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チーム作りは ディフェンスから! - Sergio Gargelli
「ディフェンスなんかに興味はない!」 いえいえ、そんなことを言ってはいけません。 攻撃をする上でもフットサルでは守備が重要。 組織的な守備ができれば、ラクに攻撃ができるんですから。 テーマは、いかに数的優位の状況を作りボールを奪うか。 日本初のイタリア人監督、 府中アスレのセルジオ ガルジェッリ監督がチーム作りの基礎となる グループディフェンスのポイントを教えてくれます。 構成・写真◆本誌・亀山 チーム作りは ディフェンスから! フットサル完全版Pivo! 連動企画 ガルジェッリ監督指導による グループディフェンスのポイ ントをフラッシュ作戦図 でわかりやく解説!! 府中アスレティックF.C. 府中アスレティックF.C. セルジオガルジェッリ監督 新谷耕平 19●年●月●日生まれ。イタリア・ ●出身。現役引退後、2003年から監 督のキャリアをスタートさせ、2006 年にはイタリアU-21カップを制し、 最優秀監督を受賞。セリエBのプラー トの監督を務めていた昨シーズンの 約1か月、アドバイザーとして府中 アスレをサポート。今季府中アスレ の監督に就任した。 1986年11月8日生まれ。広島県出身。 2005年、イタリアで行われたフット サル大会でペルージャ外国人大学チ ームの一員として優勝。直後にスカ ウトされた、セリエBのコアール オリ ビエートで2シーズンプレー。ガル ジェッリ監督とともに、今季府中ア スレに移籍し、選手兼通訳として活 躍している。 府中アスレティックF.C. 083 FUTSAL MAGAZINE Pivo! pivo_fom.indd 1 08.9.4, 6:43 PM ディフェンスの コンセプトを理解する 自陣に引いてただ守ってばかりでは勝機はない。いかに奪って 攻撃につなげるか。意図的にボールを奪い、全員が連動すれば、 ゴールまでスムーズにボールを運べる。当然ながらフットサル はゴールを奪うスポーツ。攻撃のための守備を考えながら、ま ずはガルジェッリ監督が考えるグループディフェンスにおける 3つのコンセプトを紹介。 グループディフェンスのポイントを習得する前 に、当然ながら1対1の局面で負けないことを大 前提のうえで解説を進める。 カバーリングを徹底する ボールを奪う位置は試合の状況や対戦相手、フ ァウル数など、さまざまな状況によって異なるが、 「ハイプレスでもハーフまで下がってディフェン 球際で厳しくプレスをかける スをしても、第2PK付近まで下がっても、コン (ガルジェッリ監督)という セプトは全部一緒」 ように、共通点がある。その基本コンセプトは3 2対1の数的優位の状況から ボールを奪う つ。①必ずカバーリングを意識し、②プレスをか けること。その上で③2対1の数的優位の局面を 作り、2人で挟んでボールを奪うことだ。 まずは、その基本コンセプトを理解しよう。 1 2 カバーリングを徹底する 3 球際で厳しくプレスをかける 2対1の数的優位の 状況からボールを奪う ディフェンスをする1対1の場面 敵のパスコースを切るだけ、寄せ ボールを持った敵に1人がプレッ で相手に負けないことが前提として るだけというように、いつまでも受 シャーを掛け、下を向いてボールを いるが、それでも単独で突破された け身では相手からボールを奪えない。 コントロールするなど悪い状態とな り、1本のパスで裏を取られたりす 敵がボールを持ったときに積極的に ったときは、もう1人のディフェン るリスクを想定しておくことが必要 プレッシャーを掛け、相手を自由に スが挟んでボールを奪うチャンスだ。 だ。 プレーさせないことが重要だ。 ひ ただ、ピッチのどこかで2対1の 必ずボールを持ったオフェンスに とりひとりが局面で厳しいプレスを 数的優位を作るということは、ほか 対峙する味方ディフェンスの後ろに 掛けることができなければ、グルー の局面では数的不利の場面を作るリ カバーする選手がいなければならな プディフェンスは意味を持たなくな スクを背負うことになる。