「がんの教育総合支援事業」の実施及び外部講 師を活用した地域連携体制の構築への支援 等 プランの柱②:がんの治療・研究 がんのゲノム医療 具体策 全ゲノム情報等の集積拠点の整備 等 ゲノム医療実現に向けた実態調査 「ゲノム情報を用いた医療等の実用化推 進タスクフォース」で以下の課題を検討 ゲノム情報等 の集積拠点 ① 改正個人情報保護法におけるゲノム情 報の取扱い ② ゲノム情報に基づく差別の防止 ③ 遺伝子関連検査の品質・精度の確保 ④ 遺伝子関連検査の結果の伝え方 等 大学・病院等 家族性腫瘍等の検査・治療・支援のあり方の 等 検討 家族性腫瘍の例 原因遺伝子 なりやすいがんの部位 リンチ症候群 MSH2, MLH1 大腸、子宮体、卵巣、胃、 小腸、卵巣、腎盂・尿管 家族性大腸ポリ ポーシス APC 大腸、胃、十二指腸、デ スモイド腫瘍 遺伝性乳がん・ 卵巣がん症候群 BRCA1, BRCA2 乳、卵巣、前立腺、膵臓 出典:国立がん研究センターがん対策情報センターHP 「がん情報サービス」 「私のゲノム情報」に基づく、「私のがん治療」、「私のがん検診」を実現する 標準的治療の開発・普及 がん医療に関する情報提供 【課題 標準的治療の実施率は必ずしも高くない】 標準治療の内容 実施割合 術後のStageⅢ大腸がん患者に対して 標準的な術後化学療法を実施している率 49.6% 吐き気を引き起こす抗がん剤の処方時に 制吐剤を処方している率 60.5% 出典:平成26年度厚生労働省研究班による調査 具体策 高齢者や他疾患を持つ患者への標準的治療の 検証 標準的治療の実施に影響を与える因子の分析 拠点病院の医療安全管理体制整備 等 疾患名 胃がん 病院名 具体策 患者視点で簡単に検索・比較できる拠点病 院検索システムの構築及び周知 等 1.A病院 2.B病院 3.C病院 4.・・・ 小児・AYA※世代のがん・希少がん対策 具体策 ステージ Ⅱ ※Adolescent and Young Adult (思春期世代と若年成人世代) 小児がん医療提供体制、長期フォローアップ体制等の検討 AYA世代のがん医療等の実態調査 等 「希少がんワーキンググループ(仮称)」の設置 がん研究 具体策 「健康・医療戦略」・「医療分野研究開発推進計画」及び「がん 等 研究10か年戦略」を踏まえた研究の推進 - 33 - 東京都 患者数 手術数 医師数 認定 看護師数 110 60 12 8 82 43 11 7 ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ プランの柱③:がんとの共生 就労支援 0 【課題 がん患者のうち体力の低下や勤務調整が困難などを理由に依願退職または 解雇された者は34.7%と10年前と変わらない】 依願退職または解雇された者の割合 2003年 2013年 34.6% 34.7% がん患者の仕事に関する悩み 5 10 15 20 % 体力の低下 副作用や後遺症による症状 勤務調整や時間休の確保 仕事復帰の時期 経済的な問題 ※全国4,054人の外来通院中のがん患者とがん関連患者団体会員を対象とした調査 出典:静岡県立静岡がんセンターの研究班による調査 具体策 がん診療連携拠点病院等 ハローワーク がん患者 等 拠点病院等と連携した就職支援の全国展開 事業主向けセミナー等の開催 等 産業保健総合支援センター 企業 専門の相談員による、医療機関や企業に出向 きながらの相談対応等の支援 等 治療と職業生活を両立できるよう、企業向け ガイドラインの策定及び普及啓発 等 仕事の継続を重視した相談支援の実施 支持療法の開発・普及 緩和ケア 【課題 化学療法などによる副作用に苦しむ患者は多いが研究は不十分】 患者の悩みや負担は薬物療法によるもの が増加している 100% その他 50% 0% 19.2% 2003 42.7% 2013 外来化学療法患者の身体的苦痛の割合 倦怠感 20 口内炎 薬物療法 10 食欲不振 便秘 0 出典:静岡県立静岡がんセンターの研究班による調査 具体策 % 30 【課題 苦痛が十分に緩和されていない患者は今も3-4割】 倦怠感 口内炎 食欲不振 便秘 出典:Yamagishi A et al. J Pain Symptom Manage. 2009 May;37(5):823-30. 治療に伴う副作用等を軽減するため、支持療法に関する研究を推進 総合的ながん対策の推進 等 具体策 緩和ケアチームの実地研修の実施 患者の苦痛のスクリーニング方法の事例 集の作成 緩和ケア研修会の受講促進、遺族調査 による分析 地域連携のための訪問看護師の育成 等 28年度予算案 356億円(27年度予算額 318億円) 「がん対策加速化プラン」に基づき、「予防」「治療・研究」「がんとの共生」を3本の柱として、がん対策を加速化 する。 予 防 治 療 ・ 研 究 ・行動変容を起こすためのインセンティブ策として、子宮頸がん検診・乳がん検診の クーポン券を配布するとともに、精密検査受診率向上のため、精密検査未受診者に 対する受診再勧奨を実施する。 ・かかりつけ医を通じた個別の受診勧奨の強化など検診受診率向上に向けた更なる 取組を行う。 ・大学病院等医療機関の疾患ゲノム情報等を集約するため、国立高度専門医療研 究センター(NC)を中心とした拠点に「全ゲノム情報等の集積拠点」を整備し、がん 等の個別化医療の実用化等を図る。 ・がん診療連携拠点病院にゲノム医療や集学的治療の臨床試験を支援する遺伝カ ウンセラーや臨床研究コーディネーター(CRC)を新たに配置する。 ・小児・AYA世代(思春期世代と若年成人世代)のがんについての相談支援体制の 充実や長期フォローアップ体制の整備を行う。 ・希少がんに関する医療提供体制の検討、病理診断の質を向上させるための体制 の整備、情報提供の拡充を行う。 ・難治性がん、小児・AYA世代のがん、高齢者のがん、希少がん等の研究開発に対 する支援を充実させる。 が 共ん 生と の ・がん診療連携拠点病院等と連携した、がん患者に対する就職支援事業を全国展 開する。 ・関係機関の連携・調整を行う「地域緩和ケア連携調整員」の育成に新たに取り組 む。 ・地域の看護師が適切な緩和ケアや看護相談を提供できるよう、研修を新たに実施 する。 - 34 - が ん の 克 服 に 向 け た 取 組 を 加 速 化 し 健 康 長 寿 社 会 を 実 現 新たなステージに入ったがん検診の総合支援事業 がん検診受診率50%の目標を達成するためには、網羅的な名簿管理に基づく個別の受診勧 奨・再勧奨が重要である。 子宮頸がん・乳がん検診のクーポン券の配布とともに、個別の受診勧奨・再勧奨を強化するほ か、精検未受診者に対する受診再勧奨を進め、がんの早期発見につなげる。 補助先:市区町村、補助率:1/2 実態把握 網羅的な名簿管理 個別の受診勧奨・ 再勧奨の強化 精密検査の受診の 徹底 • 一定年齢の者に対して、受診の意向や日程の希望、職域検診での受診の 有無等を調査し、状況を把握する。 • 一定年齢の者に対して、受診意向調査の結果等を踏まえ、受診日の日程 調整を含めた個別の受診勧奨・再勧奨を実施。 • 子宮頸がんや乳がん検診について、一定年齢の者に対して、クーポン券や 検診手帳の配布、検診費用の自己負担部分の助成を実施。 • かかりつけ医から個別の受診勧奨を実施。 • がん検診による十分な効果を得るため、要精密検査と判断されたが未受診 である者に対して、個別の受診再勧奨を実施。 ※一定年齢の者:子宮頸がん20,25,30,35,40歳、乳がん・大腸がん・胃がん・肺がん40,45,50,55,60歳 ※検診費用の自己負担部分の助成は、過去5年度に一度も検診を受診していない者が対象。 がんの早期発見・がんによる死亡者の減少 新たなステージに入ったがん検診の総合支援事業 (かかりつけ医を通じた個別の受診勧奨) 特定健診や病気・けが等でかかりつけ医を受診する際、かかりつけ医からがん検診対象者に対して がん検診の受診の有無を確認し、未受診であればリーフレット等を配布してがん検診の受診を促す。 がん対策推進基本計画中間評価報告書(平成27年6月)(抜粋) かかりつけ医からの受診勧奨が実施できる体制の整備を図ることが重要である。 がん検診のあり方に関する検討会中間評価報告書(平成25年8月)(抜粋) かかりつけ医は通院している患者のがん検診受診について詳細な情報をもつことができ、また、患者の家族でが ん検診の対象となる者からも相談を受けることがある等、積極的にがん検診を勧奨することが可能であると考え られ、かかりつけ医による受診勧奨も重要である。 市区町村 ①連携・協力 補助先:市区町村 補助率:1/2 ・連絡協議会の開催 ・チラシやリーフレットの作成 地域の医師会等 ④がん検診の受診 ②特定健診等で受診 ③がん検診の受診 確認・受診勧奨 かかりつけ医 - 35 - かかりつけ医 27 補 正 ・ 5 億 円 28 当 初 ・ 15 億 円 新たなステージに入ったがん検診の総合支援事業 (受診意向調査) 課題 27年度補正 5億円 • がん検診推進事業の実施(クーポン券の配布)により、クーポンを使用して受診した者の状況の把握は進んだ が、クーポンを使用しなかった者の状況が把握できておらず、対策が取られていない。 • 保険者や事業者が実施するがん検診(職域検診)の受診状況が把握できておらず、がん検診の対象者名簿が 完全には整備されていない。 • クーポン券を使用しなかった者や職域検診の対象者についても状況を把握する必要がある。 • 網羅的な名簿管理に基づき、対象者の状況を踏まえ、対象者の特性に応じた普及・啓発等を組み合わせた個 必要な取組 別の受診勧奨・再勧奨を実施することが重要である。 事業内容 • 一定年齢の者(※)に対して、受診の意向や日程の希望、職域検診での受診の有無等を調査し、状況を把握す るとともに、受診に対する関心を喚起する。 • 把握した状況を、受診日の日程調整や対象者の特性に応じたメッセージの送付など、効果的・効率的な個別の 受診勧奨・再勧奨につなげる。 ※一定年齢の者・・・子宮頸がん20,25,30,35,40歳、乳がん・大腸がん・胃がん・肺がん40,45,50,55,60歳 がん検診受診率 50%の達成 調査・受診の喚起 これまであま り受診しな かった方がが ん検診を受診 意向や希望を回答 対象者の特性に応じた 個別の受診勧奨 市区町村 (補助先:市区町村、補助率1/2) 住民 医療機関 検診実施機関 がん検診のあり方に関する検討会中間報告書における 乳がん検診及び胃がん検診の変更点について 変更前 変更後 視触診 マンモグラフィと 併用 推奨しない。 仮に、実施する場合はマンモグラフィと併用する こととする。 乳房エックス線検査 (マンモグラフィ) 視触診と併用 マンモグラフィによる検診を原則とする。 変更前 対象年齢 40歳以上 検診間隔 1年に1度 2年に1度 ただし、当分の間、胃部エックス線検査に関して は1年に1度実施としても差し支えない。 対象年齢 - 50歳以上 検診間隔 - 2年に1度 胃部エックス 線検査 胃内視鏡検 査 変更後 50歳以上 ただし、当分の間、40歳代の者に対して胃部 エックス線検査を実施しても差し支えない。 12 - 36 - がん検診従事者研修事業(胃内視鏡検査研修) 28年度予算案 57百万円 「がん検診のあり方に関する検討会中間報告書」(平成27年9月)において、胃内視鏡検査による胃がん検診 は、胃がんの死亡率減少効果を示す相応な証拠が認められたことから、対策型検診として胃内視鏡検査を 実施することが推奨され、平成28年度から導入される予定である。 胃内視鏡検査を実施する場合には、偶発症対策を含めた検診体制の整備が必要であることから、胃内視鏡 検査に係る医師に対する研修を実施する。 ※偶発症・・・医療上の検査や治療に伴って、たまたま生じる不都合な症状。 対策型検診のための胃内視鏡検診マニュアル(案) がん検診のあり方に関する中間評価報告書(抜粋) Ⅰ.目的 Ⅱ.科学的根拠 Ⅲ.精度管理の考え方 Ⅳ.内視鏡検診実施の条件 Ⅴ.検査手順 Ⅵ.偶発症対策 Ⅶ.今後の課題 ○ 胃内視鏡検査には、出血(鼻出血、粘膜裂創等)、穿孔、ショック等の偶 発症 がある。 ○ 胃内視鏡検査は、重篤な偶発症に適切に対応できる体制が整備され ないうちは実施すべきではない。このため、これから日本消化器がん検診 学会で示される予定の胃内視鏡検査の安全管理を含めた体制整備に係る マニュアル等を参考とするなどして、胃内視鏡検査を実施するのに適切な 体制整備の下で実施されるべきである。 適切な胃内視鏡 検査を提供 研修 都道府県 公益法人 NPO法人 (補助率:1/2) 検診対象者 胃内視鏡検査を行う医師 がん検診の充実に向けた取組 「がん検診のあり方に関する検討会中間報告書」(平成27年9月)を踏まえ、平成28年4月から胃がん検診に 胃内視鏡検査を導入するとともに、胃内視鏡検査に係る研修を実施する。 子宮頸がん検診・乳がん検診のクーポン券配布や精密検査未受診者に対する受診再勧奨を継続するとと もに、個別の受診勧奨の強化など検診受診率向上に向けた更なる取組を行う。 女性のがんを中心に、がん検診の更なる普及啓発に取り組む。 ①内容の充実 ②受診率の向上 ③普及啓発の推進 ④研修の強化 胃内視鏡検査による胃が ん検診は、胃がんの死亡 率減少効果を示す相応な 証拠が認められたことか ら、対策型検診として胃内 視鏡検査を実施する。 子宮頸がん検診・乳がん検診の クーポン券配布・自己負担分の助 成や精検未受診者への受診再勧 奨を引き続き実施するとともに、か かりつけ医を通じた個別の受診勧 奨の強化など検診受診率向上に向 けた更なる取組を行う。 女性のがんを中心に、 受診対象年齢の若い 層を対象としたがん 検診の更なる普及啓 発(女性誌やSNSの 活用等)に取り組む。 胃内視鏡検査を実 施する場合には、偶 発症対策を含めた 検診体制の整備が 必要であることから、 胃内視鏡検査に係 る研修を実施する。 ※がん検診については、胃内視鏡検査の実施も含め、検診に係る費用について地方交付税措置を講じている。 総合的にがん検診の受診率向上を推進 - 37 - がん登録オンラインシステム ○ がん登録推進法において、病院等はがんの患者を診断した際、罹患、診療、転帰等に関する情報を都道府県に届け出て、都道府県はが ん罹患情報の突合及び整理を行い、国に提出することとなっている。 ○ 現状では、病院等は電子媒体や紙媒体を都道府県に提出し、都道府県はそれらを元に全国がん登録データベースへ入力する作業が必 要。また、情報の移送における紛失、盗難等の恐れがあり、ウイルス感染、情報漏えいのリスクが高い。 ○ そこで、病院等と都道府県をネットワークでつなぎ、オンラインで情報を届け出ることのできるシステムを構築することで、届出情報 を安全に移送するとともに、登録情報の精度向上及び事務の効率化を図る。 ※都道府県から国への届出においてはオンライン登録の仕組みを構築済み 情 報 の 収 集 ・ 記 録 ※国立がん研究センターへ委託 都道府県 ①病院(全て) 罹 患 情 ②診療所 (手上げ方式) 報 提 出 (登録室) 突合・整理 がん罹患情報 がん罹患情報 がん罹患情報 罹 患 情 報 提 出 ※平成29年度から運用開始予定 国(国立がん研究センター) 全国がん登録データベース 突合・整理 がん罹患情報 オンライ ン登録 がん罹患情報 がん罹患情報 オンライン化 市町村 ※都道府県で、病院等から届出されたがん 罹患情報を突合・整理 ※各都道府県から提出されたがん罹患情報を 突合・整理 罹患情報と突合 情 報 の 活 用 死亡情報 死亡情報 提出 死亡情報 追記 ・生存確認情報 ・登録漏れの罹患情報 ※医療機関の管理者は、がん登録推進法で、がん罹患情報を都道府県知事に届け出ることが義務付けられている 国・都道府県等 医療機関 ⇒ ⇒ がん対策の充実、医療機関への情報提供、統計等の公表、患者等への相談支援 患者等に対する適切な情報提供、がん医療の分析・評価等、がん医療の質の向上 がん登録等の情報の提供を受けた研究者 ⇒ がん医療の質の向上等に貢献 がん診療連携拠点病院の医療安全に関する要件の見直し がん対策加速化プラン(平成27年12月) (2)標準的治療の開発・普及 <現状と課題> 医療安全に関しては、昨今、拠点病院において重大な事案が相次いで発生し、平成27(2015)年 4月に3つの拠点病院について指定更新を行わなかった。また、高度な医療を提供する特定機能 病院において、医療安全に関する重大な事案が相次いだことを踏まえ、平成27(2015)年4月に、 厚生労働省に「大学附属病院等の医療安全確保に関するタスクフォース」を設置し、特定機能病 院に対する集中検査を実施し、当該結果を踏まえて同年11月に特定機能病院の医療安全確保の 改善策をとりまとめた。今後、特定機能病院の承認要件の見直し等を行う。 <実施すべき具体策> 特定機能病院に対する集中検査の結果や承認要件の見直し等も参考にしつつ、拠点病院等 において備えるべき医療安全に関する要件の見直しを行う。 - 38 - がんのゲノム医療・集学的治療推進事業 28年度予算案 1.2億円 背景と課題 ゲノム医療とは、個人のゲノム情報等を調べて、その結果をもとに、より効率的・効果的に診断、治療、予防を行うことであ る。個人のゲノム情報等に基づき、副作用の少ないがん治療等を行うことが可能になると期待されることから、ゲノム医療 の研究開発や医療現場での実用化をさらに進める必要がある。 また、がん治療においては、手術療法、放射線療法、薬物療法等を適切に組み合わせた集学的治療が最大の治療効果を 発揮することから、「がん対策推進基本計画」および「がん研究10か年戦略」の中で集学的治療の臨床試験を実施する体 制の支援・確立を推進することとしている。 現在、多くのがん診療連携拠点病院で治験を含む臨床試験が実施されている。臨床試験の実施にあたっては、データ管理 や被験者対応、治験関連部門との連絡・調整など様々な業務が発生するが、特にゲノム医療や集学的治療の臨床試験に おいて、このような業務を支援する遺伝カウンセラーや臨床研究コーディネーター(CRC)が十分配置されておらず、病院の医 師にとって過剰な負担となっており、臨床試験の推進に支障をきたしている。 事業内容 ○臨床試験基盤の整備 臨床研究実績のあるがん診療連携拠点病院を中心に、遺伝カウンセラーや臨床研究コーディネーターを配置すること で、国際基準に対応した多施設共同臨床試験をより効率的・効果的に実施するための体制を強化し、迅速なゲノム医療・ 集学的治療の確立を実現する。 【がんの治療法開発】 基礎研究 応用研究 非臨床試験 治験 薬事承認 臨床試験 支援 補助先:がん診療連携拠点病院 実用化 臨床試験基盤 の整備 ※特に企業資金が入らない臨床試験を支 援するための人材として配置する。 補助率:定額 成果 ゲノム医療・集学的治療の確立を加速 ○臨床試験の科学的・倫理的な向上 (データ精度の向上、安全性情報の共有、等) ○医師の負担軽減 がん医療の質の向上 地域統括相談支援センターについて 患者・家族らのがんに関する相談について、心理、医療や生活・介護など様々な分野に関する相 談をワンストップで提供する体制を支援するもの。 28年度予算案:11億円(27年度予算額:11億円) 【補助先】都道府県 ※都道府県健康対策推進事業の内数 【補助率】1/2 【事業内容】ピアサポーターなど様々な分野に関する相談に対応するための相談員の確保及びその研修、相談内容の 分析、がん患者サロンの整備等 地域統括総合センターで相談を 受ける相談員(ピアサポーター) を養成するために必要なプログ ラム がん総合相談に携わる者に対する 研修プログラム 「がんピアサポート編~これからピア サポートをはじめる人へ」 ※日本対がん協会HPより http://www.gskprog.jp/news/929/ - 39 - がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会について 平成28年度から「がん治療認定医」の申請資格において緩和ケア研修会修了が必須化されること や、診療報酬のがん性疼痛緩和指導管理料において緩和ケア研修会の修了者に限り算定可能と することが議論されていることから、今後、緩和ケア研修会の受講者が増えることが予想されま す。 各都道府県におかれましては、以下の点にご留意いただくとともに、がん診療連携拠点病院等に も周知をお願いいたします。 必要に応じて、緩和ケア研修会の開催回数を増やすことをご検討ください。 小さな病院や開業医の方、離島や過疎地での医療に従事している方が緩和ケア研修会を受講できるようご 配慮ください(単位型研修会の実施など)。 医師が緩和ケア研修会の開催情報を把握できるよう、ホームページにおいて、最新の情報をわかりやすい場 所に掲載するなど、積極的な情報提供に努めてください。 緩和ケア研修会開催指針の経過措置 H26.10 H27.4 H27.10 H28.4 新指針(案) 緩和ケア推進検討会で承認 新指針 完全移行 旧指針 有効期間 ※1 一般型 旧指針に よる研修 プログラム等 改定作業 経過措置 (新・旧指針混在) 新指針に よる研修 新指針による 指導者育成研修 旧指針単位 有効期間 ※2 単位型 旧指針に よる研修 経過措置 (新・旧指針混在) ※1 経過措置期間においても一般型研修会での同一研修会では、新・旧一方のみの開催指針に準拠した内容とする。 ※2 経過措置期間においては、旧指針と新指針による単位の読み替え表を用いて研修修了を判断する。 - 40 - 新指針に よる研修 2.肝炎対策について 平成28年度肝炎対策予算案の概要 基本的な考え方 平成28年度予算案 平成27年度予算額 222億円 ※平成27年度補正予算案を含む 207億円 ※平成26年度補正予算額を含む 慢性肝炎、肝硬変を早期発見し、早期治療することで進展を阻止して、肝がんを予防する包括的なシステムである「肝炎総合対策」を推進する。 1. 肝炎治療促進のための環境整備 139億円※1 ( 121億円※2 ) ○ウイルス性肝炎に係る医療の推進 ※1 平成27年度補正予算案を含む ※2 平成26年度補正予算額を含む ・B型肝炎・C型肝炎のインターフェロン治療、インターフェロンフリー治療及び核酸アナログ製剤治療に係る患者の自己負担を軽減し、適切な医療の確保を図る。 2. 肝炎ウイルス検査等の促進 改 38億円(34億円) ○肝炎患者の重症化予防の推進 ・保健所等における利便性に配慮した肝炎ウイルス検査体制を確保し、肝炎ウイルス検査の受検促進を図るとともに、肝炎ウイルス検査陽性者に対する受診勧 奨、定期検査費用に対する助成措置を拡充(所得制限の緩和)することにより、肝炎患者を早期治療に結びつけ、重症化の予防を図る。 3. 健康管理の推進と安全・安心の肝炎治療の推進、肝硬変・肝がん患者への対応 新 ○肝疾患診療地域連携体制の強化 新 ○肝炎情報センターによる支援機能の戦略的強化 6億円(7億円) ・地域における肝炎対策の推進を図るため、肝疾患診療連携拠点病院を中心に、都道府県や関係機関が協力して地域連携体制を強化する。 ・国内外で肝疾患に係る基礎・臨床研究が急速に進展している中で、肝疾患診療連携拠点病院等肝疾患の診療レベルや相談支援の質の向上を図り、地域の 肝疾患医療提供体制全体の水準を引き上げるため、国立国際医療研究センター肝炎情報センターによる支援機能の戦略的強化を図る。 4. 国民に対する正しい知識の普及 2億円(2億円) ○肝炎総合対策推進国民運動による普及啓発の推進 5. 研究の推進 37億円(44億円) ・「肝炎研究10カ年戦略」に基づきB型肝炎の画期的な新規治療薬の開発を目指した創薬研究及び疫学・行政的研究を推進する。 (参考)B型肝炎訴訟の給付金などの支給 572億円( 572億円 ) ○B型肝炎訴訟の給付金などの支給 - 41 - (単位:億円) 300 補正予算 当初予算 239 236 250 36 237 207 188 205 200 35 187 186 150 172 100 76 60 61 64 H14 H15 H16 51 53 H17 H18 50 0 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 ※1 平成28年度分については平成27年度補正予算案を含む ※2 平成27年度分については平成26年度補正予算額を含む 1. 肝炎治療促進のための環境整備 139億円(121億円) 肝炎治療特別促進事業(医療費助成) 139億円 (121億円) C型ウイルス性肝炎の根治を目的としたインターフェロン治療及びインターフェロンフリー治療並びに B型ウイルス性肝炎に対するインターフェロン治療及び核酸アナログ製剤治療への医療費助成を行 う。 (参考)【平成27年度補正予算案】 ○ インターフェロンフリー治療特別促進事業 実 施 主 体 対 象 者 36億円 都道府県 B型・C型ウイルス性肝炎患者 ○ B型慢性活動性肝炎に対するインターフェロン治療 ・インターフェロンあるいはペグインターフェロン単剤 対 象 医 療 ○ B型慢性肝疾患に対する核酸アナログ製剤治療 ○ C型慢性肝疾患の根治を目的としたインターフェロン治療 ・インターフェロンあるいはペグインターフェロン単剤 ・インターフェロンあるいはペグインターフェロン+リバビリン併用 ・ペグインターフェロン+リバビリン+プロテアーゼ阻害剤の3剤併用 ○ C型慢性肝疾患の根治を目的としたインターフェロンフリー治療 自己負担限度月額 財 源 負 担 原則1万円(ただし、上位所得階層については2万円) 国:地方=1:1 平成28年度予算案 104億円 総 事 業 費 208億円 - 42 - 肝炎医療費助成の対応状況 H27:121億円 ⇒ H28予算案等:139億円 H28年度 H27年度 新薬の登場に合わせ、 逐次対応 H26年度 対象医療の更なる拡大(インター フェロンフリー治療薬を助成対象) 以後、新薬登場に合わせて順 次対象医療を拡大 H22年4月 助成の拡充 H20年4月 ・B型慢性肝炎に対するペグインターフェロン単独療法 ・C型代償性肝硬変に対するペグインターフェロン 及びリバビリン併用療法 ・自己負担限度額の引下げ ・C型慢性肝炎に対するプロテアーゼ阻害剤を含む ・B型肝炎の核酸アナログ製剤 3剤併用療法 治療への助成開始 ・インターフェロン治療に係る利用 回数の制限緩和 肝炎医療費助成の開始 全ての治療薬を助成対象 ダクラタスビル+アスナプレビル 治療効果 85% ソホスブビル+リバビリン (ソバルディ) 治療効果 96% ソホスブビル+レジパスビル (ハーボニー) 治療効果 100% パリタプレビル/リトナビル+オムビ タスビル 治療効果 94% C型慢性肝炎に対するインターフェロン治療 への助成開始 インターフェロンフリー治療薬の状況 (C型肝炎経口治療薬) (平成27年11月現在) 一般名 ダクラタスビル 〔Daclatasvir〕 アスナプレビル 〔Asunaprevir〕 ソフォスブビル 〔Sofosbuvir〕 薬価 (1日) (1治療) 薬剤適用組合せ HCV 遺伝子型 ダクラタスビル+ アスナプレビル ジェノタイプ 1型 15,747円 (265万円) ソフォスブビル+リ バビリン ジェノタイプ 2型 61,799円 (519万円) 治療 期間 (SVR率) 24W 効果 国内開発ステージ 販売元 85% H26.9保険適用 ブリストル・ マイヤーズ 12W 96% H27.5保険適用 ギリアド・ サイエンシズ ※リバビリンの薬価は除く ソフォスブビル 〔Sofosbuvir〕 レディパスビル 〔Ledipasvir〕 ソフォスブビル+レ ディパスビル ジェノタイプ 1型 80,171円 (673万円) 12W 100% H27.8保険適用 ギリアド・ サイエンシズ パリタプレビル/リト ナビル オムビタスビ ル 〔ParitaprevirRitonavirOmbitasvir〕 パリタプレビル/リ トナビル+オムビタ スビル ジェノタイプ 1型 53,602円 (450万円) 12W 94% H27.11保険適用 アッヴィ合同会社 ※SVR(sustained virological response):血中HCV-RNA持続陰性化(ウイルス学的著効) - 43 - 2.肝炎ウイルス検査等の促進 38億円( 34億円) ● 保健所等における検査の検査体制の整備、陽性者のフォローアップの 推進(ウイルス性肝炎患者等の重症化予防推進事業) ・検査未受診者の解消を図るため、出張型検診や医療機関委託など利便性に 配慮した検査体制を整備。 ・陽性者のフォローアップの推進 肝炎ウイルス検査で陽性となった者に対する医療機関への受診勧奨を行うとともに、定期検査費 用に対する助成措置を拡充(所得制限の緩和)することにより、肝炎患者を早期治療に結びつ け、重症化の予防を図る。 ● 市町村における肝炎ウイルス検診等の実施、陽性者のフォローアップの 推進(健康増進事業) ・肝炎ウイルス検診への個別勧奨の実施 40歳以上5歳刻みの者を対象として、無料で検査を受けることが可能な個別勧奨メニューを 実施し、検査未受検者への受検促進の一層の強化を図る。 ・陽性者のフォローアップの推進 肝炎の重症化予防対策 ステップⅡ「受診」 肝炎対策の推進 ステップⅢ「受療」 ステップⅠ「受検」 政策対応 流れ 肝炎ウイルス検査未受診者 肝炎ウイルス検査の受検 受検 肝炎ウイルス陽性者 医療機関において 初回精密検査の受診 経過観察者 抗ウイルス療法非適応者 医療機関において 定期検査の受診 ・治療適応の早期判断 ・肝がんの早期発見 ・生活指導による病態改善 検査による早期発見 検査体制の整備 ・都道府県による肝炎ウイルス検査 検査の実施,費用助成 ・市町村による健康増進事業(肝炎ウイルス検診) 個別勧奨の実施 肝炎の重症化予防(肝がんリスク低減) 国民に対する正しい知識普及 2億円 ・知って肝炎プロジェクトの推進 陽性者の受診促進 受診勧奨 費用助成 (初回精密 ・定期検査) 受療 抗ウイルス療法 による治療 肝炎ウイルス検査 29億円 受診 抗ウイルス療法 適応者 平成28年度予算等(222億円) 早期の治療介入 肝炎医療費助成 住民税課税年額 235,000円以上 2万円/月 住民税課税年額 235,000円未満 1万円/月 - 44 - ・市民公開講座や肝臓病教室の開催 重症化予防の推進 9億円 ・初回精密検査費用、定期検査費用の助成 ・陽性者のフォローアップの実施 肝炎医療費助成 139億円 ・B型・C型肝炎の抗ウイルス療法に対する助成 研究の推進 37億円 ・肝炎に関する基礎・臨床・疫学研究の推進 定期検査費用助成の拡充 H27:3.6億円 ⇒ H28予算案:7.9億円 概要 慢性肝炎、肝硬変、肝がん患者に対し、定期的な介入を通じて早期治療に結びつけ、重症化予防を図るため、定 期検査費用の助成の拡充措置を講ずる(所得制限の緩和)。 内容 ○ 血液検査、超音波検査、CT・MRIを用いた定期検査に係る費用助成について、世帯の市町村民税課税年額 235千円未満の者まで拡大し、早期発見を通じた受療機会を増やすことで、予後の改善に寄与する。 拡充内容 定期検査費用助成の拡充 助成回数 所得制限 (助成対象) 平成27年度予算 平成28年度予算(案) 年2回 年2回 ・住民税非課税世帯 ⇒ 無料 ・住民税非課税世帯 ⇒ 無料 ・世帯の市町村民税課税年額が 235,000円未満の者(※) ※慢性肝炎:1回につき3千円自己負担 ※肝硬変・肝がん:1回につき6千円自己負担 定期的なスクリーニングの促進 (病気の進行の早期発見、早期の治療介入) 3.健康管理の推進と安全・安心の肝炎治療の推進、 肝硬変・肝がん患者への対応 6億円(7億円) ● 肝疾患診療地域連携体制の強化 国内外で肝疾患に係る基礎・臨床研究が急速に進展している中で、肝疾患診療連携拠点 病院等肝疾患の診療レベルや相談支援の質の向上を図り、地域の肝疾患医療提供体制全 体の水準を引き上げるため、国立国際医療研究センター肝炎情報センターによる支援機能 の戦略的強化を図る。 ● 肝炎情報センターによる支援機能の戦略的強化 地域における肝炎対策の推進を図るため、肝疾患診療連携拠点病院を中心に、都道府県 や関係機関が協力して地域連携体制を強化する。 これにより、地域における肝疾患診療連携の円滑な実施を図るとともに、質の高い肝炎医療 の提供体制を確立する。 - 45 - 肝疾患診療体制の強化について 肝疾患診療連携拠点病院事業に関する 行政事業レビュー公開プロセス 評価コメント 拠点病院間の格差是正や肝炎情報センターの機能強化が必要 陽性キャリアの受診率の格差等の是正に向けた検討が必要 KPI(成果指標)の見直しが必要 見直しの概要 ①肝炎情報センターの戦略的強化を図り、拠点病院の支援体制を大幅に強化するとともに、②地域単位での肝 疾患診療のネットワークを強化することで、地域における肝炎診療の質の向上を図る。 見直しのポイント ポイント①:肝炎情報センターによる拠点病院の支援体制の強化 ポイント②:地域全体の肝疾患診療のネットワーク強化 ポイント③:複数のKPI(成果指標)の設定を通じたPDCAサイクルを実施 ※KPIの例:肝炎治療コーディネーターの活動支援、市町村等への技術支援 新 肝炎情報センター戦略的強化事業 新 肝疾患診療地域連携体制強化事業 人的支援・情報支援・政策発信 肝炎医療人材の育成(研修プログラムのカスタマイズ・定着支援) 拠点病院の支援(拠点病院が抱える課題の分析・最適化・水平展開) 情報発信の強化(最新のエビデンスに基づく正しい知識の効果的発信) 肝炎対策の進捗評価・政策提言、先駆的実証の推進 「早期発見」×「早期治療」 拠点病院による市町村等に対する技術支援 地域連携の推進(「受検」・「受診」・「受療」の強力な推進) 肝疾患相談センターでの相談 等 肝疾患診療連携拠点病院の関係事業の見直し案について(概要) 1 事業の見直しについて 現在の肝炎患者等支援対策事業は、28年度から以下の3事業に再編。 名 称 ①肝炎情報センター戦略的強化事業 ②肝疾患診療地域連携体制強化事業 ③肝炎対策協議会等事業 計 助成先 肝炎情報センター 肝疾患診療連携拠点病院(都道府県経由) 都道府県 28年度予算案(千円) 120,123 443,823 54,916 618,862 ②は国立大学法人等も含め、国の補助割合を 1/2とするとともに、③と併せて交付先を都道府県に一本化。 3事業ともメニューに応じ事業を実施するが、①は、一部メニューを肝疾患診療連携拠点病院に再委託。 2 事業の実施について(フレーム案) (別表メニュー表、及びスキーム図参照) (1)都道府県による実施計画の策定 ・①~③の各メニューに係る実施計画を策定(平成28年末までに提出、複数年度でも可) ・都道府県での肝炎診療の充実・向上、肝炎患者等への支援という事業の趣旨を踏まえ、事業種別ごとに評 価指標の設定を行うこととし、各都道府県で検討のうえ、実施計画に明記。 ※指標の設定例は以下の通り 【支援系】患者支援、関係者支援に関わる事業 ・相談件数(拠点病院、都道府県等での状況)、 ・B型、C型ウイルス肝炎陽性者の初診件数(フォローアップ) ・患者、関係機関等に対する支援(説明会、連携パス等)の実施状況、等 【研修系】会議、研修に関わる事業 ・肝炎対策協議会の開催の有無、参加者、内容(議題等)、 ・拠点病院から医療機関に対する会議、研修、情報交換等の実施の有無、状況、及び医療機関から拠点病院に対する相 談等の有無、状況 ・肝炎医療コーディネーター制度の有無、育成・活用の実施の有無、等 【啓発系】普及啓発に関わる事業 ・啓発に係る効果(ポスター等配布、PR状況から測定) ・啓発実施に係る関係者との連携・協力体制の有無、効果、・「知って肝炎プロジェクト」との連携の有無、効果、等 (一部の事業メニューにはインセンティブ評価を導入し、指標等(指標の設定例のうちの下線部を想定)が一定の要件を満たす場合には定額 補助を行うことを検討中) - 46 - (2)留意事項 ※事業内容については、各都道府県、肝疾患診療連携拠点病院その他の関係者との協議を経て決定 ・肝疾患診療体制の整備における、肝炎情報センター、都道府県等の地方自治体及び拠点病院の役割の整理については、今 般見直しを行う肝炎対策基本指針及び「肝疾患診療体制の整備について」(平成19年健康局長通知)の改正にて対応の方向。 ・実施計画及び事業報告は各都道府県から厚生労働省に提出するが、当該資料は、厚生労働省から肝炎情報センターに提供 する予定(肝炎情報センターは、指標の設定内容及び効果等について検証を行い、厚生労働省、都道府県及び拠点病院へ提 言等を行う方向)。 ・都道府県と拠点病院で、又は都道府県内の拠点病院間で連携して事業を実施する場合は、効果的・効率的な事業実施を確 保する観点から、実施計画に事業内容及び連携して実施する旨を記載した上で実施。 ・地域肝炎治療コーディネーター養成を行う都道府県においては、今後、厚生労働省として、当該コーディネーターの役割等に ついて一定の考え方を明示する予定であるので、それを参考に都道府県で規約等を策定し、役割等の明確化を求める方向。 ・「知って肝炎プロジェクト」との連携(活用)を積極的に行うよう求める予定。 ※都道府県担当者に向けては、以下を連絡中(該当が有るところは1月末までに連絡依頼) 国立大学法人等に係る補助割合の変更に伴い、国立大学法人を含む拠点病院を複数抱える都道府県等において著しい負 担増を生じることを背景として、拠点病院事業の円滑な実施が著しく困難となり、地域における肝疾患診療体制の確保や患者 等支援の実施に支障が生じるおそれのある都道府県については、別途個別の対応を検討する方向。 3 今後のスケジュール(見通し)について 1月末まで 2月末まで 3月末まで 5月~ 7月頃 12月末まで 別表 拠点病院・都道府県担当者に事業概要(フレーム案)提示、補助割合変更に伴う特例措置希望の有無 都道府県、肝炎情報センター等と内容調整(個別協議含む) 事業案の提示 実施要綱等の案提示、要望額調査 配分額内示 都道府県から厚生労働省に対して実施計画の提出 メニュー表 事業種別 ①センター事業 ②拠点病院事業 ③都道府県事業 支援系 患者支援 ・肝臓病教室開催 ・肝疾患相談センター事業 ・肝炎患者等支援対策 ・家族支援講座開催 ・肝炎患者支援手帳等作成 ・専門医療機関相談等事業 ・肝炎患者の就労に関する 総合支援モデル事業 関係者支援 ・新 事業評価運営経費 ・新 市町村等技術支援等 ・ 地 域 肝 炎 医 療 治 療 コ ー 事業経費 ディネーター養成 ・新 地域連携事業経費 研修系 会議 ・新 肝炎対策地域ブロッ ・肝疾患診療連携拠点病院 ・肝炎対策協議会等開催 ク戦略会議 等連絡協議会 ・新 情報発信力強化戦略 会議 研修 ・肝炎専門医療従事者研修 事業 ・一般医療従事者研修 ・肝炎診療従事者研修 啓発系 ・市民公開講座開催 ・新 多角的普及啓発事業 ・シンポジウム開催 ・肝炎対策リーフレット等 作成 ・普及啓発事業 注)下線部は拠点病院への委託による実施を予定。 - 47 - 肝炎患者等支援対策事業等における実施スキーム図(フレーム案) 委託 肝炎情報センター 厚生労働省 ○肝炎情報センター戦略的強化事業 計画、指標の状況を通して進捗確認 計 助成(1/2) 画 ・肝疾患診療地域連携 申書 体制強化事業 請提 ・肝炎対策協議会等事 出 業 ・ 都道府県毎での実施計画策定 (評価指標の設定含む) 都道府県 ・肝炎対策地域ブロック戦略会議 ・情報発信力強化戦略会議 ・多角的普及啓発事業(肝炎マップ等) 計画提供 提言 ○指標、事業の効果等検証・提言 提言 助成 (強化事業分) ○肝炎対策協議会等事業 ・肝炎患者等支援対策 ・肝炎患者支援手帳等作成 ・専門医療機関相談等事業 ・地域肝炎医療治療コーディネーター養成 ・肝炎対策協議会等開催 ・肝炎診療従事者研修 ・シンポジウム開催 ・肝炎対策リーフレット等作成 ・普及啓発事業 計画策定にお いて調整 提言 一 部 メ ニ ュ ー 再 委 託 拠点病院 ○肝疾患診療地域連携体制強化事業 ・肝疾患相談センター事業 ・市町村等技術支援等事業経費 ・地域連携事業経費 ・拠点病院等連絡協議会 ○肝炎情報センターより委託分 ・肝臓病教室開催 ・家族支援講座開催 ・就労モデル事業 ・肝炎専門医療従事者研修事業 ・市民公開講座開催 4.国民に対する正しい知識の普及啓発 2億円(2億円) ◎ 教育、職場、地域あらゆる方面への正しい知識の普及啓発 肝炎に関する正しい知識を国民各層に知っていただき、肝炎ウイルスの感染予防に資するとともに、 患者・感染者の方々がいわれのない差別を受けることのないよう、普及啓発に努めている。 肝炎患者等支援対策事業(普及啓発部分) 20百万円(18百万円) ○ 自治体の普及啓発活動に対する補助事業 ・ シンポジウム開催、ポスター作成、新聞・中吊り広告 等 ○ 肝炎情報センターによる情報発信、肝疾患診療連携拠点病院による普及啓発活動 ・ 科学的根拠に基づく正しい知識の発信、市民公開講座・肝臓病教室の開催 肝炎総合対策推進国民運動事業 (「知って、肝炎」プロジェクト) 1億円( 1億円) ○ 多種多様な媒体を活用しての効果的な情報発信や民間企業との連携を通じた肝炎対策を 展開し、肝炎総合対策を国民運動として推進する。 - 48 - 「肝炎総合対策推進国民運動事業(知って、肝炎プロジェクト)」の実績 国民(個人) 企業・団体 <課題> <課題> 「保健所や一部の医療機関での無料検査」 を約90%の国民が認知していない <7/23 「知って、肝炎」2015> 地方自治体 <課題> 受検率を左右する「職場の定期健康診断」 だが、必ず検査している組合が極めて少ない 地方自治体などを巻き込んだ連鎖反応の 創出が国民運動を成功させるためには必要 <東京都知事表敬訪問>伍代夏子氏 <日経健康セミナー> 経営者・人事総務担当を中心に参加 計3番組・12紙・ WEBで報道。 <佐賀県知事表敬訪問>高橋みなみ氏 <広報施策> セミナーの模様は 日本経済新聞朝刊にて 採録を実施。 厚生労働省YOUTUBEオフィシャルサイトで展開 ⇒ 肝炎の『早期発見』『早期治療』を重点訴求 地元TV4番組・地元新聞4紙・WEBで報道。 (全ての国民が一生に一度は受検する必要のある「肝炎ウイルス検査」の積極推進) 政策課題解決型の戦略的広報の展開 「知って、肝炎プロジェクト」 大使・スペシャルサポーター首長訪問状況 「スペシャルサポーター」 石田 純一 貴乃花 光司 岩本 輝雄 高橋 みゆき w-inds. 田辺 靖雄 上原 多香子 夏川 りみ 内山 高志 仁志 敏久 AKB48メンバー 平松 政次 EXILEメンバー 堀内 孝雄 小橋 建太 的場 浩司 コロッケ 三浦 大輔 島谷 ひとみ 安田 美沙子 清水 宏保 山川 豊 瀬川 瑛子 山本 譲二 ※敬称略 特別参与 杉 良太郎 特別大使 伍代 夏子 広報大使 徳光 和夫 日程 訪問先 大使・スペシャルサポーター 2014/8/7 東京都 伍代夏子氏 2015/2/19 山口県 山本譲二氏 2015/5/8 佐賀県 AKB48 高橋みなみ氏 2015/5/19 熊本県、熊本市 コロッケ氏 2015/7/31 旭川市 清水宏保氏 2015/8/21 岡山市 平松政次氏 2015/9/14 広島県、呉市 島谷ひとみ氏 2015/11/5 静岡県 伍代夏子氏 2015/11/26 川崎市 EXILE松本氏 2015/11/26 茨城県 仁志敏久氏 2016/1/13 愛媛県 上原多香子氏 2016/2/2 宮崎県 岩本輝雄氏 - 49 - 5.研究の推進 37億円(44億円) ・肝炎等克服実用化研究事業 34億円 「肝炎研究10カ年戦略」を踏まえ、肝炎に関する基礎、臨床研究等を総合 的に推進し、肝炎治療実績の大幅な改善につながる成果の獲得を目指す。 ・肝炎等克服政策研究事業 2億円 肝炎対策を総合的に推進するための基盤となる疫学調査や行政的な課題を 克服するために必要な研究を進める。 特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法の改正について ○ B肝特措法に基づく給付金の支給を受けるためには、施行の日(平成24年1月13日)から5年以内に裁判所 に提訴する必要がある。 ※ B肝特措法に定める対象者の認定は、裁判上の和解手続き等において行う。 ○ 現下の請求状況(※)を踏まえると、対象者の多くが提訴していないと考えられるため、当該請求期限を延長 する必要があると考える。 ※ 法制定当時に推計した対象見込者は約45万人だが、これまでの提訴者数は約2万9千人(平成27年12月)。 ※ 提訴件数は今年度に入って増加傾向にあり、現在、毎月約1000件程度。 ○ また、平成27年3月27日に、国と原告との間で、死亡又は発症後提訴までに20年を経過した「除斥の死亡・肝 がん・肝硬変」の患者に和解金等を支払うことを合意しており、当該和解金をB肝特措法に基づく給付金に位置 づける。 【改正事項(案)】 (1)給付金の請求期限の延長 給付金の請求期限(平成29年1月12日まで)を5年間延長し、平成34年1月12日までに提訴 した者を支給対象とする。 (2)支給対象の拡大 死亡又は発症後提訴までに20年を経過した「除斥の死亡・肝がん・肝硬変」の患者に対する 給付金を新たに位置づける。 等 - 50 - 特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法の概要 集団予防接種等の際の注射器の連続使用によるB型肝炎ウイルスの感染被害の全体的な解決を図るため、当該連続使用に よってB型肝炎ウイルスに感染した者及びその者から母子感染した者等を対象とする給付金等を支給するため、所要の措置を講 ずるもの。 1.対象者 (1) 対象者は、昭和23年から昭和63年までの集団予防接種等における注射器の連続使用により、7歳になるまでの間にB型 肝炎ウイルスに感染した者及びその者から母子感染した者等(特定B型肝炎ウイルス感染者) (2) 対象者の認定は、裁判上の和解手続等(確定判決、和解、調停)において行う。 2.特定B型肝炎ウイルス感染者を対象とする給付金等の支給 ※ 給付金等を受けるためには 提訴する必要がある。 ※ 支給事務は、社会保険診療 (1) 特定B型肝炎ウイルス感染者給付金 : 報酬支払基金が実施。 ① 死亡・肝がん・肝硬変(重度) 3600万円 ⑤ 除斥期間が経過した慢性B型肝炎 ② 肝硬変(軽度) 2500万円 ア 現在、慢性肝炎にり患している者 等 300万円 ③ 慢性B型肝炎(④の者は除く。) 1250万円 イ 過去、慢性肝炎にり患した者のうちア以外の者 150万円 ④ 無症候性持続感染者(⑥の者は除く。) 600万円 ⑥ 除斥期間が経過した無症候性持続感染者 50万円 ※ 訴訟手当金として、弁護士費用、検査費用を支給。 (2) 追加給付金 : (1)の受給者について、病態が進展した場合、既に支給した金額との差額(⑤及び⑥は全額)を支給 他に、⑥については、定期検査費等に係る一部負担金相当等を支給 3.請求期限 ・平成29年1月12日までに提訴(和解日等から1か月以内に請求) ・なお、追加給付金は、 病態が進展したことを知った日から3年以内に請求(新規の提訴は不要) 定期検査費等は、当該検査等を受けたときから5年以内に請求(新規の提訴は不要) 4.費用及び財源 ・社会保険診療報酬支払基金に基金を設置し、政府が資金を交付。 ・政府は、平成24年度から平成28年度までの各年度において支払基金に対して交付する資金については、平成24年度において 必要な財政上及び税制上の措置を講じて、確保(法附則)。 5.見直し規定(附則) 施行後5年を目途に給付金の請求の状況を勘案し、請求期限及び財源について検討し、必要に応じて所要の措置を講ずる。 提訴者数及び和解者数の推移 H27.12末まで 35,000 30,000 25,000 提訴者数 20,000 15,000 和解者数 10,000 5,000 0 提訴者数 和解者数 H23年 H24年 H24年 H24年 H24年 H24年 H24年 H25年 H25年 H25年 H25年 H25年 H25年 H26年 11月 1月 3月 5月 7月 9月 11月 1月 3月 5月 7月 9月 11月 1月 1,424 2,180 3,201 4,014 5,185 6,104 6,988 7,949 8,781 9,711 10,732 11,636 12,583 13,530 39 122 249 373 621 915 1,414 2,044 2,903 3,585 4,222 5,077 5,710 6,490 提訴者数 和解者数 H26年 H26年 H26年 H26年 H26年 H27年 H27年 H27年 H27年 H27年 H27年 H27年 3月 5月 7月 9月 11月 1月 3月 5月 7月 9月 11月 12月 14,496 15,456 16,467 17,587 18,509 19,537 20,744 22,041 23,732 25,867 28,127 29,118 7,270 7,900 8,748 9,819 10,878 12,239 13,525 14,447 15,691 16,976 18,174 18,572 - 51 - ポスター・リーフレットの配布 3.