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日々是好日 - JAAC 日米学術センター
発行者:JAAC 日米学術センター 2007 年年末年始特集号(2008 年1月号) 2007 年 12 月 15 日発行 日々是好日 師走に入って寒さも本格的になって参りました。JAAC の学生、保護者の皆様、関係者の皆様、今年もいよいよ残すと ころ、あと二週間あまりとなりました。 世界の環境(政治、経済、自然環境、人間の生き方などなど)が著しく変化し、それに対応できずに毎日が過ぎている 世相感が伺われます。昭和の良き日々(もちろん、戦後の高度成長期をむかえるまでの人間味あふれる時代)を物語った 映画が公開されているのはご存知のことと思います。ご覧になった方の誰もが、涙したのではないでしょうか? 私も小 学、中学生時代に日本が飛躍する時代を過ごしたひとりです。 人々の心も気持ちも行動も、今振り返れば何かほんのりとして安らげる時代背景だったと思います。小学生時代の夏休 みには蝉が鳴き、毎日のように学校のプールへ野球帽をかぶって出かけ、帰りにはアイスバーをかじりながら、友達と過 ごした日々が思い出されます。今や世の中は殺伐として、人としての在り方、人としての生き方、人としての交わり方な ど、冷ややかな人間関係が生まれてきてしまっているように感じられます。こんな時代になったからこそ、正しい生き方 を考える必要があると思います。決して、過去を賛美し、現在や未来を否定するわけではないのですが、過去を見つめ検 証し、それを生かすことこそ、今求められているのだと思うのです。 私たちを取りまく環境を大別すると大きく三つに大別できると思います。第一は、自分を含めた人間環境。第二には、 学校や会社、金銭、商品、生活用品などの物質的な環境。そして第三に自然環境があげられると思います。これらの環境 と自分との関係を考えた時、 『自分の心の思う通りに、環境は造りかえることができる』ということがいえると思うので す。環境によって人間の心が支配され、目に見えない運命によって方向づけが決定されているとは到底思えないのです。 日が悪いとか、ついていない、縁起が悪い、運命のめぐり合わせだ、というような宿命論的な考えは打ち破っていかな ければいけないのではないでしょうか。前述のように、殺伐とした時代だからこそ、ものの見方や考え方を変える(正し いベクトル)ことで環境は変わると思うのです。 『運命は自らまねき、環境は自ら造る』を心した時に、われわれの人生 は拓けてくると思います。 目的意識を持って最後までつらぬき通すならば、運命は必ず拓けてきます。目標を設定し、行動する計画を立案し、そ の行動を習慣化する実践の繰り返しによって、心の思う通りに環境や境遇は造りかえられるのではないでしょうか。今、 アメリカの大学を舞台に青春期(学力、知識、見識、人脈などの吸収をする時期)を謳歌している JAAC の学生たちは、 それぞれの自己目標の必達のため奮闘努力しています。その努力や苦しみもよく理解しています。 日々好日 今日はまたと巡って来ない。昨日は過ぎ去った今日であり、明日は近づく今日である 今日はまたと巡って来ない。昨日は過ぎ去った今日であり、明日は近づく今日である 今日のほかに人生はない。人の一生は、今日の連続である。 今日のほかに人生はない。人の一生は、今日の連続である。 今日一日、これは光明に輝き、希望にみちた、またなき良き日である。 今日しなければ、いつその日が廻ってこよう。 今日をとりにがす人は、一生をとりにがす人である。 土屋 公三 JAAC の学生たちは様々な夢や大志を抱いています。若さとは何物にも置き換えることの出来ない特権です。人生を積 み重ねた親御さん達からすれば自分を乗り越えてほしいという願望があるはずです。今日一日を一所懸命に生きること で、克服できるのだとすれば、やってみる価値はあるのではないでしょうか。 さて、皆さんにとって今年はどんな一年だったでしょうか。様々な思いがおありになると思いますが、自己を省みるこ とを実践していただければと思います。私共、JAAC も業務のあり方や学生や保護者への支援、指導をしっかり検証し、 更なる研修を重ねて精進してまいりたいと思います。 来る、新年が皆様にとって実りあるものであることをお祈りいたします。大きく羽ばたき夢の実現を目指して・・。 