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星なし分子雲コアにおける豊富なCH OHの起源

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星なし分子雲コアにおける豊富なCH OHの起源
星なし分子雲コアにおける豊富なCH3OHの起源
相馬達也、坂井 南美、渡邉 祥正、山本 智(東京大学) Introduc<on
星なしコアにおけるCH3OHの生成メカニズムを明らかにするため、TMC-­‐1に対して高分解能観測を行った。CH3OHは一般に星間塵上で合成されると考えられており、星形成
領域では星間塵から蒸発してくるため観測される。そのためショックトレーサーとしてもよく用いられる。一方、冷たい星なしコアTMC-­‐1(Tk~10 K)においても観測されており、そ
の生成メカニズムが問題となっていた。Van der Tak らにより気相中での反応による生成メカニズムも提案されているが、TMC-­‐1における存在量を説明するには不十分である
ことが知られている。ダスト上からの何らかの放出メカニズムがあるのではないかと考えてられており、解明の糸口を探るため高速度分解能でのマッピング観測を行った。 TMC-­‐1
TMC-­‐1(CP)
Kaifu et al. 2004
TMC-­‐1(CP)における炭素鎖分子は2つ以上のピークを持つ
スペクトルとして観測される。これは、TMC-­‐1内部のクランプ
構造を反映しているものと考えられている。 ■
C4Hはレッドシフト側のピークの方
が強度が強いのに対し、HC9Nは
ブルーシフト成分が強いなど、分
子によって分布が違う。
•  炭素鎖分子の宝庫であり、星なしコアの典型例とし
て重要。 •  ラインサーベイ等様々な観測が行われ、CH3OH等の
有機分子も見つかっている。(c.g. Kaifu et al. 2004) • TMC-­‐1(Tk~10 K)では、星形成領域(>100 K)に匹敵する
ほどの大量のCH3OHが見つかっている。
Langer et al. ApJ 1995 453:293
赤枠の範囲が今回観測した範囲。中心の■がTMC-­‐1
(cyanopolyyne peak; CP)である。TMC-­‐1はフィラメント状をし
た分子雲であり、内部には細かなクランプ構造があることが
知られている。
Frac<onal Abundance(CH3OH) IRAS16293-­‐2422 : 4.4 ×10-­‐9 (van Dishoeck et al. 1995) NGC1333 IRAS4A : 5.4 ×10-­‐9 (Gorgensen et al. 2005) TMC-­‐1 : ~1 ×10-­‐9 (Pratap et al. 1997; Takakuwa et al. 2000 )
Dickens et al. 2001
TMC-­‐1(CP)周囲のCH3OHと他分子
・Profile Map
・スペクトル
TMC-­‐1(CP) (04 41 42.29, +25 41 27.0)を中心とした150’x150’の範囲においてNRO 45 m鏡(2012年4月共
同利用)で観測を行った。
Map:C34S Contour:CH3OH(0.1 K刻み) Map:C18O Contour:CH3OH(0.1 K刻み) HC7N 40-39
CH3OH 1-0
①
②
+25° +43’
+42’
高感度・高速度分解能観測により、
CH3OHは他の炭素鎖分子と分布の違い
があることがわかってきた。
③
+41’
+40’
④
⑤
⑥
K
K
4h 41m 50s 45s 40s 35s 他の分子とCH3OHの 速度が異なっている !!
Tmb [K] ※ダブルピークは13C同位体種でも観
測されており、自己吸収によるもので
はない。
2 
Map:CH3OH Contour: C34S(0.05 K刻み) 各番号はProfile Map(C34S 5.55 km/s)の番号に対応。
Velocity
6.5
③
②
①
6.0
0.6
0.4
5.5
0.2
5.0
0.0K
-­‐100’’ -­‐50’’ 0 +50’’
Offset
④
4 6 8 10
km/s
・PV図
⑤
⑥
考察
CH3OHは、CSとは異なった分布をしていることが観測により確かめられた。CSとCH3OHの分
布は逆相関しており、これはCH3OHの生成メカニズム解明の糸口になるのではないかと考え
ている。一方、CH3OHの分布はどちらかと言うとCOと似ている。 ダストからのCH3OHの脱離メカニズムの候補として、以下の事が候補として考えられる。 ① クランプ同士の 衝突による「衝撃波」 ② クランプへのガスの 0.6
0.4
0.2
0.0K
降着による「衝撃波」 ③ Cosmic ray induced UVによって Cosmic ray
今後はCH2Oなどの分子についても観測を行い、ALMAを用いての高分解能観測へとつな
げていきたいと考えている。 
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