そのため、 い。 る。 一度挟んだら必ずボールを奪取しな ければならない。 撮影協力 府中スポーツガーデン 〒183-0012 東京都府中市押立町1-32-5 TEL 042-368-2337 FAX 042-368-2330 E-mail [email protected] URL http://www.uchide.jp/ 営業時間 8:00∼22:00 年中無休 *コート・設備の点検、改修などでの休業の場合あり *コート利用には年間会員登録が必要。年会費や利用料金は、 ホームページをチェック。 オープン5周年を迎える府中スポーツガーデンが 10月5日、記念イベントを開催する。O-35やミックス、 ファミリーなどさまざまなカテゴリー別のワンデー大 会やアトラクションを用意。フリースタイルチーム 「シュー・ド・ウェーブ」によるパフォーマンスも行 われる。 また、超初級から中級、女子といったクラス分けで、 府中アスレによるフットサルクリニックが毎週開催し ており、ガルジェッリ監督からも指導が受けられる。 申込方法など詳細については、こちらもホームペー ジをチェックしよう! 084 FUTSAL MAGAZINE Pivo! pivo_fom.indd 2 08.9.4, 6:45 PM 2対2で実戦感覚を養う グループディフェン スの基本コンセプトを 頭で理解したあとは、 実戦で身につけよう。 府中アスレも最初に取り 組んだという、2対2の練習からコンセプトに沿っ た守備のポイントを学ぼう。 3つのコンセプトを理解した上で、ピッチ上で 状がプ2 況でト対 別きを2 にる身の 対。に練 応 つ習 し けで よ るコ う こン ! とセ は選手たち自らが判断して自然にプレーできるよ うにならなければいけない。そこで府中アスレで もコンセプトを浸透させるためにまず始めたとい う、2対2の練習でのポイントを紹介する。 最初は20m×20mの範囲で行い、次に20m× 30mと範囲を広げる。攻撃側と守備側の選手が横 に並んだ状態や、縦に並んだ状態など、条件を変 「試合中にはい えながら取り組む必要性がある。 ろんな状況が起こるから、できるだけ練習でいろ (ガルジェッリ んな状況を経験することが大事」 2対2の練習の一例。縦にオフェンス、ディフェンス、オフ ェンス、ディフェンスと並び、守備側が有利な状態からスタ ート。コンセプトを当てはめながら状況ごとに対応しよう。 。 監督) カバーリングのポジショニング 同じラインに並び、裏を取られる b a B A A が B に パ ス 。 にをと a 入掛、が るけ a A 。、が、 bボb がーが カル B バをの ー持そ リつれ ンAぞ グにれ のプを ポレマ ジッー シシク ョャす ンーる 状況では、守備側が同じ ラインに並んではいけな がいないことで、パス1 A 本で簡単にディフェ ンスの裏を取られて しまう。 a b プレスが掛かっていない い。カバーリングの選手 B b バるせ A ラ。、か ン必 a ら スずは B を同カに 取じバ るラーパ 。イリス が ンン渡 にグっ なのた らポ瞬 なジ間 いシに よョ b うンが にに 入寄 、 a ボールホルダーに対して Bにパスが渡ったとき、bがプ レスに行ったにも関わらず、a はカバーリングのポジションに 戻らない。aとbが同じラインに 並んだ状態となる。 BがすぐにパスをAにリタ ーン。ワンツーの形でディフェンス2人 の裏を取る。 オフェンス同士の距離が近ければ、マークをチェンジする Aに対してa、Bに対してbと、基本的に はマンツーマンのマークを原則とするが、 例外もある。 オフェンス側のパスの出し手と受け手の b a a 距離が近ければ、マークを受け渡したほう がよい場合もある。その間隔の目安は5m。 うまく受け渡すことで、ボールを受けた相 手にすぐに寄せることができ、常にカバー リングの選手がいる状態となり、効率よく 守れる。 B A AがBにパス。このとき、aがAに プレッシャーを掛け、bはカバー リングのポジションを取ってい る。 B 近い オフェンスA、Bの距離が近い場 合。Bにパスが渡るとき、bがBに 寄るよりも、前のラインにいるa がそのままBに寄る。 