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農林水産部 現地情報 第31号

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農林水産部 現地情報 第31号
農林水産部現地情報
林業労働災害の根絶と安全作業の徹底に向けて
女性猟師が連携!「大分レディースハンタークラブ」を設立
県内初!「地域農業経営サポート機構」認定証授与式
臼杵市でサポート機構発足
P
1
いよいよ就農!「永松放牧学校」第1期卒業生
杵築いちご学校第1期生が就農
P
2
P
5
新規漁業者の確保に向けて第1歩を踏み出す!
全国山林苗畑品評会で農林水産大臣賞を受賞!
新規漁業就業者の確保を目指して「大分県漁業学校」開校中
イオン環境財団が竹田市で植樹活動を開始!
危機をチャンスに!ソバ栽培の取組
海洋科学校生による小学生への魚食普及活動
低コスト化を目指した水稲乾田直播栽培の現地実証を開始!
P
6
干物を食べよう!七輪焼き体験学習開催
中部地域の新規就農者の確保に向けて
日田ぶどうの美味しさにびっくり!
海藻も資源管理の時代へ!「ヒジキ資源増大のための手引き」発行
佐伯地区農業青年組織の再活性化
新技術で白ねぎの除草労力を大幅削減!
世界最大の北米マーケットへ挑戦!!
豊後大野市の新規就農者確保に向けて!
P
3
第1回清川町集落営農法人の集いを開催!
マーケットインに対応できる林業の人材の育成
P
7
新食肉処理施設の稼働とセリ取引の導入
中津市における担い手の確保・育成に向けて
県立農業大学校 創立50周年
国見町のため池「鷲野尾池」の改修工事に着手
目指せ日本一!椎茸生産者が「おのぼり会」結成
「佐伯型循環林業」の理解促進に向けて
農村における高齢化や人口減少が進む中、県で
は総合的に地域農業を支援する「地域農業経営サ
ポート機構」の設立を推進しています。
サポート機構では、地域内の多様な担い手がネ
ットワークを構築し、連携と調整活動を通じて効
率的な営農を実現することとしています。担い手
不在集落の農地管理や新規就農者の研修・独立の
支援などを主要な業務としており、全国的に珍し
い取組となっています。
この度、㈱中津江村農林支援センター(日田市)
とうすき農尊協同組合(臼杵市)が県下で初めてサ
ポート機構として認定することとし、10月28日
に県庁で認定証授与式を開催しました。
知事から認定証を授与された両組織の代表から
は、今後の活動内容や抱負について語っていただ
き、熱意を持って取り組んでいく姿勢を感じるこ
P
10
P
11
「日田梨」販促キャンペーンを開催!
高校生がジビエ料理の普及に一役!
P
4
東北で浸透が進む大分かぼす!
P
9
高病原性鳥インフルエンザの防疫演習を実施
P
8
花粉の少ない苗木による再造林協定をタマホーム㈱と締結
P
12
毎月第4金曜日は「おおいた県産魚の日」
農地活用・集落営農課
河津 浩二
とができました。知事からは「農業を取り巻く環
境が大変厳しい中、地域のことを考え、自分達が
やってやろうと立ち上がってくれた。サポート機
構の先駆者として活躍して欲しい」との激励があ
りました。
県では両組織が存分に活躍できるよう、きめ細
かな支援を行っていくとともに、他地域での機構
の設立に取り組んでいます。
認定証を授与された2組織のメンバー
中部振興局 農山漁村振興部
竹内 実
振興局では「地域農業経営サポート機構」の設
立に向け、昨年度から組織構成や事業内容につい
て、臼杵市等の関係機関と協議を重ねてきました。
その結果「うすき農尊協同組合」を母体とした
16法人等で構成・連携する組
織を設立し、初の機構として認
定されました。
本機構は市全域を活動エリア
として、担い手が減少している 認 定 証 の 授 与 式
地域での営農支援や担い手確保
に向けたUIJターンの受け入れ、6次産業化など
に取り組みます。
まずは、構成組織が連携を緊密にし、労働力の
相互補完や農業資材の共同購入などによりコスト
を削減するとともに、農地の集積促進やゾーニン
グ等さらなる効率的な経営を展開することとして
います。
また、同組合が大麦若葉の裏作に作付けしたヒ
マワリはメディアに取り上げられ、多くの観光客
が訪れる野津町の観光名所になりました。この子
実を活用したヒマワリ油や加工品の開発による特
産品化を検討するなど、メンバーは認定を受けて
地域農業を担う希望と決意を新たにしています。
-1-
15haのヒマワリ畑
農林水産部現地情報(第31号)
㈲冨貴茶園(永松英治社長)は、豊後高田市蕗
地区の荒廃地を放牧により美しい草地へと蘇らせ
る取組を11年前から実施しています。この取組
が評価され、平成26年度に第1回全国自給飼料
生産コンクールで農林水産大臣賞を受賞してから
は、県内外からの視察が絶えません。
豊後高田市では、遊休農地で放牧に取り組む新
規就農者を確保・育成するため、27年度から同
社を研修の受入先としたアグリチャレンジスクー
ル(放牧学校)を開始し、振興局も全面的に支援
しています。
こうした中、同社の取組をテレビ放映で偶然目
にした沖縄県の佐藤さんご夫妻が、放牧経営を夢
みて同市に移住してきました。放牧学校第1期生
として昨年8月から約1年間、毎日通いながら牛
や草の管理方法や経営理論を実地で学んだ後、今
平成28年12月8日
北部振興局 生産流通部
照山 友実子
年9月には市内の香々地地区の荒廃樹園地を借り
受けて放牧経営を開始しました。
