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160712 生命維持療法の中止ガイドライン

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160712 生命維持療法の中止ガイドライン
慈恵ICU勉強会
2016年7⽉12⽇
⿇酔科レジデント 佐藤ゆかり
• 終末期は、患者の⾃主性/尊厳/QOL/法的・倫理的問題など考慮
すべき問題が多く「根拠に基づいた医学的判断」が難しい
• しかし、終末期医療の様々な側⾯において、同意を得ることは
可能
• 【⽬的】終末期医療における世界規模のコンセンサスが
どの程度得られるか調査
• 【⽅法】終末期医療に関する81の定義(6ヶ国語に翻訳)の
賛成度をweb投票。Delphi-processを使⽤し2回投票。
• 【参加者】32ヶ国、1366名
ü集中治療医、看護師、⾎液内科医、腫瘍内科医、⽼年病学者、
緩和ケア専⾨家、倫理学者、ソーシャルワーカー、聖職者、
法律学者、マスコミ、患者団体
AmJRespir Crit CareMed(2014)190(8):855-866
• 【定義】
ü80%以上の賛成で、コンセンサスを
得たこととする
• 【結果】
ü77/81でコンセンサスを得た
【コンセンサスの重要性】
• 地理的/⽂化的/宗教的/教育的背景が異なっていても、世界
規模のコンセンサスを得ることは可能であった
• また、“コンセンサスが得られない部分”も明らかとなった
• コンセンサスが得られない理由を認識し、話し合うことで、
その後のコンセンサスにつながる
• 終末期は、患者の⾃主性/尊厳/QOL/法的・倫理的問題など考慮
すべき問題が多く「根拠に基づいた医学的判断」が難しい
• このような状況下で「患者/家族の同意」が果たす役割は⼤きい
• 同意/コンセンサスに基づいて、医療を進めることができる
• 今回紹介するガイドラインの参考⽂献も、エビデンスに基づいた
記載は⾮常に少ない
• コンセンサスを得ようと検討することで、推奨できる部分/でき
ない部分が明らかになる
• 慎重に検討を重ね、ガイドラインとして推奨できる内容となる
Introduction
• ICUでは「⽣命維持療法を中⽌する」ことがしばしばある
IntensiveCareMed(2015)41(9):790-797
• しかし、専⾨的にトレーニングされた医療者は少ない
• これまで発表されてきたガイドラインにも⼀貫性がなく、世界
標準といえる⽅法は存在していない
v
ü⼈⼯呼吸器管理中の患者の痛みや快適性を評価し、セデーションや
抜管をどうするかのプロトコール・ガイドラインがほとんど
ü評価⽅法もセデーションの仕⽅も様々
Introduction
• そこで、今回は「⽣命維持療法の中⽌」のプロセスについての
ガイドラインを作成することとした
※Withdrawaloflife-sustainingmeasures(WDLS)
Methods
• Design:ModifiedDelphiProcess
• Participants:
üCanadianCriticalCareSociety
üCanadianAssociationofCriticalCareNurses
ü上記の団体から、カナダ国内で地域差がないようにメンバーを招集
(医師28名、看護師8名、薬剤師2名、呼吸療法⼠2名)
• Literaturereview
• Literaturereview
Keywordsを⽤いて
データベースを検索 参考⽂献から追加
(n=46)
(n=1983)
重複したものを除外
(n=180)
スクリーニング
(n=1803)
除外(n=105)
理由:Abstract,full textなし
除外(n=1599)
研究対象として適格か? 理由:WDLSのプロセスと関
(n=1698)
係なし
研究対象とする⽂献
(n=99)
• Literaturereview
ü対象の⽂献の内容を、⼤きく4つのカテゴリーに分類
① ⽣命維持療法中⽌の準備
② 患者の苦痛の評価
③ 苦痛に対する薬物治療
④ 治療/モニタリングの中⽌
