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キー ー コンピテンシーの定義と選択

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キー ー コンピテンシーの定義と選択
「キー・コンピテンシーの定義と選択」によるコンピテンシー概念に関する研究
−“Key
Competency”と”Meta
Competency” の比較を中心にー
渡邊沙織
(愛知教育大学大学院 教育学研究科)
An Examination
of the concept
of competencies
-focusing
defined
on comparison
by "DeSeCo"
"Key Competency"
and
Project
by OECD
"Meta Competency"
-
Saori WATANABE
(Graduate Student, Aichi University of Education)
はじめに
と対応すると考えられる。このことから、この概念
2008年3月、文部科学省は10年ぶ叫こ学習指導
は、総合的な学習の時間および同様の理念を持つ生
要領を改訂した。その改訂の基本的な枠組みとして
活科の中に色濃<反映されていると言える3)。
中央教育審議会は、「幼稚園、小学校、中学校、高等
上記のことについて、生活科および総合的な学習
学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善につ
の時間における教科調査官である田村学(2008)は。
いて」という答申を出している。そこには、現行の
「生活科の内容構成の基本的な視点が、OECDの示す
学習指導要領が立脚している「生きる力」の理念は、
キーコンピテンシーのフレームワークと同様なこと
今回の検討においてその重要性が再確認され、「知識
からも分かるように時代の要請とともに新しい発
基盤社会」の時代を生きる子どもたちにとって、ま
想で生まれてきた生活科や総合学習が日指す学力は、
すます重要になっていると示されている1)。この考
まさに世界標準の学力なのである」と述べている4)。
えは、OECDが2003年に策定した「キー・コンピテ
以上のことから、キー・コンピテンシーの概念は、
ンシー」の概念と近似している。そのことは、以下
目本の教育の核といえる「生きる力」の理念と近似
の文書からも読み取れる。「OECDは、『知識基盤社会』
しており、重要視されていることがわかる。さらに、
の時代を担う子どもたちに必要な能力を、『主要能力
キー・コンピテンシーの枠組みは、とりわけ生活科
(キー・コンピテンシー)』として定義付け、国際的
および総合的な学習の時間が目指す子どもの姿と同
に比較する調査を開始している。(中略)『生きる力』
様であると捉えられる。つまり、このキー・コンピ
は、その内容のみならず、社会において子どもたち
テンシーの概念は、国際的な潮流であることのみな
に必要となる力をまず明確にし、そこから教育の在
らず、日本においても、これからさらに求められて
り方を改善するという考え方において、この主要能
いくものであると考えられる。
力(キー・コンピテンシー)という考え方を先取り
そこで、木研究では、キー・コンピテンシーの概
していたと言ってもよい。(下線は引用者による)」2)
念をOECDが発行する文献により明らかにすること
さらには、キー・コンピテンシーの枠組みである
を目的とする。この概念は、近年策定されたばかり
「相互作用的に道具を用いる」、「異質な集団で交流
のもので、文献の数が少な<、翻訳されているもの
する」、「自立的に活動する」という3つの概念は、
はほとんどない。したがって、OECDが出版する原文
総合的な学習の時間の中に新たに示された3つの育
に触れることによって、キー・コンピテンシーの概
てたい力「学習方法に関すること」、「他者や社会と
念について解釈を得ることに意義を持つと考える。
のかかわりに関すること」、「自分自身に関すること」
上記の日的のために、本研究では以下の手順をと
-
141 −
るものとする。はじめに、研究に用いる書籍の位置
マル学習に関する指標の開発を行ってきている。ま
付けから本研究の価値を述べ、目次と序章より解釈
た、もう一人のローラ・H・サルガニクは、アメリカ
を得る。さらには、コンピテンスヘの着手にとって
合衆国研究学会、教育統計サービス研究所長である。
土台となるいくつかの理論が記されている第3章を
専門は、教育指標、教育システムの国際比較である。
取り上げることによって、いくつかの似た理論の識
これまでに、DeSeCoの研究成果は、本書と
別を明らかにする。
Dominique
Simone
ン)、Laura
Hersh
Rychen
(ドミニク・S・ライチェ
Salganik
(ローラ・H・サルガニ
I『キー・コンピテンシーの定義と選択』の位置付け
