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JP 2010-227038 A 2010.10.14 10 (57)【要約】 【課題】シュー生地の

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JP 2010-227038 A 2010.10.14 10 (57)【要約】 【課題】シュー生地の
JP 2010-227038 A 2010.10.14
(57)【要約】
【課題】シュー生地の配合を調整するだけの簡単な方法で成型容器を使用せずとも自身が
意図する外観、形状を実現し空洞形成に優れたシュー皮を得ることができるシュー生地の
製造法を提供する事にある。
【解決手段】酸性の水溶液及び/又は酸性の水中油型乳化物を加配しシュー生地のpHを
40℃において5.6∼7.3に調整することを特徴とするシュー生地の製造法であり、
焼成前のシュー生地を真上から見た形状と焼成後のシュー皮を真上から見た形状が略相似
形状であり、酸性の水中油型乳化物が油脂分3∼50重量%及び蛋白質分1∼15重量%
である、シュー生地の製造法であり、当該シュー生地を焼成するシュー皮の製造法である
。
【選択図】なし
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸性の水溶液及び/又は酸性の水中油型乳化物を加配しシュー生地のpHを40℃におい
て5.6∼7.3に調整することを特徴とするシュー生地の製造法。
【請求項2】
酸性の水中油型乳化物のpHが30℃において4.6∼6.8である、請求項1記載のシ
ュー生地の製造法。
【請求項3】
焼成前のシュー生地を真上から見た形状と焼成後のシュー皮を真上から見た形状が略相似
形状である、請求項1記載のシュー生地の製造法。
10
【請求項4】
シュー生地全体に対して酸性の水中油型乳化物が5∼40重量%加配されている、請求項
1記載のシュー生地の製造法。
【請求項5】
酸性の水中油型乳化物が油脂分3∼50重量%及び蛋白質分1∼15重量%である、請求
項1記載のシュー生地の製造法。
【請求項6】
請求項1∼請求項5何れか1項に記載の製造法で得られたシュー生地を焼成するシュー皮
の製造法。
【発明の詳細な説明】
20
【技術分野】
【0001】
本発明は、シュー生地の製造法に関し、更に詳しくは自身が意図する外観、形状を実現
し空洞形成に優れたシュー皮を得ることができるシュー生地の製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にシュー皮は水に油脂類を入れ、沸騰させた後、小麦粉を混ぜて攪拌し、生地の状
態を把握しながら全卵を何回かに分けて添加しシュー生地を調製し、その後焼成すること
によって得られる。このシュー皮はキャベツに似た形状で多くの人に親しまれている。
一方で市場からは、昨今の消費者志向の多様化に伴い、風味もさることながら新規な形
30
状を有し、しかも市場からの大量の需要要求に応える為の簡単な方法でのシュー皮の製造
方法に対する要求はきわめて大きいものがある。
特許文献1では内部に空洞部を有するシュー皮と、該シュー皮の下部を被覆するパイ皮
と、該シュー皮の下部以外の表面に複数散在するパイ皮断片とからなることを特徴とする
複合菓子が提案されている。
しかしながら、上記方法によれば確かにシュー皮とパイの二つの食感を有し、形状とし
ても趣向がこらされているが、パイ生地を別途用意する必要がある上にその配合比率も特
定の比率に規定されているし、パイ生地との組み合わせ作業が煩雑であるため、簡単な方
法とは言い難い。
特許文献2では2個以上のシューが結着して成る2個以上の空洞を持つシュー菓子が提
40
案されている。
この提案は、外見上従来にない珍しい形状をしており、且つ空洞が2つ以上あるため、
複数の味が楽しめるという利点もあるが、やはり工程上2回以上、間隔を調整して絞る手
間が発生するため簡単な方法ではなかった。
特許文献3では線状生地を塊状に成型し、表面に線状形状を残した状態で焼成してなる
シュー生地が提案されている。これは興味深い提案であるが本願発明とは異質な発明であ
る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
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【特許文献1】特開2000−157150号公報
【特許文献2】特開2003−102387号公報
【特許文献3】特開2007−061085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、シュー生地の配合を調整するだけの簡単な方法で成型容器を使用せず
とも自身が意図する外観、形状を実現し空洞形成に優れたシュー皮を得ることができるシ
ュー生地の製造法を提供する事にある。
【課題を解決するための手段】
10
【0005】
本発明者らは鋭意研究を行った結果、意外にも酸性の水溶液及び/又は酸性の水中油型
乳化物を加配してシュー生地のpHを酸性側又は中性側に調整することによって、本発明
の目的を達成し本発明を完成するに至った。
即ち本発明の第1は、酸性の水溶液及び/又は酸性の水中油型乳化物を加配しシュー生
地のpHを40℃において5.6∼7.3に調整することを特徴とするシュー生地の製造
法である。第2は、酸性の水中油型乳化物のpHが30℃において4.6∼6.8である
、第1記載のシュー生地の製造法である。第3は、焼成前のシュー生地を真上から見た形
状と焼成後のシュー皮を真上から見た形状が略相似形状である、第1記載のシュー生地の
製造法である。第4は、シュー生地全体に対して酸性の水中油型乳化物が5∼40重量%
20
加配されている、第1記載のシュー生地の製造法である。第5は、酸性の水中油型乳化物
が油脂分3∼50重量%及び蛋白質分1∼15重量%である、第1記載のシュー生地の製
造法である。第6は、第1∼第5何れか1に記載の製造法で得られたシュー生地を焼成す
るシュー皮の製造法である。
【発明の効果】
【0006】
成型容器を使用せずとも自身が意図する外観、形状を実現し空洞形成に優れたシュー皮
を得ることができるシュー生地の製造法及び当該製造法で得られたシュー皮を提供する事
