Comments
Description
Transcript
Windows DNAfsに対応した投信コールセンターシステム
Windows DNAfsに対応した投信コールセンターシステム 1998年12月の投信窓販スタート以来、金融機関の間では投信ビジネスの事業機会 拡大をねらったインターネット取引やコールセンターを使ったダイレクト販売に関心 が高まっている。このニーズに応えるべく、当社はWindows DNAfsに準拠したアー キテクチャーで投信コールセンターシステム(BESTWAY/CC)の開発に着手した。 BESTWAY/CC構築の考え方 2000年秋の確定拠出型年金導入を控えて、 リテール金融分野では、より効果的なシステ 座管理システム(業務系)とコールセン ターシステム、インターネットシステム (フロント系)との連携により投信情報 マティックアプローチとローコストオペレー 提供から約定処理までを一貫処理し、投 ションを柱とした戦略的顧客サービスシステ 信ダイレクト取引で必要とされる業務フ ムを求める動きが高まっている。 ローをフルカバーする 特にインターネットでのオンライン取引や ③インターネット取引とコールセンター取 コールセンターからのダイレクト販売といっ 引との顧客情報および投信情報DB(デ た新しい販売チャネルによる事業機会拡大が ータベース)の共有化を実現する。この 不可欠な営業戦略としてとらえられている。 ため、統合顧客DBを基に、見込客や顧 投信分野においてもロイヤリティを高める 客属性を管理し、顧客の顔が見える形で 手段として、ダイレクトチャネルを構築し、 顧客からの問い合わせに対応できるワン 顧客との関係を強化していく必要がある。 ツーワン・マーケティングで顧客満足度 BESTWAY/CCの構築は機動的営業戦略実 向上をサポートする 現のため次のような考え方で着手された。 ①柔軟なシステム構成を可能にする接続性 の確保を実現する。このため、他の金融 BESTWAY/CCは投信インターネットシス パッケージアプリケーションとの連携や テム(BESTWAY/INT)と統合した構成で投 データ交換を可能とするためにマイクロ 信ダイレクトシステムの中に位置づけされる ソフト社のDNAfs(Windows Distributed interNet Applications architecture for 10 BESTWAY/CCの主な機能 (図1参照)。 その主な機能は、①投信情報提供から約定 Financial Services)のアーキテクチャー 処理までを一貫処理(特に注文仮受付、約定 を採用する 伝票作成、入金確認などの煩雑な業務を自動 ②投信業務システムとの連携によるローコ 化し、投信業務作業のローコストオペレーシ ストオペレーションを実現する。投信口 ョンを実現する)、②Q&Aサポート機能によ システム・マンスリー 1999年9月 お客様 インターネット 取引 コールセンター 取引 フロントオフィス系 バックオフィス系 BESTWAY/ Direct 対外関連システム BESTWAY/ AM BESTWAY/ INT ・商品説明 ・資料請求受付 見込客属性 ・注文受付 顧客情報 資料情報 BESTWAY/ Q&A CC 注文 ・資料作成 商品情報 ・問い合わせ ・変更依頼 ・注文受付 D N A fs 投信口座管理 システム ・オンライン取引 ・リクエスト処理 ・取引・残高管理 ・顧客管理 ・ファンド管理 ・システム管理 取引履歴 口座開設 受渡計算書 注文入力 取引明細書 精算入力 残高照合 投信運用 会社 基準価格 情報 F u n d 設定・ 解約 PLEIADES/ MF ・ファンド分析 T-STAR ・委託業務 ・システム w e b ワークフロー 図1 投信システムの全体図 る投信販売ノウハウの活用(投信商品内容、 らず、顧客サービスの質の勝負であり、今後 販売など、投信ノウハウに関する問い合わせ、 以下のような対応がポイントとなる。 質問内容をDBとして蓄積し、顧客からの各 ①新金融商品、新制度機能に対応したシス 種問い合わせ対応とアフターフォローに活用 テムの開発力、②銀行口座を用いたオンライ する)、③DNAfsによる他システムとの接続 ン決済システムの導入、③資産形成層へのフ (DNAfsは分散オブジェクト技術とデータ表 ァイナンシャルプランニングシステムの拡充、 現の標準形式であるXMLをベースに金融パッ ④リスク性のある投信商品のコンプライアン ケージ間の連携を標準化する規約であり、 スチェックシステムの確立、⑤ダイレクト取 BESTWAY/CCは、約定データ、顧客属性デ 引における顧客情報の機密保護、本人確認認 ータを接続した日本初のDNAfs対応のコール 証技術などのセキュリティシステムの強化 センターソリューションとなる)――である。 今後、金融フロントオフィスインテグレー 今後の展開 ションを行ううえでBESTWAY/CCとDNAfsが 金融規制緩和とIT(情報技術)の進展によ 各金融パッケージソフトとの連携、データ交 り、投信販売への新規参入と確定拠出型年金 換の標準化を推進していく大きな役割を果た 401(k)、保険窓販などの新金融商品が続々 すことになるだろう。 登場する。顧客サービス競争が激化する中で、 (野村総合研究所 杉江信男) 投信システム対応はスピードとコストのみな システム・マンスリー 1999年9月 11