ク)“Key
1キー・コンピテンシーの策定に至る簡略な経緯
a Well-Functioning
本項では、キー・コンピテンシー策定の経緯につ
に働く社会のためのキー・コンピテンシー』)、2003、
ての簡略な説明と、本研究で用いる書籍を紹介する
Hogrefe
ことで、研究の意義を示したい5)。
いない。前書(本書)は概念の定義をめぐる理論的
OECDは、コンピテンシーとは何かを定義し、各国
研究書であり、後書は最終報告書である。さらに、
や企業、組織、そして各個人がどのようにコンピテ
後書については、翻訳された書籍が刊行されている
ンシーを選択していけばよいかという問題に答える
が、前書(本書)については、未だ刊行されていな
ため、これまでの国際調査に用いられた研究謀題と
い。ここから、本書の希少性が伺える。したがって、
各国の教育政策や労働政策を整理し、将来行われる
キー・コンピテンシーに関するOECDの出版物として
国際調査に共通する能力の概念を一つにまとめる事
は、世界でただ2冊しか刊行されていない原書の内
業を提案した6)。それが、“Definition and Selection
の1冊を本研究において訳し、解釈を得ることは、
of
キー・コンピテンシーの概念についての理解を深め
Competencies:
Theoretical
and
Conceptual
Competencies
& Huber
for a Successful
Society” (『人生の成功と良好
Publishersの2冊しか刊行されて
Foundations”(『コンピテンシーの定義と選択:その
るにあたって、おおいに価値のあることだと考える。
理論的・概念的基礎』)プロジェクトであり、その頭
しかし、後書の翻訳本も価値が高<、本書を訳し
文字をとって、通称DeSeCo(デセコ)と呼ばれる。
て解釈を得る際に、参考にしたい。後書の翻訳は、
この事業は、「学際的な領域の専門家とOECDに加盟
国立教育政策研究所総括研究官である立田慶裕を中
する12の参加国の政策担当者との協働によって進
心に、今西幸蔵、野村和、平沢安政、岩崎久美子、
められた7)」点に特徴があり、その概念定義を教育
猿田祐嗣、名取一好といった大学教授、国立政策研
学だけに狭<限定していないところにキー・コンピ
究所の研究官らによって手掛けられている。そして、
テンシーの価値を見出せる。
その過程で立田は、OECDによる成人能力の国際評価
本研究では、上記のDeSeCoプロジェクトのメンバ
プログラム(PIAAC)の専門家会議に参加し、そこで、
ーが執筆する書籍を用いて分析を行う。それとは、
PISAを運営するOECD教育局指標分析課長のAndreas
2001年にHogrefe
Scheleicher
Dominique
ン)、Laura
& Huber Publishers
が発行する
Simone Rychen (ドミニク・S・ライチェ
Hersh Salganik (ローラ・H・サルガニ
ク)監修の“Defining
and
Selecting
Key
(アンドレア・シュライヒヤー)や教育
研究革新センター(CERI)のトム・シューラーらか
ら国際調査の理論や経緯を学び、また原書の著者で
あるドミニク・S・ライチェンらからも、翻訳に必要
Competencies”(『キー・コンピテンシーの定義と選
な多<の情報を得ている。したがって、他人の解釈
択』)である。主な執筆者であるドミニク・S・ライ
を通した翻訳本であるといっても、非常に原書に近
チェンはスイス連邦統計局のシニア・ブログラムオ
いものであると捉えられる。この点から、信頼性の
フイサーであり、DeSeCoプロジェクトのプログラム
高い書籍であると判断できる。
マネージャーである。そして、DeSeCoにおける多様
こうして、著者や刊行に至るまでの経緯などを追
な調査活動の調整とOECDへの報告責任者でもある。
うことで本書を訳して分析することの価値を述べて
これまでに継続教育、労働市場、職場やインフオー
きたが、同時にキー・コンピテンシーの概念が生涯
−142
−
Life
and
8コンピテンシーズと教育一文脈上の相違点−
学習の理念とも密接にかかわっているのではないか
と考察できる。なぜなら、原書においても、翻訳本
ジャンク・グンダイ巾椙
------一・・・・・・・一-------------一一一一--------9学識のある論評 一共通の立場に立って−
においても、執筆者のほとんどは生涯学習の専門家
だからである。この意味は、学校教育を生涯学習の
9.1成果の認識論としてのコンピテンシーズ
視点から見直そうとする試みの表れではなかろうか。
ー成人に知ってほしいと思う方法−
コバート・キn
2『キー・コンピテンシーの定義と選択』の詳細
9.2集団における結合と機能、自己概念と情緒の管
本項では、目次と序章の一部を提示し、そこから
理 セシジア・ジッジウェイぐアメリカ)