マークを受け渡し、aがBにプレ スを掛けたほうが早く、またbが そのままカバーリングのポジシ ョンを取れるためリスクが少な い。A、B間の距離の目安は5m。 085 FUTSAL MAGAZINE Pivo! pivo_fom.indd 3 08.9.4, 6:46 PM 2対1の数的優位の状況を作り出し、挟んでボールを奪う をお a 取りが っカ A てバを いーマ るリー 。ンク グし の、 ポ b ジは シ原 ョ則 ンど 1 b a B A 2対1の状況でボールを奪おう とするとき、むやみに挟みに行っ てはダメ。ボールを持ったオフェ プレスがない状態で挟む ンスにしっかりプレスが掛かり、 相手が悪い状況でいることが必須 条件。ボールホルダーが自由にプ レーできては、2人で挟みに行っ ても簡単にプレスを回避される。 B A そこで重要なのが、カバーリン AがBにパス。aがプレッシャーを 掛け、bがカバーというようにセ オリーを守っている。 グする選手の、ボールサイドへの 寄B せに プボ レー スル をが 掛渡 けっ るた 。と き 、 b が 2 b アプローチの仕方だ。プレスが掛 かっているときに、自分のマーク へのパスコース(カットライン) を切りながら寄る。ボールホルダ b ーのパスコースを消し、孤立させ るのがねらいだ。 a Point Bにパスが受けたとき、マークす るはずのbがプレスを掛けていな い状態でaも挟みに行く。 パスコースを切りながら寄る ︵ 同とて b じきいが ラ aれB イはばに ン、、対 にB Bし 入かはて りら自し ︶ A 由っ なへにか が プり らのレプ 、パーレ B スでッ にコきシ 寄ーなャ るスいー 。を。を 切こ掛 りのけ 3 a 4 b a B 況 a でと ボ b ーで ルB をを 奪挟 うみ 。、 2 対 1 の 状 のレ a をスは 確を、 認掛 b しけが てて B 、いに るプ をス B 挟をか み切ら にり A 行なの くがパ 。らス コ Bー a A B Point Bとのワンツーの形でパスを受けたAがフリ ーで裏に抜ける。Aをマークするディフェン スが誰もいない。 プレスの間合い 遠い 1歩足を出せば、ボールをカットできる距離。これくらい 間合いを詰めないと、相手にプレッシャーにならない。 間合いが広いと、プレッシャーがなく、 相手に自由にプレーさせてしまう。 縦の2対2のケース マークを見て、パスコースを切りながら挟む ボールしか見ないで挟みに行く B b b B a a A A A Bに縦パスを出したAが前に上がる。a は自分のマーカーであるAを見ながら 戻る。 AとBがほぼ同じラインに来た段階で、 aはBからAへのパスコースを切りなが ら挟みに行く。 AがBに縦パスを出し、前に走り込む。 aはマークすべきAを見ずに、ボール だけを追う。 bがBにプレスを掛けているものの、a がAのパスコースを切っていないた め、フリーのAにパスが渡る。 086 FUTSAL MAGAZINE Pivo! pivo_fom.indd 4 a 08.9.4, 6:48 PM 3対3で連携を深める 2対2でコンセプトを学ん だら、より実戦に近い状況 である3対3の練習に取り組 もう。 ハイプレスとハーフラインからの守備を想定しながら、 ディフェンス同士の連携を深めよう。 パターン1 ハイプレスの例(クリアランスへの対応) 「相手のゴールに近い位置でリスクをかける (2対1の局面を作る)ことは、自分たちのゴ 1 Point ールから遠いため、回避されても修正が可能。 パスコースを限定するアプローチ それに相手ゴールに近いから、ボールを取っ (ガルジェ たらすぐに得点につながりやすい」 A ッリ監督)というように、高い位置で数的優 a 位の状況を作り、ボールを奪うハイプレスは ゴールクリアランスからの展開。Aが中央のゾーンでボ ールを受けに降りるとき、まずはaがマークにつく。 プレスが回避された際のリスクもあるが、同 時にチャンスも持ち併せている。 3対3の練習はまず20m×20mから始まり、 2 30m×20m、40m×20mとコートを広げなが ら行う。