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第 29 期東京都青少年問題協議会第3回専門部会議事概要

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第 29 期東京都青少年問題協議会第3回専門部会議事概要
第 29 期東京都青少年問題協議会第3回専門部会議事概要
1.日時:平成25年4月23日(火)15時57分から18時04分まで
2.場所:都庁第一本庁舎42階 特別会議室A
3.出席者:
【 委 員 】 加藤副会長、小泉部会長、石川委員、伊東委員、大朏委員、近藤彰郎委員、近藤昭一委
員、鈴木孝義委員、鈴木聰男委員、墨岡委員、水上委員、牟田委員
【参考人】 一般社団法人ソーシャルゲーム協会副事務局長 種房参考人、NPO法人子どもとメデ
ィア代表理事 清川参考人
【事務局】 樋口青少年・治安対策本部長、中村総合対策部長、坂田青少年対策担当部長、佐藤青少
年課長
4.概要
○
第3回専門部会の開催の趣旨及び参考人の紹介
・事務局より、第3回専門部会の開会、資料及び議事録の確認等の説明と参考人の紹介が行われた。
○
一般社団法人ソーシャルゲーム協会の取組
・種房参考人から、以下の発表が行われた。
-ソーシャルゲーム協会(JASGA)は、ソーシャルゲーム市場の急速な拡大の中、コンプガ
チャ問題を契機に、安心・安全な利用環境の整備を目的に設立された業界団体である。
-具体的な取組として、①ソーシャルゲームに対する自主規制、②青少年等に対する啓発活動、
③カスタマーサポート(CS)品質向上のための活動を行っている。
-①について、業界は、大きくソーシャルゲーム、ソーシャルゲーム提供会社、プラットフォー
ム事業者の3要素で成り立っており、ソーシャルゲーム協会は「ソーシャルゲームプラットフ
ォーム運営体制に関する基準」に基づき、プラットフォーム事業者が、ゲーム内の表示、コン
プリートガチャ、リアルマネートレード対策等の各ガイドラインに準拠する体制を整備してい
るかについて、書面審査・認定を行うことにより、ソーシャルゲームの品質管理を図る。すな
わち、市場に出回るゲーム一つひとつを検査するのではなく、プラットフォーム事業者の運用
体制を審査する方法で品質管理を行う形であり、一般社団法人モバイルコンテンツ審査・運用
監視機構(EMA)の協力を得て、本年7月から本格運用を開始する。
-②について、主に青少年向けに、ソーシャルゲームの安心で安全な使い方や、情報モラルの向
上に向けた啓発活動を積極的に行っている。
-③について、各プラットフォーム事業者の体制強化や、協会ホームページに相談受付窓口を設
けるほか、各省庁、消費生活センターとの連携を図るなどして、CS品質の向上を進めている。
消費生活センターへの相談件数も減少してきている。
-2012年のCESA(コンピュータエンターテインメント協会)の「一般生活者調査報告書」
によれば、1週間のプレイ時間に関し、ソーシャルゲームは「週に30分以内」が一番多く約
30%、オンラインゲームでは「週に6時間超」が一番多く28.9%である。したがって、
ソーシャルゲームは通勤通学等の暇つぶしの形で遊ぶという傾向があるといえる。
-青少年に関する取組として、青少年の使い過ぎを防ぐため、各社において「課金上限の設定」
を行っている。具体的には、18歳未満は月額1万円等、社によって様々である。
○
子ども・若者のネット依存の現状と対策についての提言
・清川参考人から、以下の発表が行われた。
-NPO法人子どもとメディアは、電子映像メディアと子どもたちのいい関係をつくるべくスタ
ートしたNPOで、15年目。
-IEA(国際教育到達度評価学会)という機関の調査によれば、日本の子どもたちは、世界
一、電子映像メディアとの接触が多く、長いということが明らかになっている。実態として、
1日平均6時間とすると、年間で2,200時間であり、これは小学校・中学校の授業時間数
の倍を、電子映像メディア接触で過ごしている。
-こうしたメディア映像接触のあり方は、子どもの発達に影響を及ぼす。具体的には、心の状態
(自己肯定感が低い、孤独感)、体の問題(筋肉、視力の発達)、コミュニケーション能力・言
葉の力の獲得等にマイナスの影響を与える。
-今日のスマホ時代におけるゲーム・ネット依存の現状は、スマホ感染症とも呼べる状況であり、
若者、子どもたちの間では、ゲーム中毒、ネットを通じたコミュニケーション依存が急速に進
み始めている。
-ネット先進国である韓国は、ネット依存対策でも世界の最先端を行っている。2002 年にネット
依存に関する診断基準であるK-スケール(K尺度)をつくり調査するなどして、16 歳以下の
子どもが深夜 12 時以降、午前 6 時まで強制的にゲーム接触を遮断する「シンデレラ法」による
規制が行われている。また、現在は、スマホ対策として、S尺度による調査も行われている。
治療・相談体制においても、10 年間で全国に 3,000 人の専門相談員を養成したほか、ネット中
毒の中学生を対象に、11 泊 12 日の治療キャンプも行われている。
-日本でも、調査診断尺度づくりが緊急の課題である。また、人材を養成し、治療・相談体制を
つくる必要もある。電子映像メディア接触が世界一長い日本の子どもたちが、ネット依存症に
ならないよう、体制を充実する必要がある。
○
委員からの主な発言
・日本は映像との接触時間が世界一であるとのことだが、参考人が言う危機的な状況について、日本
は動いていない。ネット依存そのものに関心がないのではないか。
・オンラインゲームとソーシャルゲームの使用時間の違いはわかるが、平均値ではオンラインゲーム
が 322.7 分/週、ソーシャルゲームが 254.3 分/週ということだと、どちらもかなり長時間、平均的
にはゲームにかかわっている。
・東京都青少年課の「ファミリ e ルール講座」
(注:インターネット、ケータイに関する親子のルー
ルづくり講座)のファシリテータをしている。参加者には、「もう親子で話し合う関係がない」とい
う方もいる。韓国では相談員がたくさん養成されているとのことで、講座のあり方も改善の余地があ
る。
・久里浜医療センターの院長から、ネット中毒の定義が定かでなく、治療も試行錯誤的である、専門
家も足りないと聞いた。我々の部会で、中毒の潜在的な人数や状況を把握する必要がある。インター
ネット依存の大きな割合がゲームであることは聞いている。コミュニケーション依存、または射幸心
をあおるような課金にかかわる依存等様々だが、極めて重要なファクターである。行政に施策を働き
かける礎となる資料をまとめる必要がある。
○
子供に携帯電話を所持させた理由について
・事務局から、東京都教育庁「平成 23 年度インターネット・携帯電話利用に関する実態調査報告書」
(平成 24 年 3 月)及び文部科学省「子どもの携帯電話等の利用に関する調査結果について」
(平成 21
年 5 月)に基づき、前回の専門部会で指摘のあった子供に携帯電話を所持させた理由について報告し
た。
事務局:青少年・治安対策本部総合対策部青少年課
※ 本資料は確定されたものではなく、今後修正する場合があります。
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