キー・コンピテンシーの概念を明確にするという視
10実施と政策の見地からのキー・コンピテンシーズ
点に立って、考察する。
10.1日的の統一から表示についての多様性と必要
以下、枠線の中に本文の翻訳、下にその部分の考
性ヘ ーUNESCOからの展望−
察と続<。
ジャック・トロール㈲NESCび
アレキケン/ヽフ・/ヽ`ラクヌラー巾NESCO)
(1)目次
10.2すべてのキー・コンピテンシーズを測定でき
るか? 教育的な見通し
序文
ボブ、ノヽジス個際的な教刻
ノヽインツ・ジロメン燧イヌ人ジョンP.マーティ
10.3経済知識 −ビジネスの見通しー
ン紐lフか、ユージーン・オークヱン(アメリカ)
カルロ・カジュ=ジぐイタジフつ
事実の認定
10.4投資としてのコンピテンシー管理
伝記の要旨
−ビジネスの見通しー
序章 ドミニク・サイモン・ヲイチュン個イヌノ
ジャン=パバ/クク・ファルーズヴフヲンヌノ
1人生のためのコンピテンシー
10.5キー・コンピテンシーズは誰のためのもの
一概念と経験にeる挑戦−
か? 一労働者への展望一
コーラ・ノヽ−ス・サルガユ=クケメ几利
2コンピテンシーの定義と選択
ローレル・ジッチー働ナダ)
--------------------一一一一一--------------- 10.6教育的な目標の定義 一未来の窓−
−IQの歴史的概観−
ユジ・ピ一クーペヽレイアー岫イヌノ
ジョン、カーヅンケメヅガ
終章 ノヽインク・い=フメン岫イヌノ
3コンビテンスの概念 一概念の明確さー
ノQ`ミニク・サイモン・ライチェン仁イヌノ
コー夕・ノヽ−ヌ・ガソシガ==夕どアメ几か
フランツ£。クヱイナー/ヽ伊イリ
一一-------------------------------------一一●
4よい生活と乱七会のためのコンピテンシーズ
(点線は引用者による)
そーニク・カン/ヽ=ヌペμペルぐフラノ刃
シャン=ピュ=−ル・デュとユイ(フラン刃
まず、著者に着目する8)。立田によると、DeSeCo
5多義性、自立性、作用
の作業プログラムは4つの主要な活動で構成されて
一新しいコンピテンシーに向けての心哩学的な課題−
いるという9)。その3つ日の活動は、専門家の意見
ヘレン・ヘイヌ/ヽ化訥7
を加えて理論的な背景をもった一連のキー・コンピ
6社会的なアイールドヘの鍵 一自治権のある行
テンシーを決定することであった。その時、それぞ
為者におけるコンピテンシーズー
れの理論的な背景と学問的視点から一組の関連する
フィククプ・ペレナウド仁イヌノ
キー・コンピテンシーを構築するよう求められた学
7経済的な成長にとって重要なキー・コンピテンシ
者が、本書の著者にいる。まず、第4章のモニーク・
ーズ フランムク・レビイぐアメジカ)
カント=スベルベルとシャン=ピエール・デュピュ
グチャードJ. マーネン(アメジカ)
イは哲学的視侃から、次に、第5章のヘレン・ヘイ
−143
−
ストは心理学視点から構築する。そして、第6章の
いえる基準の定義づけ」を取り上げる。ここには、
フィリップ・ベレナウドは社会学的視点から、第7
コンビテンスの概念は、社会科学においても、目常
章のフランク・レビイとリチャード・マーネインは
での使用においても、あいまいで不明瞭であること
経済学的視点から、第8章のジャック・グッディは
を記している。そして、キー・コンピテンシーズ12)
人類学の視点から、キー・コンピテンシーの構築に
を定義し選択する際に、哲学的なあるいは社会的な
携わっている。以上のことから、本書はその時のメ
参考事項を基準とした枠組みを根幹にするか、社会
ンバーである各分野の代表となる学者が執筆してお
的に実施し風潮の観察に基づいた所見をより多<土
り、その内容は、それぞれの理論的な背景と学問的
台にするかは、とても重要であるとしている。その
視点から一組の関連するキー・コンピテンシーを構
上でさらに、定義されたキー・コンピテンシーズが
築したものだと推測される。また、いろいろな分野
抽象概念や一般化にとどまっている段階であること
の専門家との議論を拡げる形で試みられたという
を間題として挙げている。
DeSeCoプロジェクトの(いろいろな分野の専門家
また、ここには、第3章の著者であるウェイナー
1o)」とは、上記の哲学、心理学、社会学、経済学、
トは、コンピテンスヘの着手にとってベースとなる
人類学の5つを指すのであろう。
いくつかの理論を識別すると記している。彼は、社
DeSeCoの作業工程に戻ると、三つ目の活動の専門
会科学の分野で、コンビテンスやキー・コンビテン
家の意見を加える過程におけるコメンテーターのう
スやメタコンピテンスの概念は統一されたものでは
ち、8人が本書の執筆に携わっている。それが、第9
ないことに注目する。これについては、次項にて取
章と第10章の著者である(ユリ・ピーター・トレイ
り上げるため、ここでは省略する。
アーを除<)。このことから、第9章と第10章は、
再び本文に戻ると、著者であるドミニク・S・ライ