が可能になった。
具体的にはシュー皮の外観、形状が球状、ドーム状、棍棒状、稲荷寿司状、座布団状、
30
角揚げ状、セルクル型形状であったり、ハート型、星型、花形等であり、このような外観
、形状がバラエティに富んだシュー皮を提供する事が可能になった。
又、当該シュー皮を製菓(洋菓子、和菓子)、冷菓、デザート類の食品に使用すること
により食の多様化に貢献できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施例1の焼成前のシュー生地の形状と焼成後のシュー皮の形状を示す模式図(
・焼成前のシュー生地の斜視図、・焼成後のシュー皮の斜視図、・焼成前のシュー生地を
真上から見た形状、・焼成後のシュー皮を真上から見た形状、)
【図2】比較例5の焼成前のシュー生地の形状と焼成後のシュー皮の形状を示す模式図(
40
・焼成前のシュー生地の斜視図、・焼成後のシュー皮の斜視図、・焼成前のシュー生地を
真上から見た形状、・焼成後のシュー皮を真上から見た形状、)
【図3】比較例6の焼成前のシュー生地の形状と焼成後のシュー皮の形状を示す模式図(
・焼成前のシュー生地の斜視図、・焼成後のシュー皮の斜視図、・焼成前のシュー生地を
真上から見た形状、・焼成後のシュー皮を真上から見た形状、)
【図4】実施例11の焼成前のシュー生地の形状と焼成後のシュー皮の形状を示す模式図
(・焼成前のシュー生地の斜視図、・焼成後のシュー皮の斜視図、・焼成前のシュー生地
を真上から見た形状、・焼成後のシュー皮を真上から見た形状、)
【図5】実施例12の焼成前のシュー生地の形状と焼成後のシュー皮の形状を示す模式図
(・焼成前のシュー生地の斜視図、・焼成後のシュー皮の斜視図、・焼成前のシュー生地
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を真上から見た形状、・焼成後のシュー皮を真上から見た形状、)
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明のシュー生地の製造法としては、油脂類、小麦粉、卵類及び水を主要原料とし、
酸性の水溶液及び/又は酸性の水中油型乳化物を加配しシュー生地のpHを40℃におい
て5.6∼7.3に調整することにより得ることが出来る。
通常のシュー生地配合は、油脂類、小麦粉、卵類及び水を主要原料とし小麦粉の一部を
米粉に代替えしても良く、例えば、小麦粉(一部米粉を含む)100部に対して、油脂類
60∼130部、卵類180∼240部、水100∼180部を使用するものであるが、
本発明のシュー生地にあってはpHを5.6∼7.3に調整する必要があり、通常のシュ
10
ー生地配合よりは水を多く配合したものが好ましい。
【0009】
本発明の酸性の水溶液としては有機酸液、醸造酢液、果汁が例示でき、有機酸としては
乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸等、及びそれら有機酸の塩などが挙げられる。
本発明の酸性の水中油型乳化物としては油脂、蛋白質及び水を含む乳化物であってpH
が30℃において4.6∼6.8であるのが好ましい。
何れにしても酸性の水溶液及び/又は酸性の水中油型乳化物を加配してシュー生地のp
Hが40℃において5.6∼7.3であり、好ましくは5.8∼7.3であり、更に好ま
しくは6.0∼7.1に調整する必要がある。pHが低すぎると焼成後のシュー生地が空
洞を有さなくなってしまい、pHが高すぎるとシュー皮の生地が膨らみすぎてしまい、従
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来のシュー生地同様、焼成前のシュー生地を真上から見た形状と焼成後のシュー皮を真上
から見た形状が略相似形状にならなくなる。
【0010】
本発明のシュー生地の製造に際しては、油脂類、小麦粉、卵類及び水を主要原料とし、
酸性の水溶液及び/又は酸性の水中油型乳化物を加配するのであるが加配時機については
何れの時機であっても良く、作業性とpHの調整においてシュー生地調製の最終段階に加
配するのが好ましい。具体的には、ミキサーボウル等の容器に油脂類、水を入れ沸騰し、
これを縦型ミキサーに設置して小麦粉を加えてよく混合し、その後、卵類、酸性の水溶液
及び/又は酸性の水中油型乳化物を加えて混合してシュー生地を得ることが出来る。
シュー生地製造装置としては、手鍋、縦型ミキサー、横型ミキサー等のバッチ方法でもニ
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ーダー、エクストルーダ―等の連続式の何れも採用することが出来る。
【0011】
本発明の油脂類としては、バター、マーガリン、ショートニング、ラードや各種のシュ
ー用乳化油脂(シュー用マーガリン)が例示でき、これらは油中水型乳化物であるか又は
油脂そのものであり、原料油脂としては、菜種油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落
花生油、米ぬか油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、ゴマ油、月見草
油、パーム油、シア油、サル脂、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油等の植物性油脂並びに乳
脂、牛脂、ラード、魚油、鯨油等の動物性油脂が例示でき、上記油脂類の単独または混合
油あるいはそれらの硬化、分別、エステル交換等を施した加工油脂を使用することができ
る。
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【0012】
本発明の小麦粉としては、薄力粉、中力粉、強力粉が例示でき、これらの単独または2
種以上を混合使用することができる。
本発明の卵類としては、液状の全卵、液状の卵黄、液状の卵白、またはこれらの加糖卵、
冷凍卵が例示でき、これらの単独または2種以上を混合使用することができる。
【0013】
本発明のシュー生地の製造法としては、油脂類、小麦粉、卵類及び水を主要原料とし、
酸性の水溶液及び/又は酸性の水中油型乳化物を加配しシュー生地のpHを5.6∼7.