現在は、第2期生となる県外からの1組の夫婦
が就農に向けて研修しています。
振興局では、さらなる放牧の拡大や肉用牛の増
頭を図るとともに、放牧経営を志して全国から移
住してくる若者の受入体制を整えることにより、
地域の活性化につなげていきます。
繁殖雌牛2頭から放牧をスタート
東部振興局 生産流通部
佐知 志保・藤本 敬子
杵築いちご学校の第1期生(2組4名)が2年間 後も関係者と連携して支援していきます。
の研修を修了し、今年9月から杵築市西溝井地区
で営農を開始しました。
振興局では、25年12月の研修生の募集から座
学・実技の研修、就農地の確保、施設整備など、
入校から就農に至るまで生産部会やJA、市と連
携して支援してきました。
第1期生は、9月18日にリースハウス各20aへ
の定植を完了し、順調に栽培しています。
学校では現在、第2期生(3組4名)が研修を
開始し、2年後の就農を目指しています。特に、
第2期生は全員が県外からの移住者であり、全国
の中から本県の就農システムを高く評価し、いち
ご学校への入校を希望された方々です。
杵築市のいちご産地における新規就農者の育成
今後の杵築いちごを支える第1期卒業生(4名)
サイクルは順調に動き出しており、振興局では今
中部振興局 生産流通部
兒玉 泰
振興局では、新規就農者の確保に向けた独自の を確保しました。
取組として10月18日に就農バスツアーを開催し
今後も関係機関と積極的に連携し、情報の収集
たところ、13名の就農希望者が参加しました。 ・交換をしながら新規就農者の確保を進めます。
夏秋期と冬春期の基幹品目である臼杵市のピー
マンと大分市のいちごの特性や昨年設置されたフ
ァーマーズスクールでの研修状況、経営プラン等
について紹介しました。また、新規就農者を対象
とする各種制度や各市の独自支援についても説明
しました。
ピーマンファーマーズスクールの視察
バスツアーでは管内の担い手確保・育成の中核
となる指導農業士の協力もあり、自らの経験を元
にした親身なアドバイスが参加者の心に響き、3
名が就農に向けた具体的な相談に発展しました。
振興局では、本バスツアーのほか、県内外の就
農セミナー等にも積極的に参加しており、今年度
新規就農者への各種制度の説明
は45名の目標に対して前期で18名の新規就農者
-2-
農林水産部現地情報(第31号)
佐伯市の農業青年組織「エコ・エリア21」で
は、地域の方々に農業への理解を深めていただく
ため、これまで米の収穫体験などの活動を実施し
てきましたが、会員の減少や水田を持つ会員の退
会などにより活動を継続することが難しくなって
きました。
会員は再び組織を活性化するため新たな取組に
挑戦することとし、振興局が支援をしました。
まず遊休農地を借り入れ、会員OBとともにサ
ツマイモを生産しました。収穫後は「大学イモ」
に調理して、10月15~16日に別府市で開催さ
れた県農林水産祭で販売しました。約300食が
売り切れ、多くの方に佐伯産サツマイモの美味し
さを伝えることができ、会員も消費者と触れあえ
たことで大きな手応えを得ることができました。
10月30日には、市内の児童福祉施設の子ども
豊後大野市では主にピーマンの新規就農者の確
保を目的として、平成24年にインキュベーショ
ンファームを開設しました。これまで10組20人
が就農しており、現在は8名の研修生が技術の修
得に励んでいます。
ファームではより良い研修の実施に向け、研修
生や研修先の農家(里親)、JA、市、振興局が集
まって定例会を毎月開催し、技術の修得状況や就
農に向けた準備状況等の情報共有を図っていま
す。
10月の定例会では、各研修生が直近1ヶ月間
の栽培状況を報告し、里親や関係機関が収穫終盤
の管理や効率的な作業方法、就農に向けた手続き
等についてアドバイスをしました。
研修2年目で、12月に就農予定の4名の研修
生には、里親や関係機関のきめ細かな指導の下で
平成28年12月8日
南部振興局 生産流通部
酒井 奏
と保護者約80名を招き、収穫体験活動による交
流会を開催しました。参加者からは「土いじりが
ができて楽しかった 」「大きなイモが掘れて嬉し
かった」との声を聞くことができました。
会員は、自ら企画した活動が形になったことで
自信をつけており、更なる活性化に向けて今後も
取 り 組ん で い
く 決 意で す 。
振 興局 で は
今 後 も青 年 組
織 の 活動 を 支
援 し 、地 域 農
業 の 活性 化 を
図 っ て行 き ま
す。
子ども達に芋掘りを指導する会員
豊肥振興局 生産流通部
佐藤 正幸
模擬経営を実践させるとともに、就農後の姿がイ
メージできるよう農地や住居の早期確保を促しま
した。
今後も関係者が一体となり、研修生が安心して
就農できるよう支援していきます。
就農に向けてきめ細かに指導する定例会
豊肥振興局 農山村振興部
岸元 那津実
豊後大野市清川町の集落営農法人では、法人経 この集いを年2回程度開催する予定です。振興局
営力の向上を図るため、9月29日に第1回清川町 も参加し、将来の経営発展や地域の活性化につな
集落営農法人の集いを開催し、6法人の21名が がる有意義な取組となるよう、内容の充実に努め
参加しました。
ていきます。
最初に、各法人から自己紹介をした後、事前ア
ンケートの回答から「法人活動で困っていること」
「他の法人に聞いてみたいこと」などについて意
見を交換しました。事務処理の方法や賃金設定、
作業分担、役員会の開催頻度など法人間で多くの
情報を共有することができました。
