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チーム作りは ディフェンスから! - Sergio Gargelli

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チーム作りは ディフェンスから! - Sergio Gargelli
「ディフェンスなんかに興味はない!」
いえいえ、そんなことを言ってはいけません。
攻撃をする上でもフットサルでは守備が重要。
組織的な守備ができれば、ラクに攻撃ができるんですから。
テーマは、いかに数的優位の状況を作りボールを奪うか。
日本初のイタリア人監督、
府中アスレのセルジオ ガルジェッリ監督がチーム作りの基礎となる
グループディフェンスのポイントを教えてくれます。
構成・写真◆本誌・亀山
チーム作りは
ディフェンスから!
フットサル完全版Pivo! 連動企画
ガルジェッリ監督指導による
グループディフェンスのポイ
ントをフラッシュ作戦図
でわかりやく解説!!
府中アスレティックF.C.
府中アスレティックF.C.
セルジオガルジェッリ監督
新谷耕平
19●年●月●日生まれ。イタリア・
●出身。現役引退後、2003年から監
督のキャリアをスタートさせ、2006
年にはイタリアU-21カップを制し、
最優秀監督を受賞。セリエBのプラー
トの監督を務めていた昨シーズンの
約1か月、アドバイザーとして府中
アスレをサポート。今季府中アスレ
の監督に就任した。
1986年11月8日生まれ。広島県出身。
2005年、イタリアで行われたフット
サル大会でペルージャ外国人大学チ
ームの一員として優勝。直後にスカ
ウトされた、セリエBのコアール オリ
ビエートで2シーズンプレー。ガル
ジェッリ監督とともに、今季府中ア
スレに移籍し、選手兼通訳として活
躍している。
府中アスレティックF.C.
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ディフェンスの
コンセプトを理解する
自陣に引いてただ守ってばかりでは勝機はない。いかに奪って
攻撃につなげるか。意図的にボールを奪い、全員が連動すれば、
ゴールまでスムーズにボールを運べる。当然ながらフットサル
はゴールを奪うスポーツ。攻撃のための守備を考えながら、ま
ずはガルジェッリ監督が考えるグループディフェンスにおける
3つのコンセプトを紹介。
グループディフェンスのポイントを習得する前
に、当然ながら1対1の局面で負けないことを大
前提のうえで解説を進める。
カバーリングを徹底する
ボールを奪う位置は試合の状況や対戦相手、フ
ァウル数など、さまざまな状況によって異なるが、
「ハイプレスでもハーフまで下がってディフェン
球際で厳しくプレスをかける
スをしても、第2PK付近まで下がっても、コン
(ガルジェッリ監督)という
セプトは全部一緒」
ように、共通点がある。その基本コンセプトは3
2対1の数的優位の状況から
ボールを奪う
つ。①必ずカバーリングを意識し、②プレスをか
けること。その上で③2対1の数的優位の局面を
作り、2人で挟んでボールを奪うことだ。
まずは、その基本コンセプトを理解しよう。
1
2
カバーリングを徹底する
3
球際で厳しくプレスをかける
2対1の数的優位の
状況からボールを奪う
ディフェンスをする1対1の場面
敵のパスコースを切るだけ、寄せ
ボールを持った敵に1人がプレッ
で相手に負けないことが前提として
るだけというように、いつまでも受
シャーを掛け、下を向いてボールを
いるが、それでも単独で突破された
け身では相手からボールを奪えない。
コントロールするなど悪い状態とな
り、1本のパスで裏を取られたりす
敵がボールを持ったときに積極的に
ったときは、もう1人のディフェン
るリスクを想定しておくことが必要
プレッシャーを掛け、相手を自由に
スが挟んでボールを奪うチャンスだ。
だ。
プレーさせないことが重要だ。 ひ
ただ、ピッチのどこかで2対1の
必ずボールを持ったオフェンスに
とりひとりが局面で厳しいプレスを
数的優位を作るということは、ほか
対峙する味方ディフェンスの後ろに
掛けることができなければ、グルー
の局面では数的不利の場面を作るリ
カバーする選手がいなければならな
プディフェンスは意味を持たなくな
スクを背負うことになる。そのため、
い。
る。
一度挟んだら必ずボールを奪取しな
ければならない。
撮影協力
府中スポーツガーデン
〒183-0012
東京都府中市押立町1-32-5
TEL 042-368-2337 FAX
042-368-2330
E-mail [email protected]
URL
http://www.uchide.jp/
営業時間
8:00∼22:00
年中無休
*コート・設備の点検、改修などでの休業の場合あり
*コート利用には年間会員登録が必要。年会費や利用料金は、
ホームページをチェック。
オープン5周年を迎える府中スポーツガーデンが
10月5日、記念イベントを開催する。O-35やミックス、
ファミリーなどさまざまなカテゴリー別のワンデー大
会やアトラクションを用意。フリースタイルチーム
「シュー・ド・ウェーブ」によるパフォーマンスも行
われる。
また、超初級から中級、女子といったクラス分けで、
府中アスレによるフットサルクリニックが毎週開催し
ており、ガルジェッリ監督からも指導が受けられる。
申込方法など詳細については、こちらもホームペー
ジをチェックしよう!