リウマチ・アレルギー対策について - 52 - アレルギー疾患対策基本法 (平成26年6月27日法律第98号 平成27年12月25日施行) 対象疾患 : 気管支ぜん息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、 食物アレルギーなど 基本理念 ① ② ③ ④ ※上記6疾患以外は必要に応じて政令で定めるとされているが、現状としては他の疾患を定める予定はない。 総合的な施策の実施により生活環境の改善を図ること。 居住地域にかかわらず適切なアレルギー疾患医療を受けられるようにすること。 適切な情報の入手ができる体制及び生活の質の維持向上のための支援体制の整備がなされること。 アレルギー疾患研究を推進し、その成果等を普及・活用・発展させること。 アレルギー疾患対策基本指針 厚生労働省 ○ アレルギー疾患対策の総合的な推進を図るため、 厚生労働大臣が基本指針を策定 ・ アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な事項 ・ アレルギー疾患に関する啓発及び知識の普及並びに アレルギー疾患の予防のための施策に関する事項 ・ アレルギー疾患医療を提供する体制の確保に関する事項 ・ アレルギー疾患に関する調査及び研究に関する事項 ・ その他アレルギー疾患対策の推進に関する重要事項 アレルギー疾患対策推進協議会 ・ 「アレルギー疾患対策基本指針」の策 定・変更に当たって意見を述べる ・ 委員は、厚生労働大臣が任命 (委員) ・患者及びその代表者 ・アレルギー疾患医療に従事する者 ・学識経験のある者 ※ 協議会の組織及び運営に関し 必要な事項は、政令で規定 条文抜粋 アレルギー疾患対策基本法 (平成二十六年六月二十七日法律第九十八号) 第一章 総則(第一条―第十条) 第二章 アレルギー疾患対策基本指針等(第十一条―第十三条) 第三章 基本的施策 第一節 アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減(第十四条・第十五条) 第二節 アレルギー疾患医療の均てん化の促進等(第十六条・第十七条) 第三節 アレルギー疾患を有する者の生活の質の維持向上(第十八条) 第四節 研究の推進等(第十九条) 第五節 地方公共団体が行う基本的施策(第二十条) 第四章 アレルギー疾患対策推進協議会(第二十一条・第二十二条) 附則 (地方公共団体の責務) 第五条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、アレルギー疾患対策に関し、国との連携を図りつつ、自主 的かつ主体的に、その地域の特性に応じた施策を策定し、及び実施するよう努めなければならない。 (都道府県におけるアレルギー疾患対策の推進に関する計画) 第十三条 都道府県は、アレルギー疾患対策基本指針に即するとともに、当該都道府県におけるアレルギ ー疾患を有する者に対するアレルギー疾患医療の提供の状況、生活の質の維持向上のための支 援の状況等を踏まえ、当該都道府県におけるアレルギー疾患対策の推進に関する計画を策定す ることができる。 - 53 - リウマチ・アレルギー対策について ● リウマチ・アレルギー特別対策事業 【概 要】 かかりつけ医等を対象とした診療ガイドラインの普及、患者カード携帯による患者の自己管理 の徹底、地域住民への情報提供や病診連携の構築等を図る 【実施主体】 都道府県・政令指定都市・中核市 【実施事業】 ① 病院や診療所等の医療関係者を対象とした研修の実施 ② 患者カードの配布の促進ならびに患者の自己管理等正しい知識の普及啓発事業の実施 ③ 喘息死並びにリウマチ及びアレルギー系疾患診療担当医師(医療機関)名簿や医療連携事例 集の作成等による医療情報の提供 ④ 地域の喘息患者並びにリウマチ及びアレルギー系疾患患者の実態把握を目的とした分析調査 の実施 ⑤ エピペン講習等、リウマチ又はアレルギー疾患に関する事業の実施又は事業への参画 ⑥ 関係機関等との連携体制の構築(地域医療連絡協議会の設置及びその運営等) ⑦ 事業実施の評価 【補助率】1/2 ● リウマチ・アレルギー相談員養成研修会 【概 要】 都道府県、保健所設置市及び特別区(以下「都道府県等」という。)の保健関係、福祉関係等従 事者並びに都道府県等所管下の医療従事者を対象に、リウマチ、アレルギー疾患について必要な 知識を修得して頂き、地域住民への正しい知識の普及啓発を行うための相談体制の確保を図る。 【実施主体】 一般財団法人日本予防医学協会 【開催時期】 全国5箇所での開催(東京、大阪、熊本、仙台、金沢) 12月~3月 <※平成27年度実施分> 4.腎疾患対策について - 54 - 腎疾患対策について 普及啓 発 CKDの重要性・予防 法等を幅広く普及啓発 マスメディア、イン ターネット、保健指導 の場などあらゆる機会 を活用 医療連携体制 かかりつけ医と専門医 療機関との連携促進 保健指導・栄養指導の 推進 地域における医療連携 システムの構築の推進 人材育成 診療水準の向上 CKD診療ガイドライン の作成、かかりつけ医へ の普及 指導管理の技術の向上 糖尿病・循環器疾患等の 治療との連携 腎臓専門医の育成 専門医・かかりつけ 医の資質向上 専門的な保健指導を 行う保健師、看護師、 管理栄養士等の育成 研究の推進 診療のエビデンス確 立と実践の研究 病態解明と治療法開 発に関する研究 ● 慢性腎臓病(CKD)特別対策事業 【概 要】 地域における講演会等の開催や医療関係者を対象とした研修等を実施することにより、 広くCKDに関する正しい知識の普及、CKD対策に必要な人材の育成等を図る。 【実施主体】 都道府県・政令指定都市・中核市 【補 助 率】 【実施事業】 1/2 ① 患者等一般向けの講演会等の開催 ② 病院や診療所等の医療関係者を対象とした研修の実施 ③ CKD診療に関わる医療機関情報の収集と提供 ④ 事業実施の評価 ● 慢性腎臓病(CKD)シンポジウムの開催について CKDに関する正しい知識等を国民に広く情報提供することを目指し、世界腎臓デー(3月第2木曜日) に併せて関係学会等と連携し開催。 関係者の皆様のご協力をお願いし、今後のCKD対策の普及に努めていきたい。 <本年度の予定> 平成28年3月10日(木) - 55 - 東京国際フォーラム 全国健康関係主管課長会議 健康局 難病対策課 移植医療対策推進室 1.臓器移植対策 - 56 - 1.臓器移植対策について ○ 平成22年7月の改正法施行後、脳死下臓器提供事例が増加している一方で、全体の 提供事例数が減少していたため、*5類型施設(臓器提供が可能な施設)の負担軽減等を行った。 その結果、臓器提供者数が平成27年に対前年で増加に転じたが、過去の年間提供 件数には及ばない状況。(15歳未満の小児からの提供事例は、平成22年~平成26年までは6例、平成27年は4例) 臓器提供者数の推移 120 10 100 80 0 5 4 32 9 44 45 6 60 40 7 3 8 5 13 13 83 85 71 71 59 47 90 82 75 102 92 96 98 81 58 50 68 65 20 37 27 33 0 脳死(提供可能臓器) 心臓、肺、肝臓、膵臓、腎臓、小腸、眼球(角膜) 心停止(提供可能臓器) 膵臓、腎臓、眼球(角膜) *5類型施設(大学病院・救急医学会指導医指定施設・ 脳外科学会専門医訓練施設・救命救急センター・ 小児総合医療施設協議会会員施設) 平成27年における月別臓器提供事例数 12 11 10 9 8 6 6 4 7 7 5 4 1 3 4 2 6 4 1 0 0 2 2 2月 3月 3 0 1月 4月 0 5 0 1 5月 4 4 7月 - 57 - 8月 1 1 4 4 11月 12月 1 3 0 1 0 6月 脳死下 (小児) 4 0 0 3 5 2 6 9月 3 10月 脳死下 (成人) 心臓停 止後 脳死判定に係る負担軽減への対応 ①「脳死とされうる状態」の診断について 脳死判定の流れ (病気・事故など) 従来:法的脳死判定に準じて行うのが望ましい(質疑対応集) • 実際は、3回の法的脳死判定を行っていることになる • *5類型施設の負担になっている 変更後:各*5類型施設にて治療方針決定のため行われている 一般の脳死判定と同等の扱いでよい 脳死とされうる状態 第1回法的脳死 ②「脳死判定医の自施設2名要件」の緩和について 従来:自施設に所属する医師*から判定医を確保すること (ガイドラインの解釈) *脳死判定医となる実質的要件 脳外、救急、蘇生、小児など学会専門医または学会 認定医であり、かつ脳死判定に豊富な経験を有し、 しかも臓器移植にかかわらない医師 第2回法的脳死 臓器摘出 変更後:自施設に所属する医師*1名と、他施設からの支援医師* 1名で脳死判定が可能 ○ 今後は、地域において臓器提供に携わる関係者の連携体制の強化を進めた 上で、特に、*5類型施設における負担軽減を図ることが重要。各都道府県等 においても必要な協力をお願いしたい。 ○ このため、(公社)日本臓器移植ネットワークに下記のような事務費を補助し ており、各都道府県の体制整備に活用することができるようにしている。 (公社)日本臓器移植ネットワークの事業 ①都道府県連絡調整体制支援事業 84,386千円 ・ (公社)日本臓器移植ネットワークからの助成を活用しながら、都道府県臓器移植コーディ ネーターが中心となって、移植医療の推進に資するための様々な取り組みを実施し、地域にお ける移植医療の関係者との連携を強化し、地域の臓器移植に関する諸問題等を検討する。 ②院内体制整備支援事業 19,920千円 ・ 臓器提供の意思をより確実に活かすことができるような院内体制をつくるための院内マニュアル の作成、シミュレーションや院内研修の実施など、臓器提供に関する院内体制を整備する事業を実 施する。 ③*5類型施設における選択肢提示対応支援 40,500千円 ・ *5類型施設において、終末期医療の説明の中で臓器提供に関する選択肢を提示することに 関する実態等を把握するとともに問題点や課題を検討し、患者家族の心情にも配慮した対応方 法を医療機関において整備することへの支援を行うことで*5類型施設の負担軽減を図る。 ※金額は平成28年度予算案 - 58 - 臓器移植の地域連携体制の構築 ①都道府県連絡調整体制支援事業--- 84,386千円 行政(都道府県)が中心となり、各団体 が一層連携を密にし、地域支援事業の 中核となることを目指す 移植医療推進の取組み ・地域推進会議 ・普及啓発活動 (住民・病院) ②院内体制整備支援事業 --- 19,920千円 (特別地域支援事業含む) 意思を活かす体制作り ・院内コーディネーター設置 ・院内マニュアル作成 ・シミュレーション ・院内研修会実施など ③選択肢提示支援事業 --- 40,500千円 移植 施設 アイ バンク・ 腎バンク 意思確認の状態把握 行政 (都道府県) *5類型 施設 都道府 県コー 民間 団体 ・選択肢提示の実態調査 ・選択肢提示の負担軽減策 ・選択肢提示の標準化 臓器提供の増加 意思表示の増加 ディネー ター 都道府県別 脳死下臓器提供数 平成9年臓器移植法施行後から平成27年12月末まで 360事例 70 60 60 臓器提供数 50 40 31 30 20 27 23 23 15 15 10 11 11 8 8 8 8 8 7.7 7 7 6 6 5 5 5 5 4 4 4 4 4 4 3 3 3 3 3 2 2 2 2 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 0 12 6 4 2 0 人口100万人当たり臓器提供数 0.56 0.69 0.70 0.85 0.88 0.96 1.03 1.15 1.19 1.20 1.42 1.43 1.45 1.55 1.56 1.72 1.74 1.80 1.87 1.90 2.02 2.16 2.16 2.19 2.42 2.60 2.62 2.69 2.71 2.81 2.82 2.87 2.97 3.03 3.03 3.09 3.12 3.43 3.46 4.48 5.10 5.65 5.74 5.77 6.06 6.33 6.78 8 11.33 10 東北神愛大千兵和福新静滋広長全石岐栃岡埼福香高青宮群長三愛福茨京宮鹿岩富奈山徳秋山山鳥島佐熊大沖 京海奈知阪葉庫歌岡潟岡賀島崎国川阜木山玉井川知森城馬野重媛島城都崎児手山良口島田形梨取根賀本分縄 道川 山 島 平 均 和高福石長北滋香東新岐岡愛栃青神愛広全兵宮徳大千三福静群長富鹿鳥宮岩福奈島山佐山京茨秋山大沖埼熊 歌知井川崎海賀川京潟阜山知木森奈媛島国庫崎島阪葉重岡岡馬野山児取城手島良根口賀梨都城田形分縄玉本 平 山 道 川 島 均 - 59 - ○ 国民の中で臓器提供を希望される方々の割合は一定割合(4割台)で推移。 * 提供の希望がある方々の割合 (世論調査(内閣府)) 【従来の取組】 (脳死下) 41.6%(H18) (心停止下) 42.3%(H18) 一般向け普及啓発活動 → 43.1%(H25) → 42.2%(H25) 【新しい取組】 「個人番号カード」 (H28.1月 ~)でも臓器提供意思表示が可 能に 臓器移植に関する教育用普及啓発 パンフレット等 健康保険証及び運転免許証 ※中学生向けのパンフレットを作成し、毎年度末 に、全国の中学校、教育委員会に送付している。 裏面への意思表示 臓器移植普及推進月間(10月)及び 臓器移植推進国民大会(※)の実施 ※平成28年度は静岡県で実施予定 ○ 本人が臓器を提供する意思表示をしている場合には、本人の意思を尊重して、家族 が承諾する見込みが高い。 (世論調査(内閣府)) * 本人が臓器提供意思を表示していた場合、家族がこれを尊重する割合が増加 H20 H25 脳死下提供意思を「尊重する」 81.5% → 87.0% 「尊重しない」 11.2% → 7.7% * 本人が臓器提供の意思表示をしていなかった場合、家族が提供を承諾する割合は低くなる 脳死下臓器提供を「承諾する」 38.6% 「承諾しない」 49.5% 本人の意思表示が重要であることに加えて、本人の意思を尊重するためには、 臓器提供にあたり、家族の同意も必要となっていることから、臓器提供の意思表 示を家族で共有しておくことも重要である。 教員向けの普及啓発活動 ○ 日本臓器移植ネットワークにおいて、学生向け・ 教員向けの教材(資料)の配布や訪問授業・学生訪 問の受け入れに取り組んでいる。 ※中学生向け普及啓発パンフレットと併せ、授業での活用をイメー ジすることができるポイントを紹介した教員向け資料を送付。 教育委員会とも連携して、教育現場で活用できる資料や教材についての情報提 供や普及啓発に取り組んでいただきたい。 - 60 - *5類型施設と児童相談所の積極的な連携と情報共有について 「児童虐待の防止等のための医療機関との連携強化に関する留意事項について」 (厚生労働省雇用均等・児童家庭局 総務課長 母子保健課長通知) 雇児総発1130第2号、雇児母発1130第2号、平成24年11月30日 児童相談所・市区町村と医療機関は、日頃から連携体制や関係を構築する必要がある 特に、臓器移植に関連し・・・ ○ 臓器提供者となる可能性がある児童に関し、過去及び現在の児童相談所による虐待相談対応の有無等につ いて児童相談所に照会があった場合に円滑に対応できるよう、照会の方法や個人情報保護条例上の整理等 について事前に関係部署と協議しておく必要がある。 ○ 個人情報保護条例については、あらかじめ個人情報の第三者提供に係る除外規定のいずれの条項に該当 するか整理することや、必要に応じてあらかじめ個人情報保護審査会の諮問・答申手続により整理することな どが必要となる。 「*5類型施設と児童相談所の連携のための関係者間協議の推進について」 (厚生労働省健康局疾病対策課臓器移植対策室長通知) 健臓発1206第2号、平成24年12月6日 ○ 臓器提供者となる可能性がある児童に関し*5類型施設から児童相談所に照会を行う場合の対応について、 児童福祉主管部局や児童相談所と積極的に協議を行うことが必要。 ○ 協議の結果についてすべての関係機関において認識を共有することも重要 (医療機関及び関係団体、並びに市町村及び関係機関等) 引き続き、*5類型施設(医療機関)と児童相談所等の連携体制の整備に取り組んで いただくようをお願いしたい。 臓器移植の実施状況 心臓 (単独) (脳死下) 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 (1~12月) (1~12月) (1~12月) (1~12月) (1~12月) 移植希望者数 ※1 31件 28件 37件 37件 44件 447名 (脳死下) 37件 33件 40件 41件 45件 279名 心肺同時 (脳死下) 0件 0件 1件 0件 0件 4名 41件 40件 38件 43件 55件 364名 6件 9件 9件 5件 4件 6件 9件 9件 5件 4件 182件 174件 130件 101件 133件 57件 58件 63件 59件 71件 0件 1件 1件 2件 2件 29件 18件 24件 24件 32件 29件 18件 24件 24件 31件 3件 0件 1件 0件 0件 4名 0件 0件 0名 肺 (単独) 肝臓 (単独) (脳死下) 膵臓 (単独) 50名 脳死下 腎臓 (単独) 12,659名 脳死下 肝腎同時 (脳死下) 膵腎同時 151名 脳死下 小腸 15名 (脳死下) 肝小腸同時 (脳死下) 眼球 0件 0件 0件 1,606件 1,518件 1,488件 42件 33件 32件 1,414件 1,284件*2 1,940名 (角膜) 脳死下 49件 ※1 移植希望者数は、平成28年1月4日現在。(眼球は平成27年11月30日現在) ※2 眼球のみ平成27年11月30日現在。 - 61 - 40件*2 2.造血幹細胞移植対策 2.造血幹細胞移植対策について ① 骨髄ドナー登録者増加に向けて ○骨髄移植(末梢血幹細胞移植)のドナー登録者は増加しているが、年齢層をみると、高齢化の傾向が顕著である。 ⇒ 今後は、実際にドナーとなりうる可能性が高い若年層に対して働きかけを進めることが極めて重要。 ○近年、ドナー新規登録者は年間3万人を超えていたが、平成26年度は、10年ぶりに3万人を大きく下回ったところ。 骨髄バンクドナー登録者の推移 年齢別ドナー登録者数の推移 (人) 2005年12月末(合計約23万人) 7,000 6,500 6,000 5,500 5,000 4,500 4,000 3,500 3,000 2,500 2,000 1,500 1,000 500 0 最も多い年齢層:33歳 50,000 男性 女性 500,000 新規登録者数 45,000 登録者数(年度末 現在) 40,000 35,000 30,000 2015年12月末(合計約46万人) 最も多い年齢層:42歳 若年層へシフト させる必要がある 男性 女性 400,000 350,000 250,000 20,000 200,000 15,000 150,000 10,000 100,000 5,000 50,000 0 18 20 22 24 26 28 30 32 34 36 38 40 42 44 46 48 50 52 54 450,000 25,000 (歳) 0 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 11,000 10,000 9,000 8,000 7,000 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0 10年ぶ りに3 万人を 下回る 300,000 26,380 18 20 22 24 26 28 30 32 34 36 38 40 42 44 46 48 50 52 54(歳) (人) 450,597 - 62 - 都道府県別対象人口1,000人あたりにおけるドナー登録者数~昨年度との比較~ 35 ドナー登録者数は各都道府県においてばらつきがある。 引き続き積極的なドナー登録の推進をお願いしたい。 30 25 平成26年度 15 31.45 20 16.73 15.42 13.99 13.97 13.69 13.08 11.86 10.85 10.61 10.03 9.68 9.25 9.11 8.79 8.71 8.34 7.94 7.76 7.65 7.48 7.11 6.77 6.75 6.75 6.73 6.48 6.38 6.27 6.05 6.01 5.94 5.72 5.51 5.47 5.38 5.31 5.24 5.24 5.09 4.98 4.91 4.82 4.77 4.75 4.60 4.23 3.88 10 (12月末時点) 5 0 沖 福 栃 山 京 宮 島 佐 長 和 青 福 新 鳥 石 高 埼 愛 岡 東 全 兵 大 宮 熊 北 徳 富 福 広 茨 秋 山 三 滋 愛 香 岩 山 静 鹿 千 岐 神 群 大 奈 長 縄 島 木 形 都 城 根 賀 崎 歌 森 岡 潟 取 川 知 玉 媛 山 京 国 庫 分 崎 本 海 島 山 井 島 城 田 梨 重 賀 知 川 手 口 岡 児 葉 阜 奈 馬 阪 良 野 平 山 島 川 道 均 40 35 平成27年度 30 (12月末時点) 15 10 5 18.61 18.45 16.27 15.47 15.27 14.23 13.38 13.13 12.6 12.48 10.59 10.49 10.18 10.08 9.42 9.1 8.59 8.53 8.14 8.07 7.71 7.67 7.62 7.47 7.4 7.33 6.99 6.9 6.77 6.56 6.56 6.53 6.23 5.9 5.85 5.83 5.81 5.62 5.57 5.53 5.29 5.29 5.23 4.97 4.89 4.72 4.21 20 33.57 25 0 沖 福 栃 山 京 宮 島 佐 青 長 和 鳥 福 高 新 石 愛 埼 岡 熊 全 宮 兵 東 徳 大 北 富 福 秋 広 茨 香 山 三 岩 山 滋 鹿 愛 静 岐 群 千 大 神 奈 長 縄 島 木 形 都 城 根 賀 森 崎 歌 取 岡 知 潟 川 媛 玉 山 本 国 崎 庫 京 島 分 海 山 井 田 島 城 川 梨 重 手 口 賀 児 知 岡 阜 馬 葉 阪 奈 良 野 平 山 道 島 川 均 ※参考:日本骨髄バンク資料より 効果的な普及啓発及び骨髄等提供希望者の募集・登録の考え方 ● 各都道府県等においては、現在、 ・保健所を通じたドナー登録 ・骨髄バンク推進月間(10月)を中心とした普及啓発活動 ・自治体、ボランティア、医師など関係団体からなる連絡協議会を組織しての情報や意見の交換 などを行っていただいているところ。 ● 効果的な普及啓発を行うためには、骨髄バンク推進連絡協議会等も活用し、日本赤十字社(※)、(公財) 日本骨髄バンクやボランティア団体等との連携を強化することが極めて重要。 → 献血事業との連携(献血並行型ドナー登録会)など、骨髄等提供希望者の募集や提供希望者登録事業 においては、日本赤十字社、(公財)日本骨髄バンク及びボランティア団体等との協力が不可欠であり、各 都道府県等の積極的な関与をお願いするとともにこれまでの取り組み事例等も参考に、効果的な普及啓発 や積極的な骨髄 等提供希望者の募集及び登録の推進をお願いしたい。 ※ 平成26年1月に「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律」が全面施行。 同法では、地方公共団体における関係者との連携・協力、普及啓発の推進等について規定されている。(法律第5条及び第8条) ※ 日本赤十字社が指定を受けた「造血幹細胞提供支援機関」の業務として“普及啓発”が掲げられている。(法律第45条第4号) ● また骨髄髄ドナー登録を推進する際には、正しい知識を周知し、登録を迷っている人への不安を取り除く ことも必要である。 - 63 - ドナー登録者増加に向けた取り組み事例 ◆ 骨髄バンク推進連絡協議会を定期的に開催し、普及啓発、ドナー募集方法等を検討する。 (複数県) ◆ 大学・専門学校・高校で、登録会実施 (校内献血の並行型登録会や文化祭など) 文化祭実行委員会と連携し、学生にアプローチしたチラシを作成し広報に使用 (三重県など) ◆ 「はたちの骨髄ドナー登録キャンペーン」を実施。成人式会場や大学等で広報 (茨城県) ◆ 市教育委員会などと連携し、小中学校において、日本赤十字社が作成した 子どもにもわかりやすい白血病の子どもが骨髄移植によって救われるという 内容のマンガ冊子(右図)を用いて、骨髄ドナー登録がいかに患者にとって 必要であるかを授業で教える。 (埼玉県草加市) ※ なお、現在日本赤十字社において、中高生向けの冊子を作成しているため、 教育委員会等にもはたらきかけ、中高生向けの活用も検討されたい。 ◆ 市民公開講座を開催。またテレビ局と連携し、ドキュメンタリー番組を作成、放送 (青森県) ◆ 地元をホームとしたサッカークラブ協力のもと、試合会場やHP上での広報 (京都府) ◆ 地域のお祭などの催しもので登録会を開催したり、骨髄バンクブースを設置し、 骨髄ドナー登録を呼びかけ (複数県) など ② 造血幹細胞移植対策の実施状況について (1)造血幹細胞移植推進拠点病院事業の展開 • • • 平成25年度から段階的に全国に拠点病院を選定。平成27年7月に4病院を追加し、全国9施設を選定した。 平成25年度選定:東京都立駒込病院、名古屋第一赤十字病院、大阪市立大学医学部附属病院 平成26年度選定:東海大学医学部附属病院、東北大学病院 平成27年度選定:北海道大学病院、岡山大学病院、愛媛県立中央病院、九州大学病院 今後も拠点病院の方向性について議論を重ねていく予定である。 本事業にあたっては、造血細胞移植コーディネーター(HCTC)※の普及のための啓発活動をはじめ、地域連携について 都道府県等の協力体制の構築も必要である。 ※ 造血細胞移植コーディネーター(Hematopoietic cell transplant coordinator = HCTC) 『一連の造血幹細胞移植の過程で、ドナーの善意を生かしつつ、移植医療が円滑に行われるように、移植医療関係者や関係機関との調整 を行うとともに、患者やドナーおよびそれぞれの家族の支援を行い、倫理性の担保、リスクマネジメントにも貢献する医師以外の専門職』 (2)非血縁者間末梢血幹細胞移植の推進 • • • • 骨髄採取と異なり、ドナーに全身麻酔を要しない採取方法に『末梢血幹細胞採取』がある。 血縁者間では1990年代後半から開始されたが、非血縁者間では導入に際し審議会で頻回に議論を重ね、201 0年8月から運用を開始。2011年3月に1例目が実施された。 導入にあたって、①患者とドナーとのHLAの完全一致、②採取施設への通院距離(1時間以内)、③採取中の医師の 常時監視、について条件を示していたが、その後の安全性の検討等を下に議論し、これらの条件緩和について認めた。 平成27年12月から骨髄バンクで緩和した条件による非血縁者間末梢血幹細胞採取運用を開始している。 (3)研究目的での臍帯血の利用・提供基準の策定 • • • 臍帯血の研究利用については「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律」でも示しているが、再生医 療領域での原材料としての臍帯血も注目されるようになってきている。 そのため、臍帯血を研究目的で利用・提供する際の臍帯血供給事業者(臍帯血バンク)の倫理審査のあり方、研究成 果や残余検体の取扱等についての整理。 平成27年12月24日付で、関係ガイドラインの一部改正を行った(健発1224号第1号および第2号)。 - 64 - 造血幹細胞移植医療体制整備事業(今後の方針案) 事業の目的 血液疾患患者全体の生存率の向上のために、 ・ 造血幹細胞移植を必要としている患者に対して、適切な時期に、適切な種類の移植を提供できる体制作り ・ 将来的には、どこの地域にいても、誰でも、そして安全に受けることができる治療方法となることが目標 ・ そして、長期生存が得られるようになった際の、移植後のより良い長期フォローアップ体制の構築 事業の内容 ・ 平成25年度から事業開始 ・ 現在まで全国9施設を選定 地域への還元を目指す 造血細胞移植コーディ ネーター(HCTC)の育成 学会との連携 地域の移植医療 の中核組織 移植施設間での効率的な 症例相談体制 セカンドオピニオンや患者 紹介の円滑な実施 非専門医・開業医も含め た長期フォロー体制 相談支援センター(仮称) の設置 地域連携 事業 人材育成 事業 コーディネート 支援事業 非血縁者間移植における コーディネート期間短縮を 重視 骨髄バンクとの連携構築 非血縁者間末梢血幹細 胞提供体制整備 HCTCの活用と普及 総合的で幅広いミッションを 一貫的に遂行する 地域の移植医療の基盤 造血幹細胞移植 推進拠点病院 ・ 移植医療技術の均てん化 ・ コーディネート期間の短縮 ・ 各地域毎のネットワーク構築 - 65 - 拠点病院間の連携体制 の構築 各地域の特色を生かした 対策の構築 コーディネート期間短縮・ HCTC活用をはじめとした 各種研究の主導 拠点病院 連絡会議 (仮称) 造血幹細胞移植患者の 生存率のさらなる向上へ 政各 令都 指道 定府 都県 市・ ・ 中 保核 健都 所市 等 の 協 力 体 制 が 必 要 全国健康関係主管課長会議 健康局 総務課 原子爆弾被爆者援護対策室 平成28年度原爆被爆者対策について 1.被爆者がん検診への胃内視鏡検査の追加について 原爆被爆者健康診断費交付金 【平成28年度予算(案) : 2,952,219千円】 ○ 原爆被爆者に対し、年に定期2回、希望2回(うち1回をがん検診とすることができる) の健康診断を実施。一般検査の結果、必要に応じて精密検査を実施。 ○ 平成28年度から、市町村が実施するがん検診に胃内視鏡(胃カメラ)検査の追加が予 定されていることを踏まえ、被爆者健診にも胃内視鏡検査を追加予定。 被爆者援護法施行規則(省令)を改正し、平成28年度から被爆者健診に胃内視鏡検 査を追加することにより、胃部エックス線検査又は胃内視鏡検査の選択が可能。 2.在外被爆者への医療費支給について ○ 平成27年9月8日に最高裁において、在外被爆者に対しても被爆者援護法を適用し、 医療費の支給を認める判決。 ○ 被爆者援護法施行規則を改正し、平成28年1月1日から、韓国在住の被爆者は長崎県 を、韓国以外の国に在住する被爆者は広島県を、医療費の支給申請窓口とした。 ○ 今後、医療費は原則として、被爆者援護法に基づき、日本の診療報酬の例により算定 して支給。ただし、年間30万円までは簡易な手続きで医療費を助成する現在の保健医療 助成事業(予算事業)による支給も選択可能。 広島県・長崎県以外の都道府県には新たな事務負担は生じないが、在外被爆者か ら問い合わせ等があった場合は申請窓口の紹介をお願いする。 - 66 - 3.被爆二世健康診断について 被爆二世健康診断調査委託費 【平成28年度予算(案) : 215,688千円】 ○ 被爆二世の健康不安を解消し、健康の保持・増進を図るため、被爆二世に対し年に 1回、健康診断を実施。 実施要綱を改正し、平成28年度から被爆二世健康診断に多発性骨髄腫検査を追加 予定。 4.被爆建物保存への補助について 原爆死没者慰霊等事業費補助金 【平成28年度予算(案) : 57,045千円】 ○ 原子爆弾による死没者を慰霊し、恒久平和を祈念するため、地方公共団体、事業所 及び学校等が行う慰霊式典などの事業に必要な経費を補助(補助率2/3)。 平成28年度から、原子爆弾の惨禍を次世代に伝え、死没者を悼むため、広島市、 長崎市の被爆建物の保存に対して補助することを予定。 5.その他 (1) 広島原爆黒い雨体験者に対する相談支援事業委託費 【平成28年度予算(案):62,254千円】 広島原爆による黒い雨を体験し、健康不安を有する広島県在住の方を対象とした保 健師等による健康相談事業について、 新たに、健康相談会場までの交通費の支給及 び個別訪問相談を実施予定。 (2) 長崎被爆体験者精神影響等調査研究委託費 【平成28年度予算(案):820,912千円】 長崎県内に居住する方を対象とした被爆体験による精神的影響に基づく特定の精 神疾患(PTSD等)とその合併症の医療費に対する助成事業について、 新たに、助成 対象となる合併症に認知症を追加予定。 - 67 - 全国健康関係主管課長会議 健康局 総務課 指導調査室 指導調査室 公衆衛生関係行政事務指導監査について 平成28年度においては、各制度ごとに次の事項を重点事項として実施する こととしている。 ○ 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律関係 ・ 被爆者健康手帳の審査・交付状況 ・ 健康診断の実施状況 ・ 原爆症認定申請の事務処理状況 ・ 各種手当の認定、支給事務処理状況 ○ 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律関係(結核に係る 施行事務に限る) ・ 健康診断の実施状況 ・ 医師及び病院管理者が行う届出状況 ・ 家庭訪問等指導の実施状況 ・ 就業制限の実施状況 ・ 入院勧告の実施状況 ・ 結核医療費の公費負担事務処理状況 - 68 - ○ 難病の患者に対する医療等に関する法律関係 ・ 支給認定等の状況 ・ 特定医療受給者証交付状況 ・ 指定難病審査会の設置状況 ・ 指定医療機関の指定状況 ・ 指定医の指定状況 ○ 児童福祉法に基づく小児慢性特定疾病関係 ・ 支給認定等の状況 ・ 小児慢性特定疾病医療受給者証交付状況 ・ 小児慢性特定疾病審査会の設置状況 ・ 指定医療機関の指定状況 ・ 指定医の指定状況 また、平成27年度の指導監査においても、過去に是正改善を図るよう指摘 した事項について、改善が不十分な事例が散見されるので、改めて指摘の趣 旨をご理解いただき、改善に向けて一層のご尽力をお願いしたい。 ※ 「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」に係る事務指導監査についても、 本指導監査と併せて実施する予定。 保健衛生施設等施設・設備整備費補助金 目 的 : 地域住民の健康増進及び疾病の予防、治療を行い、もって公衆衛生の向上に寄与するため、都道府県等が設置 する感染症指定医療機関、エイズ治療拠点病院、難病医療拠点・協力病院及び精神科病院等の整備促進を図る。 【一般会計】 (1)保健衛生施設等施設整備費補助金 ・原爆医療施設 ・小児がん拠点病院 ・感染症指定医療機関 ・多剤耐性結核専門医療機関 ・精神科病院 2,019百万円 ・原爆被爆者保健福祉施設 ・エイズ治療拠点病院 ・感染症外来協力医療機関 ・新型インフルエンザ患者入院医療機関 ・精神保健福祉センター ・放射線影響研究所施設 ・HIV検査・相談室 ・結核患者収容モデル病室 ・医薬分業推進支援センター ・精神科デイ・ケア施設 (2)保健衛生施設等設備備費補助金 ・原爆医療施設 ・マンモグラフィ検診機関 ・眼球あっせん機関 ・感染症指定医療機関 ・医薬分業推進支援センター ・精神科病院 ・精神科救急情報センター ・原爆被爆者保健福祉施設 ・エイズ治療拠点病院 ・さい帯血バンク ・感染症外来協力医療機関 ・食肉衛生検査所 ・精神保健福祉センター ・農村検診センター ・難病相談支援センター ・結核研究所 ・食肉衛生検査所 ・精神科救急医療センター 1,560百万円 ・原爆被爆者健康管理施設 ・HIV検査・相談室 ・組織バンク ・結核研究所 ・と畜場 ・精神科デイ・ケア施設 ( 1,383百万円) ( 1,060百万円) ・地方中核がん診療施設 ・難病医療拠点・協力病院 ・末梢血幹細胞採取施設 ・新型インフルエンザ患者入院医療機関 ・市場衛生検査所 ・精神科救急車 ※下線は既存メニューの拡充(特定感染症指定医療機関における、新感染症等の重症患者に対する集中治療のために必要な設備整備事業を追加) ※ 平成28年度整備計画については、内示後に事業の延期・中止等の事態を生じさせることがないよう、管内の事業者等に対しても 適切な指導をお願いする。 【東日本大震災復興特別会計(復興庁一括計上)】 保健衛生施設等災害復旧費補助金 267百万円 - 69 - ( 55百万円) 全国健康関係主管課長会議 健康局 難病対策課 難病対策の改革に関する経緯 平成23年 9月13日 第13回 難病対策委員会 「難病対策の見直し」について審議開始 平成24年 2月17日 社会保障・税一体改革大綱 難病患者の医療費助成について、法制化も視野に入れ、助成対象の希少・難治性疾患の範囲の拡大を含 め、より公平・安定的な支援の仕組みの構築を目指す。 ☆ 引き続き検討する。 平成25年 1月25日 第29回 難病対策委員会 「難病対策の改革について」(提言) 8月6日 社会保障制度改革国民会議 報告書 難病対策の改革に総合的かつ一体的に取り組む必要があり、医療費助成については、消費税増収分を活 用して、将来にわたって持続可能で公平かつ安定的な社会保障給付の制度として位置づけ、対象疾患の拡 大や都道府県の超過負担の解消を図るべきである。 ただし、社会保障給付の制度として位置づける以上、対象患者の認定基準の見直しや、類似の制度との 均衡を考慮した自己負担の見直し等についても併せて検討することが必要である。 12月5日 「持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律 (プログラム法)」が第185回国会(臨時会)にて成立 難病等に係る医療費助成の新制度の確立に当たっては、必要な措置を平成26年度を目途に講ずるものと し、このために必要な法律案を平成26年に開会される国会の常会に提出することを目指す。 12月13日 第35回 難病対策委員会 「難病対策の改革に向けた取組について」(報告書) 平成26年 2月12日 第186回国会(常会)に「難病の患者に対する医療等に関する法律案」を提出 5月23日 「難病の患者に対する医療等に関する法律」成立(平成26年法律第50号) 平成27年 1月1日 難病の患者に対する医療等に関する法律の施行(110疾病について医療費助成を開始) 7月1日 指定難病に196疾病を追加して医療費助成を実施(指定難病306疾病) 1 - 70 - 難病の患者に対する医療等に関する法律(平成26年5月23日成立) 趣旨 持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律に基づく措置として、難病の患者に対する医療費助成 (注)に関して、法定化によりその費用に消費税の収入を充てることができるようにするなど、公平かつ安定的な制度を確立するほ か、基本方針の策定、調査及び研究の推進、療養生活環境整備事業の実施等の措置を講ずる。 (注)現在は法律に基づかない予算事業(特定疾患治療研究事業)として実施している。 概要 (1) 基本方針の策定 • 厚生労働大臣は、難病に係る医療その他難病に関する施策の総合的な推進のための基本的な方針を策定。 (2) 難病に係る新たな公平かつ安定的な医療費助成の制度の確立 • 都道府県知事は、申請に基づき、医療費助成の対象難病(指定難病)の患者に対して、医療費を支給。 • 指定難病に係る医療を実施する医療機関を、都道府県知事が指定。 • 支給認定の申請に添付する診断書は、指定医が作成。 • 都道府県は、申請があった場合に支給認定をしないときは、指定難病審査会に審査を求めなければならない。 • 医療費の支給に要する費用は都道府県の支弁とし、国は、その2分の1を負担。 (3) 難病の医療に関する調査及び研究の推進 • 国は、難病の発病の機構、診断及び治療方法に関する調査及び研究を推進。 (4) 療養生活環境整備事業の実施 • 都道府県は、難病相談支援センターの設置や訪問看護の拡充実施等、療養生活環境整備事業を実施できる。 施行期日 平成27年1月1日 ※児童福祉法の一部を改正する法律(小児慢性特定疾病の患児に対する医療費助成の法定化)と同日 2 児童福祉法の一部を改正する法律の概要 法案提出の趣旨 持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律に基づく措置として、小児慢性特定疾病の患者に対する医 療費助成に関して、その実施に要する経費に消費税の収入を充てることができるようにするなど、公平かつ安定的な制度を確立 するほか、基本方針の策定、慢性疾病児童の自立支援事業の実施、調査及び研究の推進等の措置を講ずる。 法律の概要 (1)基本方針の策定 ・良質かつ適切な小児慢性特定疾病医療支援の実施その他の疾病児童等の健全な育成に係る施策の推進を図るための基本的な 方針を定める。 (2) 小児慢性特定疾病に係る新たな公平かつ安定的な医療費助成の制度の確立 ・都道府県・政令指定都市・中核市は、小児慢性特定疾病にかかっている児童等であって、当該疾病の程度が一定程度以上で あるものの保護者に対し、申請に基づき、医療に要する費用(小児慢性特定疾病医療費)を支給。 (現行の小児慢性特定疾病医療費助成は児童福祉法に基づく法律補助であるものの裁量的経費。今回、義務的経費化。) ・医療費助成に要する費用は都道府県等の支弁とし、国はその2分の1を負担。 ・その他、適正な医療費助成及び医療の質を担保する観点から、指定医療機関(都道府県等が指定)制度等に関する規定を整備。 ➢支給認定の申請に添付する診断書は、指定医が作成。 ➢都道府県等は、支給認定をしないときは、小児慢性特定疾病審査会に審査を求める。 (3) 小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の実施 ・都道府県等は、相談支援など小児慢性特定疾病児童に対する自立の支援のための事業(※)を実施。 (※)必須事業 : 小児慢性特定疾病児童等、その保護者その他の関係者に対する相談支援、必要な情報提供、助言 等 任意事業 : ①レスパイト(医療機関等における小慢児童等の一時預かり)、②相互交流支援、③就労支援、④家族支援(家族の休養確保のための支援)等 (4) 小児慢性特定疾病の治療方法等に関する研究の推進 ・国は、小児慢性特定疾病の治療研究など、慢性疾病にかかっている児童等の健全な育成に資する調査及び研究を推進。 施行期日 平成27年1月1日 ※「難病の患者に対する医療等に関する法律」と同日施行 - 71 - 3 難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針 (平成27年9月15日厚生労働省告示第375号) 概要 難病の患者に対する医療等に関する法律(平成26年法律第50号。以下「法」という。)第4条第1項に基づき、 難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針を定める。 1 難病の患者に対する医療等の推進の基本的な方向 5 難病に関する調査及び研究に関する事項 ○難病は、一定の割合で発症することが避けられず、その確率は低いものの、国民の 誰にでも発症する可能性があり、難病の患者及びその家族を社会が包含し、支援して いくことがふさわしいことを基本認識として、広く国民の理解を得ながら難病対策を計 画的に推進。 ○法の基本理念にのっとり、難病の克服を目指し、難病の患者が長期にわたり療養 生活を送りながらも社会参加の機会が確保され、地域で尊厳を持って生きることがで きるよう、共生社会の実現に向けて、社会福祉その他の関連施策と連携しつつ、総合 的に施策を実施。 ○社会の状況変化等に的確に対応するため、難病対策の実施状況等を踏まえ、少な くとも5年ごとに本方針に再検討を加え、必要があると認めるときは見直しを実施。 ○難病対策の検討のために必要な情報収集を実施。 ○難病の医療水準の向上を図るため、難病患者の実態を把握。 ○難病の各疾病について実態や自然経過等を把握し、疾病概念の整理、診断基準や 重症度分類等の作成や改訂等に資する調査及び研究を実施。 〇指定難病患者データベースを医薬品等の開発を含めた難病研究に有効活用できる 体制に整備。 2 難病の患者に対する医療費助成制度に関する事項 ○難病の患者に対する医療費助成制度は、法に基づいて適切に運用するとともに適 宜見直し。 ○指定難病については、定められた要件を満たす疾病を対象とするよう、疾病が置か れた状況を踏まえつつ、指定難病の適合性について判断。併せて、医学の進歩に応 じ、診断基準等も随時見直し。 ○医療費助成制度が難病に関する調査及び研究の推進に資するという目的を踏まえ、 指定難病の患者の診断基準や重症度分類等に係る臨床情報等を適切に収集し、医 療費助成の対象とならない指定難病の患者を含む指定難病患者データに係る指定 病患者データベースを構築。 6 難病の患者に対する医療のための医薬品、医療機器及び再生医療等製品に関す る研究開発の推進に関する事項 ○難病の克服が難病の患者の願いであることを踏まえ、難病の病因や病態を解明し、 難病の患者を早期に正しく診断し、効果的な治療が行えるよう研究開発を推進。 ○患者数が少ないために開発が進みにくい医薬品、医療機器及び再生医療等製品の 研究開発を積極的に支援。 7 難病の患者の療養生活の環境整備に関する事項 ○難病の患者の生活上の不安が大きいことを踏まえ、難病の患者が住み慣れた地域 において安心して暮らすことができるよう、難病相談支援センター等を通じて難病の患 者を多方面から支えるネットワークを構築。 ○地域の様々な支援機関と連携して難病の患者に対する支援を展開している等の先 駆的な取組を行う難病相談支援センターに関する調査及び研究を行い、全国へ普及。 8 難病の患者に対する医療等と難病の患者に対する福祉サービスに関する施策、就 労の支援に関する施策その他の関連する施策との連携に関する事項 3 難病の患者に対する医療を提供する体制の確保に関する事項 ○できる限り早期に正しい診断ができる体制を構築。 ○診断後はより身近な医療機関で適切な医療を受けることのできる体制を確保。 ○難病の診断及び治療には、多くの医療機関や診療科等が関係することを踏まえ、 それぞれの連携を強化。 4 難病の患者に対する医療に関する人材の養成に関する事項 ○難病に関する正しい知識を持った医療従事者等を養成することを通じて、地域にお いて適切な医療を提供する体制を整備。 ○難病の患者が地域で安心して療養しながら暮らしを続けていくことができるよう、医 療との連携を基本としつつ、福祉サービスの充実などを図る。 ○難病の患者の雇用管理に資するマニュアル等を作成し、雇用管理に係るノウハウ を普及するとともに、難病であることをもって差別されない雇用機会の確保に努めるこ とにより、難病の患者が難病であることを安心して開示し、治療と就労を両立できる環 境を整備。 9 その他難病の患者に対する医療等の推進に関する重要事項 ○難病に対する正しい知識の普及啓発を図り、難病の患者が差別を受けることなく、 地域で尊厳をもって生きることのできる社会の構築に努める。 ○保健医療サー ビス、福祉サービス等についての周知や利用手続の簡素化を検討。 4 小児慢性特定疾病その他の疾病にかかっていることにより長期にわたり療養を必要とする児童等の健全な育成 に係る施策の推進を図るための基本的な方針(平成27年10月29日厚生労働省告示第431号) 概要 児童福祉法(昭和22年法律第164号)第21条の5規定に基づき、小児慢性特定疾病その他の疾病にかかっていることにより 長期にわたり療養を必要とする児童等の健全な育成に係る施策の推進を図るための基本的な方針を定める。 1 疾病児童等の健全な育成に係る施策の推進の基本的な方向 5 小児慢性特定疾病児童等の成人移行に関する事項 ○ 国・都道府県等は、小児慢性特定疾病児童等及びその家族の意見を踏まえつつ、 小児慢性特定疾病児童等の健全な育成に係る施策の実施・充実に努める。 ○ 施策の実施に当たって、関係機関等、疾病児童等及びその家族が参画し、疾病 児童等及びその家族の個別のニーズへの対応を図る。 ○ 難病患者に対する施策との連携を図る観点から、難病の患者に対する医療等の 総合的な推進を図るための基本的な方針を踏まえ施策を実施。 ○ 改正法施行後5年以内を目途として、法の規定について検討を加え、その結果に 基づき、必要があると認めるときは本方針の見直しを実施。 ○ 小児慢性特定疾病児童等が成人後も必要な医療等を切れ目なく受けられるため の取組を進めるとともに、施策の実施に当たっては、成人期を見据え、各種支援策と の有機的な連携に配慮。 ○ 小児慢性特定疾病であり、指定難病の要件を満たすものは、切れ目のない医療費 助成が受けられるよう、成人後も医療費助成の対象とするよう検討。 2 小児慢性特定疾病医療費の支給に関する事項 ○ 要件を満たす疾病を小児慢性特定疾病医療費の対象とするよう、小児慢性特定 疾病の要件の適合性を判断。併せて医学の進歩に応じ疾病の状態の程度を見直す。 ○ 小児慢性特定疾病医療費の支給の申請に係る小児慢性特定疾病児童等につい ての臨床データを収集、管理・活用するため、データベースを構築。 ○ 小児慢性特定疾病児童等及びその家族は、必要なデータ提供に協力し、指定医 は、正確な小児慢性特定疾病児童等のデータの登録に努める。 