異なる学問的視弘での主要な意見のまとめや相違点
チェンは、現在までにコンビテンスの概念に触れて
が検討されて、より実践的で政策思考的な観点から
いるすべてのエッセイの著者がコンピテンシーズは
優先的な領域での考察が加えられた内容であること
ある程度まで習得可能だとみなしていると記してい
が推測される。
る。それに続き、以下のように述べている。
最後に、著者の名前の後ろにある両カッコ内に示
された内容に注目する。一見出身国が示されている
生涯学習し続ける過程は、コンピテンシーズを習
ように思われるが、一部に「UNESCO」や「国際的な
得するためには欠かせない。同時に、複雑な環境と
教育」と示されていることに疑問を抱<。上記の考
他者との相互作用の質は、コンピテンシーを発展さ
察の参考にした立田の文献11)によると、名前の後ろ
せるための重要な必須条件である。
に国名とともに所属が記されている。たとえば、「モ
ニーク・カント=スベルベル([司立科学研究センタ
つまり、コンピテンシーズ(有能性13))を獲得す
ー、フランス]」、「ジャック・ドロールとアレキサン
るためには、二つの要素が必要であると述べている。
ドラ・ドラクスラー(Task
一つは、生涯学び続けるという姿勢である。変化し
Force on Education
for
the Twenty-first Century、ユネスコ)」といったよ
続ける社会を生き抜<ためには、多様な情報を取捨
うに記されている。 したがって、カッコ内は出身国
選択しながら取得し、常に新しいことを学びっづけ
ではな<、所属名あるいは所属する団体のある国名
てい<必要があるということであろう。そして、二
を記しているのであろうと考えられる。つまり、そ
つ目は、まわりの環境やまわりにいる他者とかかわ
の意味は、著者はその立場として論述しているとい
る中で、学び、成長していくということであろう。
うことであろう。
そこでは、アクションを起こし、返ってくるという
双方向のやり取りが鍵となる。自分一人で学習して
(2)“introduction”(『序章』)
身に付けられるというものではないのである。
序章の中で、特に、冒頭にある「能力を満たすと
−144
ここでは、生涯学習の重要性が示されている。こ
−
れまで、学校教育において必ずしも意識づけられて
はこれまでの学校教育で多<扱われてきた知識や技
こなかった生涯学習という視点で、改めて学校教育
能のみならず、意欲や態度といった目で見て測るこ
を見直すことが求められているということであろう。
とのできない内面的な要素も重要視されてい<傾向
その点で、「自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、
にあることが捉えられた。
主体的に判断し、よりよ<問題を解決する」という
ねらいを特つ総合的な学習の時間は、学習方法の学
n コンビテンスの概念に焦点を当てて
習ができ、今後より重要性が増すと言えよう。
前項を受けて、第3章に着眼することでキー・コ
これに続き、最後の段落には、未だ抽象概念であ
ンピテンシーの概念についてより確かな理解を得る。
り、あいまいなままのコンビテンスやキー・コンビ
テンスやメタコンピテンスを定義づけるための基準
1 第3章の目次
は、実行可能かどうかということを手がかりに進め
られると記している。そこでの必要条件が二つある。
3 コンビテンスの概念 一概念の明確さー
フランクE.ウェイナー/ヽ
まず、コンビテンスの概念は、個人や集団が複雑
コンビテンスの概念定義
な課題や困難にでくわした時、うま<対処できるた
一般的な認知コンピテンシーズ
めに必要なものとは何かを言及するためのものであ
専門化した認知コンピテンシーズ
るべきである。これらの複雑な課題や困難を対処で
コンピテンス実施モデル
きる能力が、コンピテンシーズの構成を定義する。
コンピテンス実施モデルの修正
次に、コンピテンシーズは一般に、上記のような場
認知コンピテンシーズと動機づけ的な行動のイ頃向
面での適切な行動様式は、知識や技能ばかりがあれ
客観的で主観的なコンビテンスの概念
ばよいというものではな<、課題や困難に立ち向か
行動コンピテンス
おうとする意欲や態度、我慢はもちろんのこと、計
キー・コンピテンシーズ
画する力やいつも決まった順序を知識や技能をもと
メタ・コンピテンシーズ
に改善する必要性も取り巻いていることを暗に意味
コンピテンスを概念化する中での困難な点
する。
同一視する認知コンピテンシーズ
理知的な能力
まず一つ目に、コンビテンスは、個人か集団が複
チョムスキー言語理論との関連性
雑な課題や困難にでくわした時に、利用できるもの
遂行に対する文脈の影響
でなくてはならないということが述べられているよ
学習と実施の領域
うだ。そして二つ目に、コンピテンシーズは、上記
付け加えていくか、排除していくか、どちらのコ
のような複雑な間題を解決する際には、ただ知識や
ンピテンシーズにすべきか?