また、高齢化が進む中、全法人に共通する課題
は「担い手不足」であり、法人の担い手をどのよ
うに確保するのか、清川町の法人が一つになって
考えていく必要を感じたため、次回のテーマは「担
活発な意見が飛び交う集い
い手確保のために何をすべきか」としました。
集落営農法人では今後も課題解決を図るため、
-3-
農林水産部現地情報(第31号)
平成28年12月8日
北部振興局 農山漁村振興部
中津市と集落営農推進北部支部は、9月に集落
営農発展研修会を開催し、市内の集落営農組織役
員など64名が参加しました。
研修会には、担い手の確保・育成や地域農業の
発展に向け活動している熊本県大津町の農業法人
「ネットワーク大津㈱」の徳永社長をお招きし、
集落営農法人が今後目指すべき方向についてご講
演を頂きました。
同社は12の集落営農組織で構成されており、
経営農地は300haを超えています。社長からは、
組織の規模拡大が優れた人材の育成につながり、
地域の農業を守ることができるとのお話があり、
組織の今後のあり方を皆で考える良い機会となり
ました。
研修会を契機として、北部支部では広域の人・
農地プラン策定や担い手不在集落が多い中山間地
県立農業大学校は、昭和41年4月1日に大分県
農業実践大学校として設置され、今年創立50周
年を迎えたため、11月13日に豊後大野市の「エ
イトピアおおの」で、記念式典を開催しました。
式典は知事出席のもと、同窓生、後援会の皆様
の他、県議会議長をはじめ多くの来賓の方々にも
ご臨席頂き、盛大に執り行われました。
知事からは「時代の流れを読み、的確に対応で
きる人材が望まれている中で、農業大学校の果た
す役割は大きい」という趣旨の挨拶がありました。
また、創立50周年スローガン「育む~実り豊
かな「農」と「人」~」を題材に、在校生代表6
名が農業や農大に対する熱い想いを1文字で表す
決意表明を行い「100周年に向けた次の一歩を
踏み出していきたい」と力強く発表をしました。
引き続き行われた記念講演には㈲木之内農園会
古寺 睦美
域への対応などについて、話し合いを進めている
ところです。また、地域資源の有効活用や就農支
援などに対応するため、農業公社を核とする地域
農業経営サポート機構の設立を進めています。
振興局では、広域で地域を守る仕組みづくりや
今後の担い手
確保につなが
る取組を積極
的に支援して
いきます。
集落営農組織の広域化の重要性を認識
農業大学校
太郎良 健一
長の木之内均氏をお招きし「日本の農業の可能性
と人材の育成」と題したご講演を頂きました。
参加した保護者からは、「子どもがどの様な担
い手を目指せば良いか、木之内先生に的確に示し
ていただき、本日参加できて本当に良かった」と
いった感想が寄せられました。
これまで農大をご支援頂いた多くの皆様に、厚
くお礼を申し上げ
るとともに、今後
も農大では、地域
を担う人材の育成
に向け取り組んで
いきます。
農大生代表による力強い決意表明
北部振興局 農山漁村振興部
大分北部流域(東部・北部振興局管内)の4森
林組合と原木市場では、平成26年に島根県の合
板工場との原木安定取引協定を締結し、中津港か
ら船舶輸送による協同出荷を開始しました。27
年には国東宇佐共販市場を杵築市山香町に開設
し、全国初の木質バイオマス専門市場による協同
販売を開始するなど、新たなマーケットへの対応
により販売力の強化を図っています。
両振興局ではこの活動を支援するため、10月
に流域内の森林組合や原木市場の若手職員、林業
事業体の若手経営者等を対象に「マーケットイン
に対応できる人材の育成」をテーマにした研修会
を開催し、19名が参加しました。
研修先の島根合板(島根県)では需要者が求め
る原木の品質等の意見交換と合板製造の工程視察
を行い、安田林業(広島県)では有利な採材仕分
小関 崇
けの手法や林業経営戦略等について研修を受けま
した。
こうした取組について、12月に東京都で開催
された林業普及指導員全国シンポジウムで九州ブ
ロック代表として発表したところ優秀賞を受賞す
ることができま
した。
今後も両振興
局で連携して、
マーケットイン
に対応できる人
材の育成を図っ
ていきます。
-4-
安田社長の話を熱心に聞き入る参加者
農林水産部現地情報(第31号)
県内の女性猟
師が、女性なら
ではの視点から
新たな狩猟者の
確保や狩猟技術
の向上、ジビエ
の利活用等につ
いて情報交換や
設立総会で笑顔の会員たち
連携活動を促進
する場を設けるために、8月23日に全国で3例目
(九州初)となる女性猟師の会を立ち上げました。
会の名称は、公募による158件の中から「大
分レディースハンタークラブ」に決定し、当選者
には副賞としてイノシシ肉5kgを贈呈しました。
10月29日に開催した1回目の研修会では、会
員がそれぞれのわなを持ち寄ってコツの意見交換
平成28年12月8日
森との共生推進室
蔵原 正秀
やくくりわなの現地研修等を行い、昼食では狩猟
肉を調理しジビエ料理試食会を行いました。
設立時は16名であった会員も11月末には27
名となり、ベテラン猟師から今年度に狩猟免許を
取得した新人まで、20代から60代の幅広い年齢
層で構成されており、今後の活躍が期待されます。
県では今後
も、会員の捕獲
技術の向上やジ
ビエ料理の研究
・普及に加え、
女性の視点で狩
猟の魅力をPR
する活動等を支
援していきま
くくりわなの現地研修
す。
北部振興局 農山漁村振興部
豊後高田市の香々地地区で漁獲されるガザミ
(わたりがに)は、平成25年1月に「岬ガザミ」