ü各カテゴリーの内容を、検討しやすいように著者2名がstatementに書き換え
• Literaturereview
Methods
• Gradingsystem
ü推奨度を以下の三段階で表現することとした
⽂献
Recommend
Suggest
Norecommendation
法的・倫理的
・acceptable
・acceptable
・複数の研究
・⼀つの研究
・複数の専⾨家の意⾒
・研究/専⾨家の意⾒で述べられていない ・questionable
Methods
• Delphiprocess
参考
üDelphiの神託: ギリシアのDelphiという町のアポロン神殿の神託
ü集団の意⾒や知⾒を集約し、統⼀的な⾒解を得る⼿法の⼀つ
ü対象のテーマや設問について参加者が個別に回答
→得られた結果をフィードバックして他の参加者の意⾒を⾒てもらった後、
再度同じテーマについて回答
üこの過程を何度か繰り返すことにより、ある程度収束した組織的な⾒解を
得ることを⽬指す⽅式
IT⽤語辞典 e-Words
Delphiprocess-Workshop• CanadianCriticalCareForumに参加
ü⽂献のレビュー
ü法的/倫理的側⾯の専⾨家
• カテゴリー別に4グループに分かれる
ü職種のバランス
üカテゴリーごとに⽂献の配布
Delphiprocess-Round1• Statementの追加/削除/修正
• 各statementの推奨度の投票(open)
• 過半数が投票した推奨度を、そのstatementの推奨度とした
Delphiprocess-Round2• Round1の投票結果を公開
• 各statementの推奨度の投票(匿名)
• 過半数が投票した推奨度を、そのstatementの推奨度とした
Delphiprocess-Round3• 著者による編集
üStatementをテーマごとにParagraphに
ü推奨度別に並び替え
• 参加者によるParagraph賛成度の投票
ü5段階のリッカート尺度
ü4点、5点を賛成と定義→賛成70%以上を容認とする
ü全てのparagraphで賛成70%以上
• Round終了
Results
• 40名中39名がworkshopに参加→36名がroundsに参加
• Round1,2
üOriginalstatementの推奨度よりも、⾼い推奨度に投票する傾向
üその結果、“Recommend”が多くなった
• Round 3:編集されたparagraph
v
v
v
・
・
・
• Round 3:Paragraph賛成度の投票
Section1,4は特に
v
%agreement⾼い
Section3は%agreement低い
v
反対派:薬剤の種類や投与量など
⾮常に細かい
ガイドラインの内容
• Section1:⽣命維持療法中⽌の準備
• Section2:患者の苦痛の評価
• Section3:苦痛に対する薬物治療
• Section4:治療/モニタリングの中⽌
Section1:⽣命維持療法中⽌の準備
1.1患者/家族への説明
RECOMMEND
• 多職種のチームで患者の希望を評価
• 患者/家族へ説明する内容
ü各メンバーの役割
ü亡くなる過程で予想されること(ex.外⾒の変化やvitalsignの変化)
ü予想される苦痛とその対処法
1.1患者/家族への説明
RECOMMEND
• 「WDLSから亡くなるまでの時間は様々で予想するのは難しい」
ことを家族に伝えること
• Hospitalspiritualcare/socialworkもチームに参加
• 患者の⼦供のケア/サポート
1.1患者/家族への説明
SUGGEST
• 患者/家族の話し合いに、医療チームのメンバーが参加
※WDLSの過程で何を望むかについての話し合い
1.2医療チームの準備
RECOMMEND
• 多職種のチームによるプランを、患者ごとに設定
• WDLSに伴う苦痛(ex.抜管時)に対し、経験のある医師、看護師、
呼吸療法⼠が即座に対応できる環境の準備
• 特に抜管が難しい場合、上記メンバーはベッドサイドにいること
ü覚醒している
ü多量の鎮痛薬/鎮静薬の使⽤
ü呼吸器のサポートが⾼い
