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藤沢市個人情報保護制度運営審議会答申第589号 2013年(平成25年

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藤沢市個人情報保護制度運営審議会答申第589号 2013年(平成25年
藤沢市個人情報保護制度運営審議会答申第589号
2 0 1 3 年( 平 成 2 5 年 )9 月 1 2 日
藤沢市長
鈴木
恒夫
様
藤沢市個人情報保護制度
運営審議会会長 畠山 鬨之
食品衛生営業施設等の指導に係る個人情報を目的外に提供す
ること及び目的外に提供することに伴う本人通知の省略につ
いて(答申)
2 0 1 3 年 8 月 2 6 日 付 け で 諮 問( 第 5 8 9 号 )さ れ た 食 品 衛 生 営 業 施
設等の指導に係る個人情報を目的外に提供すること及び目的外に提供す
ることに伴う本人通知の省略について次のとおり答申します。
1 審議会の結論
(1) 藤 沢 市 個 人 情 報 の 保 護 に 関 す る 条 例( 平 成 1 5 年 藤 沢 市 条 例 第 7 号 。
以 下「 条 例 」と い う 。) 第 1 2 条 第 2 項 第 4 号 の 規 定 に よ る 目 的 外 に
提供する必要性があると認められる。
(2) 条 例 第 1 2 条 第 5 項 の 規 定 に よ る 目 的 外 に 提 供 す る こ と に 伴 う 本
人通知を省略する合理的理由があると認められる。
2
実施機関の説明要旨
実 施 機 関 の 説 明 を 総 合 す る と ,本 事 務 の 実 施 に 当 た り 個 人 情 報 を 目 的
外に提供する必要性及び目的外に提供することに伴う本人通知を省略
する合理的理由は次のとおりである。
(1) 諮 問 に 至 っ た 経 過
平 成 2 5 年 8 月 1 日 付 け で 東 京 弁 護 士 会 会 長 よ り ,弁 護 士 法( 昭 和
2 4 年 法 律 第 2 0 5 号 )第 2 3 条 の 2 の 規 定 に 基 づ き ,生 活 衛 生 課 で
保 有 す る 食 品 営 業 許 可 台 帳 情 報( 飲 食 店 営 業 の 営 業 者 情 報 )の 照 会 が
なされました。
弁 護 士 法 第 2 3 条 の 2 の 規 定 は ,目 的 外 の た め に 提 供 し な け れ ば な
ら な い こ と が 義 務 付 け ら れ て い る 場 合 に は 該 当 せ ず ,実 施 機 関 の 裁 量
に 委 ね ら れ て い る 場 合 に 該 当 す る た め ,東 京 弁 護 士 会 会 長 に 対 し ,食
品 営 業 許 可 台 帳 情 報( 飲 食 店 営 業 の 営 業 者 情 報 )を 目 的 外 に 提 供 す る
こ と に つ い て ,藤 沢 市 個 人 情 報 保 護 制 度 運 営 審 議 会 に 諮 問 す る も の で
ある。
(2)
食品営業許可台帳情報を目的外に提供することについて
目的外に提供する個人情報
営業等廃止届を受理した施設に関する申請者住所及び申請者氏
名
イ 目的外に提供する相手方
東京弁護士会会長
ウ 目的外提供の根拠規定
弁護士法第23条の2
エ 目的外提供に対する実施機関の考え
(ア) 照 会 の 法 的 位 置 づ け
本 件 の 個 人 情 報 の 目 的 外 提 供 に 係 る 照 会 は ,弁 護 士 法 第 2 3 条
の2の規定に基づくものである。
弁 護 士 法 第 2 3 条 の 2 第 1 項 に ,「 弁 護 士 は , 受 任 し て い る 事
件 に つ い て ,所 属 弁 護 士 会 に 対 し ,公 務 所 又 は 公 私 の 団 体 に 照 会
し て 必 要 な 事 項 の 報 告 を 求 め る こ と を 申 し 出 る こ と が で き る 。申
し 出 が あ っ た 場 合 に お い て ,当 該 弁 護 士 会 は ,そ の 申 し 出 が 適 当
で な い と 認 め る と き は , こ れ を 拒 絶 す る こ と が で き る 。」 ま た ,
同条第2項に,
「 弁 護 士 会 は ,前 項 の 規 定 に よ る 申 し 出 に 基 づ き ,
公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めるこ
と が で き る 。」 と 規 定 さ れ , 官 庁 , 公 共 団 体 そ の 他 の 団 体 に 対 す
る 照 会 に よ る 報 告 の 請 求 権 を 認 め た も の で あ る が ,市 長 は そ の 照
会に応じなければならない義務はなく,拘束力はない。
し か し ,本 件 照 会 は 正 当 な 請 求 権 を 有 し た 東 京 弁 護 士 会 会 長 に
よ っ て 行 わ れ た も の で あ り ,弁 護 士 に は 弁 護 士 法 第 2 3 条 に お い
て職務上知り得た秘密保持の権利及び義務が課せられている。
(イ) 目 的 外 に 提 供 す る 必 要 性
本 件 照 会 を 求 め る 理 由 と し て ,破 産 者 の 破 産 管 財 人 で あ る 弁 護
士 が ,相 手 先 に 対 し 債 権 譲 渡 通 知 を す る た め と の こ と で あ る 。す
なわち破産者は飲食店営業施設の営業者に対し売掛金を有する
も 回 収 で き て お ら ず ,同 売 掛 債 権 を サ ー ビ サ ー に 対 し 債 権 譲 渡 す
る こ と を 検 討 し て い る 。 サ ー ビ サ ー に 債 権 譲 渡 し た 際 に は ,債 権
