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オーダーメイドのかつらを低価格で提供 株式会社ウィズアルファ 代表
事業内容で分類 創業形態で分類 地域資源活用 環境・リサイクル・新エネルギー スピンオフ・独立 女性起業 新商品・新サービス開発 ソーシャルビジネス・コミュニティビジネス 大学発ベンチャー シニア起業 オーダーメイドのかつらを低価格で提供 株式会社ウィズアルファ 代表取締役 宮﨑弥生さん 住所:福岡市南区向野 2-15-29 トーカン大橋 205 電話番号:092-557-1196 FAX 番号:092-557-1197 E-mail:[email protected] HP: http://www.katurawith.com/corporate/ その他のHP http://www.katurawith.com/(男性用) http://www.wigwith.com/(女性用) 設立:2002年1月 資本金:300万円 従業員数:7名 主要事業:カツラの製 造・販売 http://man.iryoukatura.com/(男性医療用) http://www.iryoukatura.com/(女性医療用) ■創業のきっかけ ~交流会での出会い 元々は東京で携帯電話の付加機能に係るサービス開発の仕事に携わっていた。しかし、事情により、福岡に Uターン。その後、インターネットプロバイダーの会社に勤務し、電話でのパソコンの接続サポート業務を行 っていた。そこでの業務はさほど忙しくなく、空いた時間でパソコンのスキルを磨き、簡単なホームページ作 成等はできるようになっていた。それからしばらくして、祖母の介護をするために1年で退職。実家が自営業 を営んでいたこともあり、元々独立志向があった宮﨑社長は、福岡市男女共同参画推進センター(アミカス) 主催の女性起業セミナーに参加した。当時はパソコンが普及し始めた頃で、一般の人よりも詳しかった宮﨑社 長は、交流会で出会った起業家育成の支援をしていた老齢の篤志家の方から「インターネットを教えてほしい」 と声をかけられた。その事が縁で親しくなり、インターネットを教える代わりに起業の仕方を教わることにな った。さらに、その人からホームページ制作の仕事を紹介され、当時としてはまだ珍しかった通信販売のネッ トショップの立ち上げに関わった。そこでは、自分のモチベーションを上げるため、契約内容を成功報酬とし たため、結果的には殆ど儲からず、3年で契約を打ち切られた。 その後、2000年にインキュベーション施設:ハッチェリー福岡に入居し、Web サイト制作などの仕事 を続ける傍ら、冠婚葬祭の際の引出物や香典返しなどの通販サイトの運営を企画した。しかし、なかなか軌道 に乗らず、経営はずっと苦しいままだった。そんな時に参加した異業種交流会でかつらユーザーと出会い、 「か つらを事業としてやってみれば?」と言われた。が、そのまますぐに決めた訳で はない。しかし、そのことは、頭の片隅に引っかかっており、たまたまかつらの 話をした知人の妹さんがかつらユーザーだったため、話を聞かせてもらった。一 つが80万円ぐらいでとても高価なこと、しかも消耗品で3年ほどしか寿命がな いこと・・・初めて聞いたかつらの話は驚くことばかりだった。それからも、自分 で調べたり、紹介してもらったかつらユーザーにヒアリングをしてみたところ、 どれもみな同じような話であったが、だからこそ、そこにビジネスチャンスがあ 【部分用かつら】 ると思い、参入を決めた。 ■事業のあらまし ~オーダーメイドの通信販売 業界の情報の入手はインターネットを活用し、関西の理容院で安価なかつらを取り扱っていることを知り、 話を聞いた。店長の父親がかつらユーザーで、中国で製造してもらっているという。その理容院の経営者は、 思い立ったらすぐ行動する性格で、銀行の調査部にお願いして、かつらを製造している中国の会社と連絡を取 ってもらい、すぐに出かけるような人だった。その関西の理容院と何とか共同で事業を始め、インターネット で申込みができるようにサイトを立ち上げた。販売価格は14万8千円。大手の1/5程度である。