3に調整することにより得るのであるが、好ましい態様としては酸性の水中油型乳化物が
油脂、蛋白質及び水を含む乳化物であってpHが30℃において4.6∼6.8であるの
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が好ましい。
更に酸性の水中油型乳化物が乳酸発酵されているのが好ましい。当該乳化物を加配する
ことによりシュー皮の風味が良くなる。
【0014】
乳酸発酵された酸性の水中油型乳化物の製造法としては、油脂、蛋白質及び水を含む水
中油型乳化物を乳酸発酵し、pHを30℃において4.6∼6.8の範囲に調整したもの
であり、水中油型乳化物は、通常、予備乳化、均質化、殺菌、冷却の工程を経て、15℃
∼45℃で乳酸発酵に供される。乳酸発酵に供する乳酸菌の種類としては、代表的にはラ
クトバチルス属の単独菌、またはラクトバチルス属と高温菌に分類されるストレプトコッ
カス属の混合菌が例示できるが、その他、如何なる乳酸菌であってもよい。
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【0015】
乳酸発酵された水中油型乳化物に使用する油脂としては、食用のものであれば特に制限
なく自由に選択でき、種類は問わない。融点が少なくとも5℃以上、好ましくは15∼4
0℃であり、更に好ましくは20∼38℃のものが好適であり、油脂原料としては、例え
ば、菜種油、大豆油、ひまわり種子油、綿実油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワ
ー油、オリーブ油、カポック油、ゴマ油、月見草油、パーム油、パーム核油、ヤシ油等の
植物性油脂ならびに乳脂、牛脂、豚脂、魚油、鯨油等の動物性油脂が例示でき、これらの
油脂類の単独または混合油あるいはそれらの硬化分別油、ならびに酵素エステル交換、触
媒によるランダムエステル交換等を施した加工油脂が使用できる。
乳酸発酵された水中油型乳化物の油脂分としては、3∼50重量%が好ましく、より好
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ましくは5∼40重量%であり、更に好ましくは10∼30重量%である。油脂分が少な
いと乳酸発酵された水中油型乳化物を加配する効果である風味の付与が得難くなり、油脂
分が多すぎると乳酸発酵された水中油型乳化物がボテ状となったり、場合によっては油脂
分離に至ることもあり、シュー生地への混合が難しくなり、得られるシュー皮も表面が油
浮きし、シュー皮の空洞が空きにくくなってしまう。
【0016】
乳酸発酵された水中油型乳化物に使用する蛋白質としては、牛乳、脱脂乳、加糖練乳、
無糖練乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、バターミルク、バターミルクパウダー、ホエー、ホエー
パウダー、カゼイン、カゼインナトリウム、ラクトアルブミン、生クリーム、バター、ナ
チュラルチーズ、プロセスチーズ、ヨーグルト、サワークリーム等乳由来の蛋白質が例示
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でき、乳以外の蛋白質として卵蛋白質、大豆蛋白質も例示できる。卵蛋白質としては、液
状あるいは乾燥された卵黄、卵白、全卵及びこれらより分離される単一(単純) 蛋白質
、例えばオボアルブミン、コンアルブミン、オボムコイド、オボグロブリン等がある。大
豆蛋白質としては、豆乳、脱脂大豆粉、濃縮大豆蛋白、分離大豆蛋白、脱脂豆乳粉末、大
豆蛋白加水分解物等がある。
好ましくは、牛乳、脱脂乳、加糖練乳、無糖練乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、バターミルク
、バターミルクパウダー、ホエー、ホエーパウダー、カゼイン、カゼインナトリウム、ラ
クトアルブミン、生クリーム、バター、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ、ヨーグルト
、サワークリーム等乳由来の蛋白質が好ましい。
乳酸発酵された水中油型乳化物の蛋白質分としては、1∼15重量%が好ましく、より
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好ましくは2∼13重量%であり、更に好ましくは3∼10重量%である。蛋白質分が少
ない場合は発酵が浅くなり風味の醸成が十分に得られず乳酸発酵された水中油型乳化物を
加配する効果である風味の付与が得難くなる。多すぎると発酵後の蛋白質の凝集が著しく
なり、最終の水中油型乳化物におけるザラツキの発生が見られ、シュー生地中に水中油型
乳化物が分散し難くなり、得られるシュー皮の表面が斑状に焼き上がってしまう。
【0017】
乳酸発酵された水中油型乳化物の最も好ましい態様は、油脂分3∼50重量%であり、
蛋白質分1∼15重量%であって、pHが30℃において4.6∼6.8に調整されたも
のであり、且つ、油脂分が15重量%以下の低油脂分の場合は相対的に蛋白質分が多く(
蛋白質分÷油脂分)の値が0.7∼3.0であり、油脂分が15重量%を超える油脂分の
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場合は相対的に蛋白質分が少なく(蛋白質分÷油脂分)の値が0.05∼0.7が良い。
【0018】
本発明のシュー生地は、油脂類、小麦粉、卵類及び水を主要原料とし、酸性の水溶液及
び/又は酸性の水中油型乳化物を加配しシュー生地のpHを40℃において5.6∼7.