として、県内水産物では4例目となる地域団体商
標登録を取得しており、大きさや身のつまりの良
さ、美味しさから県内外で高い評価を頂いていま
す。
一方で、岬ガザミを漁獲する漁業者は減少傾向
で、継続的な安定出荷に向けて課題となっていま
す。
そこで県漁協香々地支店では、新規就業者を広
く募集するための初の試みとして、10月2日に
東京都内で開催された移住フェア「おんせん県お
おいた暮らしフェア」の漁業就業相談ブースで情
報の提供を行いました。
初めての取組のためPRの方法も手探りの状態
でしたが、今回のフェアを通じて漁業だけでなく、
西山 雅人
地域の文化や魅力などを盛り込んでPRすること
が重要と認識させられました。
今後も各種フェア等への積極的な参加を支援す
ることにより1人でも多く新規就業者を確保し、
岬ガザミのブランド確立につなげていきます。
漁業就業の説明を聞くフェアの参加者
水産振興課
田北 寛奈
県と県漁協では、漁業への就業希望者を対象に ・育成を図っていきます。
した知識や技術等を研修する県漁業学校を運営し
ています。研修期間は単年度内で、研修時間は1,
200時間以上、うち漁労実習は1,060時間以上、
座学・陸上実習は140時間以上が目安です。
今年度は佐伯市内の魚類養殖業者の後継者2名
が養殖場で漁労作業を中心に研修しています。
座学・陸上実習は、初回を9月14日に行い、
農林水産研究指導センターが講師となって免疫機
能の基礎知識や水産用ワクチンについて説明した
後、実際にブリ類の稚魚にワクチンを接種しまし
た。今後は、県漁協や県による水産全般にわたる
座学や津久見高校海洋科学校での経営・流通学、
気象学等の座学・陸上実習を予定しています。
就業希望者が漁業経験ゼロでも円滑に就業でき
ワクチン接種を真剣な眼差しで見つめる研修生
るよう、県漁業学校を活用した新規就業者の確保
-5-
農林水産部現地情報(第31号)
九重町栗原地区は熊本地震によって農業用水の
トンネルが崩落し取水できなくなったため、水稲
の作付を断念しました。
同地区で昨年設立された集落営農法人「(農)く
りばる」は、標高約700mという気象条件や比較
的大きな面積で作付可能であること、水を多量に
必要としないことなどを踏まえて、ソバ栽培に取
り組むことを決断しました。栽培は初めてであっ
たため、豊後高田市、豊後高田そば生産組合、国
立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
九州沖縄農業研究センターなどで技術を学んでき
ました。
8月3日~4日に4.7haの播種作業を終え、同
月下旬頃から無事に開花期を迎えたとき、(農)く
りばるの平山代表は「不安から期待に変わった」
と話していたことが印象的でした。
農林水産研究指導センター水田農業グループで
は、水稲の低コスト化技術である乾田直播栽培の
技術確立に取り組んでいます。
乾田直播は田に水を入れずに種籾を播き、出芽
した後に水を入れる栽培方法で、育苗や代かき作
業の省力化が可能です。一方、雑草の発生などが
問題となる場合があり、当グループでは防除に向
けた圃場試験を繰り返すことにより、現在では概
ね防除できる体系を確立しました。
宇佐市と日田市の集落営農法人での現地実証試
験の結果、両試験地ともに雑草の発生が見られず、
平均以上の収量を得ることができました。
また、播種作業の効率化も重要です。国立研究
開発法人農業・食品産業技術総合研究機構農業革
新工学センターでは、従来の播種機の2~3倍の
作業速度となる高速・高精度な汎用播種機を開発
JAおおいた日田ぶどう部会が、9月12日に日
田市山田原にあるJA選果場で、朝日小学校の1
~3年生の児童約70名に対して食育活動を行い
ました。振興局は活動実施に向けての連絡調整や
企画・運営を支援しました。
部会長が、日田市のぶどう栽培の歴史や生産量
などについて説明し、市にとって重要な産業であ
ることを理解して
もらいました。続
いて選果場の役割
を説明したとこ
ろ、児童は初めて
見る施設に興味津
々の様子でした。
また、東部保健
所の管理栄養士と 部会長の説明を熱心に聞く児童
平成28年12月8日
西部振興局 農山村振興部
平野 貴弘
台風や記録的な猛暑及び少雨に見舞われた夏で
したが、収穫作業を豊後高田そば生産組合に委託
し、10月3日~6日に無事に収穫を終え、概ね豊
作となり初年目は成功に終わりました。
ピンチをチャンスと捉えた勇気ある決断が今年
の経営を支える生産へとつながるとともに、今後
の水田活用を考える良い契機となりました。
待望の花を咲かせたソバ
ソバの収穫作業
農林水産研究指導センター農業研究部
水田農業グループ 近乗 偉夫
中です。播種作業の効率化に向け、この機械の活
用方法を当グループと共同で研究しています。
米の生産についてはコスト削減が重要であるた
め、乾田直播栽培の全県展開に向けて引き続き技
術確立を行っていきます。
乾田直播栽培による水稲(宇佐市)
西部振興局 生産流通部
釘宮 伸明
も連携し、ぶどうの栄養や健康への効果などにつ
いてスライドやクイズを交えながら丁寧に説明を
行いました。
説明の後、児童に巨峰を食べてもらったところ、
近年主流の種なしと違い、種ありだったので心配
しましたが「美味しいから大丈夫」と、うれしそ
うにほおばって
いました。
振興局では今
後も生産者とと
もに日田ぶどう
の美味しさを児
童に知って頂く
活動を続け、消
費拡大につなげ
種があっても美味しいから大丈夫!