3 良質かつ適切な小児慢性特定疾病医療支援の実施に関する事項 ○ 早期に正しい診断が行われるよう、指定医を育成。 ○ 診断後より身近な医療機関で適切な治療が受けられるよう医療提供体制の確保。 ○ 都道府県は、小児慢性特定疾病児童等への支援策等、地域の実情に応じた医 療提供体制の確保に向けて必要な事項を医療計画に盛り込むなど努める。 ○ 小児期及び成人期を担当する医療従事者間の連携を推進するため、モデル事業 を実施。 4 小児慢性特定疾病児童等自立支援事業に関する事項 ○ 小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の実施に当たり、小児慢性特定疾病児 童等及びその家族の意見を踏まえるとともに、慢性疾病児童等地域支援協議会に患 者会又は家族会の代表者、医療従事者、福祉サービスを提供する者等の関係者を加 え、事業内容を検討・実施。 ○ 国は、自立支援事業の先進的事例や好事例等の情報提供を行うなど、都道府県 等の取組を支援。 ○ 国は、疾病児童等の健全な育成に資する調査・研究の実施・充実に努め、都道府 県等は、小児慢性特定疾病医療費支給、自立支援事業等の実施を通じ、ニーズ把握。 6 疾病児童等の健全な育成に資する調査及び研究に関する事項 ○ 治療方法の確立に向けて小児慢性特定疾病の各疾病の病態を解明するための 研究事業等を実施。 ○ 指定難病データベースの構築と連携しながら、小児慢性特定疾病児童等データ ベースを構築し、調査及び研究に有効活用する。 ○ 疾病児童等の健全な育成に資する調査・研究の推進に当たり、難病の病因や病 態の解明、医薬品・医療機器及び再生医療等製品の開発を推進するための実用的な 研究等と適切な連携を図る。 ○ 調査及び研究により得られた成果を、ウェブサイト等を通じ、広く情報提供。 7 疾病児童等に対する学校教育、福祉サービスに関する施策及び就労の支援に関 する施策との連携に関する事項 ○ 自立支援事業における相談支援を担当する者として小児慢性特定疾病児童等自 立支援員を配置する等により、関係機関等との連絡調整等の実施、各種自立支援策 の活用を提案。 ○ 障害福祉サービス等の対象となる疾病について、小児慢性特定疾病の対象とな る疾病の検討を踏まえて見直しを検討。小児慢性特定疾病の特性に配慮した福祉 サービス等の内容の充実に努める。 ○ 疾病児童等の教育の機会を確保するため、学習支援や疾病の自己管理方法の 習得のための支援を含め、特別支援教育を推進。 ○ 小児慢性特定疾病児童等の就労及びその継続を支援するため、就労支援機関 等の協力の下、相談等の機会を通じた雇用情報の提供や職業訓練の実施。 8 その他疾病児童等の健全な育成に係る施策の推進に関する事項 ○ 小児慢性特定疾病に対する正しい知識及び疾病児童等に対する必要な配慮等に ついての国民の理解が広がるよう、啓発活動を行う。 ○ 国及び都道府県等は、小児慢性特定疾病医療費の支給の申請方法、自立支援 事業や相談支援の窓口の紹介など、情報の充実・提供に努める。 ○ 小児慢性特定疾病児童手帳や医療受給者証の取得手続の簡素化等、取得促進 の方策を検討。 - 72 - 5 難病及び小児慢性特定疾病の医療費助成制度について ○ 医療費助成の対象疾病の拡大 ○ 対象疾病 ・ 難病: 56疾病 → 110疾病(平成27年1月) → ・ 小慢:514疾病 → 704疾病(平成27年1月) 306疾病(平成27年7月) ○ 医療費助成の予算額 度 平成25年度 平成27年度 平成28年度 (実績)※ (予算額) (予算(案)) 総事業費 1,598億円 2,546億円 2,622億円 年 難病 事業費 (国費) 1,335億円 (440億円) 2,221億円 (1,111億円) 2,297億円 (1,148億円) 小慢 事業費 (国費) 263億円 (127億円) 325億円 (162億円) 325億円 (163億円) ※ 平成25年度は、特定疾患治療研究事業及び小児慢性特定疾病研究事業の実績。 6 指定難病の検討の進め方(原則) 1.指定難病の検討にあたって、難病に関する基礎的な情報を、厚生労働科学研究費補助金事業における 研究班等で収集、整理する。 2.指定難病検討委員会において、これまでに研究班等が整理した情報をもとに、医学的見地より、個々の 疾病について、指定難病の各要件を満たすかどうかの検討を行う。 ※ 指定難病とされるためには、「発病の機構が明らかでない」、「治療方法が確立していない」、「長期の療養を必要とす る」、「患者数が人口の0.1%程度に達しない」、「客観的な診断基準等が確立している」の5要件を満たすことが必要。 3.指定難病検討委員会の検討の結果を、厚生科学審議会疾病対策部会に報告する。 4.疾病対策部会において、指定難病について審議を行い、具体的な病名などを決定する。 ※1 参考人として患者の立場を代表する者が出席する。 ※2 疾病対策部会の議決をもって厚生科学審議会の決定となる。 5.厚生労働大臣が指定難病を指定する。 6.厚生労働大臣による指定後も、研究を継続し、指定難病の各要件の評価に影響を及ぼすような新たな事 実が明らかとなった場合には、指定難病検討委員会において見直しを行う。 要件を満たす 研究班等によ る情報の収集 及び整理 ・指定難病 (医療費助成の対象) ・研究の実施 指定難病検 討委員会等 研究の実施によ り要件に関する 新たな事実あり 指定難病検 討委員会等 ・研究の実施 要件を満たさない・不明 - 73 - 7 指定難病の拡充について 旧事業(特定疾患治 療研究事業)の対象 疾病 56疾病 平成26年7月28日 指定難病検討委員会の開催 8月27日 第一次実施分指定難病案のとりまとめ 9月 パブリックコメント(第一次実施分) ・ 追加 45疾病増 ・ 整理・細分化 12疾病増 ・ 要件を満たさない 3疾病減 10月21日 第一次実施分指定難病告示 110疾病 平成27年 1月 1日 医療費助成を開始(第一次実施分) 1月23日 指定難病検討委員会の再開(第二次実施分) 3月 ・ 追加 パブリックコメント(第二次実施分) 196疾病増 5月 1日 第二次実施分指定難病案の取りまとめ 5月13日 第二次実施分指定難病告示 306疾病 7月 1日 医療費助成を開始(第二次実施分) ※平成27年秋から指定難病の検討に向けて情報収集を開始し、 平成27年度中に指定難病検討委員会を再開。 8 難病の定義 難病 患者数等による限定は行わず、 他の施策体系が樹立されていな い疾病を幅広く対象とし、調査研 究・患者支援を推進 ○発病の機構が明らかでなく ○治療方法が確立していない ○希少な疾病であって 例:悪性腫瘍は、がん対策基本法におい て体系的な施策の対象となっている ○長期の療養を必要とするもの 指定難病 難病のうち、以下の要件の全てを満たすものを、 患者の置かれている状況からみて 良質かつ適切な医療の確保を図る必要性が高いものとして、 厚生科学審議会の意見を聴いて厚生労働大臣が指定 医療費助成の対象 ○患者数が本邦において一定の人数(注)に達しないこと ○客観的な診断基準(又はそれに準ずるもの)が確立していること (注)人口のおおむね0.1%程度と厚生労働省令において規定。 9 - 74 - 難病の患者に対する医療等に関する法律第5条第1項に規定する指定難病① 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 球脊髄性筋萎縮症 筋萎縮性側索硬化症 脊髄性筋萎縮症 原発性側索硬化症 進行性核上性麻痺 パーキンソン病 大脳皮質基底核変性症 ハンチントン病 神経有棘赤血球症 シャルコー・マリー・トゥース病 重症筋無力症 先天性筋無力症候群 多発性硬化症/視神経脊髄炎 慢性炎症性脱髄性多発神経炎/多 巣性運動ニューロパチー 封入体筋炎 クロウ・深瀬症候群 多系統萎縮症 脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を 除く。) ライソゾーム病 副腎白質ジストロフィー ミトコンドリア病 もやもや病 プリオン病 亜急性硬化性全脳炎 進行性多巣性白質脳症 HTLV-1関連脊髄症 特発性基底核石灰化症 全身性アミロイドーシス ウルリッヒ病 遠位型ミオパチー 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 ベスレムミオパチー 自己貪食空胞性ミオパチー シュワルツ・ヤンペル症候群 神経線維腫症 天疱瘡 表皮水疱症 膿疱性乾癬(汎発型) スティーヴンス・ジョンソン症候 群 中毒性表皮壊死症 高安動脈炎 巨細胞性動脈炎 結節性多発動脈炎 顕微鏡的多発血管炎 多発血管炎性肉芽腫症 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症 悪性関節リウマチ バージャー病 原発性抗リン脂質抗体症候群 全身性エリテマトーデス 皮膚筋炎/多発性筋炎 全身性強皮症 混合性結合組織病 シェーグレン症候群 成人スチル病 再発性多発軟骨炎 ベーチェット病 57 特発性拡張型心筋症 58 肥大型心筋症 59 拘束型心筋症 60 再生不良性貧血 61 62 63 64 65 66 67 68 自己免疫性溶血性貧血 発作性夜間ヘモグロビン尿症 特発性血小板減少性紫斑病 血栓性血小板減少性紫斑病 原発性免疫不全症候群 IgA 腎症 多発性嚢胞腎 黄色靱帯骨化症 69 後縦靱帯骨化症 70 71 72 73 74 75 広範脊柱管狭窄症 特発性大腿骨頭壊死症 下垂体性ADH分泌異常症 下垂体性TSH分泌亢進症 下垂体性PRL分泌亢進症 クッシング病 下垂体性ゴナドトロピン分泌亢 進症 下垂体性成長ホルモン分泌亢進 症 下垂体前葉機能低下症 家族性高コレステロール血症 (ホモ接合体) 甲状腺ホルモン不応症 先天性副腎皮質酵素欠損症 先天性副腎低形成症 アジソン病 サルコイドーシス 特発性間質性肺炎 肺動脈性肺高血圧症 肺静脈閉塞症/肺毛細血管腫症 慢性血栓塞栓性肺高血圧症 リンパ脈管筋腫症 網膜色素変性症 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 バッド・キアリ症候群 92 特発性門脈圧亢進症 93 原発性胆汁性肝硬変 94 原発性硬化性胆管炎 95 自己免疫性肝炎 96 クローン病 97 潰瘍性大腸炎 98 好酸球性消化管疾患 99 慢性特発性偽性腸閉塞症 100 巨大膀胱短小結腸腸管蠕動不全症 101 腸管神経節細胞僅少症 102 ルビンシュタイン・テイビ症候群 103 CFC症候群 104 コステロ症候群 105 チャージ症候群 106 クリオピリン関連周期熱症候群 107 全身型若年性特発性関節炎 108 TNF受容体関連周期性症候群 109 非典型溶血性尿毒症症候群 110 ブラウ症候群 10 難病の患者に対する医療等に関する法律第5条第1項に規定する指定難病② 111 先天性ミオパチー 137 限局性皮質異形成 159 色素性乾皮症 186 ロスムンド・トムソン症候群 112 マリネスコ・シェーグレン症候群 138 神経細胞移動異常症 160 先天性魚鱗癬 187 歌舞伎症候群 113 筋ジストロフィー 非ジストロフィー性ミオトニー症 114 候群 115 遺伝性周期性四肢麻痺 116 アトピー性脊髄炎 117 脊髄空洞症 118 脊髄髄膜瘤 119 アイザックス症候群 120 遺伝性ジストニア 121 神経フェリチン症 122 脳表ヘモジデリン沈着症 禿頭と変形性脊椎症を伴う常染色 123 体劣性白質脳症 皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染 124 色体優性脳動脈症 神経軸索スフェロイド形成を伴う 125 遺伝性びまん性白質脳症 126 ペリー症候群 127 前頭側頭葉変性症 128 ビッカースタッフ脳幹脳炎 129 痙攣重積型(二相性)急性脳症 130 先天性無痛無汗症 131 アレキサンダー病 132 先天性核上性球麻痺 133 メビウス症候群 中隔視神経形成異常症/ドモルシ 134 ア症候群 135 アイカルディ症候群 136 片側巨脳症 139 先天性大脳白質形成不全症 161 家族性良性慢性天疱瘡 188 多脾症候群 140 ドラベ症候群 162 類天疱瘡(後天性表皮水疱症を 含む。) 189 無脾症候群 141 海馬硬化を伴う内側側頭葉てんか ん 163 特発性後天性全身性無汗症 190 鰓耳腎症候群 眼皮膚白皮症 ウェルナー症候群 ミオクロニー欠神てんかん 164 191 142 165 肥厚性皮膚骨膜症 192 コケイン症候群 143 ミオクロニー脱力発作を伴うてん かん 166 弾性線維性仮性黄色腫 193 プラダー・ウィリ症候群 144 レノックス・ガストー症候群 167 マルファン症候群 194 ソトス症候群 145 ウエスト症候群 168 エーラス・ダンロス症候群 195 ヌーナン症候群 169 メンケス病 146 大田原症候群 170 オクシピタル・ホーン症候群 196 ヤング・シンプソン症候群 147 早期ミオクロニー脳症 171 ウィルソン病 197 1p36欠失症候群 遊走性焦点発作を伴う乳児てんか ん 片側痙攣・片麻痺・てんかん症候 群 172 低ホスファターゼ症 198 4p欠失症候群 173 VATER症候群 199 5p欠失症候群 174 那須・ハコラ病 200 175 ウィーバー症候群 第14番染色体父親性ダイソ ミー症候群 アンジェルマン症候群 148 149 150 環状20番染色体症候群 151 ラスムッセン脳炎 152 PCDH19関連症候群 153 176 コフィン・ローリー症候群 201 177 有馬症候群 202 スミス・マギニス症候群 178 モワット・ウィルソン症候群 203 22q11.2欠失症候群 難治頻回部分発作重積型急性脳炎 179 ウィリアムズ症候群 204 エマヌエル症候群 徐波睡眠期持続性棘徐波を示すて んかん性脳症 180 ATR-X症候群 205 脆弱X症候群関連疾患 154 181 クルーゾン症候群 206 脆弱X症候群 155 ランドウ・クレフナー症候群 182 アペール症候群 207 総動脈幹遺残症 156 レット症候群 183 ファイファー症候群 208 修正大血管転位症 157 スタージ・ウェーバー症候群 184 アントレー・ビクスラー症候群 209 完全大血管転位症 158 結節性硬化症 185 コフィン・シリス症候群 210 単心室症 11 - 75 - 難病の患者に対する医療等に関する法律第5条第1項に規定する指定難病③ 211 左心低形成症候群 212 三尖弁閉鎖症 213 心室中隔欠損を伴わない肺動脈 閉鎖症 237 副腎皮質刺激ホルモン不応症 259 238 ビタミンD抵抗性くる病/骨軟化症 260 レシチンコレステロールアシルト ランスフェラーゼ欠損症 シトステロール血症 261 タンジール病 262 原発性高カイロミクロン血症 284 ダイアモンド・ブラックファ ン貧血 285 ファンコニ貧血 286 遺伝性鉄芽球性貧血 239 ビタミンD依存性くる病/骨軟化症 心室中隔欠損を伴う肺動脈閉鎖 214 症 240 フェニルケトン尿症 263 脳腱黄色腫症 287 エプスタイン症候群 215 ファロー四徴症 241 高チロシン血症1型 264 無βリポタンパク血症 288 自己免疫性出血病XIII 216 両大血管右室起始症 242 高チロシン血症2型 265 脂肪萎縮症 289 クロンカイト・カナダ症候群 243 高チロシン血症3型 266 家族性地中海熱 267 高IgD症候群 290 非特異性多発性小腸潰瘍症 219 ギャロウェイ・モワト症候群 244 メープルシロップ尿症 268 291 220 急速進行性糸球体腎炎 245 プロピオン酸血症 ヒルシュスプルング病(全結 腸型又は小腸型) 221 抗糸球体基底膜腎炎 246 メチルマロン酸血症 292 総排泄腔外反症 247 イソ吉草酸血症 270 中條・西村症候群 化膿性無菌性関節炎・壊疽性膿皮 症・アクネ症候群 慢性再発性多発性骨髄炎 293 総排泄腔遺残 271 強直性脊椎炎 294 先天性横隔膜ヘルニア 248 グルコーストランスポーター1欠損 症 272 進行性骨化性線維異形成症 273 肋骨異常を伴う先天性側弯症 295 乳幼児肝巨大血管腫 249 グルタル酸血症1型 274 骨形成不全症 296 胆道閉鎖症 227 オスラー病 250 グルタル酸血症2型 275 タナトフォリック骨異形成症 297 アラジール症候群 228 閉塞性細気管支炎 251 尿素サイクル異常症 276 軟骨無形成症 298 遺伝性膵炎 252 リジン尿性蛋白不耐症 277 299 嚢胞性線維症 253 先天性葉酸吸収不全 278 300 IgG4関連疾患 231 α1-アンチトリプシン欠乏症 254 ポルフィリン症 279 301 黄斑ジストロフィー 232 カーニー複合 255 複合カルボキシラーゼ欠損症 302 レーベル遺伝性視神経症 233 ウォルフラム症候群 256 筋型糖原病 303 アッシャー症候群 257 肝型糖原病 281 304 若年発症型両側性感音難聴 282 305 遅発性内リンパ水腫 258 ガラクトース-1-リン酸ウリジル トランスフェラーゼ欠損症 リンパ管腫症/ゴーハム病 巨大リンパ管奇形(頚部顔面病 変) 巨大静脈奇形(頚部口腔咽頭びま ん性病変) 巨大動静脈奇形(頚部顔面又は四 肢病変) クリッペル・トレノネー・ウェー バー症候群 先天性赤血球形成異常性貧血 283 後天性赤芽球癆 306 好酸球性副鼻腔炎 217 エプスタイン病 218 アルポート症候群 222 一次性ネフローゼ症候群 223 一次性膜性増殖性糸球体腎炎 224 紫斑病性腎炎 225 先天性腎性尿崩症 226 間質性膀胱炎(ハンナ型) 229 肺胞蛋白症(自己免疫性又は先 天性) 230 肺胞低換気症候群 234 ペルオキシソーム病(副腎白質 ジストロフィーを除く。) 235 副甲状腺機能低下症 236 偽性副甲状腺機能低下症 269 280 12 小児慢性特定疾病の医療費助成対象疾病① 番号 疾患群 1 慢性腎疾患群 2 疾病名 非典型溶血性尿毒症症候群 慢性呼吸器疾患群 特発性間質性肺炎 番号 疾患群 29 神経・筋疾患群 疾病名 髄膜脳瘤 30 (同上) 脊髄髄膜瘤 3 (同上) 肺胞微石症 31 (同上) 仙尾部奇形腫 4 (同上) 閉塞性細気管支炎 32 (同上) 滑脳症 5 (同上) リンパ管腫・リンパ管腫症 33 (同上) 裂脳症 6 (同上) 先天性横隔膜ヘルニア 34 (同上) 全前脳胞症 7 慢性心疾患群 肺静脈狭窄症 35 (同上) 中隔視神経形成異常症(ド・モルシア(De Morsier)症候群) 8 (同上) フォンタン(Fontan)術後症候群 36 (同上) ダンディー・ウォーカー(Dandy-Walker) 症候群 9 内分泌疾患群 中枢性塩喪失症候群 37 (同上) 先天性水頭症 10 膠原病 全身性エリテマトーデス 38 (同上) ジュベール(Joubert)症候群関連疾患 11 (同上) 皮膚筋炎・多発性筋炎 39 (同上) 神経皮膚黒色症 12 (同上) 抗リン脂質抗体症候群 40 (同上) ゴーリン(Gorlin)症候群(基底細胞母斑症候群) 13 (同上) ベーチェット(Beh?et)病 41 (同上) フォンヒッペル・リンドウ(von Hippel Lindau)病 14 (同上) 大動脈炎症候群(高安動脈炎) 42 (同上) コケイン(Cockayne)症候群 15 (同上) 多発血管炎性肉芽腫症(ウェジナー(Wegener)肉芽腫症) 43 (同上) 皮質下嚢胞をもつ大頭型白質脳症 16 (同上) 結節性多発血管炎 44 (同上) 白質消失病 17 (同上) 顕微鏡的多発血管炎 45 (同上) 非症候性頭蓋骨縫合早期癒合症 18 (同上) 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症 46 (同上) アペール (Apert) 症候群 19 (同上) 再発性多発軟骨炎 47 (同上) クルーゾン (Crouzon) 病 20 (同上) 強皮症 48 (同上) 45から47に掲げるもののほかの、重度の頭蓋骨早期癒合症 21 (同上) 混合性結合組織病 49 (同上) 遺伝性運動感覚ニューロパチー 22 (同上) 家族性地中海熱 50 (同上) デュシェンヌ(Duchenne)型筋ジストロフィー 23 (同上) クリオピリン関連周期熱症候群 51 (同上) エメリー・ドレイフス(Emery-Dreifuss)型筋ジストロフィー 24 (同上) ブラウ(Blau)症候群 / 若年発症サルコイドーシス 52 (同上) 肢帯型筋ジストロフィー 25 (同上) インターロイキンⅠ受容体拮抗分子欠損症 53 (同上) 顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー 26 血液疾患群 ファンコニ (Fanconi) 貧血 54 (同上) シュワルツ・ヤンペル(Schwartz-Jampel)症候群 27 (同上) 再生不良性貧血 55 (同上) ウンフェルリヒト・ルントボルク(Unverricht-Lundborg)病 28 免疫疾患群 自己免疫性リンパ増殖症候群 (ALPS) 56 (同上) ラフォラ(Lafora)病 13 - 76 - 小児慢性特定疾病の医療費助成対象疾病② 番号 疾患群 番号 疾患群 57 (同上) 脊髄小脳変性症 疾病名 85 (同上) 腸管神経節細胞僅少症 疾病名 58 (同上) 小児交互性片麻痺 86 (同上) 肝巨大血管腫 59 (同上) 変形性筋ジストニー 87 (同上) 総排泄腔遺残 60 (同上) パントテン酸キナーゼ関連神経変性症 88 (同上) 総排泄腔外反症 61 (同上) 乳児神経軸索ジストロフィー 89 先天異常症候群 62 (同上) 乳児両側線条体壊死 90 (同上) ソトス (Sotos) 症候群 63 (同上) 先天性ヘルペスウイルス感染症 91 (同上) スミス・マギニス (Smith-Magenis) 症候群 64 (同上) 先天性風疹症候群 92 (同上) ルビンシュタイン・テイビ (Rubinstein-Taybi) 症候群 65 (同上) エカルディ・グティエール(Aicardi-Goutieres)症候群 93 (同上) 歌舞伎症候群 66 (同上) ラスムッセン(Rasmussen)脳炎 94 (同上) ウィーバー (Weaver) 症候群 67 (同上) 難治頻回部分発作重積型急性脳炎 95 (同上) コルネリア・デランゲ (Cornelia de Lange) 症候群 68 (同上) 多発性硬化症 96 (同上) ベックウィズ・ヴィーデマン (Beckwith-Wiedemann) 症候群 69 (同上) 慢性炎症性脱髄性多発神経炎 97 (同上) アンジェルマン (Angelman) 症候群 70 (同上) 重症筋無力症 98 (同上) 5p-症候群 71 (同上) 脊髄性筋萎縮症 99 (同上) 4p-症候群 72 (同上) もやもや病 100 (同上) 18トリソミー症候群 73 慢性消化器疾患群 家族性腺腫性ポリポーシス 101 (同上) 13トリソミー症候群 74 (同上) 潰瘍性大腸炎 102 (同上) ダウン (Down) 症候群 75 (同上) クローン(Crohn)病 76 (同上) 急性肝不全(昏睡型) 103 (同上) 97から102に掲げるもののほかの、常染色体異常(ウィリアムズ (Williams)症候群、プラダーウィリ(Prader-Willi)症候群を除く) 77 (同上) 新生児ヘモクロマトーシス 104 (同上) CFC症候群 78 (同上) 先天性門脈欠損症 105 (同上) マルファン (Marfan) 症候群 79 (同上) 門脈・肝動脈瘻 106 (同上) コステロ (Costello) 症候群 80 (同上) 遺伝性膵炎 107 (同上) チャージ(CHARGE)症候群 81 (同上) 短腸症 108 皮膚疾患群 82 (同上) ヒルシュスプルング(Hirschsprung)病 109 (同上) 83 (同上) 慢性特発性偽性腸閉塞症 84 (同上) 巨大膀胱短小結腸腸管蠕動不全症 コフィン・ローリー (Coffin-Lowry) 症候群 膿疱性乾癬(汎発型) レックリングハウゼン(Recklinghausen)病(神経線維腫症I型) 14 難病情報センターについて <概要> ・ 難病患者、家族及び医療関係者等に対する情報提供を 目的に、難病情報センターにおいて、疾病の解説や難治 性疾患克服研究事業等の成果等の情報を公開している。 ・ 難病情報センターの運営は、(公財)難病医学研究財団 が行っている。 <主な掲載情報> ○病気の解説 厚生労働省研究班の協力により、一般利用者向け、医療従 事者向けに各疾病の解説、診断基準、治療指針、症例情報、 各疾病のFAQ、研究班名簿を掲載。 ○国の難病対策 国の難病対策や関係通知、特定疾患治療研究事業の概要 及び受給者証交付件数などについて掲載。 一般向け疾病解説 ▲ ○各種制度・サービス概要 1)都道府県の相談窓口情報 2)難病支援関連制度 ・患者会情報 ・難治性疾患研究班情報 ・災害時支援に関する情報 ・福祉機器に関する情報 ・難病医療連絡協議会・難病拠点病院 ・都道府県難病相談支援センター ▲難病情報センター トップページ 15 - 77 - 小児慢性特定疾病にかかるポータルサイト(小児慢性特定疾病情報センターHP)について ○小児慢性特定疾病情報センターとは、小児慢性特定疾病の患者の治療・療養生活の改善等に役立つさまざまな情報の一元 化を図り、小児慢性特定疾病の患者や家族、患者団体等の支援団体及び関係学会等の小児慢性特定疾病に関わる関係者に、 できるだけわかりやすく情報提供する目的で、構築されたポータルサイト(http://www.shouman.jp/)。 ○厚生労働省からの補助事業により、国立研究開発法人 国立成育医療研究センターにおいて運営。 〈主な掲載情報〉 小児慢性特定疾病対策の概要 対象疾患リストおよび検索システム 疾患概要ならびに診断の手引き ○患者・家族向け ・医療費助成制度について ・小児慢性特定疾病児童等 自立支援事業について ・申請手続きの流れについて ・各種相談窓口 ○医療従事者向け ・小児慢性特定疾病指定医について ・指定小児慢性特定疾病医療機関に ついて ・対象疾病リスト ・医療意見書等申請書様式 ○行政機関(保健所等)向け ・小児慢性特定疾患の登録・管理 システム ○教育関係者向け ・病気の児童生徒への特別支援 教育に関しての情報 「病気の子供の理解のために」 全国特別支援学校病弱教育校長会 国立特別支援教育総合研究所へリンク 16 都道府県からの事務負担の軽減等の要望への対応について 「平成 27 年の地方からの提案等に関する対応方針」(平成 27 年 12 月 22 日閣議決定) (23)難病の患者に対する医療等に関する法律(平 26 法 50) (ⅰ) 特定医療費の支給(5条1項)については、緊急その他やむを得ない場合には医療受給者証に名称が記載 されている指定医療機関以外の指定医療機関での診療等も特定医療費の支給対象とすることができるところ、 実施主体である地方公共団体の判断により、患者の個別の事情に応じた柔軟な対応が可能であることを、地 方公共団体に平成 27 年度中に通知する。 (ⅱ) 医療受給者証の交付(7条4項)については、制度の趣旨も踏まえつつ、患者の利便性の向上及び地方公 共団体の事務負担の軽減の観点から、以下に掲げる事項について検討し、平成 28 年中に結論を得る。その 結果に基づき、実施可能なものについて必要な措置を講ずる。 ・住民票、介護保険証の写し等の申請時の添付書類の削減 ・指定医療機関の名称、医療保険の所得区分等の医療受給者証への記載の廃止 ・支給認定の有効期間の延長 17 - 78 - 平成30年の大都市特例の施行に向けたスケジュール H28年 都道府県及び 指定都市に対 する意向調査 1月 委譲方針 とりまとめ 調整 3月 3月末 H29年 H30年 4 月 1 日 法令改正作業 ※可能な段階で、施行 前に必要な手続き(医療 受給者証の交換等)に ついて自治体宛通知 公 布 4 月 1 日 周知 施 行 【参照条文】難病の患者に対する医療等に関する法律(平成26年法律第50号) (大都市の特例) 第四十条 この法律中都道府県が処理することとされている事務に関する規定で政令で定めるものは、地方自治法 第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下この条において「指定都市」という。)においては、政令で定めると ころにより、指定都市が処理するものとする。この場合においては、この法律中都道府県に関する規定は、指定都 市に関する規定として指定都市に適用があるものとする。 18 平成28年度難病対策予算(案)について(概要) (平成27年度予算額) (平成28年度予算(案)) ① 医療費の自己負担の軽減 1,119億円 1,156億円 ・難病医療費等負担金 1,111億円 8.1億円 1,148億円 7.9億円 9億円 11億円 ・特定疾患治療研究事業による医療費補助 ②地域における保健医療福祉の充実・連携 ・難病相談支援センター事業 3.1億円 1.3億円 ・難病医療提供体制整備事業 1.3億円 ・難病患者地域支援対策推進事業 1.2億円 ・難病対策の推進のための患者データ登録整備事業 0.6億円 ・在宅人工呼吸器使用患者支援事業 101億円 101億円 ③調査研究の推進(小慢含む) ・難治性疾患克服研究事業等 1,228億円 (109億円) ④合計 (注)計数は、それぞれ四捨五入によっているので、 端数において合計と合致しないものがある。 4.5億円 1.4億円 1.3億円 1.2億円 1.1億円 101億円 101億円 1,269億円 (112億円) (下段は、①の難病医療費関係を除いた合計額) - 79 - 19 平成28年度小児慢性特定疾病対策予算(案)について(概要) (平成27年度予算額) ①小児慢性特定疾病医療費の軽減 等 ・小児慢性特定疾病医療費負担金 ・小児慢性特定疾病児童等自立支援事業費負担金 ②小児慢性特定疾病対策の推進 (平成28年度予算(案)) 172億円 172億円 162億円 9.3億円 163億円 9.3億円 2.9億円 2.7億円 ・小児慢性特定疾病対策等総合支援事業 2.2億円 2.0億円 ・小慢性特定疾病登録管理データ運用事業 0.1億円 0.1億円 ・小児慢性特定疾病児童成人移行期医療支援モデル事業 0.2億円 0.2億円 ・小児慢性特定疾病データベース登録システム整備事業 0.4億円 0.4億円 ③合計 175億円 175億円 (注)計数は、それぞれ四捨五入によっているので、 端数において合計と合致しないものがある。 20 「難病対策地域協議会について(基本的な考え方) (1)設置主体 都道府県、保健所を設置する市、特別区 (2)実施体制 ・保健所単位、二次医療圏単位、都道府県単位等、地域の実情に応じた規模で設置すること。 ・既存の会議を活用し、難病対策地域協議会へと発展させるなど、効率的・効果的に設置・運営すること。 (3)構成員 協議会の規模や地域の実情・課題により、また、開催テーマや目的に合わせて、柔軟に構成員を選定すること。 例 : 検討内容(テーマ)によって外部委員や参考人を選定するなどして参画する。 協議会の下にワーキンググループなど意見集約の場となる会議を設置する。 分 類 関係機関(関係者) 医 療 専門医(難病医療拠点病院)等の医師、難病医療コーディネーター 地域の医師会・歯科医師会・薬剤師会 都道府県看護協会、訪問看護ステーション連絡協議会、訪問看護ステーション 福 祉 【民間】居宅介護支援事業所、障害者地域支援センター、地域包括支援センター 【行政】障害福祉主管課、介護保険主管課、高齢福祉主管課、地域包括ケア主管課 保 健 都道府県難病対策主管課、(市町村)保健主管課 相談機関 難病相談支援センター(所長、相談支援員) 地 域 社会福祉協議会、民生委員、ボランティアセンター、市民、その他 就 労 ハローワーク、障害者就労支援センター、その他 教 育 教育委員会、特別支援学校、その他 患者・家族 その他 患者・家族、患者会・家族会 防災関係(市町村防災主管課、消防署)、医療機器関係、その他 ※上記の構成員は、あくまで参考例であり、地域の実情に応じた選定を行うものとする。 - 80 - 21 (4)議事、検討内容(例) 【地域の実情把握・課題の分析、課題解決に向けての検討】 【地域支援ネットワークの構築(療養環境整備)】 ・地域における難病患者の実態、療養状況 ①医療連携等 ・難病関係の事業実績報告及び次年度事業計画等 ・診断確定から入院・在宅療養までの切れ目のない相談医療体制の整備・システム化 ・データ(保健行政統計資料)や事業実績等に基づく地域診断、難病関係事業評価 ・レスパイト入院・長期療養者の受け入れの現状と課題 ・法や制度改正の周知(情報提供)や今後の地域での支援体制の整備 ・在宅人工呼吸療法に関わる医療安全対策 【災害対策】 ・地域防災計画と難病患者の災害対策(避難行動要支援者の中の難病患者) ・在宅療養者の医療安全対策(リスクマネージメント) ②地域資源情報の共有・不足の資源の検討、必要なサービスの開発、医療と福祉の連携 ・在宅人工呼吸器使用者の災害時個別支援計画策定の推進、計画策定から ・事例を通じた難病療養者の地域での課題 見えた課題や対応策 ・地域の実情に応じた具体的な個別ケア体制の整備に関すること ・発災時の医療調整と搬送等の課題 ・介護職員等による喀痰の吸引等の提供に関すること 【教育・雇用】 ・地域における保健・医療・介護・福祉資源の現状と連携の課題 ・難病を持つ子どもへの支援のあり方 ・地域支援者の人材育成の課題、研修体制等の対策 ・難病療養児の就学の現状と課題 ・関係機関等との緊密な連携(のシステム化) ・難病療養児の社会参加(卒業後の進路、就労支援の課題) ・難病患者の就労相談の実態と課題 ※難病対策地域協議会の実施にあたっては、厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業「難病患者への支援体制 に関する研究」の分担研究報告書(「難病対策地域協議会」を効果的に実施するために(平成27年3月))を参照すること。 22 23 - 81 - 24 「ハンセン病問題の解決の促進に関する法律」について 【概要】 ハンセン病患者であった方々などの福祉の増進、名誉の回復等に関し現在もなお存在 する問題の解決の促進に関し、基本理念等を定めるとともに、ハンセン病問題の解決の 促進に関し必要な事項を定めるもの。 (平成20年6月成立 平成21年4月施行 平成26年11月一部改正 ※議員立法) 【主な内容】 1.国立ハンセン病療養所等の 在園・生活水準の保障 ・国立ハンセン病療養所等における療養の確保 ・国立ハンセン病療養所への再入所・新規入所の保障 ・国立ハンセン病療養所における生活の保障 ①意思に反する退所、転所の禁止 ②医療・介護体制の整備 ③地域開放 2.社会復帰・社会生活支援 ・国立ハンセン病療養所等を退所した方等に対する給与 金・支援金の支給、相談・情報提供など 3.名誉回復・死没者の追悼 ・ハンセン病資料館の設置、歴史的建造物の保存等ハンセ ン病に関する正しい知識の普及啓発 ・死没者の追悼など ※本法の施行に伴い「らい予防法の廃止に関する法律(平成8年法律第28号)」は廃止となった。 - 82 - 25 各国立ハンセン病療養所等の状況 平成27年11月30日現在 ○施設数 ○入所者総数 ○平均年齢 13施設 1,644名 83.9歳(H27.5.1) ※<別掲> 私立療養所(1施設、7名) まつおかほようえん 松丘保養園 (青森県・91名) くりうらくせんえん ながしまあいせいえん 栗生楽泉園 とうほくしんせいえん (群馬県・87名) 東北新生園 (宮城県・78名) 長島愛生園 (岡山県・214名) たまぜんしょうえん 多磨全生園 おくこうみょうえん (東京都・200名) 邑久光明園 (岡山県・124名) こくりつするがりょうようじょ 国立駿河療養所 きくちけいふうえん (静岡県・64名) 菊池恵楓園 (熊本県・279名) こうやまふくせいびょういん (※神山復生病院(静岡県・7名)) おおしませいしょうえん 大島青松園(香川県・65名) あまみわこうえん 奄美和光園(鹿児島県・34名) ほしづかけいあいえん 星塚敬愛園 おきなわあいらくえん 沖縄愛楽園(沖縄県・178名) (鹿児島県・159名) みやこなんせいえん 宮古南静園(沖縄県・71名) ※は私立療養所 27 26 ハンセン病対策について ①趣旨 ハンセン病問題の解決の促進に関する法律第5条において、地方公共団体の責務が規定されており、地域における ハンセン病に関する普及啓発や当事者の福祉の増進等の取組を促進する必要がある。 ハンセン病問題の解決の促進に関する法律 第5条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、国と協力しつつ、その地域の実情を踏まえ、ハンセン病の患者であった者等の福祉の増進等 を図るための施策を策定し、及び実施する責務を有する。 ②ハンセン病問題対策促進会議の開催 (都道府県担当者会議)【平成21年度から実施】 法律施行後、具体的な施策の内容について検討する場を設け、各都道府県におけるハンセン病対策への取組を支援 することを目的として担当者会議を開催している。 開催日:平成28年2月4日(木) ③ハンセン病対策促進事業 【平成24年度から実施】(1事業当たり250万円を上限) ○事業の目的 ハンセン病の患者であった者等の名誉の回復等を図るため、地方公共団体における新たな取組を支援すること により、地域におけるハンセン病問題解決に向けた施策を推進する。 ○事業の内容 都道府県及び市町村がハンセン病に対する偏見・差別の解消等に向けて新たに取り組む普及啓発事業について、 経費の全部又は一部を支援する。 ・パネル展や映画上映会の開催 ・シンポジウムや講演会の開催 など 事例を全国に還元することにより、ハンセン病に関する普及啓発への取組が促進される。 - 83 - 27 ④国立ハンセン病療養所等入所者家族生活援護費の制度概要 ◆親族に対する援護 ◆援護の種類及び範囲 ハンセン病療養所に入所したことにより、その家 族が生計困難になった場合に、その家族に対して、 生活保護の基準の例により援護を行う。 生活援助 衣食その他の日常生活の需要を満たすために必要なもの 教育援助 義務教育に伴って必要な学用品、通学用品、学校給食費等 住宅援助 住居及び補修その他住宅の維持のために必要なもの 出産援助 分娩の介助等出産のために必要なもの 生業援助 生業に必要な資金、技能の修得及び就労等のために必要なもの 葬祭援助 火葬又は埋葬、納骨その他葬祭のために必要なもの ・ハンセン病問題の解決の促進に関する法律 第19条 ・ハンセン病問題の解決の促進に関する法律第19条に 規定する援護に関する政令 第1条 種類 範 囲 ■年金生活者等支援臨時福祉給付金について 低所得の高齢者向けの給付金は、平成28年前半の個人消費の下支えにも資するよう、できる限り早期に支給さ れることとなっており、また、低所得の障害・遺族基礎年金受給者向けの給付金は、平成28年度の簡素な給付措 置と併せて支給することとしており、平成28年10月頃から支給されることとなっているが、国立ハンセン病療養 所等入所者家族生活援護費の受給者については、この給付金の対象とならない。 ⑤特定配偶者等支援金について 昨年10月から、ハンセン病療養所退所者給与金の支給を受けていた退所者が死亡した場合において、当該退所者の 配偶者等に対し、その者の生活の安定等を図るため、「特定配偶者等支援金」を支給している。 28 - 84 - 全国健康関係主管課長会議 健康局 結核感染症課 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の一部を改正する法律 (平成26年11月21日法律第115号) 背景・目的 ○ 鳥インフルエンザ(H7N9)や中東呼吸器症候群(MERS)などの新たな感染症が海外で発生して おり、これらの感染症に対し万全の対策を講じることが必要。 ○ デング熱など昨今の感染症の発生状況、国際交流の進展、保健医療を取り巻く環境の変化等を踏まえ、 感染症に対応する体制を一層強化。 概要 1.新たな感染症の二類感染症への追加【平成27年1月21日施行】 ○ 政令により暫定的に二類感染症として扱われていた鳥インフルエンザ(H7N9)及び中東呼吸器症候群 (MERS)について、二類感染症に位置付ける。 2.感染症に関する情報の収集体制の強化【平成28年4月1日施行】 ○ ※ ※ ○ ※ 知事(緊急時は厚労大臣)は、全ての感染症の患者等に対し検体の採取等に応じること、また、医療機関等 に対し保有する検体を提出すること等を要請できる旨の規定を整備。 上記によっては対応できない場合、知事(緊急時は厚労大臣)は、一類感染症、二類感染症、新型インフルエンザ等感染症 及び新感染症の患者等から検体の採取等の措置をとることができる旨の規定を整備。 検体検査の質の向上を図るため、知事が入手した検体について、知事による検査の実施、検査基準の策定、厚労大臣から 知事に対する提出の要請を規定。 一部の五類感染症について情報収集体制を強化。(季節性インフルエンザの検体の指定提出機関制度を創設) 侵襲性髄膜炎菌感染症及び麻しんの届出方法の変更(診断後直ちに、氏名・年齢・性別等を届け出)【平成27年5月21日施行】 (*)その他【平成27年5月21日施行】 ・ 三種病原体等として管理規制(所持の届出等)が行われる結核菌の範囲を限定。 ・ 保健所による結核患者に対する直接服薬確認指導について、医療機関等と連携して実施するための規定を整備。 - 85 - 感染症に関する情報の収集体制の強化 (改正感染症法第15条、第16条の3、第26条の3、第26条の4、第44条の7関係) 国民 都道府県等 ・検体の採取等の要請 ・検体の採取等の措置 ・感染症の患者、疑似症患者等 ・感染症を人に感染させるおそれ のある動物等 の検体・病原体の所持者 (一類、二類、新型インフルエンザ 等感染症、新感染症) ・検査の実施 ・検査結果等の国への報告 検査体制、国への報告 の基準を省令等で規定 医療機関 患 者 等 患者から 採取した 検体 患者の咽頭、 鼻粘膜、血液 等の検体を 採取 国 検 体 等 送 付 地方衛生研究所 <検査> 患者から 採取した 検体 検体から 分離した 病原体 検体から 分離した 病原体 ・都道府県等で実施された検査の情報 を収集・分析 ・必要に応じ、都道府県等に検体の提出 を求め、検査を実施 国立感染症研究所 <検査> <詳細な検査> 一 部 の 検 体 等 送 付 患者から 採取した 検体や病原体 検体から 分離した 病原体 検査結果 データベース 検査結果 一類、二類、新型インフルエンザ等感染症、新感染症の発生を正確かつ確実に把握し、 疫学調査の強化・充実を図る。 情報分析 季節性インフルエンザの検体等の指定提出機関制度の創設 (改正感染症法第14条の2関係) 指定提出機関 都道府県等 病院・診療所・衛生検査所 (開設者の同意を得て、 都道府県が指定) ・検体等の提出 患者から 採取した 検体 患者の咽頭、 鼻粘膜、血液 等の検体を 採取 ・都道府県等で実施された検査の情報 を収集・分析 ・必要に応じ、都道府県等に検体の提出 を求め、検査を実施 都道府県等への検体提出、 検査体制、国への報告の基準を省令等で規定 医療機関 患 者 国 ・指定提出機関の指定 ・検査の実施 ・検査結果等の国への報告 検体から 分離した 病原体 検 体 等 送 付 地方衛生研究所 <検査> 患者から 採取した 検体 検体から 分離した 病原体 検査結果 一 部 の 検 体 等 送 付 国立感染症研究所 <検査> <詳細な検査> 患者から 採取した 検体や病原体 検体から 分離した 病原体 検査結果 データベース 流行している季節性インフルエンザの型や薬剤耐性インフルエンザウイルスの発生状況を 把握し、疫学調査の強化・充実を図る。 - 86 - 情報分析 改正感染症法の施行に伴う省令改正について① <感染症に関する情報収集体制の強化> 1.検査の実施体制 ○検体・病原体検査を行うために必要な検査室の設置 ○検査の精度管理の定期的実施、精度管理に関する外部調査の定期的受検 ○「検査部門管理者」の設置 (業務内容) ・検査部門の業務の統括 ・内部監査・精度管理結果による必要な是正措置 ・標準作業書に基づいた適切な検査実施の確認、必要に応じた是正措置 (検査区分責任者を置くことも可) ・検査業務に従事する者への研修の実施 ○「信頼性確保部門責任者」の設置 (業務内容) ・検査業務管理についての内部監査の定期的実施 ・検査の精度管理の定期的実施のための事務 ・内部監査・精度管理結果の報告、記録 ○検査の実施に必要となる検査標準作業書、検査の信頼性確保試験標準作業書の作成 (一類感染症、二類感染症、新型インフルエンザ等感染症の検査の場合は、試薬管理標準作業書、 機械器具保守管理標準作業書、培養細胞標準作業書、検体取扱標準作業書も作成) ○組織体制、記録管理、教育訓練、内部監査、精度管理等に関する文書の作成 改正感染症法の施行に伴う省令改正について② <感染症に関する情報収集体制の強化> 2.季節性インフルエンザに関する指定提出機関制度 ○指定提出機関から検体等を提出させる五類感染症 ⇒インフルエンザ(鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く。) ○指定提出機関の指定の基準 ⇒地域の実情を勘案して、原則、診療科名中に内科又は小児科を含む病院・診療所・衛生検査所 のうち適当と認めるものについて行う ○指定提出機関からの検体等の提出基準 ⇒季節性インフルエンザの流行期は毎週1回、非流行期は毎月1回の提出とする (指定提出機関の具体的選定基準等の関連通知については順次発出予定) 3.国への検査結果の報告 ○検査結果の報告は、結果判明後速やかに行う ○報告事項:検査結果及び当該患者の年齢、性別、診断病院等の管轄保健所名など ⇒ 一類感染症、二類感染症又は新型インフルエンザ等感染症については、患者の氏名・住所も報告 4.今後のスケジュール ・ 平成28年4月 改正法、改正省令施行 - 87 - 感染症発生動向調査事業実施要綱の一部改正について(概要) <健発1109第3号 平成27年11月9日発出> 背景・目的 ○ 標記事業は、感染症の発生情報の正確な把握と分析及びその結果の国民や医療関係者への的確な提供・公開につい て、感染症法(平成10年法律第114号)の規定に基づく施策として、医師等の医療関係者の協力のもと実施。 ○ 感染症法の一部改正法(平成26年法律第115号)及び感染症法施行規則の一部を改正する省令(平成19年厚生労働 省令第159号)の公布に伴い、実施要綱について一部改正を行うもの。 概要 1.「趣旨及び目的」の修正 今般の改正感染症法の施行により規定される病原体情報の収集・解析に関する内容を追記。 2.季節性インフルエンザの指定提出機関制度に関する規定の追加等 ① ② インフルエンザ病原体定点を指定提出機関として選定することを記載。 インフルエンザ病原体定点の選定基準を見直し、小児科定点から10%以上及び内科定点から10%以上を、それぞれ3定点 と2定点を下回らないよう選定する旨規定。 ③ インフルエンザについて、流行期には週1検体、非流行期には月1検体を送付する旨規定。(※小児科病原体定点につい ても、月に4症例からそれぞれ少なくとも1種類の検体を送付する旨規定) 3.病原体の情報収集体制の整理 ① 検体検査は、地方衛生研究所又は保健所等の検査施設において、別に定める「検査施設における病原体等検査の業務管理 要領」に基づき実施し、検査の信頼性確保に努めることを追記。 ② 実態に合わせ、これまで都道府県等本庁の役割となっていたものの一部(保健所が登録した患者情報の確認等)を地方感 染症情報センターに整理。 4.その他 ① 採取した検体の目的外利用の禁止、及び検体採取の際には、使用目的を説明の上、できるだけ本人の同意をとることが望 ましい旨規定。 ② その他所要の改正 施行日:平成28年4月1日 検査施設における病原体等検査の業務管理要領の策定について(概要) <健発1117第2号 平成27年11月17日発出> 趣旨・目的 ○ 感染症法の一部改正法(平成26年法律第115号)及び感染症法施行規則の一部を改正する省令(平成19年厚生労働 省令第159号)において、検査の信頼性を確保するための実施体制等について規定。 ○ これを受け、感染症法に基づき感染症の患者の検体又は当該感染症の病原体の検査を行う施設において、病原体等 検査の業務管理について細則を定め、病原体等検査の信頼性を確保することを目的として策定。 規定事項 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 目的 適用等 組織 検査室等の管理 遺伝子検査の管理 機会器具の管理 試薬等の管理 培養細胞等の管理 有毒な又は有害な物質及び危険物の管理 検体の取扱いの管理 病原体等検査の管理 検体の保管及び廃棄 データの作成 データ等の保存 内部監査 不適合業務及び是正措置等 精度管理 外部精度管理調査 教育訓練及び研修 実施時期.