3に調整することにより得るのであるが、好ましい態様としては酸性の水中油型乳化物が
油脂、蛋白質及び水を含む乳化物であってpHが30℃において4.6∼6.8であるの
が好ましく、シュー生地全体に対して酸性の水中油型乳化物が5∼40重量%が好ましく
、より好ましくは7∼35重量%であり、更に好ましくは10∼30重量%である。酸性
の水中油型乳化物が少ないとシュー皮の生地が膨らみすぎてしまい、従来のシュー生地同
様、焼成前のシュー生地を真上から見た形状と焼成後のシュー皮を真上から見た形状が略
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相似形状にならなくなり、多すぎると焼成前のシュー生地を真上から見た形状と焼成後の
シュー皮を真上から見た形状が略相似形状になるが、焼成後のシュー生地が空洞を有さな
くなってしまう。
【0019】
本発明の自身が意図する外観、形状を実現し空洞形成に優れたシュー皮の製造法として
は、上記した要領で即ち油脂類、小麦粉、卵類及び水を主要原料とし、酸性の水溶液及び
/又は酸性の水中油型乳化物を加配しシュー生地を得、当該シュー生地を絞り出したり、
又はアルミ製、シリコンゴム製、ゴム製で出来た既存のシェブロンと呼ばれる丸型や小判
型に打ち抜かれた部分に当核シュー生地をすり込み、シェブロンを外して焼成する事によ
り得る事が出来る。更に好みの動物、花等のシェブロンと言われるすり込み板を作製すれ
20
ばバラエティーに富んだ形状のシュー皮が作製出来る。
尚これらは絞り出しは当然のことシャブロンに代えてステンシルモルダーを使用すれば
大量生産が可能となる。
そして本発明のシュー皮は焼成前のシュー生地を真上から見た形状と焼成後のシュー皮
を真上から見た形状が略相似形状であることを特徴とするものである。
【0020】
本発明のシュー皮を得るためのシュー生地の焼成方法としては、具体的にはオーブンを
用いて、上火170℃∼180℃、下火200℃∼220℃を条件とし、ダンパーは開閉
どちらとも焼成可能である。また、本発明のシュー生地は従来のシュー生地よりも焼成品
の色が黄銅色になり、美味しそうな明るいキツネ色に近くなる。特に水中油型乳化物を添
30
加した際には水中油型乳化物中の乳固形分の影響により、焼き色がより付き易い傾向があ
る。
【実施例】
【0021】
以下に本発明の実施例を示し本発明をより詳細に説明するが、本発明の精神は以下の実
施例に限定されるものではない。なお、例中、%及び部は、いずれも重量基準を意味する
。また、結果については以下の方法で評価した。
【0022】
シュー生地及びシュー皮の評価
シュー生地を700g絞り袋に入れ、生地を幅3.5cm×厚さ3mmの平口金を使用
40
し、天板上に5cmの長さに絞りだす(1個の重量:9∼10g)。絞り出してから観察
時間5分で生地の状態を評価した。
別途同じ要領で天板上に絞りだし、オーブンで上火/下火、180℃/210℃で約1
9∼20分間焼成してシュー皮を得た後シュー皮を評価した。
シュー生地を以下の基準で評価した。
(生地の硬さ:シュー生地の硬さ)
4:絞り出したとき良好な硬さ
3:絞り出したとき問題のない硬さ
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2:絞り出せるが軟らかいか、又は硬い
1:絞り出せない軟らかさ、又は硬さ
(生地のダレ:シュー生地を絞り、焼成までの経時変化:観察時間5分)
4:絞り出した後、絞り形状をそのまま留めている
3:絞り出した後、絞り形状をある程度留めている
2:絞り出した後、絞り形状をほとんど留めていない
1:絞り出した後、絞り形状を全く留めていない
【0023】
シュー皮を以下の基準で評価した。
10
(外観:焼成品の絞り形状との相似度合い)
4:絞り形状をそのまま留めている
3:絞り形状をある程度留めている
2:絞り形状をほとんど留めていない
1:絞り形状を全く留めていない
(外観:焼成品の色づき方)
4:非常に良好
3:良好
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2:幾分悪い
1:悪い
(空洞)
4:皮の厚みが適当で均一な内装を有し空洞が良好。
3:空洞の一部に(クモの巣状の部分)がみられるが、膜の厚みは均等である。
2:スの部分がかなり多かったり、膜が厚かったり、薄かったりする。
1:スの部分が多く、膜も厚い。
(風味)
30
4:非常に良好
3:良好
2:幾分悪い
1:悪い
【0024】
(評価)
本発明にとって重要ポイントとなる外観(焼成品の絞り形状との相似度合い)及び空洞
については評価点に2倍した点数を評価点とし、生地の硬さ、生地のダレ、外観(焼成品
の色付き方)、風味評価点の全ての和を総合評価点とした。
総合評価は
40
+生地の硬さ評価点
+生地のダレ評価点
+外観(焼成品の絞り形状との相似度合い)評価点×2
+外観(焼成品の色づき方)評価点
+空洞評価点×2
+風味評価点
とした。
◎:32∼29点
○:28∼25点
△:24∼21点
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×:20点以下
pHは、デジタルpHメーターDPH−1(株式会社アタゴ製)にて測定した。
【0025】
実施例1
マーガリン(商品名:「ニューコンボル500」、不二製油株式会社製)80部、水1
70部をミキサーボール中で加熱し、沸騰させた後、加熱を止め、ふるいにかけた薄力粉
100部を加えて、高速にてミキシングし、次にほぐして30℃に加温した全卵220部
を4∼5回に分けて加え、高速でミキシングする。生地をしっかりと乳化させた後、30
℃に加温した乳酸発酵水中油型乳化物(商品名:「クレメフロマージュ」pH5.3、油
脂分21.6重量%、蛋白質分7.6重量%、水分59.0重量%、不二製油株式会社製
10
)150部を徐々に加え、混合を終了した。最終生地は44.8℃、pH6.4であり、
これを30分間生地温度40∼50℃で保存し、シュー生地を得た。
生地を幅3.5cm×厚さ5mmの平口金を使用し、5cmの長さに絞りだす(36個
平均9.3g/個)。上火/下火、180℃/210℃で約20分間焼成してシュー皮を
得た。
実施例1の生地配合
マーガリン 80部
水 170部
薄力粉 100部
全卵 220部
20
乳酸発酵水中油型乳化物 150部
上記シュー生地の状態とシュー皮の外観、空洞、風味について評価し表1に纏めた。
実施例1の焼成前のシュー生地の形状と焼成後のシュー皮の形状を示す模式図を図1に
示した。
【0026】
実施例2
マーガリン(商品名:「ニューコンボル500」、不二製油株式会社製)80部、水1
70部をミキサーボール中で加熱し、沸騰させた後、加熱を止め、ふるいにかけた薄力粉
100部を加えて、高速にてミキシングし、次にほぐして30℃に加温した全卵220部
