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お役所仕事を一つこなしました

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お役所仕事を一つこなしました
お役所仕事を一つこなしました
2016/12/3 磯平一郎
年末に、今年の一番シカタナイ話をご紹介します。お役所仕事にまともに付き合って、象牙を登
録した経過です。
小生、40年ほど前にマレーシアから帰国しましたが、その折に、象牙の飾り物を一本持ち帰りま
した。ご承知の方が多いと思いますが、中国人は翡翠や象牙を好み、彼等の多く住む土地で土産
物、飾り物を売る店では、これらが主な商品で、私達にも手ごろな土産物です。但し中国人の好む
彫刻品はどうも小生向きでなく、小生は何の彫刻も無い磨いた象牙を一本持ち帰りました。アジア
象は家畜化し易く、運搬、耕作に多数使われ、タイ、インドでは一般的です。これらの地域ではス
コールがあり、森や畑の仕事、特に材木運搬にはタイヤの車は不向きで、象は大変有能です。
従って象牙も副産物で沢山産出されます。ジャングルには野生象も居り、鳴き声や樹木の動きに遭
遇したことも再三でした。
ただ、アジア象はあまり大きくならないので、贅沢な大きい彫刻にはアフリカ象の象牙が使われるか
もしれません。小生在任の末頃に希少野生動物保護の声が世界で広まり始め、アフリカ象がこの
対象となり、象牙の扱いに制約がかかる方向には在りましたが、東南アジアでアフリカ象牙は、大き
い流通量有りとは見えませんでした。
これの日本への輸入には何の問題もなく、一方で仕事を止めてからは床の間の無い家に住ん
でいますから、象牙はお蔵入りでした。最近日本では扱いが大変難しくなり、登録しないと、持って
いることも、譲ることも違法になったので、5月から登録に取り掛かり、数か月掛けて登録できました
が、この過程で、考えさせられる事が多々ありました。
まず、所管の自然環境研究センターに当たりましたが、先方は、 ワシントン条約適用前から日本で所
有して居たことを証明することが必要と言われ、常識で 制限以前に輸入した証明をすれば良いと考え、
幸いに帰国時の送り状が記念とし残してあったので、尋ねたところ、そのような書類はいくらでも偽造出来る
ので、証明にならないとのことでした!国内転勤時の荷物送り状一覧を探し出して尋ねましたが、これも同様
です。では如何すれば良いかを尋ねたところ、結局、小生宅で象牙を見た証言を、社会的に信用出来る友
人にして貰えとなりました。そこで、社会的に認知されるであろう友人に頼んで証文を書いて貰い、何とかこ
れは済みました。どうもルールは明確でなく、出来れば認めたくないのが本音と思われました。
次に奇妙なことは、アジア象として申請したところ、アフリカ象に訂正されました。
アジア象は認可する根拠が無いからでしょうか。協定の精神を考えれば、アジア象の象牙流通の
市場整備を日本なり、日本と中国、台湾で行うのが、まともなことと思います。欧米に掛け合い、正
規アジア象牙のマーケットを創るのが日本の役目でしょう。
次に、象牙であることの専門家の認定を求められました。理由は、プラスチックで認定を受け、
違法密輸品をさばかれない為だそうです。センターの在所を調べると錦糸町なので、重いですが
事務所に持ち込んだら如何と聞いたら、駄目でした。その他質問が色々あっても、事務所訪問は
お断りです。これはインターネットで象牙扱い店を探し、カラー写真を送って認定して貰いました。
意外に数は少なく、写真の撮り方は要求がありましたが、証明してくれました。事後でセンターに、
どこそこの店なら結構ですと言われました。お店は、「登録されたら、引き取らせて頂きます」と言い
ます。息子に渡しても喜びませんから、考えています。
これらから透けて見えるのは、国際機関に対して、情けないほど下手に出て形式的応対を示
す態度だと思うのは、下種の勘繰りでしょうか。熱帯産の動物の部分、魚、昆虫など、以前一般的
だった土産品は、扱いが難しくなったと、思います。しかし、これが、実際の自然保護に繋がるかと
考えれば、疑問多々です。例えば、ジャングルの開発は、広い範囲に火を掛け、あとは根を重機で
掘り出し、整地して有用植物を植えています。難しいことではありますが、地球温暖化対策にしても 、
日本政府の仕事は、不真面目です。では、お前は如何するかと言われると、この歳ではとなります
が、実務に在った折は、技術の進展と環境対策両立の余地が多々在っただけに、いろいろ考えま
す。IoT の時代ながら、諸兄は如何お考えでしょうか。
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