「趣旨及び目的」の修正 別添1-1 別添1-2 別添1-3 別添2-1 別添2-2 別添3 別添4 別添5-1 別添5-2 別添5-3 別添5-4 別添5-5 別添6 施行日:平成28年4月1日 - 88 - 機械器具保守管理標準作業書の例(DNA シーケンサー) 機械器具保守管理標準作業書の例(リアルタイムPCR 装 置) 機械器具保守管理標準作業書の例(冷凍庫) 試薬等管理標準作業書の例(全般) 試薬等管理標準作業書の例(細胞培養に使用する培地) 培養細胞管理標準作業書の例 検体取扱標準作業書の例(全般) 検査標準作業書の例(インフルエンザウイルス分離) 検査標準作業書の例(インフルエンザウイルスのリアル タイムRT-PCR検査) 検査標準作業書の例(ポリオウイルス分離) 検査標準作業書の例(コレラ菌の定性試験) 検査標準作業書の例(コレラ菌特異的遺伝子の検出) 検査の信頼性確保試験標準作業書の例(マイコプラズマ 汚染否定試験) 一類感染症に関する検討会について 目的 平成26年、西アフリカを中心に感染拡大したエボラ出血熱について、 検疫及び国内体制を強化してきたところ。今回のエボラ出血熱への 対応での様々な経験を踏まえつつ、今後国際的に脅威となる感染症 が発生する可能性を見据えて、これらの感染症の発生予防及びまん 延を防止するための対策を強化することが重要である。そこで、「ウイ ルス性出血熱等一類感染症への行政対応の手引き(仮称)」を策定 するため、ウイルス学、疫学、感染症の診療等の専門家及び行政関 係者による検討会議を開催する。 メンバー ・大曲貴夫(国立国際医療研究センター病院国際感染症センター長 ・柏樹悦郎(広島検疫所長) ・小森貴(日本医師会常任理事) ・西條政幸(国立感染症研究所ウイルス第一部長 ・齋藤智也(国立保健医療科学院) ・西塚至(東京都福祉保健局感染症対策課長) ・松井珠乃(国立感染症研究所感染症疫学センター第一室長) 「ウイルス性出血熱等一類感染症への 行政対応の手引き(仮称)」の骨子 一部抜粋 1 はじめに 2 基本的事項 病原体の特徴と臨床像・リスク評価 3 対応体制 厚生労働省、政府内、自治体、他 4 感染症法に基づく届出基準 5 感染のリスクがある者及び患者等発生時の行政対応 初期対応・安全管理・関係機関との連携 6 ラボ診断 検査材料の採取・検体材料の輸送 7 消毒・汚染除去等 8 疫学調査及び接触者の管理 9 医療機関における体制 感染症指定医療機関・専門家会議・退院基準、他 10 遺体の管理 11 調査研究の実施 12 広報及び情報提供 情報提供・情報公開について、他 スケジュール 平成27年10月20日 第1回一類感染症に関する検討会 平成28年1月27日 第2回一類感染症に関する検討会 年度内を目処に「ウイルス性出血熱等一類感染症への行政対応の 手引き」のとりまとめ その他の論点 ・特定/第一種感染症指定医療機関に求められる機能 ・エボラ出血熱の退院基準の見直し ・情報提供、公表のあり方 エボラ出血熱に対する国内対応(疑似症定義)の変遷 ○ ギニア・シエラレオネにおけるエボラ出血熱患者の発生及び対応状況等を踏まえ、平成27年9月18日よりエボラ出 血熱の 疑似症患者の定義を従来の対応(接触歴を必須)に変更。 ○ 検疫所における帰国・入国者の21日間の健康監視については、平成27年12月29日にギニアの終息宣言が出され たことをもって修了。 平成27年12月29日 終息後 ギニア又はシエラレオネ の過去21日以内の滞在 歴がある者 ギニア又はシエラレオネ の過去21日以内の滞在 歴がある者 通常の対応*3 ギニア又はシエラレオネの過去21日 以内の滞在歴が確認でき、かつ、次 のア又はイに該当する者について、エ ボラ出血熱が疑われると判断した場 合、エボラ出血熱の疑似症患者として 取り扱うこと。 ア 38℃以上の発熱症状がある者 イ 21日以内にエボラ出血熱(疑いを 含む)患者の体液等(血液、体液、吐 物、排泄物など)との接触歴(感染予防 策の有無を問わない)があり、かつ、 体熱間を訴える者) 38℃以上の発熱又はエボラ出血熱 を疑うその他の臨床症状*1を有し、 かつ、次のア又はイに該当する者 について、エボラ出血熱が疑われ ると判断した場合、エボラ出血熱の 疑似症患者として取り扱うこと。 ア 21日以内にエボラ出血熱(疑い を含む)患者の体液等(血液・体液・ 吐瀉物・排泄物など)との接触歴(感 染予防策の有無を問わない)があ る イ 21日以内にエボラ出血熱発生 地域*2由来のコウモリ、霊長類等 に直接手で接触するなどの接触歴 がある - 89 - 38℃以上の発熱又はエボラ出血熱 を疑うその他の臨床症状*1を有し、 かつ、次のア又はイに該当する者 について、エボラ出血熱が疑われ ると判断した場合、エボラ出血熱の 疑似症患者として取り扱うこと。 ア 21日以内にエボラ出血熱(疑い を含む)患者の体液等(血液・体液・ 吐瀉物・排泄物など)との接触歴(感 染予防策の有無を問わない)がある イ 21日以内にエボラ出血熱発生 地域*2由来のコウモリ、霊長類等 に直接手で接触するなどの接触歴 がある * * 疑 似 症 定 義 平成27年9月18日以 降 * 健 康 監 視 これまで コ 3 ン 2 1 ゴ 求民ギ嘔 め主ニ吐 に共ア、 下 応和、 シ じ国エ痢 て、ラ、 健コレ食 康ンオ思 相ゴネ不 談共、振 を和リ、 全 行国ベ リ身 い ア倦 、 怠 結 、 ウ 果 ガ感 に ン等 よ ダ り 、 必 ス 要 ー な ダ 場 ン 合 、 ガ は ボ 健 ン 康 、 監 コ 視 ー の ト 対 ジ 象 ボ と ア ー す ル る 、 蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針の構成と記載内容 各章 主な記載事項 前文 蚊媒介感染症の現状、平成26年のデング熱の国内感染事例の原因分析、対策の方向 性など 第一 平常時の予防対策 国、都道府県等:平常時及び国内感染症例発生時の手引き(国)及び具体的な行動計 画 (都道府県等)の整備。 都道府県等:大規模公園などにおける継続的な蚊の密度調査、幼虫の発生源対策、成 虫の駆除、長時間滞在する者への注意喚起等の実施。 第二 発生動向の調査の強化 国:検査法の整備、海外における蚊媒介感染症の発生動向の把握。 国、都道府県等:患者検体の確保、病原体の遺伝子情報の解析等。 第三 国内感染のまん延防止対策 都道府県等:積極的疫学調査の実施、推定感染地の特定、市町村への蚊の駆除の指 示等。 市町村:都道府県の指示の下、推定感染地の蚊の駆除等の実施。 第四 医療の提供 国:診療の手引きの提供、医療関係者間の相談・協力体制の構築。 国、都道府県等:医療関係者への情報提供及び普及啓発。 第五 研究開発の推進 国:蚊媒介感染症、ワクチンや迅速診断法の開発、効果的な蚊の駆除方法の検討、媒 介蚊の分布調査など、蚊媒介感染症対策に資する研究の推進、疫学研究の推進、研 究機関間の連携体制の整備。 第六 人材の養成 都道府県等、市町村:蚊媒介感染症や媒介蚊に関する知識・技術を有する職員の養成。 国:都道府県等及び市町村における研修の中核を担う人材、医療分野の人材養成。 第七 国際的な連携 国:WHOなどの国際機関や諸外国の政府機関との連携の強化及び情報交換の推進。 海外流行国における対策への協力。 第八 対策の推進体制の充実 都道府県:蚊媒介感染症対策会議の設置、同会議における対策の検討・見直し及び研 修の実施。 国、都道府県等、市町村:住民への蚊媒介感染症に関する知識の普及啓発。 鳥インフルエンザA(H7N9)のヒトへの感染の対応について 経緯: 平成25年3月以降、新たな鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスのヒト感染患者685名の報告がある 。 感染患者のうち、 少なくとも275名の死者が報告されている 。発生地域は中国(2市13省2自治区)、香港特別区・台湾・マレーシア・カナダ(輸入症 例)(図)。平成26年末から再び患者数の増加が見られるが、継続して状況を注視している。 (WHOの平成27年12月17日発表に基づく。) 中国・台湾・香港の感染者発生地域 図 その他の 輸入症例 発生国 カナダ 2人 マレーシア 1人 発症週別の感染者数(出典:ECDCから抜粋) 40 (人) 35 30 25 20 15 10 5 0 平成25年 平成26年 主な特徴 感染源は未確定だが、生きた家きん等との接触による可 能性が最も高い。 持続的なヒトーヒト感染は認められていない。 厚生労働省の主な対応 法的整備: 感染症法に基づく二類感染症に位置づけ 検疫法に基づく検疫感染症に位置づけ 検疫: 検疫所の検査体制の整備、検疫所での注意喚 起(ポスターや健康カード等) 国内監視体制: 自治体(地方衛生研究所)の検査体 制の整備 情報収集・発信: WHOや専門家ネットワーク等を 活用した情報収集・分析、国立感染 症研究所リスクアセスメントの発信 ワクチン: パンデミック発生時にプロトタイプワクチンと して対応可能。H7N9のワクチンは臨床試験 を実施中。 平成27年 (週) H28.1.7作成 - 90 - 中東呼吸器症候群(MERS)の対応について (1) 経緯 H27.10.1作成 ○ 平成24年9月以来、アラビア半島諸国を中心に発生の報告がある重症呼吸器感染症 ○ 報告された診断確定患者数1625名(うち、少なくとも586名死亡) 【1月4日時点】 ○ 患者が報告されている主な国:サウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタールなど (ほ か、英国、オランダ、ドイツ、フランス、チュニジア、マレーシア、韓国、中国、タイ等で輸入 ヨルダン クウェート 症例等が報告されている) カタール サウジ アラブ アラビア 首長国連邦 ○ 基礎疾患のある人や高齢者で重症化しやすい ○ 接触者間での限定的なヒト-ヒト感染あり イエメン ○ ウイルスの保有宿主(感染源動物)としてヒトコブラクダが有力視されている オマーン 発生が報告されている中東諸国 (2) 厚生労働省の対策 ○ アラビア半島とその周辺諸国からの帰国者で、MERSの症状を示す患者についての情報提供を、地方自治体を通じて医療機 関に依頼 (平成24年9月・11月及び平成26年5月16日) ○ 地方衛生研究所等に検査試薬を配布し、検査体制を整備 (平成25年2月) ○ WHO等を通じた情報収集、一般国民への情報提供や検疫所のHPやポスター掲示を通じた注意喚起 ○ 平成27年1月21日付で、二類感染症に位置づけ (入院措置が可能に) ○ 自治体、医療機関、検疫所に対し、韓国のMERSの発生状況を伝達し、アラビア半島諸国からの帰国者への対応徹底を要請 (平成27年6月1日) ○ 韓国も検疫対象に加えると共に、自治体で迅速な対応のために検査対応を改訂 (平成27年6月4日及び6月10日) ※平成27年9月18日時点で、韓国の対応は解除 ○ MERS対策に関する専門家会議を開催し国内発生時の対応等について検討し、体制を整備 (平成27年6月9日及び7月17日) 狂犬病予防対策について 1 現状 *長い潜伏期の後に発症するとほぼ100%死亡 *世界では年間約55,000人が狂犬病で死亡 *日本でも1970年と2006年に輸入感染症例が計3例 狂犬病予防法に基づく犬の予防注射率 年 24 25 26 登録頭数 6,785,959 6,747,201 6,626,536 予防注射頭数 4,914,347 4,899,484 4,744,364 注射率(%) 72.4 72.6 71.6 (出典)衛生行政報告例 2 対策 犬の登録・予防注射の徹底のための普及啓発 平成26年に発出した通知 に基づく国内動物の狂犬病検査の実施 万がーの発生に備えた危機管理体制の確立 ※ が必要 ※ 国内動物を対象とした狂犬病検査の実施について(平成26年8月4日 健感発0804第1号) - 91 - 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の対応について ○ 平成25年1月、新しい感染症「重症熱性血小板減少症候群 (SFTS)」の症例を国内で初めて確認。 ○ 野外に生息するマダニに吸血された際、マダニが保有していたSFTSウイルスが体内に入り感染する。 有効 な抗ウイルス薬やワクチンは今のところ確認されていない。 ○ 西日本(20府県)で、173名の患者(うち47名死亡)が確認されている。【平成17年~27年12月27日時点】 ○ マダニの活動が活発な春から秋にかけて患者が多く発生している。 患者の年代(平成26年) 厚生労働省の主な対応 法的整備:SFTSを感染症法に基づく四類感染症に指定 20 (医師による届出の義務化など) 15 死亡 10 生存 5 0 国内監視体制:地方衛生研究所に検査用資材を配布し、診 断検査体制を全国的に整備 情報提供: 「SFTSに関するQ&A」をHPに公表するなど、 疾患の特徴や予防方法等を広く国民に周知 研究の推進:SFTSの実態解明と今後の対策に関する総合 的な研究班(H25~27年度)をスタート 発症時期(平成26年) 12月 11月 9月 10月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月 14 12 10 8 6 4 2 0 最近の動き 研究班の調査結果により、SFTSウイルスが全国的に分 布することが明らかに。 マダニの活動が活発化し始める春に向けて、長袖・長ズボ ンを着用するなどして、 野外でマダニに咬まれないよう、 国民への注意を呼びかけている。 28.1.12現在 動物由来感染症対策について ●獣医師の届出対象感染症について サル : エボラ出血熱 、マールブルグ病、結核、細菌性赤痢 プレーリードッグ : ペスト イタチアナグマ、タヌキ、ハクビシン : 重症急性呼吸器症候群 (SARS) 鳥類 : インフルエンザ(H5N1,H7N9)、ウエストナイル熱、 犬 : エキノコックス症 ヒトコブラクダ:中東呼吸器症候群(MERS) 獣医師より届出を受けた都道府県においては、感染症法に基づき、 *積極的疫学調査の実施 *ねずみ族・昆虫等の駆除等のまん延防止措置 *その他人ヘの感染防止のための所要の措置 が必要 - 92 - 現状 ○ 平成28年第1 週(平成28年1月4日~平成28年1月10日)に、インフルエンザの患者発生報告数がインフルエ ンザ流行の開始の目安としている1.00を上回り、流行入りしました。 ○ ウイルスの検出報告状況: A/H1N1亜型、A/H3N2亜型、B型が同程度検出されています(平成28年1月時点) インフルエンザ定点あたり報告数推移グラフ(過去10年) インフルエンザ予防啓発ポスター▼ ( 定 点 あ た り 報 告 数 ) (参考)平成27年度今冬のインフルエンザ総合対策について http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/influenza/index.html 協力いただいた自治体73か所(うち都道府県16か所) その他、企業、病院、学校等団体 19団体 (平成28年1月現在) 今後の対応 ○ 季節性インフルエンザには、A/H1N1亜型(平成21年に流行した新型インフルエンザと同じもの)、A/H3N2亜 型(いわゆる香港型)、B型の3つの型があり、いずれも流行の可能性があります。流行しやすい年齢層は亜型に よって多少異なりますが、今年も、全ての年齢の方がインフルエンザに注意する必要があります。 結核対策の推進について わが国の現状 ○ 平成26年の新登録結核患者数は19,615人となり、初めて2万人を下回った。 ○ 近年、結核患者の高齢化が進行しており、新登録結核患者のうち80歳以上の結核患者が4割近くを 占めている。 ○ 罹患率(人口10万対)は減少傾向が続いている。(平成25年:16.1→平成26年:15.4) ○ しかし、いまだ低まん延国の水準(罹患率:10.0以下)には至っておらず、引き続きの対策が必 要。 ※参考:世界の結核罹患率(平成25年数値) 米国2.8 カナダ4.7 英国12 フランス7.3 オーストラリア5.4 韓国84 中国61 <日本の目標> 2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会までに低まん延国となることを目指す 低まん延国化に向けた対策 ○ 結核の現状及び平成26年11月の感染症法改正等を踏まえ、厚生科学審議会結核部会において、「結 核に関する特定感染症予防指針」の改正に係る議論を行い、平成28年夏頃までに改正する予定。 ○ 各都道府県においては、上記指針の改正内容を踏まえ、適宜、予防計画に反映させる。 ○ 感染症法等に基づく健康診断、公費負担医療、予防接種等の総合的な結核対策について、患者の人権 に配慮しつつ、引き続き適正な運用を図る。 ○ 特に、結核患者の治療完遂が重要であり、保健所と地域の医療機関・薬局等との連携を強化し、直接 服薬確認療法(Directly Observed Treatment , short-course:DOTS)を軸とした患者支援を推 進する。 - 93 - HTLV-1総合対策の実施状況 推進体制 国、地方公共団体、医療機関、患者団体等の密接な連携を図り、HTLV-1対策を強力に推進 ●厚生労働省: ・HTLV-1対策推進協議会の設置 患者、専門家等が参画し、協議会での議論を踏まえて、総合対策を推進 ・省内連携体制の確立と、窓口担当者の明確化 ●都道府県: HTLV-1母子感染対策協議会 ●研究班: HTLV-1・ATL・HAMに関連する研究班の総括的な班会議 研究班の連携強化、研究の戦略的推進 重点施策 1 感染予防対策 ○全国的な妊婦のHTLV-1抗体検査と、保健指導の実施体制の整備 ○保健所におけるHTLV-1抗体検査と、相談指導の実施体制の整備 2 相談支援(カウンセリング) ○HTLV-1キャリアやATL・HAM患者に対する相談体制の整備 ・相談従事者への研修の実施やマニュアル等の配布 ※相談体制の構築や手引きの作成等において、患者団体等の協力も得ながら実施 3 医療体制の整備 ○検査精度の向上や発症リスクの解明に向け、標準的なHTLV-1ウイルスのPCR検査方法等の研究の推進 ○ATL治療に係る医療連携体制等の整備、地域の中核的医療機関を中心としたHAMの診療体制に関する情報提供 ○ATL及びHAMの治療法の開発・研究の推進、診療ガイドラインの策定・普及 4 普及啓発・情報提供 ○厚労省のホームページの充実等、国民への正しい知識の普及 ○母子感染予防のため、ポスター、母子健康手帳に挟むリーフレット等を配布 ○医療従事者や相談担当者に対して、研修等を通じて正しい知識を普及 5 研究開発の推進 ○実態把握、病態解明、診断・治療等の研究を総合的・戦略的に推進 ○HTLV-1関連疾患研究領域を設け、研究費を大幅に拡充 性 感 染 症 対 策 に つ い て 1.性感染症の予防を支援する環境づくりの推進 ○感染症対策特別促進事業(感染症予防体制整備事業) 都道府県等において実施される性感染症に関する講習会や正しい知識を普及させるための ポスター・リーフレットの作成経費についての補助を行っている。 (補助先)都道府県、政令市、特別区 (補助率)1/2 性感染症に関する専用ページ ○電話相談事業 感染症に関する総合的な相談や国民への 適切な情報提供を行うため、新型インフルエ ンザ、季節性インフルエンザ、性感染症及び その他の感染症全般に関する電話相談窓口 を設置し、相談・問い合わせに対応している。 ○特定感染症予防等啓発普及事業 性感染症の予防及びまん延を図るため、 都道府県等関係機関等への普及啓発を 行っている。 2.検査の奨励と検査機会の提供 ○特定感染症検査等事業 性感染症に関する特定感染症予防指針に基づき、保健所において、性感染症検査(性器クラミ ジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマ、淋菌感染症、梅毒の5疾患)を実 施し、性感染症検査前・後に相談指導をするための補助を行っている。 (補助先)都道府県、政令市、特別区 (補助率)1/2 - 94 - 風しんに関する特定感染症予防指針(概要) ○目標 早期に 先天性風しん症候群の発生をなくすとともに、平成32年度 までに風しんの排除を達成すること を目標とする 。 ○ 定期予防接種の接種率目標(95%以上)の達成・維持 風しんの定期接種(1歳児、小学校入学1年前の2回)の接種率をそれぞれ95%以上とする。 ○ 成人に対する抗体検査・予防接種の推奨 企業等と連携し、雇用時等の様々な機会を利用して、従業員等が罹患歴又は接種歴を確認できるよう にするとともに、いずれも確認できないものに対して、抗体検査や予防接種を推奨する。 (注)平成26年度については、検査費用の助成を実施(平成25年度補正予算 約12億円) ○ 先天性風しん症候群の児への医療等の提供 日本医師会や関係学会等と連携し、先天性風しん症候群と診断された児が症状に応じ適切な医療や 支援制度を受けられるよう、情報提供及び制度のより適切な運用等を行う。 近年のHIV感染者・エイズ患者の発生動向《平成26年(確定値)》 (件) 合計 1,546 HIV 1,091 エイズ 455 2015年厚生労働省エイズ動向委員会報告 - 95 - 新規HIV感染者・エイズ患者の状況 新規HIV感染者・エイズ患者 年代別内訳《平成26年(確定値)》 年 齢 別 HIV エイズ 感 染 経 路 別 HIV エイズ 2015年厚生労働省エイズ動向委員会報告 エイズ感染報告数3カ年比較《平成26年(確定値)》 (件) 2015年厚生労働省エイズ動向委員会報告 - 96 - HIV抗体検査件数の推移《H16~26年(確定値)》 2015年厚生労働省エイズ動向委員会報告 HIV感染者・エイズ患者の在宅医療・介護の環境整備事業 診療所や訪問介護事業所等のHIV医療知識・技術の不足やエイズに対する差別・偏見により、感染者・患者が在宅医療・介護を受けられない。 → 感染者・患者に対する在宅医療・介護の環境整備が喫緊の課題 ①実地研修事業: 訪問看護師や訪問介護員等を中核拠点病院に派遣し、実地研修を行う。(各都道府県2名、1週間) ②支援チーム派遣事業: 在宅療養・介護における対応困難な事例に対し、必要に応じて中核拠点病院から支援チーム (医師、看護師、相談員等)を派遣する。 ③HIV医療講習会: 都道府県医師会及び歯科医師会による、訪問診療を行うかかりつけ医や、地域の歯科医に対する講習会の開催。 →受託事業者から都道府県宛に事業の実施に際して通知するので積極的に活用いただきたい。 HIV感染患者における透析医療 患者の高齢化に伴って、慢性腎臓病の増加が考えられ、今後、透析導入例が増加することが予想される。 管内透析医療機関に対して、HIV感染者透析医療ガイドラインを周知いただき、HIV感染者が通院可能な透析医療機関の確保に取り組まれたい。 →HIV感染患者の透析について注意点をまとめた 「HIV感染患者透析医療ガイドライン」 (http://api-net.jfap.or.jp/library/manualGaide.html)を参考に 先天性血液凝固因子障害等治療研究事業における医療の範囲について 先天性血液凝固因子障害等治療研究事業について(平成元年7月24日付健医発第896号)において通知。 (対象となる医療の範囲) ○先天性血液凝固因子欠乏症 ○血液凝固因子製剤の投与に起因するHIV感染症並びに当該疾患に付随して発現する傷病 →管内医療機関に対して先天性血液凝固因子障害等治療研究事業における医療の範囲について改めて周知いただきたい。 - 97 - 血友病薬害被害者手帳について 本年は、HIV訴訟の和解から20年。今般「血友病薬害被害者手帳」を作成し、3月に対象者に向けて送付予定。 (手帳の主な内容) ・厚生労働大臣の巻頭言 ・手帳の趣旨、薬害HIV事件と和解、関係機関へのお願い ・和解に基づく恒久的対策や患者が利用できる主な公的支援制度(医療、介護、年金、就労支援、その他) ・誓いの碑の創設経緯 →手帳記載の内容につき、改めてご理解いただくとともに、管内医療機関に対しても周知いただきたい。 