まずは狭いコートで取り組むことで G ゴレイロからボールを受けたAに対して、プレス を掛けるのは(降りてきたAと)同サイドにいたc。 このアプローチの仕方、体の向きに注目してほし い。Aの体の右側(cがマークしていたC)のコース を切り、Bへのパスを誘導している。 Cへのパスコースを切る理由は、cが自らのマー クを外して寄せており、フリーのCにパスが渡ると 再び修正する必要があるからだ。AからのパスをB に限定することで(守備側から見た)左サイドで 2対1の数的優位を作る意図がある。 動く距離が短い分、コンセプトがわかりやす い。ここでは、相手のゴールクリアランスか らボールを奪う例を紹介する。 ゴレイロからAにボールが渡る。 3 G A B C b c c a A aが (b、cと同じ) 前のラインに入らないように、cがAにプレ ス。bは裏にパスを通されないようにやや中央に絞る。 a プレス回避後も修正して挟む 5 4 B B ゴレイロから、ゾーンの間に降りてきたオフェンスにボ ールが渡る展開に対応する。 b A Point AはBにパス。 (自陣)右のスペースでパスを受けよ うと抜ける。Aのマークをcからaに再び受け渡す。 ラインによるマークの受け渡し 5 6 B b a b b c c A a A a ⑤Bからサイドに開いたAにパスが通る。bがすぐに ポジションを修正する。 a オフェンスAに対するマークの受け渡しに注目 (守備側か だ。最初はマンツーマンでaがAにつき、 ら見て)高い位置ではcにマークを受け渡し、再び Aが抜けてきたときにaがマークについた。守備ラ インにより、マークを受け渡している。なぜ受け 渡すのか。これも、カバーリングを徹底するコン セプトに関係している。Aが一度ラインを下げたが、 aがそのままマークについていくと、同じ第1ライ ン(b、cのライン)に吸収され、カバーリングを する選手がいなくなるからだ。Aに右裏に抜けられ るリスクがある。 bがBに激しくプレス。コンセプトどおり、cは同じ ラインに入り(パスコースを切り) 、Bを挟みに行く。 6 b c bとcでBを挟む2対1の状況でボールを奪取。すぐ にシュートが打てる。 ⑥aがAの縦を切る間に、bがAからBへのパスコー スを切りながら挟んでボールを奪う。 プレスを回避されたとしても、すぐにポ ジションを修正することによって、再び2 対1の数的優位の状況を作り出せる。ここ でも基本コンセプトは同じ。1人がしっか りと厳しいプレスを掛けて、もう1人がカ ットラインに入り、挟んで取る形だ。 087 FUTSAL MAGAZINE Pivo! pivo_fom.indd 5 08.9.4, 6:50 PM パターン2 ハイプレスの例(クリアランスへの対応) パターン1と同様、ゴールクリアランス時 1 Point にAが降りる展開への対応法を紹介する。 パスコースの切り方 挟み方は基本的にパターン1の場合と変わ A らないが、1つ異なる点は逆サイドにボール 縦のコースを切り、パスカット を振られたときの対応だ。一度サイドを揺さ ぶられ、 (守備側の)右サイドの裏にパラをね a らう敵が走ってくる。その敵へのパスコース ゴールクリアランスでパターン1同様に、Aが 中央のスペースに降りてくる。 の切り方、体の向きがポイントになる。 2 B B G C c b a C 3 A Bが(右)サイドから走ってきて、Cの縦のスペー スでパスを受ける(パラ)とき、ディフェンスcは まず中央へのパスを切り、Bが縦に抜ける瞬間に縦 のパスコースを切る。縦パスが通れば、先に走っ ているBにボールに触わられてしまうため、ここで カットする必要がある。 B ゴールクリアランスからゾーンの間でボールを受けにAが 降りるが、ゴレイロはBにパス。 C 中央のパスコースだけを切る AがBの縦に抜け、Bがすばやく逆サイドのCヘ パス。 G C c b A B c ディフェンスの対応はパターン1と同じだが、 ゴレイロはAを使わずにBにスロー。 A 4 B a AがBの縦に入りフォローするつもりをして、Aが走って きた空いたスペースを使うのがねらい。