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2対2で実戦感覚を養う
グループディフェン
スの基本コンセプトを
頭で理解したあとは、
実戦で身につけよう。
府中アスレも最初に取り
組んだという、2対2の練習からコンセプトに沿っ
た守備のポイントを学ぼう。
3つのコンセプトを理解した上で、ピッチ上で
状がプ2
況でト対
別きを2
にる身の
対。に練
応
つ習
し
けで
よ
るコ
う
こン
!
とセ
は選手たち自らが判断して自然にプレーできるよ
うにならなければいけない。そこで府中アスレで
もコンセプトを浸透させるためにまず始めたとい
う、2対2の練習でのポイントを紹介する。
最初は20m×20mの範囲で行い、次に20m×
30mと範囲を広げる。攻撃側と守備側の選手が横
に並んだ状態や、縦に並んだ状態など、条件を変
「試合中にはい
えながら取り組む必要性がある。
ろんな状況が起こるから、できるだけ練習でいろ
(ガルジェッリ
んな状況を経験することが大事」
2対2の練習の一例。縦にオフェンス、ディフェンス、オフ
ェンス、ディフェンスと並び、守備側が有利な状態からスタ
ート。コンセプトを当てはめながら状況ごとに対応しよう。
。
監督)
カバーリングのポジショニング
同じラインに並び、裏を取られる
b
a
B
A
A
が
B
に
パ
ス
。
にをと a
入掛、が
るけ a A
。、が、
bボb
がーが
カル B
バをの
ー持そ
リつれ
ンAぞ
グにれ
のプを
ポレマ
ジッー
シシク
ョャす
ンーる
状況では、守備側が同じ
ラインに並んではいけな
がいないことで、パス1
A
本で簡単にディフェ
ンスの裏を取られて
しまう。
a
b
プレスが掛かっていない
い。カバーリングの選手
B
b
バるせ A
ラ。、か
ン必 a ら
スずは B
を同カに
取じバ
るラーパ
。イリス
が
ンン渡
にグっ
なのた
らポ瞬
なジ間
いシに
よョ b
うンが
にに
入寄
、
a
ボールホルダーに対して
Bにパスが渡ったとき、bがプ
レスに行ったにも関わらず、a
はカバーリングのポジションに
戻らない。aとbが同じラインに
並んだ状態となる。
BがすぐにパスをAにリタ
ーン。ワンツーの形でディフェンス2人
の裏を取る。
オフェンス同士の距離が近ければ、マークをチェンジする
Aに対してa、Bに対してbと、基本的に
はマンツーマンのマークを原則とするが、
例外もある。
オフェンス側のパスの出し手と受け手の
b
a
a
距離が近ければ、マークを受け渡したほう
がよい場合もある。その間隔の目安は5m。
うまく受け渡すことで、ボールを受けた相
手にすぐに寄せることができ、常にカバー
リングの選手がいる状態となり、効率よく
守れる。
B
A
AがBにパス。このとき、aがAに
プレッシャーを掛け、bはカバー
リングのポジションを取ってい
る。
B
近い
オフェンスA、Bの距離が近い場
合。Bにパスが渡るとき、bがBに
寄るよりも、前のラインにいるa
がそのままBに寄る。
マークを受け渡し、aがBにプレ
スを掛けたほうが早く、またbが
そのままカバーリングのポジシ
ョンを取れるためリスクが少な
い。A、B間の距離の目安は5m。
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2対1の数的優位の状況を作り出し、挟んでボールを奪う
をお a
取りが
っカ A
てバを
いーマ
るリー
。ンク
グし
の、
ポ b
ジは
シ原
ョ則
ンど
1
b
a
B
A
2対1の状況でボールを奪おう
とするとき、むやみに挟みに行っ
てはダメ。ボールを持ったオフェ
プレスがない状態で挟む
ンスにしっかりプレスが掛かり、
相手が悪い状況でいることが必須
条件。ボールホルダーが自由にプ
レーできては、2人で挟みに行っ
ても簡単にプレスを回避される。
B
A
そこで重要なのが、カバーリン
AがBにパス。aがプレッシャーを
掛け、bがカバーというようにセ
オリーを守っている。