ü家族やチームのメンバーが⾮常に感情的になることが予想される
1.2医療チームの準備
SUGGEST
• 医師が定期的にベッドサイドを訪れ、患者/家族の感情的/⼼理的
サポートを⾏うこと
1.3環境
RECOMMEND
• 可能な限り患者を個室にうつし、⾃由に⾯会できるようにする
• 室内ではモニターをオフにし、刺激を最⼩限にとどめる
• 部屋のドアやカーテンに、他のICU関係者向けに案内を設置
ü室内ではWDLSのプロセスが⾏われていること
ü部屋の周囲では静かな環境をつくること
• 家族⽤の静かな個室の⽤意
1.4職種間コミュニケーション
RECOMMEND
• 医師と看護師が、患者のcomfortlevelについてコミュニケーションを
とること
• 両者それぞれが、患者の緩和ケアに参加
1.5デブリーフィング
RECOMMEND
• WDLSが難しかったケースのデブリーフィング
üメンバーが感情的に難しいと感じたケース
ü新しいメンバーが参加したケース
1.6悲しみ/死別のサポート
RECOMMEND
• WDLSのプロセス中/患者の死亡時に、家族にgriefsupportを提供
• お悔みの⼿紙を送り、bereavementsupportの情報を提供
• ICUはgrief/bereavementsupportに関する情報や、地域のサポートグ
ループについて資料をまとめておくこと
1.6悲しみ/死別のサポート
SUGGEST
• チームのメンバーが、患者家族/友⼈へのbereavementsupport
について教育を受けること
• 患者家族がgrievingprocessについて学ぶこと
• また、死別後に医師やチームメンバーとデブリーフィングの
機会を持つこと
• 患者が亡くなった数週間後/数ヶ⽉後に家族に連絡をとり、
質問に答える/死別にうまく対応できているか評価
1.7患者ケアへの家族の参加
RECOMMEND
• WDLSの現場(ベッドサイド)に⽴ち会う権利
• 適切な範囲で、患者のケアに参加する権利
• 「患者とともに”いる”」「患者の⼈⽣を祝う」ように家族を励ます
ü写真や本などの思い出
ü⽂化的/宗教的な儀式
ü患者さんその⼈らしいもの/⽅法なんでも
• 家族がICUに泊まる権利
Section2:患者の苦痛の評価
2.1痛みの評価
RECOMMEND
• スコアリングシステムを⽤いた評価
üBehavioural PainScale(BPS)
üCriticalCarePainObservationalTool(CCPOT)
• 家族も評価に参加
2.1痛みの評価
SUGGEST
• 客観的な指標を⽤いた評価
ü頻呼吸
ü頻脈
ü発汗
ü呼吸苦(呼吸補助筋の使⽤、⿐翼呼吸)
ü苦悶様表情
ü強直
ü閉眼
üこぶしを握る
üうなり声をあげる
2.1痛みの評価
NORECOMMENDATION
• PainAssessmentBehaviour Scale(PABS)の使⽤
• Vitalsignの数値での評価(ex.HR>100,RR>35)
• 多職種チームの評価者(Interprofessional teamofraters)の使⽤
2.2興奮の評価
RECOMMEND
• 標準的なスケールを⽤いた評価
üSedation-AgitationScore(SAS)
üRamseyAgitationSedationScale(RASS)
2.2興奮の評価
• BIS/脳波を⽤いた評価
NORECOMMENDATION
2.3呼吸苦の評価
SUGGEST
• 標準的なスケールを⽤いた評価
üRespiratoryDistressObservationScale(RDOS)
• 客観的な指標を⽤いた評価
ü頻呼吸
ü呼吸数の上昇(ベースラインから50%以上)
ü頻脈
ü苦悶様表情
ü呼吸補助筋の使⽤、⿐翼呼吸、奇異呼吸
• 家族も評価に参加
2.3呼吸苦の評価
NORECOMMENDATION
• Vitalsignの数値での評価(ex.RR>35)
• 多職種チームの評価者の使⽤
2.4せん妄の評価
RECOMMEND
• 適切なタイミングで、標準的なスケールを⽤いた評価
üCAM-ICU
üICDSC