Bが逆サイドのC にパスを出し、Cの縦のスペースでボールを受けようとす 。 る(パラ) Point B C B Bが逆(守備側から見た右)サイドのスペース でボールを受けようと走る。 5 この状況でCからBに縦パスを出されると、空いて いるスペースに走り込まれ、一気にカウンターを 食らってしまう。 C 3対3の練習例 が攻 、守 1と かも 所 にに 集3 ま人 るず 。つ G こさクか とまリけ がざア声 目まラと 的なンと だ状スも 。況がに にス散 対タら 応ーば すトり る 。、 c C b B c このとき、ディフェンスCが縦を切り、パスカ ットをねらう。 高い位置でボールが奪えれば、 即チャンスにつながる! 088 FUTSAL MAGAZINE Pivo! pivo_fom.indd 6 08.9.4, 6:52 PM パターン3 ハーフライン付近での例(エントラへの対応) 1 敵のピヴォと味方のフィクソがマンツーマ カ前ハ ウにー ンスフ タペラ ー イ がーン でスで きが奪 るあえ りば 、、 ンの状況になると考えれば、ハーフラインで の3対3は4対4で守る状態とほぼ一緒だ。 エントラする(ゾーンの間でボールを受け B る)敵に対して逆サイドのディフェンスが対 A 応することで、常に1人がカバーできる状態 を作るのがポイント。また、ハーフラインで AがBにパス。 ボールを奪えばカウンターが仕掛けやすくな る。 2 c c A A b a Aがaの裏に走る。aがマークを受け渡し、cがA のマークにつく。 B C ボールサイドのプレスが甘い場合 A 3 ボールを持つBにbがプレスを掛け、aが同 じラインに入ってから(BからCへのパス コースを切りながら) 、Bに寄る。aとbの 2人でBを挟み、ボールを奪う。 b b C a C B bのプレスが甘いと、Bから2つのパス コース(AとC)ができる。Bが逆サイ ドを上がったCにパス。 Bに対して、まずbがプレスを掛け、aがBからC のパスコースを切りながら寄せる。 c B A 4 C a b B b フリーでCがボールを受ける。左サイドにいたcが エントラから右に抜けたオフェンスAをマークする ため、左サイドにスペースが空き、そこを突かれ る。 B a ボールを持つBにbがプレスを掛け、aが同じラインに入っ 、Bに寄る。 てから(BからCへのパスコースを切りながら) aとbの2人でBを挟み、ボールを奪う。 Bをa、bで囲みボールを奪う。 Point Point ディフェンスラインに深さを作る パラとエントラへの対応の違い d c D b d b b a C a B C b B エントラの場合 c b B a A A c b B C Aに対して、cにマークを受け渡すより、 aがそのままついていくほうが早い。 a B パラの場合 A 通常の4対4の状況を想定する と、エントラするオフェンスC にdがマークにつくと、裏のス ペースをカバーする選手がいな くなる。そのため、3対3のこ の状況では、逆サイドのアラが マークにつく必要がある。 a A A a カバーリングの原則どおり、ディフェンスライ ンがフラットでは短い1本の縦パスで裏を取られ るリスクがある。そこでディフェンスをする上で は必ず前(a-b)と後ろ(c)のラインを形成し、カ バーリングできる状況を作る必要がある。 また、ボールホルダーに対して常にプレスを掛 ける選手b、カバーする選手c、挟みに行く選手aを 位置するトライアングルも意識しよう。 A c c a A C Aに対して、aはAとの距離が近いアラのc にマークを受け渡す。 089 FUTSAL MAGAZINE Pivo! pivo_fom.indd 7 08.9.4, 6:53 PM 4対4で応用力を 身につける ダイヤへの対応(3対3で回避された場合) 受3 け対 た3 B同 を様 、、 bゴ とレ c イ がロ 挟か みら にボ 行ー くル 。を G c 敵のピヴォと味方のフィクソがマンツーマンと想定すれば、 C B b ダイヤへの対応は基本的に3対3と同じ状況になる。ただ、そ こでプレスを回避されたときの対応法も身につける必要があ る。