特定接種について 新型インフルエンザ等が発生した場合に、医療の提供又は国民生活・国民経済の安定に寄与する業務を行う事 業者の従業員や、新型インフルエンザ等対策の実施に携わる公務員に対して行う予防接種 接種のイメージ 政府対策本部 本部長 指示 厚生労働 大臣 実施 ・登録事業者(医療の提供又は国民生活・国民経済の安定に寄 与する業務を行う事業者で、厚生労働大臣の登録を受けているも の)の従業員に対する特定接種の実施 ・対策の実施に携わる国家公務員に対する特定接種の実施 ※ 登録事業者、都道府県、市町村は接種や登録に協力 (内閣総理大臣) 本部長が 期間を指定 指示 都道府県知事 実施 ・対策の実施に携わる地方公 務員に対する特定接種の実施 市町村長 根拠等 ○ 特定接種は、新型インフルエンザ等対策特別措置法第28条に基づいて実施されるものである。また、政府行動計画やガイド ラインに、接種対象となる業種、接種順位の基本的な考え方、登録の要件・基準などが定められている。 これらを踏まえて、厚生労働大臣は、登録の基準、方法を告示で定めることになる。 留意点 ○ 登録事業者には、新型インフルエンザ等発生時においても、医療の提供・国民生活及び国民経済の安定に寄与する業務を継 続的に実施する努力義務が課される。(特措法第4条第3項) ○ 実際の特定接種の対象、接種総数、接種順位は、新型インフルエンザ等発生後に政府対策本部において判断し、基本的対 処方針によって決定される。そのため、厚生労働大臣の登録を受けたからといって、必ずしも特定接種の実施対象となるわけで はない。 - 98 - 特定接種の接種対象業種と接種順位の考え方 ○ 政府行動計画において、特定接種の登録対象となる業種等を下表のとおりとするとともに、接種順位は、 下表のグループ①(医療分野)からの順とすることを基本とされている。 ※ 実際の特定接種対象者の範囲や接種順位等については、新型インフルエンザ等発生時に、政府対策本 部において、発生状況等に応じて柔軟に決定することとされている。 類型 医 療 分 野 新型インフルエンザ等医療 重大・緊急医療型 重大緊急医療 新型インフルエンザ等対策 の実施に携わる公務員 国 民 生 活 ・ 国 民 経 済 安 定 分 野 事業の種類 新型インフルエンザ等医 療型 接種順位 グループ ① 新型インフルエンザ等の発生により対応が必要となる業務に従事する者 国民の緊急の生命保護と秩序の維持を目的とする業務や国家の危機管理に関する業務に従事する者 介護・福祉型 サービスの停止等が利用者の生命維持に重大・緊急の影響がある介護・福祉事業所 指定公共機関型 医薬品・化粧品等卸売業、医薬品製造業、医療機器修理業・医療機器販売業・医療機器賃貸業、医療機 器製造業、ガス業、銀行業、空港管理者、航空運輸業、水運業、通信業、鉄道業、電気業、道路貨物運送 業、道路旅客運送業、放送業、郵便業 指定同類型 (業務同類系) 医薬品・化粧品等卸売業、医薬品製造業、医療機器修理業・医療機器販売業・医療機器賃貸業、医療機 器製造業、映像・音声・文字情報制作業、ガス業、銀行業、空港管理者、航空運輸業、水運業、通信業、 鉄道業、電気業、道路貨物運送業、道路旅客運送業、放送業、郵便業 指定同類型 (社会インフラ系) 金融証券決済事業者、石油・鉱物卸売業、石油製品・石炭製品製造業、熱供給業、 その他の登録事業者 飲食料品卸売業、飲食料品小売業、各種商品小売業、食料品製造業、石油事業者、その他の生活関連 サービス業、その他小売業、廃棄物処理業 グループ ② グループ ③ グループ④ (注) ※指定公共機関型の事業者と同様の業務を行う公務員については、指定公共機関型と同順位とする。 ※上下水道、河川管理・用水供給、工業用水道の業務を行う公務員については、公共性・公益性から整理し、指定公共機関型と同順位とする。 ※医療分野、介護福祉型、その他の登録事業者と同様の業務を行う公務員についてはそれぞれ民間の事業者と同順位とする。 特定接種管理システムの概要 【事業者登録業務】 注)白の矢印は、 システムによる連絡 ①ホームページ等で公示 ②申請 特定接種管理システム 対象事業者 ⑥登録結果送 信(登録番号 付与) ③確認依頼 ①周知 ⑤確認結果 報告 厚生労働大臣 ④確認 関係府省庁等 ※ 関係府省庁等の管理者(申請内容の確認を行う者)に、各々の業種分類を管轄するIDを交付。 ① ホームページ等で特定接種管理システムへの登録申請要件等を公示。 ② 対象事業者が各自インターネット回線を通じ、Webで必要事項(事業者の名称、所在地、登録対象業務、従業員数、 業務継続計画の作成の有無、接種実施医療機関など)を登録申請する。 ③ 対象事業者から登録申請があった旨、関係府省庁等の担当者に通知。 ④ 関係府省庁等は特定接種管理システムへログインし、登録申請があった事業者の登録可否について確認、必要 に応じて申請事業者へ疑義照会・差し戻し等を行う。 ⑤ 関係府省庁は、厚生労働大臣へ確認した旨を通知。 ⑥ 厚生労働大臣は、対象事業者へ登録した旨を通知。対象事業者へ登録番号を付与。 - 99 - 特定接種管理システム 確認ルートの概要 ⑥登録結果報告 ⑤登録 特定接種管理システム 市 事 町 業 村 ③ 確認 都 道 府 県 者 ③* 厚 生 労 働 省 関 係 府 省 庁 地 方 支 分 部 局 ②* 、③*について、業種により組み合わせが異なります。 抗インフルエンザウイルス薬の備蓄目標の経緯 平成17年度 国 新型インフルエンザ対策として備蓄開始 目標量:2,500万人分(国民の23%に相当する量) 薬 剤:タミフル タミフル リレンザ 合計 1,050万人分 - 1,050万人分 1,050万人分 1,050万人分 - 流 通 400万人分 - 400万人分 合 計 2,500万人分 - 2,500万人分 都道府県 平成20年度 タミフル 備蓄目標の引き上げ(23→45%) 備蓄薬にリレンザを追加 国 目標量:5,861万人分(国民の45%に相当する量) 薬 剤:タミフル、リレンザ リレンザ 合計 2,680万人分 268万人分 2,948万人分 2,513万人分 2,380万人分 133万人分 流 通 400万人分 0万人分 400万人分 合 計 5,460万人分 401万人分 5,861万人分 都道府県 平成24年度 タミフル 備蓄薬のリレンザの割合を2割に引き上げ 国 目標量:5,700万人分(国民の45%に相当する量) 薬 剤:タミフル、リレンザ - 100 - リレンザ 合計 2,120万人分 530万人分 2,650万人分 2,650万人分 2,120万人分 530万人分 流 通 320万人分 80万人分 400万人分 合 計 4,560万人分 1,140万人分 5,700万人分 都道府県 現行の抗インフルエンザウイルス薬の備蓄方針 新型インフルエンザ等対策政府行動計画 (H25.6 閣議決定) 国は、諸外国における備蓄状況や最新の医学的な知見等を踏まえ、国民 の45%に相当する量を目標として、抗インフルエンザウイルス薬を備蓄。 その際、現在の備蓄状況や流通の状況等も勘案する。 抗インフルエンザウイルス薬に関するガイドライン (H25.6 関係省庁対策会議決定) 備蓄目標量は5,700万人分(※)とし、流通備蓄分400万人分を除き、国と 都道府県で均等に備蓄。 (※)総務省住民基本台帳に基づく人口(平成24年3月31日現在) 抗インフルエンザウイルス薬の備蓄の考え方等について (H25.3 厚生労働省健康局結核感染症課長通知) 備蓄薬剤と割合について、タミフル8割・リレンザ2割を目標。 抗インフルエンザウイルス薬の新たな備蓄方針について 平成27年10月に行われた新型インフルエンザ等対策有識者会議において、新たな備蓄方針が 取りまとめられた。 備蓄薬剤の種類について ■既存のタミフル、リレンザに加え、タミフルドライシロップ、ラピアクタ及びイナビルの備蓄を行う。 ■タミフルドライシロップは、季節性インフルエンザにおいても小児を中心に使用されていることや内服時に 苦みが少なく内服コンプライアンスが良いことから、迅速に備蓄を開始する。 ■ラピアクタについては、点滴静注薬であり重症患者等に使用されることが想定されるため優先的に備蓄 を開始する。 ■イナビルについては、既存の備蓄薬の有効期限切れになる時期を勘案しながら、順次切り替えを行って いく。 備蓄目標量について ■ 備蓄目標量は5650万人分(国民の45%相当量)とする ■ 流通備蓄を現行の400万人分から1000万人分とし、残り4650万人分を国と都道府県で均等に備蓄する - 101 - 社会保障・税番号制度の 導入について 厚生労働省政策統括官付情報政策担当参事官室 社会保障・税番号制度の開始に当たって ○ 社会保障・税番号制度の導入により、地方公共団体において生活保護、児童手当、介護保険といった社 会保障分野の事務に個人番号の利用が開始されています。 ○ 番号制度の開始に当たっては、番号の確認等の新たな事務が生じますが、制度導入により、同一の住民 の方の情報を適切に管理することができるようになり、また、情報連携開始後は、各種給付事務などに必要な、 他の機関の保有する情報を、オンラインで共有することが可能になる等の効果が期待されていますので、制 度が円滑に運用されるよう、ご協力のほどよろしくお願いいたします。 ○ なお、各制度の詳細な事務の取扱いについては、昨年来、所管部局から事務連絡等を発出して いますので、そちらもあわせて御確認の上、ご対応のほどお願いいたします。また、平成29年7月の 情報連携開始に向け、引き続き、着実に準備を進めていただきますよう、お願いいたします - 102 - 社会保障分野における制度導入の効果 ○ 社会保障分野における番号制度導入により、例えば以下の効果が期待されます。 ① 同一住民の情報の効率的な検索・管理 【28年1月~】 ② 住民票・所得証明書等の添付書類の省略 【29年7月以降~】 ⇒ 児童扶養手当の支給申請の際に、所得状況を証明する書類等の添付書類の省略が可能となる。 ③ 異なる制度間における給付調整の確実性の向上 【29年7月以降~】 ⇒ 特別児童扶養手当の支給申請の際に、障害を支給事由とする年金給付との併給調整をより確実に行うことが可能となる。 ④ マイナポータルを活用したお知らせ情報の表示 現状 【29年1月以降~】 今後 社会保障の手続では、所得証明 書などの添付書類をAから求め られた場合、本人はBから取得 した上で申請している。 また、AとBとの間で併給を禁 止している場合などは、本人の 申告に基づき給付の調整をして いる。 関係機関A 情報連携により、 給付の適正化が 図られる。 同一住民の方 の情報の検索 等が効率化 番号制度導入後は、AとB の間で情報をやりとりする ことで、添付書類の省略や 給付の適正化が図られる。 関係機関A 給付 各種書類 情報連携によ り、添付書類 の発行事務が 効率化 申請 個人番号 給付 申請 自己情報 表示 お知らせ 情報の表示 関係機関B 添付書類の省 略により、国 民利便性が向 上 マイナポータル 行政からの各 種お知らせ、 自分の情報等 を入手できる。 各種書類 本人 関係機関B 本人 国民健康保険分野における番号利用・情報連携の手続例 ※想定されるパターンのいくつかを例示したもの。本資料を参 考に各自治体に応じた具体的なフローを検討されたい。また、 本人確認措置を行う主体については記載を省略している。 例) 国民健康保険の資格取得の届出、受理 1.番号利用の概要 国民健康保険の資格取得届にマイナンバーの記載欄を追加し、届出を受ける際に、対象者のマイナンバーを取得し、管 理することとなる。 2.情報連携の概要 資格取得届の審査の際に、上記により取得したマイナンバーにより、情報提供ネットワークシステムを利用して、前医療保 険者から資格喪失に関する情報を取得する。 現状 今後 健康保険組合 市町村 ①資格喪失証明書 交付申請 ④ 保 険 証 交 付 ③ 届 出 申請書 ②交付 添付書類 (喪失証明) + 資 格 喪 失 通 知 事業主 資 格 喪 失 届 資格喪失情報等を情報連携する場合のイメージ 情報提供ネットワークシステム を利用した情報の取得 健康保険組合 市町村 ④ 保 険 証 交 付 ③ 届 出 資格喪失を証明する 添付書類を省略可能 申請書 マイナンバー 本人 本人 - 103 - 資 格 喪 失 通 知 事業主 資 格 喪 失 届 本人確認の事務について ○ 個人番号を本人から提供を受けるときは、個人番号の提供を受ける都度、個人番号の確認(正しい番号である ことの確認)と身元確認(番号の正しい持ち主であることの確認)を行う本人確認の措置が必要です。 ○ このため、個人番号を含む申請を受け付ける場合は、原則、住民の方が、通知カード等の個人番号が記載され た書類等を持参いただく必要がありますので、引き続き、周知のほどよろしくお願いします。 ○ なお、これらの方法が困難な場合には過去に本人確認を行って作成したファイルで番号の確認を行うことなども 認められます。 個人番号の確認 身元(実在)の確認 氏名 住所 番号 花子 ○○県□□市△△町◇丁目○番地▽▽号 性別 1234 5678 9012 平成元年 3月31日生 □□市長 氏名 番号 花子 (裏面) 平成元年 3月31日生 女 2025年 3月31日まで有効 個人番号カード 0123456789ABCDEF 通知 住民票 or カード (番号付き) 運転 免許証 等 1234 or パス ポート ※ 上記が困難な場合は、健康保険の 被保険者証と年金手帳などの2以上の 書類の提示 ※ 上記が困難な場合は、 過去に本人確認の上で作 成したファイルの確認 等 等 等 6. 業務システム改修に係る国庫補助等について① 1 補助対象団体 都道府県及び市町村(特別区を含む。以下同じ。) ※ 介護保険等の一部事務組合又は広域連合(以下「一部事務組合等」という。)も対象。 2 補助対象システムと対象経費等 (1) 補助対象システム ① 都道府県・・・生活保護、障害者福祉、児童福祉、健康管理のシステム ② 市町村・・・・・生活保護、障害者福祉、児童福祉、国民健康保険、後期高齢者医療(市町村分)、 介護保険、健康管理、国民年金のシステム (2) 対象経費 社会保障・税番号制度導入に必要な業務システムの改修(番号対応部分)に係る経費。 事業 表 各年度事業における対象経費 対象経費 26年度事業 システム設計、プログラム開発・単体テスト 27年度事業 プログラム結合・総合テスト、団体内連携テスト 28年度事業 総合運用テスト(注) (注) 27年度に交付申請を行っていない自治体(27年度に交付申請を行っていても申請額が基準額を下回る自治体も含む。)は、 28年度に27年度事業分(プログラム結合・総合テスト、団体内連携テスト)の申請が可能。 ※ 26年度事業分(システム設計、プログラム開発・単体テスト)の繰越については、27年度までの繰越に限ることに留意。 パッケージソフトの場合であっても、番号対応部分に係る対象経費を抽出した上で、上記区分に分けて申請する必要あり。 - 104 - 業務システム改修に係る国庫補助等について② (3) 社会保障・税番号制度導入に必要なシステム改修の例 • • • • 個人番号利用に伴う表示機能(画面、帳票)の改修 データベースにおけるデータ項目の追加 個人番号による検索機能の追加 情報連携に伴う業務プログラムの改修 (中間サーバーへの情報提供データの抽出、情報照会内容の表示等) 等 ※ 中間サーバ・ハードウェアの整備経費等を除く。 3 補助額 補助対象経費として厚生労働大臣が認めた額の 2/3(国民年金、及び障害者福祉のうちの特別児童扶養手 当については、10/10) ※ 千円未満の端数は切り捨て、地方負担分(1/3)については、普通交付税及び特別交付税措置。 国庫補助基準額は、予算の範囲内において、想定事業費(注)を基礎として人口規模及びシステム類型に応 じた標準的な費用として算出。 基準額は、人口規模で公平に算出するため、単純に人口規模区分に当てはめるのではなく、自治体の人口数 に応じて基準額が増加するように算出。また、1次交付、2次交付以降を通じて同様の算出方法とすることで、 公平に算出。 なお、基準額は、一般分及び国民年金・特別児童扶養手当分の区分で設定。各自治体は、当該区分ごとの 配分額の範囲内で、システム別に事業費を配分し交付申請することが可能。 業務システム改修に係る国庫補助等について③ 4 28年度予算政府案 28年度はシステム改修に必要な経費(総合運用テスト分)を要求。 ■国庫補助の対象 番号制度の導入に係る地方公共団体のシステム整備(下記システム)について、平成26年度から 平成28年度にかけて国庫補助を措置。 (単位:億円) 項目 社会保障システム (国民年金、国民健康保険、後期高齢者 医療、障害者福祉、児童福祉、生活保護、 介護保険、健康管理) H26 H27 H28(案) 事業費 271.1 225.3 209.3 国庫補助 185.3 154.2 143.4 ■国庫補助率 ・補助率= 2/3 : 国民健康保険、後期高齢者医療(市町村分※)、障害者福祉(特別児童扶養 手当を除く)、児童福祉、生活保護、介護保険、健康管理 ※後期高齢者医療広域連合については別途国庫補助を実施。 ・補助率=10/10 : 国民年金、特別児童扶養手当 ■社会保障システムの地方負担分(1/3)については、普通交付税及び特別交付税措置。 - 105 - 平成27・28年度システム整備費補助金の交付スケジュール ○ 平成28年度においては、当初交付決定通知を8月を目途に実施する予定。 平成27年度補助金 第1四半期 平成28年度補助金 4/21 交付要綱・実施要綱発出 4/21 当初申請に係る基準額内示 5/29 当初交付申請(原本)提出期限 4月上旬 交付要綱・実施要綱発出 4月中旬 当初申請に係る基準額内示 5月下旬 当初交付申請(原本)提出期限 第2四半期 第3四半期 第4四半期 8月 9月 10/28 当初交付決定通知 11/16 変更申請に係る基準額内示 12/18 変更申請に係る交付申請(原本)提出期限 1月 変更申請に係る交付決定通知 2月中旬 実績報告提出依頼 3月下旬 実績報告提出期限 当初交付決定通知 変更申請に係る基準額内示 10月 変更申請に係る交付申請(原本)提出期限 12月 変更申請に係る交付決定通知 1月 実績報告提出依頼 3月下旬 実績報告提出期限 【全ての契約が年度内に完了した場合】 4月中旬 確定通知送付 4月下旬 交付額確定・精算 出納整理期 【全ての契約が年度内に完了しなかった場合】 繰越額確定計算書依頼 (電子媒体:4月上旬〆、原本:4月中旬〆) 地方繰越(翌債)申請及び事業完了予定期日変更報告 提出 (電子媒体:2月中旬〆、原本:3月下旬〆) 4月下旬 年度終了報告提出 (電子媒体:3月上旬〆、原本:4月下旬〆) 同左 見積書を確認する際のチェックポイント(例) ○ 番号制度導入に伴う業務システム改修経費の見積書を確認する際には、以下の事項にも 留意して十分な精査を行うようお願いする。 1 「システム改修費一式」ではなく、詳細な内訳を提出させる 作業工程(設計、開発、テストなど)毎に、作業項目、作業者(SE、プログラマなど)と工数(人月、人日など)が わかる内訳を提出させ、特に以下の点に注意して内訳を確認する。 ① 不要な作業項目が記載されていないか。 ② 作業項目毎の作業者と単価が適正か、また、妥当な工数となっているか。 2 見積根拠資料の確認(デジタルPMOの活用) ベンダーにどの情報に基づき見積もったのか確認する。(見積にはデジタルPMO掲載情報に基づいた積算が 不可欠であり、確認不足による過大なリスクを計上していないか確認する必要がある。) 3 庁内情報システム部門と連携した体制を整備する 社会保障部門の担当者のみならず、作業者や工数、単価の妥当性を判断できる情報システム部門の担当 者も含めた体制を整備し、共同で見積を精査する。 4 庁内の先行システムや他の自治体における類似事例との比較 • 庁内で既に番号制度のシステム改修に着手しているシステムや、必要に応じて人口規模・システム類型が 同じ他の自治体システムの見積と比較し、それら見積との違いをベンダーに説明させる。 • 複数者から見積を取得し、それぞれ比較した上で真に必要な作業項目、単価、工数を見極める。 - 106 - (参考)地方公共団体の社会保障関係システム システム名 都道府県・ 市町村 市町村 概要 生活保護システム 生活保護の対象者の生活相談受付、保護申請審査、支給管理、統計処理等を行うシステムを指す。 障害者福祉システム 障害者資格の管理、給付の管理、進達処理、通知書発行、支払管理、統計処理等を行うシステム を指す。 児童福祉システム 児童手当、児童扶養手当等の対象者の資格管理、現況受付、支払管理、統計処理、その他保育所 保育料の算定等を行うシステムを指す。 国民年金システム 国民年金第1号被保険者の資格、付加保険料、保険料の免除等、年金給付の情報の管理等を行う システムを指す。 国民健康保険システム 国民健康保険の資格の管理、保険料(税)の賦課・収納管理、給付・レセプト管理、統計処理等を行 うシステムを指す。 後期高齢者医療システム 後期高齢者医療の資格の管理、保険料(税)の賦課・収納管理、給付・レセプト管理、統計処理等を 行うシステムを指す。 介護保険システム 介護保険被保険者の資格管理・介護保険料の賦課・介護保険料の収納管理・受給者の台帳管理 を行うシステムを指す。 健康管理システム 乳幼児及び高齢者の予防接種管理対象者への予防接種の案内通知、接種履歴管理、その他保健 衛生等の管理を行うシステムを指す。 (参考)社会保障関係システム改修支援等の範囲 自己情報 表示機能 お知らせ情報 表示機能 情報提供等 記録開示機能 ワンストップ サービス インターネット ※機械的な読み取り+パスワード入力 (個人番号は用いない) 特定個人情報 保護委員会 個人 地方公共団体以外の機関(H29.1 情報連携開始予定) 情報提供ネットワークシステム (コアシステム) 情報提供記録 個人番号カードによる 公的個人認証 個 人 番号 機関別符号A H26.1.1 設置 コアシステム 機関別符号A 団 体 内 統 合 宛 名 番 号 A 団 体 内 統 合 宛 名 番 号 A 基 本 4 情報 個 人 情報 個 人 情 報 市町村が付番 情報提供ネット ワークシステム 及び 情報照会・提供 機関に対する 監視・監督など 【主な機能】 ○要求に応じて機関 ごとに機関別符号 を生成。。。。。 ○機関別符号同士の 紐付け。。。。。 ○情報提供を許可。 IFシステム 中間サーバー 政府共通NW LGWAN等 既存システム群 住基連携用 サーバー 地方公共団体(H29.7 情報連携開始予定) 【既存システム】 ・業務画面の改修 ・帳票様式の改修 ・データベースの改修 ・業務プログラムの改修 等 個 人番 号 機関別符号B 団 体 内 統 合 宛 名 番 号 B 団 体 内 統 合 宛 名 番 号 B 基 本 4情 報 個 人情 報 個 人 情 報 機関別符号生成要求 「インターフェイスシステム」・・・情報提供ネット ワークシステム(コアシステム)と対になり、情報連携 の制御を行う。 「中間サーバー」・・・他機関からの情報照会に自動で 応じるため、特定個人情報の複製を保持する。 機関別符号B IFシステム 集約ASP インターフェイスシステム は内閣官房が一括開発し 各情報保有機関へ配布 中間サーバー・ プラットフォーム 住基CS 既存システム群 又は都道府県サーバー 地方公共団体向け中間サー 社会保障関係の既存システムの バーは総務省が一括開発し 改修は厚生労働省の補助範囲 地方公共団体へ配布 地方公共団体情報システム機構(H26.4.1 設立) H29.1 運用開始予定 住基全国サーバー - 107 - ○機関別符号生成要求 ○個人番号等照会 (参考)社会保障・税番号制度導入に向けた地方公共団体関係のスケジュール H25年度 H26年度 H27年度 H28年度 付番 H27.10.5~ 番号制度 ▼法案成立(5/24) ▼地方公共団体情報 システム機構設立(4/1) H29年度 個人番号利用・個人番号カード交付 H28.1.1~ H29.1~ 国等 情報照会/提供 情報提供 ネットワークシステム 設計・開発・テスト 【開発:内閣官房 運用:総務省】 H29.7~ 地方公共団体 情報連携開始 社会保障関係システム改修 税務システム改修 既存システム 改修 機構との連 携テスト 団体内統合宛名システム等整備 【地方公共団体 団体内の システム 連携 テスト 情報提供NWSとの 連携テスト・ 総合運用テスト 26年度内 既存住基システム改修 付番等システム 【国(機構)】 付番システム 公的個人認証 個人番号カードシステム 設計・開発 連携テスト 設計・開発 - 108 - 連携テスト H27.10.5 付番開始 H28.1.1 個人番号カード 交付開始 情報連携