グする選手の、ボールサイドへの
寄B
せに
プボ
レー
スル
をが
掛渡
けっ
るた
。と
き
、
b
が
2
b
アプローチの仕方だ。プレスが掛
かっているときに、自分のマーク
へのパスコース(カットライン)
を切りながら寄る。ボールホルダ
b
ーのパスコースを消し、孤立させ
るのがねらいだ。
a
Point
Bにパスが受けたとき、マークす
るはずのbがプレスを掛けていな
い状態でaも挟みに行く。
パスコースを切りながら寄る
︵
同とて b
じきいが
ラ aれB
イはばに
ン、、対
にB Bし
入かはて
りら自し
︶ A 由っ
なへにか
が プり
らのレプ
、パーレ
B スでッ
にコきシ
寄ーなャ
るスいー
。を。を
切こ掛
りのけ
3
a
4
b
a
B
況 a
でと
ボ b
ーで
ルB
をを
奪挟
うみ
。、
2
対
1
の
状
のレ a
をスは
確を、
認掛 b
しけが
てて B
、いに
るプ
をス B
挟をか
み切ら
にり A
行なの
くがパ
。らス
コ
Bー
a
A
B
Point
Bとのワンツーの形でパスを受けたAがフリ
ーで裏に抜ける。Aをマークするディフェン
スが誰もいない。
プレスの間合い
遠い
1歩足を出せば、ボールをカットできる距離。これくらい
間合いを詰めないと、相手にプレッシャーにならない。
間合いが広いと、プレッシャーがなく、
相手に自由にプレーさせてしまう。
縦の2対2のケース
マークを見て、パスコースを切りながら挟む
ボールしか見ないで挟みに行く
B
b
b
B
a
a
A
A
A
Bに縦パスを出したAが前に上がる。a
は自分のマーカーであるAを見ながら
戻る。
AとBがほぼ同じラインに来た段階で、
aはBからAへのパスコースを切りなが
ら挟みに行く。
AがBに縦パスを出し、前に走り込む。
aはマークすべきAを見ずに、ボール
だけを追う。
bがBにプレスを掛けているものの、a
がAのパスコースを切っていないた
め、フリーのAにパスが渡る。
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a
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3対3で連携を深める
2対2でコンセプトを学ん
だら、より実戦に近い状況
である3対3の練習に取り組
もう。
ハイプレスとハーフラインからの守備を想定しながら、
ディフェンス同士の連携を深めよう。
パターン1 ハイプレスの例(クリアランスへの対応)
「相手のゴールに近い位置でリスクをかける
(2対1の局面を作る)ことは、自分たちのゴ
1
Point
ールから遠いため、回避されても修正が可能。
パスコースを限定するアプローチ
それに相手ゴールに近いから、ボールを取っ
(ガルジェ
たらすぐに得点につながりやすい」
A
ッリ監督)というように、高い位置で数的優
a
位の状況を作り、ボールを奪うハイプレスは
ゴールクリアランスからの展開。Aが中央のゾーンでボ
ールを受けに降りるとき、まずはaがマークにつく。
プレスが回避された際のリスクもあるが、同
時にチャンスも持ち併せている。
3対3の練習はまず20m×20mから始まり、
2
30m×20m、40m×20mとコートを広げなが
ら行う。まずは狭いコートで取り組むことで
G
ゴレイロからボールを受けたAに対して、プレス
を掛けるのは(降りてきたAと)同サイドにいたc。
このアプローチの仕方、体の向きに注目してほし
い。Aの体の右側(cがマークしていたC)のコース
を切り、Bへのパスを誘導している。
Cへのパスコースを切る理由は、cが自らのマー
クを外して寄せており、フリーのCにパスが渡ると
再び修正する必要があるからだ。AからのパスをB
に限定することで(守備側から見た)左サイドで
2対1の数的優位を作る意図がある。
動く距離が短い分、コンセプトがわかりやす
い。ここでは、相手のゴールクリアランスか
らボールを奪う例を紹介する。
ゴレイロからAにボールが渡る。
3
G
A
B
C
b
c
c
a
A
aが