グループディフェンスの目的はボールのあるところに、デ (ボールから遠 ィフェンスの数的優位を作ることであるため、 A a D d い)一番関係ない敵を捨てることも重要になってくる。 れ b 、、 B c かに らよ Cる にプ パレ スス が 通が る回 。避 さ B C c a D A d C a D d A A b d A b c b C A a D d B をAな d 作にがが り対ら D 、しボへ 挟てーの ん、ルパ で b をス ボと持コ ー d つー ル A をでにス 奪2寄を 対 う る切 。1。り 2のへー a のがのチが 状ポパし自 況イス、分 をンコ攻の 作トー撃マ る。スをー 。ボを遅ク ー切らを ルりせ捨 サなるて イが。 C ドら C に で寄かア 2せらプ 対る A ロ G c C a b 2対2 A D d 戻す2 C る。のが 。同数 D 時的に に同縦 b 数パ 、のス c 状。 が況こ カをこ バ作で ーり2 に出対 にバに D はーパが d にス同 が戻しサ マってイ ーた上ド ク b がの にがる縦 つ対。に く 。応 A 走 しにっ 、はた DカA D d らら 、A 攻の 撃パ をス 遅コ らー せス れを る 。切 り な が 応2こし 法のれか が数でし ポ的状、 イ優況 B ン位がが トと一プ だな変レ 。る。ス 。敵回 この避 こ攻し か撃 C らがに の3パ 対対ス 。 G B B が状ス掛 C カ況をけが バを切方 D ー作りとに にるな同パ 戻。が様ス る A らに。 この D a 2 と上にが対 もが寄 C 2 ポりりへで イに、のの ン対2パプ トし対スレ 。て1コス b のーの C c a 2対1 b D d A B C a d D c A b C a B D d d A D c ピヴォを置くダイヤ(3-1)、またはボックス(2-2)、クアトロ (4-0)といった相手のシステム別の対応法を紹介する。基本的に は2対2、3対3で学んだことの応用だ。マンツーマンをベースと して、いつマークを受け渡すのか、いつボールを奪いに行くのか、 どうポジションを取るのかを学ぼう。 b カ応 d バでの ーき場 にる所 戻。で っDボ たがー b Aル がにが すパ奪 ぐスえ に な 寄しく せたて るとも 。き対 、 をこパボ 奪でスー うもコル こ2ーを と対ス持 が1をつ での切 A き状りに る況な対 。をがし 作らて り寄、 、せ d ボるは ー。 D ルこの ボックスへの対応 ボックスで守る際にも基本コンセプトは変 わらない。1人がボールサイドにプレスを掛 け、もう1人がパスコースを切りながら2対1 の状況で挟みに行く。カバーリングのポジシ ョンやパスコースを切ることに気をつけよう。 a b A Aをaがマーク。前のラインにいるbは中央への パスコースを切るためポジションを絞る。 D A a d aがAにプレスを掛け、bが自分のマークへのパ スコースを切りながら挟みに行く。AはDに縦パ ス。 D a b Dにdが対応している間に、aが挟みに行く。こ のとき、bもカバーのため中央に戻る。 d a Dをaとdで挟み、2対1の状況からボールを奪 う。最初の段階で縦にパスを出されても問題な い。 すぐにポジショ ンを修正するこ とが大事! 090 FUTSAL MAGAZINE Pivo! pivo_fom.indd 8 08.9.4, 6:54 PM クアトロへの対応 A B b C Point D c d × 同じラインに入らない c d D c a C C b b a A B ンにる裏マーーデク を中。をールマィア 取央カ取クとンフト る寄バらに逆がェロ 。りーれつサ基ンへ のリるきイ本スの ポン危すドだは対 ジグ険ぎのがマ応 シたがる c 、ンで ョめあとがボツも 、 基本的にはマンツーマンで対応する。 重要なのは、誰がボールにプレスを掛けて、 誰がカバーするのか、という点だ。必ず前 後でラインを作り、それぞれの選手が同じ ラインに入らないことが重要になる。 マークの受け渡し B すマケ にるーブ 裏とクラ を、受す 取スける らペ渡 C れーすに るス。は 危が c 、 険空が c 性 がくマか あこーら るとク b 。