譲 渡 通 知 を す る 必 要 が あ り ,そ の 通 知 先 を 特 定 す る た め と の こ と
である。
ま た ,本 件 の 目 的 外 に 提 供 す る 個 人 情 報 は ,食 品 衛 生 法 の 規 定
に よ る 営 業 許 可 に 関 す る 事 務 に 係 る 個 人 情 報 で あ り ,当 該 個 人 情
報の入手については他に替える手段が想定し難いものである。
な お ,サ ー ビ サ ー と は ,「 債 権 管 理 回 収 業 に 関 す る 特 別 措 置 法 」
( 平 成 1 0 年 法 律 第 1 2 6 号 以 下 「 当 該 法 」 と い う 。) に 基 づ き
法 務 大 臣 の 許 可 を 得 た 債 権 回 収 会 社 で あ る 。 当 該 法 は ,特 定 金 銭
債 権 の 処 理 が 喫 緊 の 課 題 と な っ て い る 状 況 に か ん が み ,許 可 制 度
を実施することにより弁護士法の特例として債権回収会社が業
として特定金銭債権の管理及び回収を行うことができるように
す る も の で あ り ,も っ て 国 民 経 済 の 健 全 な 発 展 に 資 す る こ と を 目
的 と し て い る 。 債 権 回 収 会 社 は ,当 該 法 に 基 づ き 適 正 に 業 務 を 行
ア
い ,ま た 「 債 権 管 理 回 収 業 分 野 に お け る 個 人 情 報 保 護 に 関 す る ガ
イ ド ラ イ ン 」( 平 成 2 2 年 法 務 省 告 示 第 1 2 6 号 ) に お い て 債 権
回 収 会 社 は ,あ ら か じ め 本 人 の 同 意 を 得 な い で ,個 人 デ ー タ を 第
三者に提供してはならない旨の規定がある。
以 上 の こ と か ら ,本 件 の 目 的 外 提 供 に 係 る 個 人 情 報 の 内 容 と 趣
旨 等 を 勘 案 し た 結 果 ,本 件 の 照 会 に 応 じ る 必 要 が あ る も の と 判 断
する。
(3) 目 的 外 に 提 供 す る こ と に 伴 う 本 人 通 知 の 省 略 に つ い て
個 人 情 報 を 目 的 外 に 提 供 す る 場 合 ,当 該 個 人 情 報 の 帰 属 者 に 対 し て
あらかじめその旨を通知すべき義務が実施機関に存している。
し か し ,本 件 の 場 合 ,破 産 者 の 破 産 管 財 人 で あ る 弁 護 士 が 売 掛 金 の
回 収 を 行 う 相 手 先 の 関 係 者 と 回 収 に つ い て 現 在 交 渉 中 で あ り ,本 人 通
知 を し た 場 合 に は ,当 該 交 渉 に 事 実 上 の 支 障 が 生 じ る 旨 ,照 会 申 出 人
で あ る 弁 護 士 に 確 認 し て い る 。こ の こ と か ら ,本 人 通 知 の 省 略 に つ い
て,合理的理由があると認められるため,本人通知を省略する。
(4) 提 出 書 類
ア 東京弁護士会会長からの弁護士法第23条の2に基づく照会文
書
イ 食品営業許可台帳
ウ 個人情報取扱事務届出書
3
審議会の判断理由
当 審 議 会 は ,次 に 述 べ る 理 由 に よ り ,審 議 会 の 結 論 (1)及 び (2)の と お
りの判断をするものである。
(1) 目 的 外 に 提 供 す る 必 要 性 に つ い て
実 施 機 関 は ,目 的 外 に 提 供 す る 必 要 性 に つ い て 次 の よ う に 述 べ て い
る。
ア 本件照会は,正当な請求権を有する東京弁護士会会長によって行
われるものである。
イ 本件照会の具体的必要性については,
「破産者の破産管財人である
弁護士が,相手先に対し債権譲渡通知をするためとのことである。
すなわち破産者は飲食店営業施設の営業者に対し売掛金を有す
る も 回 収 で き て お ら ず ,同 売 掛 債 権 を サ ー ビ サ ー に 対 し 債 権 譲 渡 す
る こ と を 検 討 し て い る 。サ ー ビ サ ー に 債 権 譲 渡 し た 際 に は ,債 権 譲 渡
通 知 を す る 必 要 が あ り ,そ の 通 知 先 を 特 定 す る た め 。」 と の こ と で あ
る。
ウ 本 件 の 目 的 外 に 提 供 す る 個 人 情 報 は ,食 品 衛 生 法 の 規 定 に よ る 営
業 許 可 に 関 す る 事 務 に 係 る 個 人 情 報 で あ り ,当 該 個 人 情 報 の 入 手 に
ついては他の代替手段が想定し難いものである。
以 上 の こ と か ら 判 断 す る と ,目 的 外 に 提 供 す る 必 要 性 が あ る と 認 め
られる。
(2) 目 的 外 に 提 供 す る こ と に 伴 う 本 人 通 知 を 省 略 す る 合 理 的 理 由 に つ
いて
個人情報を目的外に提供する場合,当該個人情報の帰属者に対して,
あらかじめその旨を通知すべき義務が実施機関に存している。
しかし,本件の場合,破産者の破産管財人である弁護士が売掛金の
回 収 を 行 う 相 手 先 の 関 係 者 と 回 収 に つ い て 現 在 交 渉 中 で あ り ,本 人 通
知をした場合には,当該交渉に事実上の支障が生じる旨,照会申出人
である弁護士に確認している。
以上のことから判断すると,目的外に提供することに伴う本人通知
を省略する合理的理由があると認められる。
以
上
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