技能さえあればよいというものではないことを記し
コンピテンス、キー・コンピテンス、メタコンピ
ている。これまでテストなどで測ることができた知
テンス
識や技能だけでな<、評価することが難しいとされ
客観的で主観的な手がかり
る、関心・意欲・態度などの必要性が記されている
行動コンビテンスの測定
ようだ。
長期的な研究
これまで書籍の詳細を記してきたが、その中で。
まとめ
「生涯学習」というキーワードが頻繁に見られた。
キー・コンピテンシーにおいて、生涯学び続けるこ
目次から、第3章は軸となるコンビテンスを明確
とが重要となることは間違いなかろう。さらに、序
に概念定義し、そこから、キー・コンピテンシーズ
章を読み解いていく中で、これからの社会にとって
とメタ・コンピテンシーズを区別する形で両者を定
−145
−
義付けている。そして後半では、概念化する中での
DeSeCoプロジェクトとして新たに提案した14)。つま
困難な点を挙げている。ここでは、困難な点を10項
り、習慣や文化の異なるすべての国のすべての個人
目も挙げていることから、その難しさが伺える。
において共通する有効な能力として、特に鍵となる
以下、本文より“Key”どMeta”の相違点を中心
ものをキー・コンピテンシーとする目的かおり、こ
ー
に概念を捉えてい<。
こでの“key”とは、上記の意味での「共通」あるい
は「鍵となる」である。
2 キー・コンピテンシーについて
これを念頭に置きつつ本文に戻ると、(の文が
まず、キー・コンピテンシーの概念はコンビテン
より解釈しやすい。キー・コンビテンスの概念は、
スの概念よりも漠然としたあるいは多義的なもので、
多機能で学問を超えたコンピテンシーズを言及する
二つの概念の明瞭でよ<筋の通った区別は、恣意的
とあるが、ここでの「学問を超えた」には、二つの
かあるいは存在しないかのどちらかであることが記
意味があるのではないかと考える。 これは
されている。その上で、キー・コンピテンシーズを
“transdisciplinary
究明するための二つの動機づけが記される。一つは、
“disciplinary”には「学問に関する」という意味
学校と職業上の背景の中で獲得された根拠の確かな
のほかに、「訓練上の、規律の」といった意味も含む。
コンピテンシーズの前提は、学問や職業に対する適
したがって、義務教育や学校教育に近い意味を持つ
性や仲間との付き合いなどといった特定の文脈の中
「学問」であると捉えられる。それを踏まえて、ま
で学ばれ、使われる。もう一つは、社会的な職業上
ずは学んだことを実生活に活かすなどといった空間
の背景における多悟性の中で、人生上の大多数の活
上の横の広がりが考えられる。知識を習得するだけ
動が行われる。このことは、キー・コンピテンシー
に留まらず、その時々の状況に合わせて、適切な知
ズの独自の文脈のための研究へと導いたのだという。
識を判断し、活用する力である。学習するだけに留
これに続き、キー・コンビテンスの魅力を以下のよ
まらないという意味において、学間を超えた力と言
うに述べている。
えるのではないだろうか。そして二つ目は、時間軸
” を訳したもので。
の縦の広がりである。学校教育を超えてという意味
なぜキー・コンビテンスの概念はとても魅力的な
で、社会に出てからも必要となる力である。学校教
のであろうか?巾概して、キー・コンピテンスと
育を修了したあとも、生きていくための力として学
いう用語は、多<の重要な目標に到達するため、ま
問を超えたと言えるのではないだろうか。
た様々な 事に精通するため、さらには慣れない状
すなわち、(文からは、キー・コンビテンスを
況で活動するために有益な多機能で学問を超えたコ
策定することは上記のような学問を超えたコンピテ
ンピテンシーズを言及する そこには、多くの教師
ンシーズを言及することであると捉えられる。
や政治家にとって、カリキュラムに積みすぎている
そして、次の文の解釈としては、多<のコンビテ
現代世界を生きるために必要不可欠な多<のコンピ
ンスの中から特に“Key”となるものを抽出すること
テンシーズを、限られた数のキー・コンピテンシー
で、カリキュラムを再構築させる見込みもあると述
ズを伝えることによってより一層省略させることが
べているのだと捉えられる。つまり、現在のカリキ
できるという見込みもある。(下線は引用者による)
ュラムは詰め込みすぎているとし、それを精選する
必要性を示しているのではないだろうか。現代社会
ここで、上記の文書を解釈するために、事業の経
を生きるために必要不可欠とされるコンビテンスの
緯についての補足説明を加える。
どれにでも手を伸ばすのではな<、中でも、とりわ
OECDはまずコンピ
テンシーを定義し、各国や企業、組織、そして各個
け重要とされるコンビテンスを適切に精選し、その
人がどのようにコンピテンシーを選択していけばよ
一つ一つを念人りに教育する方がより子どもの生き
いかという問題に答えるため、将来行われる国際調
る力の育成につながると感じられる。
査に共通する能力の概念を一つにまとめる事業を
さらに、これらに続き本文には、事実をベースと