(b、cと同じ)
前のラインに入らないように、cがAにプレ
ス。bは裏にパスを通されないようにやや中央に絞る。
a
プレス回避後も修正して挟む
5
4
B
B
ゴレイロから、ゾーンの間に降りてきたオフェンスにボ
ールが渡る展開に対応する。
b
A
Point
AはBにパス。
(自陣)右のスペースでパスを受けよ
うと抜ける。Aのマークをcからaに再び受け渡す。
ラインによるマークの受け渡し
5
6
B
b
a
b
b
c
c
A
a
A
a
⑤Bからサイドに開いたAにパスが通る。bがすぐに
ポジションを修正する。
a
オフェンスAに対するマークの受け渡しに注目
(守備側か
だ。最初はマンツーマンでaがAにつき、
ら見て)高い位置ではcにマークを受け渡し、再び
Aが抜けてきたときにaがマークについた。守備ラ
インにより、マークを受け渡している。なぜ受け
渡すのか。これも、カバーリングを徹底するコン
セプトに関係している。Aが一度ラインを下げたが、
aがそのままマークについていくと、同じ第1ライ
ン(b、cのライン)に吸収され、カバーリングを
する選手がいなくなるからだ。Aに右裏に抜けられ
るリスクがある。
bがBに激しくプレス。コンセプトどおり、cは同じ
ラインに入り(パスコースを切り)
、Bを挟みに行く。
6
b
c
bとcでBを挟む2対1の状況でボールを奪取。すぐ
にシュートが打てる。
⑥aがAの縦を切る間に、bがAからBへのパスコー
スを切りながら挟んでボールを奪う。
プレスを回避されたとしても、すぐにポ
ジションを修正することによって、再び2
対1の数的優位の状況を作り出せる。ここ
でも基本コンセプトは同じ。1人がしっか
りと厳しいプレスを掛けて、もう1人がカ
ットラインに入り、挟んで取る形だ。
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パターン2 ハイプレスの例(クリアランスへの対応)
パターン1と同様、ゴールクリアランス時
1
Point
にAが降りる展開への対応法を紹介する。
パスコースの切り方
挟み方は基本的にパターン1の場合と変わ
A
らないが、1つ異なる点は逆サイドにボール
縦のコースを切り、パスカット
を振られたときの対応だ。一度サイドを揺さ
ぶられ、
(守備側の)右サイドの裏にパラをね
a
らう敵が走ってくる。その敵へのパスコース
ゴールクリアランスでパターン1同様に、Aが
中央のスペースに降りてくる。
の切り方、体の向きがポイントになる。
2
B
B
G
C
c
b
a
C
3
A
Bが(右)サイドから走ってきて、Cの縦のスペー
スでパスを受ける(パラ)とき、ディフェンスcは
まず中央へのパスを切り、Bが縦に抜ける瞬間に縦
のパスコースを切る。縦パスが通れば、先に走っ
ているBにボールに触わられてしまうため、ここで
カットする必要がある。
B
ゴールクリアランスからゾーンの間でボールを受けにAが
降りるが、ゴレイロはBにパス。
C
中央のパスコースだけを切る
AがBの縦に抜け、Bがすばやく逆サイドのCヘ
パス。
G
C
c
b
A
B
c
ディフェンスの対応はパターン1と同じだが、
ゴレイロはAを使わずにBにスロー。
A
4
B
a
AがBの縦に入りフォローするつもりをして、Aが走って
きた空いたスペースを使うのがねらい。Bが逆サイドのC
にパスを出し、Cの縦のスペースでボールを受けようとす
。
る(パラ)
Point
B
C
B
Bが逆(守備側から見た右)サイドのスペース
でボールを受けようと走る。
5
この状況でCからBに縦パスを出されると、空いて
いるスペースに走り込まれ、一気にカウンターを
食らってしまう。
C
3対3の練習例
が攻
、守
1と
かも
所
にに
集3
ま人
るず
。つ
G
こさクか
とまリけ
がざア声
目まラと
的なンと
だ状スも
。況がに
にス散
対タら
応ーば
すトり
る
。、
c
C
b
B
c
このとき、ディフェンスCが縦を切り、パスカ
ットをねらう。
高い位置でボールが奪えれば、
即チャンスにつながる!