2.5痛み/苦痛の治療の記録
RECOMMEND
• 治療/予防⽬的で薬物投与を⾏った際は、その根拠を記録
(ex.呼吸補助筋使⽤のため、○○を投与)
Section3:苦痛に対する薬物治療
3.1薬物治療の⽬的
RECOMMEND
• 薬物治療は、苦痛の治療のために⾏われる
• また、現在症状がなくとも、苦痛の出現が予想される際は、
予防⽬的にも⾏われる
3.2筋弛緩薬
SUGGEST
• 筋弛緩薬を使⽤している場合は中⽌
• 作⽤が減弱することで、 WDLSに先⽴って、患者の苦痛の評価を
⾏うことが可能
3.3オピオイド/鎮静薬の選択
RECOMMEND
• オピオイド/鎮静薬をすでに安定した容量で使⽤しており、
患者が快適ならば、そのままの投与量で継続
• オピオイド未使⽤の患者に、苦痛や呼吸苦の治療を⾏う場合、
モルヒネが第⼀選択
3.3オピオイド/鎮静薬の選択
SUGGEST
• WDLS時の、鎮静薬の第⼀選択はベンゾジアゼピン
• 効果がない場合に、バルビツレートやプロポフォールを第⼆選択と
して⽤いる
3.4オピオイドのタイトレーション
RECOMMEND
• オピオイドは症状に合わせてタイトレーションを⾏い、使⽤量の
上限は設けない
• 有症状のオピオイド未使⽤の成⼈患者には、モルヒネ2mgをボー
ラス投与し、あとは症状に合わせてタイトレーション
• ボーラス量は、患者の体格/年齢/臓器障害に応じて調節
3.4オピオイドのタイトレーション
RECOMMEND
• モルヒネ/ヒドロモルフォンを持続投与中の患者で、痛み/呼吸苦が
ある場合、持続投与2時間分の量をボーラス投与するのは妥当
• 持続投与速度は、必要に応じて、モルヒネ/ヒドロモルフォンは
15分ごと、フェンタニルは5分ごとに調整
• 1時間以内に2度のボーラス投与が必要な場合、持続投与速度を倍に
するのは妥当
3.4オピオイドのタイトレーション
SUGGEST
• 痛み/呼吸苦は、オピオイドの静脈内ボーラス投与/それに続く
持続投与によって治療
3.5鎮静薬のタイトレーション RECOMMEND
• 鎮静薬は、痛み/呼吸苦がオピオイドによって⼗分治療されて
いるときのみ使⽤
• ただし、 WDLS時の症状緩和⽬的では、オピオイドと同時に使
⽤することも可能
• 鎮静薬は症状に合わせてタイトレーションを⾏い、使⽤量の
上限は設けない
3.5鎮静薬のタイトレーション RECOMMEND
• 鎮静薬未使⽤の患者では、鎮静薬の静脈内ボーラス投与/それに
続く持続投与によって治療
• 有症状のベンゾジアゼピン未使⽤の患者には、ミダゾラム2mgの
ボーラス投与/それに続く1mg/hrの持続投与は妥当
• ボーラス量/持続投与量は、患者の体格/年齢/臓器障害に応じて
調節
• ボーラス投与量は、必要に応じて5分ごとに調整
3.5鎮静薬のタイトレーション RECOMMEND
• 1時間以内に2度のボーラス投与が必要な場合、持続投与速度を
倍にするのは妥当
• WDLS時に、ミダゾラムの代わりにプロポフォールを使⽤しても
よい
üプロポフォールをすでに安定した容量で使⽤しており、患者が快適な場合
ü医師が鎮静薬としてプロポフォールの使⽤に慣れている場合
3.6その他の薬物
SUGGEST
• 意識のある患者で、抜管後のストライダーの治療のための
エピネフリンの吸⼊
• オピオイドによる嘔気に対し、必要に応じて制吐剤の使⽤
3.6その他の薬物
NORECOMMENDATION
• 抜管前の気道分泌物抑制⽬的での抗コリン薬の使⽤
• うっ⾎性⼼不全予防⽬的でのフロセミドの使⽤
• 抜管後のストライダー予防⽬的でのメチルプレドニゾロンの使⽤
Section4:治療/モニタリングの中⽌
4.1プロトコールの使⽤
SUGGEST
• 各ICUで、⼈⼯呼吸器/⽣命維持療法の中⽌プロトコールを作成
4.2治療の中⽌
RECOMMEND
• Non-comfortmedicationsの中⽌
ü輸⾎
ü透析
ü昇圧薬、強⼼薬
ü経静脈栄養、経管栄養
ü抗菌薬
ü輸液
ü⾎液検査
4.2治療の中⽌
SUGGEST
• 患者を楽にさせる以外の⽬的での酸素投与は⾏わない
4.3治療を中⽌する順番
RECOMMEND