ていきます。
-6-
農林水産部現地情報(第31号)
平成28年12月8日
農林水産研究指導センター
農林水産業研究指導センター農業研究部では、
柔らかなベルト状の容器を用いて白ねぎの大苗を
育てる「ベルトプランター技術」を開発しました。
白ねぎを栽培する上で課題となっているのが雑
草対策で、雑草管理が出来ないと収量・品質が大
きく低下します。この大苗技術を活用することで、
雑草に負けない栽培管理が可能になります。
開発2年目の本年度は、この技術の効果を確認
するため、現地栽培試験を3カ所で行っています。
九重町の試験区では、除草作業労力の削減を目的
として、5月中旬定植(慣行区は4月下旬)、9月
収穫の作型で、実用規模の11aで取り組みました。
結果は、栽培期間中の除草作業に要した時間が
試験区で18.6時間/10aとなり、慣行区の63.2
時間/10aに比べて約7割も削減できました。収
量は試験区、慣行区ともに約4t/10aとなり、目
11月7日に、国東市国見町にある鷲野尾池の
堤体工事の起工式が、国東市や地元受益者ら約2
0名出席のもと開催されました。
鷲野尾池は櫛海地区にある農業用ため池で、1
3haの受益農地では米の他、小ギクやメロンなど
の園芸品目も栽培されています。また、葉物野菜
のケールが2ha栽培されており、大手飲料メーカ
ーに青汁原料として出荷されるなど、新たな消費
者ニーズへの対応も進んでいます。
ため池は築堤か
ら約140年が経過
しており、老朽化
により近年では度
々漏水が発生して
います。このまま
青汁原料用のケール圃場
では農業用水の安
農業研究部 大坪 亮介
標の3t/10aを上回りました。
現在、この技術を現地に速やかに普及するため、
必要な関連機材をメーカーと共同開発しており、
平成30年頃の商品化を目標としています。
通常苗
ベルトプランター大苗
除草労力の大幅削減が期待できる
ベルトプランター大苗
東部振興局 農林基盤部
木村 博志
定的な確保に支障を来すだけでなく、決壊した場
合は人家や農地、農業用施設、道路などへの甚大
な被害が予想されます。
こうした中、地元から改修工事を要望する声が
あがったため振興局では今年度の工事着手、30
年度の完成を目指しています。
改修により、農業用水が確保され安心して農業
を続けることができるとともに、地震や豪雨によ
る被害防止が図られ
ます。
地元の期待に応え
るため、振興局では
早期の完成に向けて
取り組んでいきま
す。
改修される鷲野尾池
畜産振興課
植木 智也
8月22日、豊後大野市犬飼町の㈱大分県畜産 強い情勢の中で、他市場より高単価で取引される
公社で、新食肉処理施設が稼働を始めました。本 など生産者の所得向上に貢献するものと期待して
施設では、高度な衛生管理基準であるHACCP(ハ います。
サップ)方式を導入することにより、牛肉・豚肉
の品質や安全性を一層高め、欧米等への輸出認定
の取得を目指すなど、国内外への更なる販路拡大
を進めていくこととしています。
また、県民に開かれた学びの場として、来年2
月頃からは一般消費者などの見学を受け入れるこ
ととしており、県産畜産物への信頼性をより一層
高めるとともに、食育の場としても機能すること
が期待されます。
10月17日には県内初となる牛枝肉のセリ取引
が開始され、県内外の多くの購買者により活発な
取引が行われました。セリ取引は、今後も毎月第
生産者の所得向上への貢献が期待されるセリ取引
3月曜日の開催を予定しており、依然引き合いの
-7-
農林水産部現地情報(第31号)
平成28年12月8日
東部振興局 農山漁村振興部
県では野生鳥獣による農林水産物被害の防止を
図っており、その一つとして捕獲したイノシシや
シカの肉を活用する「獣肉利活用」の推進に向け、
ジビエ料理の普及に取り組んでいます。
東部地区森林・林業活性化協議会では、別府溝
部学園高等学校の食物科の生徒とコラボして、ジ
ビエ料理の普及に向けた活動を行っています。
まず、同校に杵築市のフランス料理店のシェフ
を招き、ジビエ特有の調理方法を学びました。そ
の成果を元に、10月には別府市で開催された県
農林水産祭に「高校生ジビエレストラン」を出店
し、来場された皆様にジビエ料理の美味しさや魅
力をアピールしました。11月には、振興局が重
点的に鳥獣害対策を実施する集落に指定している
別府市内竈地区で開催される「堂面棚田文化祭」
において、ジビエ料理を提供しました。
芦原 義伸
食物科の生徒の多くは、卒業後は調理師として
ホテルやレストラン等へ就職します。ジビエの調
理方法に精通することで、将来、ジビエ料理の普
及と利活用の拡大に一役買ってもらえるものと期
待しています。
県内では、昨年度イノシシとシカを合わせて7
万頭強を捕獲していますが、捕獲の増加に向けて
は、ジビエの
更なる利活用
が必要です。
振興局では
鳥獣被害の防
止に向け、今
後も積極的に
取り組んでい
きます。
ジビエ料理の普及に取り組む高校生
豊肥振興局 農山村振興部
乾しいたけの産地である竹田市直入町で、全国
品評会での農林水産大臣賞受賞を目標とする生産
者の有志らが、直入町
椎茸生産者自主研究グ
ループ「おのぼり会」(会
員16名)を結成しまし
結成した「おのぼり会」
た。
普及指導員も協力して6月1日に発足式を開催
しました。基調講演として、大臣賞受賞者を輩出
している豊後大野市三重町「日本一のなば山師に
なろう会」の2代目会長である小野祝保氏をお招
きし、グループ運営のコツと大臣賞を受賞するま
でのエピソードをお話し頂きました。小野氏から
は、会員の技術を全員で共有することや、会員間
や夫婦の絆の強さが重要であることを学びまし
た。
加茂 明子
秋子しいたけの発生が始まる前の9月14日に
は、県椎茸農協(OSK)の市場や朝地町の生産者の
ほだ場を視察した後、会長のほだ場で菌糸伸長状
況について研修しました。
「おのぼり会」の会員全員が技術向上に向け熱
心に取り組んでいる姿が、市やOSK竹田支部、
種駒メーカー等にも伝わり、関係者一体となり目
標に向かって取り組む体制が整いつつあります。
大臣賞までの道
のりは険しいです
が、東京での表彰
式に「おのぼり」
できるよう、普及
活動に取り組んで
行きます。
初研修会でみんな真剣!