でをに パスコースを切るポジション取り マークを受け渡せる B A B 状況なら受け渡したほう b が効率がいい。カバーに D a b A c d A C C c 移るdはぴったりマーク D a d d につくのではなく、ある 程度間合いを作りながら ついていく。 c AがBにパスし、中央のスペースに動く (エ ントラ) 。Aに対しては、後ろのラインにい るdが対応。Bは、サイドのCにパス。 エントラへの対応 CがAとワンツー。裏に抜けたCには近く にいるdが対応し、cがカバーに戻るよう に、受け渡しをスムーズに。 裏のスペースをカバー A D パあ b A スるはか を。中ら 切D央D るかにに たらカパ めBバ だとース 。いにが 渡 う戻っ 中るた 央必と へ要き のが 、 c d C b B a A b [セルジオ ガルジェッリの挑戦] 選手自身の判断力を 向上させるイタリア人監督 ゾーン中央のスペー スに敵が動いた場合、ど B の選手が対応し、どの選 手がカバーにするのか。 B ガルジェッリ監督が勧め るコンセプトを使えば、 A C C c d だ。 d A d a b b BがAにパスしたとき、Cが中央の スペースに移動。Cに対しては、d がマークする。 応うでク d で B 、すが きに裏 C る c をるを 。がねこマ 対らとー Cにパスが渡った場合 図のような対応が可能 C B c a d バスる対 d ーを。1と で c 裏の b き、の状で る 。 a ス況挟 がペをみ カー作2 リーグ参入を見据えた府中アスレが招集した 。こんな例え話をし 分に欠けるところがある」 日本初となるイタリア人監督であり、母国で 「フリーキックの戦術を紙に書いて てくれた。 はU-21世代など若手育成に定評のあるガルジ 渡すと、ブラジル人だとすぐにゴミ箱に捨て ェッリ監督だ。 ちゃってピッチでやろうってなるけど、日本 ルジェッリだが、いったいどんな監督なのだ 界には外国人監督の顔が増えた。そして今季 C c D 4月から本格的にチームを指揮し始めたガ Fリーグが誕生して以来、日本のフットサル D a b D a b ろうか。イタリア時代から親交のある新谷は、 「必死に選手をわかろうとしてくれるし、みん 。 人はきっちり勉強してくる」 関東リーグでは、まだ優勝争いにとどまっ ているものの、前期を終えて5位となった府 中アスレ。ガルジェッリ本人もチーム作りに にはブラジル、スペインに続き、世界の強豪 なで一丸となって結果を出そうと妥協がない」 「チームがまだ は時間が必要だと感じている。 国からまたひとりの新たな監督が来日した。F と話す。鳩野も「プロ意識を植え付けてくれ 若いから、試合によって波がある。みんなボ たことで練習への取り組み方が変わった」と ードの上では動きをわかっているけど、まだ 説明する。 試合の早さの中で同じようにできる段階では 「やり方を押 興味深いのが、彼の指導法だ。 (鳩野) 。 しつけないし、答えもすぐに教えない」 ない」と冷静に分析する。 「後半戦には変わった部分を しかしながら、 「ピッチに入れば選手の判断でプレーしないと 見せられると思う」と自信をのぞかせる。鳩 いけないから、状況判断の質を上げる練習を 野も「数的優位を作るディフェンスの形がし (ガルジェッリ監督)というように、 している」 っかりできれば、相手に何もさせない手応え 選手自らに考えさせ、個々の判断や選択肢を を感じる。信頼してついていけば、結果が出 消さずに伸び伸びプレーさせようと意図が伺 ると思う」と語る。 Fリーグを視野に入れたチーム強化の切り札 える。 というのも、おそらくガルジェッリの目に として期待がかかるガルジェッリ監督。将来を は、状況に関わらず決められた形どおりに動 見据えた上で、今は若い選手を成長をさせ、新 「日本人選 く日本人に戸惑いがあったようだ。 たなステージで戦うための土台を構築している 手はやることはやるけど、ファンタジーの部 ようだ。チームの変ぼうぶりに注目したい。 091 FUTSAL MAGAZINE Pivo! pivo_fom.indd 9 08.9.4, 6:55 PM