• 患者個⼈によって異なる
• 典型的には
① 昇圧薬、強⼼薬
② ⼈⼯呼吸器、気道確保器具
• ⽣命維持療法は⼀つずつ中⽌していき、各ステップにおいて、
痛み/呼吸苦/不安が緩和されているか確認
4.4⼈⼯呼吸の中⽌
RECOMMEND
• ⼈⼯呼吸中⽌のプロセスは、各患者により異なる
• 中⽌のプロセスは可及的速やかに⾏い、各ステップにおいて患者が
快適であるようにする
• 抜管後、non-invasivemechanicalventilationは必ずしも必要でない
• 筋弛緩薬を使⽤している患者を抜管したり、Spontaneousventilator
mode/T-pieceへのウィーニングをするべきではない
4.4⼈⼯呼吸の中⽌
SUGGEST
• ⼈⼯呼吸中⽌のゴールは、抜管しroomairでの呼吸にすること
• 挿管し最低限の⼈⼯呼吸器サポート/サポートなしの状態よりは、
抜管された状態の⽅が好ましい
• ただし、どちらを選択してもよい
4.5モニタリングの中⽌
RECOMMEND
• 患者の症状の緩和につながらない限り、全てのモニタリングは
中⽌
Discussion
• 本ガイドラインは、医療者が医学的/法的/倫理的バランスを保ち
ながら質の⾼い終末期医療を提供する助けとなるよう作成された
• 終末期医療の質を担保している
üあらゆる患者に適応
üex)⼼停⽌後に臓器ドナーとなる患者:臓器機能を優先している訳ではない
• あくまでも「WDLS」の実践的ガイドライン
ü「WDLSをするか否か」の決定は、別の問題
üICUで亡くなる患者に質の⾼い終末期医療を提供するための⼀つの側⾯
Discussion
• カナダ国外では受け⼊れられない可能性
üWDLSが違法となる国は多数ある
ü医療者の中でも”softlanding”を好む場合⇔本ガイドラインは抜管を推奨
• 司法が異なるのなら、その国独⾃の⽣命維持療法の中⽌ガイド
ラインを策定するよう促すことにもつながる
Discussion
• 「重症患者の苦痛の評価」の限界を反映している
üSection2「患者の苦痛の評価」では、患者の⾏動による評価も含まれる
ü脳損傷/植物状態の患者では、⾏動として表れない
üこのような患者では、WDLSのアプローチが異なる/オピオイド使⽤量が
少ない、といった現象につながる
Discussion
• 筋弛緩薬使⽤中の患者のWDLSについて(Supplement)
「例外的に、WDLSの遅れが患者の苦痛の遷延となる場合は、筋弛緩薬の減量前
にWDLSを⾏ってもよい」(SUGGEST)ex)てんかん、脳損傷
• 本ガイドライン/参加者は、筋弛緩薬の使⽤は⽀持していない
• 筋弛緩薬を使⽤している患者を抜管したり、Spontaneousventilator
mode/T-pieceへのウィーニングをするべきではない(4.4)
ü患者の呼吸苦をふやすリスクを減らす
Discussion
• 全体的に賛成度は⾼かったが、Section3は内容が⾮常に細かい
ため、⼀部の参加者から懸念があった
• 本ガイドラインの強み
ü多職種の参加者
üコンセンサスを得るまで複数回検討
Limitations
• カナダの参加者のみ
• 参考とした⽂献のevidenceは弱い(専⾨家の意⾒、観察研究)
• 患者/家族側の⽴場の⼈、聖職者が参加していない
私⾒
• WDLSは、⽇本では頻度も少なく、その都度悩みながら⾏うもの、
というイメージなので、このガイドラインは⾮常に参考になるの
ではないか
• しかし、薬物治療についてはここまで細かいルールが必要か疑問
• ⼗分な環境を提供するために個室はほしい⇔病棟とのちがい
• ⽇本⼈は他⼈と悲しみを分かち合う感覚が乏しいのでは?
今後どうすべきか
• ⽇本は世界と⽐べてwithdrawalの考えが浸透していない?
• まずは「WDLSをするか否か」について、患者/家族と話す機
会を持つこと、適切に話す技術
• WDLSを⾏う際、本ガイドラインは⾮常に参考となる
• 医療的な⾯だけでなく、精神⾯への配慮/サポートもできる
ように
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