南部振興局 農山漁村振興部
佐伯地域では、伐採・再造林を50年周期で繰
り返す「佐伯型循環林業」を推進しており、年間
約300haの再造林を行っています。この取組を
多くの方々に知って頂くため、佐伯広域森林組合
では例年、佐伯市民等を対象に森林体験教室を開
催しています。
今年は10月22日に佐伯市宇目で開催したとこ
ろ70名の参加がありました。特に今回は、住宅
に県産材を積極的に活用しているタマホーム㈱の
社員とご家族の皆さんにも、多数参加を頂きまし
た。
当日はあいにく雨天であったため、屋内で組合
職員がコンテナ苗の特長などを紹介しました。コ
ンテナ苗は、通常の苗と違い植栽の時期を選ばな
いため、近年注目されています。続いて振興局か
らは、森林が持つ土砂災害防止などの多面的機能
柳楽 郁美
について、模型を用いた実験などを通じて説明を
行いました。
参加者からは「森林の大切さが改めてわかった」
「コンテナ苗を植えてみたい」との声が多数聞か
れ、参加者の森林への理解が深まり、更なる再造
林の推進につながる有意義な教室となりました。
-8-
コンテナ苗に興味津々の参加者
農林水産部現地情報(第31号)
平成28年12月8日
西部振興局 農山村振興部
林業は他の産業に比べ労働災害の発生頻度が著
しく高く、安全作業の徹底による労働災害の防止
が大きな課題となっています。
振興局では林業事業体に対し、機会あるごとに
注意喚起を行ってきましたが、11月2日に管内
の伐採現場で死亡事故が発生してしまいました。
このため、振興局では日田労働基準監督署と連
携し、11月4日に「伐木・造材作業における労
働災害防止緊急対策会議」を開催し、市町や森林
組合の担当者、林業事業体の代表など52名が参
集しました。
会議では、当該事故の発生状況の説明と原因な
どを踏まえた災害防止策の指導を行いました。監
督署長からは「林業災害は通常では考えられない
行動が原因で発生することが多い。だからこそ、
日頃からの安全に対する徹底した意識付けが必
九重町の山林用苗木生産者の穴井豊水氏が、平
成27年度全国山林苗畑品評会で農林水産大臣賞
を受賞しました。
同品評会での大臣賞受賞は本県では5人目で、
植栽時期を選ばないことで近年注目されている
「コンテナ苗」の部門では初めてです。
氏は、スギのコンテナ苗の生産に県下で最も早
く取り組み、他の生産者に技術を普及するなど、
山林用苗木生産者の第1人者です。受賞の理由は、
根がよく発達し、地上部と地下部のバランスが良
いこと、コンテナへの挿し付け穴用器具の開発や
肥料の配合の研究を行ってきたことなどで、生産
にかける熱意の賜物と言えます。
10月26日には県に受賞報告を行い、これまで
のご苦労や今後の抱負などを披露していただきま
した。
公益財団法人イオン環境財団が、11月12日に
竹田市直入町で、森林資源の確保と再生を目的と
して植樹活動を行いました。
当財団は小売業大手のイオン㈱が中心となって
運営されており、平成2年の設立以来、地域社会
に貢献するという基本理念のもと、国内外で植樹
などの活動を行っています。今年6月に、本県並
びに竹田市と森林整備協定を締結したことによ
り、今後3年にわたり植樹活動(3ha×3年=9
ha)を行ってい
ただけることと
なりました。
当日は、地元
の小学生等150
人と県外からの
公募461人の計 美しい森への期待を込めた植樹活動
塚本 麻衣子
要 。」と力説していただき、最後に参加者全員で
「ご安全に!」の声かけを行いました。
しかし残念ながら、11月22日に再び管内の伐
採現場で死亡事故が発生してしまいました。相次
ぐ死亡事故に林業関係者は大きなショックを受け
ており、今こそ抜本的な対策が必要と考えている
ところです。
振興局では、これまでの
取組を真摯に検証し、労働
災害の根絶に向け、労働安
全意識の向上を関係者に徹
底させるとともに、安心し
て林業に取り組める職場づ
くりを進めていきます。
熱弁をふるう日田労働基準監督署長
森林整備室
岡部 佑樹
受賞は県下の苗木生産者の大きな励みになるも
のであり、特にコンテナ苗については県も増産を
推進していることから、他の生産者のお手本とな
り、さらに頑張っていただきたいと考えています。
県内の林業は本格的な主伐期に移行しつつあ
り、森林資源の循環利用のためには林業適地にお
ける再造林の徹
底が必要です。
県では、苗木生
産者と連携して
苗木の増産、特
にスギのコンテ
ナ苗の増産に取
り組んでいきま
す。
受賞した穴井豊水氏(左から2人目)
森との共生推進室
田中 孝
611人が参加し、3haの山にケヤキ、ヤマザク
ラ、ヤマモミジなど10種類の苗木7,400本を植
栽しました。3年間に渡り植樹活動を行うことに
より、将来は四季折々に美しい森になると期待し
ています。
県では今後も財団や市と連携し「県民総参加の
森づくり」を推進していきます。
-9-
3haにわたりケヤキ等を植栽
農林水産部現地情報(第31号)
平成28年12月8日
中部振興局 農山漁村振興部
県内唯一の水産系高等学校である県立津久見高
等学校海洋科学校では、小中学生への魚食普及や
地元水産物に興味を持つきっかけとするため、児
童・生徒による水産加工品の給食提供や出前授
業、マグロの解体実演を行っています。
9月28日には臼杵産のタチウオやハモ、野菜
を材料に生徒が一つずつ手作りした「すりみコロ
ッケ」約3,000食を市内の幼稚園と小中学校の給
食に提供したところ「とても美味しい」と好評で
した。併せて開催された海洋科3年生の男子生徒
3名による下北小学校5年生30名を対象にした出
前授業では、タチウオとハモの漁獲方法やコロッ