を4∼5回に分けて加え、高速でミキシングする。生地をしっかりと乳化させた後、30
30
℃に加温した乳酸発酵水中油型乳化物(商品名:「クレームコルセRG」pH5.9、油
脂分20.0重量%、蛋白質分4.2重量%、水分68.4重量%、不二製油株式会社製
)150部を徐々に加え、混合を終了した。最終生地温は40.3℃、pH6.8となり
、これを30分間生地温度40∼50℃で保存し、シュー生地を得た。
生地を幅3.5cm×厚さ5mmの平口金を使用し、5cmの長さに絞りだす(36個
平均9.3g/個)。上火/下火、180℃/210℃で約19分間焼成してシュー皮を
得た。
実施例2の生地配合
マーガリン 80部
水 170部
40
薄力粉 100部
全卵 220部
乳酸発酵水中油型乳化物 150部
上記シュー生地の状態とシュー皮の外観、空洞、風味について評価し表1に纏めた。
【0027】
実施例3
マーガリン(商品名:「ニューコンボル500」、不二製油株式会社製)80部、水1
70部をミキサーボール中で加熱し、沸騰させた後、加熱を止め、ふるいにかけた薄力粉
100部を加えて、高速にてミキシングし、次にほぐして30℃に加温した全卵220部
を4∼5回に分けて加え、高速でミキシングする。生地をしっかりと乳化させた後、30
50
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℃に加温した乳酸発酵水中油型乳化物(商品名:「クレームコルセRG」pH5.9、油
脂分20.0重量%、蛋白質分4.2重量%、水分68.4重量%、不二製油株式会社製
)150部を徐々に加え、混合を終了した。最終生地品温は40.3℃、pH6.8とな
り、これを1時間半生地温度40∼50℃で保存し、シュー生地を得た。
生地を幅3.5cm×厚さ5mmの平口金を使用し、5cmの長さに絞りだす(36個平
均9.3g/個)。上火/下火、180℃/210℃で約19分間焼成してシュー皮を得
た。
実施例3の生地配合
マーガリン 80部
水 170部
10
薄力粉 100部
全卵 220部
乳酸発酵水中油型乳化物 150部
上記シュー生地の状態とシュー皮の外観、空洞、風味について評価し表1に纏めた。
【0028】
実施例4
マーガリン(商品名:「ニューコンボル500」、不二製油株式会社製)80部、水1
70部をミキサーボール中で加熱し、沸騰させた後、加熱を止め、ふるいにかけた薄力粉
100部を加えて、高速にてミキシングし、次にほぐして30℃に加温した全卵220部
を4∼5回に分けて加え、高速でミキシングする。生地をしっかりと乳化させた後、30
20
℃に加温したpH4.6のクエン酸溶液を徐々に加え、混合を終了した。最終生地温は4
2.5℃、pH5.8であり、これを30分間生地温度を40∼50℃で保存し、シュー
生地を得た。
生地を幅3.5cm×厚さ5mmの平口金を使用し、5cmの長さに絞りだす(36個
平均9.3g/個)。上火/下火、180℃/210℃で約20分間焼成してシュー皮を
得た。
実施例4の生地配合
マーガリン 80部
水 170部
薄力粉 100部
30
全卵 220部
クエン酸溶液 35部
上記シュー生地の状態とシュー皮の外観、空洞、風味について評価し表1に纏めた。
【0029】
実施例1∼実施例4の結果を表1に纏めた。
【表1】
40
【0030】
実施例5
50
(10)
JP 2010-227038 A 2010.10.14
マーガリン(商品名:「ニューコンボル500」、不二製油株式会社製)80部、水1
70部をミキサーボール中で加熱し、沸騰させた後、加熱を止め、ふるいにかけた薄力粉
100部を加えて、高速にてミキシングし、次にほぐして30℃に加温した全卵220部
を4∼5回に分けて加え、高速でミキシングする。生地をしっかりと乳化させた後、30
℃に加温した水中油型乳化物(商品名:「クレームコルセRG」pH6.6、不二製油株
式会社製の発酵処理前の調合液、油脂分20.3重量%、蛋白質分4.2重量%、水分6
8.3重量%)150部を徐々に加え、混合を終了した。最終生地品温は42.7℃、p
H7.3となり、これを30分間生地温度40∼50℃で保存し、シュー生地を得た。
生地を幅3.5cm×厚さ5mmの平口金を使用し、5cmの長さに絞りだし(36個平
均9.4g/個)、オーブンを用いて上火/下火、180℃/210℃で約19分間焼成
10
してシュー皮を得た。
実施例5の生地配合
マーガリン 80部
水 170部
薄力粉 100部
全卵 220部
水中油型乳化物 150部
上記シュー生地の状態とシュー皮の外観、空洞、風味について評価し表2に纏めた。
【0031】
実施例6
20
マーガリン(商品名:「ニューコンボル500」、不二製油株式会社製)80部、水1
70部、30℃に加温した乳酸発酵水中油型乳化物(商品名:「クレームコルセRG」p
H5.9、油脂分20.0重量%、蛋白質分4.2重量%、水分68.4重量%、不二製
油株式会社製)150部をミキサーボール中で加熱し、沸騰させた後、加熱を止め、ふる
いにかけた薄力粉100部を加えて、高速にてミキシングし、次にほぐして30℃に加温
した全卵220部を4∼5回に分けて加え、高速でミキシングする。生地をしっかりと乳
化させた後、混合を終了した。最終生地品温は42.5℃、pH6.8となり、これを3
0分間生地温度40∼50℃で保存し、シュー生地を得た。
生地を幅3.5cm×厚さ5mmの平口金を使用し、5cmの長さに絞りだし(36個平
均9.4g/個)、オーブンを用いて上火/下火、180℃/210℃で約19分間焼成
30
してシュー皮を得た。
実施例6の生地配合
マーガリン 80部
水 170部
薄力粉 100部
全卵 220部
乳酸発酵水中油型乳化物 150部
上記シュー生地の状態とシュー皮の外観、空洞、風味について評価し表2に纏めた。
【0032】
実施例7
40
マーガリン(商品名:「ニューコンボル500」、不二製油株式会社製)80部、水1
70部をミキサーボール中で加熱し、沸騰させた後、加熱を止め、ふるいにかけた薄力粉
100部を加えて、高速にてミキシングし、30℃に加温した乳酸発酵水中油型乳化物(
商品名:「クレームコルセRG」pH5.9、油脂分20.0重量%、蛋白質分4.2重
量%、水分68.4重量%、不二製油株式会社製)150部を3∼4回に分けて加える。
次にほぐして30℃に加温した全卵220部を4∼5回に分けて加え、高速でミキシング
する。生地をしっかりと乳化させた後、混合を終了した。最終生地品温は43.1℃、p
H6.8となり、これを30分間生地温度40∼50℃で保存し、シュー生地を得た。
生地を幅3.5cm×厚さ5mmの平口金を使用し、5cmの長さに絞りだし(36個平
均9.4g/個)、オーブンを用いて上火/下火、180℃/210℃で約19分間焼成
50
(11)
JP 2010-227038 A 2010.10.14
してシュー皮を得た。