JAAC 日米学術センター 代 表 高瀬 永俊 発行者:JAAC 日米学術センター 2007 年年末年始特集号(2008 年1月号) 2007 年 12 月 15 日発行 《 《 《 《 親と子の絆(最終回) “絆” 》 》 》 》 シリーズ全 11 回 (カリフォルニア担当:照井 紀久夫) 今年の1月から連載を始めた『親と子の絆』も、早いもので、今回で最終回を迎えました。我が子が生まれてから親元を去って行くまでの主 だった成長の過程を振り返ってみましたが、アッと言う間に1年が過ぎたという感じです。きっと、子育ての時間もこのように長いようでいて、 本当は短いものなのかもしれませんねぇ。その時間だけ、まるで時計の針が故意に早回りをしているように感じます。 私は『親と子の絆』の連載を通して、親子の絆とは何か、ということを改めて見つめてきました。肉親という観点から言えば、夫婦の間柄 は他人ですが、親子の間柄は紛れも無い血縁関係で結ばれています。それ故に、親はいつ何時でも我が子のことを気にかけ、考えるのはごく自 然であり、また、当然のことと言えるでしょう。我が子が生まれた日の歓喜、大変ではあるけど、すくすくと育つことを願う育児の毎日、年月 の節目毎に迎える祝い事など、これほど我が子を愛おしく思う瞬間(とき)はありませんね。やがて年月を重ねるごとに自我に目覚め、親に反 抗し、対立的な感情を抱く我が子。そして、自分の未来に向かって親元から巣立って行く我が子。その瞬間(とき) 、その時期の心の中に迎え 感じる喜びと、葛藤の繰り返し。親の身でなければ決して持つことのできない経験と、味わうことのできない感情です。愛おしみ、祝い喜び、 哀れみ、慈しみ、憎しみ、そして、尊ぶ。これらの感情は全て親と子の間の情愛がなせるものではないでしょうか。親子の情愛の深さというも のは、今も昔も、洋の東西に係わらず共通のものであり、且つまた、普遍的なものだと思います。いいえ、そうであることを信じたいと思って います。この情愛こそが『絆』の原点ではないでしょうか。 私事になりますが、私の両親はお陰様で 80 歳を超えて今なお健在です。50 歳を過ぎた私も、私の母親にとっては未だまだ子供なのでしょう ね。およそ1年の半分をアメリカで過ごす私のことを思い気遣い、 『あんた、アメリカにいる時にちゃんと食べているの?』と、日本に帰るた びに言われます。そんな母からの言葉は暖かく、ありがたいものです。でも、時には“うざったく”も感じ、煩わしく私の耳に響きます。本来 ならば、年老いていく両親のことを気にかけて、気の利いた言葉の一つもかけてあげるのは私自身の方なのですが。保護者である皆さんも同じ ようなご経験がありませんか。また、JAAC 生の皆さんにも思い当たる節があることでしょう。所詮、子は何歳になっても、親にとっては子供。 私はこれも『親と子の絆』なればこそだと思っています。 “絆”は「糸」へんに「半」と書いて「きずな・きづな」と読みます。漢字そのものの意味は「糸でぐるぐる巻く」というものです。平安時 代から使われていたこの言葉の由来には諸説がありますが、一般的には「家畜や馬、犬などを繋ぎとめておく綱」を意味していたようで、何事 も繋ぎとめて離れないようにするということから、後に「人と人とを繋ぎとめて離れないようにする結びつき」という意味を持つ、 “きずな” という言葉として使われ始めました。親子や家族、兄弟姉妹、夫婦といった間柄から、様々な人間同士の係わりの中に存在する、目には見えな い何らかの心と心の結びつきです。この世に生きる何十億という人間の中で、不思議な縁によって結ばれた夫婦の絆、そして、その夫婦の間に 生まれた子供との絆、これらはまるで予め決められていた運命(さだめ)であるかのように、私たちのなかに存在しています。 「絆」という綱 や糸は、物体として存在する物ではないので、実際に目で確かめて見ることはできません。だからこそ、この「絆」を永遠に保ち持とうとする のか、それとも、断ち切るのかは、私たち一人ひとりの心の中に委ねられているのです。 「絆」は、俗に言うところの、 “太く、短く”や、 “細く、長く”ということで計るものではなく、また、そのあり方を言うものでも決してあ りません。親と子の間で互いに思いやり、互いを認め合い、尊び合う気持ちの“深さ”と“広さ”によるものではないでしょうか。親子が良好 な関係にある時だけ「絆」を感じるのではありません。お互いにいがみ合っていても、そこには「絆」が歴然と存在します。いがみ合いの後に は、必ず、互いを認め合い、理解し、そして、許し合う時が来ることを信じましょう。 「絆」にはもう一つ、互いを“信じる”という、一番大 切なことを私達に教えているのだと思います。 だからこそ、親と子は“互いに繋ぎとめられていて、離れない”のです。