ケの作り方の説明、タチウオの三枚おろしの実演
などを行い、児童達の興味を惹いていました。
このような取組は生徒自身の食品製造や説明能
力のスキルアップが得られるだけでなく、活動の
三吉 泰之
積み重ねにより、卒業後、生徒が県内水産業の実
践力となる担い手に育つことが期待されます。
振興局では、引き続き水産教室による漁業体験
の場の提供や水産現場の情報発信などに支援して
いきます。
三枚おろし実演中の生徒
給食のすりみコロッケ
南部振興局 農山漁村振興部
日本の朝の食卓と言えば、魚の開きや丸干しな
どの干物が思い浮かびます。佐伯市米水津・蒲江
地区は干物加工の産地であり、20社近くの水産
加工業者がアジの開きやみりん干し、イワシの丸
干しなど美味しい干物を届けようと日々奮闘して
います。
しかし最近では、干物の消費量は減少傾向にあ
り、佐伯市の水産加工業者や関係漁協支店で構成
する県水産加工業振興協議会では、子どもの頃か
ら干物の美味しさを知ってもらうことで消費拡大
を図ろうと、平成25年度から小学生を対象に「七
輪を使った干物焼き体験学習」を実施しています。
今年度は10月6日に切畑小学校(3,4年生 )、
11日に大入島小学校(全校生徒)で開催し、2
月までに市内外の4校で随時開催していく予定で
す。
農林水産研究指導センター水産研究部では「ヒ
ジキ資源増大のための手引き」を作成し、9月に
ホームページに掲載しました。
(「ヒジキ 手引き」
で検索、またはhttp://www.pref.oita.jp/soshik
i/15090/hijiki-tebiki.html参照)
ヒジキは県沿岸のほぼ全域に分布していますが、
かつては採る人があまりいませんでした。しかし、
近年の漁船漁業の不振や国産ヒジキの価格高騰など
により、ヒジキの採取量は10年前の約2倍となる2
00トン前後(乾重)にまで増加しています。今後、
乱獲による資源の減少が懸念されることから、ヒジ
キを持続的に採取するための管理方法や現場ででき
る増殖手法の確立とその普及が必要でした。
手引きは、1.ヒジキの生態、2.建材ブロックを
用いた増殖、3.競合海藻の駆除と岩盤清掃、4.資
源保護と有効利用、5.ヒジキへの主な付着生物(植
田西 三希子
体験学習では加工業者の社員が講師となり、干
物の製造方法について説明した後、子どもたちが
自ら七輪で干物を焼きました。七輪を使うと、身
はふっくらとし、皮は香ばしく、一層美味しくな
ります。子どもたちは最初、魚の骨に苦戦します
が、取り方を覚え
れば、お代わりす
るほど食べる様に
なり、干物の美味
しさが伝わってい
ることが実感でき
ました。
今後も水産加工
品の美味しさをPR
する活動を支援
し て い き ま す 。 七輪でイワシ丸干しを焼く小学生
農林水産研究指導センター水産研究部
浅海・内水面グループ 伊藤 龍星
物)6.同(動物)で構成されており、現場で実践
できるヒジキの増殖や資源保護、有効利用の方法
などが中心となっています。
海藻の資源管理の概念自体がまだ全国的に珍し
く、ヒジキでは初めての手
引き書です。掲載して2日
間で511件のアクセスを頂
き、反響の大きさに驚いて
います。
ヒジキ増殖に取り組んで
いる担い手のみなさんには
もちろん、漁船漁業等が中
心で、これまでヒジキの採
取経験のないベテランの漁
師さんにも読んで頂きたい 「ヒジキ資源増大の
ための手引き」表紙
と思います。
-10-
農林水産部現地情報(第31号)
10月5日~7日の3日間、太田副知事を団長と
する㈱兵殖や県椎茸農協、全農おおいたなど19
名の訪問団がロサンゼルスを訪れ、レストラン渋
味(Shibumi)での「大分県産食材プロモーショ
ン(商談会)」や、回転寿司チェーンGatten Su
shiと日本料理店Wadatsumiでの「おおいた豊後
牛フェア」を行いました。
商談会では、出展企業の食材を使用した料理を
バイヤーに振る舞い、県産品の味を知って頂いた
ことにより、乾しいたけや柚子ごしょう等で商談
が成立しました。
Gatten Sushiの全4店舗では、10月7日~1
6日の間、おおいた豊後牛の炙り寿司(3.95$/2
貫)を提供するフェアを開催しました。初日に「お
おいた豊後牛取扱店認定証」贈呈式を行い、現地
ラジオ局などの取材を受けました。
9月10日の仙台市「気仙沼さんままつり」、2
2日の山形市「気仙沼さんままつりin山形」にお
いて、東京を飛び出して東北でも大分かぼすのP
Rを行いました。仙台は8年目、山形は5年目で、
継続した取組によりかぼすは東北にも浸透してき
ています。
焼きさんまにかぼすをギュッとしぼると、参加
者からは「爽やかで美味しい」「さんまを引き立
てる絶妙な酸味!」との声が聞かれ、大好評でし
た。カットしたかぼすは「そのまま食べても美味
しい!」との声も多く、東北の方々のかぼすへの
興味の高さがうかがえました。
特に、山形市のかぼす人気は高く、会場では毎
年、販売も行っていますが、昨年の2倍程度準備
したかぼす青果は販売開始後まもなく、加工品も
数時間で売り切れました。市内にあるスーパーの
10月2~3日、関西での日田梨の知名度向上と
販路拡大に向け、市場関係者や販売店と産地が連
携して「日田梨販売促進キャンペーン」を実施し
ました。場所は大阪市中央卸売市場で、場内仲卸
10社への販促活動を行いました。
イズミヤ西宮ガーデンズ店(兵庫県西宮市)で
は、日田梨部会長や日田梨研究同志会、婦人部に
よる「新高」の試食宣伝を実施し、来店客に日田
梨の魅(味)力をPRしました。多くのお客様にご購