実施例7の生地配合
マーガリン 80部
水 170部
薄力粉 100部
全卵 220部
乳酸発酵水中油型乳化物 150部
上記シュー生地の状態とシュー皮の外観、空洞、風味について評価し表2に纏めた。
【0033】
実施例8
10
マーガリン(商品名:「ニューコンボル500」、不二製油株式会社製)80部、水1
70部をミキサーボール中で加熱し、沸騰させた後、加熱を止め、ふるいにかけた薄力粉
100部を加えて、高速にてミキシングし、次にほぐして30℃に加温した全卵220部
を4∼5回に分けて加え、高速でミキシングする。生地をしっかりと乳化させた後、30
℃に加温した乳酸発酵水中油型乳化物(商品名:「クレームコルセRG」pH5.9、油
脂分20.0重量%、蛋白質分4.2重量%、水分68.4重量%、不二製油株式会社製
)60部を徐々に加え、混合を終了した。最終生地温は42.6℃、pH6.9となり、
これを30分間生地温度40∼50℃で保存し、シュー生地を得た。
生地を幅3.5cm×厚さ5mmの平口金を使用し、5cmの長さに絞りだす(36個平
均9.3g/個)。上火/下火、180℃/210℃で約19分間焼成してシュー皮を得
20
た。
実施例8の生地配合
マーガリン 80部
水 170部
薄力粉 100部
全卵 220部
乳酸発酵水中油型乳化物 60部
上記シュー生地の状態とシュー皮の外観、空洞、風味について評価し表2に纏めた。
【0034】
実施例5∼実施例8の結果を表2に纏めた。
【表2】
30
40
【0035】
実施例9
マーガリン(商品名:「ニューコンボル500」、不二製油株式会社製)80部、水17
0部をミキサーボール中で加熱し、沸騰させた後、加熱を止め、ふるいにかけた薄力粉1
00部を加えて、高速にてミキシングし、次にほぐして30℃に加温した全卵220部を
4∼5回に分けて加え、高速でミキシングする。生地をしっかりと乳化させた後、30℃
に加温した乳酸発酵水中油型乳化物(商品名:「クレームコルセRG」pH5.9、油脂
50
(12)
JP 2010-227038 A 2010.10.14
分20.0重量%、蛋白質分4.2重量%、水分68.4重量%、不二製油株式会社製)
100部を徐々に加え、混合を終了した。最終生地温は44.1℃、pH6.9となり、
これを30分間生地温度40∼50℃で保存し、シュー生地を得た。
生地を幅3.5cm×厚さ5mmの平口金を使用し、5cmの長さに絞りだす(36個平
均9.3g/個)。上火/下火、180℃/210℃で約19分間焼成してシュー皮を得
た。
実施例9の生地配合
マーガリン 80部
水 170部
薄力粉 100部
10
全卵 220部
乳酸発酵水中油型乳化物 100部
上記シュー生地の状態とシュー皮の外観、空洞、風味について評価し表3に纏めた。
【0036】
実施例10
マーガリン(商品名:「ニューコンボル500」、不二製油株式会社製)80部、水1
70部をミキサーボール中で加熱し、沸騰させた後、加熱を止め、ふるいにかけた薄力粉
100部を加えて、高速にてミキシングし、次にほぐして30℃に加温した全卵220部
を4∼5回に分けて加え、高速でミキシングする。生地をしっかりと乳化させた後、30
℃に加温した乳酸発酵水中油型乳化物(商品名:「クレームコルセRG」pH5.9、油
20
脂分20.0重量%、蛋白質分4.2重量%、水分68.4重量%、不二製油株式会社製
)250部を徐々に加え、混合を終了した。最終生地温は41.8℃、pH6.5となり
、これを30分間生地温度40∼50℃で保存し、シュー生地を得た。
生地を幅3.5cm×厚さ5mmの平口金を使用し、5cmの長さに絞りだす(36個平
均9.3g/個)。上火/下火、180℃/210℃で約19分間焼成してシュー皮を得
た。
実施例10の生地配合
マーガリン 80部
水 170部
薄力粉 100部
30
全卵 220部
乳酸発酵水中油型乳化物 250部
上記シュー生地の状態とシュー皮の外観、空洞、風味について評価し表3に纏めた。
【0037】
比較例1
マーガリン(商品名:「ニューコンボル500」、不二製油株式会社製)80部、水1
70部をミキサーボール中で加熱し、沸騰させた後、加熱を止め、ふるいにかけた薄力粉
100部を加えて、高速にてミキシングし、次にほぐして30℃に加温した全卵220部
を4∼5回に分けて加え、高速でミキシングする。生地をしっかりと乳化させた後、30
℃に加温したpH2.0のクエン酸溶液を徐々に加え、混合を終了した。最終生地温は4
40
3.8℃、pH4.0であり、これを30分間生地温度40∼50℃で保存し、シュー生
地を得た。
生地を幅3.5cm×厚さ5mmの平口金を使用し、5cmの長さに絞りだす(36個平
均9.3g/個)。上火/下火、180℃/210℃で約20分間焼成してシュー皮を得
た。
比較例1の生地配合
マーガリン 80部
水 170部
薄力粉 100部
全卵 220部
50
(13)
JP 2010-227038 A 2010.10.14
クエン酸溶液 35部
上記シュー生地の状態とシュー皮の外観、空洞、風味について評価し表3に纏めた。
【0038】
比較例2
マーガリン(商品名:「ニューコンボル500」、不二製油株式会社製)80部、水1
70部をミキサーボール中で加熱し、沸騰させた後、加熱を止め、ふるいにかけた薄力粉
100部を加えて、高速にてミキシングし、次にほぐして30℃に加温した全卵220部
を4∼5回に分けて加え、高速でミキシングする。生地をしっかりと乳化させた後、30
℃に加温した発酵水中油型乳化物(商品名:「サワークリームRG」pH4.1、油脂分
21.5重量%、蛋白質分3.7重量%、水分67.5重量%、不二製油株式会社製)1
10
50部を徐々に加え、混合を終了した。最終生地は43.8℃、pH5.5であり、これ
を30分間生地温度40∼50℃で保存し、シュー生地を得た。
生地を幅3.5cm×厚さ5mmの平口金を使用し、5cmの長さに絞りだす(36個平
均9.3g/個)。上火/下火、180℃/210℃で約20分間焼成してシュー皮を得
た。
比較例2の生地配合
マーガリン 80部
水 170部
薄力粉 100部
全卵 220部
20
発酵水中油型乳化物 150部
上記シュー生地の状態とシュー皮の外観、空洞、風味について評価し表3に纏めた。
【0039】
実施例9、実施例10、比較例1及び比較例2の結果を表3に纏めた。
【表3】
30
【0040】
比較例3
マーガリン(商品名:「ニューコンボル500」、不二製油株式会社製)80部、水1
40
70部をミキサーボール中で加熱し、沸騰させた後、加熱を止め、ふるいにかけた薄力粉
100部を加えて、高速にてミキシングし、次にほぐして30℃に加温した全卵220部
を4∼5回に分けて加え、高速でミキシングする。生地をしっかりと乳化させた後、30
℃に加温した、pH7.0の蒸留水を徐々に加え、混合を終了した。最終生地温は43.