−146
−
した展望をキー・コンピテンシーズとみなそうが、
上記の八つの論点は、「1」「3」「8」と「2」「4−7」
哲学的な規範に従った展望をキー・コンピテンシー
の二つに分類される。前者はキー・コンピテンシー
ズとみなそうが関心はない。それよりも、常に配慮
の本質について、後者はキー・コンピテンシーの普
を要する8つの論点があると述べ、順に記している。
遍性について述べている。
なお、紙面に限りがあるためここでは要約して記す。
「1」には、キー・コンピテンシーズには、実用性
と理論性のバランスについての不完全な定義的制限
1.コンビテンスを研究する中で、それが抽象概念で
がついてまわるということが記されている。そして。
あればあるほど知性に関しては立派だが、実用的に
「3」には、キー・コンピテンシーズは概念の仮説上
は役に立たないものとなり、具体的であればあるほ
の構成と育成の手順の分析がなくてはならないとい
ど実用的には有用だが、知性に関しては不十分であ
うことが記されている。さらに、「8」には、そもそ
るという不調和かおること。
も教育を通してキー・コンピテンシーズを獲得させ
2.行き詰まり感のある今日の世界への旧芯性のレベ
ることができるか、またどのように獲得させるかと
ルを超えていくには、そして一人一人にふさわしい
いう疑問は、依然として議論の余地があることが記
コンピテンシーズを与えることによって世界を変え
されている。この三つには、キー・コンピテンシー
ていくには、キー・コンピテンシーを定義する際、
の木質についての論点が挙げられている。端的に述
経験的ではない規範的な出発点を選ぶべきであるこ
べると、キー・コンピテンシーについて、実用性と
と。
理論性のバランス、概念の構成と育成の手順の分析、
3.キー・コンピテンシーズは、少なくとも(概念の)
獲得の可能性または方法論が示されているのである。
仮説上の構造と(育成の)手順の分析がなければ、
これらの項目からは、キー・コンピテンシーが存
容易に要望を述べるだけのキャッチフレーズとなっ
在しうるかどうかといった危うさや概念定義の難し
てしまうということ。
さが伺えるのではないだろうか。
4.キー・コンピテンシーズの構成要素である認識の
一方、それ以外のすべての項日はキー・コンピテ
能力、認識の様式、そして感情の性質などの心理学
ンシーの普遍性について述べられている。「2」のキ
的な特徴には多数の個人差があること。
ー・コンピテンシーの定義をする際の「経験的では
5.社会主義と教育の可能性と限界についての危険な
な<規範的な出発点」とは、日々のノウハウ的な技
錯覚は、キー・コンビテンスの概念に依存している
能ではな<規範的な視点から作られた普遍的なコン
こと。
ピテンシーズを選択することである。そして、「4」
6.より範囲の広い異なったタイプの状況に適用され
はキー・コンピテンシーズの構成要素となる心理学
る一般的なコンピテンシーあるいは策略は、骨の折
的特徴には個人差があること。そして、「5」には社
れる諸問題への解決法となるコンピテンシーあるい
会主義と教育についてということで、教育の平等性
は策略についてのより小さな進言であること。
について記されている。さらに、「6」にはどのよう
7.認識の状態にあるのに対して組敵的な認識につい
な状況においても適用される一般的なコンピテンシ
ての価値の活発な討論の中で、一般的なコンピテン
ーについて記されている。最後に、「7」には一般的
シーズは、事実上、現実的でなくただ有益なだけで
なコンピテンシーズが有益であることについて記さ
あることを論証してきている。
れている。これらには「普遍的」あるいは「一般的」
8.キー・コンピテンシーズのための多くの疑間は、
という言葉が多<見られ、その必要性が記されてい
教育上のプログラムを計画することを通して、獲得
る。
させることができるかどうか、そしてどのように獲
これらからは、すべての人にという教育の平等性
得させるかである。依然として、それらの構造と能
を重視する様子が伺え、同時に、前項で示した習慣
率は科学的に議論の余地があるままであること。
や文化の異なるすべての国のすべての個人において
(便宜上、引用者により順に番号を付けた)
共通する有効な能力としでkey”の意味が強調され
−147−
るのではないだろうか。
下に、メタ認知の辞書的な意味を記した上で、研究
結果の概略をさらに要約して記す。
3 メタ・コンピテンシーについて
メタ認知(“metacognition”)とは、(自己の認知
まず、キー・コンビテンスの概念は、理論的で実
過程についての知識や、それを制御する過程15)」の
用的な基盤に置いて、メタコンピテンスと分別する
総称である。そして、「自己の認知過程についての知
ことは重要であると記されている。それに続き、以
識とは、自己の能力についての知識や問題の把握の
下のようにある。
ために必要となる知識(自分にとって今何か問題な
のか、“何かわからないのががわかること)などを
Spinoza (1632-1677)は、何かを知ることは、何
さす。これに対して、認知活動の制御の側面は、学