入頂き、午後3時には約150パックが完売するな
ど大変好評でした。また、売り場に立った生産者
からは「消費者の生の声が聞けて大変勉強になっ
た。継続して試食宣伝活動を行いたい」など前向
きな声を聞くことができました。
日田梨の産地では、県が開発した「流線型仕立」
による改植が進んでいます。この方法で栽培する
平成28年12月8日
おおいたブランド推進課
鹿島 和之
Wadatsumiでは10月3日~16日の間、おお
いた豊後牛のコース料理(65$)を提供し、期間
中はFacebookなどSNSでの情報発信により知名
度向上を図りました。
11月15日に在バンクーバー日本国総領事公邸
で開催した「大分県食品輸出商談会inバンクーバ
ー」には県内企業4社が参加し、おおいた豊後牛
や養殖ブリ、乾しいたけ、柑橘類に加え、8月に
輸出が解禁されたばかりの梨の商談も行いまし
た。
今後は新たに築
い た輸出ルートを
拡 充させ、北米向
け のさらなる輸出
拡 大を図っていき
ます。
商談会で料理を試食するバイヤー
東京事務所
西水 良太
青果売り場には青果だけでなく、果汁も陳列され
るほど人気があり、お隣の福島県でも今年から大
手スーパーで販売が開始されるなど広がりを見せ
ています。
今後もかぼす生産者の所得向上のため、東北で
の更なるPRと販路開拓に取り組んでいきます。
仙台市の楽天koboスタジ
アム宮城でのかぼすPR
かぼすを食べる山形市の
かぼすファンの少年
大阪事務所
加藤 幸太郎
と、収穫できるようになるまでの期間が短縮でき
る、実の糖度が増す、大きさがそろう、という効
果があります。
イズミヤがこの特長に着目し、流線型仕立栽培
の「あきづき」を2店舗で初めて販売したところ
「甘くて美味しい!」と好評であったことから、
同社のプライベートブランド商品として販売する
ことが決定しました。
今後も、市場関係者
・販売店と産地が連携
した販促キャンペーン
を実施し、戦略品目で
ある梨のブランド化や
販売店と連携した産地
づくりに努めていきま
生産者等による試食宣伝
す。
-11-
農林水産部現地情報(第31号)
高病原性鶏インフルエンザ(HPAI)が、11月に
青森県と新潟県の養鶏場で発生しました。国内各
地の野鳥からもHPAIウイルスが相次いで分離さ
れており、県内での発生リスクが一段と高まって
いると考えられます。
県では、県域や振興局単位での防疫演習に加え、
11月2日に県全体演習を行いました。
演習目的は同時発生時の組織体制や初動対応の
検証とし、演習想定は中部振興局管内のA市でH
PAIの1例目が発生、初動防疫作業中に隣接する
B市で2例目の疑い事例が発生としました。
演習会場を2分し、1例目と2例目の防疫作業
の従事者を受け入れる動線の確認や防護服の着脱
訓練などにより、同時発生に対する危機管理対応
力の向上を図りました。
今後は、演習で得られた成果や課題を整理し、
平成28年12月8日
畜産振興課
河野 泰三
改善点を防疫マニュアル等に反映することで、よ
り迅速・的確な初動防疫対応につなげます。
HPAIなど特定家畜伝染病のまん延防止には、
「発生の予防」、「早期の発見・通報」及び「迅速
・的確な初動対応」が極めて重要です。畜産関係
者は農場の防疫体制を再確認するとともに、家き
んの異常を発見した場合には直ちに家畜保健衛生
所へ連絡してください。
防護服の迅速で正しい着脱に向けた訓練
森林整備室
相良 好宣
10月21日に、県とタマホーム㈱、県森林再生 いことから、今回の協定締結につながりました。
機構(事務局:県森林組合連合会)の3者で「花
知事からは「再造林を進める上で、とても大き
粉の少ない苗木による再造林(伐採跡地への造林) な力になる。地元で力を合わせて美しい森林をつ
の推進に関する協定」を締結しました。
くりたい」とのコメントがありました。
協定は平成33年度までの5年間で、同社がCS
R(企業の社会的責任)活動の一環として初年度
は本県へ600万円を寄付し、これを活用して県
と機構が花粉の少ないスギ苗木の植栽を推進する
というものです。
森林の公益的機能を保全し、持続的な林業経営
を行うには、再造林の徹底が必要です。県と機構
では再造林のコスト削減や支援拡充を図っていま
すが、今回の協定により、再造林の徹底と花粉症
協定を締結した3者
発生源の縮減が一層進むと期待しています。
タマホーム㈱
県森林再生機構
同社は施工住宅に国産材を多く使用しており、
玉木会長(中央)
岩﨑理事長(右)
本県からの調達率は約25%を占め全国で最も高
漁業管理課
安樂 康宏
減少傾向にある水産物消費を盛り上げて、消費 食店へも取組を拡大させ、県産魚の消費拡大を図
者に「県産魚を知って、買って、食べてもらうき っていきたいと考えています。
っかけの日」とするため、県魚市場連合会や水産
物小売業組合(鮮魚店等 )、県漁協、県などの水
産業界が一体となって実行委員会を組織し、毎月
第4金曜日を「おおいた県産魚の日」と定めまし
た。
第1回目となる10月28日(金)には、大分市公
設卸売市場で開始記念セレモニーを開催し、これ
まで以上に消費者へ美味しい魚を全力でお届けす
ることを力強く宣言したほか、本格出荷を迎える
「かぼすブリ」の旬入り宣言を行い、県内協賛店
462店舗で特売を実施しました。
今後、毎月第4金曜日は「おおいた県産魚の日」
太田副知事に「おおいた県産魚の日」の取組を宣言
として、県内の鮮魚店で県産魚の販売促進により
消費者への定着を図っていくほか、学校給食や飲
-12-
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