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アパレル業界向け日立VAN
特集i充通業界におけるニューウェーブ ∪皿C.〔る58.8.011.4:占81.324.078〕:る87.ト′\4 アパレル業界向け日立VAN Network(HITACHトVANIforApparellndustrY HitachiVa山eAdded アパレル業界では,年々多様化する消費者ニーズに対L迅速かつ的確に対応する 福岡浩平* 〟∂/′(イ爪血′りん√′ た少)、商品企伸jからJ占頭販売まで一貫した情報システムの構築が良牛の課題であっ 和城光信**Jl仙′川√血′llン′バ/′/川 た二。 植野 栄** ∫′′ん′7`J〔ノlリ′り アパレルVANは,アパレル企業が独自C乃情報システムを構築することなLに,VAN のもつ広域ネいノトワークを利用Lて,答易に,すばやく,正確にJ占頭情報を収集す ることを目的としている。 利用企業は,本社,支店,営業所,仝【王】グ)販売店,工場,配送センタ、そLて取 引企業を含めた企業間情報システムを容易に確立できる。VANがもつさまぎまな機 台削ま,システムの変更,拡張に対して高い柔軟性をもち,ホストコンピュータの負 荷の軽f成とともに,センタ運′首グ)合理化か達成できる。 n 緒 8 言 アパレルVANの概要 企業のVAN(ValueAddedNetwork:什力‖価値通信網)利 図1にシステム概念を示す。VANとの接続は,情報量グ)多 和のねらいは,単に通信コストの削i成やシステム開発,運用 少により専用回線又は公衆回線を選択できる。アパレル本社, コストの削i成にとどまらず,企業間を相互に結合するコンピ 物ラ充センタは専用回線接続が,営業所・百貨店・専門店・チ ュータネットワークによって産業構造を改革し,新しいビジ ネスチャンスを握ることにある。 エ【ンストアなどの販売店は,公衆回線接続が一般的である。 MシリⅦズ,Lシり【ズかご〕B-16シリ +妾続端末はHITAC 今やアパレル業界では,市場情報が最大の資産であり,情 ーズのパーソナルコンピュータ,キャリング端末まで、用途 に応じて自什=二選択できる。店頭では,可搬式端末+音響カ 幸艮を握るもグ)が業界を支配する時代とさえ言われている。 プラの構成が有効な場合が多い。 このたオ),VAN活用への取り組みは,大企業/ごけでなく中, 接続手順面では,日立標準手順,JCA(Japalつ 小の企業も非常に積極的であり,企業の存亡をかけていると Chail↑StOre Association:日本チェーンストア協会)手順,全国銀行協会連 いっても過言ではない。 株式会社日立情報ネットワークでは,VAN事業開始当細か 合会手順及び無手順が可能である。 らアパレルVANに取り組み,店豆則盲報収集を中心とするシス アパレルVAN間の情報のやりとI)は、 テムサービスを辛がけ,その機台巨拡充に鋭意努ノJを重ねてい (1)J占頭→VAN→アパレル本社=占豆引青報) る。 (2)アパレル本社→VAN一店頭(在庫情報) 店頭情報 XXテバート 店頭情報 ///一//フ [コ[コ[コ [コ アパレル本社 [:コ [コ ⊂][コ[コ コロ アパレルVAN て 国 商品分類処理など 日報,管王引吉報 I r ∈)(9 (∋∈) 「 「l ̄ ⊂コ \ ⊂]⊂コ[コ 「 ロロ [:コ 「 HITACM/+シリ -ズ ◎(9 HITAC 日報 ⊂コ⊂コ ロロ ⊂コ ロロロ ⊂コ 鼎 店更別吉報の収集,分析 [コ⊂]□ 管王里情報 (莞聖7情駅警) 轡 営業所 出荷指示 l ⊂=コ 売上データ \、J ●百貨店 ⊂=コ ⊂ニコ[ニコ ⊂=コ 留 ⊂=]⊂=] ⊂:コ M/+シリーズ 盛 [コ[コ[コ ◎¢) ⊂コ 掛売センタ [コ ll 注文データ ●専門店 ●チェーンストア ℡ ●インショッ7 晶ぞろえ票 ●品ぞろえ 納品伝票 ●出荷など 図l * アパレルVAN概念図 ぐ〇 醐 ㌔7 百貨店,専門店などの店頭情報はVANセンタで収集分析L,本社,支店への報告,物流センタヘの出荷指示などを行なう 