を知ったかを知るという意味でもあるという見解へ
習活動を制御し、監督する活動のことをさす。たと
の高度な組織立てを利用した。(中略)(1)さらに私
えば、適切な解決法を計画したり(プランニング)、
たちは、私たち自身の実行の可能性と必要な前提条
自己の認知活動が適切か、円滑に進行しているかど
件を見積もることができるだけでな<、私たちの行
うかをモニタリングする活動などがこれに含まれる。
動を導<この「幼稚な」判断を使うこともできる。
16)」とある。これらを学習の例を挙げて述べると。
この知識についての知識はメタナレッジと呼ばれる
「たとえば、自分にはBの学習よりもAの学習の方
そして、その有効性を判断する力、使う力、そして
が難しいことに気づ<、Cを事実として受け入れる
個人的なコンピテンシーズについて学ぶ力はメタコ
前に二光弘検しておくべきであるという考えが念頭
ンピテンスと呼ばれる。(Nelson
に浮かぶ、多岐選択型の課題事態で最善のものを選
&
Narens、1990)
(下線は引用者による)
ぶ前に全部の選択肢をそれぞれ詳し<吟味した方が
よいと考える、Dということを忘れてしまうかもし
ここでは、「メタナレッジ」と呼ばれる「知識につ
れないのでそれを書きとめておいた方がよいと感じ
いての知識」という意味を特つ新しい単語が出て<
るといった場合にメタ認知に携わっているのである。
る。その説明となる(の文の解釈を以下とする。
17)」ということになる。
何力肩于動を起こす際、それができるかどうかの可能
性や何を土台としてそれを行うかといった前提条件
1.メタ・コンピテンシーズの習得に不可欠な基礎の
を見積もることだけでな<、自分自身の行動に導<
一つは、3歳から年を重ねるごとに得られるその人
判断ができることを指すと捉えられる。
自身の認知の過程と結果について内観する力である。
そして、上記の判断の有効性をさらに判断する力、
経験に頼るメタ・コンピテンシーズの生来の成長は、
使う力、そして個人のコンピテンシーズについて学
学校がベースとなったサポートを必要とする。教授
ぶ力がメタコンピテンスであるとしている。つまり、
の間中ずっと自分自身や他人の学習についての観察
自分が持つ知識についての知識の有効性をさらに判
や学習関連の先生からのフィードバック、そして教
断し、それをその時の状況に合わせて選択して使う
授の間の効果的な問題解決の策略は、子どもたちの
力、あるいは自分にとって必要なコンビテンスにつ
メタ認知的な知識をずいぶん豊かにする。
いて学ぶ力のことである。
2.叙述のメタナレッジに加えて、手続き上のメタ・
そして、これに続き、自分自身についてや実用的
コンピテンシーズの発達がある。これらは、それ自
な知識を見積もることについてより多<知っている
身の認識の過程と活動的な特定の仕事を計画立てる、
人は、困難な仕事や問題を解決する時、他の人より
着手する、観察する、そして操作する中で機械的だ
もより良<成し遂げられると述べている。この見識
が潜在的に自覚している技能を包括する。
の土台となるメタ認知の研究、とりわけ児童期と思
3.叙述するメタ・コンピテンシーズは、種々の仕事
春期におけるメタ認知のコンピテンシーズの発達に
の困難さ、または学ぶため、覚えるため、問題解決
おける研究結果の短い概略が6つ示されている。以
するためなどについての経験と知識を含む。そして、
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−
手続き上のメタ・コンピテンシーズは、仕事と問題
そして、その間に位置する「2−5」には、メタ認
をより簡単に解決させるよう編成するための全ての
知コンビテンスの本質について詳細に説明されてい
計画などである。要約すると、メタ認知コンビテン
る。ここでは、「叙述する(“declarative”)」メタ・
スは、知識人、学習社、行為者としてのそれ自身に
コンピテンシーズと「手続き上の(“procedural”)」
ついての専門的知識である。
メタ・コンピテンシーズの二つのメタ・コンピテン
4.実験による研究の多くは、学習、記憶、問題解決
シーズを区別して挙げている。両者の関係は、叙述
の遂行における実年齢より高い適切なメタナレッジ
するメタ・コンピテンシーズを組み立てて、手続き
作用の量と質を示す。私たちは依然として、メタナ
上のメタ・コンピテンシーズとして仕事や問題を解
レッジと遂行との関連に責任のある認知メカニズム
決するということだと考える。例を挙げると、問題
を知らない。
を目前にしたとき、自身が特つ自分の適性や技能に
5.メタナレッジを動機づけ的で意志的な過程と分析
ついてや仕事の困難さについて、問題解決の方法論
的に識別することができるにもかかわらず、それは
について、悩みを吹き飛ばすための効果的な方法な
実際の仕事の中で経験的に行い得ない。この意味は、
どについての経験と知識を組み合わせて、問題に立
私たちが評価することは常にメタ認知の判断と有効
ち向かうためにはどうしたらよいかの計画を立てる
性の感覚と意志的な統制を信じることについての集