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パターン3 ハーフライン付近での例(エントラへの対応)
1
敵のピヴォと味方のフィクソがマンツーマ
カ前ハ
ウにー
ンスフ
タペラ
ー イ
がーン
でスで
きが奪
るあえ
りば
、、
ンの状況になると考えれば、ハーフラインで
の3対3は4対4で守る状態とほぼ一緒だ。
エントラする(ゾーンの間でボールを受け
B
る)敵に対して逆サイドのディフェンスが対
A
応することで、常に1人がカバーできる状態
を作るのがポイント。また、ハーフラインで
AがBにパス。
ボールを奪えばカウンターが仕掛けやすくな
る。
2
c
c
A
A
b
a
Aがaの裏に走る。aがマークを受け渡し、cがA
のマークにつく。
B
C
ボールサイドのプレスが甘い場合
A
3
ボールを持つBにbがプレスを掛け、aが同
じラインに入ってから(BからCへのパス
コースを切りながら)
、Bに寄る。aとbの
2人でBを挟み、ボールを奪う。
b
b
C
a
C
B
bのプレスが甘いと、Bから2つのパス
コース(AとC)ができる。Bが逆サイ
ドを上がったCにパス。
Bに対して、まずbがプレスを掛け、aがBからC
のパスコースを切りながら寄せる。
c
B
A
4
C
a
b
B
b
フリーでCがボールを受ける。左サイドにいたcが
エントラから右に抜けたオフェンスAをマークする
ため、左サイドにスペースが空き、そこを突かれ
る。
B
a
ボールを持つBにbがプレスを掛け、aが同じラインに入っ
、Bに寄る。
てから(BからCへのパスコースを切りながら)
aとbの2人でBを挟み、ボールを奪う。
Bをa、bで囲みボールを奪う。
Point
Point
ディフェンスラインに深さを作る
パラとエントラへの対応の違い
d
c
D
b
d
b
b
a
C
a
B
C
b
B
エントラの場合
c
b
B
a
A
A
c
b
B
C
Aに対して、cにマークを受け渡すより、
aがそのままついていくほうが早い。
a
B
パラの場合
A
通常の4対4の状況を想定する
と、エントラするオフェンスC
にdがマークにつくと、裏のス
ペースをカバーする選手がいな
くなる。そのため、3対3のこ
の状況では、逆サイドのアラが
マークにつく必要がある。
a
A
A a
カバーリングの原則どおり、ディフェンスライ
ンがフラットでは短い1本の縦パスで裏を取られ
るリスクがある。そこでディフェンスをする上で
は必ず前(a-b)と後ろ(c)のラインを形成し、カ
バーリングできる状況を作る必要がある。
また、ボールホルダーに対して常にプレスを掛
ける選手b、カバーする選手c、挟みに行く選手aを
位置するトライアングルも意識しよう。
A
c
c
a
A
C
Aに対して、aはAとの距離が近いアラのc
にマークを受け渡す。
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4対4で応用力を
身につける
ダイヤへの対応(3対3で回避された場合)
受3
け対
た3
B同
を様
、、
bゴ
とレ
c イ
がロ
挟か
みら
にボ
行ー
くル
。を
G
c
敵のピヴォと味方のフィクソがマンツーマンと想定すれば、
C
B
b
ダイヤへの対応は基本的に3対3と同じ状況になる。ただ、そ
こでプレスを回避されたときの対応法も身につける必要があ