株J-℃会社lト川†子細ネ・ノ】lワーク技術部 ** 休J(仝什r_川二怖純子、ノトT7-ク帖粘システム邪システム第1ク小ルー・フ 59 998 日立評論 〉OL,68 No.12(1986-1Z) ●告警カプラ経由 「 ̄ キャリングターミナル lHINETセンタ 300bps ≠≡衰 お客様センタ 〕□□〔 磨盲 ノ′宣旨喜■\.L り寺定通信回線 音響力7う モデム \、 ●NCUモデム経由 キャリングターミナル 礪 M 鼻 メール 川NET網 HlTAC ボックス 1,200bps l Mシリーズ,Lシリーズ l HICOM l電子メールl L _+ NCUモデム 注:略語説明 図2 NCU(Network システム構成図 Co[trOlUnll) 端末は,携帯端末,パーソナルコンビュ タなどイ吏用できる.HICOM電子メールにより,端末,右客様センタ共HINETセンタを相手 に伝送を行なう (3)アパレル本社一VAN→営業所(管手引青報) (4)VAN→牛如充センタ(出荷指示情報) 旭 などであるが,すべてHINET※いの巷本VANサービスである ・不 幌 「HICOM電子メールサービス黙2′+を経由して行なわれる。 2.1 アパレル業界のシステムイヒの動向とねらい (1)取引先とのオンラインデータ交換→受発注業務効率改善 函館 注:○ (2)店頭消費情報の収集一商品計画へのフィードバック 総桔拠点 中心拠点 ● (3)商品情報の単品把握一商品管理の細分化による分析 ▲ 一般拠点 △ (4)本支店,物丁充拠点間のネットワーク化一一宮業情報,在J事 一般拠点(計画中) 秋 円一盛 岡 情報の統合管‡里 (5)システム構築の省力化,合理化一ネットワーク設計,構 築,管王堅からの解放 2.2 (1)全国規模のアクセスポイントをもつ。 宮山 金沢 日立 水戸 土浦 谷易性,柔軟性をもつ。 横浜 神戸 高山姫攣 広島 多稽の通信速度と伝送手順により,自在な情報伝達がで 浜松 津 大阪 福岡 東京 京都 松江 (:う)システム運用♂)脊易性と高い信相性をもつ。 きる。 宇都宮 簸谷 (2)乍豆期間でシステム構築ができる。また,システム拡張の (4) 盟 郡山 アパレルVANの特徴 高松) ]りし空い1 松山 久留米 図2に示すように、アパレルVANの中根は「HICOM電子 高知 大分 メ【ル+である。これはHINETの基本VANサービスの一つ 産児 であり,図3に示すHINETのすべてのアクセスポイントから 別梢可能である。 アパレルVANの特徴は,「HICOM電子メールサービス+を 中核としたシステムの組みう工てにより発揮されてし、るといっ 図3 ネットワーク区l 全国主要都市に,高速回線で子安糸荒されたアクセ スポイントが設置されている ても過言ではない。 2.3 HINETセンタ HICOM電子メールサービス HICOM電子メールサービスは,蓄積交接形のファイル†云送 端末 ←旦L サービスである。 A 機能は,信相性と安全件を重視し,図4に示すように,メ ールボックスを中心とLて,高度な機密保護のもとに伝送確 認機能,同報通信機能、プロトコル変換機能、コード・フォ ーマゝ∵ト変換機能などが用意されている。 センタ側には,二重化Lた専用の大形コンピュータをもち, 行 データ B 行 チーク 亡]一 全国のアクセスポイントと専用回線によって接続している。 伝送確認機能 アクセスポイント側では、公衆回線接続の場合は,通信通 A 仕訳 / 行 データ □ -ルポックス A 行 く】 データ B 行 データ ← 端末 委譲 同報通信機能 B プロトコル変模 コ ー データ ド 変 棟 フォーマット変操 行 → [ニコ ※1)株Jじ会社l卜正晴報ネ・ノトワークの略称 ※2) 60 HitachiC(二)Ⅰ¶nつLllュicati()11Net\Ⅴ()rkの略称で,HINE′1、♂)ヽ′rAN十J ̄ 図4 -ビスグ)登告知商標 ファイル伝1去に必要な各種の機能が用意されている‥ HICOM電子メールの概要 メールボックス機能を中心とLて, アパレル業界向け日立〉AN (5)i充通機構が複雑で,情報の流メLが (:方)(…三三7) 300bps ×/一台 日本電信電話 線 1.200bps 高速回線 M 装 置 置 デュプレックス NCU 2.400bps ×JJ台 M ール 網 3.2 ×7】台 線 装 衆 本章では,HINETでの数社のアパレルVANの実績を基に, アパレルVANシステムの実態を紹介する。 