ことである。これについて、省みることができ、よ
合体であるということである。
りよ<修正していくことができる力をメタ認知コン
6.学校での理論実施の基礎をなす有益な教授と学習
ビテンスとすると捉える。考えて計画するだけでは
のモデルは、メタ認知コンピテンス習得についての
ない、さらにそれを再編成するという「さらに」の
目標を達成する中で基準に満たなくなる傾向がある。
部分が“meta”を指すのではないだろうか。この概
これは、教授と学習が学習の生産物(知識)に焦点
念を土台とする能力がメタコンピテンスであり、自
を当てるからであり、学習の過程やその最適化(メ
分が持つ知識についての知識の有効性をさらに判断
タ認知)について熟考するのではないからである。
し、それをその時の状況に合わせて選択して使う力、
(便宜上、引用者により順に番号を付ける)
あるいは自分にとって必要なコンビテンスについて
学ぶ力のことである。この能力も今後求められてい
ここでは、メタ・コンピテンシーズの見識の土台
くだろうとされているため、キー・コンピテンシー
となるメタ認知のコンピテンシーズの発達における
と並んで記されているのではないだろうか。
研究結果が載せられており、とりわけ児童期と思春
期されている。それは特に、「1」と「6」に顕著に現
4 “key”どmeta”の差異および関連性
れている。
“key”どmeta”の差異を述べるにあたり、これ
そこには、子どものメタ認知的な知識の発達には、
までの検討から明らかになった両者の意味を再度確
自分自身や他人の学習についての観察や学習関連の
認する。キー・コンピテンシーの“key”とは、習慣
先生からのフィードバック、そして教授の間の効果
や文化の異なるすべての人々にとって共通する人生
的な間題解決の策略が手助けをすると記されている。
の成功とよりよい社会の構築のための鍵となる力で
さらに、学習を通して得た「知識」に焦点を当てる
あると捉えられる。
教育モデルではなく、その「過程」について焦点を
当てることの重要性が記されている。ここでは、コ
ンビテンスは他者や社会とのかかわりの中で身に付
けられてい<点、間題解決への思考を通して育まれ
てい<点、学習の学習といった結果ではない過程の
重要性を示しているといった点で、これまで述べて
そして、メタ・コンピテンシーの“meta”とは、
きたコンビテンスの本質が多<見られる。
自らの知る知識と経験を組み合わせた問題解決の方
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法をさらに省みて再編成し直す力であるといえる。
ンピテンシーの間の概念上の差異を明らかにするこ
そのために、自分が特つ知識についての知識の有効
とができた。
性をさらに判断し、それをその時の状況に合わせて
このキー・コンピテンシーとメタ・コンピテンシ
選択して使う力、あるいは自分にとって必要なコン
ーは異なる本質を特ち、用い方も異なるが、両者間
ビテンスについて学ぶ力のことである。
の関連性もあることが捉えられた。それを踏まえた
上で、筆者は両者ともに必要な能力であると判断し
ている。今後の学校教育においては、キー・コンピ
テンシーだけに視野を奪われることな<、メタ・コ
ンピテンシーにも目を向け、その両者を子どもに育
んでいけたら良いのではないかと考える。
このように、文章とその図式化によって差異を示
した。まったく違うもののようにも捉えられるが、
両者の関連性を次のように捉える。
人が問題に直面した時、この状況ではどのキー・
コンピテンシーを用いることが適切かを考え判断し、
どのように問題を解決すべきかを計画立てて実行す
る。そして、本当にこの方法で良かったのかを内観
したり、省みたりする。その中で、最適な方法はど
れなのかを考え、自分にとって必要なコンビテンス
を導き出し、学ぶ。キー・コンピテンシーとメタ・
コンピテンシーには、このような関連性があるので
はないかと考える。
ここで、上記の「状況に応じて適切なキー・コン
ピテンシーを選択すること」について補足説明を行
う。DeSeCoによって、コンビテンスの中からキー・
コンピテンシーが厳選されているにもかかわらず、
さらにキー・コンピテンシーを選択することに一見
不自然さを感じる。本稿の冒頭でも述べているよう
にキー・コンピテンシーは「道具を相互作用的に用
いる」、「異質な果団で交流する」、「自立的に活動す
る」の三つである。 しかし、さらにこれらは三つず
つに細分化されており、計九項目になる18)。これら
を状況に合わせて選択し、用いることを指す。
おわりに
これまで、キー・コンピテンシーに関する文献で
ある“Definition
Theoretical
and Selection of Competencies:
and Conceptual
Foundations”(『コン
ピテンシーの定義と選択:その理論的・概念的基礎』)
を基に、コンビテンスの概念の解釈を行ってきた。
その中でも特に、キー・コンピテンシーとメタ・コ
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