皆さんは、 『親と子 の絆』について、どのように思われ、考え、感じられましたか? (完) ちょっと、一休みしませんか・・・? ~ 『 七草がゆ:Rice 七草がゆ:Rice Porridge with Seven Spring Herbs. 』 ~ 日本のお正月は、古くから日本に伝わる伝統や習慣が人々を楽しませて くれる時期でもありますね。大晦日の除夜の鐘を聞き、年が明けると新年 の挨拶を交わし、初詣に行く。こども達にはお年玉。おせち料理やお雑煮 を食べながら、お世話になった人たちや旧友からの年賀状を読み返し、懐 かしさに想いをよせるひとときの団欒。あぁ、ニッポンのお正月、お正月。 * * * * * * * * * * * * お正月行事の最終日には、セリやナズナと言った早春の野山に咲く7種 の若菜入りのおかゆが良く食べられます。これは、自然界から新たな生命 力を得て、私たちの身体の無病息災と長寿を願うものとして、古くから受 け継がれてきた習慣です。 On January 7, the last day of the New Year’s season, people enjoy porridge with seven young herbs of the early spring such as dropwort ( seri ) and shepherd’s purse ( nazuna ). They wish for good health and long life by gaining new vitality from nature. FAQ 「車はどうやって買うのが一番良いですか?」 A: 初めてアメリカで車を購入するのであれば、車のディーラ ーや中古車ディーラーが良いと思います。もちろん、予算に合わ せてインターネットなどで紹介されている車を買うこともでき ます。その他、友人や知人から買うこともできますね。車を買う ときに注意することは、買う前に現物を良く見て、実際に運転し て、その車の状態を確かめてみることです。インターネットや友 人などから安く買えたとしても、故障した時の保証はありませ ん。車のディーラーで購入した場合、故障した時の修理などはそ のお店に頼むこともできますから、安心だし、便利だと思います。 また、アメリカで初めて車を買って運転する人は、慣れないため にキズを付けることを予想して、最初は低予算の中古車を購入す ることを薦めます。くれぐれも、安全運転を心がけましょう。 発行者:JAAC 日米学術センター 2007 年年末年始特集号(2008 年1月号) 2007 年 12 月 15 日発行 “ 「産」と「学」の連携のあり方” (連載③ 連載③ 最終回) ~ 「官」を 「官」を加えての日本の産学官連携への道 ― 新たな試みと課題 ~ 1980 年にアメリカで制定された「バイ・ドール法」と「スティーブンソン・ワイドラー技術革新法」 (前述:JAAC だより 11 月号参照)に 倣い、日本でもアメリカに遅れること約 20 年後の 1999 年に、日本版バイ・ドール法に相当する「中小企業技術革新制度」が制定された。そ して、日本のスティーブンソン・ワイドラー技術革新法に当たる「大学等技術移転促進法」が制定されたのも、この年のことである。その後、 2001 年には当時の平沼経済産業大臣の下で、積極的に大学等における研究成果の事業化に努め、日本の産業競争力の強化を図るための戦略と して「大学発ベンチャー1000 社計画」が発表された。2002 年以降も日本の国家戦略として、大学発ベンチャー創出の拡大のための予算を投入 するなど、産学連携による様々な施策が展開されてきた。 しかしながら、これらの研究開発プロジェクトや活動に、世界最大規模とも言われる資金と人員を投入しているにも関わらず、期待された新 産業や新事業の創出になかなか効率的に結びついていないのが現状である。その理由として、日本独特の官尊民卑的な思想や横並び的発想が優 先してしまい、大学と産業界の間や、大学や産業界そのものにおいても、産学連携に対する理解不足や戸惑いと言った、制度面や慣習上の障壁 が今なお残されていることが挙げられる。さらに、国家戦略としての日本の自律的発展と経済成長を成しえるための、産学連携を始めとした、 あらゆる経済活動を支える専門的、且つ、即戦力となる人材の育成が立ち遅れているのである。まずは、このような人材育成の基盤となる高等 教育の活性化が図られることが、最も優先されるべきことであろう。日本の高等教育機関は、国による画一的評価や種々の規制の下で、必ずし もその主体性を発揮して自由な教育や研究活動を行える状況にあるとは言えないのである。 