る。グループディフェンスの目的はボールのあるところに、デ
(ボールから遠
ィフェンスの数的優位を作ることであるため、
A
a
D
d
い)一番関係ない敵を捨てることも重要になってくる。
れ b
、、
B c
かに
らよ
Cる
にプ
パレ
スス
が
通が
る回
。避
さ
B
C
c
a
D
A
d
C
a
D
d
A
A
b
d
A
b
c
b
C
A
a
D
d
B
をAな d
作にがが
り対ら D
、しボへ
挟てーの
ん、ルパ
で b をス
ボと持コ
ー d つー
ル
A
をでにス
奪2寄を
対
う る切
。1。り
2のへー a
のがのチが
状ポパし自
況イス、分
をンコ攻の
作トー撃マ
る。スをー
。ボを遅ク
ー切らを
ルりせ捨
サなるて
イが。 C
ドら C に
で寄かア
2せらプ
対る A ロ
G
c
C
a
b
2対2
A
D
d
戻す2 C
る。のが
。同数 D
時的に
に同縦
b 数パ
、のス
c 状。
が況こ
カをこ
バ作で
ーり2
に出対
にバに D
はーパが
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が戻しサ
マってイ
ーた上ド
ク b がの
にがる縦
つ対。に
く
。応 A 走
しにっ
、はた
DカA
D
d
らら
、A
攻の
撃パ
をス
遅コ
らー
せス
れを
る
。切
り
な
が
応2こし
法のれか
が数でし
ポ的状、
イ優況 B
ン位がが
トと一プ
だな変レ
。る。ス
。敵回
この避
こ攻し
か撃 C
らがに
の3パ
対対ス
。
G
B
B
が状ス掛 C
カ況をけが
バを切方 D
ー作りとに
にるな同パ
戻。が様ス
る A らに。
この D a 2
と上にが対
もが寄 C 2
ポりりへで
イに、のの
ン対2パプ
トし対スレ
。て1コス
b のーの
C
c
a
2対1
b
D
d
A
B
C
a
d
D
c
A
b
C
a
B
D
d
d A
D
c
ピヴォを置くダイヤ(3-1)、またはボックス(2-2)、クアトロ
(4-0)といった相手のシステム別の対応法を紹介する。基本的に
は2対2、3対3で学んだことの応用だ。マンツーマンをベースと
して、いつマークを受け渡すのか、いつボールを奪いに行くのか、
どうポジションを取るのかを学ぼう。
b
カ応 d
バでの
ーき場
にる所
戻。で
っDボ
たがー
b Aル
がにが
すパ奪
ぐスえ
に な
寄しく
せたて
るとも
。き対
、
をこパボ
奪でスー
うもコル
こ2ーを
と対ス持
が1をつ
での切 A
き状りに
る況な対
。をがし
作らて
り寄、
、せ d
ボるは
ー。 D
ルこの
ボックスへの対応
ボックスで守る際にも基本コンセプトは変
わらない。1人がボールサイドにプレスを掛
け、もう1人がパスコースを切りながら2対1
の状況で挟みに行く。カバーリングのポジシ
ョンやパスコースを切ることに気をつけよう。
a
b
A
Aをaがマーク。前のラインにいるbは中央への
パスコースを切るためポジションを絞る。
D
A
a
d
aがAにプレスを掛け、bが自分のマークへのパ
スコースを切りながら挟みに行く。AはDに縦パ
ス。
D
a
b
Dにdが対応している間に、aが挟みに行く。こ
のとき、bもカバーのため中央に戻る。
d
a
Dをaとdで挟み、2対1の状況からボールを奪
う。最初の段階で縦にパスを出されても問題な
い。
すぐにポジショ
ンを修正するこ
とが大事!