株 式会社 公 M-280H メ NCU 集 集 一1王でなく煩雑である。 二のような特質を踏まえ,アパレルVANシステムを構築Lた。 他のアクセスポイントヘ M 999 NCU 従来システムの問題点 アパレルVAN導入前の自社システムでは次のような問題が 発生しており,顧客にとってその解決が急務であ/-ノた。 (1)店頭端末が本社のホストコンビュ〉タに直結していたた れ 遠隔地の店舗では通信料が高騰し,経費増大の要因とな ボックス っていぇ二。 図5 川COM電子メール構成図 センタ側は専用のM-280Hデュプレッ クスシステムで,アクセスポイント側は各速度共に呼損辛,も以下に管理され (2)店舗の運用時間帯は常にオンライン業務を運用する必要 があり,コンピュータ運用要員とコンピュータリソーースが艮 時間占有された。 ている.. (:i)通信機器設備,コンピュータ機器設備が増大してきた。 (4)取引先とのデータ交換にあっては,取引先の致が増加す るにつれて,オペレ¶ションの煩雑さか目たった。 度300bps,1,200bps,2,400bpsがあり,そjtぞれ呼指辛か1 下に管‡里している(図5)。伝送制御手川副ま,口立標準及びJCA 3.3 アパレルVANシステムの実現手段 まず全国に点在する店舗から店豆副青報を収集するために, 手順と全匡Ⅰ銀行協会連合会手順を標準としている。 各店舗に店頭端末を導入し,公衆通信回線を通じアパレル本 田 アパレルVANシステム化へのアプローチ 3.1 社に設置されたホストコンピュータと接続する営業情報シス テム,大手チェーンストアなどのセンタ及び受発注データの アパレル業界のシステムの特質 交操を行なう取引先データ交換システムを構築するために, アパレルVANとひと言でいっても,業種や取扱い商品によ HINETの全国網の整備を実施した。公衆通信回線では、店主項 って,システムの目的,規模,構成などシステムの形態はさ まぎまである。それらの特質を挙げると?火のようなことが言 端末や取引先などの多様な伝送手順の接続と対J芯するため, える。 3〔)Obps無手順,1,200bps及び2,400bpsDES(Data (1)製造業,卸売業,販売業とそれぞれ専門分野を業種とす System)手順,2,400bpsJCA手順を用意Lた。一方,従来シ る企業や,製造から卸,小売と一連の製造,尽反売ルートをも ステムの諸問題に対応するためHICOM電子ノMルサービスを つ企業など,システム化の対象が多岐にわたっている。 適用し,それらを解決した。 3.4 (2)企業により紳士服,婦人服,子供服,卜者,洋品雑貨, ネットワークシステム構成 支店,店舗,チェーンストアなどのセンタとは,HICOM電 和服,小間物,アクセサリーなど,取扱い商品が異なり,商 品種別ごとに商品管理の規準も異なる。 子メーールサービスを介して,アパレル本社のホストコンビュ (3)商品の特質とLて,取引き単位が小量多品種であり,流. 【タと接続されている。ネ・ソトワークシステム構成を図6に 示す。 行や季節変動に左右されやすく商品の動きが激しい。 死に筋情報の早其肘巴握や適 (4)市場競争が激しく,売れ鼠 Entry 3.5 電子メールサービスの適用機能 本システムでは,電子メールサービスの機能のうち次の樅 切,迅速なマークダウンが要求される。 