ここで改めて日本の産学連携における試みを見てみると、2つの基本的課題があるように思われる。一つは、 「人材育成」であり、もうひと つは「制度面や慣習上の問題 - システム」であろう。日本の制度や慣習上、これらの問題を解決するには「産」と「学」に加えて、やはり、 「官(官僚) 」が入り込まないと、日本の場合はことが先に進まないようである。アメリカのように、政府が必要なシステムの整備を行い、そ の後は、ただ背中を押してやるようにするだけで自律的に動き出す「産」と「学」ではないようだ。そこで、日本では「産」 、 「学」 、 「官」によ る連携の体制と体勢によって、様々な課題の克服に努めようとしている。専門的かつ即戦力となる人材育成の加速化を促すこととして、2003 年には学校教育法により、 「専門職大学院制度」が確立された。さらに、2003 年 7 月には「国立大学法人法等関係6法」が成立(同年 10 月施 行)し、翌、2004 年4月から日本の国立大学は「国立大学法人」に移行し、高等教育機関の刷新とも言うべき新たな一歩を踏み出した。国立 大学はいよいよその構造改革を進めることになり、各大学の主体性を発揮した、特徴ある自由な教育と研究が可能となったのである。このこと が、大学の一義的使命である、将来を見据えた質の高い研究を行い、次代を担う中核的な人材を育成する、ということへの更なる発展に繋がる ことを大いに期待したい。前々号の JAAC だより 11 月号でも述べたが、アメリカにおける産学連携が、アメリカの自国経済の発展のみならず、 大学の一義的使命の活性化にも大きく寄与したことを、改めて思い起こしてもらいたい。よって、一時的な「官」主導のものとはいえ、日本の 大学が産学連携活動を自由に行える、独自の環境システムを整備することの政策的意義は極めて大きいと言えるだろう。 1980 年にアメリカで「バイ・ドール法」と「スティーブンソン・ワイドラー技術革新法」が制定されから、日本版バイ・ドール法等の整備 や国立大学法人化の実現まで、実に、24 年という年月が経過している。この約四半世紀に渡る時間のズレを“遅れ”として捉えるのか、それ とも、入念な“準備期間”として捉えるかは、これからの日本の将来の姿が証明することとなるだろう。そして、その実現に向けての原動力と なる人材の一員として、アメリカで学ぶ留学生への期待と役割は、とても大きなものである。 (完) (JAAC カリフォルニア担当:照井) ★ JAAC 生の皆さん、保護者の皆さん、大切なご案内です ★ 冬季休業期間と緊急連絡先のご案内 JAAC 日米学術センター並びに同カリフォルニア事務局とミズーリ事務局は、以下の日程を冬季休業期間とし事務局の営業を お休みいたします。つきましては、休業期間中の緊急連絡先をご案内させていただきますので、ご確認ください。 【JAAC 日米学術センター本部】12 月 29 日(土)~1 月 6 日(日) 緊急連絡先:090-2775-3168(鈴木携帯) 【JAAC ミズーリ事務局】 12 月 22 日(土)~1 月 1 日(火) 緊急連絡先:573-450-3930(ライモン携帯) 【JAAC カリフォルニア事務局】12 月 22 日(土)~1月2日(水) 緊急連絡先:949-910-6806(業務用携帯:新井) ※同事務局の照井の連絡先: 日本の自宅電話/Fax:047-328-2070・日本の携帯:090-6713-8182 Season’s greetings from all of us at JAAC. May the New Year bring joy and peace to you and to those you love. Our sincerest wishes for happy holidays. ご家族の皆々様におかれましては喜びと ご家族の皆々様におかれましては喜びと平穏 におかれましては喜びと平穏な日々と 平穏な日々と 素晴らしき新年をお迎えになられますことを心よりお祈り申し上げます 素晴らしき新年をお迎えになられますことを心よりお祈り申し上げます JAAC 日米学術センター ●JAAC JAAC 本部内保護者様専用ご連絡・ご相談窓口: 本部内保護者様専用ご連絡・ご相談窓口: フリーダイヤル 0120- 0120-525- 525-626 [email protected] 担当:高瀬 ◎カリフォルニア担当:照井(てるい)[email protected] ◎JAAC 日米学術センター 鈴木:[email protected] 新井(あらい)[email protected]