2℃、pH7.8となり、これを30分間生地温度を40∼50℃で保存し、シュー生地
を得た。
生地を幅3.5cm×厚さ5mmの平口金を使用し、5cmの長さに絞りだす(36個平
均9.3g/個)。上火/下火、180℃/210℃で約20分間焼成してシュー皮を得
た。
比較例3の生地配合
50
(14)
JP 2010-227038 A 2010.10.14
マーガリン 80部
水 170部
薄力粉 100部
全卵 220部
蒸留水 35部
上記シュー生地の状態とシュー皮の外観、空洞、風味について評価し表4に纏めた。
【0041】
比較例4
マーガリン(商品名:「ニューコンボル500」、不二製油株式会社製)80部、水17
0部をミキサーボール中で加熱し、沸騰させた後、加熱を止め、ふるいにかけた薄力粉1
10
00部を加えて、高速にてミキシングし、次にほぐして30℃に加温した全卵220部を
4∼5回に分けて加え、高速でミキシングする。生地をしっかりと乳化させた後、30℃
に加温した乳酸発酵水中油型乳化物(商品名:「クレームコルセRG」pH5.9、油脂
分20.0重量%、蛋白質分4.2重量%、水分68.4重量%、不二製油株式会社製)
25部を徐々に加え、混合を終了した。最終生地温は43.5℃、pH7.4となり、こ
れを30分間生地温度40∼50℃で保存し、シュー生地を得た。
生地を幅3.5cm×厚さ5mmの平口金を使用し、5cmの長さに絞りだす(36個平
均9.3g/個)。上火/下火、180℃/210℃で約19分間焼成してシュー皮を得
た。
比較例4の生地配合
20
マーガリン 80部
水 170部
薄力粉 100部
全卵 220部
乳酸発酵水中油型乳化物 25部
上記シュー生地の状態とシュー皮の外観、空洞、風味について評価し表4に纏めた。
【0042】
比較例5(通常のシュー生地で丸口金使用)
マーガリン(商品名:「ニューコンボル500」、不二製油株式会社製)80部、水1
70部をミキサーボール中で加熱し、沸騰させた後、加熱を止め、ふるいにかけた薄力粉
30
100部を加えて、高速にてミキシングし、次にほぐして30℃に加温した全卵220部
を4∼5回に分けて加え、高速でミキシングする。生地をしっかりと乳化させ、混合を終
了した。最終生地温は43.1℃、pH7.8となり、これを30分間生地温度を40∼
50℃で保存し、シュー生地を得た。
生地を直径12mmの丸口金を使用し、20gずつ充填した。上火/下火、180℃/2
10℃で約23分間焼成してシュー皮を得た。
比較例5の生地配合
マーガリン 80部
水 170部
薄力粉 100部
40
全卵 220部
上記シュー生地の状態とシュー皮の外観、空洞、風味について評価し表4に纏めた。
比較例5の焼成前のシュー生地の形状と焼成後のシュー皮の形状を示す模式図を図2に
示した。
【0043】
比較例6(通常のシュー生地で平口金使用)
マーガリン(商品名:「ニューコンボル500」、不二製油株式会社製)80部、水1
70部をミキサーボール中で加熱し、沸騰させた後、加熱を止め、ふるいにかけた薄力粉
100部を加えて、高速にてミキシングし、次にほぐして30℃に加温した全卵220部
を4∼5回に分けて加え、高速でミキシングする。生地をしっかりと乳化させ、混合を終
50
(15)
JP 2010-227038 A 2010.10.14
了した。最終生地温は43.1℃、pH7.8となり、これを30分間生地温度を40∼
50℃で保存し、シュー生地を得た。
生地を幅3.5cm×厚さ5mmの平口金を使用し、5cmの長さに絞りだす(36個平
均9.3g/個)。上火/下火、180℃/210℃で約20分間焼成してシュー皮を得
た。
比較例6の生地配合
マーガリン 80部
水 170部
薄力粉 100部
全卵 220部
10
上記シュー生地の状態とシュー皮の外観、空洞、風味について評価し表4に纏めた。
比較例6の焼成前のシュー生地の形状と焼成後のシュー皮の形状を示す模式図を図3に
示した。
【0044】
比較例3∼比較例6の結果を表4に纏めた。
【表4】
20
【0045】
実施例11
マーガリン(商品名:「ニューコンボル500」、不二製油株式会社製)80部、水17
30
0部をミキサーボール中で加熱し、沸騰させた後、加熱を止め、ふるいにかけた薄力粉1
00部を加えて、高速にてミキシングし、次にほぐして30℃に加温した全卵220部を
4∼5回に分けて加え、高速でミキシングする。生地をしっかりと乳化させた後、30℃
に加温した乳酸発酵水中油型乳化物(商品名:「クレームコルセRG」pH5.9、油脂
分20.0重量%、蛋白質分4.2重量%、水分68.4重量%、不二製油株式会社製)
150部を徐々に加え、混合を終了した。最終生地温は40.3℃、pH6.8となり、
これを30分間生地温度40∼50℃で保存し、シュー生地を得た。
生地を幅3.5cm×厚さ5mmの平口金を使用し、ラグビーボール状に2つ絞り出す。
この時、ラグビーボール状の片方の頂点部分を接着させてハート型に見えるようにする(
14.2g/ハート型)。上火/下火、180℃/210℃で約19分間焼成してシュー