日本の大 手かつら業者と提携している工場では、最初はなかなか思うようには製品作りができなかったが、何とか販売 にこぎつけた。驚いたことに、1週間後に一つ売れた。大手のかつらが高額のため、 「ものは試しに・・・」とい う気持ちで購入されたお客様だったのではないかと思うが、品質にも納得してもらい、とても喜んでいただけ た。それからしばらくは、困難にぶつかりながらも事業は順調に滑り出していた。 しかし、その後、共同事業主であった関西の理容院の経営者が重い病に罹ってしまい、 「残念だが事業の継 続はできない」と去って行った。申込み受付の窓口だけではなく、事業 自体を 1 人でしなければならなくなってしまった。また、取引工場とは 品質や納期遅れの問題も起こっていた。リピーターが増えるにつれ、お 客様の求める要求も細かくなり、工場側にオーダーの意図がなかなか伝 わらず、苦しむようなっていた。元々、かつらについての知識が全くな いままに事業を始め、問い合わせの度に苦慮しており、勉強しなければ いけないと思っていたこともあり、かつらについて改めて一から勉強を 始めた。とにかく必死だった。品質向上を目指し、中国まで行って他の 工場を探したが、なかなか見つからなかった。そのため、インドネシア 【スタッフによる商品の確認】 にまで目を向けて探したところ、全世界向けかつらを供給している大手 の会社と提携することができ、そこをメインの提携先とした。理容院・美容院から届くオーダーシートには必 ず目を通してから工場へ発注し、できあがったかつらも必ずチェックしてからお店に納品するようにした。そ のため、クレーム率が低いのがウィズアルファの売りになった。さらに、取扱い店舗を増やすことにより新規 のお客様を増やし、少しずつ会社も大きくなってきた。もちろん、取 扱い店舗に対しては講習会を行い、カウンセリングや頭の型取りの方 法について、学んでもらう。また、お客様に配慮して、個室での対応 や閉店後・店休日に対応できることを取扱い店舗の条件とした。 次に取り組んだのは、 抗がん剤治療や円形脱毛症等の病気のために急 に髪が抜け、すぐにかつらが必要になった人たちのために、医療用の セミオーダーのかつらを開発することだった。ここで重要なのは、電 話でのカウンセリングである。髪の量・長さ・くせ等個人差があるた め、詳細に聞き取り、お客様の求めるものを把握しなければ、後でト 【講習会の模様】 ラブルになってしまう。クレーム率の低さの要因の一つに、セミオー ダーとはいえ髪型や髪の色が異なる2つのかつらから選べる仕組みがある。また、サイズ等に関しては交換も できる。試着してから選べるというのは、かつらの通販業界では初めての試みだが、一貫してお客様重視の姿 勢を心がけている表れである。 ■今後の取組 ~困っている人をサポートしたい 「自分がかつらの仕事をすることになるとは全く考えもしなかった。従業員も ホームページ制作等の Web 関係の仕事に就いたはずなのに・・・と思っているので はないか」と笑って話をされた。しかし、必要とされることにやりがいを感じて、 今では、 「乳ガン検診&健診ガイド」のサイトも立ち上げた。 今後は、取扱い店舗を現在の23店舗から20店舗増やして43店舗まで増や すことを目標に、多くのお客様に知ってもらう努力をしていきたい。 そして、困っている人をサポートすることで、笑顔や自信を取り戻してもらう ことを、これからも一番大事にしていきたいと考えている。 ■活用した施策 ・平成15年 4 月フクオカベンチャーマーケットプレゼン ・平成21年 1 月フクオカベンチャーマーケットプレゼン ・平成 21 年 9 月経営革新計画承認(福岡県) ・平成22年 3 月フクオカベンチャーマーケットプレゼン ■メッセージ 【フィッティング】 ■その他特記事項 ・平成 19 年度九州IT経営力特別賞(九州経 済産業局) ■紹介機関からのコメント かつらをお使いになられたガン患者500名を超える方々から感謝 の声が寄せられており、社会的意義が大きいビジネスです。 “なるべくお金を使わずに、ア ビジネスの新規性・優位性についての表現等を工夫すれば、アピー ンテナを張って情報を取る” ル力が増し、さらなる成長の可能性が期待できる企業です。 ((財)福岡県産業・科学技術振興財団)