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シカが増えたわけ
鳥獣新聞第 10 号 平成 21 年 8 月 20 日発行 シカが増えたわけ 夕暮れ時、寅やん宅の居間にて。とちぎテレビ「奥日光の自然 を探る」を見ながら。 ハツイ:あれ、奥日光じゃ昔はシカが少なかったんだってよ。 寅次:そうけ。こないだ行ったときは、車の横さうろうろしてた けっどもなぁ。 ハツイ:なんとかアオイっつう花が食われっちゃったってよ。 寅次:そらシラネアオイだんべ。ササも食われて減っちまったっ て聞いたど。 ハツイ:したって、なーんでそんなに増えちまったんだんべ。 寅次:わーがんねきっとも*、大変だなや。 *わーがんねきっとも:わからないんだけれども 第 10 号 ざくざくカキ氷号 栃木県のシカをめぐる問題 栃木県では 1990 年代にシカが急増し、農林業被害の急増や奥日光の貴重な植物の 食害など、大きな問題となりました。 冬を越した親子のニホンジカ(奥日光千手ケ原にて) 鳥獣新聞第 10 号 平成 21 年 8 月 20 日発行 なぜシカは増えたのでしょうか 増えやすいシカの生態 シカは群れで生活します。また、群 れごとのナワバリもありません。こ のため、餌さえあればどんどん増え ていきます。 積雪の減少 これまで、5~6年に一度の大雪の 年に、餌が食べられないことによる シカの大量死(クラッシュ)が発生 し、数のバランスが保たれていまし た。しかし、1984 年の冬以来、大雪 が降っていません。 5~6年間隔 丸山直樹(1986)に加筆 このほか、天敵となっていたオオカミが絶滅してしまったことや、狩猟者が減少し ていること、緑化事業が進んでシカの餌となる植物が増えたことなどが原因として考 えられています。 栃木県の対策 ニホンジカ個体数調整(駆除)及び狩猟による捕獲頭数の経年変化と農業被害額 シカ保護管理計画の実施 70,000 4,000 個体数調整 狩猟 被害額 3,500 40,000 2,000 30,000 1,500 20,000 1,000 10,000 500 0 0 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 年度 発行:鳥獣新聞編集部(栃木県自然環境課内) ℡028-623-3261 FAX028-623-3212 ご意見、ご要望、情報などお待ちしています。 無断転写、複製、転送、公開、掲示、配布など大歓迎! 農業被害額(千円) 50,000 2,500 捕獲頭数(頭) 栃木県では全国に先駆け、平成 6 年度より シカ保護管理計画を策定し、捕獲を中心と した総合的な対策を実施しています。 特に平成 12 年度からの狩猟規制の緩和に よって捕獲数が増加しており、一部の地域 では生息密度の減少が確認されています。 60,000 3,000