40
皮を得た。
実施例11の生地配合
マーガリン 80部
水 170部
薄力粉 100部
全卵 220部
乳酸発酵水中油型乳化物 150部
上記シュー生地の状態とシュー皮の外観、空洞、風味について評価し表5に纏めた。
実施例11の焼成前のシュー生地の形状と焼成後のシュー皮の形状を示す模式図を図4
に示した。
50
(16)
JP 2010-227038 A 2010.10.14
【0046】
実施例12
マーガリン(商品名:「ニューコンボル500」、不二製油株式会社製)80部、水1
70部をミキサーボール中で加熱し、沸騰させた後、加熱を止め、ふるいにかけた薄力粉
100部を加えて、高速にてミキシングし、次にほぐして30℃に加温した全卵220部
を4∼5回に分けて加え、高速でミキシングする。生地をしっかりと乳化させた後、30
℃に加温した乳酸発酵水中油型乳化物(商品名:「クレームコルセRG」pH5.9、油
脂分20.0重量%、蛋白質分4.2重量%、水分68.4重量%、不二製油株式会社製
)150部を徐々に加え、混合を終了した。最終生地温は40.3℃、pH6.8となり
、これを30分間生地温度40∼50℃で保存し、シュー生地を得た。
10
生地を幅1.2cm×厚さ3mmの平口金を使用し、星型に絞りだす(15.1g/個)
。上火/下火、180℃/210℃で約19分間焼成してシュー皮を得た。
実施例12の生地配合
マーガリン 80部
水 170部
薄力粉 100部
全卵 220部
乳酸発酵水中油型乳化物 150部
上記シュー生地の状態とシュー皮の外観、空洞、風味について評価し表5に纏めた。
実施例12の焼成前のシュー生地の形状と焼成後のシュー皮の形状を示す模式図を図5
20
に示した。
【0047】
実施例11及び実施例12の結果を表5に纏めた。
【表5】
30
40
【0048】
実施例13
マーガリン(商品名:「ニューコンボル500」、不二製油株式会社製)80部、水1
70部をミキサーボール中で加熱し、沸騰させた後、加熱を止め、ふるいにかけた薄力粉
80部、強力粉20部を加えて、高速にてミキシングし、次にほぐして30℃に加温した
全卵220部を4∼5回に分けて加え、高速でミキシングする。生地をしっかりと乳化さ
せた後、30℃に加温した乳酸発酵水中油型乳化物(商品名:「クレームコルセRG」p
H5.9、油脂分20.0重量%、蛋白質分4.2重量%、水分68.4重量%、不二製
油株式会社製)150部を徐々に加え、混合を終了した。最終生地温は43.0℃、pH
6.8となり、これを15分間、生地温度40∼45℃で保存し、アクリル製で出来た既
50
(17)
JP 2010-227038 A 2010.10.14
存のシェブロン丸型(直径4cm、厚さ8mmのシェブロンを使用)に生地をすり込み、
シェブロンを外して丸型生地を得た(1個の生地量10.2g)。これらの生地を上火/
下火、180℃/220℃で約15分間焼成してシュー皮を得た。
得られたシュー皮はセルクル型形状で内部は均一な内装を有し空洞は良好であった。
実施例13の生地配合 マーガリン 80部
水 170部
薄力粉 80部
強力粉 20部
全卵 220部
10
乳酸発酵水中油型乳化物 150部 【0049】
実施例14
実施例13と同様な配合で同様な処理を行い最終生地温が43.0℃でpH6.8の生
地を得た。これを15分間、生地温度40∼45℃で保存し、ゴム製で出来た既存のシェ
ブロン長方形型(厚さ:5mm、縦:54mm、横:70mmのシェブロンを使用)に生
地をすり込み、シェブロンを外して長方形型を得た(1個の生地量19.4g)。これら
の生地を上火/下火、180℃/220℃で約16分間焼成してシュー皮を得た。
得られたシュー皮は角揚げ形状のシュー皮で内部は均一な内装を有し空洞は良好であっ
た。
20
実施例15
実施例13と同様な配合で同様な処理を行い最終生地温が43.0℃でpH6.8の生
地を得た。これを15分間、生地温度40∼45℃で保存し、シリコン製で出来た既存の
シェブロン丸型(厚さ:4mm、直径20mmのシェブロンを使用)に生地をすり込み、
シェブロンを外して丸型生地を得た(1個の生地量1.1g)。これらの生地を上火/下
火、180℃/220℃で約16分間焼成してシュー皮を得た。
得られたシュー皮は球状でシュー皮の内部は均一な内装を有し空洞は良好であった。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、シュー生地の製造法に関し、更に詳しくは自身が意図する外観、形状を実現
し空洞形成に優れたシュー皮を得ることができるシュー生地の製造法に関する。
30
(18)
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
JP 2010-227038 A 2010.10.14
(19)
【図5】
JP 2010-227038 A 2010.10.14
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