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08.9.4, 6:54 PM
クアトロへの対応
A
B
b
C
Point
D
c
d
×
同じラインに入らない
c
d
D
c
a
C
C b
b
a
A
B
ンにる裏マーーデク
を中。をールマィア
取央カ取クとンフト
る寄バらに逆がェロ
。りーれつサ基ンへ
のリるきイ本スの
ポン危すドだは対
ジグ険ぎのがマ応
シたがる c 、ンで
ョめあとがボツも
、
基本的にはマンツーマンで対応する。
重要なのは、誰がボールにプレスを掛けて、
誰がカバーするのか、という点だ。必ず前
後でラインを作り、それぞれの選手が同じ
ラインに入らないことが重要になる。
マークの受け渡し
B すマケ
にるーブ
裏とクラ
を、受す
取スける
らペ渡 C
れーすに
るス。は
危が c 、
険空が c
性
がくマか
あこーら
るとク b
。でをに
パスコースを切るポジション取り
マークを受け渡せる
B
A
B
状況なら受け渡したほう
b
が効率がいい。カバーに
D
a
b
A
c
d
A
C
C
c
移るdはぴったりマーク
D
a
d
d
につくのではなく、ある
程度間合いを作りながら
ついていく。
c
AがBにパスし、中央のスペースに動く
(エ
ントラ)
。Aに対しては、後ろのラインにい
るdが対応。Bは、サイドのCにパス。
エントラへの対応
CがAとワンツー。裏に抜けたCには近く
にいるdが対応し、cがカバーに戻るよう
に、受け渡しをスムーズに。
裏のスペースをカバー
A
D
パあ b A
スるはか
を。中ら
切D央D
るかにに
たらカパ
めBバ
だとース
。いにが
渡
う戻っ
中るた
央必と
へ要き
のが
、
c
d
C
b
B
a
A
b
[セルジオ ガルジェッリの挑戦]
選手自身の判断力を
向上させるイタリア人監督
ゾーン中央のスペー
スに敵が動いた場合、ど
B
の選手が対応し、どの選
手がカバーにするのか。
B
ガルジェッリ監督が勧め
るコンセプトを使えば、
A
C
C
c
d
だ。
d
A
d
a
b
b
BがAにパスしたとき、Cが中央の
スペースに移動。Cに対しては、d
がマークする。
応うでク d
で B 、すが
きに裏 C
る c をるを
。がねこマ
対らとー
Cにパスが渡った場合
図のような対応が可能
C
B
c
a
d
バスる対 d
ーを。1と
で c 裏の b
き、の状で
る
。 a ス況挟
がペをみ
カー作2
リーグ参入を見据えた府中アスレが招集した
。こんな例え話をし
分に欠けるところがある」
日本初となるイタリア人監督であり、母国で
「フリーキックの戦術を紙に書いて
てくれた。
はU-21世代など若手育成に定評のあるガルジ
渡すと、ブラジル人だとすぐにゴミ箱に捨て
ェッリ監督だ。
ちゃってピッチでやろうってなるけど、日本
ルジェッリだが、いったいどんな監督なのだ
界には外国人監督の顔が増えた。そして今季
C
c
D
4月から本格的にチームを指揮し始めたガ
Fリーグが誕生して以来、日本のフットサル
D
a
b
D
a
b
ろうか。イタリア時代から親交のある新谷は、
「必死に選手をわかろうとしてくれるし、みん
。
人はきっちり勉強してくる」
関東リーグでは、まだ優勝争いにとどまっ
ているものの、前期を終えて5位となった府
中アスレ。ガルジェッリ本人もチーム作りに
にはブラジル、スペインに続き、世界の強豪
なで一丸となって結果を出そうと妥協がない」
「チームがまだ
は時間が必要だと感じている。
国からまたひとりの新たな監督が来日した。F
と話す。鳩野も「プロ意識を植え付けてくれ
若いから、試合によって波がある。みんなボ
たことで練習への取り組み方が変わった」と
ードの上では動きをわかっているけど、まだ
説明する。
試合の早さの中で同じようにできる段階では
「やり方を押
興味深いのが、彼の指導法だ。
(鳩野)
。
しつけないし、答えもすぐに教えない」
ない」と冷静に分析する。
「後半戦には変わった部分を
しかしながら、
「ピッチに入れば選手の判断でプレーしないと
見せられると思う」と自信をのぞかせる。鳩
いけないから、状況判断の質を上げる練習を
野も「数的優位を作るディフェンスの形がし
(ガルジェッリ監督)というように、
している」
っかりできれば、相手に何もさせない手応え
選手自らに考えさせ、個々の判断や選択肢を
を感じる。信頼してついていけば、結果が出
消さずに伸び伸びプレーさせようと意図が伺
ると思う」と語る。
Fリーグを視野に入れたチーム強化の切り札
える。
というのも、おそらくガルジェッリの目に
として期待がかかるガルジェッリ監督。将来を
は、状況に関わらず決められた形どおりに動
見据えた上で、今は若い選手を成長をさせ、新
「日本人選
く日本人に戸惑いがあったようだ。
たなステージで戦うための土台を構築している
手はやることはやるけど、ファンタジーの部
ようだ。チームの変ぼうぶりに注目したい。
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