M 札 幌 M H】NETセンタ M 仙 台 M M M 東 M 京 M M 名古屋 M 9.6kbps M MMM注:略語説明 顧客センタ M 大 M メ ー ル ン チェーンストア ン セ タ M ボックス M チェwンストア セ 阪 広 タ 島 M M NCU,公衆回線 M 福 岡 M CCP(Commurlicat10n ControIProcessor) 図6 ネットワークシステム構成図 顧客センタは,電子メールサ モデム 専用回線 M 端末 ビスを介して全国の支店,店舗,チェーンストアセンタなどと接糸売されている 61 1000 日立評論 VOL.68 No.12(憫6-I2) HINETセンタ 「 専門店 団鼎 m ●売上実績 ●在庫問い合わせ ●在庫引き当て ●発注 ●在庫情報 ●入荷予定データ 在庫・売上 情報 ●仕入照合 メール ボックス i『顧 ●発注 ●出荷 ●仕入 顧客センタ 営業情報システム概念図 図7 百廟 i顧 チェーンストアセンタ 店頭からの売上惰幸艮を集信するとともに,顧客センタからの販売情報を川NETセンタに格納L,店頭からの問い合わせに 応じる_ 1箇月 能を適用Lている。 (1)蓄積・■交換機能 に配信する機能 導入 田=〉 見積 計画 システム構築 ∠ゝ ⊂‡ 検討 田=⇒ (2)再送機能 送信済みとなったデータを要求により再度送信する機能 ●開発スケジュール ●テ【タ量見積 ●端末台数見積 ●ネットワ【ク構成 (3)伝送確認機能 送′受信の伝送状況を確認する機能 ●ホストシステム設計 ●運用方式 (4)伝送データ取消機能 伝送データを送信元から取I)消す機能 (5)データ保管機能 3箇月 図8 ●システム設計 ●システム建設 ●回線工事・接続 ●端末搬入 ●テスト ●回線申請 ●VAN登録 システム建設工程の代表例 電子メールサービスを條用するこ とにより,システム建設工程は平均3箇月に短縮された. 当日配信されなかったデータを,最大20日間保管する機能 (6)同報通信機能 指定されたデータを複数の配信先へ送信する機能 (7)運用情事馴文集機能 日単位の運用情報を収集L,ホストコンピュータへ送信す る機能 アパレル>ANの今後の課題L アパレル業界の特質でも述べたように,アパレル業界のシ ヒ記機能を使用した営業情報システム概念図を図7に示す。 3.6 3.7 アパレルVAN導入の効果 アパレルVANサービスの導入により,次の目的が達成さメ ̄し ステムは業種や取扱い商品によって処理が異なり,画一化し たものではないが,システムの開発コストの削減を望む顧客 か多く,システムの共通化とパッケージ化が急務である。 7こ。 (1)通信コストの削i成 (2)アパレルセンタとHINETセンタとの有効的な作業分托に 【】 結 言 アパレルVANの役割は,季節によってめまぐるしく変化す より,設備投資の削i成,運用作業の軽減が図られた。具体的 る消費者ニーズを店頭情報としてとらえ,情報価値を損なう には,夜間,休祭日のオンラインの停止が可能となI),運用 ことのない迅速さと,安定したシステム運営により利用顧客 工数の余力を他システムの開発などに振り向けることが可能 に提供することにある。 となった。 (3)チェーンストアなどの情報のネ、ソトワークがHINETを窓 口として,一元化することが可能となった。 HINETの広i或ネットワークとHICOM電子メールサービス を中心としたアパレルVANは,この店頭情報の収集に的を絞 つて構築した。全国規模の売れ亮別青報をその日のうちに収集 (4)通信機器,設備の転月引こより,他業務システムでの利用 し,容易かつ安価に提供する。また,システム構築の柔軟性 が可能となった。 は扱う商品の適し、や,事業形態の相違を十分に吸収できる。 (5)システム建設工程の短縮 電子■メールサービスの接続の容易性,顧客ホストコンピュ VAN利用システムの将来性の面では,現状の機能に加えて, 取引先の国際化による国際通信の必要性,デザイン情報伝送 ータの送受信プログラム開発からの解放,ネットワーク設計, 構築作業からの解放などにより,システム建設工程が大幅に のためのイメージ処理などが必要となるが,いずれもHICOM 短縮された。図8にシステム建設工程の代表例を示す。 現の子く右である。 62 4 システム稼動 受信データを蓄積するとともに、送信要求に基づき要求先 引 2箇月 電子メールサービスの機能拡張計画の中に取り込み,近々実 箇月